JP3322674B1 - 機械的物性に優れた飽和ポリエステルの製造方法 - Google Patents
機械的物性に優れた飽和ポリエステルの製造方法Info
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- JP3322674B1 JP3322674B1 JP2001223569A JP2001223569A JP3322674B1 JP 3322674 B1 JP3322674 B1 JP 3322674B1 JP 2001223569 A JP2001223569 A JP 2001223569A JP 2001223569 A JP2001223569 A JP 2001223569A JP 3322674 B1 JP3322674 B1 JP 3322674B1
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Abstract
【要約】
【課題】 イオン基をもった金属化合物を飽和ポリエス
テル樹脂合成の時に添加して金属イオンをポリエステル
の高分子鎖内に分散或いは反応させることにより、結晶
性の内部粒子を形成させて機械的物性を向上させるポリ
エステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 エステル交換反応またはエステル反応及
び縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する方
法において、合成反応の際、金属イオン化合物を添加し
て金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に分散或いは
反応させることにより、結晶性の内部粒子を形成させて
機械的物性を向上させる。
テル樹脂合成の時に添加して金属イオンをポリエステル
の高分子鎖内に分散或いは反応させることにより、結晶
性の内部粒子を形成させて機械的物性を向上させるポリ
エステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 エステル交換反応またはエステル反応及
び縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する方
法において、合成反応の際、金属イオン化合物を添加し
て金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に分散或いは
反応させることにより、結晶性の内部粒子を形成させて
機械的物性を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルム、合成繊維
及び各種成形品などに広く用いられている飽和ポリエス
テルの製造方法に係り、特にポリエステル高分子鎖内に
内部粒子を存在させて機械的物性を向上させる方法に関
する。
及び各種成形品などに広く用いられている飽和ポリエス
テルの製造方法に係り、特にポリエステル高分子鎖内に
内部粒子を存在させて機械的物性を向上させる方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】飽和ポリエステルは、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)などの如く、主鎖にエステル結合を有する直
鎖状の熱可塑性ポリマーであって、寸法安定性、耐候
性、表面平滑性に優れており且つ透明で光沢のある外観
を持っているため、合成繊維、フィルム、容器、ハウジ
ング類などの成形品に広く用いられている。
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)などの如く、主鎖にエステル結合を有する直
鎖状の熱可塑性ポリマーであって、寸法安定性、耐候
性、表面平滑性に優れており且つ透明で光沢のある外観
を持っているため、合成繊維、フィルム、容器、ハウジ
ング類などの成形品に広く用いられている。
【0003】ところが、このような飽和ポリエステル
は、高い融点及び結晶化度をもっており、耐衝撃性、引
張強度などが他のエンジニアリングプラスチックに比べ
て劣るという問題点があった。
は、高い融点及び結晶化度をもっており、耐衝撃性、引
張強度などが他のエンジニアリングプラスチックに比べ
て劣るという問題点があった。
【0004】一般に、合成樹脂の機械的物性を向上させ
る方法として、基本樹脂を合成した後これを溶融押出も
しくは射出する際に機械的物性を向上させるフィラー
(filler)または補強材を混練させる方法が主に採用さ
れているが、この場合にはフィラーまたは補強材の価格
が基本樹脂の価格より高く、且つ各種加工費を含めば製
造コストが基本樹脂より一層上昇するという短所をもっ
ている。
る方法として、基本樹脂を合成した後これを溶融押出も
しくは射出する際に機械的物性を向上させるフィラー
(filler)または補強材を混練させる方法が主に採用さ
れているが、この場合にはフィラーまたは補強材の価格
が基本樹脂の価格より高く、且つ各種加工費を含めば製
造コストが基本樹脂より一層上昇するという短所をもっ
ている。
【0005】一方、飽和ポリエステル製造時の合成反応
中に触媒として金属イオン化合物を使用する技術、また
はポリエステル繊維の難然性、触感などを向上させるた
めに樹脂合成時または樹脂製造後の溶融押出段階で金属
イオン化合物或いは金属粒子を使用する技術などは、既
に公知の技術である。
中に触媒として金属イオン化合物を使用する技術、また
はポリエステル繊維の難然性、触感などを向上させるた
めに樹脂合成時または樹脂製造後の溶融押出段階で金属
イオン化合物或いは金属粒子を使用する技術などは、既
に公知の技術である。
【0006】例えば、米国特許第4,307,152
号、米国特許第4,371,485号などでは、金属化
合物をポリエステル樹脂に添加して紡糸することによ
り、ポリエステル繊維の難然性と吸水性(water retent
ivity)などを向上させる技術が公知になっており、米
国特許第4,545,949号などではエステル交換触
媒として金属化合物を使用することにより、反応を促進
させると共に紡糸性(spinning operation)を向上させ
る技術が公知とされている。
号、米国特許第4,371,485号などでは、金属化
合物をポリエステル樹脂に添加して紡糸することによ
り、ポリエステル繊維の難然性と吸水性(water retent
ivity)などを向上させる技術が公知になっており、米
国特許第4,545,949号などではエステル交換触
媒として金属化合物を使用することにより、反応を促進
させると共に紡糸性(spinning operation)を向上させ
る技術が公知とされている。
【0007】しかし、このような従来の技術では、単に
ポリエステル合成の際に反応を促進させるための触媒と
して金属化合物を少量使用するが、多量使用すると、単
に金属化合物の粒子(約1〜10μm)を外部粒子とし
て含有するため、飽和ポリエステル樹脂の機械的物性に
は殆ど影響を与えないか、或いはむしろ更に悪くなると
いう問題点がある。
ポリエステル合成の際に反応を促進させるための触媒と
して金属化合物を少量使用するが、多量使用すると、単
に金属化合物の粒子(約1〜10μm)を外部粒子とし
て含有するため、飽和ポリエステル樹脂の機械的物性に
は殆ど影響を与えないか、或いはむしろ更に悪くなると
いう問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イオ
ン基をもった金属化合物を飽和ポリエステル樹脂合成の
時に添加して金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に
分散或いは反応させることにより、結晶性の内部粒子を
形成させて機械的物性を向上させる新規の方法を提供す
ることにある。
ン基をもった金属化合物を飽和ポリエステル樹脂合成の
時に添加して金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に
分散或いは反応させることにより、結晶性の内部粒子を
形成させて機械的物性を向上させる新規の方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、エステル交換反応(またはエステル反応)
及び縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する
に際して、金属イオン化合物を添加して金属イオンをポ
リエステルの高分子鎖内に分散或いは反応させることに
より、結晶性の内部粒子を形成させて機械的物性を向上
させることを特徴とする機械的物性に優れた飽和ポリエ
ステルの製造方法を提供することにある。
の本発明は、エステル交換反応(またはエステル反応)
及び縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する
に際して、金属イオン化合物を添加して金属イオンをポ
リエステルの高分子鎖内に分散或いは反応させることに
より、結晶性の内部粒子を形成させて機械的物性を向上
させることを特徴とする機械的物性に優れた飽和ポリエ
ステルの製造方法を提供することにある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に説明
する。本発明において、飽和ポリエステルは、芳香族ジ
カルボン酸またはエステル形成誘導体とエチレングリコ
ールを主要出発原料にして製造されるが、別の第3の成
分を含むことができる。この際、芳香族ジカルボン酸の
成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸等の中から選択されたいずれか一種または二種以
上の混合物を使用することができ、グリコール成分とし
ては、主要成分のエチレングリコールの他に、プロピレ
ングリコール、ブタンジオル、1,4−サイクロへキサ
ンジメタノール、ネオぺンチルグリコールなどを少量使
用することができる。
する。本発明において、飽和ポリエステルは、芳香族ジ
カルボン酸またはエステル形成誘導体とエチレングリコ
ールを主要出発原料にして製造されるが、別の第3の成
分を含むことができる。この際、芳香族ジカルボン酸の
成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸等の中から選択されたいずれか一種または二種以
上の混合物を使用することができ、グリコール成分とし
ては、主要成分のエチレングリコールの他に、プロピレ
ングリコール、ブタンジオル、1,4−サイクロへキサ
ンジメタノール、ネオぺンチルグリコールなどを少量使
用することができる。
【0011】本発明に用いられる飽和ポリエステルに
は、必要に応じて、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などのような添加
剤が含まれることができる。
は、必要に応じて、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などのような添加
剤が含まれることができる。
【0012】本発明では、このような出発原料を用いて
飽和ポリエステルを合成する時に金属イオン化合物を添
加する。前記金属イオン化合物は反応物内で金属イオン
として存在可能なものを使用するが、具体的な例には、
リチウムアセテート、ナトリウムアセテート、カリウム
アセテート、カルシウムアセテート、マンガンアセテー
ト、マグネシウムアセテート、亜鉛アセテート、アンチ
モンアセテートなどの金属アセテート化合物、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マンガン、水酸化亜鉛、水酸化マグネ
シウムなどの金属水酸化物、アンチモン酸化物、ゲルマ
ニウム酸化物、チタン酸化物などの金属酸化物などがあ
り、これらは単独で或いは2種以上混合して使用するこ
とができる。
飽和ポリエステルを合成する時に金属イオン化合物を添
加する。前記金属イオン化合物は反応物内で金属イオン
として存在可能なものを使用するが、具体的な例には、
リチウムアセテート、ナトリウムアセテート、カリウム
アセテート、カルシウムアセテート、マンガンアセテー
ト、マグネシウムアセテート、亜鉛アセテート、アンチ
モンアセテートなどの金属アセテート化合物、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マンガン、水酸化亜鉛、水酸化マグネ
シウムなどの金属水酸化物、アンチモン酸化物、ゲルマ
ニウム酸化物、チタン酸化物などの金属酸化物などがあ
り、これらは単独で或いは2種以上混合して使用するこ
とができる。
【0013】前記金属イオン化合物の投入量は、1重量
%〜10重量%の範囲とするのが好ましく、より好まし
くは1.5重量%〜3.0重量%の範囲である。投入量
を1重量%未満にすると、内部粒子は形成されるが、機
械的物性の改善効果が微々である。一方、10重量%を
超えて使用すると、工程性が悪くなって正常的な反応が
行われ難くなり、物性の安定性も低下する。
%〜10重量%の範囲とするのが好ましく、より好まし
くは1.5重量%〜3.0重量%の範囲である。投入量
を1重量%未満にすると、内部粒子は形成されるが、機
械的物性の改善効果が微々である。一方、10重量%を
超えて使用すると、工程性が悪くなって正常的な反応が
行われ難くなり、物性の安定性も低下する。
【0014】本発明では、前記金属イオン化合物を添加
するに際して、例えばリン酸、TMP(trimethyl phosp
hate)、TEP(triethyl phosphate)、TPP(tripheny
l phosphate)などのようなリン系化合物を共に添加する
ことも可能である。このような場合、リン系化合物は樹
脂の色相を向上させる効果の他に、樹脂内部で金属イオ
ンと塩を形成して機械的物性をさらに向上させるという
効果を得ることができる。このようなリン系化合物の添
加量は金属イオンとの当量比を勘案して添加量を調節す
るのが良いが、大凡0.05重量%〜5.0重量%の範
囲が好ましい。
するに際して、例えばリン酸、TMP(trimethyl phosp
hate)、TEP(triethyl phosphate)、TPP(tripheny
l phosphate)などのようなリン系化合物を共に添加する
ことも可能である。このような場合、リン系化合物は樹
脂の色相を向上させる効果の他に、樹脂内部で金属イオ
ンと塩を形成して機械的物性をさらに向上させるという
効果を得ることができる。このようなリン系化合物の添
加量は金属イオンとの当量比を勘案して添加量を調節す
るのが良いが、大凡0.05重量%〜5.0重量%の範
囲が好ましい。
【0015】前述したように、金属イオン化合物を単独
で或いは金属イオン化合物とリン系化合物を併用してポ
リエステル合成の際に添加する場合、その添加方法と時
期は本発明で別に制限するのではない。ところが、DM
T(dimethyl terephthalate)工法の場合は、多量を同時
に投入すると、急速反応が起こり氾濫現象(flooding)が
生じて反応系全体をブロッキングする結果を招く虞があ
るので、徐々に投入するのが良く、添加時期もエステル
反応が70%以上行われた後添加した方が氾濫現象に対
する安定性が高くなって好ましい。
で或いは金属イオン化合物とリン系化合物を併用してポ
リエステル合成の際に添加する場合、その添加方法と時
期は本発明で別に制限するのではない。ところが、DM
T(dimethyl terephthalate)工法の場合は、多量を同時
に投入すると、急速反応が起こり氾濫現象(flooding)が
生じて反応系全体をブロッキングする結果を招く虞があ
るので、徐々に投入するのが良く、添加時期もエステル
反応が70%以上行われた後添加した方が氾濫現象に対
する安定性が高くなって好ましい。
【0016】一方、TPA(terephthalic acid)工法の
場合は、このような氾濫現象の危険性が少ないため、特
別に添加方法または時期が制限されるのではないが、エ
ステル反応が90%以上完了した時点が好ましく、ま
た、金属イオン化合物をEGに溶解させて投入する場合
には、これにより反応物の温度が落ち過ぎて反応性に問
題をもたらす虞があるので、投入速度を徐々に(約20
分以上にわたって)投入した方が良い。
場合は、このような氾濫現象の危険性が少ないため、特
別に添加方法または時期が制限されるのではないが、エ
ステル反応が90%以上完了した時点が好ましく、ま
た、金属イオン化合物をEGに溶解させて投入する場合
には、これにより反応物の温度が落ち過ぎて反応性に問
題をもたらす虞があるので、投入速度を徐々に(約20
分以上にわたって)投入した方が良い。
【0017】このようにエステル交換反応時または重合
反応時に投入された金属イオン化合物とリン系化合物
は、BHT(bis-p-hydroxy ethylene terephthalate)−
Me形態もしくはBHT−Me−P形態の粒子を生成す
る。この際、生成された粒子の形態は、BHTの内部に
Å単位またはn単位の大きさを有する金属イオンが高分
子鎖と反応された状態(内部粒子)で存在し、こうなっ
たBHTは強力な結晶性粒子になる。このような内部粒
子は、BHTの重合度によって粒子サイズが変わるが、
BHTの重合度が大きければ、発生する内部粒子のサイ
ズと全体的な量が増える。
反応時に投入された金属イオン化合物とリン系化合物
は、BHT(bis-p-hydroxy ethylene terephthalate)−
Me形態もしくはBHT−Me−P形態の粒子を生成す
る。この際、生成された粒子の形態は、BHTの内部に
Å単位またはn単位の大きさを有する金属イオンが高分
子鎖と反応された状態(内部粒子)で存在し、こうなっ
たBHTは強力な結晶性粒子になる。このような内部粒
子は、BHTの重合度によって粒子サイズが変わるが、
BHTの重合度が大きければ、発生する内部粒子のサイ
ズと全体的な量が増える。
【0018】一方、前記金属イオン化合物の投入時に固
体状態で投入することも可能であるが、EGのようなモ
ノマーに十分溶解させて投入した方が、金属イオン化を
容易にし且つ内部粒子のサイズを均一にするのでより好
ましい。以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、これらによって本発明が制限さ
れるのではない。
体状態で投入することも可能であるが、EGのようなモ
ノマーに十分溶解させて投入した方が、金属イオン化を
容易にし且つ内部粒子のサイズを均一にするのでより好
ましい。以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、これらによって本発明が制限さ
れるのではない。
【0019】(実施例1) 100重量部のテレフタル酸(TPA)、45重量部の
エチレングリコール(EG)を反応器に入れて攪拌させ
ながら加熱して190℃から230℃に昇温させ、4時
間エステル化反応を行ってBHTを作った後、ここにカ
ルシウムアセテートの含量が8.0重量%であるEG溶
