JP3550878B2 - ポリエステル複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械特性、耐熱性に優れると同時に靭性、加工性、表面外観に優れたポリエステル複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステルは優れた耐熱性や機械的性質、耐薬品性、加工性などを有しているため、繊維、フイルム、成形品などとして広範囲で用いられている。また、ポリエステル単独では機械物性や耐熱性が不十分な場合には、無機強化剤を複合することにより機械物性、耐熱性を向上させて用いられる場合も多い。しかし、十分な機械物性、耐熱性の改善のためには多量の強化剤を添加する必要があるが、この場合強度や耐熱性は向上するものの靭性や表面外観、加工性は大きく低下し、また比重が増加するという欠点がある。これらの欠点を改善するために、無機強化材と耐衝撃性改良剤との併用などが提案され、ある程度の効果を示しているが、無機強化材を添加しない場合に比較すると靭性や表面外観、加工性は大きく低下し、比重も大きいままである。
【0003】
特開昭62−74957号公報には、ポリアミド中に層状粘土鉱物が均一に分散した強度、剛性、耐熱性に優れた複合材料並びに製造方法が開示され、この方法によると少量の無機物の添加で機械特性が大きく向上すると同時に靭性や表面性の低下の少ない材料が得られている。この複合材料は層状化合物を膨潤化剤で前処理し、ポリアミドモノマ−と混合後に重合させ製造するが、この方法をポリステルに適用しても、ポリアミドの場合のような粘土の均一な分散は得られない。特開平3−62846号公報においては相溶化剤の添加により分散性の改良が試みられているが、分散性が不十分なため機械物性並びに耐熱性の向上が小さく、靭性の低下も大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上述の従来技術の問題点を解消し、層状化合物が単層のレベルで熱可塑性ポリエステルに均一に分散し、剛性、強度、耐熱性に優れると同時に靭性、加工性、表面外観に優れるポリエステル複合材料ならびにその製造方法を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明はカチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体が熱可塑性ポリエステル中に単層のレベルで分散していることを特徴とするポリエステル複合材料及びその製造方法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下本発明を詳細に説明する。本発明のポリエステル複合材料は以下のような熱可塑性ポリエステル及びカチオン交換能を有する層状化合物の有機変性体により構成される。
【0007】
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルとしては主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性樹脂を言い、非液晶性ポリエステルであっても液晶性ポリエステルであってもよい。具体的にはカルボン酸またはそのエステル誘導体を主成分とする酸成分とジオール成分の重縮合物、ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル誘導体の重縮合物、カルボン酸またはそのエステル誘導体を主成分とする酸成分と環状エ−テル化合物から得られる重縮合物、環状エステル化合物の開環重合物などが挙げられる。
【0008】
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、2,2´−ビフェニルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルメタンカルボン酸、4,4´−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、マレイン酸およびフマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などがあげられる。
【0009】
ヒドロキシカルボン酸成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4´−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸などがあげられる。
【0010】
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAおよび2,2−ビス(2´−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどがあげられる。
【0011】
環状エーテル化合物としては、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどを挙げることができ、環状エステル化合物としては、δ−バレロラクトン、β−プロピルラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
【0012】
具体的な好ましいポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンイソフタレート/テレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0013】
本発明で用いるカチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体とは、層状化合物の層間金属カチオンを有機カチオンでイオン交換し、層状化合物を有機物で変性したものである。
【0014】
本発明で用いるカチオン交換能を持つ層状化合物は、幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームの板状物が積層した構造を持ち、カチオン交換容量が0.2〜3meq/gのものであり、好ましくは幅と厚さの比が500以上で、カチオン交換容量が0.8〜1.5meq/gのものである。
【0015】
層状化合物の具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチ−ブンサイト、マガティアイト、バ−ミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどがあげられ、モンモリロナイト、サポナイトなどのスメクタイト族粘土鉱物が好ましい。これらは天然のものでも人工のものでもよい。
【0016】
