JP2914838B2 - 室温硬化性シリコーン組成物 - Google Patents
室温硬化性シリコーン組成物Info
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Description
対して優れた浸水接着性を有する室温硬化性シリコーン
組成物に関するものである。
で成る室温硬化性シリコーン組成物は、深部まで速やか
に硬化することが知られており、更にこれに自己接着性
を持たせるためにアミン官能シランを添加した組成物
は、接着剤、シール材等に利用されている。然しなが
ら、表面が活性であるため浸水接着性に劣るフロートガ
ラス、アルミ等の被着体に室温硬化性シリコーンゴムを
接着させる場合においては、前記組成物は深部硬化性は
有しているものの耐水性に劣るという欠点がある。その
ため、接着信頼性が要求される構造シーラントや複層ガ
ラスの2次シール用シーリング剤等には使用することが
できなかった。表面が活性な被着体に室温硬化性シリコ
ーンゴムを接着させる方法として、被着体自体を機械的
もしくは化学的に処理することにより接着性を向上させ
る方法がある。しかし、この方法は処理に手間がかか
る、或いは処理できない被着体があるという点で問題が
ある。
は、表面が活性な被着体に対して容易に接着することが
でき、かつ優れた浸水接着性を有する室温硬化性シリコ
ーン組成物を提供することにある。
ンゴムを表面が活性な被着体に接着するために、硬化剤
及び接着助剤として4官能アルコキシシラン及びアミン
官能シランを添加した室温硬化性シリコーン組成物を使
用すると、該被着体に対して速やかに接着するが、加熱
浸水時に被着体表面とシリコーンゴムとの間の結合が切
断されやすいこと、一方、3官能アルコキシシラン及び
アミン官能シランを添加した組成物を使用すると、接着
はされにくいが、加熱浸水時に被着体表面とシリコーン
ゴムとの間の結合が切断されにくいことを見出した。更
に、4官能アルコキシシラン、3官能アルコキシシラン
及びアミン官能シランを添加した組成物を使用すると、
表面が活性な被着体に対して速やかに接着し、かつ加熱
浸水時に被着体表面とシリコーンゴムとの間の結合が切
断されにくくなることを見出した。
又は置換の1価炭化水素基であり、nは10以上の整数
である。)で示されるジオルガノポリシロキサン;10
0重量部 (B)一般式(2): Si(OR2)4 (2) (式中、複数のR2は同一でも異なってもよく、非置換
又は置換の1価炭化水素基である。)で示される4官能
シラン及び/又はその部分加水分解生成物;(A)成分
中のヒドロキシ基に対し、モル比で0.25〜10とな
る量 (C)硬化触媒;0.01〜10重量部 (D)充填剤;1〜400重量部 (E)一般式(3): R3Si(OR4)3 (3) (式中、R3は炭素原子数1〜8の非置換又は置換の1
価炭化水素基であり、複数のR4は同一でも異なっても
よく、非置換又は置換の1価炭化水素基である。)で示
される3官能シラン及び/又はその部分加水分解生成
物;(A)成分中のヒドロキシ基に対し、モル比で0.
33〜10となる量 (F)一般式(4): (R5O)3Si−R6−NH−R7 (4) (式中、複数のR5は同一でも異なってもよく、非置換
又は置換の1価炭化水素基であり、R6は非置換又は置
換の2価有機基であり、R7は水素原子、非置換又は置
換の1価炭化水素基或いはアミノアルキル基である。)
で示されるアミン官能シラン及び/又は該アミン官能シ
ランとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の付加物;0.1〜5重量部を含有して成る室温硬化性
シリコーン組成物及び該組成物を硬化させることにより
得られる硬化物を提供するものである。以下、本発明に
ついて詳細に説明する。
サンは、分子鎖両末端が水酸基で封鎖されており、一般
式(1):
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル
基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル
基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基
等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のア
ラルキル基;或いはこれらの基の水素原子が部分的にハ
ロゲン原子等で置換された、例えばクロロメチル基、ト
リフルオロプロピル基等の基などの、通常炭素原子数が
1〜10、好ましくは炭素原子数が1〜8の非置換又は置
換の1価炭化水素基であり、複数の R1 は同一でも異な
ってもよい。また、 (A)成分であるジオルガノポリシロ
キサンは、25℃における粘度は25〜500,000 cSt が好ま
しく、更に 1,000〜100,000 cSt が好ましいことから、
式(1) 中のnは10以上の整数とされる。具体的には、
整数である。)等が例示される。
ンは、一般式(2): Si( OR2 ) 4 (2) で表される。また、上記4官能シランは部分加水分解さ
れ、縮合していてもよい。式(2) 中、 R2 は例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等
のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル
基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル
基、フェニルエチル基等のアラルキル基、或いはこれら
の基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で置換され
た、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基等
の基などの、通常炭素原子数が1〜10、好ましくは炭素
原子数が1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であ
り、複数の R2 は同一でも異なってもよい。(B)成分で
ある4官能シランは、具体的には、
た、本発明の組成物において、上記4官能シランは単独
でも2種以上の混合物としても使用することができる。
であるジオルガノポリシロキサンのヒドロキシ基に対
し、モル比で0.25〜10、好ましくは0.5〜5で
ある。(A)成分のヒドロキシ基に対する(B)成分の
モル比が0.25未満では本発明の組成物の硬化が困難
となり、10を越えると本発明の組成物の硬化時の収縮
率が大きくなり、硬化物の弾性が低下する原因となる場
合がある。
組成物において (A)成分のヒドロキシ基と (B)成分の加
水分解性基との縮合反応を促進する触媒である。具体的
には、オクタン酸鉄、ナフテン酸鉄、オクタン酸コバル
ト、ナフテン酸コバルト、オクタン酸スズ、ナフテン酸
スズ、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛等の金属有機酸塩、
ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズオクトエート等のアルキルスズエステ
ル化合物、ハロゲン化スズ化合物、スズオルトエステル
化合物、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコ
ネート等の金属アルコレート、ジイソプロポキシビス
(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシビ
ス(エチルアセトアセテート)チタン等のチタンキレー
ト、ジエチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシ
ルアミン、γ−テトラメチルグアニジルプロピルトリメ
トキシシラン等のアミン類等が例示され、これらは1種
単独でも2種以上の混合物としても使用することができ
る。
重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましく
は0.02〜1重量部である。(C)成分が0.01重
量部未満であると、本発明の組成物を空気中に曝露した
場合にタックフリーの皮膜形成に長時間要するため、そ
の内部硬化性が悪化することがあり、10重量部を越え
ると皮膜形成時間が数秒間と極めて短くなるため作業性
が劣り、また耐熱性の低下等が生じることがある。
を使用することができ、例えば、微粉末シリカ、シリカ
エアロゾル、沈降シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化チタン等の金属酸化物或いはこれらの表面をシ
ランで処理したもの、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、アスベスト、ガラスウー
ル、カーボンブラック、微粉末マイカ、溶融シリカ粉
末、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等
の合成樹脂粉末が挙げられる。
重量部に対して1〜400重量部であり、好ましくは1
0〜300重量部である。(C)成分が1重量部未満で
あると、本発明の組成物から得られる硬化物の硬さ、引
張強度等の物理的性質が貧弱なものとなり易く、400
重量部を超えると本発明の組成物の粘度が増して作業が
困難になる場合がある。
ンは、一般式(3): R 3 Si( OR4 ) 3 (3) で表される。また、上記3官能シランは部分加水分解さ
れ、縮合していてもよい。式(3) 中、 R3 は炭素原子数
1〜8の非置換または置換の1価炭化水素基であり、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェ
ニル基、トリル基等のアリール基、或いはこれらの基の
水素原子が部分的にハロゲン原子等で置換されたクロロ
メチル基、トリフルオロプロピル基等の基などが挙げら
れる。 R4 は、前記した (B)成分のR2 と同様の基が例
示され、非置換または置換の1価炭化水素基であり、複
数のR4 は同一でも異なってもよい。(E)成分である3官
能シランは、具体的には、
た、本発明の組成物において、上記3官能シランは1種
単独でも2種以上の混合物としても使用することができ
る。
ジオルガノポリシロキサンのヒドロキシ基に対し、モル
比で0.33〜10、好ましくは0.7〜5である。
(A)成分のヒドロキシ基に対する(E)成分のモル比
が0.33未満では、本発明の組成物の浸水接着性が低
下する場合があり、10を越えると機械的強度が低下す
る場合がある。
個を有するアミン官能シランは、本発明の組成物におい
て接着助剤として作用すると推定され、一般式(4): (R5 O)3 Si-R6 -NH -R7 (4) で表される。式(4) 中、 R5 は前記した (B)成分の R2
と同様の基が例示され、非置換又は置換の1価炭化水素
基であり、複数の R5 は同一でも異なってもよい。式
(4) 中、 R6 は例えばメチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチル
エチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、トリレン
基等のアリーレン基、メチレンフェニレン基、エチレン
フェニレン基等のアルキレンアリーレン基等の非置換又
は置換の2価有機基である。式(4) 中、 R7 は水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基などの非置換または置換の1価炭化水素基、ア
ミノエチル基、N-アミノエチルアミノエチル基等のアミ
ノアルキル基である。(F)成分であるアミン官能シラン
は、具体的には、
ンは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
との付加物であってもよく、一般式:
水素原子又はアルキル基、複数の R9 は、同一でも異な
ってもよく水素原子又はメチル基であり、 R10は前記 R
2 と同様の1価炭化水素基或いはこれらの基の水素原子
の一部が−Si( OR5 ) 3 で置換された基であり、mは
0, 1又は2である。)で表される。そのような化合物
としては、具体的には、
も2種以上の混合物としても使用することができる。
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜
3重量部である。(F)成分が0.1重量部未満である
と、接着性の発現が見られず、5重量部を越えると機械
的強度が低下する。
囲気中で均一に混合することにより一液型の室温硬化性
組成物として得られる。この組成物は空気中に暴露する
と空気中の湿分によって架橋反応が進行し、ゴム弾性体
に硬化する。また、 (A)及び (D)成分を含有して成る主
剤と、 (B)、 (C)、 (E)及び (F)成分を含有して成る硬
化剤として、二液型の室温硬化性組成物として得ること
もできる。この主剤と硬化剤を空気中で混合することに
より一液型と同様に硬化する。更に、本発明の組成物に
は、顔料及び染料等の着色剤、ベンガラ及び酸化セリウ
ム等の耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、
トリオルガノシロキサン単位及び SiO2 単位よりなる網
状ポリシロキサン等の液状補強剤を添加してもよく、こ
れらは必要に応じてその所定量を添加すればよい。
表面が活性な被着体に対して優れた接着性を有し、かつ
浸水接着性にも優れているので、例えば構造シーラント
(SSG構法用シリコーンシーリング材)、複層ガラス
の2次シール用シーリング材等のガラスやアルミのシー
リング材及び接着材料として有用である。
ずれも重量部を示したものであり、粘度は25℃での測定
値を示したものである。実施例1 分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキ
サン(粘度:50,000cSt ) 100部に炭酸カルシウム60部
を添加混合して主剤とし、末端がトリメチルシリル基で
封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度: 1,000cSt
)4部にテトラn−プロポキシシラン 1.5部、メチル
トリメトキシシラン 1.5部、アミノプロピルトリエトキ
シシラン 1.0部及びジブチル錫ジオクトエート 0.1部を
混合し硬化剤とした。主剤10:硬化剤1の割合で混合し
て組成物1を得た。組成物1について被着体をフロート
ガラスとしてJIS-A-5758に準じてH型試験体を作製し
た。その際、試料の組成物1は、20℃55%RHで7日間硬
化させた後、50℃で7日間硬化させた。こうして作製し
た試験体の一つについて引張剪断接着力試験を行った。
また、同様の試験体を80℃の温水に7日間浸漬したも
の、14日間浸漬したものについてそれぞれ引張剪断接着
力試験を行った。その結果を表1に示す。
メトキシシラン 1.5部を混合しないで、代わりにテトラ
n−プロポキシシランの量を3部に増した以外は実施例
1と同様にして組成物2を得た。組成物2について実施
例1と同様に引張剪断接着力試験を行った。その結果を
表1に示す。
サン(粘度:20,000cSt ) 100部に炭酸カルシウム80部
を添加混合して主剤とし、末端がトリメチルシリル基で
封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度: 1,000cSt
)4部にテトラエトキシシラン 1.0部、メチルトリエ
トキシシラン 2.0部、N−アミノエチルアミノプロピル
トリメトキシシラン 1.0部及びジブチル錫ジラウレート
0.1部を混合し硬化剤とした。主剤10:硬化剤1の割合
で混合して組成物3を得た。組成物3について実施例1
と同様に引張剪断接着力試験を行った。その結果を表1
に示す。
キシシラン 1.0部を混合しないで、代わりにメチルトリ
エトキシシランの量を3部に増した以外は実施例2と同
様にして組成物4を得た。組成物4について実施例1と
同様に引張剪断接着力試験を行った。その結果を表1に
示す。
サン(粘度:10,000cSt ) 100部に炭酸カルシウム 100
部を添加混合して主剤とし、末端がトリメチルシリル基
で封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度: 1,000cS
t )4部にテトラエトキシシラン 1.0部、ビニルトリエ
トキシシラン 2.0部、一般式:
0.1部を混合し硬化剤とした。主剤10:硬化剤1の割合
で混合して組成物5を得た。組成物5について実施例1
と同様に引張剪断接着力試験を行った。その結果を表1
に示す。
エトキシシラン 2.0部を混合しないで、代わりにテトラ
エトキシシランの量を3部に増した以外は実施例3と同
様にして組成物6を得た。組成物6について実施例1と
同様に引張剪断接着力試験を行った。その結果を表1に
示す。
は、表面が活性な被着体に対して優れた接着性を有し、
かつ浸水接着性にも優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)一般式(1): 【化1】 (式中、複数のR1は同一でも異なってもよく、非置換
又は置換の1価炭化水素基であり、nは10以上の整数
である。) で示されるジオルガノポリシロキサン;100重量部 (B)一般式(2): Si(OR2)4 (2) (式中、複数のR2は同一でも異なってもよく、非置換
又は置換の1価炭化水素基である。)で示される4官能
シラン及び/又はその部分加水分解生成物;(A)成分
中のヒドロキシ基に対し、モル比で0.25〜10とな
る量 (C)硬化触媒;0.01〜10重量部 (D)充填剤;1〜400重量部 (E)一般式(3): R3Si(OR4)3 (3) (式中、R3は炭素原子数1〜8の非置換又は置換の1
価炭化水素基であり、複数のR4は同一でも異なっても
よく、非置換又は置換の1価炭化水素基である。)で示
される3官能シラン及び/又はその部分加水分解生成
物;(A)成分中のヒドロキシ基に対し、モル比で0.
33〜10となる量 (F)一般式(4): (R5O)3Si−R6−NH−R7 (4) (式中、複数のR5は同一でも異なってもよく、非置換
又は置換の1価炭化水素基であり、R6は非置換又は置
換の2価有機基であり、R7は水素原子、非置換又は置
換の1価炭化水素基或いはアミノアルキル基である。)
で示されるアミン官能シラン及び/又は該アミン官能シ
ランとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の付加物;0.1〜5重量部を含有して成る室温硬化性
シリコーン組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の室温硬化性シリコーン
組成物であって、前記の (A)及び (D)成分を含有してな
る主剤と、 (B)、 (C)、 (E)及び (F)成分を含有してな
る硬化剤を混合することにより得られる組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の室温硬化
性シリコーン組成物を硬化させることにより得られる硬
化物。
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