JP3546939B2 - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種樹脂に対する接着性に優れた硬化物を与え、建築用シーリング材、電気電子部品等の接着・固定用接着剤などとして使用される室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
湿気により架橋する室温硬化性(RTV)シリコーンゴムは、その取り扱いが容易な上、耐候性、電気特性に優れているため、建材用のシーリング材、電気電子分野での接着剤など様々な分野で応用されている。特に建築用のシーリング材では、耐候性に優れる脱オキシムタイプのRTVシリコーンゴムが幅広く使用されているが、樹脂などの被着体に対しては、樹脂に対する適性から脱アルコールタイプが使用される傾向にある。
【0003】
電気電子部品の接着・固定においても同様であり、アミノシラン等のシランカップリング剤を接着助剤に用いた種々の接着性組成物が提案されているが、近年、樹脂の耐久性の技術が向上するにつれ、従来使用されていたシーリング材では接着できないケースが増えてきた。このため、より優れた接着性を有するRTVシリコーンゴム組成物の開発が望まれている。
【0004】
なお、特開昭60−123552号公報には、アミノシランと加水分解性基含有ジシラザンの反応物等を用いた室温硬化性シリコーン組成物が提案されている。しかし、これはシラザンが完全に反応して残存しないため金属に対する非腐食性には優れるものの、各種樹脂、特に難接着性の樹脂に対する接着性は不十分であった。
【0005】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、建築用シーリング材、電気電子部品等の接着・固定用などに使用される各種樹脂に対する接着性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため、上述したような背景をふまえ、樹脂に対する接着性シーリング材等に有効な室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の開発を試み、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と下記一般式(3)で示されるシラザン化合物との加熱熟成混合物を配合することにより、従来難接着とされていた樹脂、具体的にはポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等に対しても良好に接着し得る接着性が飛躍的に向上した硬化物が得られ、これは建築用シーリング材、電気電子部品等の接着・固定用などに使用される各種樹脂用接着剤として有効に利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
従って、本発明は、
(A)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部
HO(SiR1 2O)nH (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物 0.1〜30重量部
(C)一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物として、下記一般式(5)で示されるアミノシラン又はこれとγ−(メタ)アクリルオキシアルキルアルコキシシランとのマイケル付加物と、下記一般式(3)で示されるシラザン化合物とを混合して50〜150℃に加温し、10分〜100時間熟成させることにより得られる、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と下記一般式(3)で示されるシラザン化合物との加熱熟成混合物
0.1〜10重量部
を含有してなることを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
を提供する。
【0008】
【化3】
(式中、R1、nは上記と同じ、R2は炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基、R3は炭素数1〜6の一価炭化水素基を示し、mは0又は1である。)
【0009】
【化9】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R’はNH、N(CH 3 )、N(C 2 H 5 )又はN(C 6 H 5 )が介在してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R 6 は炭素数1〜10の非置換一価炭化水素基を示し、R 7 はアルコキシ基を示し、bは0〜3の整数を示す。)
【化4】
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換一価炭化水素基であり、R4は互いに同一であっても異種の基であってもよい。R5は炭素数1〜4のアルコキシ基である。aは0〜3の整数である。)
【0010】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の(A)成分は、下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサンである。
HO(SiR1 2O)nH (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の非置換又は水素原子が部分的に置換された一価炭化水素基であり、かつR1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
【0011】
上記式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子が部分的に塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などであり、これらの中ではメチル基が特に好ましい。このR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。また、式(1)中のnは、10以上の整数であり、このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が25〜500,000cStの範囲、特に100〜100,000cStの範囲となることが好ましい。
【0012】
【化5】
【0013】
ここで、R1、nは上記と同じである。R2は炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、R1で挙げたものと同様のものが例示され、特にメチル基が好ましい。R3は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、R1と同様のものを挙げることができるが、非置換のもの、中でもメチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、mは0又は1である。
【0014】
次に、(B)成分は、ケイ素原子に結合したケトオキシム基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アセトキシ基、アミド基、アミノ基などの加水分解可能な基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物である。
【0015】
本発明において、上記シラン化合物としては、ケトオキシム基含有シラン、アルコキシ基含有シラン、アルケノキシ基含有シランが好ましく、特に下記一般式(4)で示されるケトオキシム基含有化合物が好適である。
R9 eSi(ON=CR8 2)4−e (4)
(式中、R8は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、R8は互いに同一であっても異種の基であってもよい。R9は炭素数1〜10の非置換の炭化水素基であり、eは0,1又は2である。)
【0016】
ここで、R8としては、上記R1で挙げたものと同様のものを例示することができ、R9としては、R1で挙げたもののうち、非置換のものが例示される。
【0017】
(B)成分の加水分解性シラン化合物の具体例としては、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン等の式(7)で示されるケトオキシムシランのほか、メチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシランなどの各種シランが例示され、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0018】
上記シラン化合物又はその部分加水分解物は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲で使用されるものであり、配合量が少なすぎると十分な架橋が得られず、目的とするゴム弾性を有する組成物とならず、配合量が多すぎると機械特性に劣るものとなる。
【0019】
(C)成分は、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と下記一般式(3)で示されるシラザン化合物との加熱熟成混合物であり、この成分は、本発明組成物に樹脂接着性を付与する最も重要な構成要素である。
【0020】
ここで、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物としては、例えば下記一般式で示されるアミノシランを用いることができる。
【0021】
【化6】
【0022】
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R’はNH、N(CH3)、N(C2H5)又はN(C6H5)が介在してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R6は上記R4と同様の炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示し、R7は上記R5と同様の加水分解可能な基を示し、bは0〜3の整数であるが、R7は好ましくはアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基を示す。bは0〜3、好ましくは0又は1である。なおR4、R5の具体例は後述する通りである。
【0023】
また、このようなアミノシランとγ−(メタ)アクリルオキシアルキルアルコキシシランとのマイケル付加物を使用することもできる。
【0024】
一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物として具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランとのマイケル付加物、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランとのマイケル付加物等が挙げられる。
【0025】
また、シラザン化合物は下記一般式(3)で示されるものである。
【0026】
【化7】
【0027】
上記式中、R4は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、前記R1で挙げたものと同様のものを例示することができる。R4は互いに同一であっても異種の基であってもよい。R5は加水分解可能な基であり、例えば炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。aは0〜3の整数であり、入手し易さからaは3であることが好ましい。
【0028】
この場合、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と式(3)のシラザン化合物とをモル比で95:5〜30:70、特に80:20〜50:50の範囲で混合することが望ましい。
【0029】
上記一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と式(3)のシラザン化合物との加熱熟成混合物は、両化合物の混合物を50〜150℃、特に70〜130℃に加温して熟成させることにより得ることができる。加熱温度が低すぎると熟成しない場合があり、高すぎると反応が進んでしまい、熟成混合物とならない場合がある。熟成時間は特に制限されないが、通常10分〜100時間、特に30分〜20時間程度熟成される。
【0030】
上記(C)成分は、あくまで加熱熟成混合物であって、両化合物の反応生成物ではない。このことは、後述する合成例で得られた加熱熟成混合物のガスクロマトグラフィー分析で原料の2つのピークがあること及び1H−NMRの結果、シラザン化合物が確認できることから明らかである。なお、類似の化合物を用いた例として、γ−アミノプロピルトリエトキシシランとヘキサメチルジシラザンとを硫酸アンモニウムを触媒として加熱し、余剰物の除去を行い、1,1−ジエトキシ−2−(トリメチルシリル)−1−シラ−2−アザシクロペンタンを合成するもの(CAS.No.21297−72−3)があるが、これは硫酸アンモニウムなしでは反応し得ないもので、この例の生成物は、上記両化合物の反応生成物であって、加熱熟成混合物ではない。
【0031】
(C)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。(C)成分の配合量が少なすぎると満足な接着性が得られない。
【0032】
本発明組成物には、上記成分以外に必要に応じて任意成分として一般に知られている充填剤、添加剤、触媒などを使用しても差し支えない。充填剤としては、例えば粉砕シリカ、煙霧状シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、湿式シリカなどが挙げられる。添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、防かび剤、抗菌剤、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルシリコーンオイル、接着助剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類などが挙げられる。触媒としては、有機錫エステル、有機錫錯キレート化合物等の有機錫系触媒、アルコキシチタン、有機チタン酸エステル、有機チタンキレート化合物等の有機チタン系触媒などが挙げられ、これら触媒の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。なお、上記任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0033】
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記各成分を通常の方法で混合して調製することができ、得られた組成物は、各種被着体に塗布して接着剤として使用できる。この場合、被着体としては特に制限されず、各種樹脂に対して有用である。具体的にはPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が例示される。本発明組成物は、特に難接着性とされていたPBT、PC、PPS等に対しても接着性に優れていることから、これら樹脂を被着体として好適に使用できる。
【0034】
なお、本発明組成物の硬化条件等は、この種の公知の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の場合と同様である。
【0035】
【実施例】
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0036】
〔合成例1〕
温度計、マグネチックスターラー、還流冷却管及び窒素導入管を備えた三口丸底フラスコを窒素置換した。次いで、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン1モル、ヘキサメチルジシラザン1モルを入れ、混合物を100℃に加温し、12時間加熱熟成を行い、加熱熟成混合物を得た。得られた加熱熟成混合物のNMRスペクトル(1H−NMR)を図1に示す。ガスクロマトグラフィー分析では3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンの2つのピークが確認できた。
【0037】
〔実施例1〕
25℃における粘度が20,000cStの末端がトリメトキシシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサンIを70重量部、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧状シリカ10重量部を加え、混合機で混合した後、メチルトリメトキシシラン2重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加え、減圧下で完全に混合し、更に合成例1で得られた加熱熟成混合物を2.0重量部加え、減圧下で完全に混合し、サンプル1を得た。
【0038】
〔実施例2〕
25℃における粘度が20,000cStの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサンIIを70重量部、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧状シリカ10重量部を加え、混合機で混合した後、メチルトリブタノオキシムシラン6重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加え、減圧下で完全に混合し、更に合成例1で得られた加熱熟成混合物を2.0重量部加え、減圧下で完全に混合し、サンプル2を得た。
【0039】
〔実施例3〕
メチルトリメトキシシラン及びテトラブトキシチタンの代わりにメチルトリメトキシシラン2重量部、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧状シリカ10重量部を加え、混合機で混合した後、ビニルトリイソプロペノキシシラン6重量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5重量部を加え、減圧下で完全に混合し、更に合成例1で得られた加熱熟成混合物を2.0重量部を加え、減圧下で完全に混合し、サンプル3を得た。
【0040】
〔比較例1〕
合成例1の加熱熟成混合物の代わりに3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを2.0重量部加える以外は実施例1と同様にして、サンプル4を得た。
【0041】
〔比較例2〕
合成例1の加熱熟成混合物の代わりに3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを2.0重量部加える以外は実施例2と同様にして、サンプル5を得た。
【0042】
〔比較例3〕
合成例1の加熱熟成混合物の代わりにγ−アミノプロピルトリエトキシシランを2.0重量部加える以外は実施例3と同様にして、サンプル6を得た。
【0043】
〔比較例4〕
合成例1の加熱熟成混合物の代わりに3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを1.0重量部、ヘキサメチルジシラザンを1.0重量部加える以外は実施例1と同様にして、サンプル7を得た。
【0044】
〔比較例5〕
合成例1において触媒として硫酸アンモニウム10gを用いて反応させたものを加熱熟成混合物の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、サンプル8を得た。
【0045】
上記実施例及び比較例で得られた各サンプルの物性及び接着性を下記方法で評価した。各サンプルの組成と評価結果を表1〜4に示す。なお、表中の部はいずれも重量部である。
【0046】
硬さ、切断時伸び、引張り強さ:
得られたサンプルを2mm厚のシートに成形し、23±2℃、50±5%RHの雰囲気で一週間硬化させ、このシートの物性測定をJ1S K 6249に準じて行い、硬さ(デュロメーターA測定値)、切断時伸び、引張り強さを測定し、これを初期物性とした。
また、未硬化のサンプルをカートリッジの荷姿で70℃の乾燥機で加熱養生した後、上記と同様に各物性を測定し、保存後物性とした。
【0047】
接着性:
下記に示す各種被着体にサンプルを接着面25×10mm、サンプル厚み2mmになるように塗布して試験体を作成し、得られた試験体を剪断方向に引っ張り、接着力を測定し、初期接着力とした。
また、未硬化のサンプルをカートリッジの荷姿で70℃の乾燥機で加熱養生した後、上記と同様にして各種被着体に塗布して試験体を作成し、同様に接着力を測定し、保存後接着力とした。
被着体:PBT(ポリブチレンテレフタレート)
PC(ポリカーボネート)
PPS(ポリフェニレンサルファイド)
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
*剥離:測定前剥離。以下、同様。
【0052】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、各種樹脂に対する接着性に優れ、特に従来難接着性とされていたPBT、PC、PPS等の樹脂へも良好に接着するシリコーンゴムを与えるもので、特に水周りに用いるシーリング材、建材用シーリング材等の建築用シーリング材や、電気電子部品の接着・固定用接着剤などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られた加熱熟成混合物の1H−NMRスペクトルである。
Claims (2)
- (A)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部
HO(SiR1 2O)nH (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物 0.1〜30重量部
(C)一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物として、下記一般式(5)
で示されるアミノシラン又はこれとγ−(メタ)アクリルオキシアルキルアルコキシシランとのマイケル付加物と、下記一般式(3)
で示されるシラザン化合物とを混合して50〜150℃に加温し、10分〜100時間熟成させることにより得られる、一級及び/又は二級アミン含有ケイ素化合物と上記一般式(3)で示されるシラザン化合物との加熱熟成混合物 0.1〜10重量部
を含有してなることを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 樹脂との接着用である請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
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