本発明に用いる有機カチオンとしてはA+ −B−Cで表される構造を持つもので、A+ はアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどのカチオンで、Bは炭素を主体とした単鎖または複鎖の鎖状物であり、これらの鎖中にはカルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、チオール基、エポキシ基などの官能基、酸素やイオウなどのヘテロ原子を含んでもよい。Cは水素またはカルボキシル基、エポキシ基、ニトロ基、ビニル基、チオ−ル基などの官能基である。このような構成の有機カチオンは、1分子中に1つ以上のポリエステルのモノマと反応しうる官能基を持つか、または有機カチオンがモノマおよびポリマと相溶性を持つことが、層間にモノマが安定に存在しかつ重合中のポリマと層状化合物の分離を抑制できるので好ましい。有機カチオンの鎖長は特に限定するものではないが、カチオン末端ともう一方の末端の長さが8オングストローム以上の長さを持つことが好ましい。これらの有機カチオンは単独で用いても良いし、二種以上の混合物として用いても良い。
【0017】
有機塩の具体例としては、12−アミノドデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸、1−アミノ−11−クロロウンデカン酸、ポリアルキレングリコールアミンなどがあげられる。
【0018】
本発明のポリエステル複合材料は熱可塑性ポリエステル100重量部に対し0.5〜10重量部のカチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体を含有でき、より好ましい含有量は0.5〜5重量部である。0.5重量部未満では機械特性や耐熱性の向上効果が少なく、10重量部を越えると層状化合物の分散が困難となる。
【0019】
本発明のポリエステル複合材料中では、層状化合物の有機変性体は単層のレベルでの高分散している。ここでいう単層レベルでの高分散とは、層状化合物の有機変性体の大部分が、1層から3層の状態でポリエステル中に遍在することなく分散していることをいう。好ましい分散状態は、層状化合物の有機変性体の平均重心間距離が80オングストローム以上で、かつ凝集物の含有率が熱可塑性ポリエステル100重量部に対し0.5重量部未満である。さらに好ましい分散状態は、平均重心点間距離が150オングストローム以上で凝集物が0.1重量部未満である。
【0020】
ここでいう平均重心点間距離とは、1層から3層の状態で分散している有機変性体と隣接する有機変性体との重心点間距離の平均値である。一般に層間化合物をポリマと複合化させた時の層間化合物の分散状態の指標としては、X線回折等で測定できる層間距離が用いられるが、本発明においては層の大部分が1層から3層のレベルでバラバラにポリエステル中に高分散しているために、このような層間距離を分散状態の指標として用いることはできない。そこで分散状態の指標としては、平均重心点間距離を用いる。また、凝集物とは、層状化合物の有機変性体が層間にポリマを含むことなく、4層以上の積層体のままポリエステル中に存在しているものをいう。重心点間距離は平均重心間距離として80オングストローム以上であることが好ましく、さらに好ましくは150オングストローム以上である。また、層状化合物の有機変性体が分散せずに残った凝集物が存在すると、これらは複合材料中では異物として作用するので、複合材料の靭性を著しく低下させ、また層と層との結合力が弱いために、複合材料に応力が働いた場合、破壊点となり強度低下の原因となるので好ましくない。複合材料中の凝集物の量は、熱可塑性ポリエステル100重量部に対して0.5重量部未満であることが好ましく、0.1重量部未満がさらに好ましい。これ以上凝集物が存在する場合には靭性は著しく低下し、強度の向上も小さくなる。
【0021】
本発明の複合材料中には、ヒンダードフェノール系化合物または、有機ホスファイトまたは有機ホスホナイト化合物を含むことが好ましい。一般に有機カチオンの耐熱性は低いために熱可塑性ポリエステルの重合、有機カチオンの分解物による着色が生じる。そこで、有機カチオンの分解物の熱可塑性ポリエステルに対する影響を軽減するために上記の安定剤を添加することが好ましい。
【0022】
本発明に用いるヒンダードフェノール系化合物は分子量400以上のものが好ましく、具体的には、トリエチレングリコール−ビス[ 3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、1,6−へキサンジオール−ビス[ 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、ペンタエリスリチル−テトラキス[ 3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、N,N’−ヘキサメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[ 2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル] −2,4,8,10−テトラオキサピロ[ 5,5] ウンデカンなどがあげられる。この中でトリエチレングリコール−ビス[ 3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、1,6−へキサンジオール−ビス[ 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、ペンタエリスリチル−テトラキス[ 3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] が特に好ましい。
【0023】
本発明において、これらの特定のヒンダードフェノール化合物は1種または2種以上併用して使用する事が可能であり、本発明のポリエステル複合材料全量に対してその含有量は、0.02から2重量%が好ましい。
【0024】
本発明に用いる有機ホスファイト、またはホスホナイト化合物は少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものが好ましい。このような化合物は化学式(1)、 (2)で表わされる。
【0025】
【化1】
ここで、R1 、R2 、R3 のうちの少なくとも1つは炭素数6から30の芳香族基であり、その他のR1 、R2 、R3 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族基である。
【0026】
【化2】
ここで、R4 、R5 、R6 のうちの少なくとも1つは炭素数6から30の芳香族基であり、その他のR4 、R5 、R6 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族基である。
【0027】
