JP3549687B2 - 排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 - Google Patents
排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3549687B2 JP3549687B2 JP28097296A JP28097296A JP3549687B2 JP 3549687 B2 JP3549687 B2 JP 3549687B2 JP 28097296 A JP28097296 A JP 28097296A JP 28097296 A JP28097296 A JP 28097296A JP 3549687 B2 JP3549687 B2 JP 3549687B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- catalyst
- honeycomb
- gas purifying
- porous
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス浄化触媒に係り、特に、自動車等の内燃機関をリーンバーン運転等を行った場合、該エンジンから排出されるガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を、該運転で生じる酸素過多雰囲気下で効果的に浄化できる排ガス浄化触媒であって、高いNOx浄化率を有し且つ硫黄酸化物(SOx)に対する耐久性をも有する排ガス浄化触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
省資源、及び、環境保護が叫ばれている近年の状況の中で、自動車用ガソリンエンジンの分野においても前記点が問題になっており、その対策として、該エンジンをリーンバーン燃焼で作動させることが提案されている。
そして、リーンバーン燃焼のエンジンは、該エンジンから酸素過多の燃焼排ガスが排出され、該酸素過多の燃焼排ガス中からNOxを効果的に浄化するために、該酸素過多排ガス浄化触媒(以下、リーンNOx触媒という)の開発が進められている。
【0003】
前記リーンNOx触媒の技術的課題の1つは、排ガス中に含まれるSOxによってNOxの浄化能力が低下する(SOx被毒現象)ことである。前記SOx被毒現象については、種々検討されており、各種の対策法が提案されている。
例えば、特開平8−24643公報記載の技術では、リーンNOx触媒中のNOx吸収剤であるアルカリ土類金属、アルカリ金属等の粒径を操作し、SOxとの反応性を抑制する方法が提案されている。
【0004】
また、特開平7−51544号公報記載の技術では、2種のアルカリ土類金属、もしくは、アルカリ土類金属と希土類金属を複合的に担持することで、SOxをこれら金属との複合硫酸塩とし、ストイキ〜リッチ雰囲気下で分解再生させる方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車に対する環境規制が一層強化される中で、前記リーンNOx触媒は、更に、高いNOx浄化率が求められると同時に、長期間の使用に耐える高い耐SOx性もまた求められている。しかし、前記提案の技術は、耐SOx性があるとしても、前記点を十分に達成しているとは云えない。
【0006】
本発明は、前記の如き問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、酸素過多の雰囲気下で、高いNOx浄化率を達成できると共に、耐SOx性にも優れた排ガス浄化触媒、その触媒を備えた装置、及び、排ガス浄化方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明の第1の排ガス浄化触媒は、アルミナ・チタニア・ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物からなる多孔質担体上に、K、希土類金属とアルカリ土類金属の少なくとも1種、及び、Pt,Rhの少なくとも1種を複合的に担持したものである。
【0008】
前記第1の排ガス浄化触媒は、アルミナ・チタニア・ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物からなる多孔質担体に活性成分としてのPt,Rh等の貴金属を担持して触媒を構成し、該触媒にK及びSr,Mg等のアルカリ土類金属、Ce等の希土類金属の少なくとも1種を複合的に添加したものであり、前記構成により、より好適な排ガス浄化触媒が具現できる。
【0009】
前記第1の排ガス浄化触媒は、その作用・機能のメカニズムについては明解ではないが、主としてアルカリ金属であるKとアルカリ土類金属との複合効果により、これらのNOxに対する高い親和力とSOxに対する比較的穏やかな親和力が創出され、より高いNOx浄化性能と耐SOx性が発現するものと考えられる。
【0010】
また、本発明の第2の排ガス浄化触媒は、コージェライトハニカム等の耐熱性構造体上に保持されたアルミナ・チタニア・ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物からなる多孔質担体に、少なくとも貴金属を担持した触媒層を形成し、該触媒層上にK,Fe酸化物を担持した多孔質触媒層を形成したものである。
【0011】
前記第2の排ガス浄化触媒は、アルミナ等の多孔質担体に活性成分としてPt,Rh等の貴金属を担持し、更に、Sr,Mg等のアルカリ土類金属、Ce等の希土類金属を担持した触媒上に、K,Fe酸化物を担持したアルミナ等の多孔質層を形成させることにより、より好適な排ガス浄化触媒が具現できる。
前記第2の排ガス浄化触媒についても、その作用・機能のメカニズムについては明解ではないが、KとFe酸化物の複合効果により、KのNOx親和力を維持しつつ、Fe酸化物のSOx親和力が加わることで、より高いNOx浄化性能と耐SOx性が発現するものと考えられる。
【0012】
本発明の排気ガス浄化装置は、前記第1,2の排ガス浄化触媒を担持したハニカム状等の耐熱性構造体を自動車エンジン等の内燃機関の排気管に装着したものであり、該装着で、リーンバーン運転等の酸素過剰雰囲気燃焼で生じる酸素を含む排ガス中に含まれるNOx,HC,CO等の有害成分を効果的に浄化することができる。
【0013】
また、本発明の排気ガス浄化方法は、前記第1,2の排ガス浄化触媒を担持したハニカム状等の耐熱性構造体を自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスに接触させるものであり、該方法は排ガス中に含まれるNOx,HC,CO等の有害成分をリーンバーン運転等の酸素過剰雰囲気燃焼で生じる酸素を含む排ガスでも効果的に浄化することができる。
【0014】
更に、本発明の第1の排ガス浄化触媒のKの担持量は、耐熱性ハニカム構造体の見かけ容積1リットルに対して1〜50gであることが好ましく、特に、5〜40gであることが好ましい。
前記第1の排ガス浄化触媒は、KとSrもしくはMgとの複合効果の発見に基づくものであり、Kの最適担持量は、Sr,Mgとでは異なる。Srとの複合では、Srの担持量が0〜50gの場合、Kの担持量は20〜40gが好ましい。Mgとの複合では、Mgの担持量が0〜5gの場合、Kの担持量は5〜20gが好ましい。
【0015】
Kの担持量が前記範囲より少ない場合は、Kとの複合効果が小さくなり、排ガス浄化性能が低下する。また、K担持量が多い場合は、複合効果が飽和するため、排ガス浄化性能の向上が見られないだけでなく、担体の表面積が低下するため好ましくない。
前記第2の排ガス浄化触媒におけるコーティング層中のK,Fe担持量は、耐熱性ハニカム構造体の見かけ容積1リットルに対してKが0.01〜5g、Feが1〜10g、K,Fe酸化物担持アルミナのコーティング量は、10〜40gが好ましく、特に、Kは0.015〜3g、Fe酸化物は3〜6g、K,Fe酸化物担持アルミナのコーティング量は、15〜30gが好ましい。
【0016】
K,Fe酸化物の担持量が少ない場合は、KとFe酸化物との複合効果が小さく、また多い場合は、担体の表面積が低下するため好ましくない。更に、K,Fe酸化物アルミナのコーティング量が少ない場合は、効果が低く、コーティング量が多い場合は、排ガス成分が触媒層中に進入しにくくなるため、好ましくない。
【0017】
本発明の第1と第2の排ガス浄化触媒における多孔質担体には、アルミナが最も好適であるが、シリカ・ジルコニア・チタニア・アルミノシリケート等も好適に使用できる。また、ハニカム状構造の基体には、コージェライトが好適であるが、ステンレス・アルミ合金等の耐熱性金属製を用いても良好な結果を得ることができる。
【0018】
本発明の第1の排ガス浄化触媒を、K及びSr,Mgの少なくとも1種を添加して担持製造する方法として、以下のような幾つかの異なる方法がある。
(1)K及びSr,Mgの少なくとも1方の硝酸塩・炭酸塩・塩化物等の水溶性化合物の水溶液中に、リーンNOx触媒を浸漬し、乾燥・焼成する。
(2)K及びSr,Mgの少なくとも1方の非水溶性化合物とアルミナ、チタニア等の前駆体(ゾル)の混合溶液中に、リーンNOx触媒を浸漬し、乾燥・焼成することで担持を行う。
【0019】
(3)コージェライトハニカム等の耐熱性支持体上に、アルミナ等の多孔質担体を担持する際、K及びSr,Mgの少なくとも1種の非水溶性化合物を多孔質担体に混合してスラリー溶液を製作し、該スラリー中にコージェライトハニカム等の耐熱性支持体を浸漬し、乾燥・焼成することで多孔質担体とK及びSr,Mgの担持を同時に行う。
【0020】
(4)K及びFe,Mgの少なくとも1種の硝酸塩・酢酸塩・塩化物等の水溶性化合物の溶液と多孔質担体を混練・乾燥・焼成することで、K及びSr,Mgの少なくとも1種が担持された多孔質担体を製作し、この粉末を用いた水溶性スラリーにハニカムを浸漬し、乾燥・焼成することで担持を行う。
また、本発明の第2の排ガス浄化触媒をK,Fe酸化物担持コーティング層を形成することで製造する方法は、以下のような幾つかの形成方法がある。
【0021】
(1)アルミナ粉末等の多孔質担体とK,Feの水溶性化合物の水溶液を混練し、乾燥・焼成することでK,Fe酸化物担持多孔質担体を製作し、この粉末を用いた水溶性スラリーに、触媒担持ハニカムを浸漬し、乾燥・焼成することで形成する。
(2)触媒担持ハニカムをアルミナ等の前駆体(ゾル)溶液中に浸漬し、乾燥・焼成することで、ハニカム上にアルミナ等の多孔質コーティング層を形成させ、これをK,Fe少なくとも1種の水溶性化合物の溶液中に含浸することで、K,Fe酸化物担持多孔質コーティング層を形成する。
【0022】
(3)K,Fe酸化物担持多孔質コーティング層の形成を行う際、これらの非水溶性化合物とアルミナ等の前駆体(ゾル)の混合溶液中に触媒担持ハニカムを浸漬し、乾燥・焼成することで、K,Fe酸化物担持多孔質コーティング層の形成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。図1は、本発明の排ガス浄化触媒を備えた内燃機関の一実施形態を示すものであり、燃料噴射方式の自動車用ガソリンエンジンのシステム図である。
図1において、エンジン1の各気筒7には、ピストン7aとシリンダ7bとが配置され、該エンジン1の上部には、吸気管8と排気管19とが接続されている。エアクリーナ2の吸気口2aからは、燃焼に必要な空気が取り入れられ、該空気は、吸気流量制御用絞り弁5を経て、吸気管8内でガソリンと混合され、シリンダー7内に導入される。また、燃焼に必要なガソリンは、燃料タンク9から燃料ポンプ10により吸引され、加圧された上で燃料ダンパ11、燃料フィルタ12を経て、燃料噴射弁(インジェクタ)13から吸気管8内に噴射されて空気と混合される。ガソリンと混合された空気は、シリンダー7内で点火プラグ(図示省略)等で、電気着火により燃焼が行われる。
【0024】
燃焼により生じた排ガスは、前記排気管19と本実施の形態の触媒装置20を経てシステム系の外へ排出される。
前記燃焼の制御は、吸気流量計3により検出された吸気量信号と、絞り弁5に設けられたスロットルセンサ18からの弁開度信号、及び、配電器(ディストリビュータ)16に設けられたクランク角センサからの角度信号とが、コントロールユニット15に入力され、適切な燃料噴射量・点火時期の算出を行い、燃料噴射弁13、及び、点火装置(図示省略)の制御を行う。この時、排気管19内に設けられた酸素センサ51からの酸素濃度信号により、シリンダー7内の燃焼状態を検出し、フィードバック制御を行うことで、より精密な空燃比制御(リーンバーン燃焼制御)等が行われる。
【0025】
図2は、前記制御を行うコントロールユニット15のブロック図を示しており、前記入力信号は、I/Oを介してMPUに渡される。MPUは、適切な制御状態を行うため、入力信号とROM,RAMの値を用いて演算を行い、演算結果をI/Oを介して出力する。該出力が制御信号として燃料噴射弁13及び点火装置に出力して制御を行う。
【0026】
該制御によって、前記シリンダー7内の燃焼状態は、理論空燃費状態(ストイキ)及び、燃料過剰状態(リッチ)、及び、空気過剰状態(リーン)の任意の状態に制御、いわゆる、空燃比制御ができる。
前記エンジン1より排出される燃焼排ガス中には、HC,CO,NOx等の有害成分が含まれているため、これらの有害成分を無害化したのち系外に排出しなければならない。このため、前記排気管19内には、燃焼排ガスを浄化する本実施形態の排ガス浄化触媒20が配置される。
【0027】
本実施形態の排ガス浄化触媒20は、従来のストイキ・リッチにおける燃焼排ガスの浄化に加えて、新たに酸素過多の排ガスであるリーン燃焼排ガスの浄化が可能であるので、前記エンジンのシステムの燃焼状態を任意に設定できる。また、耐SOx性の向上により、図1によるエンジンシステムを安定して作動させることができる。
以下、具体的な例を説明することで、本実施の形態を明かにする。
【0028】
〔比較例A〕
アルミナ粉末、及び、その前駆体(アルミナゾル)からなる硝酸酸性アルミナスラリーをコージェライト製ハニカムにコーティングし、ハニカムの見かけの容積1リットルあたり150gのアルミナをコーティングしたアルミナコートハニカムを得る。
【0029】
前記アルミナコートハニカムに、硝酸Ce水溶液を含浸し、約150℃で乾燥後、約600℃で1時間焼成し、続いて、前記ハニカムを、硝酸Sr水溶液に含浸・乾燥し、600℃で焼成を行う。
次に、前記ハニカムにジニトロジアンミンPt硝酸水溶液、及び、硝酸Rhの混合溶液を含浸・乾燥し、450℃で1時間焼成を行う。最後に、前記ハニカムに、硝酸Mg水溶液を含浸・乾燥し、450℃で1時間の焼成を行う。
【0030】
以上の操作により、ハニカム触媒の見かけ容積1リットル(以下、ハニカム1L)に対して、Ce:27g,Sr:22.5g,Pt:2.7g,Rh:0.225g,Mg:1.5gを含有するハニカム型触媒(リーンNOx触媒)を得た。以下、この触媒を比較例Aとする。
【0031】
〔実施例1〕
実施例1の触媒は、前記比較例Aの製作過程に於いて、K担持量がハニカム1Lに対して10gとなるように、Sr水溶液中に硝酸Kを添加して、触媒を製作したものである。
【0032】
〔実施例2〕
実施例2の触媒は、実施例1の製作過程に於いて、K担持量がハニカム1Lに対して30gとなるように、Sr水溶液中に硝酸Kを添加し、触媒を製作したものである。
【0033】
〔実施例3〕
実施例3の触媒は、比較例Aの製作過程に於いて、K担持量がハニカム1Lに対して10g、Mg担持量がハニカム1Lに対して2gとなるような混合水溶液をSr水溶液の代わりとして用いて含浸・乾燥を行い、600℃で1時間焼成したものであり、前記以外の他の成分の担持法は比較例Aと同じとする。
【0034】
〔実施例4〕
実施例4の触媒は、実施例3の製作過程に於いて、K担持量がハニカム1Lに対して30g、Mg担持量がハニカム1Lに対して2gとなるような混合水溶液をSr水溶液の代わりとして用いて、含浸・乾燥を行い、600℃で1時間焼成したものであり、前記以外の他の成分の担持法は、比較例Aと同じとする。
【0035】
〔実施例5〕
実施例5の触媒は、実施例4の製作過程に於いて、K担持量がハニカム1Lに対して30gとなるような水溶液をSr水溶液の代わりとして用いて含浸・乾燥を行い、600℃で1時間焼成したものであり。前記以外のその他の成分の担持法は比較例Aと同じとする。
【0036】
〔実施例6〕
実施例6の触媒は、ハニカム1Lに対して鉄担持量が3g、K担持量が0.015gとなるような、硝酸鉄・硝酸K・水・アルミナ・アルミナ前駆体からなるスラリーを製作し、比較例Aにコーティングしたものである。
【0037】
〔実施例7〕
実施例7の触媒は、ハニカム1Lに対して鉄担持量が3g、K担持量が0.15gとなるような、硝酸鉄・硝酸K・水・アルミナ・アルミナ前駆体からなるスラリーを製作し、比較例Aにコーティングしたものである。
【0038】
〔実施例8〕
実施例8の触媒は、ハニカム1Lに対して鉄担持量が6g、K担持量が3.0gとなるような、硝酸鉄・硝酸K・水・アルミナ・アルミナ前駆体からなるスラリーを製作し、比較例Aにコーティングしたものである。
前記の如く製作した比較例Aと実施例1〜8の触媒の組成を以下の表1にまとめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
〔試験例1〕
前記実施例1〜8及び比較例Aの触媒について、次の条件で、NOx浄化性能試験を行った。即ち、容量6ccのハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。前記反応管を電気炉中に導入し、該反応管に導入されるガス温度が300℃となるように加熱制御した。反応管に導入されるガスは、自動車のエンジンが理論空燃費で運転されているときの排ガスを想定したモデルガス(以下、ストイキモデルガス)と、自動車のエンジンがリーンバーン運転を行っているときの排ガスを想定したモデルガス(以下、リーンモデルガス)を3分毎に切り換えて導入した。前記ストイキモデルガスと前記リーンモデルガスのガス組成について以下の表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
前記実験時に、触媒出入口のNOx濃度を測定し、リーンに切換え、1分後のNOx浄化率を次式により算出した。
NOx浄化率=(入口ガス中のNOx濃度−出口ガス中のNOx濃度)÷入口ガス中のNOx濃度×100
こうしてNOx浄化率を求める試験を試験例1とする。
【0043】
〔試験例2〕
試験例1において、触媒直前のモデルガス温度が400℃となるように、電気炉の温度制御を行った。その他の試験方法は試験例1と同じとする。
こうして、NOx浄化率を求める試験を試験例2とする。
【0044】
〔耐久例1〕
試験例1において、反応管中にSO2添加リーンモデルガスのみを、3時間流通させた。リーンモデルガスへのSO2添加量は、0.005%とする。
その後、試験例1の方法でNOx浄化率を測定した。
【0045】
〔耐久例2〕
触媒へのSO2添加リーンモデルガスの導入は、耐久例1の方法で行い、NOx浄化率の算出のみを、試験例2の方法を用いる。
比較例A及び実施例1〜8の触媒を、試験例1及び耐久例1により評価した結果を次の表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
比較例A及び実施例1〜8の触媒を、試験例2及び耐久例2により評価した結果を次の表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の排ガス浄化触媒は、酸素が共存する排ガス中において、窒素酸化物を効率よく浄化することができる。
また、本発明の排ガス浄化触媒を内燃エンジンに適用することにより、排ガス中のSOxによるリーンNOx触媒のNOx浄化能力の低下が抑制され、長期間に渡ってNOxを効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス浄化触媒を適用した自動車用内燃機関システムの概念図。
【図2】図1のエンジンシステムのコントロールユニットの制御ブロック図。
【符号の説明】
1…エンジン、2エアクリーナ、3…吸気流量計、5…絞り弁、8…吸気管、9…燃料タンク、10…燃料ポンプ、11…燃料ダンパ、12…燃料フィルタ、13…燃料噴射弁、15…コントロールユニット、16…配電器、18…スロットルセンサ、19…排気管、20…排ガス浄化触媒
Claims (21)
- 酸素共存下でも排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化する多孔質担体に担持された触媒において、前記多孔質担体にKと、Ceと、Sr及びMgの少なくとも1種と、及び、Pt及び/又はRhとを担持し、前記多孔質担体が、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
- 前記多孔質担体へのK及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の担持が、これらの硝酸塩・酢酸塩・塩化物の水溶性化合物の溶液中に多孔質担体もしくはハニカム状の耐熱性構造体上に保持された多孔質担体を浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記多孔質担体へのK及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の担持が、これらの非水溶性化合物とアルミナ・チタニア・ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の前駆体との混合溶液中に多孔質担体もしくはハニカム状の耐熱性構造体上に保持された多孔質担体を浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- ハニカム状の耐熱性構造体上への前記多孔質担体と前記K及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の担持が、前記K及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の非水溶性化合物を多孔質担体に混合したものに前記ハニカム状の耐熱性構造体を浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- ハニカム状の耐熱性構造体上への前記多孔質担体と前記K及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の担持が、K及びアルカリ土類金属の少なくとも1種の硝酸塩・酢酸塩・塩化物の水溶性化合物の溶液と多孔質担体を混練・乾燥・焼成してK及びアルカリ土類金属の少なくとも1種が担持された粉末の多孔質担体とし、該粉末の水溶性スラリーにハニカム状の耐熱性構造体を浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記Kの担持量が、触媒担持ハニカムの見かけ容量1リットルに対して1〜50gの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Mg,Srの担持量が、触媒担持ハニカムの見かけ容量1リットルに対して、Kが1〜50g、Mgが0〜5g、Srが0〜50gであり、Sr及びMgの少なくとも1種が担持されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- 酸素共存下でも排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化する多孔質担体に担持された触媒において、前記多孔質担体に少なくともPt及び/又はRhの貴金属と、更に、Ceと、Sr及び/又はMgとを担持した触媒層を形成し、該触媒層上にK,Fe酸化物を担持した多孔質触媒層を形成したことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
- 前記多孔質担体が、アルミナ・チタニア・ジルコニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物であり、貴金属がPt,Rhであり、更に、Ce,Sr,Mgが担持されていることを特徴とする請求項8に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Fe酸化物担持の多孔質コーティング層の形成は、アルミナ粉末の多孔質担体とK,Feの水溶性化合物の水溶液を混練し、乾燥・焼成してK,Fe酸化物担持の多孔質担体の粉末とし、該粉末の水溶性スラリーに触媒担持ハニカムを浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Fe酸化物担持の多孔質コーティング層の形成は、触媒担持ハニカムをアルミナの前駆体の溶液中に浸漬し、乾燥・焼成して前記ハニカム上に多孔質コーティング層を形成し、該ハニカムをK,Feの少なくとも1種の水溶性化合物の溶液中に浸漬したものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Fe酸化物担持の多孔質コーティング層の形成は、K,Feの非水溶性化合物とアルミナの前駆体の混合溶液中に触媒担持ハニカムを浸漬し、乾燥・焼成したものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Fe酸化物を有する多孔質層中のK,Feの担持量は、触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対して、Kが0.01〜5g、Feが1〜10gであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記K,Fe酸化物を有するアルミナの多孔質コーティング層中のK,Fe担持量は、触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対して、Kが0.01〜5g、Feが1〜10gであり、触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対する前記K,Fe酸化物担持の多孔質アルミナのコーティング量が10〜40gであることを特徴とする請求項9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記触媒層中の貴金属成分としてのPt,Rhの担持量が触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対して、Ptが0.5〜5.0g、Rhが0.05〜0.5gであることを特徴とする請求項1または9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記触媒層中の希土類金属成分としてのCeの担持量が触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対して、10〜50gであることを特徴とする請求項1または9に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記触媒層中のアルカリ土類金属成分としてのSr,Mgの担持量が触媒担持ハニカムの見かけ容積1リットルに対して、Srが5〜50g、Mgが0.5〜5.0gであることを特徴とする請求項9に記載の排ガス浄化用触媒。
- コージェライト製ハニカム状耐熱性構造体上に、触媒成分を担持した多孔質層を形成させたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- ステンレス・アルミ合金の耐熱性金属製ハニカム状耐熱性構造体上に、触媒成分を担持した多孔質層を形成させたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記請求項1〜19のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒を、内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を酸素共存下で除去するべく装置したことを特徴とする内燃機関用排ガス浄化装置。
- 前記請求項1〜19のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒で、内燃機関から排出される酸素、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び、窒素酸化物(NOx)を含む燃焼排ガスを浄化することを特徴とする内燃機関用排ガス浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28097296A JP3549687B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28097296A JP3549687B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10118494A JPH10118494A (ja) | 1998-05-12 |
JP3549687B2 true JP3549687B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=17632471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28097296A Expired - Fee Related JP3549687B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3549687B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60035880T2 (de) | 2000-02-22 | 2007-12-20 | Mazda Motor Corp. | Katalysator zur abgasreinigung und verfahren zu seiner herstellung |
JP4548968B2 (ja) | 2000-06-05 | 2010-09-22 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | セラミック担体およびセラミック触媒体 |
-
1996
- 1996-10-23 JP JP28097296A patent/JP3549687B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10118494A (ja) | 1998-05-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5968870A (en) | Catalyst for purifying exhaust gas from internal combustion engine and purifying method thereof | |
JP2002001124A (ja) | 排気ガス浄化用触媒および排気ガス浄化方法 | |
JPH10118457A (ja) | 内燃機関用排気ガス浄化装置 | |
JP3549687B2 (ja) | 排ガス浄化触媒、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化方法 | |
JP4084656B2 (ja) | 排ガス浄化システムおよび排ガス浄化方法 | |
JP3965793B2 (ja) | 内燃機関の排ガス浄化装置,排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒 | |
JPH11123331A (ja) | 排気ガス浄化用触媒 | |
JPH09225308A (ja) | 内燃機関用排ガス浄化触媒及び排ガス処理方法 | |
JP3589763B2 (ja) | ガソリンエンジンの排気ガス浄化方法 | |
JP3925015B2 (ja) | 内燃機関の排ガスの浄化装置,浄化方法及び浄化触媒 | |
JPH078755A (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JPH11247654A (ja) | NOx吸蔵還元型三元触媒を使用した排気ガス浄化装置 | |
JPH05212284A (ja) | 排気ガス浄化用触媒 | |
JP2001062294A (ja) | 排気浄化用触媒 | |
JPH0857316A (ja) | 自動車用排ガス浄化触媒 | |
JP2001009280A (ja) | 内燃機関用排ガス浄化触媒の製造方法及び排ガス浄化触媒 | |
JP2002273226A (ja) | 排気ガス浄化用触媒、及び触媒の製造方法 | |
JP2003083052A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP3435992B2 (ja) | 窒素酸化物含有排ガスの浄化方法 | |
JPH09225306A (ja) | 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 | |
JP3871992B2 (ja) | 燃料直噴式ガソリンエンジン排気ガスの浄化触媒、燃料直噴式ガソリンエンジン排気ガスの浄化方法 | |
JPH1043550A (ja) | 排ガス中の窒素酸化物の浄化方法及び浄化触媒 | |
JP2002256926A (ja) | 内燃機関の排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置 | |
JPH11156209A (ja) | 排ガス浄化装置及びその製造法 | |
JP2002115534A (ja) | 内燃機関の排ガス浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20031215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040413 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040421 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |