JP3555938B2 - 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 - Google Patents
光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3555938B2 JP3555938B2 JP2000310534A JP2000310534A JP3555938B2 JP 3555938 B2 JP3555938 B2 JP 3555938B2 JP 2000310534 A JP2000310534 A JP 2000310534A JP 2000310534 A JP2000310534 A JP 2000310534A JP 3555938 B2 JP3555938 B2 JP 3555938B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- information
- toc
- optical disc
- music
- song
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Indexing, Searching, Synchronizing, And The Amount Of Synchronization Travel Of Record Carriers (AREA)
- Management Or Editing Of Information On Record Carriers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDなどの記録媒体に記録されている複数の曲の中から所定の一曲の先頭にアクセスする光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスク再生装置において、光ディスクに記録されている複数の曲の中の1つの曲の先頭にアクセスする場合は、曲の開始位置を示すTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報を予め光ディスクからマイクロコンピュータのRAMに記憶させておき、このTOC情報に基づいてアクセスを行う。
【0003】
目標曲の先頭へのアクセスは、目標曲のTOC情報と現在の再生位置とから光ピックアップの移動距離を求め、サーボ制御により、光ピックアップをこの移動距離だけ移動させることにより行う。
【0004】
光ピックアップの送り機構には構造上の移動誤差があるため、光ピックアップの移動を何回か繰り返し、目標の位置を見つける。この光ピックアップの移動回数を減らし、短時間で所定の位置に移動するためには、多くのTOC情報を記憶する必要があるが、マイクロコンピュータのRAM容量が限られていることと、機構上の移動誤差とを考慮し、「フレーム」および「秒」の下位桁の情報は一般的には使用しない。
【0005】
マイクロコンピュータの限られたRAM領域を有効に利用する方法として、特許第2955499号公報(特開平9−106659号公報)は、曲数の少ないCDに対しては全TOC情報を記憶し、曲数が多いCDに対しては上位情報のみを記憶する方法を提案している。
【0006】
同公報に提案されている方法において、曲数の多いときのRAMの構成を図7に、曲数の少ないときのRAMの構成を図8にそれぞれ示す。
【0007】
図7及び8に示すように、TOC領域20には、トラックナンバー領域21、曲番号領域22、分データ領域23、秒データ領域24、フレームデータ領域25その他の領域が含まれている。これらの領域のデータは各8ビットで記憶されている。
【0008】
また、図7に示すように、曲数の多いときにはRAMは99曲分のTOC情報のうち分データのみを記憶する。あるいは、図8に示すように、曲数の少ないときにはRAMは33曲分のTOC情報のうち分データ、秒データ及びフレームデータを記憶する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法によれば、RAM上に最低99バイトのTOC領域を確保しなければならず、RAM容量の小さなマイクロコンピュータでは実現できない。
【0010】
また、CDチェンジャーなどの複数のCDを扱うシステムにおいては、多くのTOC領域が必要となり、全てのCDのTOC情報を記憶することができなかった。
【0011】
このため、CDを入れ替えるたびに、各CDのTOC情報を読み込む処理を行っていた。
【0012】
また、特開平6−195945号公報は、メモリの容量を増やすことなく、所望の曲を選曲することができる光ディスク再生方法を提案している。
【0013】
この方法においては、約30バイトのTOCメモリを用い、分、秒及びフレームについての正確なTOC情報を格納し、このTOC情報に基づいて、選曲を行う。
【0014】
しかしながら、この光ディスク再生方法を実施するためには、光ディスクの音声データを記憶しておくためのショックプルーフコントローラとDRAMとが必要であるが、ショックプルーフコントローラとDRAMの双方を追加すると、TOC情報用のメモリを増設する場合よりも、製品コストが上昇してしまい、実用的ではない。
【0015】
また、特開平4−286018号公報は、磁気テープ記憶装置の高速位置付け方法を提案している。
【0016】
この方法においては、先ず、磁気テープの位置情報と記録データの区切情報との対応テーブルを作成し、この対応テーブルを参照して、位置づけを行う。例えば、磁気テープ上のデータブロック及びテープマークの論理番号、データブロック及びテープマークの磁気テープ上の物理的な位置を示す物理番号、及び、データブロックがテープマークか否かを示すフラグ情報を対応づけたテーブルを作成し、磁気テープに記録する。ロード時にメモリ上にテーブルを展開し、任意の論理番号のデータブロックに位置付けする際に、テーブルを参照して論理番号またはフラグ情報から目的のデータブロックの磁気テープ上の物理番号を得て、目的のデータブロックまで高速に位置付ける。
【0017】
しかしながら、この方法によれば、予め所定のテーブルを作成しなければならず、また、作成したテーブルを磁気テープからメモリに記憶させるため、メモリの容量としては大容量を必要とする。
【0018】
本発明は以上のような従来の光ディスク再生方法または光ディスク再生装置における問題点に鑑みてなされたものであり、RAM容量の小さいマイクロコンピュータであっても、TOC情報に基づいて、短時間に曲の頭出し動作を行うことができる光ディスク再生方法及び光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明のうち、請求項1は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置を提供する。
【0020】
例えば、単位時間としては、1分または30秒を選択することができる。
【0021】
また、請求項4は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、前記TOC情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置を提供する。
【0022】
請求項5は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、前記光ディスクに記録されている記録情報を読み取る光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスク上の所望の位置に移動させる中央処理装置と、前記記録情報に含まれるTOC情報を記憶する記憶媒体と、からなる光ディスク再生装置であって、前記中央処理装置は、前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で前記記憶媒体に記憶し、前記TOC情報に基づいて、前記光ピックアップを移動させ、曲の頭出し動作を行うものである光ディスク再生装置を提供する。
【0023】
また、請求項6は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶する過程と、前記TOC情報を読み出す過程と、読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、を備える光ディスク再生方法を提供する。
【0024】
請求項7は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶する過程と、前記TOC情報を読み出す過程と、読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、を備える光ディスク再生方法を提供する。
【0025】
請求項8は、曲番号カウンタに光ディスクの開始曲番号を設定する過程と、分カウンタをリセットする過程と、TOC情報の記憶領域であるビット列を0で埋める過程と、ビット列の位置を示すビットポインタをリセットする過程と、前記TOC情報の曲番号と前記曲番号カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビットポインタをインクリメントする過程と、前記TOC情報の分情報と前記分カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビット列に1を設定し、その単位時間内に曲があることを示す過程と、前記曲番号カウンタをインクリメントする過程と、を備える光ディスクの再生方法を提供する。
【0026】
請求項9は、選曲すべき曲番号が与えられたときに、光ディスクの開始曲番号を曲番号カウンタに設定する過程と、分カウンタに0分を示す0を設定する過程と、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする過程と、前記ビットポインタをインクリメントし、前記ビットポインタにより示されるビット列の内容を確認する過程と、前記ビット列が単位時間内に曲が存在することを示している場合には、選曲番号と前記曲番号カウンタが示す曲番号とを比較する過程と、前記選曲番号と前記曲番号カウンタ示す曲番号とが一致した場合、その時点における前記分カウンタの内容を選曲した曲に対するTOC情報として取り出す過程と、を備える光ディスクの再生方法を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置のブロック図である。
【0028】
本実施形態に係る光ディスク再生装置は、コンパクトディスク(CD)1を回転駆動するモーター2と、CD1に記録されている記録情報を読み取る光ピックアップ3と、光ピックアップ3を駆動するドライバー回路4と、モーター2を駆動制御するドライバー回路5と、光ピックアップ3から読み出された信号を処理する信号処理回路6と、信号処理回路6から出力信号を受信し、二つのドライバー回路4、5を制御するマイクロコンピュータ7と、マイクロコンピュータ7に所定のデータを入力する入力装置8と、からなる。
【0029】
マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6及び入力装置8からの信号を受信し、ドライバー回路4及び5に駆動信号を発信する入出力回路9と、入出力回路9から各種情報を受信し、情報処理を行う中央処理装置(CPU)11と、CPU11に対する処理手順を示すプログラムが記憶されているROM10と、CPU11を介して再生位置やTOC情報などを記憶するRAM12と、を備えている。
【0030】
本実施形態に係る光ディスク再生装置において、CD1はモーター2により回転駆動される。モーター2の安定した回転駆動はドライバ回路5によるサーボ制御により保たれる。
【0031】
CD1の記録情報は光ピックアップ3により読み取られる。光ピックアップ3はドライバ回路4によるサーボ制御により、CD1の任意の位置に移動することができる。
【0032】
信号処理回路6は、光ピックアップ3から読み出された信号をアナログ信号に変換し、オーディオ出力を行う。また、信号処理回路6は、光ピックアップ3から読み出された信号からサーボエラー信号とサブコード信号とをマイクロコンピュータ7に与える。マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6からのサーボエラー信号に基づいて、ドライバー回路4、5に対して駆動信号を与える。
【0033】
また、マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6からのサブコード信号に含まれる再生位置情報やTOC情報をRAM12に記憶し、入力装置8から与えられる目標曲番号などから任意の位置に光ピックアップ3を移動させることができる。
【0034】
CD1は、TOC情報が記録された、CD1の内周側に位置するリードイン領域13と、音楽情報が記録された、リードイン領域13の外側に位置するプログラム記録領域14と、を備える。
【0035】
図2はTOC情報の記憶構成を示す。TOC構成20はリードイン領域13に記録されているTOC情報のデータ構成を示す。
【0036】
各データは1バイト(8ビット)単位で記録されている。
【0037】
トラックナンバー21には、リードイン領域13であることを示す00が記録されている。
【0038】
ポイント22には、曲番号が記録されている。
【0039】
分データ23には、曲番号に対する開始位置の00から74までの分情報が記録されている。
【0040】
秒データ24には、曲番号に対する開始位置の00から59までの秒情報が記録されている。
【0041】
フレームデータ25には、曲番号に対する開始位置の00から74までのフレーム情報が記録されている。
【0042】
