JP3180365B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents

廃棄物処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生ごみ,紙類ごみ,プラ
スチック類ごみ等の廃棄物を処理する廃棄物処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題を背景として、家庭
や産業部門から排出される廃棄物の処理技術が注目を集
めている。廃棄物処理装置には従来から、ディスポーザ
ーと呼ばれる機械式廃棄物処理装置や、ガス燃料,液体
燃料等を用いる焼却式廃棄物処理装置がある。
【0003】機械式廃棄物処理装置は、回転刃で生ごみ
を粉砕し、粉砕した廃棄物を下水道に流して処理する方
式であり、焼却式廃棄物処理装置は、燃料をバーナで燃
焼し、その熱で廃棄物を焼却する方式である。また、こ
れらの他にも、マイクロ波発生装置を備え、マイクロ波
によって廃棄物を加熱,焼却する方式の廃棄物処理装置
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の廃棄
物処理装置では、以下に示すような問題があった。
【0005】機械的廃棄物処理装置は、生ごみを細かく
粉砕することができるが、粉砕処理後の排水の中に多量
の固形分が含まれているため下水道の管路に詰まりが生
じ、大きな社会問題となってきている。
【0006】焼却式廃棄物処理装置は、ガス燃料,液体
燃料等を用いるため、装置全体が複雑で大型になるとい
う欠点がある。
【0007】また、マイクロ波発生装置を備えて生ごみ
を加熱,焼却する方式の廃棄物処理装置は、前記した下
水道問題や、複雑で大型になるといった欠点はないが、
焼却式廃棄物処理装置と同様に焼却方式であるため、処
理中の排気ガス特性が家庭用としては不十分であるとい
うことや、排気ガスに含まれる水分が排出後に結露し、
室内外を汚染するということ等の問題が残されていた。
さらに、マイクロ波発生装置を備えた廃棄物処理装置は
生ごみの処理には有効なものであるが、乾燥過程での均
一加熱が困難で、廃棄物を局所的に過熱することが多か
った。
【0008】本発明は上記問題を解決するもので、廃棄
物を廃棄物から発生する水蒸気の凝縮性能を高めて均一
に乾燥することができるとともに、蒸発した水分の排水
性能に優れた廃棄物処理装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は次の手段によ
り上記の問題点を解決している。廃棄物処理室と、廃棄
物処理室内に配設された廃棄物収容容器と、廃棄物の加
熱手段と、廃棄物処理室に空気を供給する送風手段と、
廃棄物収容容器から発生する排気の排ガス通路と、排ガ
ス通路に設けた排ガス浄化用の酸化触媒と、廃棄物収容
容器の上部に設けた蓋を具備するもので、送風手段によ
供給された少なくとも一部の空気が蓋の上部を通過し
予熱され、廃棄物収容容器から発生する排気と混合
し、前記酸化触媒を通過させる構成とした。
【0010】
【作用】本発明は、上記の構成により廃棄物収容容器の
廃棄物は加熱され、水蒸気を発生する水蒸気には臭気の
もととなる有機成分が含まれている。これを酸化により
分解して無臭とする。酸化触媒を活性とするためには水
蒸気濃度を低下させることが必要である。また酸素濃度
も必要である。このために、水蒸気に空気を混合する。
この空気により触媒の温度が低下すると触媒加熱用の電
力が大きくなる。そこで、廃棄物収容容器の周囲を流れ
る空気は暖まっているので、これを触媒の前で水蒸気に
混入させる。一方、廃棄物収容容器は外壁が冷やされる
ので水蒸気は凝縮し水となって排出される。この結果、
水蒸気は排出量は減少し混合する空気量は少なくて良い
ため、触媒ヒータの出力は更に低下する。
【0011】
【0012】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図1
を参照しながら説明する。
【0013】図1において、1は廃棄物処理室2の開口
部を覆う廃棄物投入口蓋で、廃棄物処理室2とともに耐
熱性に優れ、マイクロ波や臭気がもれないように密閉性
も高く形成されている。廃棄物処理室2の内部にはマイ
クロ波透過材料で形成された廃棄物収容容器3が支持台
4に着脱自在に配設されている。そして、廃棄物収容容
器3と支持台4の間にはシール性を高めるためにOリン
グ5が設けられている。廃棄物収容容器3の開口部は下
面の中央部が周辺部より高く形成された廃棄物収容容器
蓋6で覆われている。廃棄物収容容器3の内側には廃棄
物を収容する袋7が設置されている。この袋7は通気
性,通水性を有する材料で形成されている。また、袋7
内の廃棄物8を加熱するようにマイクロ波加熱手段9が
廃棄物処理室2の側方に取り付けられている。11は廃
棄物処理室2内に空気10を供給する送風手段で送気室
12内に配設され、送気室12と廃棄物処理室2とは送
気管13で接続されている。また、廃棄物処理室2内で
廃棄物収容容器3の外壁を冷却した空気10を廃棄物処
理室2から排出する空気排出通路14が廃棄物処理室2
に接続されている。廃棄物収容容器3の底部には凝縮水
15と水蒸気や分解ガス等のガス16を廃棄物処理室2
の外部に排出する排気通路17が接続されてあり、排出
通路17の下流側には凝縮水15を通過させる排出通路
18とガス16を通過させる排ガス通路19が分岐して
接続されてあり、排ガス通路19の下流側には、例えば
触媒とヒーターからなる排ガス浄化装置20が配設され
ている。空気排出通路14には分岐した空気分岐路22
が接続され、空気分岐路22は排ガス浄化装置20の上
流側に接続されている。また、空気分岐路22には流量
制御弁23が設けられている。この空気分岐路22は、
空気分岐路22から空気10(温風)を排ガス浄化装置
20に流入させることにより、排ガス浄化装置20の触
媒反応促進用に配設されたヒーター21に要する電力を
低減するためのものである。また、排ガス浄化装置20
への凝縮水15の混入を防止するために排ガス浄化装置
20の上流側にはトラップ24が設けられている。
【0014】上記構成において、投入された廃棄物8は
廃棄物収容容器3の内側に設けられた袋7に収納され
る。廃棄物収容容器蓋6と廃棄物投入口蓋1を閉じ、マ
イクロ波加熱手段9を作動させると、マイクロ波は袋7
内の廃棄物8を加熱し始める。マイクロ波は廃棄物8中
に含まれる水分に対して選択的に吸収され、水蒸気(ガ
ス16)を発生して廃棄物8は乾燥されていく。そし
て、マイクロ波加熱手段9と同時に送風手段11も作動
させて空気10を廃棄物処理室2に供給する。供給され
た空気10は廃棄物収容容器3の外壁を空冷した後、温
風となって廃棄物処理室2から空気排出通路14に排出
される。この廃棄物収容容器3の外壁の空冷により廃棄
物8から発生した水蒸気(ガス16)の一部は廃棄物収
容容器3の内壁で結露して凝縮水15となり、排出通路
17から廃棄物処理室2の外部に排出される。このと
き、廃棄物8は袋7に収容されているので、排出通路1
7からは凝縮水15とガス16だけが排出され、下水道
の管路に詰まりが発生するような固形分が排出されるこ
とはない。排出通路17から排出された凝縮水15は排
出通路18を通過して下水道へ、ガス16は排ガス通路
19を経て排ガス浄化装置20を通過して浄化された
後、大気に放出される。他方、空気排出通路14に排出
された空気10(温風)は外部に放出されるものと空気
分岐路22に流入するものに分かれ、空気分岐路22に
流入した空気10(温風)は排ガス通路19に流入し、
ガス16とともに排ガス浄化装置20を通過して浄化さ
れた後、大気に放出される。その際、排ガス浄化装置2
0を通過する空気10の流量が多すぎると排ガス浄化装
置20の浄化性能が低下するが、空気分岐路22に配設
した流量制御弁23で空気10(温風)の流量を制御す
ることにより、排ガス浄化装置20の浄化性能の低下を
防止することができる。
【0015】また、廃棄物収容容器蓋6の下面の中央部
を周辺部よりも高く形成しているので、廃棄物収容容器
蓋6の下面に付着した凝縮水15は再び廃棄物8に滴下
することなく、廃棄物収容容器3の内壁に沿って流下し
て排出通路17に導くことができる。
【0016】このように本発明の第1の実施例によれ
ば、廃棄物収容容器3の外壁を空冷することにより、廃
棄物8から発生した水蒸気の結露を著しく促進し、ま
た、廃棄物収容容器蓋6の内面の中央部を外周部より高
く形成したことにより凝縮水の廃棄物8への再滴下を防
止して排水性能を向上させることができるという効果が
ある。なお、本実施例では、廃棄物8を収容する袋7を
設けたが、袋7を用いずに廃棄物8を廃棄物収容容器3
に直接収容してもよいもので、その際には廃棄物8が排
出通路17から排出されないようにフィルター等を設置
することが望ましい。袋7を設けることにより、処理終
了後の廃棄物8を袋7ごと取り出すことができるので、
廃棄物8に手が触れることがなく衛生的なものとなる。
また、廃棄物収容容器3は着脱可能となっているので、
汚物が付着した場合には取り外して洗浄することもでき
る。さらに、排ガス通路19に排ガス浄化装置20を設
けたことにより、ガス16を浄化するとともに処理中の
臭気も抑制することができるという効果がある。
【0017】また、マイクロ波加熱手段9の出力を断続
制御して廃棄物9を加熱することにより、局所過熱によ
る焦げの発生を抑制し、マイクロ波による廃棄物8の均
一加熱を促進することができるとともに、オフ時におい
て水蒸気の凝縮性能を高めることができ、凝縮水15の
量を増加させることができる。この凝縮水15の増加に
より、排ガス浄化装置20に入る水蒸気の量を低減する
ことができ、水分による排ガス浄化装置20の浄化性能
の低下を抑制することができる。さらに断続制御におけ
るオン時間とオフ時間の比を最適化することにより、凝
縮性能の向上と消費電力の低減を両立させることもでき
るという効果がある。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、触媒加熱のためのヒータの電力を節約できる。ま
た、同一の出力のヒータを使用すれば触媒の温度が高く
維持できるために、触媒の酸化力は増大し脱臭能力は高
いものとなる。 また、袋を利用することによりこのよう
な効果は増大するが、この場合は機器や排水通路が汚れ
にくい特徴も持っている。
【0024】このように本願発明によれば、廃棄物を均
一に乾燥することができるとともに、排水性能に優れた
廃棄物処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の廃棄物処理装置の実施例の側断面図
【符号の説明】 廃棄物処理室蓋 2 廃棄物処理室 3 廃棄物収容容器 6 廃棄物収容容器蓋 8 廃棄物10 空気 11 送風手段 14 空気排出経路 15 凝縮水 16 ガス 20 排ガス浄化装置 22 空気分岐路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 次郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−189383(JP,A) 特開 昭62−94717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処理室と、前記廃棄物処理室内に
    配設された廃棄物収容容器と、廃棄物の加熱手段と、前
    記廃棄物処理室に空気を供給する送風手段と、前記廃棄
    物収容容器から発生する排気の排ガス通路と、前記排ガ
    ス通路に設けた排ガス浄化用のヒータで加熱される酸化
    触媒と、前記廃棄物収容容器の上部に設けた蓋を具備す
    るもので、前記送風手段により供給された少なくとも一
    部の空気が前記蓋の上部を通過して予熱され、前記廃棄
    物収容容器から発生する排気と混合し、前記酸化触媒を
    通過させる廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記廃棄物収容容器の内部に廃棄物を入
    れる廃棄物収納部を設けた請求項1記載の廃棄物処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記廃棄物収納部が袋である請求項
    載の廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 前記廃棄物収容容器の下部に凝縮水の排
    出経路を設けた請求項1記載の廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記廃棄物収容容器の上部に設けた蓋の
    内面の中央部を周辺部よりも高くした請求項1記載の廃
    棄物処理装置
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