JP3546584B2 - 乗用型田植機における植付部昇降制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型田植機における植付部昇降制御装置に係るもので、詳しくは、乗用型牽引車に油圧装置で上下作動されるリンク機構を介して田植装置を装着し、この田植装置の植付部整地フロ−トの前部仰角の変動により自動的に田植装置を昇降制御ならしめる構成の乗用型田植機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、特開平3−247208号公報に開示された技術は公知であった。即ち、乗用型牽引車の後部に、下部に整地フロ−トを取り付けた田植装置を昇降リンク機構を介して装着し、整地フロ−トの前側部の仰角変動でリンク機構を作動する油圧装置の切換弁を切り換えて田植装置を昇降制御し、この昇降作動を司る油圧切換弁の切換感度を調節する構成のものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のものでは、水田圃場の硬さで田植装置の昇降制御の感度調整を行っていたために、フロ−トに加わる実質的な接地圧による制御感度補正がなされないで高精度な昇降制御が期待できなかった。特に、苗植付深さを調節した場合における接地圧変動が昇降制御の補正になっていなかったために、植付深さを深く調節した場合に感度が敏感になり、浅く調節した場合に鈍感になってしまう欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、後部が支点で前部が上下動自在な整地フロ−ト25を有した苗植付部整地用のフロ−トを具備した田植装置19を、牽引車1に油圧装置で昇降可能なリンク機構15を介して装着し、前記整地フロ−ト25の後部回動支点を上下調節して植付深さを調整する調整機構を田植装置19のフレ−ム側に装着し、このフレ−ム側の植付深さ調節機構に加わる負荷を検出する接地圧検出手段32を設けると共に、前記整地フロ−ト25の前部の仰角θを検出する仰角検出手段47を設け、仰角検出手段47の検出値が設定検出値C1〜C n から外れるときに油圧切換弁51を中立状態から上昇状態又は下降状態へ切換制御するよう構成し、接地圧検出手段32の検出値が基準検出値K 1 〜K n から外れるときに前記油圧装置の油圧切換弁51の切換制御用の感度を補正する構成とし、前記仰角検出手段47の設定検出値C1〜C n 及び接地圧検出手段32の基準検出値K 1 〜K n を予め設定できる構成とした乗用型田植機における植付部昇降制御装置とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用型の牽引車である。この牽引車1は、車体2の前側にフロントミッションケ−ス3が後側にリヤ−ミッションケ−ス4が左右に別れて配設され、このフロントミッションケ−ス3に左右に突出するフロントアクスルケ−スを設けてこれに左右一対の操舵用駆動前前輪5を取付け、リヤ−ミッションケ−ス4のそれぞれ外側に駆動後輪6を取付けている。7はエンジンで、前記車体2の前後中間部に搭載されている。8は乗車フロア−で、車体2の上面に張設され、エンジンカバ−9及び後輪6のフエンダ−10を兼用する形状になっている。11は操縦枠で、前記車体2の前側左右中間部にあってフロア−8上面から上方へ突出し、その上側に操縦ハンドル12及び計器類が設けられている。
【0006】
13は操縦座席で、前記エンジンカバ−9の上側に配置されている。
14は車体2の後部左右中間部に立設された支柱である。
15は昇降リンク機構で、上リンク15a,下リンク15bの基部側を前記支柱14に枢着し、その両後端部を連結リンク15cで枢結させて平行リンク機構となし、この上リンク15aに一体のレバ−16を車体側に一端を枢結した油圧シリンダ−機構17に連結して、この油圧シリンダ−機構17のピストンロッド17bの出入りによりリンク機構15が作動されるように構成されている。17aは油圧シリンダ−を示す。
【0007】
18はロ−リングヒッチ体で、前記連結リンク15cに取り付けられ、このロ−リング軸に作業機が装着されるように構成している。
19は田植装置で、前記ヒッチ体18に当該田植装置の左右中央部がロ−リング自在に装着されている。
この田植装置19について説明すると、フレ−ムを兼ねた伝動ケ−ス20の前側部分の上部に苗載置台21を左右往復作動するよう取付け、伝動ケ−ス20の後部側で左右に分岐して突出の植付部伝動ケ−スに前記苗載置台21上に載置された苗を分離して下部圃場面に植付機構22を装着している。
【0008】
この植付機構22は、前後中心部を支軸として回転される回転ケ−ス23の前後先端外側に回転方向及び回転数が前記回転ケ−ス23の回転数と同一であって、角速度が一部分変化する回転軸を突出させて、この各回転軸に苗植付具24を装着し、この苗植付具24に取り付けた植付爪が苗分割移植軌跡(イ)を描くよう構成している。
【0009】
25は中央部フロ−ト、26は前記中央部フロ−トの左右両側に配設した側部フロ−トであって、これらのフロ−ト25,26,26は前記田植装置19の下側に配置され、後部を支点に前部が上下動自由となるよう植付部の伝動ケ−ス20側に装着されている。
前記フロ−トの取付け構成について詳述すると前記伝動ケ−ス20に回動自在に取り付けられた横軸27に固着の下向きア−ム28で各フロ−ト25,26,26を前部が上下スイング可能に枢着し、この横軸27に基部が固着されて上向きに突出する植付深さ調節レバ−29を取付け、この調節レバ−29に係止突起30を設け、この係止突起30を田植装置19のフレ−ム部材である伝動ケ−ス20側に一体型のフレ−ム部材20aに取り付けた調節ガイド枠31に形成するノッチ31aに回動して適所に係止できるように構成し、この調節ガイド枠31を田植装置側フレ−ム部材20aに取り付けるにあたっては、各フロ−ト25,26,26が圃場面に接当して受ける上方側への総合接地圧が検出できるよう第1ポテンショメ−タ32を介在して取付けている。32aは検出ア−ムを示す。
【0010】
側部フロ−ト26の前側は、田植装置19のフレ−ム側にリンクを介して上下動自由に取り付けられている。中央部フロ−ト25の前側のフレ−ム側への取付けは、つぎのようになっている。即ち、伝動ケ−ス20に一体型に設けられたフレ−ム部材20bに基部側がピン33a,33bを介して枢着されたリンク34,35の前端側を縦リンク36で枢結して平行リンク37を構成し、この縦リンク36に前後中間部を枢着した揺動部材38の後端側と中央部フロ−ト25の前側とをロッド39で連繋している。40は連動部材で、前記リンク34の基部側に固着してフレ−ム部材20bに回動自在に枢着したピン33aに一体型のア−ム41と前記植付深さ調節レバ−29とを連繋するもので、植付深さを調節するよう各フロ−トを上下調節するとき、平行リンク37側も同じ上下方向に調節スイングされるよう構成している。前記ア−ム41に連動部材40を連結する構成は、連動部材40の先端側を螺子軸に形成してこれに螺合するナット42をア−ム41に枢着した構成となし、この螺子合わせナット42の螺子合わせ移動調節で平行リンク37の前側の位置を上下調節可能にしている。
【0011】
43は前記縦リンク36に基部側を固着状態に取り付けて上方へ突出させた突出枠で、前記牽引車1の操縦座席13の近傍に設けた感度調節レバ−44に連繋したワイヤ−45のアウタ−45aを係止し、インナ−45bにスプリング46の一端を取付け、このスプリング46の他端を前記揺動部材38の前側位置に連繋している。即ち、このスプリング46の張力でフロ−ト25の前部を下圧付勢し、揺動部材38の天秤状態を保持ならしめている。
【0012】
47は第2ポテンショメ−タで、前記縦リンク36の上部に取り付けられ、このメ−タ47の検出ア−ム48と前記揺動部材38とをロッド49で連繋し、フロ−ト25の前側の上下位置、即ち中央部フロ−ト25の仰角θがロッド39,揺動部材38,ロッド49及び検出ア−ム38により第2ポテンショメ−タ47に加わる電気抵抗を変更させて検出できるよう構成している。
【0013】
前記油圧シリンダ−機構17の作動制御について第3図の制御回路で説明すると、油圧ポンプ50から油圧シリンダ−17内への油路中に電磁ソレノイドSOL1及びSOL2で切り換えられる切換弁51が設けられ、この切換弁51により昇降リンク機構15が作動されて田植装置19を昇降制御するよう構成されている。図中52は油圧タンク、53はリリ−フ弁を示す。
【0014】
前記ソレノイドSOL1,SOL2への指令信号は、マイコンのコントロ−ラCPUから発せられるが、その指令信号は、前記第1ポテンショメ−タ32及び第2ポテンショメ−タ47からの検出値がコントロ−ラCPUに送られて、これらの検出値の信号をコントロ−ラに記憶させた標準値と比較等の演算をして適切な指令信号を発し、切換弁51の切換時間及び切換弁の開閉制御を行い、田植装置19を適正に昇降制御するよう構成している。
【0015】