リードイン領域13には、プログラム記録領域14に収められた曲の全ての開始位置情報と開始曲番号、最終曲番号、最終曲の終了位置のTOC情報形式20で示すTOC情報とが繰り返し記録されている。
【0043】
TOC情報26はTOC構成20の分情報のみを抽出したデータの例である。
【0044】
従来の方法では、TOC情報26の曲番号を記憶アドレスとして、1バイト単位でRAM12に分情報を記憶していた。ビット列27はTOC情報26の分情報を分ごとのビット情報に置き換えたビット列である。このビット列27は、RAM12に記憶される。
【0045】
以下、図1および図2を参照して、本実施形態に係る光ディスク再生装置の動作について説明する。
【0046】
本実施形態に係る光ディスク再生装置は、CD1が装填されると、マイクロコンピュータ7はドライバー回路4を介して光ピックアップ3をリードイン領域13へ移動させる。
【0047】
次いで、マイクロコンピュータ7はCD1からTOC情報を取り込み、このTOC情報をビット列27に変換し、このビット列27をRAM12に記憶する。
【0048】
入力装置8を介して選曲したい曲番号が入力されると、CPU11はRAM12に記憶したビット列27から、選曲した曲番号のTOC情報を読み出し、ドライバー回路4に駆動信号を与え、光ピックアップ3を移動させる。
【0049】
次いで、図3を参照して、TOC情報の取込み動作を説明する。
【0050】
CD1が装填されると、TOC情報の読込のための初期化が行われる。初期化動作は、まず、曲番号カウンタにCD1の開始曲番号を設定する(ステップA1)。
【0051】
次に、分カウンタに0分を示す0を設定する(ステップA2)。
【0052】
次に、TOC情報の記憶領域であるビット列を0で埋める(ステップA3)。
【0053】
次に、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする(ステップA4)。
【0054】
TOC構成20のTOC情報が取り込まれる毎に、以下に示すように、ステップA5からステップA10が実行される。
【0055】
先ず、TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとを比較する(ステップA5)。
【0056】
この比較の結果、TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとが一致しない場合は(ステップA5のNO)、次のTOC情報が取り込まれるまで待つ。
【0057】
TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとが一致した場合は(ステップA5のYES)、ビットポインタをインクリメントする(ステップA6)。
【0058】
次いで、TOC情報の分情報と分カウンタとを比較する(ステップA7)。
【0059】
TOC情報の分情報と分カウンタとが一致しなかった場合(ステップA7のNO)、分カウンタをインクリメントした後(ステップA8)、ビットポインタをインクリメントし(ステップA6)、TOC情報の分情報と分カウンタとの比較を再度行う(ステップA7)。
【0060】
TOC情報の分情報と分カウンタとが一致した場合(ステップA7のYES)、ビットポインタで示すビット列に1を設定する(ステップA9)。ここで、ビット列に1を設定することは、その時間単位内に曲があることを示す。
【0061】
次いで、次の比較のために曲番号カウンタをインクリメントする(ステップA10)。
【0062】
次いで、図4を参照して、記憶したTOC情報を使った選曲動作について説明する。
【0063】
入力装置8を介して、選曲したい曲番号が与えられると、マイクロコンピュータ7は選曲動作を開始する。
【0064】
先ず、曲番号カウンタにCD1の開始曲番号を設定する(ステップB1)。
【0065】
次に、分カウンタに0分を示す0を設定する(ステップB2)。
【0066】
次に、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする(ステップB3)。
【0067】
さらに、ビットポインタをインクリメントした後(ステップB4)、ビットポインタで示すビット列の内容を確認する(ステップB5)。すなわち、ビット列が0であるか、あるいは、1であるかを確認する。
【0068】
ビット列が0である場合には、その時間単位内に曲が存在しないことを意味し、分カウンタとビットポインタとをインクリメントした後(ステップB6、B4)、ビット列が0または1の何れであるかの確認を再度行う(ステップB5)。
【0069】
ステップB5における確認の結果、ビット列が1であることが確認された場合には、その単位時間内に曲が存在することを意味する。このため、選曲番号と曲番号カウンタとを比較する(ステップB7)。
【0070】
選曲番号と曲番号カウンタとが一致しなかった場合(ステップB7のNO)、曲番号カウンタをインクリメントした後(ステップB8)、ステップB4へ戻る。
【0071】
選曲番号と曲番号カウンタとが一致した場合(ステップB7のYES)には、その時点における分カウンタの内容が選曲した曲に対するTOC情報となる。
【0072】
図5は、本発明の第二の実施形態に係る光ディスク再生装置に使用されるTOC構成20Aを示す。
【0073】
上述の第一の実施形態においては、ビット列27の各ビットの単位時間を1分ごととしていたが、本実施形態においては、TOC情報の秒データ24を利用し、ビット列27の各ビットの単位時間を30秒ごとに設定している。
【0074】
このときの記憶領域は1枚のCDに対して249ビット(99曲+75分×2)つまり32バイト必要であるが、TOC情報量が増えているため、曲の頭出し動作を素早く行うことができる。
【0075】
図6は、本発明の第三の実施形態に係る光ディスク再生装置に使用されるTOC構成20Bを示す。
【0076】
本実施形態においては、ビット列27の各ビットの単位を時間ではなく、トラック数を用いている。すなわち、ビット列27の各ビット単位をTOC情報の分データ23、秒データ24、フレームデータ25よりトラック数に変換し、200トラック単位で記憶している。
【0077】
このときの記憶領域は1枚のCDに対して209ビット(99曲+(最外周のトラック数(21907)−最内周のトラック数(15))/200)つまり27バイトである。
【0078】
光ピックアップ3の移動量はトラック数で指定する。CD1は線速度一定で記録されているため、単位時間あたりのトラック数が、ディスクの内周側と外周側とで異なる。
【0079】
本実施形態においては、トラック数単位で記憶するため、光ピックアップ3の位置に関係なく、光ピックアップ3を同じスピードで移動させることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明に係る光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法においては、TOC情報を単位時間ごとビット単位で記憶する。このため、従来技術のように、曲ごとにバイト単位で記憶する方法と比べて、同じ情報量に対してマイクロコンピュータのRAM領域をわずかしか使用せず、残った領域を有効に使用することができる。
【0081】
例えば、同じ分情報を記憶する場合、従来技術では1枚のCDに対して99バイト(99曲×1分)の記憶領域を確保しなければならない。
【0082】
これに対して、本発明によれば、曲番号を1分ごとビット単位で記憶することにより、1枚のCDに対して174ビット(99曲+75分)つまり22バイトの記憶領域しか占有しない。
【0083】
すなわち、本発明によれば、先行技術で最低必要とするRAM領域の約2/9の領域で同精度のTOC情報を記憶することができる。
【0084】
以上のように、本発明によれば、TOC情報に割り当てるマイクロコンピュータのRAM領域を少なくすることができる。
【0085】
この効果に起因して、本発明は、さらに、次のような効果をも奏する。
【0086】
第1の効果は、RAM容量の小さなマイクロコンピュータであっても、TOC情報を用いて、短時間で曲の頭出し動作を行うことができることである。その理由は、CDに記録された全ての曲の開始位置情報をマイクロコンピュータのRAM内に記憶できるからである。
【0087】
第2の効果は、CDチェンジャーなどの複数のCDを扱うシステムにおいて、異なるCD間の頭出し動作を短時間でできることである。その理由は、1度TOC情報を記憶したCDに対しては、TOC情報を読み出すための光ピックアップ移動処理が必要ないからである。
【0088】
第3の効果は、従来の1バイトごとTOC情報を記憶する方法に比べて、同じRAM容量に対しての情報量が多く、頭出し動作の精度を向上させることができる。
【0089】
例えば、TOC記憶領域として99バイトのRAM容量が与えられたとき、従来方法では分単位までの情報しか記憶できないが、本発明によれば、1ビットに1/8分(7.5秒)単位で記憶することにより、88バイト(75分×8+99)に対して7.5秒単位の情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置のブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図3】TOC情報の取込み動作を示すフローチャートである。
【図4】記憶したTOC情報を用いて行う選曲動作のフローチャートである。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図7】従来の光ディスク再生装置におけるRAMの記憶構成を示す概略図である。
【図8】従来の光ディスク再生装置におけるRAMの別の記憶構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 CD
2 モーター
3 光ピックアップ
4 光ピックアップ用ドライバー回路
5 モーター用ドライバー回路
6 信号処理回路
7 マイクロコンピュータ
8 入力装置
9 入出力回路
10 ROM
11 CPU
12 RAM
13 リードイン領域
14 プログラム記録領域
20 TOC構成
21 トラックナンバー
22 ポイント
23 分データ
24 秒データ
25 フレームデータ
26 TOC情報
27 ビット列
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDなどの記録媒体に記録されている複数の曲の中から所定の一曲の先頭にアクセスする光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスク再生装置において、光ディスクに記録されている複数の曲の中の1つの曲の先頭にアクセスする場合は、曲の開始位置を示すTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報を予め光ディスクからマイクロコンピュータのRAMに記憶させておき、このTOC情報に基づいてアクセスを行う。
【0003】
目標曲の先頭へのアクセスは、目標曲のTOC情報と現在の再生位置とから光ピックアップの移動距離を求め、サーボ制御により、光ピックアップをこの移動距離だけ移動させることにより行う。
【0004】
光ピックアップの送り機構には構造上の移動誤差があるため、光ピックアップの移動を何回か繰り返し、目標の位置を見つける。この光ピックアップの移動回数を減らし、短時間で所定の位置に移動するためには、多くのTOC情報を記憶する必要があるが、マイクロコンピュータのRAM容量が限られていることと、機構上の移動誤差とを考慮し、「フレーム」および「秒」の下位桁の情報は一般的には使用しない。
【0005】
マイクロコンピュータの限られたRAM領域を有効に利用する方法として、特許第2955499号公報(特開平9−106659号公報)は、曲数の少ないCDに対しては全TOC情報を記憶し、曲数が多いCDに対しては上位情報のみを記憶する方法を提案している。
【0006】
同公報に提案されている方法において、曲数の多いときのRAMの構成を図7に、曲数の少ないときのRAMの構成を図8にそれぞれ示す。
【0007】
図7及び8に示すように、TOC領域20には、トラックナンバー領域21、曲番号領域22、分データ領域23、秒データ領域24、フレームデータ領域25その他の領域が含まれている。これらの領域のデータは各8ビットで記憶されている。
【0008】
また、図7に示すように、曲数の多いときにはRAMは99曲分のTOC情報のうち分データのみを記憶する。あるいは、図8に示すように、曲数の少ないときにはRAMは33曲分のTOC情報のうち分データ、秒データ及びフレームデータを記憶する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法によれば、RAM上に最低99バイトのTOC領域を確保しなければならず、RAM容量の小さなマイクロコンピュータでは実現できない。
【0010】
また、CDチェンジャーなどの複数のCDを扱うシステムにおいては、多くのTOC領域が必要となり、全てのCDのTOC情報を記憶することができなかった。
【0011】
このため、CDを入れ替えるたびに、各CDのTOC情報を読み込む処理を行っていた。
【0012】
また、特開平6−195945号公報は、メモリの容量を増やすことなく、所望の曲を選曲することができる光ディスク再生方法を提案している。
【0013】
この方法においては、約30バイトのTOCメモリを用い、分、秒及びフレームについての正確なTOC情報を格納し、このTOC情報に基づいて、選曲を行う。
【0014】
しかしながら、この光ディスク再生方法を実施するためには、光ディスクの音声データを記憶しておくためのショックプルーフコントローラとDRAMとが必要であるが、ショックプルーフコントローラとDRAMの双方を追加すると、TOC情報用のメモリを増設する場合よりも、製品コストが上昇してしまい、実用的ではない。
【0015】
また、特開平4−286018号公報は、磁気テープ記憶装置の高速位置付け方法を提案している。
【0016】
この方法においては、先ず、磁気テープの位置情報と記録データの区切情報との対応テーブルを作成し、この対応テーブルを参照して、位置づけを行う。例えば、磁気テープ上のデータブロック及びテープマークの論理番号、データブロック及びテープマークの磁気テープ上の物理的な位置を示す物理番号、及び、データブロックがテープマークか否かを示すフラグ情報を対応づけたテーブルを作成し、磁気テープに記録する。ロード時にメモリ上にテーブルを展開し、任意の論理番号のデータブロックに位置付けする際に、テーブルを参照して論理番号またはフラグ情報から目的のデータブロックの磁気テープ上の物理番号を得て、目的のデータブロックまで高速に位置付ける。
【0017】
しかしながら、この方法によれば、予め所定のテーブルを作成しなければならず、また、作成したテーブルを磁気テープからメモリに記憶させるため、メモリの容量としては大容量を必要とする。
【0018】
本発明は以上のような従来の光ディスク再生方法または光ディスク再生装置における問題点に鑑みてなされたものであり、RAM容量の小さいマイクロコンピュータであっても、TOC情報に基づいて、短時間に曲の頭出し動作を行うことができる光ディスク再生方法及び光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明のうち、請求項1は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置を提供する。
【0020】
例えば、単位時間としては、1分または30秒を選択することができる。
【0021】
また、請求項4は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、前記TOC情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置を提供する。
【0022】
請求項5は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、前記光ディスクに記録されている記録情報を読み取る光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスク上の所望の位置に移動させる中央処理装置と、前記記録情報に含まれるTOC情報を記憶する記憶媒体と、からなる光ディスク再生装置であって、前記中央処理装置は、前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で前記記憶媒体に記憶し、前記TOC情報に基づいて、前記光ピックアップを移動させ、曲の頭出し動作を行うものである光ディスク再生装置を提供する。
【0023】
また、請求項6は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶する過程と、前記TOC情報を読み出す過程と、読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、を備える光ディスク再生方法を提供する。
【0024】
請求項7は、光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶する過程と、前記TOC情報を読み出す過程と、読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、を備える光ディスク再生方法を提供する。
【0025】
請求項8は、曲番号カウンタに光ディスクの開始曲番号を設定する過程と、分カウンタをリセットする過程と、TOC情報の記憶領域であるビット列を0で埋める過程と、ビット列の位置を示すビットポインタをリセットする過程と、前記TOC情報の曲番号と前記曲番号カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビットポインタをインクリメントする過程と、前記TOC情報の分情報と前記分カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビット列に1を設定し、その単位時間内に曲があることを示す過程と、前記曲番号カウンタをインクリメントする過程と、を備える光ディスクの再生方法を提供する。
【0026】
請求項9は、選曲すべき曲番号が与えられたときに、光ディスクの開始曲番号を曲番号カウンタに設定する過程と、分カウンタに0分を示す0を設定する過程と、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする過程と、前記ビットポインタをインクリメントし、前記ビットポインタにより示されるビット列の内容を確認する過程と、前記ビット列が単位時間内に曲が存在することを示している場合には、選曲番号と前記曲番号カウンタが示す曲番号とを比較する過程と、前記選曲番号と前記曲番号カウンタ示す曲番号とが一致した場合、その時点における前記分カウンタの内容を選曲した曲に対するTOC情報として取り出す過程と、を備える光ディスクの再生方法を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置のブロック図である。
【0028】
本実施形態に係る光ディスク再生装置は、コンパクトディスク(CD)1を回転駆動するモーター2と、CD1に記録されている記録情報を読み取る光ピックアップ3と、光ピックアップ3を駆動するドライバー回路4と、モーター2を駆動制御するドライバー回路5と、光ピックアップ3から読み出された信号を処理する信号処理回路6と、信号処理回路6から出力信号を受信し、二つのドライバー回路4、5を制御するマイクロコンピュータ7と、マイクロコンピュータ7に所定のデータを入力する入力装置8と、からなる。
【0029】
マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6及び入力装置8からの信号を受信し、ドライバー回路4及び5に駆動信号を発信する入出力回路9と、入出力回路9から各種情報を受信し、情報処理を行う中央処理装置(CPU)11と、CPU11に対する処理手順を示すプログラムが記憶されているROM10と、CPU11を介して再生位置やTOC情報などを記憶するRAM12と、を備えている。
【0030】
本実施形態に係る光ディスク再生装置において、CD1はモーター2により回転駆動される。モーター2の安定した回転駆動はドライバ回路5によるサーボ制御により保たれる。
【0031】
CD1の記録情報は光ピックアップ3により読み取られる。光ピックアップ3はドライバ回路4によるサーボ制御により、CD1の任意の位置に移動することができる。
【0032】
信号処理回路6は、光ピックアップ3から読み出された信号をアナログ信号に変換し、オーディオ出力を行う。また、信号処理回路6は、光ピックアップ3から読み出された信号からサーボエラー信号とサブコード信号とをマイクロコンピュータ7に与える。マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6からのサーボエラー信号に基づいて、ドライバー回路4、5に対して駆動信号を与える。
【0033】
また、マイクロコンピュータ7は、信号処理回路6からのサブコード信号に含まれる再生位置情報やTOC情報をRAM12に記憶し、入力装置8から与えられる目標曲番号などから任意の位置に光ピックアップ3を移動させることができる。
【0034】
CD1は、TOC情報が記録された、CD1の内周側に位置するリードイン領域13と、音楽情報が記録された、リードイン領域13の外側に位置するプログラム記録領域14と、を備える。
【0035】
図2はTOC情報の記憶構成を示す。TOC構成20はリードイン領域13に記録されているTOC情報のデータ構成を示す。
【0036】
各データは1バイト(8ビット)単位で記録されている。
【0037】
トラックナンバー21には、リードイン領域13であることを示す00が記録されている。
【0038】
ポイント22には、曲番号が記録されている。
【0039】
分データ23には、曲番号に対する開始位置の00から74までの分情報が記録されている。
【0040】
秒データ24には、曲番号に対する開始位置の00から59までの秒情報が記録されている。
【0041】
フレームデータ25には、曲番号に対する開始位置の00から74までのフレーム情報が記録されている。
【0042】
リードイン領域13には、プログラム記録領域14に収められた曲の全ての開始位置情報と開始曲番号、最終曲番号、最終曲の終了位置のTOC情報形式20で示すTOC情報とが繰り返し記録されている。
【0043】
TOC情報26はTOC構成20の分情報のみを抽出したデータの例である。
【0044】
従来の方法では、TOC情報26の曲番号を記憶アドレスとして、1バイト単位でRAM12に分情報を記憶していた。ビット列27はTOC情報26の分情報を分ごとのビット情報に置き換えたビット列である。このビット列27は、RAM12に記憶される。
【0045】
以下、図1および図2を参照して、本実施形態に係る光ディスク再生装置の動作について説明する。
【0046】
本実施形態に係る光ディスク再生装置は、CD1が装填されると、マイクロコンピュータ7はドライバー回路4を介して光ピックアップ3をリードイン領域13へ移動させる。
【0047】
次いで、マイクロコンピュータ7はCD1からTOC情報を取り込み、このTOC情報をビット列27に変換し、このビット列27をRAM12に記憶する。
【0048】
入力装置8を介して選曲したい曲番号が入力されると、CPU11はRAM12に記憶したビット列27から、選曲した曲番号のTOC情報を読み出し、ドライバー回路4に駆動信号を与え、光ピックアップ3を移動させる。
【0049】
次いで、図3を参照して、TOC情報の取込み動作を説明する。
【0050】
CD1が装填されると、TOC情報の読込のための初期化が行われる。初期化動作は、まず、曲番号カウンタにCD1の開始曲番号を設定する(ステップA1)。
【0051】
次に、分カウンタに0分を示す0を設定する(ステップA2)。
【0052】
次に、TOC情報の記憶領域であるビット列を0で埋める(ステップA3)。
【0053】
次に、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする(ステップA4)。
【0054】
TOC構成20のTOC情報が取り込まれる毎に、以下に示すように、ステップA5からステップA10が実行される。
【0055】
先ず、TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとを比較する(ステップA5)。
【0056】
この比較の結果、TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとが一致しない場合は(ステップA5のNO)、次のTOC情報が取り込まれるまで待つ。
【0057】
TOC情報の曲番号と曲番号カウンタとが一致した場合は(ステップA5のYES)、ビットポインタをインクリメントする(ステップA6)。
【0058】
次いで、TOC情報の分情報と分カウンタとを比較する(ステップA7)。
【0059】
TOC情報の分情報と分カウンタとが一致しなかった場合(ステップA7のNO)、分カウンタをインクリメントした後(ステップA8)、ビットポインタをインクリメントし(ステップA6)、TOC情報の分情報と分カウンタとの比較を再度行う(ステップA7)。
【0060】
TOC情報の分情報と分カウンタとが一致した場合(ステップA7のYES)、ビットポインタで示すビット列に1を設定する(ステップA9)。ここで、ビット列に1を設定することは、その時間単位内に曲があることを示す。
【0061】
次いで、次の比較のために曲番号カウンタをインクリメントする(ステップA10)。
【0062】
次いで、図4を参照して、記憶したTOC情報を使った選曲動作について説明する。
【0063】
入力装置8を介して、選曲したい曲番号が与えられると、マイクロコンピュータ7は選曲動作を開始する。
【0064】
先ず、曲番号カウンタにCD1の開始曲番号を設定する(ステップB1)。
【0065】
次に、分カウンタに0分を示す0を設定する(ステップB2)。
【0066】
次に、ビット列の位置を示すビットポインタを0にする(ステップB3)。
【0067】
さらに、ビットポインタをインクリメントした後(ステップB4)、ビットポインタで示すビット列の内容を確認する(ステップB5)。すなわち、ビット列が0であるか、あるいは、1であるかを確認する。
【0068】
ビット列が0である場合には、その時間単位内に曲が存在しないことを意味し、分カウンタとビットポインタとをインクリメントした後(ステップB6、B4)、ビット列が0または1の何れであるかの確認を再度行う(ステップB5)。
【0069】
ステップB5における確認の結果、ビット列が1であることが確認された場合には、その単位時間内に曲が存在することを意味する。このため、選曲番号と曲番号カウンタとを比較する(ステップB7)。
【0070】
選曲番号と曲番号カウンタとが一致しなかった場合(ステップB7のNO)、曲番号カウンタをインクリメントした後(ステップB8)、ステップB4へ戻る。
【0071】
選曲番号と曲番号カウンタとが一致した場合(ステップB7のYES)には、その時点における分カウンタの内容が選曲した曲に対するTOC情報となる。
【0072】
