JPH0322335B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は車両等の座席装置に関し、更に詳細に
説明すると、主シートの一部にシートクツシヨン
とシートバツクとを有する取り出しシートが着脱
自在に組み込まれ、該取り出しシートのシートク
ツシヨンの底部に折り畳み式脚部が設けられた座
席装置に関する。

（従来技術） 車両等のシートにおいては、その一部を取り外
して野外に持ち出し、１人掛け用の背もたれ付の
シートとして、あるいは２〜３人掛け用のベンチ
型のシートとして利用し得るものが要望されてい
る。

このような野外取り出しシートを組み込んだ座
席装置としては、本出願人が先に出願したものと
して、特願昭58−61828号が存在する。この座席
装置においては取り出しシートのシートクツシヨ
ンとシートバツクとを背もたれ型のシートとベン
チ型のシートとに切り変える連結機構により連結
され、操作も簡易で、簡単に組み付けられる効果
を有する。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、取り出しシートを主シートに組
み込む場合に取り出しシートのシートバツクを自
由に前後傾動し得る状態にしなければならず、連
結機構のロツク解除状態を確認する必要があり、
またロツク状態のまま主シートに組み込んだ場合
には主シートのリクライニング機構が作動し得な
くなるおそれを有していた。

（発明の目的） 本発明の目的は、取り出しシートを主シートに
着脱自在に組み込み、必要に応じて野外で簡易に
使用する事が出来、取り出しシートの主シートへ
の組み込み時には常に取り出しシートのシートバ
ツクがロツク解除状態にあり、ロツク解除操作や
ロツク解除の確認作業を行う必要がなく、主シー
トのリクライニング機構の作動を阻害するおそれ
がなく、また、野外で使用する場合には取り出し
シートの折り畳み式脚部が確実にロツクされ、安
全性に優れた座席装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上述せる問題点を解決するためになさ
れたものであり、主シートの一部に、シートクツ
シヨンとシートバツクとを有する取り出しシート
が着脱自在に組み込まれ、該取り出しシートのシ
ートクツシヨンの底部に折り畳み式脚部が設けら
れた座席装置において、前記取り出しシートのシ
ートクツシヨンフレームの前側及び後側に夫々脚
部取付用のブラケツトが固着され、前記前側のブ
ラケツトにはガイド溝が形成され、前記脚部取付
用のブラケツトに前記折り畳み式脚部を構成する
一対の脚部フレームの上端が夫々取付けられ、前
記一対の脚部フレームは略中間位置で枢支ピンに
より枢支されて側面より見てＸ字状に開脚される
ようになされていると共に、前側の脚部取付用ブ
ラケツトに取付けられる一方の脚部フレームの上
端に前記ガイド溝にガイドされる突起が形成さ
れ、前記後側の脚部取付用ブラケツトに取付けら
れる他方の脚部フレームの上端部にはストツパー
ピンが固着され、該ストツパーピンの位置より下
方位置で前記他方の脚部フレームが前記後側の脚
部取付用ブラケツトの内側に枢支ピンにより枢支
され、該後側の脚部取付用ブラケツトの外側に取
り出しシートのシートバツクフレームの両側部下
部に固着されたヒンジブラケツトがヒンジピンに
より枢支され、該ヒンジブラケツトの下端部にス
トツパーブラケツトが設けられ、取り出しシート
のシートバツクのヒンジブラケツトに設けたスト
ツパーブラケツトの一端が前記折り畳み式脚部を
開脚した状態で前記他方の脚部フレームの上端部
に固着されたストツパーピンと係合するようにな
され、前記脚部を折り畳んだ状態でストツパーブ
ラケツトとストツパーピンとの係合状態が解除さ
れるようになされている事を特徴とする。

（実施例） 以下本発明に係る座席装置の一実施例を図面を
参照して詳述する。

第１図乃至第５図には本発明に係る座席装置の
一実施例の概略が夫々示されており、主シート１
はベンチ型シートとして示されているがこれに限
定されるものではない。この主シート１はシート
クツシヨン２とシートバツク３とを備え、シート
バツク３はリクライニング機構４により前後傾動
可能に取付けられている。主シート１の着座位置
に対応する部分に取り出しシート５が主シート１
の一部を構成するように組み込まれている。取り
出しシート５は主シート１のシートクツシヨン２
に組み込まれたシートクツシヨン６と、主シート
１のシートバツク３に組み込まれたシートバツク
７とを備えると共に、取り出しシート５のシート
クツシヨン６の底部に折り畳み式脚部８が設けら
れ、またシートバツク７の背部に折り畳み式脚部
９が設けられている。

取り出しシート５の折り畳み式脚部８は、第２
図及び第３図に示す如く、取り出しシート５のシ
ートクツシヨン６の前後位置に上端が夫々取り付
けられＸ字状に開脚するように構成されている。
そしてシートクツシヨン６とシートバツク７とは
後述する連結機構１１により連結され、折り畳み
式脚部８をＸ字状に開脚した状態でシートバツク
７が所定の傾斜角度を保持した通常の背もたれ付
の着座状態が得られ、またシートバツク７を後傾
した後、折り畳み式脚部８をＸ字状に開脚すると
共に、シートバツク７の背部の折り畳み式脚部９
を開脚する事により、第３図に示す如く、ベンチ
型の取り出しシート５として使用する事が出来る
ものである。

第４図乃至第８図には取り出しシート５のフレ
ーム構成の概略が夫々示されており、シートクツ
シヨンフレーム１２は第６図に側面で示す如く、
前側及び後側に夫々脚部取付用のブラケツト１
３，１４が夫々固着され、前側のブラケツト１３
には倒Ｌ字状のガイド溝１５が形成されている。
一対の脚部フレーム１７，１８は略Ｕ字状に形成
され、略中間位置で枢支ピン１９により枢支さ
れ、側面より見てＸ字状を呈するようになされて
いる。一方の脚部フレーム１７の上端に設けた突
起１７ａが前記倒Ｌ字状のガイド溝１５にガイド
され、ガイド溝１５の垂直部１５ａの上端に位置
する時に脚部フレーム１７が開脚状態を保持する
ようになされている。またガイド溝１５の水平部
１５ｂの前端に突起１７ａが位置する場合には脚
部フレーム１７が水平状態、即ち、折り畳まれた
状態に保持される。

他方の脚部フレーム１８の上部は連結機構１１
を構成するブラケツト１４の内側に枢支ピン２１
により枢支されると共に枢支ピン２１の位置より
上部に位置する脚部フレーム１８ａに第７図に示
す如く外側の突出するストツパーピン２２が固設
され、このストツパーピン２２が、後述するシー
トバツクフレーム２４のヒンジブラケツト２５を
係止し、シートバツクフレーム２４を所定の傾斜
角度に保持する。

第８図にはシートバツクフレーム２４の側面が
示されており、シートバツクフレーム２４の両側
部下部にはヒンジブラケツト２５が固着され、こ
のヒンジブラケツト２５のヒンジ穴２５ａとシー
トクツシヨンフレーム１２後側のブラケツト１４
のヒンジ穴１４ａとに貫通してヒンジピン２６が
挿入され、シートバツクフレーム２４が前後傾動
自在に取付られている。ヒンジブラケツト２５下
端部にはストツパーブラケツト２７が内側に突出
形成され、このストツパーブラケツト２７が前記
ストツパーピン２２に係止された場合にシートバ
ツク７が所定の傾斜角度に保持される。即ち、後
側の脚部取付用ブラケツト１４の内側に取付けら
れた上部の脚部フレーム１８ａに外側に突出形成
されたストツパーピン２２と、該ブラケツト１４
の外側に取付けられたヒンジブラケツト２５に内
側に突出形成されたストツパーブラケツト２７と
が係合することにより、シートバツク７が保持さ
れるものである。ここで、ストツパーピン２２は
上部の脚部フレーム１８ａとヒンジブラケツト２
５との距離より短い長さに形成され、シートバツ
クフレーム２４又は脚部フレーム１８を回動させ
た際にストツパーピン２２がヒンジブラケツト２
５と干渉しないようになされている。またシート
バツクフレーム２４の上部には更にブラケツト２
８が固着され、このブラケツト２８に折り畳み式
脚部９を構成する第３の脚部フレーム２９が枢支
され、この第３の脚部フレーム２９を開脚状態と
する事により、第３図に示すベンチ型の取り出し
シート５が形成される。

尚、取り出しシート５のシートクツシヨンフレ
ーム１２の前後端部、または脚部フレーム１７の
上端部、及びシートバツクフレーム２４の上端部
にはＵ字状のロツク用の係止部材３１及び３２が
夫々固着され、主シート１側にはこれらの係止部
材３１，３２を係止するロツク部材３３，３４が
夫々設けられ、取り出しシート５を主シート１に
組み込んだ状態を確実に保持し得るようになされ
ている。

（作用） 以上が本発明に係る座席装置の一実施例の構成
であるが、次に作用を説明する。

まず、第１図に示す如く、主シート１に組み込
まれている取り出しシート５をロツク部材３３，
３４のロツクを解除して取り外し、シートバツク
７を略々垂直な状態より前傾する状態の範囲に保
持し、次いでシートクツシヨン６の底部に折り畳
まれた一対の脚部フレーム１７，１８からなる折
り畳み式脚部８をＸ字状に開脚する。この際脚部
フレーム１７の上端の突起１７ａはガイド溝１５
の水平部１５ｂより垂直部１５ａに導かれ、垂直
部１５ａの上端に突起１７ａが係止される。次に
シートバツク７を後傾させると、シートバツクフ
レーム２４のヒンジブラケツト２５に形成したス
トツパーブラケツト２７と脚部フレーム１８に形
成したストツパーピン２２とが係合状態となり、
シートバツク７が所定の傾斜角度で保持され、第
２図に示す通常の背もたれ付のシートとして使用
する事が出来る。

次に第３図を示すベンチ型のシートとして使用
する場合には、折り畳み式脚部８を開脚する前に
第５図に想像線で示す如く、シートバツク７を後
傾し、シートクツシヨン６とシートバツク７とを
略々一直線状に配置する。即ち、一対の脚部フレ
ーム１７，１８を水平状態の折り畳み状態とする
と、後側の脚部取付用のブラケツト１４に枢支さ
れている脚部フレーム１８は枢支ピン２１を中心
に回動し、枢支ピン２１より上方位置の脚部フレ
ーム１８ａに設けられたストツパーピン２２も枢
支ピン２１を中心に回動し、脚部フレーム１８が
水平状態となつた位置では前記ストツパーピン２
２が枢支ピン２１の後方位置に移動し、枢支ピン
２１とストツパーピン２２の平面から見た間隔が
長くなつた状態となり、一方後側の脚部取付用の
ブラケツト１４にヒンジピン２６により枢支され
たヒンジブラケツト２５の下端部に設けられたス
トツパーブラケツト２７は前記ヒンジピン２６を
中心に回動し、このストツパーブラケツト２７が
ヒンジピン２６の下方に位置し、前記ヒンジピン
２６とストツパーブラケツト２７の平面から見た
間隔が短かくなつた状態となり、シートバツクフ
レーム２４のヒンジブラケツト２５に形成したス
トツパーブラケツト２７がストツパーピン２２の
内側を通り抜ける事が出来、シートバツク７を自
由に後方に移動させる事が出来るものである。次
いで一対の脚部フレーム１７，１８をＸ字状に開
脚し、また第３の脚部フレーム２９を開脚する事
によりベンチ型の取り出しシート５が得られる。
即ち、前述の如く脚部フレーム１７，１８を折り
畳んだ状態ではストツパーブラケツト２７とスト
ツパーピン２２とが係合せずシートバツク７を自
由に後傾させ得るのと同様に、脚部フレーム１
７，１８をＸ字状に展開する場合にもストツパー
ピン２２がストツパーブラケツト２７の外側、即
ち後方から上方を通つて回動するので互いに干渉
することがないものである。

尚、シートバツクフレーム２４を水平状態とし
た場合に、シートバツクフレーム２４の第３の脚
部フレーム２９によりシートバツク７が支持され
ると共に、シートバツクフレーム２４のヒンジブ
ラケツト２５の下端部に設けられたストツパーブ
ラケツト２７がシートクツシヨンフレーム１２の
後端に係止されて支持される。

取り出しシート５を主シート１に組み込む場合
には、一対の脚部フレーム１７，１８及び第３の
脚部フレーム２９を夫々折り畳めば、主シート１
に組み込む事が出来、一対の脚部フレーム１７，
１８を折り畳んだ状態でストツパーピン２２とヒ
ンジブラケツト２５のストツパーブラケツト２７
とは係合状態とはならず、主シート１に組み込ん
だ状態で取り出しシート５のシートバツク７は主
シート１のシートバツク３に追随して前後傾動す
る事となる。

（発明の効果） 本発明の座席装置に依れば、取り出しシートを
主シートに着脱自在に組み込み、必要に応じて野
外で簡易に使用する事が出来、主シートへの取り
出しシートの組み込み時には一対の脚部フレーム
を折り畳んだ状態とするので、シートバツクの前
後傾動が自由となり、特別なロツク解除操作やロ
ツク解除の確認作業を行う必要がなく、主シート
のリクライニング機構の作動を阻害する慮れがな
く、また野外で使用する場合には取り出しシート
の折り畳み式脚部が確実にロツク状態を保持し、
安全性に優れた座席装置を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第８図は本発明に係る座席装置の一
実施例の概略を夫々示すもので、第１図は主シー
トに対する取り出しシートの組み込み状態を示す
斜視図、第２図及び第３図は取り出しシートの異
なる使用状態を示す斜視図、第４図乃至第８図は
取り出しシートのフレーム構成を夫々示すもの
で、第４図は取り出しシートの側面図、第５図は
第４図の一部拡大側面図、第６図はシートクツシ
ヨンフレームの側面図、第７図は脚部フレームの
一部正面図、第８図はシートバツクフレームの側
面図である。 図中、１は主シート、２はシートクツシヨン、
３はシートバツク、４はリクライニング機構、５
は取り出しシート、６はシートクツシヨン、７は
シートバツク、８，９は折り畳み式脚部、１１は
連結機構、１２はシートクツシヨンフレーム、１
３，１４はブラケツト、１５はガイド溝、１７，
１８は脚部フレーム、２１は枢支ピン、２２はス
トツパーピン、２４はシートバツクフレーム、２
５はヒンジブラケツト、２６はヒンジピン、２７
はストツパーブラケツト、２９は脚部フレーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主シートの一部に、シートクツシヨンとシー
   トバツクとを有する取り出しシートが着脱自在に
   組み込まれ、該取り出しシートのシートクツシヨ
   ンの底部に折り畳み式脚部が設けられた座席装置
   において、前記取り出しシートのシートクツシヨ
   ンフレームの前側及び後側に夫々脚部取付用のブ
   ラケツトが固着され、前記前側のブラケツトには
   ガイド溝が形成され、前記脚部取付用のブラケツ
   トに前記折り畳み式脚部を構成する一対の脚部フ
   レームの上端が夫々取付けられ、前記一対の脚部
   フレームは略中間位置で枢支ピンにより枢支され
   て側面より見てＸ字状に開脚されるようになされ
   ていると共に、前側の脚部取付用ブラケツトに取
   付けられる一方の脚部フレームの上端に前記ガイ
   ド溝にガイドされる突起が形成され、前記後側の
   脚部取付用ブラケツトに取付けられる他方の脚部
   フレームの上端部にはストツパーピンが固着さ
   れ、該ストツパーピンの位置より下方位置で前記
   他方の脚部フレームが前記後側の脚部取付用ブラ
   ケツトの内側に枢支ピンにより枢支され、該後側
   の脚部取付用ブラケツトの外側に取り出しシート
   のシートバツクフレームの両側部下部に固着され
   たヒンジブラケツトがヒンジピンにより枢支さ
   れ、該ヒンジブラケツトの下端部にストツパーブ
   ラケツトが設けられ、取り出しシートのシートバ
   ツクのヒンジブラケツトに設けたストツパーブラ
   ケツトの一端が前記折り畳み式脚部を開脚した状
   態で前記他方の脚部フレームの上端部に固着され
   たストツパーピンと係合するようになされ、前記
   脚部を折り畳んだ状態でストツパーブラケツトと
   ストツパーピンとの係合状態が解除されるように
   なされている事を特徴とする座席装置。