このような化合物の具体例としては次のものを挙げることができる。
【0028】
トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)4、4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2、2−メチレンビス(4、6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4、4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4、4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられ、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4、6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)−4、4’−ビフェニレンホスホナイトなどが好ましく使用できる。
【0029】
本発明において、これらの特定の有機ホスファイト、またはホスホナイト化合物は1種または2種以上併用して使用する事が可能であり、これらの化合物を添加する場合にはポリエステル複合材料全量に対してその含有量は、効果とポリエステルの滞溜安定性の点から0.02から2重量%が好ましい。
【0030】
本発明のポリエステル複合材料の製造方法は、(1)層状化合物の層間カチオンと有機カチオンとのイオン交換反応による有機変性体の製造工程、(2)有機変性体の層間へのモノマの導入工程、(3)重合工程の各工程からなる方法が好ましい。
【0031】
ここで(1)の層状化合物の層間カチオンと有機カチオンのイオン交換反応による有機化は、水中に分散した層状化合物と有機カチオンの水溶液とを反応させることにより行う。またこのようなイオン交換反応は、有機カチオンの溶解する極性有機溶媒中または水と有機溶媒の混合溶媒中でも行うことができる。
【0032】
(2)のモノマの層間への導入工程はポリエステル中に層状化合物の有機変性体が高分散するための最も重要な工程である。重合前にモノマ−を層状化合物の層間に導入し、層間を十分に広げた後に重合を行うことによってはじめて層状化合物の単層レベルでの分散が達成される。層間にモノマ−を導入する為には、モノマ中で層を拡げる力を与えることが必要である。力は層面に対し垂直に与えるか、相対する面のそれぞれ反対方向に平行に与えることが望ましい。このような力を与えることにより層を破壊することなくモノマを層間に導入することができる。通常の撹拌装置でせん断力を与えると、粒子の粉砕効果はあるものの層間へのモノマの導入は起こらない。このような力を与える装置の具体例としては超音波照射装置、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどが挙げられる。超音波照射装置を用いる場合、超音波を照射することによりキャビテ−ションまたは共鳴振動の効果により、層間を広げる力が働きモノマ−が導入される。超音波の出力は特に制限はなく、20キロヘルツ以上であれば通常本発明の効果が発揮されるが、実用上は20〜1000キロヘルツが望ましい。ホモジナイザでは回転体内のせん断力により大きなずり応力が働き、モノマが層間に導入される。この場合、せん断速度は1000sec−1以上であることが好ましく、さらに好ましくは5000sec−1以上である。高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーの場合には、せん断力に加え、キャビテーションの効果も加わるのでさらに効果が高い。モノマ導入後の層間距離は20オングストローム以上が望ましく、さらに望ましくは30オングストローム以上である。
【0033】
重合工程におけるポリエステルの重合方法は特に限定されるものではなく通常の重合方法を用いることができる。
【0034】
本発明のポリエステル複合材料に、上記ヒンダードフェノール化合物、および/または有機ホスファイトまたはホスホナイト化合物を添加する場合には、ポリエステルの重合時に添加する方法と重合後に添加する方法のいずれの方法でもよいが、重合反応完了時までに添加する方法がより好ましい。
【0035】
本発明の複合材料に対してエポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物およびジリジン化合物などのポリエステルの耐加水分解性を向上せしめるような化合物を併用してもよい。
【0036】
本発明の複合材料は、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、染料および顔料を含む着色剤、核化剤および難燃剤などの1種または2種以上をさらに含有することができる。
【0037】
また少量の他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなど)、熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)および軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエステルエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などを含有することもできる。
【0038】
本発明の複合材料は、靭性を要求されない用途に対しては無機充填剤を含有させて用いることができる。ここでいう無機充填剤とは繊維状、粒子状あるいはフレーク状の充填剤を意味し、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、セラミックスファイバー、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、珪藻土、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、チタン酸バリウム、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、金属粉、ノバキュライト、ドーソナイト、白土およびカーボンブラックなどが挙げられる。
【0039】
上記の添加剤や他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質熱可塑性樹脂及び無機充填剤を本発明の複合材料に添加する場合、公知の溶融混合機、即ち単軸または2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどを使用することができる。
【0040】
