JP3551986B2 - フロントフォークのブリッジ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動二輪車等の車輛の車体と車軸間に架設されて路面からの振動を減衰するフロントフォークにおいて、このフロントフォークを車体側ステアリング軸に連結させるフロントフォークのブリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動二輪車のフロントフォークは、車体側と車軸との間に架設され、車体側にはアンダーブラケットとアッパーブラケットたるブリッジとステアリング軸を介して連結させている。
【0003】
この種のブリッジとしては、例えば、実開昭52−96055号公報及び実公昭47−22524号公報に開示されたものが知られている。
【0004】
前者のブリッジは、水平な薄板フレームとこの薄板フレームの両端に設けたフォーク保持筒部と、薄板フレーム上に設けた補強リブと、フォーク保持筒部に設けた締付部材と、からなり、薄板フレームとフォーク保持筒部とは一枚の板材を絞り成形で構成させている。
【0005】
後者のブリッジは、上下二枚のブリッジ本体と、二枚のブリッジ本体を結合させる外周のフランジと、ブリッジ本体の両端に差し込んで設けたフォーク挿入用のフォークパイプと、フォークパイプに設けた軸方向のスリットと、で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(A)前者のブリッジでは次のような不具合がある。
【0007】
▲1▼フォーク挿入用のフォーク保持筒部が絞り成型されているからフォークに沿う軸方向の長さを十分に確保できない。
【0008】
▲2▼同じく絞り成形であるから板厚が絞られて薄くなり、剛性が小さく締付力に限界がある。
【0009】
▲3▼補強リブは薄板フレーム上にしか成形されていないから、リブを大きくしてもフォーク保持筒部の剛性は増大できない。
【0010】
▲4▼フォーク保持筒部の剛性を大きくするために板厚をあらかじめ厚くしておくと板厚のバラツキ等があって絞り成形時の精度が得にくくなり、成形工程が増加してコストアップの原因になり、且つ全体の重量が増大する。
【0011】
(B)更に、後者のブリッジにも次のような不具合がある。
【0012】
▲1▼ブリッジ本体が上下二枚あるから剛性や強度が大きい反面、部品点数が多く、重量が嵩み、フランジによる接合工程が必要となる。
【0013】
▲2▼フォークパイプにはスリットが形成されているから成形が困難であり、又、スリットを介して締付ける為には別に締付部材が必要となり、部品点数が多くなって製造コストがアップし、重量も増大する。
【0014】
そこで、本発明の目的は、軽量化と剛性アップを図れ、製造コストが安価なフロントフォークのブリッジを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の構成は、左右のフォークを車体側ステアリング軸に結合するフロントフォークのブリッジにおいて、メインフレームと、メインフレームの両端に結合したフォーク保持体と、メインフレームの中央に設けたステアリング軸保持体とからなり、メインフレームはその外周を下方に折り曲げてカップ状に成形されたフレーム本体と、フレーム本体の中央に設けたステアリング軸挿入用の孔と、フレーム本体の両端に設けたフォーク保持体支持用の抱持部とを備え、フォーク保持体は前記抱持部に結合されてフォークを抱持する合口を備えたソケットと、ソケットの両端に連設されて互いに対向する第1の支持片と、第2の支持片とからなり、前記ステアリング軸保持体は前記ステアリング軸挿入用の孔に対向してフレーム本体の下方に結合される筒体で形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
ステアリング軸挿入用の孔がフレーム本体の中央端部寄りに形成され、フレーム本体にはステアリング軸挿入用の孔に近接して下方に向けて膨出させた凹部を形成し、フレーム本体の下方に折り曲げた内側面の一部と前記凹部を形成するフレーム本体の外周面とで筒体の外周を支持させるのが好ましい。
【0017】
ソケットと、第1、第2の支持片の上下端には鍔が形成され、第1、第2の支持片には締付具挿入用の孔が形成され、上端の鍔を抱持部の下面に結合されているのが好ましい。
【0018】
筒体は下方に止め具挿入用の孔を備えた底部と上端にフレーム本体の下面に結合される鍔とを備えているのが好ましい。
【0019】
