JP2011020013A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空燃比が14.5未満の燃料リッチな排気ガスに対して用いられる排気ガス浄化用触媒であって、(1)酸化セリウム、(2)酸化ジルコニウム、(3)酸化アルミニウム、(4)酸化イットリウム及び/又は酸化マグネシウム、並びに(5)貴金属を含有し、イットリウム及び/又はマグネシウムの総濃度が、触媒総量に対して2.0重量%〜5.0重量%である。
【選択図】なし
Description
(1)酸化セリウム、
(2)酸化ジルコニウム、
(3)酸化アルミニウム、
(4)酸化イットリウム及び/又は酸化マグネシウム、並びに
(5)貴金属を含有し、
イットリウム及び/又はマグネシウムの総濃度が、触媒総量に対して2.0重量%〜5.0重量%である、排気ガス浄化用触媒に関する。
当該金属担体の表面にコーティングされた前記排気ガス浄化用触媒と、を有する、
空燃比(A/F)が14.5未満の燃料リッチな排気ガスに対して用いられる排気ガス浄化材に関する。
(1)酸化物換算、すなわち酸化セリウムと酸化ジルコニウムの合計で30g、酸化セリウム:酸化ジルコニウムがモル比で1:1となるように以下の原料を混合した。この組成では、最終的に得られる触媒全量に対するイットリウムの濃度は2.0重量%になる。
硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3×6H2O) 37.8g
オキシ硝酸ジルコニウム二水和物(ZrO(NO3)2×2H2O) 32.6g
硝酸イットリウム六水和物(Y(NO3)3×6H2O) 6.4g
γ−アルミナ(TM−300D) 45.0g
得られた混合物を水300mLに添加して、撹拌し、懸濁液を調製した。
(2)当該懸濁液に、5.0重量%のアンモニア水を滴下して懸濁液のpHを9まで上昇させることで、共沈物を形成させた。
(3)この共沈物を15時間静置して熟成させた後、ろ過により分離し、水洗した。分離した共沈物を、オーブンにて120℃で4時間乾燥させ、さらに600℃で2時間、空気中で焼成し、焼成粉末77.3gを得た。
(4)得られた焼成粉末を以下の原料と混合した。
前記焼成粉末 77.3g
アルミナゾル(20重量%) 51.6g
硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)水溶液 6.4g
10%硝酸(HNO3)溶液 6.4g
イオン交換水 96.7g
各原料を混合し、ボールミルによる粉砕混合を15時間行い、スラリーを得た。
(5)得られたスラリーを蒸発皿に移し取り、500℃で1時間、空気中で焼成して焼成物90.7gを得た。得られた焼成物は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及び酸化イットリウムからなり、焼成物中に占める各酸化物の重量比はそれぞれ、16.5重量%、16.6重量%、64.4重量%、2.5重量%であった。
(6)得られた焼成物を、乳鉢内に投入してすりつぶして均一にした後、5g秤量した。
(7)別途、テトラアンミンジクロロ白金一水和物(Pt(NH3)4Cl2×H2O)を0.0361g、硝酸ロジウム(Rh(NO3)3)を0.0140g秤量して純水100mLに溶解して水溶液を得た。なお、前記焼成物(5g)に対する白金及びロジウムの重量比はそれぞれ、0.4重量%(0.02g)及び0.1重量%(0.005g)である。
(8)上記で秤量した焼成物5gを、(7)で得た貴金属水溶液に混合し、2〜3時間かけて十分に混合した。
(9)混合液を、ロータリーエバポレーターにかけて水分を留去した。
(10)留去後に得られた触媒粉末を、乾燥機中にて110℃で十分に乾燥した。
(11)得られた触媒粉末を、2g程度秤量した。
(12)秤量した触媒粉末を1000℃で5時間、大気中でエージング焼成した。なお、この焼成操作は、触媒の耐久性を評価することを目的として触媒を強制劣化させるために行った操作である。
(13)焼成された触媒を400℃で30分間、水素気流中に放置して還元した。
(1)排気ガス浄化用触媒を1g秤量した。
(2)秤量した触媒をペレット化した後、粉砕し、約1.0〜1.5mmの範囲に粒径を調整した。
(3)粒状の触媒を20gの石英ビーズで希釈して、常圧流通式固定層反応器に充填した。
(4)各気体のガスボンベから各気体を引き出し混合することで、実車の排気ガスを模擬した濃度成分の混合ガスを調製し、前記反応器の反応管に流通させた。
(5)電気炉にて前記反応器を昇温し、触媒層入口温度が400℃に到達した後、触媒層入口及び出口の一酸化炭素(CO)濃度、炭化水素(THC)濃度、及び窒素酸化物(NOx)濃度を計測した。
(6)以下の算出式に基づき、一酸化炭素(CO)、炭化水素(THC)、及び窒素酸化物(NOx)の浄化率を算出した。
浄化率=(触媒層入口の濃度−触媒層出口の濃度)/触媒層入口の濃度
上記の触媒調製方法で得られた触媒(イットリウム濃度:2.0重量%)を用いて、上記の試験方法により、各ガスの浄化率を測定した。ただし、試験対象の混合ガスとしては、A/F値が14.0〜15.6の範囲の数値になるよう空気と燃料の使用比を調整したものを使用した。
上記の触媒調製方法で硝酸イットリウム六水和物の代わりに硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O)を使用して、イットリウムは含まずマグネシウムを触媒全量に対し2.0重量%、6.0重量%、又は10.0重量%の濃度で含有する触媒を調製した。これらについて実験例1と同様に各ガスの浄化率を測定した。
上記の触媒調製方法で硝酸イットリウム六水和物の代わりに硝酸鉄(III)九水和物([Fe(H2O)6](NO3)3・3H2O)、酢酸マンガン(II)四水和物(Mn(CH3COO)2・4H2O)(酸化マンガン原料)、硝酸コバルト(II)六水和物(Co(NO3)2・6H2O)又は硝酸ニッケル(II)六水和物(Ni(NO3)2・6H2O)を使用して、イットリウムは含まず鉄、マンガン、コバルト又はニッケルを2.0重量%の濃度で含有する触媒を調製した。これらについて実験例1と同様に各ガスの浄化率を測定した。
上記の触媒調製方法に準じてイットリウムの濃度を0〜6.0重量%まで、1.0重量%刻みで変更した触媒を調製した。これら触媒を用いて、上記の試験方法により、各ガスの浄化率を測定した。試験対象の混合ガスとしては、A/F値が14.1になるよう空気と燃料の使用比を調整したものを使用した。
上記の触媒調製方法の工程(1)で硝酸イットリウム六水和物を加えずに、工程(7)で白金塩及びロジウム塩と共に硝酸イットリウム六水和物を含む水溶液を調製した(同時含浸法)こと以外は、上記の触媒調製方法と同様にして、イットリウム濃度が2.0重量%の触媒を調製した。
上記の触媒調製方法で調製したイットリウム濃度が2.0重量%の触媒、及び、同方法で硝酸イットリウム六水和物を添加せずに調製したイットリウムを含まない触媒それぞれについて、透過型電子顕微鏡観察(TEM)を行った。
上記の触媒調製方法で調製した酸化イットリウム濃度が2.0重量%の触媒に対してX線光電子分析法(XPS)を適用した。
Claims (6)
- 空燃比(A/F)が14.5未満の燃料リッチな排気ガスに対して用いられる排気ガス浄化用触媒であって、
(1)酸化セリウム、
(2)酸化ジルコニウム、
(3)酸化アルミニウム、
(4)酸化イットリウム及び/又は酸化マグネシウム、並びに
(5)貴金属を含有し、
イットリウム及び/又はマグネシウムの総濃度が、触媒総量に対して2.0重量%〜5.0重量%である、排気ガス浄化用触媒。 - 前記(1)-(4)が均一に混合された複合酸化物に対して、(5)を含浸させることで製造された、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒。
- 前記貴金属が、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒。
- 金属担体と、
当該金属担体の表面にコーティングされた請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガス浄化用触媒と、を有する、
空燃比(A/F)が14.5未満の燃料リッチな排気ガスに対して用いられる排気ガス浄化材。 - (1)酸化セリウム、(2)酸化ジルコニウム、(3)酸化アルミニウム、並びに、(4)酸化イットリウム及び/又は酸化マグネシウム、を含む複合酸化物に対して、(5)貴金属を含浸させる工程を含む、イットリウム及び/又はマグネシウムの総濃度が、触媒総量に対して2.0重量%〜5.0重量%である排気ガス浄化用触媒の製造方法。
- 前記(1)-(4)の各成分と水を混合して懸濁液を作製した後、該懸濁液から共沈法により共沈物を生成させ、この共沈物を焼成して前記(1)-(4)を含む複合酸化物を得る工程をさらに含む、請求項5記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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