JPH0857316A - 自動車用排ガス浄化触媒 - Google Patents
自動車用排ガス浄化触媒Info
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- JPH0857316A JPH0857316A JP6220956A JP22095694A JPH0857316A JP H0857316 A JPH0857316 A JP H0857316A JP 6220956 A JP6220956 A JP 6220956A JP 22095694 A JP22095694 A JP 22095694A JP H0857316 A JPH0857316 A JP H0857316A
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- catalyst
- oxide
- powder
- refractory inorganic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 管理された条件以外で触媒が使用された場合
でも十分な耐久性をもつようにする。 【構成】 触媒の初期性能を低下させるために、貴金属
の担持総量を少なくし、担体容積1リットル当り0.7
g以下、好ましくは0.4g以下とする。また、耐火性
無機酸化物層の付着量を少なくし、担体容積1リットル
当り200g以下、好ましくは120g以下とする。さ
らに、耐火性無機酸化物の比表面積を小さくし、比表面
積を120m2/g以下、好ましくは85m2/g以下と
する。
でも十分な耐久性をもつようにする。 【構成】 触媒の初期性能を低下させるために、貴金属
の担持総量を少なくし、担体容積1リットル当り0.7
g以下、好ましくは0.4g以下とする。また、耐火性
無機酸化物層の付着量を少なくし、担体容積1リットル
当り200g以下、好ましくは120g以下とする。さ
らに、耐火性無機酸化物の比表面積を小さくし、比表面
積を120m2/g以下、好ましくは85m2/g以下と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンから発生
する排気ガスに含まれるTHC(全炭化水素)、CO
(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などを処理する
触媒に関し、特に担体に貴金属を担持した触媒に関する
ものである。
する排気ガスに含まれるTHC(全炭化水素)、CO
(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などを処理する
触媒に関し、特に担体に貴金属を担持した触媒に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用排ガス浄化触媒として排気ガス
に含まれる酸化性のNOxと還元性のHCやCOとの間
で酸化還元反応を起こさせる三元触媒が用いられ、その
ような触媒として貴金属触媒が広く使われている。貴金
属触媒としてはアルミナに貴金属を担持したPt−Rh
/Al2O3触媒やPd−Rh/Al2O3触媒などが広く
使われている。
に含まれる酸化性のNOxと還元性のHCやCOとの間
で酸化還元反応を起こさせる三元触媒が用いられ、その
ような触媒として貴金属触媒が広く使われている。貴金
属触媒としてはアルミナに貴金属を担持したPt−Rh
/Al2O3触媒やPd−Rh/Al2O3触媒などが広く
使われている。
【0003】これらの触媒は数万〜数十万km走行する
と劣化するため、劣化分のマージンを見越して初期性能
を向上させることが広く行なわれている。初期性能を向
上させる手法としては、活性成分である貴金属の担持総
量(使用量)を増加させたり、貴金属の密度を上げた
り、担体の表面を被覆し貴金属を担持する耐火性無機酸
化物層の付着量を増加させたり、耐火性無機酸化物の比
表面積を大きくしてガスを吸着しやすくすることなどが
行なわれている。
と劣化するため、劣化分のマージンを見越して初期性能
を向上させることが広く行なわれている。初期性能を向
上させる手法としては、活性成分である貴金属の担持総
量(使用量)を増加させたり、貴金属の密度を上げた
り、担体の表面を被覆し貴金属を担持する耐火性無機酸
化物層の付着量を増加させたり、耐火性無機酸化物の比
表面積を大きくしてガスを吸着しやすくすることなどが
行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように初期性能
を向上させた貴金属触媒は、触媒がある管理された環境
下で使用されている場合には有効であるが、その範囲を
越えて使用された場合は触媒性能を高活性にしているが
故に著しく劣化することが本発明者らにより見出され
た。ここで、管理された環境とは、空気と燃料の重量比
(A/F)が理論点(THC,CO,NOxが化学量論
的に等量に近い値で、A/F=14.5付近)通りの比
率で混合され、エンジン内で燃料が正常に燃焼した場合
の排気ガスを指している。
を向上させた貴金属触媒は、触媒がある管理された環境
下で使用されている場合には有効であるが、その範囲を
越えて使用された場合は触媒性能を高活性にしているが
故に著しく劣化することが本発明者らにより見出され
た。ここで、管理された環境とは、空気と燃料の重量比
(A/F)が理論点(THC,CO,NOxが化学量論
的に等量に近い値で、A/F=14.5付近)通りの比
率で混合され、エンジン内で燃料が正常に燃焼した場合
の排気ガスを指している。
【0005】しかし、整備不良やトラブルなどにより燃
焼していないガソリンと酸素が触媒上に流入し、触媒床
内で燃焼反応が起こることがある。このような事態はプ
ラグやハイテンションコードなどの点火系の不良や、キ
ャブレターの不良が発生した場合などに起こるが、この
ような事態が起こると触媒床内が1200℃を越える高
温となり、触媒が急激に劣化する。また、長時間にわた
って酸素過剰雰囲気で用いられ、常に触媒床で酸化反応
が連続して起こるような場合には貴金属自体が劣化す
る。このような事態は酸素センサが不良の場合や、A/
Fの制御系がリーン域(酸素過剰域)にずれている場合
などに起こる。
焼していないガソリンと酸素が触媒上に流入し、触媒床
内で燃焼反応が起こることがある。このような事態はプ
ラグやハイテンションコードなどの点火系の不良や、キ
ャブレターの不良が発生した場合などに起こるが、この
ような事態が起こると触媒床内が1200℃を越える高
温となり、触媒が急激に劣化する。また、長時間にわた
って酸素過剰雰囲気で用いられ、常に触媒床で酸化反応
が連続して起こるような場合には貴金属自体が劣化す
る。このような事態は酸素センサが不良の場合や、A/
Fの制御系がリーン域(酸素過剰域)にずれている場合
などに起こる。
【0006】従来のように経時劣化に対する対策として
貴金属量を増加させている触媒においては、未燃ガソリ
ンと酸素が触媒床内に流入したり、長時間にわたって酸
素過剰雰囲気で用いられた場合には、触媒での酸化反応
が暴走的に進み、触媒が著しく劣化する。特に、走行距
離が少なく、触媒が新品に近いときにそのような条件に
曝されると酸化反応はさらに進み、触媒に致命的な劣化
を引き起こす。本発明は管理された条件以外で触媒が使
用された場合でも十分な耐久性をもつようにすることを
目的とするものである。
貴金属量を増加させている触媒においては、未燃ガソリ
ンと酸素が触媒床内に流入したり、長時間にわたって酸
素過剰雰囲気で用いられた場合には、触媒での酸化反応
が暴走的に進み、触媒が著しく劣化する。特に、走行距
離が少なく、触媒が新品に近いときにそのような条件に
曝されると酸化反応はさらに進み、触媒に致命的な劣化