筒体は、パイプで成形され、当該パイプの下端を挿入されたステアリング軸の下端に接合させ、上端をフレーム本体下面に接合させてもよい。
【0020】
【作用】
各フォーク保持体と抱持部内にはフロントフォークを構成するフォークが挿入され、第1、第2の支持片を締付けるとフォークはソケットの内周と抱持部の内周面とで抱持される。
【0021】
ステアリング軸保持体にはステアリング軸の下部が圧入され、必要により筒体とステアリング軸とが止め具又は溶接で結合される。
【0022】
メインフレームとフォーク保持板とステアリング軸保持体は板材によるプレス成形が可能であり、薄肉化が図れるから全体のブリッジの軽量化が図れる。
【0023】
メインフレームは外周を下方に折り曲げ、フォーク保持板は上下端に鍔を設けることにより薄板であっても剛性アップを図れる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施の一例を図にもとづいて説明すると、図1に示すように、フロントフォークのフォーク5,5は、ブリッジAにステアリング軸4を介して車体側に連結され、下方のブラケットa,aは、車軸側に結合される。
【0025】
本発明のブリッジの一実施例が図2乃至図5に示されている。
【0026】
左右のフォーク5,5を車体側ステアリング軸4に結合するフロントフォークのブリッジAは、メインフレーム1と、メインフレーム1の両端に結合したフォーク保持体3,3と、メインフレーム1の中央に設けたステアリング軸保持体2とからなっている。
【0027】
メインフレーム1は、その外周を下方に折り曲げてスカート部1aを設けることによりカップ状に成形されたフレーム本体1Aと、フレーム本体1Aの中央に設けたステアリング軸挿入用の孔1cと、フレーム本体1Aの両端に設けた平面C形状の抱持部1gと、を備え、薄板をプレス成形して成形されている。
【0028】
フォーク保持体3は、前記抱持部1gの下方に結合されてフォーク5を抱持する合口3aを備えた平面C形状のソケット3Aと、ソケット3Aの一端に一体に連設された第1の支持片3bと、ソケット3Aの他端に一体に連設された第2の支持片3cと、から構成され、薄板をプレス成形して成形されている。
【0029】
前記ステアリング保持体2は、前記ステアリング挿入用の孔1cに対向してフレーム本体1Aの下方に結合されるプレス成形された筒体2Aで形成されている。
【0030】
ステアリング軸挿入用の孔1cは、図3に示すように、フレーム本体1Aの中央端部寄りに形成されるのが好ましい。
【0031】
この場合に、フレーム本体1Aにはステアリング軸挿入用の孔1cに近接して下方に向けて膨出させた左右一対の凹部1eを形成し、図6に示すように、フレーム本体1Aの下方に折り曲げたスカート部1a内側面の一部1iと前記凹部1eを形成するフレーム本体1Aの外周面1jとで筒体2Aの外周を支持させている。
【0032】
ソケット3Aと、第1、第2の支持片3b,3cの上下端にはプレス成形時に鍔3e3eが形成されて剛性のアップを図っている。
【0033】
第1、第2の支持片3b,3cには締付具挿入用の孔3dが形成されている。
【0034】
ステアリング保持体2は、下方にボルト6等からなる止め具の挿入用の孔2aを備えた底部2cと、上端にフレーム本体1Aの下面に溶接等で結合される鍔2bと、を備えてなり、鍔2bにより接合強度を増大し、筒体2Aの剛性アップも図っている。
【0035】
図8の他の実施例に示すように、筒体2Aは、パイプで成形され、当該パイプの下端を圧入されたステアリング軸4の下端に溶接で接合させ、上端をフレーム本体下面に溶接で接合させもよい。
【0036】
上記のようにメインフレーム1と、フォーク保持体3と、ステアリング保持体2とはあらかじめ別々に薄板をプレス成形で加工しておく。
【0037】
次に、フォーク保持体3は鍔3eを介してフレーム本体1Aの抱持部1gの下面に溶接等で結合する。
【0038】
又、ステアリング軸挿入用の孔1cの下方にはステアリング軸保持体2としての筒体2Aを配置させる。
【0039】
筒体2Aは、単に孔1cの下方に溶接で結合してもよいが、図6に示すように、フレーム本体1Aの中央の一部を下方に膨出させ、凹部1e,1eを構成する軸方向の壁体たるフレーム本体1Aの外側面1jとスカート部1aの内側面1iとの間に筒体2Aの胴部外周を嵌合し、更に鍔2bを孔1cに近接するフレーム本体1Aの下面にスポット又はプロジェクション溶接で結合するのが好ましい。
【0040】
凹部1eが抱持部1gまで延びている場合には、この抱持部1gに近接して凹部1eを構成する壁体たるフレーム本体1Aの他の外側面1kが形成され、この外側面1kにソケット3Aの上端3eが当接し、互いに剛性をアップさせている。
【0041】
又、図8の実施例のように、筒体2Aを低カーボン材で成形されたパイプで構成する場合には、このパイプを上記のようにスカート部1aの内側面1iと凹部1e,1eを構成するフレーム本体1Aの外側面1j,1jとの間に圧入し、その後上端をフレーム1Aの下面に接合してもよい。
【0042】
上記のように、ブリッジAを構成した後にフロントフォークのフォーク5をソケット3A,3A内に差し込み、次いで第1、第2の支持片3b,3cをボルトとナット等からなる止め具7を介して結合するとフォーク5はソケット3Aで抱持され、且つソケット3Aの内周面とフレーム本体1Aの抱持部1gの内周面とによって締付られる。
【0043】
次に、孔1cから挿入されたステアリング軸4と筒体2Aとを図4のように止め具6で結合するか、又は、図6のように両者を溶接で結合する。
【0044】
筒体2Aとステアリング軸4とはあらかじめ結合した後に両者をフレーム本体1Aの下方から孔1cに差し込んでもよい。
【0045】
図7は、本発明の他の実施例に係り、これは、凹部1eの下方に対向して補強用のサブフレーム20を配設し、このサブフレーム20の端部をスカート部1aの内周面に溶接又は止め具により接合させたものである。
【0046】
他の構成、作用、効果は上記の各実施例と同じである。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0048】
▲1▼ブリッジはフレーム本体とフォーク保持部とステアリング軸保持部とで構成され、これらは一枚の薄板材を単にプレス成形可能であるから、部品点数が少なく、構造が簡単であり、軽量化とコストダウンを図れる。
【0049】
▲2▼フレーム本体は外周を折り曲げてカップ状に成形され、フォーク保持部のソケットには上下に鍔を形成し、又、ステアリング軸保持部を鍔を設けた筒体で成形することにより剛性アップが図れ、これらの部材は薄板をプレス成形して加工できることから軽量化も図れる。
【0050】
▲3▼メインフレームに凹部を設けることによりメインフレームの剛性アップが図れ、しかもこの凹部を構成する軸方向の壁体が筒体又はソケットを保持でき、筒体又はソケットをしっかりと保持すると共に剛性アップを図っている。
【0051】
▲4▼抱持部とソケットは結合されているから両者の剛性と強度アップが図れ、連動してフォークを抱持できる。
【0052】
▲5▼各部材が分離して成形できるから、メインフレームは車種に応じた大きさと剛性のものに成形でき、しかもメインフレームの構造が簡素化され、成形金型費のコストダウンを図れ、成形の工程も簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントフォークをブリッジに結合した状態の正面図である。
【図2】ブリッジの一実施例に係る分解斜視図である。
【図3】ブリッジの一部切欠き平面図である。
【図4】図3のB−C−D−E−F線断面図である。
【図5】図3のH−H線断面図である。
【図6】図3のZ−Z線拡大断面図である。
【図7】他の実施例に係るブリッジの半断面図である。
【図8】他の実施例に係るブリッジの半断面図である。
【符号の説明】
1 メインフレーム
2 ステアリング軸保持体
3 フォーク保持体
4 ステアリング軸
5 フォーク
A ブリッジ
1A フレーム本体
2A 筒体
3A ソケット
1c ステアリング軸挿入用の孔
1e 凹部
1g 抱持部
3b 第1の支持片
3c 第2の支持片
3e 鍔
【産業上の利用分野】
本発明は、自動二輪車等の車輛の車体と車軸間に架設されて路面からの振動を減衰するフロントフォークにおいて、このフロントフォークを車体側ステアリング軸に連結させるフロントフォークのブリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動二輪車のフロントフォークは、車体側と車軸との間に架設され、車体側にはアンダーブラケットとアッパーブラケットたるブリッジとステアリング軸を介して連結させている。
【0003】
この種のブリッジとしては、例えば、実開昭52−96055号公報及び実公昭47−22524号公報に開示されたものが知られている。
【0004】
前者のブリッジは、水平な薄板フレームとこの薄板フレームの両端に設けたフォーク保持筒部と、薄板フレーム上に設けた補強リブと、フォーク保持筒部に設けた締付部材と、からなり、薄板フレームとフォーク保持筒部とは一枚の板材を絞り成形で構成させている。
【0005】
後者のブリッジは、上下二枚のブリッジ本体と、二枚のブリッジ本体を結合させる外周のフランジと、ブリッジ本体の両端に差し込んで設けたフォーク挿入用のフォークパイプと、フォークパイプに設けた軸方向のスリットと、で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(A)前者のブリッジでは次のような不具合がある。
【0007】
▲1▼フォーク挿入用のフォーク保持筒部が絞り成型されているからフォークに沿う軸方向の長さを十分に確保できない。
【0008】
▲2▼同じく絞り成形であるから板厚が絞られて薄くなり、剛性が小さく締付力に限界がある。
【0009】
▲3▼補強リブは薄板フレーム上にしか成形されていないから、リブを大きくしてもフォーク保持筒部の剛性は増大できない。
【0010】
▲4▼フォーク保持筒部の剛性を大きくするために板厚をあらかじめ厚くしておくと板厚のバラツキ等があって絞り成形時の精度が得にくくなり、成形工程が増加してコストアップの原因になり、且つ全体の重量が増大する。
【0011】
(B)更に、後者のブリッジにも次のような不具合がある。
【0012】
▲1▼ブリッジ本体が上下二枚あるから剛性や強度が大きい反面、部品点数が多く、重量が嵩み、フランジによる接合工程が必要となる。
【0013】
▲2▼フォークパイプにはスリットが形成されているから成形が困難であり、又、スリットを介して締付ける為には別に締付部材が必要となり、部品点数が多くなって製造コストがアップし、重量も増大する。
【0014】
そこで、本発明の目的は、軽量化と剛性アップを図れ、製造コストが安価なフロントフォークのブリッジを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の構成は、左右のフォークを車体側ステアリング軸に結合するフロントフォークのブリッジにおいて、メインフレームと、メインフレームの両端に結合したフォーク保持体と、メインフレームの中央に設けたステアリング軸保持体とからなり、メインフレームはその外周を下方に折り曲げてカップ状に成形されたフレーム本体と、フレーム本体の中央に設けたステアリング軸挿入用の孔と、フレーム本体の両端に設けたフォーク保持体支持用の抱持部とを備え、フォーク保持体は前記抱持部に結合されてフォークを抱持する合口を備えたソケットと、ソケットの両端に連設されて互いに対向する第1の支持片と、第2の支持片とからなり、前記ステアリング軸保持体は前記ステアリング軸挿入用の孔に対向してフレーム本体の下方に結合される筒体で形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
ステアリング軸挿入用の孔がフレーム本体の中央端部寄りに形成され、フレーム本体にはステアリング軸挿入用の孔に近接して下方に向けて膨出させた凹部を形成し、フレーム本体の下方に折り曲げた内側面の一部と前記凹部を形成するフレーム本体の外周面とで筒体の外周を支持させるのが好ましい。
【0017】
ソケットと、第1、第2の支持片の上下端には鍔が形成され、第1、第2の支持片には締付具挿入用の孔が形成され、上端の鍔を抱持部の下面に結合されているのが好ましい。
【0018】
筒体は下方に止め具挿入用の孔を備えた底部と上端にフレーム本体の下面に結合される鍔とを備えているのが好ましい。
【0019】
筒体は、パイプで成形され、当該パイプの下端を挿入されたステアリング軸の下端に接合させ、上端をフレーム本体下面に接合させてもよい。
【0020】
【作用】
各フォーク保持体と抱持部内にはフロントフォークを構成するフォークが挿入され、第1、第2の支持片を締付けるとフォークはソケットの内周と抱持部の内周面とで抱持される。
【0021】
ステアリング軸保持体にはステアリング軸の下部が圧入され、必要により筒体とステアリング軸とが止め具又は溶接で結合される。
【0022】
メインフレームとフォーク保持板とステアリング軸保持体は板材によるプレス成形が可能であり、薄肉化が図れるから全体のブリッジの軽量化が図れる。
【0023】
メインフレームは外周を下方に折り曲げ、フォーク保持板は上下端に鍔を設けることにより薄板であっても剛性アップを図れる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施の一例を図にもとづいて説明すると、図1に示すように、フロントフォークのフォーク5,5は、ブリッジAにステアリング軸4を介して車体側に連結され、下方のブラケットa,aは、車軸側に結合される。
【0025】
本発明のブリッジの一実施例が図2乃至図5に示されている。
【0026】
左右のフォーク5,5を車体側ステアリング軸4に結合するフロントフォークのブリッジAは、メインフレーム1と、メインフレーム1の両端に結合したフォーク保持体3,3と、メインフレーム1の中央に設けたステアリング軸保持体2とからなっている。
【0027】
メインフレーム1は、その外周を下方に折り曲げてスカート部1aを設けることによりカップ状に成形されたフレーム本体1Aと、フレーム本体1Aの中央に設けたステアリング軸挿入用の孔1cと、フレーム本体1Aの両端に設けた平面C形状の抱持部1gと、を備え、薄板をプレス成形して成形されている。
【0028】
フォーク保持体3は、前記抱持部1gの下方に結合されてフォーク5を抱持する合口3aを備えた平面C形状のソケット3Aと、ソケット3Aの一端に一体に連設された第1の支持片3bと、ソケット3Aの他端に一体に連設された第2の支持片3cと、から構成され、薄板をプレス成形して成形されている。
【0029】
前記ステアリング保持体2は、前記ステアリング挿入用の孔1cに対向してフレーム本体1Aの下方に結合されるプレス成形された筒体2Aで形成されている。
【0030】
ステアリング軸挿入用の孔1cは、図3に示すように、フレーム本体1Aの中央端部寄りに形成されるのが好ましい。
【0031】
この場合に、フレーム本体1Aにはステアリング軸挿入用の孔1cに近接して下方に向けて膨出させた左右一対の凹部1eを形成し、図6に示すように、フレーム本体1Aの下方に折り曲げたスカート部1a内側面の一部1iと前記凹部1eを形成するフレーム本体1Aの外周面1jとで筒体2Aの外周を支持させている。
【0032】
ソケット3Aと、第1、第2の支持片3b,3cの上下端にはプレス成形時に鍔3e3eが形成されて剛性のアップを図っている。
【0033】
第1、第2の支持片3b,3cには締付具挿入用の孔3dが形成されている。
【0034】
ステアリング保持体2は、下方にボルト6等からなる止め具の挿入用の孔2aを備えた底部2cと、上端にフレーム本体1Aの下面に溶接等で結合される鍔2bと、を備えてなり、鍔2bにより接合強度を増大し、筒体2Aの剛性アップも図っている。
【0035】
図8の他の実施例に示すように、筒体2Aは、パイプで成形され、当該パイプの下端を圧入されたステアリング軸4の下端に溶接で接合させ、上端をフレーム本体下面に溶接で接合させもよい。
【0036】
上記のようにメインフレーム1と、フォーク保持体3と、ステアリング保持体2とはあらかじめ別々に薄板をプレス成形で加工しておく。
【0037】
次に、フォーク保持体3は鍔3eを介してフレーム本体1Aの抱持部1gの下面に溶接等で結合する。
【0038】
又、ステアリング軸挿入用の孔1cの下方にはステアリング軸保持体2としての筒体2Aを配置させる。
【0039】
筒体2Aは、単に孔1cの下方に溶接で結合してもよいが、図6に示すように、フレーム本体1Aの中央の一部を下方に膨出させ、凹部1e,1eを構成する軸方向の壁体たるフレーム本体1Aの外側面1jとスカート部1aの内側面1iとの間に筒体2Aの胴部外周を嵌合し、更に鍔2bを孔1cに近接するフレーム本体1Aの下面にスポット又はプロジェクション溶接で結合するのが好ましい。
【0040】
凹部1eが抱持部1gまで延びている場合には、この抱持部1gに近接して凹部1eを構成する壁体たるフレーム本体1Aの他の外側面1kが形成され、この外側面1kにソケット3Aの上端3eが当接し、互いに剛性をアップさせている。
【0041】
又、図8の実施例のように、筒体2Aを低カーボン材で成形されたパイプで構成する場合には、このパイプを上記のようにスカート部1aの内側面1iと凹部1e,1eを構成するフレーム本体1Aの外側面1j,1jとの間に圧入し、その後上端をフレーム1Aの下面に接合してもよい。
【0042】
上記のように、ブリッジAを構成した後にフロントフォークのフォーク5をソケット3A,3A内に差し込み、次いで第1、第2の支持片3b,3cをボルトとナット等からなる止め具7を介して結合するとフォーク5はソケット3Aで抱持され、且つソケット3Aの内周面とフレーム本体1Aの抱持部1gの内周面とによって締付られる。
【0043】
次に、孔1cから挿入されたステアリング軸4と筒体2Aとを図4のように止め具6で結合するか、又は、図6のように両者を溶接で結合する。
【0044】
筒体2Aとステアリング軸4とはあらかじめ結合した後に両者をフレーム本体1Aの下方から孔1cに差し込んでもよい。
【0045】
図7は、本発明の他の実施例に係り、これは、凹部1eの下方に対向して補強用のサブフレーム20を配設し、このサブフレーム20の端部をスカート部1aの内周面に溶接又は止め具により接合させたものである。
【0046】
他の構成、作用、効果は上記の各実施例と同じである。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0048】
▲1▼ブリッジはフレーム本体とフォーク保持部とステアリング軸保持部とで構成され、これらは一枚の薄板材を単にプレス成形可能であるから、部品点数が少なく、構造が簡単であり、軽量化とコストダウンを図れる。
【0049】
▲2▼フレーム本体は外周を折り曲げてカップ状に成形され、フォーク保持部のソケットには上下に鍔を形成し、又、ステアリング軸保持部を鍔を設けた筒体で成形することにより剛性アップが図れ、これらの部材は薄板をプレス成形して加工できることから軽量化も図れる。
【0050】
▲3▼メインフレームに凹部を設けることによりメインフレームの剛性アップが図れ、しかもこの凹部を構成する軸方向の壁体が筒体又はソケットを保持でき、筒体又はソケットをしっかりと保持すると共に剛性アップを図っている。
【0051】
▲4▼抱持部とソケットは結合されているから両者の剛性と強度アップが図れ、連動してフォークを抱持できる。
【0052】
▲5▼各部材が分離して成形できるから、メインフレームは車種に応じた大きさと剛性のものに成形でき、しかもメインフレームの構造が簡素化され、成形金型費のコストダウンを図れ、成形の工程も簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントフォークをブリッジに結合した状態の正面図である。
【図2】ブリッジの一実施例に係る分解斜視図である。
【図3】ブリッジの一部切欠き平面図である。
【図4】図3のB−C−D−E−F線断面図である。
【図5】図3のH−H線断面図である。
【図6】図3のZ−Z線拡大断面図である。
【図7】他の実施例に係るブリッジの半断面図である。
【図8】他の実施例に係るブリッジの半断面図である。
【符号の説明】
1 メインフレーム
2 ステアリング軸保持体
3 フォーク保持体
4 ステアリング軸
5 フォーク
A ブリッジ
1A フレーム本体
2A 筒体
3A ソケット
1c ステアリング軸挿入用の孔
1e 凹部
1g 抱持部
3b 第1の支持片
3c 第2の支持片
3e 鍔
Claims (5)
- 左右のフォークを車体側ステアリング軸に結合するフロントフォークのブリッジにおいて、メインフレームと、メインフレームの両端に結合したフォーク保持体と、メインフレームの中央に設けたステアリング軸保持体とからなり、メインフレームはその外周を下方に折り曲げてカップ状に成形されたフレーム本体と、フレーム本体の中央に設けたステアリング軸挿入用の孔と、フレーム本体の両端に設けたフォーク保持体支持用の抱持部とを備え、フォーク保持体は前記抱持部に結合されてフォークを抱持する合口を備えたソケットと、ソケットの両端に連設されて互いに対向する第1の支持片と、第2の支持片とからなり、前記ステアリング保持体は前記ステアリング軸挿入用の孔に対向してフレーム本体の下方に結合される筒体で形成されていることを特徴とするフロントフォークのブリッジ。
- ステアリング軸挿入用の孔がフレーム本体の中央端部寄りに形成され、フレーム本体にはステアリング軸挿入用の孔に近接して下方に向けて膨出させた凹部を形成し、フレーム本体の下方に折り曲げた内側面の一部と前記凹部を形成するフレーム本体の外周面とで筒体の外周を支持させている請求項1記載のフロントフォークのブリッジ。
- ソケットと、第1、第2の支持片の上下端には鍔が形成され、第1、第2の支持片には締付具挿入用の孔が形成され、上端の鍔が抱持部の下面に結合されている請求項1記載のフロントフォークのブリッジ。
- 筒体は下方に止め具挿入用の孔を備えた底部と上端にフレーム本体の下面に結合される鍔とを備えている請求項1記載のフロントフォークのブリッジ。
- 筒体はパイプで成形され、当該パイプの下端を挿入されたステアリング軸の下端に接合させ、上端をフレーム本体下面に接合させている請求項1記載のフロントフォークのブリッジ。
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