JP3554946B2 - 新規な練製品の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全く新規な練製品に関するものであり、詳しくは、外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部が加熱すり身のつみれ状の柔らかく,ほろほろと組織が崩れ、原材料本来の味・歯応えを有する食感である2種類の相違する組織で形成された新規な練製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
魚肉練製品は魚肉に食塩を加えて擂り潰し、成型して加熱した弾力のある食品で、室町時代に中国から伝わり、日本で発展した、300年の歴史をもつ製造技術である。現在作られている練製品の種類は多いが、加熱方法により、(イ) 蒸しかまぼこ,(ロ) 焼き竹輪,(ハ) 揚げかまぼこ,(ニ) その他のかまぼこ,(ホ) 魚肉ハム・ソーセージに分類される。
【0003】
一般的なかまぼこの製造法は次の通りである。原材料の魚の落し身を穴の開いた平板に載せて押し潰し、小穴から肉を絞りだして採肉する。採肉された肉は直ちに水晒しをして水溶性タンパク質とカルシウム等の足の形成を邪魔する物質を取り除く。これを裏漉しして脱水し、肉に混ざる鱗,小骨,筋などを除去する。得られた生すり身に3%の食塩と副材料を混合して、よく攪拌して擂り潰し、塩ズリ身を得る。必要に応じて坐り処理を行った後、成型・加熱してかまぼこを得る。
【0004】
ところで、魚肉はただ単に擂り潰して加熱しても、弾力のあるかまぼこ状のものにはならない。ところが、魚肉に3%程度の食塩を加えてよく攪拌して擂り潰す(所謂「塩ズリ工程」)と、加熱した時に弾力を生じ、所謂「かまぼこ」状のものになる。
【0005】
これは、魚肉タンパク質の主成分である繊維状のミオシン区タンパク質が、薄い食塩水に溶けてゾル状になり、これを加熱すると、絡み合った繊維状のタンパク質が架橋を作って熱変性し、網目構造をもつ弾力のあるゲル状の物質に変わるためであり、これがかまぼこ等の魚肉練製品である。
【0006】
従って、従来の魚肉練製品では全て、食塩を加えて擂り潰す工程(所謂「塩ズリ工程」)が不可欠のものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前述の魚肉練製品の技術を基に、新たな練製品の開発を鋭意努力して行った。その結果、従来の練製品とは異なる食感のものを得て本発明に至った。
【0008】
本発明は、全く新規な練製品を得ることを目的とし、更に詳しくは、外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部が加熱すり身のつみれ状の柔らかく,ほろほろと組織が崩れ、原材料本来の味・歯応えを有する食感である2種類の相違する組織で形成された新規な練製品を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本請求項1に記載された発明に係る新規な練製品の製造法では、すり身と、すり身に食塩を加えて撹拌・混合した塩ズリ身とを用意し、すり身を内側に塩ズリ身を外側にして予め定められた形状に成型した後、加熱し、
外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部がつみれ状の柔らかい食感である2種類の相違する組織で形成されたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、加熱すり身の表層部に、食塩でタンパク質を溶解させたゾル状物質が加熱変性したかまぼこ状組織を備えたものであるため、全く新規な練製品が得られる。
【0014】
即ち、外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部が加熱すり身のつみれ状の柔らかく,ほろほろと組織が崩れ、原材料本来の味・歯応えを有する食感である2種類の相違する組織で形成された新規な練製品が得られ、外部のかまぼこ状の組織によって形状を保持することができ、内部のすり身の旨味が抜けださない新規な練製品である。
【0015】
本発明の練製品原料としては、食塩によってタンパク質が溶けてゾル状になり、このゾルが加熱によって網目状に絡み合って弾力のあるゲル状のかまぼこ状組織になるものが用いられる。好ましくは、魚の落し身,冷凍すり身を攪拌・混練したものが用いられる。魚種としては、エソ,グチ,オキギス,ワラズカ,スケソウダラ等の一般のかまぼこに使用できるものが使用できる。
【0016】
本発明でのすり身とは、採肉され、食塩を添加されない状態の肉がよく攪拌・混合された状態のものを指す。従って、これを加熱した加熱すり身の状態は、かまぼこ状の弾力性はなく、つみれ状の柔らかく,ほろほろと組織が崩れ、原材料本来の味・歯応えを有する食感である。
【0017】
また、すり身に魚の落し身を用いた場合には、かまぼこの製造のような水で晒す工程を省くことができるので魚肉本来が有する旨味がいかせる特徴を有している。また、本実施例では検証してはいないが、畜肉でも可能であると考える。
【0018】
本発明でのかまぼこ状組織とは、前述のすり身のタンパク質が食塩によって溶解されてゾル状物質となったものを加熱することによって、架橋を作って熱変性し、網目構造をもつ弾力のあるゲル状の物質のことであり、従来のかまぼこと同様の組織である。
【0019】
本発明の新規な練製品の製造法としては、食塩でタンパク質がゾル状に溶解していないすり身の表層部にタンパク質が食塩で溶解したゾル状物質が熱変性してゲル状のかまぼこ状組織を備えたものであればよいので、次の3通りが考えられる。
【0020】
すり身を予め定められた形状に成型した後、塩水中に予め定められた時間浸漬して、加熱する方法と、すり身を予め定められた形状に成型した後、表面に食塩をまぶして予め定められた時間放置して、加熱する方法と、すり身とすり身を食塩を加えて攪拌・混合した塩ズリ身とを用意し、すり身を内側に塩ズリ身を外側にして予め定められた形状に成型した後、加熱する方法とである。
【0021】
内側のすり身はタンパク質が食塩に溶けてゾル状物質に変性しなければ良いため、小さく切ったゴボウ,ニンジン等の野菜等の具材を添加したり包み込んだり、味付け程度の食塩や酒,砂糖,味醂等の調味料を加えても差支えない。この場合、食塩の添加量を控える、食塩を添加した後の攪拌・混合を行わない、食塩を添加しても長時間放置しない等の措置が取られる。
【0022】
このすり身の成型は、種々の形状に行われる。例えば、円柱状,半円柱状,角柱状,球形状,卵形状,じゃがいものような不定形等の形状に成型される。この場合、形状を保持するのは外部のかまぼこ状の組織であるため、薄い板状のものは折れ易く又は破れ易いため不向きである。
【0023】
加熱は、蒸したり、焼いたり、茹でたり、揚げたり、電磁加熱したり、通電して加熱することができる。この場合、タンパク質が食塩に溶けたゾル状物質は60〜70℃の温度域で弾力が一旦弱まるため、この温度域を素早く通過することが肝心である。弾力が最も強まる85℃まで一気に加熱し、中心温度が少なくとも75℃程度になるように加熱する。
【0024】
具体的には、すり身を予め定められた形状に成型した後、塩水中に予め定められた時間浸漬して、加熱する方法としては、成型後塩水に浸漬して、すり身表面のミオシン区タンパク質が溶けてゾル状になるように、塩水の食塩濃度は3%を超える濃度が必要である。好ましくは、5%以上であれば5分程度の浸漬で表層部がゲル化する。
【0025】
また、すり身を予め定められた形状に成型した後、表面に食塩をまぶして予め定められた時間放置して、加熱する方法としては、成型後塩を表層部に手で摺り込んだりふり塩をして、均一にまぶし、少なくとも表層部のミオシン区タンパク質が、溶けてゾル状になるようにすることが肝要である。
【0026】
すり身とすり身を食塩を加えて攪拌・混合した塩ズリ身とを用意し、すり身を内側に塩ズリ身を外側にして予め定められた形状に成型した後、加熱する方法としては、塩ズリ身は既にゾル化しているため、成型後素早く加熱することが肝要である。成型後放置しておけば、外側の塩分が内部にまで振盪し、内部のすり身もゾル化することになる。
【0027】
【実施例】
実施例1
落し身を攪拌機で擂潰後、縦50,横30mm,厚さ10mmの角柱状に成型し、5%の塩水に5分間付けた後、85℃の蒸し器内で中心部が75℃の達温まで加熱し、蒸し器から取出し、冷却器にて中心部が10℃以下まで冷却して新規な練製品を得た。
【0028】
図1は得られた新規な練製品の断面を含む模式説明図である。図に示す通り、新規な練製品1は、かまぼこ状組織の表層部組織2と、柔らかく,ほろほろと組織が崩れる内部組織3とを備えた新規な練製品であった。
【0029】
実施例2
落し身を攪拌する時、必要な調味料と野菜とを加え、直径が3mmの円柱状に成型後、手に塩を付けて成型物にまんべんなく塩を付けた後、5分ほど放置して、90℃のお湯で中心部が75℃達温まで加熱後、実施例1と同様に冷却して新規な練製品を得た。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり、加熱すり身の表層部に、食塩でタンパク質を溶解させたゾル状物質が加熱変性したかまぼこ状組織を備えたものであるため、全く新規な練製品が得られる。即ち、外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部が加熱すり身のつみれ状の柔らかく,ほろほろと組織が崩れ、原材料本来の味・歯応えを有する食感である2種類の相違する組織で形成された新規な練製品が得られ、外部のかまぼこ状の組織によって形状を保持することができ、内部のすり身の旨味が抜けださない新規な練製品を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】得られた新規な練製品の断面を含む模式説明図である。
【符号の説明】
1 …新規な練製品、
2 …表層部組織、
3 …内部組織

Claims (1)

  1. すり身と、すり身食塩を加えて撹拌・混合した塩ズリ身とを用意し、すり身を内側に塩ズリ身を外側にして予め定められた形状に成型した後、加熱し、
    外部がかまぼこ状の弾力のある食感で、内部がつみれ状の柔らかい食感である2種類の相違する組織で形成されたことを特徴とする新規な練製品の製造法。
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