解分135重量部を、反応管の温度を220℃に維持し
ながら反応器に投入し、さらに攪拌しつつ加熱して22
0℃から240℃に昇温させ、EGとTPAのモル比が
1.15のスラリー143重量部を2時間にわたって投
入した後、1時間30分の間温度を240℃に維持しな
がら追加反応を行った。その上、0.03重量部の三酸
化アンチモンを投入した後、40分間で1.0Torr
まで減圧し、50分にわたって240℃から285℃ま
で昇温した状態で3時間縮合重合反応を行ってポリエス
テルIを得た。
エチレングリコール(EG)を反応器に入れて攪拌させ
ながら加熱して190℃から230℃に昇温させ、4時
間エステル化反応を行ってBHTを作った後、ここにカ
ルシウムアセテートの含量が8.0重量%であるEG溶
解分135重量部を、反応管の温度を220℃に維持し
ながら反応器に投入し、さらに攪拌しつつ加熱して22
0℃から240℃に昇温させ、EGとTPAのモル比が
1.15のスラリー143重量部を2時間にわたって投
入した後、1時間30分の間温度を240℃に維持しな
がら追加反応を行った。その上、0.03重量部の三酸
化アンチモンを投入した後、40分間で1.0Torr
まで減圧し、50分にわたって240℃から285℃ま
で昇温した状態で3時間縮合重合反応を行ってポリエス
テルIを得た。
【0020】(実施例2) 実施例1で実施した方法のうち、カルシウムアセテート
の代わりにリチウムアセテート含量が8.0重量%のE
G溶解分135重量部を投入したことを除いては、実施
例1と同方法で行ってポリエステルIIを得た。
の代わりにリチウムアセテート含量が8.0重量%のE
G溶解分135重量部を投入したことを除いては、実施
例1と同方法で行ってポリエステルIIを得た。
【0021】(実施例3) 100重量部のTPA、45重量部のEGを反応器に入
れて攪拌しながら加熱して190℃から230℃に昇温
させ、4時間エステル化反応を行ってBHTを作った
後、リン酸の含量が3.0重量%である、EGとリン酸
との混合溶液22.4重量部を投入し、更にここにカル
シウムアセテートの含量が8.0重量%のEG溶解分1
35重量部を反応管の温度を220℃に維持しながら反
応器に投入した。再び攪拌しながら加熱して220℃か
ら240℃に昇温させ、EGとTPAのモル比が1.1
5のスラリー143重量部を2時間にわたって投入した
後、1時間30分の間温度を240℃に維持しながら追
加反応を行った。その上、0.03重量部の三酸化アン
チモンを投入した後、40分間で1.0Torrまで減
圧し、50分にわたって240℃から285℃まで昇温
させた状態で3時間縮合重合反応を行ってポリエステル
IIIを得た。
れて攪拌しながら加熱して190℃から230℃に昇温
させ、4時間エステル化反応を行ってBHTを作った
後、リン酸の含量が3.0重量%である、EGとリン酸
との混合溶液22.4重量部を投入し、更にここにカル
シウムアセテートの含量が8.0重量%のEG溶解分1
35重量部を反応管の温度を220℃に維持しながら反
応器に投入した。再び攪拌しながら加熱して220℃か
ら240℃に昇温させ、EGとTPAのモル比が1.1
5のスラリー143重量部を2時間にわたって投入した
後、1時間30分の間温度を240℃に維持しながら追
加反応を行った。その上、0.03重量部の三酸化アン
チモンを投入した後、40分間で1.0Torrまで減
圧し、50分にわたって240℃から285℃まで昇温
させた状態で3時間縮合重合反応を行ってポリエステル
IIIを得た。
【0022】(実施例4) 実施例3で実施した方法のうち、リン酸の含量が3.0
重量%のEGとリン酸の混合液を6.9重量部投入し、
カルシウムアセテートの代わりにリチウムアセテート含
量が8.0重量%のEG溶解分135重量部を投入した
ことを除いては、実施例3と同方法で行ってポリエステ
ルIVを得た。
重量%のEGとリン酸の混合液を6.9重量部投入し、
カルシウムアセテートの代わりにリチウムアセテート含
量が8.0重量%のEG溶解分135重量部を投入した
ことを除いては、実施例3と同方法で行ってポリエステ
ルIVを得た。
【0023】(比較例1) 100重量部のテレフタル酸、45重量部のエチレング
リコールを反応器に入れて攪拌しながら加熱して190
℃から230℃に昇温させ、4時間エステル化反応を行
った後、ここに0.04重量部の三酸化アンチモン、
0.015重量部のリン酸をエチレングリコール1重量
部にそれぞれ混合して投入した後、昇温させて230〜
285℃の範囲で4時間減圧して縮合重合反応によって
ポリエステルVを得た。前記実施例及び比較例で得られ
たポリマーの物性を測定して次の表1に示す。
リコールを反応器に入れて攪拌しながら加熱して190
℃から230℃に昇温させ、4時間エステル化反応を行