図5は、本発明の第二の実施形態に係る光ディスク再生装置に使用されるTOC構成20Aを示す。
【0073】
上述の第一の実施形態においては、ビット列27の各ビットの単位時間を1分ごととしていたが、本実施形態においては、TOC情報の秒データ24を利用し、ビット列27の各ビットの単位時間を30秒ごとに設定している。
【0074】
このときの記憶領域は1枚のCDに対して249ビット(99曲+75分×2)つまり32バイト必要であるが、TOC情報量が増えているため、曲の頭出し動作を素早く行うことができる。
【0075】
図6は、本発明の第三の実施形態に係る光ディスク再生装置に使用されるTOC構成20Bを示す。
【0076】
本実施形態においては、ビット列27の各ビットの単位を時間ではなく、トラック数を用いている。すなわち、ビット列27の各ビット単位をTOC情報の分データ23、秒データ24、フレームデータ25よりトラック数に変換し、200トラック単位で記憶している。
【0077】
このときの記憶領域は1枚のCDに対して209ビット(99曲+(最外周のトラック数(21907)−最内周のトラック数(15))/200)つまり27バイトである。
【0078】
光ピックアップ3の移動量はトラック数で指定する。CD1は線速度一定で記録されているため、単位時間あたりのトラック数が、ディスクの内周側と外周側とで異なる。
【0079】
本実施形態においては、トラック数単位で記憶するため、光ピックアップ3の位置に関係なく、光ピックアップ3を同じスピードで移動させることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明に係る光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法においては、TOC情報を単位時間ごとビット単位で記憶する。このため、従来技術のように、曲ごとにバイト単位で記憶する方法と比べて、同じ情報量に対してマイクロコンピュータのRAM領域をわずかしか使用せず、残った領域を有効に使用することができる。
【0081】
例えば、同じ分情報を記憶する場合、従来技術では1枚のCDに対して99バイト(99曲×1分)の記憶領域を確保しなければならない。
【0082】
これに対して、本発明によれば、曲番号を1分ごとビット単位で記憶することにより、1枚のCDに対して174ビット(99曲+75分)つまり22バイトの記憶領域しか占有しない。
【0083】
すなわち、本発明によれば、先行技術で最低必要とするRAM領域の約2/9の領域で同精度のTOC情報を記憶することができる。
【0084】
以上のように、本発明によれば、TOC情報に割り当てるマイクロコンピュータのRAM領域を少なくすることができる。
【0085】
この効果に起因して、本発明は、さらに、次のような効果をも奏する。
【0086】
第1の効果は、RAM容量の小さなマイクロコンピュータであっても、TOC情報を用いて、短時間で曲の頭出し動作を行うことができることである。その理由は、CDに記録された全ての曲の開始位置情報をマイクロコンピュータのRAM内に記憶できるからである。
【0087】
第2の効果は、CDチェンジャーなどの複数のCDを扱うシステムにおいて、異なるCD間の頭出し動作を短時間でできることである。その理由は、1度TOC情報を記憶したCDに対しては、TOC情報を読み出すための光ピックアップ移動処理が必要ないからである。
【0088】
第3の効果は、従来の1バイトごとTOC情報を記憶する方法に比べて、同じRAM容量に対しての情報量が多く、頭出し動作の精度を向上させることができる。
【0089】
例えば、TOC記憶領域として99バイトのRAM容量が与えられたとき、従来方法では分単位までの情報しか記憶できないが、本発明によれば、1ビットに1/8分(7.5秒)単位で記憶することにより、88バイト(75分×8+99)に対して7.5秒単位の情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置のブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図3】TOC情報の取込み動作を示すフローチャートである。
【図4】記憶したTOC情報を用いて行う選曲動作のフローチャートである。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る光ディスク再生装置におけるTOC情報の記憶構成を示す概略図である。
【図7】従来の光ディスク再生装置におけるRAMの記憶構成を示す概略図である。
【図8】従来の光ディスク再生装置におけるRAMの別の記憶構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 CD
2 モーター
3 光ピックアップ
4 光ピックアップ用ドライバー回路
5 モーター用ドライバー回路
6 信号処理回路
7 マイクロコンピュータ
8 入力装置
9 入出力回路
10 ROM
11 CPU
12 RAM
13 リードイン領域
14 プログラム記録領域
20 TOC構成
21 トラックナンバー
22 ポイント
23 分データ
24 秒データ
25 フレームデータ
26 TOC情報
27 ビット列
Claims (9)
- 光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、
前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置。 - 前記単位時間は1分であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
- 前記単位時間は30秒であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
- 光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報を読み出し、曲の頭出し動作を行う光ディスク再生装置において、
前記TOC情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶し、ビット単位で記憶された前記TOC情報を用いて、曲の頭出し動作を行うことを特徴とする光ディスク再生装置。 - 光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、
前記光ディスクに記録されている記録情報を読み取る光ピックアップと、
前記光ピックアップを前記光ディスク上の所望の位置に移動させる中央処理装置と、
前記記録情報に含まれるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報を記憶する記憶媒体と、
からなる光ディスク再生装置であって、
前記中央処理装置は、前記TOC情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で前記記憶媒体に記憶し、前記TOC情報に基づいて、前記光ピックアップを移動させ、曲の頭出し動作を行うものである光ディスク再生装置。 - 光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報の曲番号を単位時間ごとにビット単位で記憶する過程と、
前記TOC情報を読み出す過程と、
読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、
を備える光ディスク再生方法。 - 光ディスクに記録されている曲の記録開始位置情報であるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報の曲番号を単位トラック数ごとにビット単位で記憶する過程と、
前記TOC情報を読み出す過程と、
読み出した前記TOC情報に基づいて、曲の頭出し動作を行う過程と、
を備える光ディスク再生方法。 - 曲番号カウンタに光ディスクの開始曲番号を設定する過程と、
分カウンタをリセットする過程と、
TOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報の記憶領域であるビット列を0で埋める過程と、
ビット列の位置を示すビットポインタをリセットする過程と、
前記TOC情報の曲番号と前記曲番号カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビットポインタをインクリメントする過程と、
前記TOC情報の分情報と前記分カウンタとを比較し、双方が一致した場合には、前記ビット列に1を設定し、その単位時間内に曲があることを示す過程と、
前記曲番号カウンタをインクリメントする過程と、
を備える光ディスクの再生方法。 - 選曲すべき曲番号が与えられたときに、光ディスクの開始曲番号を曲番号カウンタに設定する過程と、
分カウンタに0分を示す0を設定する過程と、
ビット列の位置を示すビットポインタを0にする過程と、
前記ビットポインタをインクリメントし、前記ビットポインタにより示されるビット列の内容を確認する過程と、
前記ビット列が単位時間内に曲が存在することを示している場合には、選曲番号と前記曲番号カウンタが示す曲番号とを比較する過程と、
前記選曲番号と前記曲番号カウンタ示す曲番号とが一致した場合、その時点における前記分カウンタの内容を選曲した曲に対するTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)情報として取り出す過程と、
を備える光ディスクの再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000310534A JP3555938B2 (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000310534A JP3555938B2 (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002117659A JP2002117659A (ja) | 2002-04-19 |
JP3555938B2 true JP3555938B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=18790482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000310534A Expired - Fee Related JP3555938B2 (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3555938B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6099583B2 (ja) * | 2014-02-27 | 2017-03-22 | 三菱電機株式会社 | ディスク再生装置 |
-
2000
- 2000-10-11 JP JP2000310534A patent/JP3555938B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002117659A (ja) | 2002-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH02179982A (ja) | ディスク記録再生装置 | |
US4731774A (en) | Disc playback apparatus | |
KR100263682B1 (ko) | 디스크 기록 장치 | |
JP2581786B2 (ja) | 記録情報再生方式 | |
JPH02187979A (ja) | ディスク記録再生装置 | |
JP3555938B2 (ja) | 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法 | |
JP2000187933A (ja) | 再生方法および再生装置 | |
JPH06111548A (ja) | デジタルオーディオのチェンジャーシステム | |
JP3281899B2 (ja) | ミニディスクレコーダ | |
JP2630001B2 (ja) | 音楽再生装置 | |
JP2834959B2 (ja) | 情報記録再生装置 | |
JP2955499B2 (ja) | 記録媒体のtoc情報記憶方法および装置 | |
JP2627316B2 (ja) | 記録情報媒体再生装置のランダム再生方式 | |
JP2637987B2 (ja) | ディスク記録再生装置 | |
JP3647450B2 (ja) | 再生装置 | |
JPH05282788A (ja) | 記録媒体再生装置 | |
JPH073498Y2 (ja) | 記録媒体の再生装置 | |
JPS6374172A (ja) | ディスク・メモリ−再生装置 | |
JPH05325515A (ja) | ディスク再生装置 | |
JP2901440B2 (ja) | 情報記録再生装置 | |
JPH03228262A (ja) | データ再生装置とデータ再生方法 | |
JP3361208B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JP3013309U (ja) | 光ディスク再生装置 | |
JP2735363B2 (ja) | 追記型光ディスクのtoc格納方法 | |
JP2529734B2 (ja) | ダビングシステム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040510 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |