JP3549029B2 - 腰掛け用のサイドテーブル装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シートクッション側方のアームレストに備え付けられる腰掛け用のサイドテーブル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両、自動車、航空機、劇場、又は家庭などで使用される腰掛けに、着座者がコップや地図等の小物を載置できるようにするため、サイドテーブル装置を付設することは従来より周知である。
【0003】
図11は従来のサイドテーブル装置の一例を示す斜視図である。この装置のテーブル本体5aを使用するときは、仮想線で示したシートクッション1aの側方に位置するアームレスト2aの上端部にある蓋3aを開いて、アームレスト2aの内部から、図12に示すようにヒンジ部4aを支点にしてテーブル本体5aを回動させつつ引き出し、これを図13に示すようにアームレスト2aの上方位置にて直立させ、次いで、テーブル本体5aを図14に示すようにシートクッション1aの側に倒してほぼ水平な使用位置に保持する。そして、蓋3aを閉じる。このようにして腰掛けの着座者は、自らの体の前方に位置するテーブル本体5a上に小物を置くことができる。逆の操作によって、テーブル本体5aを、アームレスト2aの開口6aから、その内部に格納することができる。
【0004】
ヒンジ部4aは、図15に示すようにアームレスト2a(図11)に取り付けられたヒンジ107aと、テーブル本体5aに取り付けられたヒンジ108aと、その両ヒンジ間に取り付けられたヒンジ109aとから成り、テーブル本体5aは、ヒンジ107aの機能により腰掛けの前後方向に、又ヒンジ108aの機能により、その方向と直交する方向(横倒及び起立方向)にそれぞれ回動可能となっている。
【0005】
上述した従来例はインアーム式のものであって、例えば特願昭63−300155号に開示された形式のものであるが、図16に示した従来例は、腰掛け側面収納式のものであり、テーブル本体5bは、上述した従来例のものと同様なヒンジ部4bでアームレスト2b側にヒンジ連結され、同様にして操作される。
【0006】
図11及び図16に示したサイドテーブル装置においては、次に列挙するような不具合がある。
【0007】
▲1▼ シートクッション1aの着座者、又はその隣りの腰掛けの着座者が蓋3aの上に肘を乗せていると、その蓋3aを開けることができず、テーブル本体5aを使用位置にもたらすことができない。
▲2▼ テーブル本体5aの出し入れのために、いちいち蓋3aを開閉させねばならないので、該本体5aの出し入れ操作が面倒である。
▲3▼ ヒンジ部4a,4bの構成では、テーブル本体5a若しくは5bを腰掛けの前後方向に回動させる際、テーブル本体5a,5bが、その方向と直交する方向にふらつくように妄動し、又テーブル本体5a,5bを横倒したり起立したりするときも、該本体がふらついて妄動するので、テーブル本体5a,5bの操作性が悪い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を全て除去した腰掛け用のサイドテーブル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、シートクッションの側方に位置するアームレストの肘のせ部の下方に設けられ、かつシートバックと反対側が開口している収納空間に、直立した姿勢で収納されたテーブル本体を、その収納空間の開口よりシートバックから離間する前方側に引き出しつつ、直立姿勢を保持したままで、アームレストの肘のせ部の前方の上方位置まで、第1の回動操作として回動させ、次いで、上方位置にもたらしたテーブル本体を、第1の回動操作の回動方向と直交する方向に倒しつつ、着座者の体の前方のほぼ水平な使用位置まで、第2の回動操作として回動させ、テーブル本体の収納時に、使用位置にあるテーブル本体を、第3の回動操作として前記上方位置に直立するように回動させ、次いで、該テーブル本体を、第4の回動操作として直立した上方位置から、その直立した姿勢を保持したままで前記収納空間まで回動させるようにした腰掛け用のサイドテーブル装置であって、第1及び第4の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持すると共に、第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持するヒンジ手段を設け、該ヒンジ手段は、前記アームレストの肘のせ部に対して固定された第1のヒンジピンと、前記テーブル本体に対して固定された第2のヒンジピンを有し、前記第1及び第4の回動操作時に、前記テーブル本体は前記第1のヒンジピンのまわりに回動し、前記第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体は前記第2のヒンジピンのまわりに回動し、前記第1及び第4の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が前記第2のヒンジピンに設けられ、前記第2及び第3の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が前記第1のヒンジピンに設けられていることを特徴とする腰掛け用のサイドテーブル装置を提案する。
その際、前記ヒンジ手段の第1のヒンジピンは、腰掛けの幅方向に延びていると共に、第1の凹部が形成されていて、前記ヒンジ手段の第2のヒンジピンは、前記テーブル本体がその収納空間に収納された状態で、該テーブル本体の上部の前端部に一体に設けられ、かつ前方に突出していると共に、第2の凹部が形成されていて、前記ヒンジ手段は、さらに、前記第1のヒンジピンが嵌合する第1の貫通孔と前記第2のヒンジピンが嵌合する第2の貫通孔を有しているヒンジブロックを具備し、前記第1及び第2の貫通孔は互いに交叉する接続部分で互いに連通し、前記第1及び第4の回動操作時に、前記第2の凹部が第1のヒンジピンの外周面に接しつつ、第2のヒンジピンがヒンジブロック及びテーブル本体と共に、第1のヒンジピンの軸線のまわりに回動し、かつ前記第2の凹部が第1のヒンジピンの外周面に係合することによって、第2のヒンジピンがヒンジブロックに対してその第2の貫通孔の軸線のまわりに回転することが禁止され、前記第2及び第3の回動操作時に、前記第2のヒンジピンの外周面が前記第1の凹部に接しつつ、第2のヒンジピンがテーブル本体と共に第2の貫通孔の軸線のまわりを回動し、かつ第2のヒンジピンの外周面が第1の凹部に係合することによって、ヒンジブロックと第2のヒンジピンとテーブル本体が第1のヒンジピンの軸線のまわりに回動することが禁止されるように構成されていることが望ましい。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係るサイドテーブル装置を有する腰掛けを示すものであるが、この図を参照して、先ずサイドテーブル装置の概略構成とその作用を明らかにする。
【0012】
図1に示した腰掛け装置10は、第1及び第2の2つの腰掛け11,12を有し、これらの腰掛けは鉄道車両、自動車、航空機、劇場或いは家庭などで使用されるものである。各腰掛け11,12は、シートクッション1A,1Bと、シートバック3A,3Bをそれぞれ具備している。各腰掛け11,12は互いに隣り合っていて、そのシートバック3A,3Bは、各腰掛け11,12の図示していない着座者の背部を支え、シートクッション1A,1Bは各腰掛け11,12の着座者の尻部を支えるものである。各シートバック3A,3Bは各腰掛け11,12の後部に位置し、各シートクッション1A,1Bは、各シートバック3A,3Bの下部より各腰掛け11,12の前方を向いた姿勢でほぼ水平に位置している。
【0013】
シートクッション1Aの側方に位置するアームレスト2は、ほぼ上下に立上ったアームレスト本体2Aと、その上部に一体的に固定された肘のせ部2Bより成り、その肘のせ部2Bは腰掛け11の前後方向にほぼ水平に延びている。かかるアームレスト2の肘のせ部2Bの下方には、アームレスト本体2Aに形成された切り欠き部より成るテーブル本体5用の収納空間6が設けられており、かかる収納空間6は、シートバック3Aと反対側、すなわちアームレスト前部側が開口している。
【0014】
なお、図1に示したアームレスト2は、本例の腰掛け装置10が複座式となっているので、その両腰掛け11,12の両シートクッション1A,1Bの間の中央部に設けられ、両腰掛け11,12の着座者がその肘のせ部2Bに肘を載せて使用できるものとなっている。
【0015】
腰掛け用のサイドテーブル装置は、板状に形成された上述のテーブル本体5と、肘のせ部2Bの前端部に設けられた後述するヒンジ部4を有しており、テーブル本体5は、その非使用時に、収納空間6に直立した姿勢で収納され、この収納状態で、アームレスト本体2Aと共に外部に露呈している。このとき、ヒンジ部4は、テーブル本体5の上部の前端部に位置している。
【0016】
図1に例示したテーブル本体5は、第1の腰掛け11の着座者によって使用されるものであり、かかるテーブル本体5を使用位置にもたらすときは、先ず、収納空間6に直立した姿勢で収納されたテーブル本体5を、その収納空間6の開口より、シートバック3Aから離間する方向、すなわち腰掛け11の前方側に図2に示す如く引き出しつつ、直立姿勢を保持したままで、図3に示すようにアームレスト2の肘のせ部2Bの前方の上方位置まで、第1の回動操作として回動させる。収納空間6に収納されたテーブル本体5を、その上部の前端部に位置するヒンジ部4を中心として、図3に示したように、肘のせ部2Bの前方で、その上方の位置まで、腰掛け11の前方側に上昇する向きに回動させるのである。
【0017】
次いで、上方位置にもたらしたテーブル本体5を、図4に示す如く、ヒンジ部4を支点として第1の回動操作の回動方向と直交する方向に倒しつつ、腰掛け11(図1)に腰を下ろした着座者の体の前方のほぼ水平な使用位置、すなわちシートバック3Aの前方の図5に示した位置まで、第2の回動操作として回動させる。テーブル本体5は、かかる使用位置で、第1の腰掛け11の着座者の体の前方領域の位置を占め、図示していないストッパなどのロック手段によりアームレスト2に対してロックされる。このロック状態で、第1の腰掛け11の着座者はテーブル本体5上に小物などを載せることができる。
【0018】
テーブル本体5を収納するときは、このテーブル本体5を上述した操作と逆の手順で、これを収納空間6に収める。すなわち、先ず、図5に示した使用位置にあるテーブル本体5を、ヒンジ部4を支点として起立させながら、第3の回動操作として、図3に示した上方位置に直立するように回動させる。次いで、そのテーブル本体5を、第4の回動操作として、直立した上方位置から、その直立した姿勢を保持したままで、ヒンジ部4を中心として図1に示した収納空間6まで回動させる。
【0019】
上述のサイドテーブル装置によれば、隣りに位置する第2の腰掛け12の着座者が、肘のせ部2Bに肘を載せていても、この肘に邪魔されることなく、テーブル本体5を出し入れすることができる。隣席に座っている人に何ら邪魔されることなく、テーブル本体5を出し入れできるのである。又、前述した従来例ではテーブル本体の出し入れの際、蓋を開閉する必要があったが、本例ではこのような開閉操作は不要であるので、テーブル本体5の出し入れ操作をすばやく簡単に行うことができる。
【0020】
次に、テーブル本体5を上述した2方向に回動可能とするヒンジ手段に関して説明する。
【0021】
図6は、かかるヒンジ手段の一例であるヒンジ部4の分解斜視図であり、そのヒンジ駒(ヒンジブロック)7には、軸線が互いに90°で交叉した第1及び第2の貫通孔7a,7bがそれぞれ設けられている。一方の第1の貫通孔7aは腰掛け11(図1)の幅方向に延びている。他方の第2の貫通孔7bは、テーブル本体5が図1に示したように収納空間6に収納された状態で、腰掛け11の前後方向に延び、同じ状態で、第1の貫通孔7aは、第2の貫通孔7bよりも上方に位置している。そして、第1及び第2の貫通孔7a,7bは、互いに交叉する接続部分で、互いに相手の孔内にめり込む格好で、互いに連通している。第1及び第2の貫通孔7a,7bは共に円形の横断面形状を有している。
【0022】
ヒンジ部4は、アームレスト2の肘のせ部2B(図1)に不動に固定された板状のヒンジピン取付部材8を有し、この取付部材8には外周面が円筒形の第1のヒンジピン9が固設されていて、この第1のヒンジピン9は、腰掛け11の幅方向に延び、前述の第1の貫通孔7aに嵌合すると共に、当該ヒンジピン9の外周面には、その中途部に、上方を向いて開口する第1の凹部9aが形成されている。又、ヒンジ部4は、テーブル本体5の基端部の片側に該本体と一体的に形成された第2のヒンジピン13を有し、このピン13は、前述の第2の貫通孔7bに嵌合し、当該ヒンジピン13の外周面も円筒状に形成され、かかる外周面に第2の凹部13aが形成されている。テーブル本体5が図1に示したように収納空間6に収納された状態で、そのテーブル本体5の上部の前端部に第2のヒンジピン13が一体に設けられ、この状態で、その第2のヒンジピン13は、ほぼ水平な状態で腰掛け11の前方に突出している。このとき第2の凹部13aは上方に向けて開口する。
【0023】
各ヒンジピン9,13を各貫通孔7a,7bに嵌合するには、例えば、先ず第2の凹部13aを上にしたままで、図6及び図7に示すように第2のヒンジピン13をヒンジ駒7の第2の貫通孔7bに嵌め込んで、Eリング14によって第2のヒンジピン13が第2の貫通孔7bから抜け出ないように、ヒンジ駒7に対してその第2のヒンジピン13を止める。この状態では、第2のヒンジピン13は、ヒンジ駒7に対して、その第2の貫通孔7bの軸線まわりに回転可能である。又、このとき、第2の凹部13aは第1及び第2の貫通孔7a,7bが交叉する接続部分に位置する。次いで、図6及び図7に示すように、テーブル本体5に取り付けたヒンジ駒7の第1の貫通孔7aに、肘のせ部2B(図1)に固定されたヒンジピン取付部材8の第1のヒンジピン9を嵌合して、ヒンジ駒7が第1のヒンジピン9から抜け出ないように、ヒンジ駒7をこの第1のヒンジピン9に対してEリング15で止める。この状態で、ヒンジ駒7は第1のヒンジピン9に対して、その軸線のまわりに回転可能である。このようにして、テーブル本体5は、アームレスト2の肘のせ部2Bの前端部に、ヒンジ部4を介して図1及び図7に示したようにヒンジ連結される。
【0024】
ヒンジ駒7の第1の貫通孔7aと、第1のヒンジピン9とを互いに嵌合させるに当たって、その第1のヒンジピン9の一部が第1及び第2の貫通孔7a,7bの交叉する接続部分で、第2の貫通孔7bの一部に入り込むが、第1のヒンジピン9よりも下方に位置する第2のヒンジピン13の上方を向いた第2の凹部13aが、第1及び第2の貫通孔7a,7bの接続部分に位置しているので、図7に示すように、その第2の凹部13aが第1のヒンジピン9の外周面に倣うように、ヒンジ駒7を位置決めすることによって、その相互嵌合を支障なく行うことができる。従って、第2のヒンジピン13の第2の凹部13aは、第1のヒンジピン9の外周面とほぼ同じ半径の円弧面状のものとなっている。又、図7に示した状態で、第2の凹部13aが第1のヒンジピン9の外周面に係合するので、第2のヒンジピン13がヒンジ駒7に対してその第2の貫通孔7bの軸線のまわりに回転することが禁止される。一方、第1のヒンジピン9の第1の凹部9aも、相手の第2のヒンジピン13の外周面とほぼ同じ半径の円弧面状のものとなっている。図7は、図6に示したヒンジ部4の組み付け終了状態を示すものであるが、この図では肘のせ部2Bを含むアームレスト2の図示は便宜上省略してある。
【0025】
図8(a)乃至(d)はヒンジ部4の作用図であり、同図(a)はテーブル本体5が図1に示すように収納空間6に収納されているときのヒンジ部4を示すものである。図9(a)乃至(d)も同様の作用図であり、同図は、図8に示したヒンジ部4を、図8(a)に矢印aで示した方向からみた側面図である。
【0026】
図8(a)において、テーブル本体5を、先にも説明したように図示矢印方向に第1の回動操作として回動させると、このとき、第2のヒンジピン13の第2の凹部13aは第1のヒンジピン9の外周面に接しつつ、その周りに沿って移動する。すなわち、第2のヒンジピン13は、ヒンジ駒7とテーブル本体5と共に、第1のヒンジピン9の軸線のまわりをガタ付くことなく滑らかに回動するのである。そして、図8(b)に示す位置を経て、テーブル本体5を同図(c)に示した直立した上方位置(図3の位置)まで回動させると、テーブル本体5の第1の回動操作は終了する。図9では、その(b)に示す位置が、テーブル本体5の、第1の回動操作時の中途回動位置であり、同図(c)に示す位置が、そのテーブル本体5の第1の回動操作終了位置である。
【0027】
テーブル本体5が第1の回動操作を終了したとき、すなわちテーブル本体5が先にも説明した上方位置にもたらされたとき、両ヒンジピン9,13の各凹部9a,13aは、図8(c)及び図9(c)に示したように互いに重なり合った状態で対向する。このとき、第2のヒンジピン13は、第1のヒンジピン9よりも上方のほぼ水平な位置を占めて、腰掛け11の前後方向に延びている。次いで、今度はテーブル本体5を倒してほぼ水平な使用位置に向けて回動させると、このとき、図8(c)に示した第2の凹部13aは相手の第1の凹部9aに沿って移動してゆき、第2の凹部13aが相手の第1の凹部9aを過ぎ去ってゆくとき、今度は第2のヒンジピン13の外周面が第1の凹部9aに接しつつ移動してゆく。このようにして、第2のヒンジピン13はテーブル本体5と共に、第2の貫通孔7bの軸線のまわりを回動する。このとき、第2のヒンジピン13の外周面が第1のヒンジピン9の第1の凹部9aに係合しているので、ヒンジ駒7、第2のヒンジピン13及びテーブル本体5が第1のヒンジピン9の軸線のまわりに回動することはない。
【0028】
図8(d)は、テーブル本体5を直立した上方位置から使用位置に向けて回動させるときの中途位置を示し、図9(d)はテーブル本体5が使用位置に倒された状態を示す。すなわち、図9(d)の位置は、テーブル本体5の第2の回動操作の終了位置である。このときも、第2のヒンジピン13は腰掛け11の前後方向に延びた姿勢を保っている。
【0029】
テーブル本体5を収納するときは、図9(d)に示したテーブル本体5を起立させながら回動させ、該本体5を、図8(d)に示す位置を経て、図8及び図9の(c)に示す直立した上方位置にもたらす。すなわち、第3の回動操作を行うのである。次いで、図8(c)に示した位置から、今度はテーブル本体5を、直立状態を保持したままで、図9(c)における反時計方向に第1のヒンジピン9の軸線周りに回動させ、図8(a)及び図9(a)に示すように、テーブル本体5を収納空間6(図1)に置く。すなわち、第4の回動操作を行うのである。
【0030】
本例のサイドテーブル装置においては、第1及び第4の回動操作時(直立した姿勢を保持したままでのテーブル本体の回動操作時)に、テーブル本体5の第2のヒンジピン13に設けられた第2の凹部13a(図8(b))が、相手の第1のヒンジピン9の外周面に沿って移動するため、テーブル本体5が、この回動方向と直交する方向にふらつくことがない。すなわち、この方向におけるテーブル本体5の妄動が防止されるのである。
【0031】
又、第2及び第3の回動操作時(テーブル本体を倒したり、起立させたりするときの回動操作時)に、第2のヒンジピン13の第2の凹部13a(図8(c))が相手の第1の凹部9aの円弧面に沿って移動し、且つ、第2の凹部13aが第1の凹部9aの部位を過ぎ去ってゆくとき、第2のヒンジピン13の外周面が相手の第1の凹部9aの円弧面に沿って移動するので、テーブル本体5が、この回動方向と直交する方向にふらつくことがない。すなわち、この方向におけるテーブル本体5の妄動が防止されるのである。
【0032】
このように構成されたヒンジ部4は、第1及び第4の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持すると共に、第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持するヒンジ手段の一例を構成するものである。そして、このヒンジ手段は、アームレストの肘のせ部に対して固定された第1のヒンジピンと、テーブル本体に対して固定された第2のヒンジピンを有し、第1及び第4の回動操作時に、テーブル本体は第1のヒンジピンのまわりに回動し、第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体は第2のヒンジピンのまわりに回動し、第1及び第4の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が第2のヒンジピンに設けられ、第2及び第3の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が第1のヒンジピンに設けられている。
【0033】
なお、本例のヒンジ部4によれば、テーブル本体5を図8の(c)に示したように肘のせ部2Bの前方の上方位置に回動させた後、このテーブル本体5を図8(c)の矢印と反対側、すなわち図1に示した第2の腰掛け12に腰を下ろした着座者の体の前方の水平位置に回動させることも可能である。従って、この水平位置にもたらしたテーブル本体5をこの位置でロックできるストッパを設けておけば、1つのテーブル本体5をいずれの腰掛け11,12の着座者も使用することができる。
【0034】
又、テーブル本体5が収納されているとき、第2のヒンジピン13の第2の凹部13aが図8(a)に示したように第1のヒンジピン9の外周面に係合しているので、テーブル本体5は、第2のヒンジピン13の軸線周りに回動することはない。従って、図1に示したように、露呈しているテーブル本体5は、アームレストの一部をなして、アームレスト本体2A及び肘のせ部2Bと共に、そのアームレスト2の機能をも遂行することになる。
【0035】
上述のように、本例ではアームレスト本体2Aに形成した切り欠き部によって、テーブル本体5の収納空間6を形成し、ここに収納されたテーブル本体5が外部に露呈するように構成したが、図10に示すように、収納空間6を、アームレスト本体2Aの一部を構成する平行な2枚の側板2P,2Pによって覆い、その間に区画形成された収納空間6にテーブル本体5を収納するように構成してもよい。この場合も、収納空間6は、シートクッション1Aの側方に位置するアームレスト2の肘のせ部2Bの下方に設けられ、そのシートバック3Aと反対側には、テーブル本体5を出し入れするための開口が形成される。図10に示した実施例の他の構成は、前述した実施例と変りはない。
【0036】
上述した各実施例のサイドテーブル装置は、これを、図1に示した第1及び第2の腰掛け11,12の各シートクッション1A,1Bの別の側方に設けられるアームレスト21A,21Bに付設することもできる。又、1つの腰掛けのシートクッションの側方に設けられるアームレストなどにも付設することができるものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば次の如き諸効果が得られる。
▲1▼ 隣りに腰掛けがある場合、その隣りの着座者に邪魔されることなく、テーブル本体を出し入れできる。
▲2▼ テーブル本体の出し入れのために、アームレスト上端部に設けた蓋の開閉などを行う必要がないので、テーブル本体を、すばやく、しかも容易に出し入れできる。
▲3▼ テーブル本体を直立した姿勢で回動させたり、該本体を横倒及び起立させるべく回動させるとき、それぞれの回動方向と直交する方向で、テーブル本体の妄動が防止されるので、テーブル本体の操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例のサイドテーブル装置を有する腰掛けを示す斜視図である。
【図2】収納空間から引き出すときのテーブル本体をアームレストと共に示す斜視図である。
【図3】アームレストの上方位置にもたらしたテーブル本体をアームレストと共に示す斜視図である。
【図4】水平の使用位置に倒される前のテーブル本体をアームレストと共に示す斜視図である。
【図5】水平の使用位置に倒したテーブル本体をアームレストと共に示す斜視図である。
【図6】テーブル本体用のヒンジ部の分解斜視図である。
【図7】図6に示したヒンジ部の組み付け終了状態を示す正面図である。
【図8】テーブル本体を収納空間から使用位置まで出す際のヒンジ部の作用を説明するための斜視図である。
【図9】テーブル本体を収納空間から使用位置まで出す際のヒンジ部の作用を説明するための側面図である。
【図10】本発明の別の実施例を示す、図1と同様な斜視図である。
【図11】従来のサイドテーブル装置を説明する斜視図である。
【図12】従来のサイドテーブル装置において、テーブル本体がアームレスト内から引き出された中途状態を示す斜視図である。
【図13】従来のサイドテーブル装置において、テーブル本体が直立した位置に引き出された状態を示す斜視図である。
【図14】従来のサイドテーブル装置において、テーブル本体が横倒状態の使用位置に保持された状態を示す斜視図である。
【図15】従来のサイドテーブル装置におけるヒンジ部を示す斜視図である。
【図16】別の従来例のサイドテーブル装置を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1A シートクッション
2 アームレスト
2B 肘のせ部
3A シートバック
5 テーブル本体
6 収納空間
Claims (2)
- シートクッションの側方に位置するアームレストの肘のせ部の下方に設けられ、かつシートバックと反対側が開口している収納空間に、直立した姿勢で収納されたテーブル本体を、その収納空間の開口よりシートバックから離間する前方側に引き出しつつ、直立姿勢を保持したままで、アームレストの肘のせ部の前方の上方位置まで、第1の回動操作として回動させ、次いで、上方位置にもたらしたテーブル本体を、第1の回動操作の回動方向と直交する方向に倒しつつ、着座者の体の前方のほぼ水平な使用位置まで、第2の回動操作として回動させ、テーブル本体の収納時に、使用位置にあるテーブル本体を、第3の回動操作として前記上方位置に直立するように回動させ、次いで、該テーブル本体を、第4の回動操作として直立した上方位置から、その直立した姿勢を保持したままで前記収納空間まで回動させるようにした腰掛け用のサイドテーブル装置であって、第1及び第4の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持すると共に、第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体を、その回動方向と直交する方向に妄動しないように、該テーブル本体をアームレストの肘のせ部に対して回動自在に支持するヒンジ手段を設け、該ヒンジ手段は、前記アームレストの肘のせ部に対して固定された第1のヒンジピンと、前記テーブル本体に対して固定された第2のヒンジピンを有し、前記第1及び第4の回動操作時に、前記テーブル本体は前記第1のヒンジピンのまわりに回動し、前記第2及び第3の回動操作時に、テーブル本体は前記第2のヒンジピンのまわりに回動し、前記第1及び第4の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が前記第2のヒンジピンに設けられ、前記第2及び第3の回動操作時にテーブル本体を妄動させない手段が前記第1のヒンジピンに設けられていることを特徴とする腰掛け用のサイドテーブル装置。
- 前記ヒンジ手段の第1のヒンジピンは、腰掛けの幅方向に延びていると共に、第1の凹部が形成されていて、前記ヒンジ手段の第2のヒンジピンは、前記テーブル本体がその収納空間に収納された状態で、該テーブル本体の上部の前端部に一体に設けられ、かつ前方に突出していると共に、第2の凹部が形成されていて、前記ヒンジ手段は、さらに、前記第1のヒンジピンが嵌合する第1の貫通孔と前記第2のヒンジピンが嵌合する第2の貫通孔を有しているヒンジブロックを具備し、前記第1及び第2の貫通孔は互いに交叉する接続部分で互いに連通し、前記第1及び第4の回動操作時に、前記第2の凹部が第1のヒンジピンの外周面に接しつつ、第2のヒンジピンがヒンジブロック及びテーブル本体と共に、第1のヒンジピンの軸線のまわりに回動し、かつ前記第2の凹部が第1のヒンジピンの外周面に係合することによって、第2のヒンジピンがヒンジブロックに対してその第2の貫通孔の軸線のまわりに回転することが禁止され、前記第2及び第3の回動操作時に、前記第2のヒンジピンの外周面が前記第1の凹部に接しつつ、第2のヒンジピンがテーブル本体と共に第2の貫通孔の軸線のまわりを回動し、かつ第2のヒンジピンの外周面が第1の凹部に係合することによって、ヒンジブロックと第2のヒンジピンとテーブル本体が第1のヒンジピンの軸線のまわりに回動することが禁止されるように構成されている請求項1に記載の腰掛け用のサイドテーブル装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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CN106043069B (zh) * | 2016-06-17 | 2018-03-06 | 延锋安道拓座椅有限公司 | 一种多功能桌板 |
-
1995
- 1995-02-25 JP JP06176995A patent/JP3549029B2/ja not_active Expired - Fee Related
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