JP3552682B2 - 厨芥処理機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は一般家庭や業務用として使用される、生ゴミすなわち厨芥を処理する厨芥処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
台所で発生する厨芥処理機としては、従来、粉砕してそのまま下水へ流すディスポーザや、粉砕脱水して回収する生ゴミ処理機があった。しかし、ディスポーザは処理排水のBODが著しく高く、下水処理場に負担をかけることになり、日本の下水道の普及率が低い現状を考えると、好ましい処理方法とは言えない。一方、粉砕脱水して回収する生ゴミ処理機は、回収した粉砕厨芥に処理を施していないので腐敗し易く、悪臭の原因や、また害虫及び病原菌の発生の原因となる恐れがあった。また、マイクロ波を用いて厨芥を完全に焼却処理する方法の厨芥処理機や、あるいはヒータ等の加熱手段で乾燥処理して回収する方法の厨芥処理機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の厨芥処理機では、粉砕乾燥処理開始直後にごみの追加をしようとしても処理を完全に中断するか、処理終了を待って改めて処理しなければならず、また粉砕乾燥中の非通電時の対策が考慮されていなかった。
【0004】
また、焼却処理ではごみは灰になっているため臭いが残ることは少ないが、乾燥処理ではごみの残骸があるため処理終了後排気孔からもれる悪臭やごみの残骸を取り出す際の悪臭がひどいという問題点があった。一方、焼却処理の場合、機器は高温に耐える構成が必要で極めて高い耐久性と安全性が必要であり、家庭用としては高価すぎるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の第1の目的は、乾燥処理開始直後にはごみの追加投入が可能で、しかもごみ容器が高温であったり、加熱による悪臭が発生している粉砕乾燥処理中には非通電時も含めて蓋ロック部で蓋の閉ロックがされて安全で快適な厨芥処理機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の目的を達成するために本発明の請求項1記載の発明は、ごみ容器と、ごみ容器に投入されたごみを加熱する加熱手段と、蓋を閉ロックするための蓋ロック部とからなり、非通電時は前記蓋ロック部で蓋を閉ロックし、通電時は前記加熱手段で加熱開始後ごみおよびごみ容器が所定温度に到達時に前記蓋ロック部で蓋を閉ロックし、加熱乾燥処理終了後、加熱手段の加熱停止後ごみ及びごみ容器が温度下降して再び所定温度に到達時に前記蓋ロック部で蓋閉ロックを解除するものである。
【0007】
【作用】
本発明の請求項1記載の発明によって、乾燥処理開始直後にはごみの追加投入が可能で、しかもごみ容器が高温であったり、加熱による悪臭が発生している粉砕乾燥処理中には非通電時も含めて蓋ロック部で蓋の閉ロックがされて安全で快適な厨芥処理機を提供することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(参考例1)
図1は、本発明の第1の参考例における厨芥処理機の構成図である。図1において、本体1は、ごみ容器2と、ごみ容器に投入されたごみ3(厨芥生ごみ)を加熱する加熱手段4と、ごみ容器内の温度分布を一様にするための熱風ファン5と、ごみを粉砕するための回転刃6と、排気を熱交換し水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段の下流側に凝縮水を貯留する凝縮水容器8から構成される。なお、凝縮手段は、凝縮容器7aと送風ファン7bとから構成されている。
【0010】
以上のように構成された厨芥処理機について、以下、その動作について説明する。本体1は、ごみ容器2に、ごみ3が投入されると、加熱手段4が加熱を開始する。ごみ容器2内の温度が125℃に到達すると、加熱手段4は粉砕乾燥処理中は125℃を維持する。この時点から最初の5秒間は熱風ファン5は停止、回転刃6は回転、次の55秒間は熱風ファン5は回転、回転刃6は停止する。熱風ファン5と回転刃6は粉砕乾燥終了までこの動作を繰り返す。この粉砕乾燥処理によって出た排気中の蒸気は凝縮手段により水分に凝縮されて凝縮水容器8に貯る。
【0011】
図2は、本発明の第1の参考例における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。図1において、厨芥処理機は、ごみ容器2に、ごみ3が投入されると、加熱手段4が加熱を開始する。ごみ容器2内の温度が125℃に到達すると、加熱手段4は粉砕乾燥処理中は125℃を維持する。この時点からまず合計約2分間、回転刃6を1秒回転、7秒停止を繰り返す。この約2分間は、回転刃6によって粉砕されたごみ3は、まだそれ程微細にはなっていないので、熱風ファン5は連続して回転する。この約2分間の前処理が終了すると、最初の5秒間は熱風ファン5は停止させ、回転刃6は回転させる。次の55秒間は熱風ファン5は回転させ、回転刃6は停止させる。熱風ファン5と回転刃6は粉砕乾燥終了までこの動作を繰り返す。この粉砕乾燥処理によって出た排気中の蒸気は凝縮手段により水分に凝縮されて凝縮水容器8に貯る。
【0012】
(実施例1)
図3は、本発明の第1の実施例における厨芥処理機の構成図である。図3において、9は本実施例における厨芥処理機の本体である。本体9は、ごみ容器10と、ごみ容器10に投入されたごみ11を加熱する加熱手段12と、排気を熱交換し水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段の下流側に凝縮水を貯留する凝縮水容器14と蓋を閉ロックするための蓋ロック部15から構成される。なお、凝縮手段は、凝縮容器13aと送風ファン13bとから構成されている。
【0013】
以上のように構成された厨芥処理機について、以下その動作について説明する。この厨芥処理機は、ごみ容器10に、ごみ11が投入されると、加熱手段12が加熱を開始する。ごみ容器内の温度が60℃に到達すると、蓋ロック部15で蓋を閉ロックする。その後ごみ容器10内の温度が125℃に到達すると、加熱手段12は粉砕乾燥処理中は125℃を維持する。この粉砕乾燥処理によって出た排気中の蒸気は凝縮手段により水分に凝縮されて凝縮水容器14に貯る。乾燥処理が終了すると、加熱手段12での加熱を停止する。その後、ごみ容器10内の温度が下降して再び60℃に到達すると蓋ロック部15で蓋閉ロックを解除する。また、非通電時は蓋ロック部15で蓋閉ロックする。
【0014】
(参考例2)
図4は、本発明の第2の参考例における厨芥処理機の構成図である。16は本参考例における厨芥処理機の本体である。本体16は、ごみ容器17と、ごみ容器に投入されたごみ18を加熱する加熱手段19と、排気を熱交換し水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段の下流側に凝縮水を貯留する凝縮水容器21と、この凝縮水容器21内に凝縮水と共に貯る空気を脱臭するために所定温度で活性化する脱臭装置22と、この脱臭装置を所定温度に加熱するための脱臭装置加熱手段23と蓋が開けられたことを検知する蓋開検知部24から構成される。なお、凝縮手段は、凝縮容器20aと送風ファン20bとから構成されている。
【0015】
以上のように構成された厨芥処理機について、以下その動作について説明する。この厨芥処理機は、ごみ容器17に、ごみ18が投入されると、まず脱臭装置加熱手段23によって脱臭装置22を加熱する。脱臭装置22の温度が800℃に到達して初めて加熱手段19が加熱を開始する。脱臭装置22は脱臭装置加熱手段23によって800℃に維持される。この乾燥処理によって出た排気中の蒸気は、凝縮手段により水分に凝縮されて凝縮水容器21に貯る一方で、水分として凝縮されなかった排気は、所定温度で活性化する脱臭装置22を通過することで脱臭される。乾燥が終了すると、加熱手段19の加熱は停止するが、脱臭装置22は脱臭装置加熱手段23によって800℃に維持される。その後、蓋開検知部24により蓋が開けられたことを検知した時、脱臭装置加熱手段23の加熱を停止する。
【0016】
(参考例3)
図5は、本発明の第3の参考例における厨芥処理機の構成図である。25は本参考例に対応する厨芥処理機の本体である。本体25は、ごみ容器26と、ごみ容器に投入されたごみ27を加熱する加熱手段28と、排気を熱交換し水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段の下流側に凝縮水を貯留する凝縮水容器30と、この凝縮水容器30内に凝縮水と共に貯る空気を脱臭するために所定温度で活性化する脱臭装置31と、この脱臭装置を所定温度に加熱するための脱臭装置加熱手段32と蓋が開けられたことを検知する蓋開検知部33と蓋開検知部33で蓋が開けられたことを検知した時から計時を開始する計時部34から構成される。なお、凝縮手段は、凝縮容器29aと送風ファン29bとから構成されている。
【0017】
以上のように構成された厨芥処理機について、以下その動作について説明する。この厨芥処理機は、ごみ容器26に、ごみ27が投入されると、まず脱臭装置加熱手段32によって脱臭装置31を加熱する。脱臭装置31の温度が800℃に到達して初めて加熱手段28が加熱を開始する。脱臭装置31は脱臭装置加熱手段32によって800℃に維持される。この乾燥処理によって出た排気中の蒸気は、凝縮手段により水分に凝縮されて凝縮水容器30に貯る一方で、水分として凝縮されなかった排気は、所定温度で活性化する脱臭装置31を通過することで脱臭される。乾燥が終了すると、加熱手段28の加熱は停止するが、脱臭装置31は脱臭装置加熱手段32によって800℃に維持される。その後、蓋開検知部33により蓋が開けられたことを検知した時、計時部34が計時を開始する。計時部34が10分を計時した時点で脱臭装置加熱手段32の加熱を停止する。
【0018】
なお、本発明において、ごみ及びごみ容器の所定温度(加熱手段の所定温度)を125℃に設定したが、この温度に固定するものではなく、90℃〜140℃の間であれば同様の効果を示すものである。但し、140℃より温度を上げると厨芥に紛れ込んだ塩化ビニルや塩化ビニリデンなどから塩素ガスが発生する恐れがある。また、動作中の脱臭装置の所定温度(脱臭装置加熱手段の温度)についても、本発明では800℃としたが、基本的には脱臭装置内の触媒の活性温度に達しておればよく、触媒の性能によりその活性温度は異なるが、具体的には300℃〜800℃の範囲で実現できるものである。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、粉砕乾燥処理開始直後のごみ容器の温度が低く安全で臭いの発生の少ない時にはごみの追加投入が可能で、しかもごみ容器が高温であったり、加熱による悪臭が発生している粉砕乾燥処理中には足で電源コードを引っかけて電源プラグが抜けた時などの非通電時も含めて蓋ロック部で蓋の閉ロックがされて安全で快適な厨芥処理機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1における厨芥処理機の概略構成を示す断面図
【図2】本発明の参考例1における厨芥処理機の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施例1における厨芥処理機の概略構成を示す断面図
【図4】本発明の参考例2における厨芥処理機の概略構成を示す断面図
【図5】本発明の参考例3における厨芥処理機の概略構成を示す断面図
【符号の説明】
10、17、26 ごみ容器
12、19、28 加熱手段
14、21、30 凝縮水容器
15 蓋ロック部
22、31 脱臭装置
23、32 脱臭装置加熱手段
33 蓋開検知部
34 計時部
Claims (1)
- ごみ容器と、ごみ容器に投入されたごみを加熱する加熱手段と、蓋を閉ロックするための蓋ロック部とからなり、非通電時は前記蓋ロック部で蓋を閉ロックし、通電時は前記加熱手段で加熱開始後ごみ及びごみ容器が所定温度に到達時に前記蓋ロック部で蓋を閉ロックし、加熱乾燥処理終了後に、ごみ及びごみ容器が温度下降して再び所定温度に到達時に前記蓋ロック部で蓋閉ロックを解除する厨芥処理機。
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JP2001182776A JP3552682B2 (ja) | 2001-06-18 | 2001-06-18 | 厨芥処理機 |
Related Parent Applications (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004084379A Division JP3646725B2 (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 厨芥処理機 |
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2001
- 2001-06-18 JP JP2001182776A patent/JP3552682B2/ja not_active Expired - Fee Related
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