この一例を具体的に説明すると、コントロ−ラCPU内においてあらかじめダイヤル54により植付基準を設定させた設定範囲値C1〜Cnを読み込ませてメモリさせ、前記フロ−ト25の仰角θによって作動される検出ア−ム48で作動される第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内にあれば、切換弁51を切り換えるソレノイドSOL1側への指令信号は発せられない。ところが、フロ−ト25の仰角θが大きくなって、第2ポテンショメ−タ47の検出値が設定範囲値C1〜Cnを越えると、即ち、フロ−ト25の前部が大きく上動されるとソレノイドSOL1が励磁されて切換弁51が切り換えられ、ポンプ50から作動油がシリンダ−17a内に流れ込んでピストン17bを突出して昇降リンク機構15を介して田植装置19上昇させ、これによりフロ−ト25の前部が下降して第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内に収まるとソレノイドSOL1の励磁が解除されて切換弁51が中立状態に復帰する。逆に、フロ−ト25の仰角θが小さくなりマイナスθの状態になり、第2ポテンショメ−タ47の検出値が設定範囲値C1〜Cn内から外れると、即ち、フロ−ト25の前部が大きく下動されるとソレノイドSOL2が励磁されて切換弁51が切り換えられ、シリンダ−17a内の作動油がタンク52へ流れ込んでピストン17bを引っ込み昇降リンク機構15を介して田植装置19が下降させ、これによりフロ−ト25の前部が圃場表面で押し上げられ第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内に収まるとソレノイドSOL2の励磁が解除されて切換弁51が中立状態に復帰する。このようにして中央部フロ−ト25の仰角θが適正な苗植付状態になるよう自動的に制御されるよう田植装置19が昇降制御される。
【0016】
また、第1ポテンショメ−タ32では、各フロ−ト25,26,26の後部で受るト−タル接地圧が検出され、その検出信号がコントロ−ラCPUに送られる。ところで、この接地圧の標準となる一定範囲の基準値K1〜Knがあらかじめコントロ−ラCPUにメモリされており、第1ポテンショメ−タ32で実際に検出された値がこのメモリされた基準値K1〜Kn内にあるときは、前記第2ポテンショメ−タ47の検出値と比較演算する前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜Cnの基準を変更させない。ところが、第1ポテンショメ−タ32で実質的に測定された接地圧が大きくてコントロ−ラCPUで記憶されている一定範囲の基準値K1〜Knから外れるとき、仰角制御を敏感側に補正する。即ち、前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜CnをC1−α〜Cn−βの設定範囲側に低くして仰角θがマイナス側、即ち、フロ−ト25の前部が標準位置よりも下動した状態で制御されるように補正し、逆に第1ポテンショメ−タ32で実質的に測定された接地圧が小さくてコントロ−ラCPUで記憶されている一定範囲の基準値K1〜Knから外れるとき、仰角制御を鈍感側に補正する。即ち、前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜CnをC1+α〜Cn+βの設定範囲側に高くして仰角θがプラス側、即ち、フロ−ト25の前部が標準位置よりも上動した状態で制御されるように補正している。このように、田植装置19の苗載置台21に沢山の苗を搭載して機体荷重が重いような場合には、フロ−ト接地圧が高くなるために制御感度が自動的に敏感になり、逆に軽くて接地圧が低いような場合には感度を鈍感に制御する。また、植付深さを深く調節する場合には、接地圧が大きくなるから敏感側へ、逆に浅く調節する場合には鈍感側へ自動的に補正される。
【0017】
上例の作用について説明すると、田植装置19側の苗載置台21に土付きマット状苗を搭載して、水田圃場内で田植装置19側を操縦座席13の近傍に設けた油圧切換レバ−55により下降させて、苗植付部整地用の各フロ−ト25,26,26が水田表土面に接当するよう操作し、エンジン7で各部を回転駆動して牽引車1を走行させると共に、田植装置19側の各部を伝動して苗植付作業を開始する。 すると、苗載置台21が左右横方向に往復作動して植付機構22の苗植付具24が苗載置台21から1株分づつ苗を分割保持して下部の整地フロ−ト25,26,26で整地された部分に苗を植付ける。
【0018】
このような作業中において、水田圃場が深くなる場合には、走行用の牽引車1の前、後輪5,6が深くなる耕盤に接地するため圃場表面から深く沈み、このため各フロ−ト25,26で受ける接地圧が大きくなる。そして、フロ−トが水田表土から深く沈むことで泥押しが起り、フロ−ト25の前部側も突き上げられることとなり、仰角θが大になる。
【0019】
したがって、フロ−ト25が上動するからロッド39を介して揺動部材38の後部を突き上げ、前部が上方へ回動してロッド49を介して検出ア−ム48が上方へ回動し、第2ポテンショメ−タ47でフロ−ト25の仰角θが検出されその値がコントロ−ラCPUへ送られる。一方、各フロ−トの後部側にかかる接地圧が第1ポテンショメ−タ32で検出されてコントロ−ラCPUにその検出値がおくられる。
