JPH11260147A - 導電ペースト及びセラミック電子部品 - Google Patents

導電ペースト及びセラミック電子部品

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JPH11260147A
JPH11260147A JP6338998A JP6338998A JPH11260147A JP H11260147 A JPH11260147 A JP H11260147A JP 6338998 A JP6338998 A JP 6338998A JP 6338998 A JP6338998 A JP 6338998A JP H11260147 A JPH11260147 A JP H11260147A
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敬之 西野
Masaki Fujiyama
正樹 藤山
Yasunobu Yoneda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック電子部品の外部電極を形成するた
めの導電ペーストであって、焼き付けに際し電子部品素
体に加わる収縮応力を低減することができ、かつ緻密性
に優れており、外表面にメッキ層を形成したとしてもメ
ッキ液の侵入を抑制することができる導電ペーストを得
る。 【解決手段】 固形分と、有機バインダ樹脂と、溶剤と
を含み、上記固形分100重量%が、ガラスフリット4
〜6重量%、SiO2 粉末0.5〜3重量%、及びセラ
ミック粉末0.5〜3重量%及び残部の金属粉末により
構成されている、導電ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば積層コンデ
ンサなどのセラミック電子部品の外部電極を形成するの
に用いられる導電ペースト及び該導電ペーストを用いて
電極が形成されたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサなどのセラミ
ック電子部品においては、外部との接続のために、外部
電極が形成されている。この種の外部電極は、通常、導
電ペーストを塗布し、焼き付けることにより形成されて
いる。導電ペーストは、金属粉末と、ガラスフリット
と、有機バインダ樹脂とを含む。また、ペースト状とす
るために、適宜の溶剤が用いられている。
【0003】さらに、例えばAg粉末を含む導電ペース
トを用いて外部電極を形成した場合、実装時に半田食わ
れを引き起こすおそれがある。そこで、半田食われを防
止するために、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形
成された電極層の外表面にNiなどからなるメッキ層を
形成し、さらに半田付け性を高めるためにその外側にS
nや半田などからなるメッキ層を形成する方法が広く用
いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セラミックスを用いて
構成された電子部品素体の外表面に、上記導電ペースト
を塗布し、焼き付けることにより外部電極を形成した場
合、焼き付けに際し外部電極の収縮応力により電子部品
素体を構成しているセラミックスにクラックが生じ、耐
湿性が低下するという問題があった。そこで、クラック
を抑制するために、より低い温度で導電ペーストの焼き
付けを行う方法も提案されている。
【0005】しかしながら、塗布された導電ペーストを
低温で焼き付けた場合には、形成される電極膜の緻密性
が十分でなく、外部電極によるシール性が損なわれるこ
とがあった。特に、導電ペーストの塗布・焼き付けによ
り形成された電極層の外表面に前述した各種メッキ層を
形成する場合、導電ペーストを焼き付けることにより形
成された電極層が緻密でない場合、メッキ液が該電極層
を通過し、セラミックスよりなる電子部品素体内に侵入
することがあった。
【0006】メッキ液が電子部品素体内に侵入すると、
セラミック電子部品特性の劣化を引き起こす。例えば、
積層セラミックコンデンサでは、メッキ液の侵入によ
り、絶縁抵抗(IR)が低下することになる。
【0007】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、塗布後、焼き付けることにより十分緻密であ
り、従ってシール性に優れた電極膜を形成することがで
きると共に、焼き付けに際しセラミックスよりなる電子
部品素体におけるクラックの発生を確実に防止すること
ができる導電ペーストを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、導電ペーストの塗布
・焼き付けにより形成された外部電極を有するセラミッ
ク電子部品であって、外部電極が緻密であり、シール性
に優れており、かつセラミックスよりなる電子部品素体
においてクラックが存在しない、従って信頼性に優れた
電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、セラミック電子部品の外部電極を形成するための導
電ペーストであって、固形分が、ガラスフリット4〜6
重量%、SiO2 0.5〜3重量%、及びセラミック粉
末0.5〜3重量%及び残部の金属粉末により構成され
ていることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明に係る電子部品は、
セラミックスを用いて構成された電子部品素体と、前記
電子部品素体の外表面に、請求項1に記載の導電ペース
トを塗布・焼き付けることにより形成された外部電極と
を備えることを特徴とする。
【0011】請求項3では、上記電子部品素体を構成す
るセラミックスと同じセラミックスにより、導電ペース
ト中のセラミック粉末が構成されている。請求項4に記
載の発明では、前記外部電極の外表面に、メッキ層がさ
らに形成されている。
【0012】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
係る導電ペーストは、セラミック電子部品の外部電極を
形成するのに用いられる。この導電ペーストでは、固形
分100重量%が、ガラスフリット4〜6重量%、Si
2 0.5〜3重量%、セラミック粉末0.5〜3重量
%を含み、固形分の残部が金属により構成されている。
【0013】導電ペーストは、電子部品素体の外表面へ
の塗布を容易とするためにペースト状とされており、従
って上記固形分の他、有機バインダ樹脂及び溶剤が通常
用いられる。この有機バインダ樹脂としては、特に限定
されず、適宜の有機溶剤が用いられる。また、有機溶剤
を用いる必要も必ずしもなく、水を用いてもよい。
【0014】また、上記固形分を構成するガラスフリッ
トについても、その材料については特に限定されず、B
−Si−Zn系ガラス、B−Si−Ba系ガラスなどを
適宜用いることができる。
【0015】上記セラミック粉末についても、特に限定
されず、BaTiO3 、TiO2 などのセラミック粉末
を用いることができる。好ましくは、上記セラミック粉
末については、対象とするセラミック電子部品の電子部
品素体を構成するのに用いられているセラミックスと同
じ種類のセラミック粉末が用いられ、それによって外部
電極焼き付け時に電子部品素体に加わる収縮応力の低減
をより効果的に図ることができる。
【0016】本発明に係る導電ペーストでは、上記のよ
うに、固形分100重量%のうち、ガラスフリットは4
〜6重量%の割合で含有されている。ガラスフリットの
含有割合が4重量%未満の場合には、焼き付けにより形
成された外部電極の緻密性が損なわれ、シール性が低下
する。6重量%を超えた場合には、外部電極焼き付け時
の電子部品素体に加わる収縮応力が大きくなったり、外
部電極の外側表面にメッキ層を形成した場合のメッキ膜
の付着性が低下したりする。
【0017】SiO2 は、上記のように0.5〜3重量
%の割合で含有されている。SiO 2 は、ガラスフリッ
トに溶け込み、ガラス成分の耐化学性を高めるように作
用する。従って、SiO2 を配合することにより、導電
ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極膜上に
メッキ層を形成した場合、メッキ液によるガラスの溶解
を抑制することができ、外部電極のシール性が高められ
る。SiO2 の配合割合が0.5重量%未満の場合に
は、このようなSiO2 を用いたことによる効果が十分
に得られず、メッキ液によるガラスの溶融により電極膜
のシール性が低下し、例えば積層コンデンサの場合、絶
縁抵抗が低下する。他方、SiO2 の配合割合が3重量
%を超えると、外表面にメッキ層を形成した場合、メッ
キ膜の付着性が低下する。
【0018】セラミック粉末は、導電ペーストの固形分
のうち、0.5〜3重量%の割合で用いられる。このセ
ラミック粉末は、導電ペーストの塗布・焼き付けに際し
ての収縮を抑制するように作用し、それによってセラミ
ックスを用いて構成された電子部品素体におけるクラッ
クの発生を防止するように作用する。
【0019】また、ガラスはセラミックスとの濡れ性が
高く、従って、上記セラミック粉末の添加により、ガラ
スフリットを構成しているガラス成分が外部電極内に確
実に捕捉され、それによって外部電極のシール性を高め
ることができる。
【0020】セラミック粉末の添加割合が0.5重量%
未満の場合には、セラミック粉末の添加によるこのよう
な効果が得られず、焼き付けに際し電子部品素体におい
てクラックが生じ易くなり、かつ電極のシール性が低下
し、3重量%を超えると、外表面にメッキ法によりメッ
キ層を形成した場合のメッキ膜の付着性が低下し、絶縁
抵抗の低下などを引き起こす。
【0021】従って、本発明に係る導電ペーストでは、
上記SiO2 及びセラミック粉末の添加により、外部電
極焼き付け時に電子部品素体に加わる収縮応力を低減す
ることができ、電子部品素体におけるクラック発生を抑
制することが可能とされており、さらに、シール性に優
れた緻密な外部電極を形成することが可能とされてい
る。
【0022】導電ペーストに用いられる金属粉末につい
ては、特に限定されず、従来よりセラミック電子部品の
外部電極の形成に際し用いられている適宜の金属を用い
ることができる。例えば、Ag、Ag−Pd、Au、P
t、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0023】なお、上記固形分と、有機バインダ樹脂及
び溶剤の配合割合については、導電ペーストを電子部品
素体の外表面に塗布し、焼き付け得る限り、特に限定さ
れない。通常、固形分100重量部に対し、有機バイン
ダ樹脂10〜40重量部を混合し、溶剤を用いて適宜の
粘度となるように粘度を調整し、導電ペーストとされ
る。
【0024】請求項2に記載の発明に係る電子部品は、
セラミックスを用いて構成された電子部品素体の外表面
に、本発明に係る導電ペーストを塗布し、焼き付けるこ
とにより外部電極を形成した構造を有する。この場合、
セラミックスを用いて構成された電子部品素体について
は、特に限定されず、様々なセラミック電子部品を構成
するのに用いられる適宜の電子部品素体を用いることが
できる。このような様々な電子部品の例としては、上述
した積層セラミックコンデンサの他、セラミックスを用
いたサーミスタ、バリスタ、LC複合素子、圧電共振
子、セラミック多層基板など任意である。また、上記電
子部品素体は、複数の内部電極がセラミックスを介して
重なり合うように配置された積層型のものに限定され
ず、内部電極を有するものでなくともよい。
【0025】また、好ましくは、外部電極を構成するの
に用いられる導電ペースト中のセラミック粉末として
は、電子部品素体を構成しているセラミックスと同じ種
類のものが用いられる。このように、導電ペースト中の
セラミック粉末を、電子部品素体を構成しているセラミ
ックスと同一とすることにより、導電ペーストの焼き付
けに際して電子部品素体に加わる収縮応力をより一層効
果的に低減することができる。
【0026】また、上記電子部品においては、導電ペー
ストの塗布・焼き付けにより構成された外部電極の外表
面にさらにメッキ層が形成されてもよい。すなわち、上
述した従来技術のように、導電ペーストの塗布・焼き付
けにより形成された電極膜上に、さらに、Niメッキ
層、Snメッキ層などの1層以上のメッキ層を形成して
もよい。この場合、湿式メッキでメッキ層の形成を行っ
たとしても、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成
された外部電極が十分緻密であり、シール性に優れてい
るため、メッキ液の電子部品素体内への侵入を確実に防
止することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0028】(実験例1)チタン酸バリウム系セラミッ
クスよりなり、パラジウムよりなる内部電極が複数層積
層されており、1.0×0.5×0.5mmの寸法のセ
ラミック素体に、後述の各導電ペーストを塗布し、78
0℃の温度で焼き付けることにより、外部電極を形成
し、さらに、外部電極の外表面に、Niメッキ層及びS
nメッキ層を湿式メッキ法により形成し、図1に略図的
に断面図で示す積層コンデンサ1を得た。
【0029】積層コンデンサ1においては、セラミック
焼結体2内に、内部電極3a〜3dがセラミック層を介
して積層されている。セラミック焼結体2の端面2a
に、内部電極3a,3cが引き出されており、端面2a
と対向し合う他方の端面2bに内部電極3b,3dが引
き出されている。端面2a,2b上に、上述した工程に
より、導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された
外部電極4,5がそれぞれ形成されており、外部電極
4,5の外表面に、さらに、Niメッキ層6a,6b及
びSnメッキ層7a,7bが形成されている。
【0030】上記導電ペーストとしては、下記の表1に
示すように固形分が配合されたものを用いた。なお、導
電ペーストにおける固形分と、固形分以外の成分(有機
バインダ樹脂及び有機溶剤の合計)とは、重量比で7
2:28との割合で配合した。また、各固形分におい
て、表1に示す数値は、固形分全体を100重量%とし
た場合の割合であり、表1に示されていない残りの部分
は、金属粉末としてのAg粉末が配合されている。例え
ば、試料番号1では、固形分のうち、5重量%がガラス
フリットであり、残りの95重量%がAg粉末である。
また、ガラスフリットとしては、B−Si−Zn系ガラ
スからなり、平均粒径3μmであるものを用い、SiO
2 粉末としては、平均粒径1μmのものを、セラミック
粉末としては、酸化チタンからなり、平均粒径0.6μ
mのものを用いた。
【0031】上記のようにして、表1に示した試料番号
1〜4の各外部電極が形成された積層コンデンサにつ
き、クラックの発生の有無及び絶縁抵抗(IR)の
劣化について以下の要領で評価した。
【0032】クラックの発生の有無…得られた積層コ
ンデンサを研磨し、光学顕微鏡を用いて、セラミック焼
結体表面にクラックが発生しているか否かを確認した。
表1に示すクラック発生の有無の評価は、100個の積
層コンデンサについてクラック発生の有無を評価した場
合に、クラックが発生していた積層コンデンサの数を表
す。
【0033】絶縁抵抗の劣化…上記積層コンデンサを
得るにあたり、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成す
る前に絶縁抵抗を測定し、Niメッキ層及びSnメッキ
層を形成した後に再度絶縁抵抗を測定し、メッキ前の絶
縁抵抗に対し、抵抗値が1桁以上低下した場合を絶縁抵
抗不良とし、下記の表1においては、1000個の積層
コンデンサにおける絶縁抵抗不良と判断された積層コン
デンサの数を示した。
【0034】
【表1】
【0035】試料番号1〜4では、いずれもガラスフリ
ットが5重量%用いられているが、SiO2 及びセラミ
ック粉末を用いていない試料番号1では、SiO2 が添
加されていないためか、絶縁抵抗の劣化が多くみられ、
導電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された電極膜
のシール性が十分でないことがわかる。また、セラミッ
ク粉末を添加していないためか、焼き付けに際しての電
極膜の収縮を抑制することが十分でなく、従って、セラ
ミック焼結体においてクラックがかなりの割合で発生し
ていた。
【0036】また、試料番号2では、セラミック粉末を
用いておらず、同じく、電極膜の焼き付けに際しての収
縮抑制が不十分であったためか、いくつかの積層コンデ
ンサにおいて、セラミック焼結体にクラックが認められ
た。また、絶縁抵抗の劣化も、1000個あたり、1個
の積層コンデンサで認められた。
【0037】試料番号3では、SiO2 粉末を用いてい
ないためか、絶縁抵抗の劣化が1000個中10個の積
層コンデンサで認められた。これに対して、試料番号4
では、固形分のうち、ガラスフリットが5重量%、Si
2 粉末が1重量%、セラミック粉末が1重量%含有さ
れているためか、クラックの発生が全ての積層コンデン
サで認められず、絶縁抵抗の劣化不良も認められなかっ
た。そこで、ガラスフリット、セラミック粉末及びSi
2 粉末の配合割合による影響を調べるために、以下の
実験例2〜4を行った。
【0038】(実験例2)実験例2では、SiO2 の配
合割合を1重量%、並びにセラミック粉末の配合割合を
1重量%と固定し、ガラスフリットの含有割合を下記の
表2の試料番号5〜9に示すように変化させたことを除
いては、実験例1と同様にして積層コンデンサを作製
し、かつ評価した。結果を下記の表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなように、ガラスフリット
の配合割合が3重量%の場合には、1000個あたり1
0個の積層コンデンサで絶縁抵抗の不良が認められ、7
重量%の場合には、10%の積層コンデンサにおいてク
ラックの発生が認められた。従って、ガラスフリットの
含有割合は、4〜6重量%とすることが望ましいことが
わかる。
【0041】(実験例3)ガラスフリットの含有割合を
5重量%、SiO2 粉末の含有割合を1重量%に固定
し、セラミック粉末の配合割合を下記の表3の試料番号
10〜14に示すように変化させたことを除いては、実
験例1と同様にして積層コンデンサを得、かつ評価し
た。結果を下記の表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、セラミック粉末
の配合割合が0.3重量%の場合には、セラミック焼結
体におけるクラックが20%の積層コンデンサが認めら
れ、絶縁抵抗不良と判断された積層コンデンサも100
0個あたり18個認められた。また、セラミック粉末の
配合割合が3重量%を超える5重量%とした場合には
(試料番号14)では、絶縁抵抗の不良が1000個あ
たり10個の積層コンデンサで認められた。これは、セ
ラミック粉末の配合割合が多くなりすぎたため、外側に
形成されたメッキ膜の付着性が低下したためと考えられ
る。従って、セラミック粉末の配合割合は、0.5〜3
重量%の範囲とすることが望ましいことがわかる。
【0044】(実験例4)ガラスフリットの含有割合を
5重量%及びセラミック粉末の含有割合を1重量%と固
定し、SiO2 粉末の配合割合を下記の表4の試料番号
15〜19に示すように変化させたことを除いては、実
験例1と同様にして各積層コンデンサを得、かつ評価し
た。結果を下記の表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】表4から明らかなように、SiO2 粉末の
配合割合が0.3重量%の場合には、100個あたり1
9個の積層コンデンサにおいてクラックの発生が認めら
れ、1000個あたり13個の積層コンデンサが絶縁抵
抗不良であった。従って、SiO2 粉末を固形分中0.
5重量%以上配合することが望ましいことがわかる。
【0047】他方、SiO2 粉末の配合割合が4重量%
の場合には、クラックの発生は認められず、絶縁抵抗の
劣化も認められなかった。しかしながら、下地のNiメ
ッキ厚が規格値以下であるため、SiO2 粉末の配合割
合は、0.5〜3重量%の範囲とすることが望ましいこ
とがわかる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る導電ペース
トでは、金属粉末以外に含有される固形分として、ガラ
スフリット4〜6重量%、SiO2 0.5〜3重量部及
びセラミック粉末0.5〜3重量%が用いられている。
従って、SiO2 が上記特定の割合で配合されているの
で、ガラス成分の耐化学性が高められ、外表面にメッキ
層を形成したとしても、メッキ液によるガラス成分の溶
解が抑制され、例えば絶縁抵抗不良などの電子部品の特
性の劣化を抑制することができる。
【0049】また、セラミック粉末が上記特定の割合で
配合されているので、焼き付けに際しての電極膜の収縮
を抑制することができ、それによってセラミックを用い
て構成された電子部品素体におけるクラックの発生を抑
制することができる。加えて、上記セラミック粉末は、
ガラス成分に対する濡れ性に優れているため、ガラス成
分を電極膜内部に保持するように作用し、それによって
緻密な電極膜を形成することができる。
【0050】従って、本発明に係る導電ペーストを用い
て、セラミック電子部品の外部電極を形成した場合、緻
密であり、外表面にメッキ層を形成した場合に、メッキ
液による電子部品の特性の劣化が生じ難く、信頼性に優
れた、請求項2に記載の発明に係る電子部品を提供する
ことが可能となる。
【0051】また、請求項3に記載のように、外部電極
の外表面にメッキ層が形成されている電子部品では、導
電ペーストの塗布・焼き付けにより形成された外部電極
が上記特定の組成を有し、従ってメッキ液に対するシー
ル性に優れているため、メッキ液の侵入に起因する特性
の劣化が生じ難い電子部品を提供することができる。
【0052】請求項4に記載の発明では、セラミック粉
末が、電子部品素体を構成しているセラミック粉末と同
一セラミック材料により構成されているので、焼き付け
に際しての外部電極の電子部品素体に与える収縮応力を
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1で作製される積層コンデンサの構造を
略図的に説明するための断面図。
【符号の説明】
1…電子部品としての積層コンデンサ 2…電子部品素体としてのセラミック焼結体 4,5…外部電極 6a,6b…Niメッキ層 7a,7b…Snメッキ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック電子部品の外部電極を形成す
    るための導電ペーストであって、 固形分が、ガラスフリット4〜6重量%、SiO2 0.
    5〜3重量%、セラミック粉末0.5〜3重量%及び残
    部の金属粉末により構成されていることを特徴とする、
    導電ペースト。
  2. 【請求項2】 セラミックスを用いて構成された電子部
    品素体と、 前記電子部品素体の外表面に、請求項1に記載の導電ペ
    ーストを塗布・焼き付けることにより形成された外部電
    極とを備えることを特徴とする、電子部品。
  3. 【請求項3】 前記セラミック粉末が、電子部品素体を
    構成するセラミックスと同じセラミックスよりなる、請
    求項2に記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 前記外部電極の外表面に、メッキ層がさ
    らに形成されている、請求項2または3に記載の電子部
    品。
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