JP3548775B2 - 導電ペースト及びセラミック電子部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば積層コンデンサなどのセラミック電子部品の外部電極を形成するのに用いられる導電ペースト及び該導電ペーストを用いて電極が形成されたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品においては、外部との接続のために、外部電極が形成されている。この種の外部電極は、通常、導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより形成されている。導電ペーストは、金属粉末と、ガラスフリットと、有機バインダ樹脂とを含む。また、ペースト状とするために、適宜の溶剤が用いられている。
【0003】
さらに、例えばAg粉末を含む導電ペーストを用いて外部電極を形成した場合、実装時に半田食われを引き起こすおそれがある。そこで、半田食われを防止するために、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極層の外表面にNiなどからなるメッキ層を形成し、さらに半田付け性を高めるためにその外側にSnや半田などからなるメッキ層を形成する方法が広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セラミックスを用いて構成された電子部品素体の外表面に、上記導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより外部電極を形成した場合、焼き付けに際し外部電極の収縮応力により電子部品素体を構成しているセラミックスにクラックが生じ、耐湿性が低下するという問題があった。そこで、クラックを抑制するために、より低い温度で導電ペーストの焼き付けを行う方法も提案されている。
【0005】
しかしながら、塗布された導電ペーストを低温で焼き付けた場合には、形成される電極膜の緻密性が十分でなく、外部電極によるシール性が損なわれることがあった。特に、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極層の外表面に前述した各種メッキ層を形成する場合、導電ペーストを焼き付けることにより形成された電極層が緻密でない場合、メッキ液が該電極層を通過し、セラミックスよりなる電子部品素体内に侵入することがあった。
【0006】
メッキ液が電子部品素体内に侵入すると、セラミック電子部品特性の劣化を引き起こす。例えば、積層セラミックコンデンサでは、メッキ液の侵入により、絶縁抵抗(IR)が低下することになる。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、塗布後、焼き付けることにより十分緻密であり、従ってシール性に優れた電極膜を形成することができると共に、焼き付けに際しセラミックスよりなる電子部品素体におけるクラックの発生を確実に防止することができる導電ペーストを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された外部電極を有するセラミック電子部品であって、外部電極が緻密であり、シール性に優れており、かつセラミックスよりなる電子部品素体においてクラックが存在しない、従って信頼性に優れた電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、外表面にメッキ層が形成されるセラミック電子部品の外部電極を形成するための導電ペーストであって、固形分が、ガラスフリット4〜6重量%、SiO2 0.5〜3重量%、及びセラミック粉末0.5〜3重量%及び残部の金属粉末により構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明に係る電子部品は、セラミックスを用いて構成された電子部品素体と、前記電子部品素体の外表面に、請求項1に記載の導電ペーストを塗布・焼き付けることにより形成された外部電極と、該外部電極の外表面に形成されたメッキ層とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3では、上記電子部品素体を構成するセラミックスと同じセラミックスにより、導電ペースト中のセラミック粉末が構成されている
【0012】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る導電ペーストは、セラミック電子部品の外部電極を形成するのに用いられる。この導電ペーストでは、固形分100重量%が、ガラスフリット4〜6重量%、SiO2 0.5〜3重量%、セラミック粉末0.5〜3重量%を含み、固形分の残部が金属により構成されている。
【0013】
導電ペーストは、電子部品素体の外表面への塗布を容易とするためにペースト状とされており、従って上記固形分の他、有機バインダ樹脂及び溶剤が通常用いられる。この有機バインダ樹脂としては、特に限定されず、適宜の有機溶剤が用いられる。また、有機溶剤を用いる必要も必ずしもなく、水を用いてもよい。
【0014】
また、上記固形分を構成するガラスフリットについても、その材料については特に限定されず、B−Si−Zn系ガラス、B−Si−Ba系ガラスなどを適宜用いることができる。
【0015】
上記セラミック粉末についても、特に限定されず、BaTiO3 、TiO2 などのセラミック粉末を用いることができる。好ましくは、上記セラミック粉末については、対象とするセラミック電子部品の電子部品素体を構成するのに用いられているセラミックスと同じ種類のセラミック粉末が用いられ、それによって外部電極焼き付け時に電子部品素体に加わる収縮応力の低減をより効果的に図ることができる。
【0016】
本発明に係る導電ペーストでは、上記のように、固形分100重量%のうち、ガラスフリットは4〜6重量%の割合で含有されている。ガラスフリットの含有割合が4重量%未満の場合には、焼き付けにより形成された外部電極の緻密性が損なわれ、シール性が低下する。6重量%を超えた場合には、外部電極焼き付け時の電子部品素体に加わる収縮応力が大きくなったり、外部電極の外側表面にメッキ層を形成した場合のメッキ膜の付着性が低下したりする。
【0017】
SiO2 は、上記のように0.5〜3重量%の割合で含有されている。SiO2 は、ガラスフリットに溶け込み、ガラス成分の耐化学性を高めるように作用する。従って、SiO2 を配合することにより、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極膜上にメッキ層を形成した場合、メッキ液によるガラスの溶解を抑制することができ、外部電極のシール性が高められる。SiO2 の配合割合が0.5重量%未満の場合には、このようなSiO2 を用いたことによる効果が十分に得られず、メッキ液によるガラスの溶融により電極膜のシール性が低下し、例えば積層コンデンサの場合、絶縁抵抗が低下する。他方、SiO2 の配合割合が3重量%を超えると、外表面にメッキ層を形成した場合、メッキ膜の付着性が低下する。
【0018】
セラミック粉末は、導電ペーストの固形分のうち、0.5〜3重量%の割合で用いられる。このセラミック粉末は、導電ペーストの塗布・焼き付けに際しての収縮を抑制するように作用し、それによってセラミックスを用いて構成された電子部品素体におけるクラックの発生を防止するように作用する。
【0019】
また、ガラスはセラミックスとの濡れ性が高く、従って、上記セラミック粉末の添加により、ガラスフリットを構成しているガラス成分が外部電極内に確実に捕捉され、それによって外部電極のシール性を高めることができる。
【0020】
セラミック粉末の添加割合が0.5重量%未満の場合には、セラミック粉末の添加によるこのような効果が得られず、焼き付けに際し電子部品素体においてクラックが生じ易くなり、かつ電極のシール性が低下し、3重量%を超えると、外表面にメッキ法によりメッキ層を形成した場合のメッキ膜の付着性が低下し、絶縁抵抗の低下などを引き起こす。
【0021】
従って、本発明に係る導電ペーストでは、上記SiO2 及びセラミック粉末の添加により、外部電極焼き付け時に電子部品素体に加わる収縮応力を低減することができ、電子部品素体におけるクラック発生を抑制することが可能とされており、さらに、シール性に優れた緻密な外部電極を形成することが可能とされている。
【0022】
導電ペーストに用いられる金属粉末については、特に限定されず、従来よりセラミック電子部品の外部電極の形成に際し用いられている適宜の金属を用いることができる。例えば、Ag、Ag−Pd、Au、Pt、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0023】
なお、上記固形分と、有機バインダ樹脂及び溶剤の配合割合については、導電ペーストを電子部品素体の外表面に塗布し、焼き付け得る限り、特に限定されない。通常、固形分100重量部に対し、有機バインダ樹脂10〜40重量部を混合し、溶剤を用いて適宜の粘度となるように粘度を調整し、導電ペーストとされる。
【0024】
請求項2に記載の発明に係る電子部品は、セラミックスを用いて構成された電子部品素体の外表面に、本発明に係る導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより外部電極を形成した構造を有する。この場合、セラミックスを用いて構成された電子部品素体については、特に限定されず、様々なセラミック電子部品を構成するのに用いられる適宜の電子部品素体を用いることができる。このような様々な電子部品の例としては、上述した積層セラミックコンデンサの他、セラミックスを用いたサーミスタ、バリスタ、LC複合素子、圧電共振子、セラミック多層基板など任意である。また、上記電子部品素体は、複数の内部電極がセラミックスを介して重なり合うように配置された積層型のものに限定されず、内部電極を有するものでなくともよい。
【0025】
また、好ましくは、外部電極を構成するのに用いられる導電ペースト中のセラミック粉末としては、電子部品素体を構成しているセラミックスと同じ種類のものが用いられる。このように、導電ペースト中のセラミック粉末を、電子部品素体を構成しているセラミックスと同一とすることにより、導電ペーストの焼き付けに際して電子部品素体に加わる収縮応力をより一層効果的に低減することができる。
【0026】
また、上記電子部品においては、導電ペーストの塗布・焼き付けにより構成された外部電極の外表面にさらにメッキ層が形成され。すなわち、上述した従来技術のように、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極膜上に、さらに、Niメッキ層、Snメッキ層などの1層以上のメッキ層形成される。この場合、湿式メッキでメッキ層の形成を行ったとしても、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された外部電極が十分緻密であり、シール性に優れているため、メッキ液の電子部品素体内への侵入を確実に防止することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0028】
(実験例1)
チタン酸バリウム系セラミックスよりなり、パラジウムよりなる内部電極が複数層積層されており、1.0×0.5×0.5mmの寸法のセラミック素体に、後述の各導電ペーストを塗布し、780℃の温度で焼き付けることにより、外部電極を形成し、さらに、外部電極の外表面に、Niメッキ層及びSnメッキ層を湿式メッキ法により形成し、図1に略図的に断面図で示す積層コンデンサ1を得た。
【0029】
積層コンデンサ1においては、セラミック焼結体2内に、内部電極3a〜3dがセラミック層を介して積層されている。セラミック焼結体2の端面2aに、内部電極3a,3cが引き出されており、端面2aと対向し合う他方の端面2bに内部電極3b,3dが引き出されている。端面2a,2b上に、上述した工程により、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された外部電極4,5がそれぞれ形成されており、外部電極4,5の外表面に、さらに、Niメッキ層6a,6b及びSnメッキ層7a,7bが形成されている。
【0030】
上記導電ペーストとしては、下記の表1に示すように固形分が配合されたものを用いた。なお、導電ペーストにおける固形分と、固形分以外の成分(有機バインダ樹脂及び有機溶剤の合計)とは、重量比で72:28との割合で配合した。また、各固形分において、表1に示す数値は、固形分全体を100重量%とした場合の割合であり、表1に示されていない残りの部分は、金属粉末としてのAg粉末が配合されている。例えば、試料番号1では、固形分のうち、5重量%がガラスフリットであり、残りの95重量%がAg粉末である。また、ガラスフリットとしては、B−Si−Zn系ガラスからなり、平均粒径3μmであるものを用い、SiO2 粉末としては、平均粒径1μmのものを、セラミック粉末としては、酸化チタンからなり、平均粒径0.6μmのものを用いた。
【0031】
上記のようにして、表1に示した試料番号1〜4の各外部電極が形成された積層コンデンサにつき、▲1▼クラックの発生の有無及び▲2▼絶縁抵抗(IR)の劣化について以下の要領で評価した。
【0032】
▲1▼クラックの発生の有無…得られた積層コンデンサを研磨し、光学顕微鏡を用いて、セラミック焼結体表面にクラックが発生しているか否かを確認した。表1に示すクラック発生の有無の評価は、100個の積層コンデンサについてクラック発生の有無を評価した場合に、クラックが発生していた積層コンデンサの数を表す。
【0033】
▲2▼絶縁抵抗の劣化…上記積層コンデンサを得るにあたり、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成する前に絶縁抵抗を測定し、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成した後に再度絶縁抵抗を測定し、メッキ前の絶縁抵抗に対し、抵抗値が1桁以上低下した場合を絶縁抵抗不良とし、下記の表1においては、1000個の積層コンデンサにおける絶縁抵抗不良と判断された積層コンデンサの数を示した。
【0034】
【表1】
Figure 0003548775
【0035】
試料番号1〜4では、いずれもガラスフリットが5重量%用いられているが、SiO2 及びセラミック粉末を用いていない試料番号1では、SiO2 が添加されていないためか、絶縁抵抗の劣化が多くみられ、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極膜のシール性が十分でないことがわかる。また、セラミック粉末を添加していないためか、焼き付けに際しての電極膜の収縮を抑制することが十分でなく、従って、セラミック焼結体においてクラックがかなりの割合で発生していた。
【0036】
また、試料番号2では、セラミック粉末を用いておらず、同じく、電極膜の焼き付けに際しての収縮抑制が不十分であったためか、いくつかの積層コンデンサにおいて、セラミック焼結体にクラックが認められた。また、絶縁抵抗の劣化も、1000個あたり、1個の積層コンデンサで認められた。
【0037】
試料番号3では、SiO2 粉末を用いていないためか、絶縁抵抗の劣化が1000個中10個の積層コンデンサで認められた。
これに対して、試料番号4では、固形分のうち、ガラスフリットが5重量%、SiO2 粉末が1重量%、セラミック粉末が1重量%含有されているためか、クラックの発生が全ての積層コンデンサで認められず、絶縁抵抗の劣化不良も認められなかった。
そこで、ガラスフリット、セラミック粉末及びSiO2 粉末の配合割合による影響を調べるために、以下の実験例2〜4を行った。
【0038】
(実験例2)
実験例2では、SiO2 の配合割合を1重量%、並びにセラミック粉末の配合割合を1重量%と固定し、ガラスフリットの含有割合を下記の表2の試料番号5〜9に示すように変化させたことを除いては、実験例1と同様にして積層コンデンサを作製し、かつ評価した。結果を下記の表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0003548775
【0040】
表2から明らかなように、ガラスフリットの配合割合が3重量%の場合には、1000個あたり10個の積層コンデンサで絶縁抵抗の不良が認められ、7重量%の場合には、10%の積層コンデンサにおいてクラックの発生が認められた。従って、ガラスフリットの含有割合は、4〜6重量%とすることが望ましいことがわかる。
【0041】
(実験例3)
ガラスフリットの含有割合を5重量%、SiO2 粉末の含有割合を1重量%に固定し、セラミック粉末の配合割合を下記の表3の試料番号10〜14に示すように変化させたことを除いては、実験例1と同様にして積層コンデンサを得、かつ評価した。結果を下記の表3に示す。
【0042】
【表3】
Figure 0003548775
【0043】
表3から明らかなように、セラミック粉末の配合割合が0.3重量%の場合には、セラミック焼結体におけるクラックが20%の積層コンデンサが認められ、絶縁抵抗不良と判断された積層コンデンサも1000個あたり18個認められた。また、セラミック粉末の配合割合が3重量%を超える5重量%とした場合には(試料番号14)では、絶縁抵抗の不良が1000個あたり10個の積層コンデンサで認められた。これは、セラミック粉末の配合割合が多くなりすぎたため、外側に形成されたメッキ膜の付着性が低下したためと考えられる。
従って、セラミック粉末の配合割合は、0.5〜3重量%の範囲とすることが望ましいことがわかる。
【0044】
(実験例4)
ガラスフリットの含有割合を5重量%及びセラミック粉末の含有割合を1重量%と固定し、SiO2 粉末の配合割合を下記の表4の試料番号15〜19に示すように変化させたことを除いては、実験例1と同様にして各積層コンデンサを得、かつ評価した。結果を下記の表4に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0003548775
【0046】
表4から明らかなように、SiO2 粉末の配合割合が0.3重量%の場合には、100個あたり19個の積層コンデンサにおいてクラックの発生が認められ、1000個あたり13個の積層コンデンサが絶縁抵抗不良であった。従って、SiO2 粉末を固形分中0.5重量%以上配合することが望ましいことがわかる。
【0047】
他方、SiO2 粉末の配合割合が4重量%の場合には、クラックの発生は認められず、絶縁抵抗の劣化も認められなかった。しかしながら、下地のNiメッキ厚が規格値以下であるため、SiO2 粉末の配合割合は、0.5〜3重量%の範囲とすることが望ましいことがわかる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明に係る導電ペーストでは、金属粉末以外に含有される固形分として、ガラスフリット4〜6重量%、SiO2 0.5〜3重量部及びセラミック粉末0.5〜3重量%が用いられている。従って、SiO2 が上記特定の割合で配合されているので、ガラス成分の耐化学性が高められ、外表面にメッキ層を形成したとしても、メッキ液によるガラス成分の溶解が抑制され、例えば絶縁抵抗不良などの電子部品の特性の劣化を抑制することができる。
【0049】
また、セラミック粉末が上記特定の割合で配合されているので、焼き付けに際しての電極膜の収縮を抑制することができ、それによってセラミックを用いて構成された電子部品素体におけるクラックの発生を抑制することができる。加えて、上記セラミック粉末は、ガラス成分に対する濡れ性に優れているため、ガラス成分を電極膜内部に保持するように作用し、それによって緻密な電極膜を形成することができる。
【0050】
従って、本発明に係る導電ペーストを用いて、セラミック電子部品の外部電極を形成した場合、緻密であり、外表面にメッキ層を形成した場合に、メッキ液による電子部品の特性の劣化が生じ難く、信頼性に優れた、請求項2に記載の発明に係る電子部品を提供することが可能となる。
【0051】
また、外部電極の外表面にメッキ層が形成されているので、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された外部電極が上記特定の組成を有し、従ってメッキ液に対するシール性に優れているため、メッキ液の侵入に起因する特性の劣化が生じ難い電子部品を提供することができる。
【0052】
請求項に記載の発明では、セラミック粉末が、電子部品素体を構成しているセラミック粉末と同一セラミック材料により構成されているので、焼き付けに際しての外部電極の電子部品素体に与える収縮応力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1で作製される積層コンデンサの構造を略図的に説明するための断面図。
【符号の説明】
1…電子部品としての積層コンデンサ
2…電子部品素体としてのセラミック焼結体
4,5…外部電極
6a,6b…Niメッキ層
7a,7b…Snメッキ層

Claims (3)

  1. 外表面にメッキ層が形成されるセラミック電子部品の外部電極を形成するための導電ペーストであって、
    固形分が、ガラスフリット4〜6重量%、SiO2 0.5〜3重量%、セラミック粉末0.5〜3重量%及び残部の金属粉末により構成されていることを特徴とする、導電ペースト。
  2. セラミックスを用いて構成された電子部品素体と、
    前記電子部品素体の外表面に、請求項1に記載の導電ペーストを塗布・焼き付けることにより形成された外部電極と、該外部電極の外表面に形成されたメッキ層とを備えることを特徴とする、電子部品。
  3. 前記セラミック粉末が、電子部品素体を構成するセラミックスと同じセラミックスよりなる、請求項2に記載の電子部品。
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