った後、ここに0.04重量部の三酸化アンチモン、
0.015重量部のリン酸をエチレングリコール1重量
部にそれぞれ混合して投入した後、昇温させて230〜
285℃の範囲で4時間減圧して縮合重合反応によって
ポリエステルVを得た。前記実施例及び比較例で得られ
たポリマーの物性を測定して次の表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】前記実施例1、実施例2、実施例3、実施
例4及び比較例1から得られたポリエステルをそれぞれ
射出機内で285℃にて溶融させ、金型の温度を80℃
にして試片を製作した後、23℃、相対湿度50%で4
0時間放置したものの引張強度と衝撃強度を測定して次
の表2に示した。この際の測定方法としては次のような
方法を採用した。 ・引張強度(kgf/cm2):ASTM D638方法
によって測定した。 ・衝撃強度(kg cm/m):ASTM D256方法
によって測定した。
例4及び比較例1から得られたポリエステルをそれぞれ
射出機内で285℃にて溶融させ、金型の温度を80℃
にして試片を製作した後、23℃、相対湿度50%で4
0時間放置したものの引張強度と衝撃強度を測定して次
の表2に示した。この際の測定方法としては次のような
方法を採用した。 ・引張強度(kgf/cm2):ASTM D638方法
によって測定した。 ・衝撃強度(kg cm/m):ASTM D256方法
によって測定した。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】前記実施例及び比較例においても確認さ
れたように、本発明によって製造された飽和ポリエステ
ルは、ポリマー内に結晶性の内部粒子が形成され、既存
の汎用飽和ポリエステルに比べて機械的物性が向上する
という効果の他に、高価のフィラーまたは補強材を用い
た製品に比べて製造コストが安いという長所をもつ。
れたように、本発明によって製造された飽和ポリエステ
ルは、ポリマー内に結晶性の内部粒子が形成され、既存
の汎用飽和ポリエステルに比べて機械的物性が向上する
という効果の他に、高価のフィラーまたは補強材を用い
た製品に比べて製造コストが安いという長所をもつ。
Claims (4)
- 【請求項1】エステル交換反応またはエステル反応及び
縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する方法
において、合成反応の際、金属イオン化合物を添加して
金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に分散或いは反
応させることにより、結晶性の内部粒子を形成させて機
械的物性を向上させることを特徴とする機械的物性に優
れた飽和ポリエステルの製造方法。 - 【請求項2】エステル交換反応またはエステル反応及び
縮合重合反応によって飽和ポリエステルを製造する方法
において、合成反応の際、金属イオン化合物を添加して
金属イオンをポリエステルの高分子鎖内に分散或いは反
応させることにより、結晶性の内部粒子を形成させて機
械的物性を向上させると共に、リン系化合物を添加して
樹脂の色相を向上させ、樹脂内部で金属イオンと塩を形
成して機械的物性を向上させることを特徴とする機械的
物性に優れた飽和ポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】金属イオン化合物は、リチウムアセテー
ト、ナトリウムアセテート、カリウムアセテート、カル
シウムアセテート、マンガンアセテート、マグネシウム
アセテート、亜鉛アセテート、アンチモンアセテート、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、水酸化マンガン、水酸化亜鉛、水酸
化マグネシウム、アンチモン酸化物、ゲルマニウム酸化
物、チタン酸化物の中で選択されたいずれか単独または
二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1また
は請求項2記載の機械的物性に優れた飽和ポリエステル
の製造方法。 - 【請求項4】リン系化合物は、リン酸、TMP、TE
P、TPPの中で選択されたいずれか単独または二種以
上の混合物であることを特徴とする請求項2記載の機械
的物性に優れた飽和ポリエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223569A JP3322674B1 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 機械的物性に優れた飽和ポリエステルの製造方法 |
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