を引き起こす。本発明は管理された条件以外で触媒が使
用された場合でも十分な耐久性をもつようにすることを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の触媒とは
逆に初期性能を低下させる。そのために、本発明では貴
金属の担持総量を少なくして、担体容積1リットル当り
0.7g以下、好ましくは0.4g以下とし、耐火性無機
酸化物層の付着量を少なくして、担体容積1リットル当
り200g以下、好ましくは120g以下とし、さらに
耐火性無機酸化物の比表面積を小さくして、比表面積を
120m2/g以下、好ましくは85m2/g以下とす
る。
逆に初期性能を低下させる。そのために、本発明では貴
金属の担持総量を少なくして、担体容積1リットル当り
0.7g以下、好ましくは0.4g以下とし、耐火性無機
酸化物層の付着量を少なくして、担体容積1リットル当
り200g以下、好ましくは120g以下とし、さらに
耐火性無機酸化物の比表面積を小さくして、比表面積を
120m2/g以下、好ましくは85m2/g以下とす
る。
【0008】本発明の触媒で用いられる貴金属はPt,
Pd及びRhのうちの少なくとも1種である。耐火性無
機酸化物は、酸化アルミニウムを主体としてそれにL
a,Ba,Sr及びKのうちの少なくとも1種を含有
し、少なくともその一部と酸化アルミニウムとが固溶体
又は複合酸化物を形成して熱安定化されている酸化物粉
末と、酸化セリウムを主体としてそれにZr又はさらに
希土類元素(Ceを除く)の少なくとも1種を含有し、
少なくともその一部と酸化セリウムとが固溶体又は複合
酸化物を形成して熱安定化されている酸化物粉末との混
合物であることが好ましい。
Pd及びRhのうちの少なくとも1種である。耐火性無
機酸化物は、酸化アルミニウムを主体としてそれにL
a,Ba,Sr及びKのうちの少なくとも1種を含有
し、少なくともその一部と酸化アルミニウムとが固溶体
又は複合酸化物を形成して熱安定化されている酸化物粉
末と、酸化セリウムを主体としてそれにZr又はさらに
希土類元素(Ceを除く)の少なくとも1種を含有し、
少なくともその一部と酸化セリウムとが固溶体又は複合
酸化物を形成して熱安定化されている酸化物粉末との混
合物であることが好ましい。
【0009】
【作用】本発明の触媒では、貴金属担持総量を従来のも
のよりも抑え、耐火性無機酸化物層の付着量や比表面積
も従来のものより抑えることにより、触媒活性が抑制さ
れる反面、異常時の酸化発熱が抑制される。その結果と
して耐久性が向上し、かつA/Fウインドが拡大して使
用環境の拡大に対応できるようになる。
のよりも抑え、耐火性無機酸化物層の付着量や比表面積
も従来のものより抑えることにより、触媒活性が抑制さ
れる反面、異常時の酸化発熱が抑制される。その結果と
して耐久性が向上し、かつA/Fウインドが拡大して使
用環境の拡大に対応できるようになる。
【0010】
【実施例】実施例の触媒を調製するに先立って、担体を
被覆する耐火性無機酸化物層用の酸化物粉末の調製と、
その酸化物粉末への白金の担持前処理を行なった。 (A)耐火性無機酸化物の前処理 (A−1)市販のγ−Al2O3粉末を用い、原子比でA
lの98に対しLaが2となるように秤量した硝酸ラン
タン水溶液をそのγ−Al2O3粉末に含浸させ、大気中
800℃で10時間焼成してLa含有酸化アルミニウム
(La−Al2O3)粉末を得た。この粉末の結晶状態を
X線回折にて調べたが、結晶性の悪いγ−Al2O3と思
われるブロードなピーク以外は検出されなかった。
被覆する耐火性無機酸化物層用の酸化物粉末の調製と、
その酸化物粉末への白金の担持前処理を行なった。 (A)耐火性無機酸化物の前処理 (A−1)市販のγ−Al2O3粉末を用い、原子比でA
lの98に対しLaが2となるように秤量した硝酸ラン
タン水溶液をそのγ−Al2O3粉末に含浸させ、大気中
800℃で10時間焼成してLa含有酸化アルミニウム
(La−Al2O3)粉末を得た。この粉末の結晶状態を
X線回折にて調べたが、結晶性の悪いγ−Al2O3と思
われるブロードなピーク以外は検出されなかった。
【0011】(A−2)上記の(A−1)のLaに代え
てBaを用いるために、硝酸ランタン水溶液に代えて硝
酸バリウム水溶液とした以外は(A−1)と同様の操作
により、Ba含有酸化アルミニウム(Ba−Al2O3)
粉末を得た。この粉末のX線回折測定でも、(A−1)
の粉末と同様にブロードなγ−Al2O3と思われるピー
ク以外は検出されなかった。
てBaを用いるために、硝酸ランタン水溶液に代えて硝
酸バリウム水溶液とした以外は(A−1)と同様の操作
により、Ba含有酸化アルミニウム(Ba−Al2O3)
粉末を得た。この粉末のX線回折測定でも、(A−1)
の粉末と同様にブロードなγ−Al2O3と思われるピー
ク以外は検出されなかった。
【0012】(A−3)市販のCeO2粉末を用い、原
子比でCeの80に対しZrが20となるように秤量し
たオキシ硝酸ジルコニル水溶液をそのCeO2粉末に含
浸させ、大気中600℃で10時間焼成してZr含有酸
化セリウム((CeZr)O2)粉末を得た。この粉末
をX線回折により測定した結果、CeO2単一相と思わ
れるピークのみが検出された。
子比でCeの80に対しZrが20となるように秤量し
たオキシ硝酸ジルコニル水溶液をそのCeO2粉末に含
浸させ、大気中600℃で10時間焼成してZr含有酸
化セリウム((CeZr)O2)粉末を得た。この粉末
をX線回折により測定した結果、CeO2単一相と思わ
れるピークのみが検出された。
【0013】(A−4)市販のCeO2粉末を用い、原
子比でCeの60に対しZrが30、Yが10となるよ
うに秤量したオキシ硝酸ジルコニル水溶液と硝酸イット
リウム水溶液をそのCeO2粉末に含浸させ、大気中6
00℃で10時間焼成してZrとYを含有した酸化セリ
ウム粉末(CeZrY)O2を得た。この粉末をX線回
折により測定した結果、CeO2単一相と思われるピー
クのみが検出された。
子比でCeの60に対しZrが30、Yが10となるよ
うに秤量したオキシ硝酸ジルコニル水溶液と硝酸イット
リウム水溶液をそのCeO2粉末に含浸させ、大気中6
00℃で10時間焼成してZrとYを含有した酸化セリ
ウム粉末(CeZrY)O2を得た。この粉末をX線回
折により測定した結果、CeO2単一相と思われるピー
クのみが検出された。
【0014】(B)Ptの(CeZrY)O2粉末への
担持前処理 上記の(A−4)で調製した(CeZrY)O2粉末1
00gに対し、Pt量で0.5gとなるように秤量した
ジニトロジアミン白金硝酸水溶液を含浸させた後、大気
中600℃で10時間焼成してPt含有(CeZrY)
O2粉末を得た。
担持前処理 上記の(A−4)で調製した(CeZrY)O2粉末1
00gに対し、Pt量で0.5gとなるように秤量した
ジニトロジアミン白金硝酸水溶液を含浸させた後、大気
中600℃で10時間焼成してPt含有(CeZrY)
O2粉末を得た。
【0015】(実施例1)上記の(B)で得たPt含有
(CeZrY)O2粉末100gに対し、(A−1)で
得たLa−Al2O3粉末100gを混合し、イオン交換
水を加えてスラリー化し、コージェライト質モノリス型
構造(ハニカム)の担体に塗布し、余剰のスラリーを拭
き払った後、大気中600℃で5時間焼成して、耐火性
無機酸化物層で被覆されPtを担持したモノリスを得
た。使用したモノリス型担体は直径が80mm、長さが
95mmの円柱状で、セル数は400セル/inch2のも
のである。以下の実施例及び比較例でも同じ形状のモノ
リス型担体を使用した。
(CeZrY)O2粉末100gに対し、(A−1)で
得たLa−Al2O3粉末100gを混合し、イオン交換
水を加えてスラリー化し、コージェライト質モノリス型
構造(ハニカム)の担体に塗布し、余剰のスラリーを拭
き払った後、大気中600℃で5時間焼成して、耐火性
無機酸化物層で被覆されPtを担持したモノリスを得
た。使用したモノリス型担体は直径が80mm、長さが
95mmの円柱状で、セル数は400セル/inch2のも
のである。以下の実施例及び比較例でも同じ形状のモノ
リス型担体を使用した。
【0016】耐火性無機酸化物層で被覆された担体容積
1リットル(/リットル・catと表わす)に対してRh量
が0.05g/リットル・catとなるように秤量した硝酸
ロジウム水溶液を含浸させ、乾燥後、窒素気流中100
0℃で30時間焼成して、実施例1のサンプルを得た。
Pt量、Rh量、コート量は計算から求めた。耐火性無
機酸化物の比表面積は同様にして試作した他のサンプル
の耐火性無機酸化物をかき落とし、その粉末を用いて測
定して求めた。
1リットル(/リットル・catと表わす)に対してRh量
が0.05g/リットル・catとなるように秤量した硝酸
ロジウム水溶液を含浸させ、乾燥後、窒素気流中100
0℃で30時間焼成して、実施例1のサンプルを得た。
Pt量、Rh量、コート量は計算から求めた。耐火性無
機酸化物の比表面積は同様にして試作した他のサンプル
の耐火性無機酸化物をかき落とし、その粉末を用いて測
定して求めた。
【0017】(実施例2)実施例1と同様に試作し、P
t量は耐火性無機酸化物層の被覆量を変えることにより
調整して、実施例2のサンプルを得た。
t量は耐火性無機酸化物層の被覆量を変えることにより
調整して、実施例2のサンプルを得た。
【0018】(実施例3)実施例1と同様に試作し、P
t量は耐火性無機酸化物層の被覆量を変えることにより
調整するとともに、さらにRh量を0.1g/リットル・
catとなるように調整して実施例3のサンプルを得た。
t量は耐火性無機酸化物層の被覆量を変えることにより
調整するとともに、さらにRh量を0.1g/リットル・
catとなるように調整して実施例3のサンプルを得た。
【0019】(実施例4)耐火性無機酸化物の前処理の
(A−2)で得たBa−Al2O3の100gに対し、
(A−3)で得た(CeZr)O2の100gを混合し
て耐火性無機酸化物スラリーを作り、モノリス型担体に
そのスラリーを塗布し、余剰のスラリーを吹き払った
後、大気中600℃で5時間焼成した。耐火性無機酸化
物層で被覆されたモノリス型担体の容積1リットルに対
しPtはジニトロジアミン白金硝酸水溶液、Pdはジニ
トロジアミンPd硝酸水溶液を用いてそれぞれ0.2g
/リットル・catとなるように秤量し、含浸させ、乾燥
後、大気中300℃で3時間焼成した。さらに、Rhは
硝酸ロジウム水溶液を用い、0.1g/リットル・catと
なるように秤量し、上記の担体に含浸させ、乾燥後、大
気中300℃で3時間焼成した後、窒素気流中800℃
で10時間焼成して、実施例4のサンプルを得た。
(A−2)で得たBa−Al2O3の100gに対し、
(A−3)で得た(CeZr)O2の100gを混合し
て耐火性無機酸化物スラリーを作り、モノリス型担体に
そのスラリーを塗布し、余剰のスラリーを吹き払った
後、大気中600℃で5時間焼成した。耐火性無機酸化
物層で被覆されたモノリス型担体の容積1リットルに対
しPtはジニトロジアミン白金硝酸水溶液、Pdはジニ
トロジアミンPd硝酸水溶液を用いてそれぞれ0.2g
/リットル・catとなるように秤量し、含浸させ、乾燥
後、大気中300℃で3時間焼成した。さらに、Rhは
硝酸ロジウム水溶液を用い、0.1g/リットル・catと
なるように秤量し、上記の担体に含浸させ、乾燥後、大
気中300℃で3時間焼成した後、窒素気流中800℃
で10時間焼成して、実施例4のサンプルを得た。
【0020】(実施例5)Pdを用いず、Pt量を0.
1g/リットル・cat、Rh量を0.3g/リットル・cat
とした以外は実施例4と同様の操作を行なった。ただ
し、窒素中での焼成温度は実施例4では800℃である
が、この実施例では900℃とした。このサンプルを実
施例5とする。
1g/リットル・cat、Rh量を0.3g/リットル・cat
とした以外は実施例4と同様の操作を行なった。ただ
し、窒素中での焼成温度は実施例4では800℃である
が、この実施例では900℃とした。このサンプルを実
施例5とする。
【0021】(比較例a)(A−1)のLa−Al2O3
粉末100gに対し、(A−3)の(CeZr)O2粉
末100gを混合し、イオン交換水を加えてスラリー化
し、それをモノリス型担体に塗布し、余剰のスラリーを
拭き払った後、大気中600℃で5時間焼成して、耐火
性無機酸化物層で被覆された担体を得た。この担体の容
積1リットルに対してPt量が2.0g/リットル・cat
となるように秤量したジニトロジアミン白金硝酸水溶液
を含浸させ、乾燥後、大気中300℃で3時間焼成し
た。次に、Rh量が0.2g/リットル・catとなるよう
に秤量した硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、乾燥後、大
気中300℃で3時間焼成して、比較例aのサンプルを
得た。
粉末100gに対し、(A−3)の(CeZr)O2粉
末100gを混合し、イオン交換水を加えてスラリー化
し、それをモノリス型担体に塗布し、余剰のスラリーを
拭き払った後、大気中600℃で5時間焼成して、耐火
性無機酸化物層で被覆された担体を得た。この担体の容
積1リットルに対してPt量が2.0g/リットル・cat
となるように秤量したジニトロジアミン白金硝酸水溶液
を含浸させ、乾燥後、大気中300℃で3時間焼成し
た。次に、Rh量が0.2g/リットル・catとなるよう
に秤量した硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、乾燥後、大
気中300℃で3時間焼成して、比較例aのサンプルを
得た。
【0022】(比較例b)市販のAl2O3粉末と市販の
CeO2粉末を用いてモノリス型担体を被覆し、Pt量
を0.6g/リットル・cat、Rh量を0.18g/リット
ル・catとした以外は比較例aと同様の操作にて比較例b
のサンプルを得た。
CeO2粉末を用いてモノリス型担体を被覆し、Pt量
を0.6g/リットル・cat、Rh量を0.18g/リット
ル・catとした以外は比較例aと同様の操作にて比較例b
のサンプルを得た。
【0023】(比較例c)Pt量を1.0g/リットル・
cat、Rh量を0.3g/リットル・catとした以外は比較
例aと同様の操作にて比較例cのサンプルを得た。
cat、Rh量を0.3g/リットル・catとした以外は比較
例aと同様の操作にて比較例cのサンプルを得た。
【0024】(比較例d)市販のAl2O3粉末と市販の
CeO2粉末を用いてモノリス型担体を被覆し、Ptに
代えてPdを1.0g/リットル・catとなるように秤量
したジニトロジアミンパラジウム硝酸水溶液を含浸さ
せ、次にRh量が0.1g/リットル・catとなるように
硝酸ロジウム水溶液を含浸させた。それ以外は比較例a
と同様の操作にて比較例dのサンプルを得た。これらの
実施例と比較例の触媒の仕様を表1にまとめて示す。
CeO2粉末を用いてモノリス型担体を被覆し、Ptに
代えてPdを1.0g/リットル・catとなるように秤量
したジニトロジアミンパラジウム硝酸水溶液を含浸さ
せ、次にRh量が0.1g/リットル・catとなるように
硝酸ロジウム水溶液を含浸させた。それ以外は比較例a
と同様の操作にて比較例dのサンプルを得た。これらの
実施例と比較例の触媒の仕様を表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、実施例は比較例
と比べると貴金属の担持総量が少なく、耐火性無機酸化
物層のコート量も少なく、また耐火性無機酸化物の比表
面積も小さくなっている。実施例1の触媒と比較例aの
触媒をそれぞれ自動車に実装してその耐久性を比較した
実車耐久テストの結果を表2に示す。
と比べると貴金属の担持総量が少なく、耐火性無機酸化
物層のコート量も少なく、また耐火性無機酸化物の比表
面積も小さくなっている。実施例1の触媒と比較例aの
触媒をそれぞれ自動車に実装してその耐久性を比較した
実車耐久テストの結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】この耐久テストは4気筒エンジン中の1気
筒のハイテンションコードを外して20時間失火運転し
て行なった。耐久テスト中の触媒床内の最高温度は比較
例aでは1240℃と高温になるのに対し、実施例1で
は1130℃までしか上がっていない。耐久テスト後の
性能の比較では、COとNOxの浄化率は比較例aでは
52%まで低下しているのに対し、実施例1では64%
の低下に留まっている。また、A/Fの50%ウインド
幅は比較例aでは0.04A/Fまで狭くなっているの
に対し、実施例1では0.74A/Fに留まっている。
A/Fの50%ウインド幅とは、CO、THC及びNO
xのすべてに対して50%以上の浄化能力をもつ理論点
近傍のA/F幅である。この結果から実施例1は比較例
aに比べて耐久性が向上していることが分かる。
筒のハイテンションコードを外して20時間失火運転し
て行なった。耐久テスト中の触媒床内の最高温度は比較
例aでは1240℃と高温になるのに対し、実施例1で
は1130℃までしか上がっていない。耐久テスト後の
性能の比較では、COとNOxの浄化率は比較例aでは
52%まで低下しているのに対し、実施例1では64%
の低下に留まっている。また、A/Fの50%ウインド
幅は比較例aでは0.04A/Fまで狭くなっているの
に対し、実施例1では0.74A/Fに留まっている。
A/Fの50%ウインド幅とは、CO、THC及びNO
xのすべてに対して50%以上の浄化能力をもつ理論点
近傍のA/F幅である。この結果から実施例1は比較例
aに比べて耐久性が向上していることが分かる。
【0029】実施例2〜5と、比較例b〜dについては
図1に示されるテストパターンによりベンチ耐久テスト
を行なった。このテストパターンでは、1サイクルの6
0秒の間に部分的にフィードバック制御を外してガソリ
ンを過剰に噴射させた後、二次空気を導入して触媒床上
で生ガスを燃焼させることにより高温に達するようにす
る。このサイクルを連続して3600サイクル繰り返
す。そのテスト後の触媒の性能を表3に示す。
図1に示されるテストパターンによりベンチ耐久テスト
を行なった。このテストパターンでは、1サイクルの6
0秒の間に部分的にフィードバック制御を外してガソリ
ンを過剰に噴射させた後、二次空気を導入して触媒床上
で生ガスを燃焼させることにより高温に達するようにす
る。このサイクルを連続して3600サイクル繰り返
す。そのテスト後の触媒の性能を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3の結果から、COとNOxの浄化率は
実施例の方がやや優れているが、さほど顕著な差異はみ
られないのに対し、A/Fの50%ウインド幅は実施例
の方が広く、特にリーン域でのNOx浄化率が向上し
た。
実施例の方がやや優れているが、さほど顕著な差異はみ
られないのに対し、A/Fの50%ウインド幅は実施例
の方が広く、特にリーン域でのNOx浄化率が向上し
た。
【0032】触媒反応が起こるとき、反応熱により触媒
床内は高温になる。触媒が劣化すると反応が起こらなく
なり、床内の温度も上昇しなくなる。そこで、耐久テス
ト前後で触媒床内の最高温度を比較することにより劣化
の程度を判断することができる。図2(A)と(B)は
それぞれ実施例3と比較例cの触媒について、ベンチ耐
久テスト中の触媒床内最高温度を、初期状態と60時間
耐久テスト後とで比較したものである。初期状態と耐久
テスト後の触媒床内温度差が劣化の程度を表わしてい
る。図2(A)と(B)を比較すれば明らかなように、
実施例3の方が比較例cよりも劣化が少ない。
床内は高温になる。触媒が劣化すると反応が起こらなく
なり、床内の温度も上昇しなくなる。そこで、耐久テス
ト前後で触媒床内の最高温度を比較することにより劣化
の程度を判断することができる。図2(A)と(B)は
それぞれ実施例3と比較例cの触媒について、ベンチ耐
久テスト中の触媒床内最高温度を、初期状態と60時間
耐久テスト後とで比較したものである。初期状態と耐久
テスト後の触媒床内温度差が劣化の程度を表わしてい
る。図2(A)と(B)を比較すれば明らかなように、
実施例3の方が比較例cよりも劣化が少ない。
【0033】
【発明の効果】本発明では貴金属触媒の貴金属担持量を
抑え、さらには耐火性無機酸化物層の付着量や比表面積
を抑えることにより、耐久性が向上し、かつA/Fウイ
ンド幅が拡大してA/Fの広い使用環境で利用できる触
媒を得ることができる。
抑え、さらには耐火性無機酸化物層の付着量や比表面積
を抑えることにより、耐久性が向上し、かつA/Fウイ
ンド幅が拡大してA/Fの広い使用環境で利用できる触
媒を得ることができる。
【図1】ベンチ耐久テストパターンを示す図である。
【図2】(A)と(B)はそれぞれ実施例3と比較例c
の60時間ベンチ耐久テスト前後での触媒床内最高温度
を比較する図である。
の60時間ベンチ耐久テスト前後での触媒床内最高温度
を比較する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/42 ZAB A 23/44 ZAB A 23/46 ZAB A 311 A 23/58 ZAB A B01D 53/36 104 A
Claims (3)
- 【請求項1】 耐火性無機酸化物層で被覆したモノリス
型担体により貴金属を担持した自動車用排ガス浄化触媒
において、 貴金属の担持総量が担体容積1リットル当り0.7g以
下、好ましくは0.4g以下であり、耐火性無機酸化物
層の付着量が担体容積1リットル当り200g以下、好
ましくは120g以下であり、耐火性無機酸化物の比表
面積が120m2/g以下、好ましくは85m2/g以下
である自動車用排ガス浄化触媒。 - 【請求項2】 貴金属がPt,Pd及びRhのうちの少
なくとも1種である請求項1に記載の自動車用排ガス浄
化触媒。 - 【請求項3】 耐火性無機酸化物は、酸化アルミニウム
を主体としてそれにLa,Ba,Sr及びKのうちの少
なくとも1種を含有し、少なくともその一部と酸化アル
ミニウムとが固溶体又は複合酸化物を形成して熱安定化
されている酸化物粉末と、酸化セリウムを主体としてそ
れにZr又はさらに希土類元素(Ceを除く)の少なく
とも1種を含有し、少なくともその一部と酸化セリウム
とが固溶体又は複合酸化物を形成して熱安定化されてい
る酸化物粉末との混合物である請求項1に記載の自動車
用排ガス浄化触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220956A JPH0857316A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 自動車用排ガス浄化触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220956A JPH0857316A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 自動車用排ガス浄化触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0857316A true JPH0857316A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16759194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6220956A Pending JPH0857316A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 自動車用排ガス浄化触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0857316A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11151439A (ja) * | 1997-11-20 | 1999-06-08 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2001079403A (ja) * | 1999-09-14 | 2001-03-27 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2001104786A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-17 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2009061383A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Nagoya Institute Of Technology | 耐熱性アルミナ担体とその製造方法 |
JP2011020013A (ja) * | 2009-07-13 | 2011-02-03 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-08-22 JP JP6220956A patent/JPH0857316A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11151439A (ja) * | 1997-11-20 | 1999-06-08 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2001079403A (ja) * | 1999-09-14 | 2001-03-27 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2001104786A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-17 | Daihatsu Motor Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JP2009061383A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Nagoya Institute Of Technology | 耐熱性アルミナ担体とその製造方法 |
JP2011020013A (ja) * | 2009-07-13 | 2011-02-03 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 |
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