得られた複合材料は、通常公知の射出成形、押出成形などの任意の方法で成形できる。また、シート、フィルムおよび繊維としても用いることができる。得られた成形品、フィルム、繊維は優れた耐熱性、機械的性質を有しており、電気・電子部品、自動車部品、機械部品などの種々の用途に使用することができる。具体的には、特にコネクター、小型摺動部品、包装用フィルム、フューエルチューブ、ブロー成形品などに有用である。
【0041】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳述する。なお実施例中の部数は全て重量基準である。
【0042】
平均重心点間距離は倍率20万倍の透過型電子顕微鏡写真を用い、有機変性体の平均重心点間距離を測定した。ただし、分散状態の悪いものについては、X線回折により求めた層間距離を平均重心点間距離として用いた。凝集物含有率は10万倍の倍率の透過型電子顕微鏡写真を用い、画像解析により測定した。ただし、分散状態が悪く凝集物の多いものについては、散乱角(2θ)が2度以上のX線回折のピーク面積から含有率を求めた。
【0043】
得られた複合体のポリマの固有粘度はo−クロロフェノール溶液で25℃で測定した。 また、表中に示した各種特性は下記の方法により測定した。
【0044】
引張特性 ASTM D638
曲げ特性 ASTM D790
衝撃特性 ASTM D256
熱変形温度 ASTM D648
耐熱特性 160℃で200時間乾熱処理した後の色調
実施例1
200gのモンモリロナイト(イオン交換容量1.2meq/g)を20Lの水に分散し、これに12−アミノドデカン酸塩酸塩120gを加え、70℃で2時間撹拌した。次に吸引濾過し、塩素イオンが検出されなくなるまで温水で十分に洗浄した後、70℃で真空乾燥し有機変性体Iを得た。
【0045】
この有機変性体I10gを1,4−ブタンジオール1350gに加え、超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波を照射することにより80℃で4時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸1250g、テトラブチルチタネート0.8gを加え常法に従いエステル化反応、重縮合反応を行った。得られたポリブチレンテレフタレート(PBT)複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0046】
実施例2
有機変性体Iの量を20gとした他は実施例1と同様にしてPBT複合材料を製造し、評価を行った。
【0047】
実施例3
有機変性体Iの量を60gとした他は実施例1と同様にしてPBT複合材料を製造し、評価を行った。
【0048】
実施例4
有機変性体Iの量を180gとした他は実施例1と同様にしてPBT複合材料を製造し、評価を行った。
【0049】
実施例5
実施例1と同様の方法で得た有機変性体I20gを1,4−ブタンジオール1350g、ジメチルテレフタレート1450gに加え、150℃に加熱しジメチルテレフタレートが溶融した状態でホモジナイザーを用い、撹拌を行った。その後テトラブチルチタネート0.8gを加え、常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたPBT複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0050】
実施例6
有機変性体Iの量を60gとした他は実施例5同様にしてPBT複合材料を製造し、評価を行った。
【0051】
実施例7
有機変性体Iの量を180gとした他は実施例6と同様にしてPBT複合材料を製造し、評価を行った。
【0052】
実施例8
200gのモンモリロナイト(イオン交換容量1.2meq/g)を20Lの水に分散し、これに平均重合度10のヒドロキシポリエチレングリコール末端アミン塩酸塩140gを加え、70℃で2時間撹拌した。次に吸引濾過し、塩素イオンが検出されなくなるまで温水で十分に洗浄した後、70℃で真空乾燥し有機変性体IIを得た。
【0053】
この有機変性体II70gを1,4−ブタンジオール1350gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で4時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸1250g、テトラブチルチタネート0.8gを加え常法に従いエステル化反応、重縮合反応を行った。得られたPBT複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0054】
実施例9
200gのモンモリロナイト(イオン交換容量1.2meq/g)を20Lの水に分散し、これにジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド100gを加え、70℃で2時間撹拌した。次に吸引濾過し、塩素イオンが検出されなくなるまで温水で十分に洗浄した後、70℃で真空乾燥し有機変性体III を得た。
【0055】
この有機変性体III 24gを1,4−ブタンジオール1350gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で5時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸1250g、テトラブチルチタネート0.8gを加え常法に従いエステル化反応、重縮合反応を行った。得られたPBT複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0056】
実施例10
200gの合成ヘクトライト(イオン交換容量1.0meq/g)を20Lの水に分散し、これに12−アミノドデカン酸塩酸塩100gを加え、70℃で2時間撹拌した。次に吸引濾過し、塩素イオンが検出されなくなるまで温水で十分に洗浄した後、70℃で真空乾燥し有機変性体IVを得た。
【0057】
この有機変性体IV59gを1,4−ブタンジオール1350gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で4時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸1250g、テトラブチルチタネート0.8gを加え常法に従いエステル化反応、重縮合反応を行った。得られたPBT複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0058】
実施例11
200gの合成サポナイト(イオン交換容量1.0meq/g)を20Lの水に分散し、これに12−アミノドデカン酸塩酸塩100gを加え、70℃で2時間撹拌した。次に吸引濾過し、塩素イオンが検出されなくなるまで温水で十分に洗浄した後、70℃で真空乾燥し有機変性体Vを得た。
【0059】
この有機変性体V58gを1,4−ブタンジオール1350gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で4時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸1250g、テトラブチルチタネート0.8gを加え常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたPBT複合材料は、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0060】
実施例12
重合反応時にペンタエリスリチル−テトラキス[ 3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 2gを加えた他は、実施例1と同様にPBT複合材料を得て評価を行った。
【0061】
実施例13
重合反応後にテトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)4、4’−ビフェニレンホスフォナイト2gを加えた他は、実施例1と同様にPBT複合材料を得て評価を行った。
【0062】
比較例1
固有粘度0.83のPBTについて、実施例1と同様に射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0063】
比較例2
モンモリロナイト50gをエポキシシラン系のシランカップリング剤(東レシリコーン製SH−6040)の10%メタノール溶液30gでカップリング剤処理した後、固有粘度0.83のPBTと250℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPBT複合材料を得た。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0064】
比較例3
モンモリロナイト50gを無処理のまま用いた他は、実施例1と同様にしてPBT複合材料を得た。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し評価を行った。
【0065】
比較例4
実施例1と同様の方法で有機変性体Iを得た後、超音波処理を行なわなかった他は、実施例1と同様にして重合反応を行いPBT複合材料を得た。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し、評価を行った。
【0066】
比較例5
実施例1と同様の方法で得た有機変性体I60gと固有粘度0.83のPBT1700gを250℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPBT複合材料を得た。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し、評価を行った。
【0067】
比較例6
ポリ(ε−カプロラクトン)70gを重合前に添加した他は、比較例4と同様にPBT複合材料を製造した。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し、評価を行った。
【0068】
比較例7
有機変性体Iの量を220gとした他は実施例1と同様にして複合材料を製造した。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し、評価を行った。
【0069】
比較例8
直径13μm、長さ3mmのチョップドストランド状のガラス繊維200gと2000gの固有粘度0.83のPBTを250℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPBT複合材料を製造した。この複合材料を実施例1と同様にして射出成形を行い試験片を作成し、評価を行った。
【0070】
実施例14
実施例1と同様にして得た有機変性体I10gをエチレングリコール930gに添加し、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で4時間処理した。次にジメチルテレフタレート1450g、酢酸マンガン1.1gを加え常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたポリエチレンテレフタレート(PET)複合材料は、シリンダ温度280℃、金型温度140℃で射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0071】
実施例15
有機変性体Iの量を20gとした他は実施例14と同様にしてPET複合材料を製造し、評価を行った。
【0072】
実施例16
有機変性体Iの量を60gとした他は実施例14と同様にしてPET複合材料を製造し、評価を行った。
【0073】
実施例17
有機変性体Iの量を180gとした他は実施例14と同様にしてPET複合材料を製造し、評価を行った。
【0074】
実施例18
実施例9と同様にして得た有機変性体III 24gをエチレングリコール1350gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で4時間膨潤処理を行った。次にジメチルテレフタレート1450g、酢酸マンガン1.1gを加え常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたPET複合材料は、シリンダ温度280℃、金型温度140℃で射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0075】
比較例9
固有粘度0.81のPETについて、実施例14と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0076】
比較例10
比較例2と同様にしてモンモリロナイトをエポキシシラン系シランカップリング剤(東レシリコン製SH−4070)でカップリング処理した後、固有粘度0.81のPETと280℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPET複合材料を得た。この複合材料を実施例14と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0077】
比較例11
実施例1と同様の方法で有機変性体Iを得た後、超音波処理を行なわない他は実施例14と同様にして重合反応を行いPET複合材料を得た。この複合材料を実施例14と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0078】
比較例12
実施例1と同様の方法で得た有機変性体I60gと固有粘度0.81のPETを280℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPET複合材料を製造した。この複合材料を実施例14と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0079】
比較例13
ポリ(ε−カプロラクトン)70gを重合前に添加した他は比較例11と同様にしてPET複合材料を製造した。この複合材料を実施例14と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0080】
実施例19
実施例1と同様にして得た有機変性体I10gを、シス/トランス比=35:75のシクロヘキサンジメタノール2160gに添加し、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で6時間処理した。次にジメチルテレフタレート1450g、テトラブチルテレフタレート1.0gを加え常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)複合材料は、シリンダ温度295℃、金型温度130℃で射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0081】
実施例20
有機変性体Iの量を20gとした他は実施例19と同様にしてPCT複合材料を製造し、評価を行った。
【0082】
実施例21
有機変性体Iの量を60gとした他は実施例1と同様にしてPCT複合材料を製造し、評価を行った。
【0083】
実施例22
有機変性体Iの量を180gとした他は実施例1と同様にしてPCT複合材料を製造し、評価を行った。
【0084】
実施例23
実施例9と同様にして得た有機変性体III 24gを、シス/トランス比=35:75のシクロヘキサンジメタノール2160gに加え、80℃で超音波発生装置を用い、40キロヘルツの超音波で6時間膨潤処理を行った。次にテレフタル酸ジメチル1450g、テトラブチルチタネート1.0gを加え常法に従いエステル交換反応、重縮合反応を行った。得られたPCT複合材料は、シリンダ温度295℃、金型温度130℃で射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0085】
比較例14
シクロヘキサンジメタノール残基のシス/トランス比=35:75で固有粘度0.82のPCTを実施例19と同様に射出成形を行い試験片を作製し、評価を行った。
【0086】
比較例15
比較例2と同様にしてモンモリロナイトをエポキシシラン系シランカップリング剤(東レシリコン製SH−4070)でカップリング処理した後、固有粘度0.82のPCTと295℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPCT複合材料を得た。この複合材料を実施例19と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
【0087】
比較例16
実施例1と同様の方法で有機変性体Iを得た後、超音波処理を行なわない他は実施例19と同様にして重合反応を行いPCT複合材料を得た。この複合材料を実施例19と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
【0088】
比較例17
実施例1と同様の方法で得た有機変性体Iと固有粘度0.82のPCTを295℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練しPCT複合材料を製造した。この複合材料を実施例19と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
【0089】
比較例18
ポリ(ε−カプロラクトン)70gを添加した他は比較例16と同様にしてPCT複合材料を製造した。この複合材料を実施例19と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
【0090】
得られた複合材料中のポリマの固有粘度はいずれも0.75〜0.85の範囲であった。結果を表1,2,3,4に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【発明の効果】
表1、2、3及び4に示した結果から明らかなように、本発明のポリエステル複合材料は、剛性、強度、耐熱性に優れると同時に靭性に優れていることがわかる。また、加工性、表面外観にも優れることから、成形品、フィルム、繊維として電気・電子部品、自動車部品、機械部品などの種々の用途に有用である。
Claims (9)
- カチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体が熱可塑性ポリエステル中に単層のレベルで分散していることを特徴とするポリエステル複合材料。
- 熱可塑性ポリエステル100重量部とカチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体0.5〜10重量部からなり、層状化合物の有機変性体が平均重心間距離80オングストローム以上でかつ凝集物の含有率が熱可塑性ポリエステル100重量部に対し0.5重量部未満で分散していることを特徴とするポリエステル複合材料。
- カチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体の製造に、ポリエステルのモノマと反応性のある官能基を有する有機カチオンが用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル複合材料。
- カチオン交換能を持つ層状化合物の有機変性体の製造に、ポリエステルのモノマ及びポリマの両方と相溶性を有する有機カチオンが使用されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステル複合材料。
- ヒンダ−ドフェノ−ル化合物を全組成に対して0.02〜2重量%含む請求項1または2に記載のポリエステル複合材料。
- 有機ホスファイト、またはホスホナイト化合物を全組成に対して0.02〜2重量%含む請求項1または2に記載のポリエステル複合材料。
- カチオン交換能を持つ層状化合物の層間金属カチオンを有機カチオンでイオン交換した後、ポリエステル形成性モノマ中に添加し、層間を拡げる力を与えることにより十分量のモノマを層間に導入した後に、重合を行うポリエステル複合材料の製造方法。
- 超音波を用い層間にモノマを導入することを特徴とする請求項7に記載のポリエステル複合材料の製造方法。
- ホモジナイザを用い層間にモノマを導入することを特徴とする請求項7に記載のポリエステル複合材料の製造方法。
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