【0020】
そして、予めコントロ−ラCPUでメモリされている基準値とこれらの検出値とが比較されるが、このとき、接地圧の測定値がメモリされた基準値と比較演算されて、異常時には仰角θのメモリされた基準値を補正する。これはコントロ−ラCPU内で自動的に行われる。そして、この補正後の仰角θ用の基準値と先の測定された仰角θの値とが比較演算されて、コントロ−ラCPUから切換弁51を作動させるソレノイドSOL1,SOl2へ指令信号を発し、切換弁51が切り換えられて田植装置19が昇降リンク機構17により昇降制御される。
【0021】
このようにして、常に適正な植付状態になるよう制御されるが、この制御は、各フロ−ト25,26,26の後部側が受ける接地圧の変動で、仰角制御の補正が行われるために高精度な制御になる。この仰角制御値の補正が、田植装置19側の重量、苗植付深さの調節により行われるから更に、的確な昇降制御になる。
尚、第4図で示した制御回路の通り、フロ−ト25,26,26で受ける接地圧の検出手段である第1ポテンショメ−タ32による検出値を、水田圃場の表土面の硬軟度のファクタ−として利用し、前記感度調節レバ−44によって変更調節されるスプリング46をステッピングモ−タMでその張力を変更調節するよう構成してもよい。即ち、仰角制御の補正をこのスプリング46の張力補正にしても何等差し支えなく高精度な昇降制御をさせることができる。このスプリング46の張力補正は、ワイヤ−45の端と揺動部材38との間に介装する前記スプリング46の介在始端部あるいは終端部側にその初期張力を変更できるようステッピングモ−タMを介在させて構成し、該モ−タMの正転、逆転の度合いでスプリングの初期張力が変更できる構成にしている。尚、ステッピングモ−タMの実施例に限らずソレノイド型伸縮機構をさいようしてもよく、或は、前記感度調節レバ−44の設定位置を適宜アクチュエ−タにより変更調節する構成であっても差し支えない。
【0022】
水田圃場の表土面の硬さを苗植付け初期において、基準となる硬さ設定する手段として、従来は田植装置19を下降してフロ−トが表土面に当接して停止した作業開始時の当該フロ−トの沈下状態を目測して表土面硬さを設定していた。そして、この目測による硬さで、硬軟の感度調節レバ−44でスプリング46の張力調節を行い、植付作業を開始していた。しかし、この場合には、作業者によってバラツキが発生し、苗植付け深さが作業者によって変動する欠点があった。これを解消するためには、第5図の通り、コントロ−ラCPU中に、超軟圃場の接地圧基準値から超硬圃場の接地圧基準値までの硬軟度デ−タを記憶するメモリをもたせ、作業開始前に圃場中で走行停止状態で田植装置19を所定高さから一挙に下降させてフロ−ト25が受ける接地圧を第1ポテンショメ−タ32で検出して、その信号をコントロ−ラCPUに送信する。そして、この検出値がメモリ中の硬軟度デ−タの値と一致する点を比較検出させて、硬軟度を設定操作ボタン56を操作して基準設定させる。したがって、この基準値がその圃場の接地圧基準の中間点になり、これから上下一定範囲の接地圧範囲が仰角θの補正をさせない範囲になる。尚、仰角検出によらないで接地圧のみによって油圧装置の切換弁を制御させる構成のものにあっては、この作動開始初期の検出圧が表土面硬軟度の基準値になって、事後これに基づき油圧切換弁が切換え制御されることになる。従って、水田圃場毎にその硬軟度が変化するが、これを作業の開始時期で的確に硬軟度の基準値が決められ、精度の高い油圧制御ができ、泥押し状態やハンチングが頻繁におこるような油圧切換制御が防止できて、高精度な植付けが期待できる。
【0023】
別実施例として、第6図のように、植付け開始前に植付部を下降してフロ−トを水田表土面に接地させてその初期状態のフロ−ト仰角を第2ポテンショメ−タ47で測定して、これをコントロ−ラCPUに送信し、この実測仰角値と、予め、コントロ−ラCPU中に記憶させておいた超軟圃場の仰角値と超硬圃場の仰角値との間を所定間隔で区分して仰角基準値区分を設定し、この基準値区分のどの位置に前記実測仰角値が匹敵するかを比較決定し、この匹敵する値を基準仰角として硬軟度基準値にボタン56aで設定させ、この基準値から上下一定値の間は、切換弁51の切換制御禁止区間として、これから逸脱したとき、切換制御されるように構成する。このようにすれば、硬軟度を目測で決定して設定する場合に比較して作業者によるバラツキ設定がなくなり、高精度な植付作業を期待することができる。
【0024】
【発明の作用効果】
この発明によれば、仰角検出手段47の検出値が予め設定される設定検出値C1〜C n から外れるときに油圧切換弁51を中立状態から上昇状態又は下降状態へ切換制御するよう構成し、田植装置19を油圧装置で昇降制御させるものでありながら、接地圧検出手段32の検出値が大きくて基準検出値K 1 〜K n から外れるとき昇降制御を敏感側に補正し、接地圧検出手段32の検出値が小さくて基準検出値K 1 〜K n から外れるとき昇降制御を鈍感側に補正できる。しかも、前記基準検出値K 1 〜K n は予め設定できるから、水田圃場表面の硬軟度が配慮された高精度な昇降自動制御ができ、苗植付深さが圃場の硬軟によって余り変動しない適正な苗植付作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の側面図
【図4】別例の制御回路図
【図5】別例の制御回路図
【図6】別例の制御回路図
【符号の説明】
1 牽引車
15 昇降リンク機構
19 田植装置
25 整地フロ−ト
32 接地圧検出手段(第1ポテンショメ−タ)
47 仰角検出手段(第2ポテンショメ−タ)
θ 仰角
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型田植機における植付部昇降制御装置に係るもので、詳しくは、乗用型牽引車に油圧装置で上下作動されるリンク機構を介して田植装置を装着し、この田植装置の植付部整地フロ−トの前部仰角の変動により自動的に田植装置を昇降制御ならしめる構成の乗用型田植機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、特開平3−247208号公報に開示された技術は公知であった。即ち、乗用型牽引車の後部に、下部に整地フロ−トを取り付けた田植装置を昇降リンク機構を介して装着し、整地フロ−トの前側部の仰角変動でリンク機構を作動する油圧装置の切換弁を切り換えて田植装置を昇降制御し、この昇降作動を司る油圧切換弁の切換感度を調節する構成のものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のものでは、水田圃場の硬さで田植装置の昇降制御の感度調整を行っていたために、フロ−トに加わる実質的な接地圧による制御感度補正がなされないで高精度な昇降制御が期待できなかった。特に、苗植付深さを調節した場合における接地圧変動が昇降制御の補正になっていなかったために、植付深さを深く調節した場合に感度が敏感になり、浅く調節した場合に鈍感になってしまう欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、後部が支点で前部が上下動自在な整地フロ−ト25を有した苗植付部整地用のフロ−トを具備した田植装置19を、牽引車1に油圧装置で昇降可能なリンク機構15を介して装着し、前記整地フロ−ト25の後部回動支点を上下調節して植付深さを調整する調整機構を田植装置19のフレ−ム側に装着し、このフレ−ム側の植付深さ調節機構に加わる負荷を検出する接地圧検出手段32を設けると共に、前記整地フロ−ト25の前部の仰角θを検出する仰角検出手段47を設け、仰角検出手段47の検出値が設定検出値C1〜C n から外れるときに油圧切換弁51を中立状態から上昇状態又は下降状態へ切換制御するよう構成し、接地圧検出手段32の検出値が基準検出値K 1 〜K n から外れるときに前記油圧装置の油圧切換弁51の切換制御用の感度を補正する構成とし、前記仰角検出手段47の設定検出値C1〜C n 及び接地圧検出手段32の基準検出値K 1 〜K n を予め設定できる構成とした乗用型田植機における植付部昇降制御装置とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用型の牽引車である。この牽引車1は、車体2の前側にフロントミッションケ−ス3が後側にリヤ−ミッションケ−ス4が左右に別れて配設され、このフロントミッションケ−ス3に左右に突出するフロントアクスルケ−スを設けてこれに左右一対の操舵用駆動前前輪5を取付け、リヤ−ミッションケ−ス4のそれぞれ外側に駆動後輪6を取付けている。7はエンジンで、前記車体2の前後中間部に搭載されている。8は乗車フロア−で、車体2の上面に張設され、エンジンカバ−9及び後輪6のフエンダ−10を兼用する形状になっている。11は操縦枠で、前記車体2の前側左右中間部にあってフロア−8上面から上方へ突出し、その上側に操縦ハンドル12及び計器類が設けられている。
【0006】
13は操縦座席で、前記エンジンカバ−9の上側に配置されている。
14は車体2の後部左右中間部に立設された支柱である。
15は昇降リンク機構で、上リンク15a,下リンク15bの基部側を前記支柱14に枢着し、その両後端部を連結リンク15cで枢結させて平行リンク機構となし、この上リンク15aに一体のレバ−16を車体側に一端を枢結した油圧シリンダ−機構17に連結して、この油圧シリンダ−機構17のピストンロッド17bの出入りによりリンク機構15が作動されるように構成されている。17aは油圧シリンダ−を示す。
【0007】
18はロ−リングヒッチ体で、前記連結リンク15cに取り付けられ、このロ−リング軸に作業機が装着されるように構成している。
19は田植装置で、前記ヒッチ体18に当該田植装置の左右中央部がロ−リング自在に装着されている。
この田植装置19について説明すると、フレ−ムを兼ねた伝動ケ−ス20の前側部分の上部に苗載置台21を左右往復作動するよう取付け、伝動ケ−ス20の後部側で左右に分岐して突出の植付部伝動ケ−スに前記苗載置台21上に載置された苗を分離して下部圃場面に植付機構22を装着している。
【0008】
この植付機構22は、前後中心部を支軸として回転される回転ケ−ス23の前後先端外側に回転方向及び回転数が前記回転ケ−ス23の回転数と同一であって、角速度が一部分変化する回転軸を突出させて、この各回転軸に苗植付具24を装着し、この苗植付具24に取り付けた植付爪が苗分割移植軌跡(イ)を描くよう構成している。
【0009】
25は中央部フロ−ト、26は前記中央部フロ−トの左右両側に配設した側部フロ−トであって、これらのフロ−ト25,26,26は前記田植装置19の下側に配置され、後部を支点に前部が上下動自由となるよう植付部の伝動ケ−ス20側に装着されている。
前記フロ−トの取付け構成について詳述すると前記伝動ケ−ス20に回動自在に取り付けられた横軸27に固着の下向きア−ム28で各フロ−ト25,26,26を前部が上下スイング可能に枢着し、この横軸27に基部が固着されて上向きに突出する植付深さ調節レバ−29を取付け、この調節レバ−29に係止突起30を設け、この係止突起30を田植装置19のフレ−ム部材である伝動ケ−ス20側に一体型のフレ−ム部材20aに取り付けた調節ガイド枠31に形成するノッチ31aに回動して適所に係止できるように構成し、この調節ガイド枠31を田植装置側フレ−ム部材20aに取り付けるにあたっては、各フロ−ト25,26,26が圃場面に接当して受ける上方側への総合接地圧が検出できるよう第1ポテンショメ−タ32を介在して取付けている。32aは検出ア−ムを示す。
【0010】
側部フロ−ト26の前側は、田植装置19のフレ−ム側にリンクを介して上下動自由に取り付けられている。中央部フロ−ト25の前側のフレ−ム側への取付けは、つぎのようになっている。即ち、伝動ケ−ス20に一体型に設けられたフレ−ム部材20bに基部側がピン33a,33bを介して枢着されたリンク34,35の前端側を縦リンク36で枢結して平行リンク37を構成し、この縦リンク36に前後中間部を枢着した揺動部材38の後端側と中央部フロ−ト25の前側とをロッド39で連繋している。40は連動部材で、前記リンク34の基部側に固着してフレ−ム部材20bに回動自在に枢着したピン33aに一体型のア−ム41と前記植付深さ調節レバ−29とを連繋するもので、植付深さを調節するよう各フロ−トを上下調節するとき、平行リンク37側も同じ上下方向に調節スイングされるよう構成している。前記ア−ム41に連動部材40を連結する構成は、連動部材40の先端側を螺子軸に形成してこれに螺合するナット42をア−ム41に枢着した構成となし、この螺子合わせナット42の螺子合わせ移動調節で平行リンク37の前側の位置を上下調節可能にしている。
【0011】
43は前記縦リンク36に基部側を固着状態に取り付けて上方へ突出させた突出枠で、前記牽引車1の操縦座席13の近傍に設けた感度調節レバ−44に連繋したワイヤ−45のアウタ−45aを係止し、インナ−45bにスプリング46の一端を取付け、このスプリング46の他端を前記揺動部材38の前側位置に連繋している。即ち、このスプリング46の張力でフロ−ト25の前部を下圧付勢し、揺動部材38の天秤状態を保持ならしめている。
【0012】
47は第2ポテンショメ−タで、前記縦リンク36の上部に取り付けられ、このメ−タ47の検出ア−ム48と前記揺動部材38とをロッド49で連繋し、フロ−ト25の前側の上下位置、即ち中央部フロ−ト25の仰角θがロッド39,揺動部材38,ロッド49及び検出ア−ム38により第2ポテンショメ−タ47に加わる電気抵抗を変更させて検出できるよう構成している。
【0013】
前記油圧シリンダ−機構17の作動制御について第3図の制御回路で説明すると、油圧ポンプ50から油圧シリンダ−17内への油路中に電磁ソレノイドSOL1及びSOL2で切り換えられる切換弁51が設けられ、この切換弁51により昇降リンク機構15が作動されて田植装置19を昇降制御するよう構成されている。図中52は油圧タンク、53はリリ−フ弁を示す。
【0014】
前記ソレノイドSOL1,SOL2への指令信号は、マイコンのコントロ−ラCPUから発せられるが、その指令信号は、前記第1ポテンショメ−タ32及び第2ポテンショメ−タ47からの検出値がコントロ−ラCPUに送られて、これらの検出値の信号をコントロ−ラに記憶させた標準値と比較等の演算をして適切な指令信号を発し、切換弁51の切換時間及び切換弁の開閉制御を行い、田植装置19を適正に昇降制御するよう構成している。
【0015】
この一例を具体的に説明すると、コントロ−ラCPU内においてあらかじめダイヤル54により植付基準を設定させた設定範囲値C1〜Cnを読み込ませてメモリさせ、前記フロ−ト25の仰角θによって作動される検出ア−ム48で作動される第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内にあれば、切換弁51を切り換えるソレノイドSOL1側への指令信号は発せられない。ところが、フロ−ト25の仰角θが大きくなって、第2ポテンショメ−タ47の検出値が設定範囲値C1〜Cnを越えると、即ち、フロ−ト25の前部が大きく上動されるとソレノイドSOL1が励磁されて切換弁51が切り換えられ、ポンプ50から作動油がシリンダ−17a内に流れ込んでピストン17bを突出して昇降リンク機構15を介して田植装置19上昇させ、これによりフロ−ト25の前部が下降して第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内に収まるとソレノイドSOL1の励磁が解除されて切換弁51が中立状態に復帰する。逆に、フロ−ト25の仰角θが小さくなりマイナスθの状態になり、第2ポテンショメ−タ47の検出値が設定範囲値C1〜Cn内から外れると、即ち、フロ−ト25の前部が大きく下動されるとソレノイドSOL2が励磁されて切換弁51が切り換えられ、シリンダ−17a内の作動油がタンク52へ流れ込んでピストン17bを引っ込み昇降リンク機構15を介して田植装置19が下降させ、これによりフロ−ト25の前部が圃場表面で押し上げられ第2ポテンショメ−タ47の検出値が前記メモリされた設定範囲C1〜Cn内に収まるとソレノイドSOL2の励磁が解除されて切換弁51が中立状態に復帰する。このようにして中央部フロ−ト25の仰角θが適正な苗植付状態になるよう自動的に制御されるよう田植装置19が昇降制御される。
【0016】
また、第1ポテンショメ−タ32では、各フロ−ト25,26,26の後部で受るト−タル接地圧が検出され、その検出信号がコントロ−ラCPUに送られる。ところで、この接地圧の標準となる一定範囲の基準値K1〜Knがあらかじめコントロ−ラCPUにメモリされており、第1ポテンショメ−タ32で実際に検出された値がこのメモリされた基準値K1〜Kn内にあるときは、前記第2ポテンショメ−タ47の検出値と比較演算する前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜Cnの基準を変更させない。ところが、第1ポテンショメ−タ32で実質的に測定された接地圧が大きくてコントロ−ラCPUで記憶されている一定範囲の基準値K1〜Knから外れるとき、仰角制御を敏感側に補正する。即ち、前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜CnをC1−α〜Cn−βの設定範囲側に低くして仰角θがマイナス側、即ち、フロ−ト25の前部が標準位置よりも下動した状態で制御されるように補正し、逆に第1ポテンショメ−タ32で実質的に測定された接地圧が小さくてコントロ−ラCPUで記憶されている一定範囲の基準値K1〜Knから外れるとき、仰角制御を鈍感側に補正する。即ち、前記仰角θ制御用の設定範囲C1〜CnをC1+α〜Cn+βの設定範囲側に高くして仰角θがプラス側、即ち、フロ−ト25の前部が標準位置よりも上動した状態で制御されるように補正している。このように、田植装置19の苗載置台21に沢山の苗を搭載して機体荷重が重いような場合には、フロ−ト接地圧が高くなるために制御感度が自動的に敏感になり、逆に軽くて接地圧が低いような場合には感度を鈍感に制御する。また、植付深さを深く調節する場合には、接地圧が大きくなるから敏感側へ、逆に浅く調節する場合には鈍感側へ自動的に補正される。
【0017】
上例の作用について説明すると、田植装置19側の苗載置台21に土付きマット状苗を搭載して、水田圃場内で田植装置19側を操縦座席13の近傍に設けた油圧切換レバ−55により下降させて、苗植付部整地用の各フロ−ト25,26,26が水田表土面に接当するよう操作し、エンジン7で各部を回転駆動して牽引車1を走行させると共に、田植装置19側の各部を伝動して苗植付作業を開始する。 すると、苗載置台21が左右横方向に往復作動して植付機構22の苗植付具24が苗載置台21から1株分づつ苗を分割保持して下部の整地フロ−ト25,26,26で整地された部分に苗を植付ける。
【0018】
このような作業中において、水田圃場が深くなる場合には、走行用の牽引車1の前、後輪5,6が深くなる耕盤に接地するため圃場表面から深く沈み、このため各フロ−ト25,26で受ける接地圧が大きくなる。そして、フロ−トが水田表土から深く沈むことで泥押しが起り、フロ−ト25の前部側も突き上げられることとなり、仰角θが大になる。
【0019】
したがって、フロ−ト25が上動するからロッド39を介して揺動部材38の後部を突き上げ、前部が上方へ回動してロッド49を介して検出ア−ム48が上方へ回動し、第2ポテンショメ−タ47でフロ−ト25の仰角θが検出されその値がコントロ−ラCPUへ送られる。一方、各フロ−トの後部側にかかる接地圧が第1ポテンショメ−タ32で検出されてコントロ−ラCPUにその検出値がおくられる。
【0020】
そして、予めコントロ−ラCPUでメモリされている基準値とこれらの検出値とが比較されるが、このとき、接地圧の測定値がメモリされた基準値と比較演算されて、異常時には仰角θのメモリされた基準値を補正する。これはコントロ−ラCPU内で自動的に行われる。そして、この補正後の仰角θ用の基準値と先の測定された仰角θの値とが比較演算されて、コントロ−ラCPUから切換弁51を作動させるソレノイドSOL1,SOl2へ指令信号を発し、切換弁51が切り換えられて田植装置19が昇降リンク機構17により昇降制御される。
【0021】
このようにして、常に適正な植付状態になるよう制御されるが、この制御は、各フロ−ト25,26,26の後部側が受ける接地圧の変動で、仰角制御の補正が行われるために高精度な制御になる。この仰角制御値の補正が、田植装置19側の重量、苗植付深さの調節により行われるから更に、的確な昇降制御になる。
尚、第4図で示した制御回路の通り、フロ−ト25,26,26で受ける接地圧の検出手段である第1ポテンショメ−タ32による検出値を、水田圃場の表土面の硬軟度のファクタ−として利用し、前記感度調節レバ−44によって変更調節されるスプリング46をステッピングモ−タMでその張力を変更調節するよう構成してもよい。即ち、仰角制御の補正をこのスプリング46の張力補正にしても何等差し支えなく高精度な昇降制御をさせることができる。このスプリング46の張力補正は、ワイヤ−45の端と揺動部材38との間に介装する前記スプリング46の介在始端部あるいは終端部側にその初期張力を変更できるようステッピングモ−タMを介在させて構成し、該モ−タMの正転、逆転の度合いでスプリングの初期張力が変更できる構成にしている。尚、ステッピングモ−タMの実施例に限らずソレノイド型伸縮機構をさいようしてもよく、或は、前記感度調節レバ−44の設定位置を適宜アクチュエ−タにより変更調節する構成であっても差し支えない。
【0022】
水田圃場の表土面の硬さを苗植付け初期において、基準となる硬さ設定する手段として、従来は田植装置19を下降してフロ−トが表土面に当接して停止した作業開始時の当該フロ−トの沈下状態を目測して表土面硬さを設定していた。そして、この目測による硬さで、硬軟の感度調節レバ−44でスプリング46の張力調節を行い、植付作業を開始していた。しかし、この場合には、作業者によってバラツキが発生し、苗植付け深さが作業者によって変動する欠点があった。これを解消するためには、第5図の通り、コントロ−ラCPU中に、超軟圃場の接地圧基準値から超硬圃場の接地圧基準値までの硬軟度デ−タを記憶するメモリをもたせ、作業開始前に圃場中で走行停止状態で田植装置19を所定高さから一挙に下降させてフロ−ト25が受ける接地圧を第1ポテンショメ−タ32で検出して、その信号をコントロ−ラCPUに送信する。そして、この検出値がメモリ中の硬軟度デ−タの値と一致する点を比較検出させて、硬軟度を設定操作ボタン56を操作して基準設定させる。したがって、この基準値がその圃場の接地圧基準の中間点になり、これから上下一定範囲の接地圧範囲が仰角θの補正をさせない範囲になる。尚、仰角検出によらないで接地圧のみによって油圧装置の切換弁を制御させる構成のものにあっては、この作動開始初期の検出圧が表土面硬軟度の基準値になって、事後これに基づき油圧切換弁が切換え制御されることになる。従って、水田圃場毎にその硬軟度が変化するが、これを作業の開始時期で的確に硬軟度の基準値が決められ、精度の高い油圧制御ができ、泥押し状態やハンチングが頻繁におこるような油圧切換制御が防止できて、高精度な植付けが期待できる。
【0023】
別実施例として、第6図のように、植付け開始前に植付部を下降してフロ−トを水田表土面に接地させてその初期状態のフロ−ト仰角を第2ポテンショメ−タ47で測定して、これをコントロ−ラCPUに送信し、この実測仰角値と、予め、コントロ−ラCPU中に記憶させておいた超軟圃場の仰角値と超硬圃場の仰角値との間を所定間隔で区分して仰角基準値区分を設定し、この基準値区分のどの位置に前記実測仰角値が匹敵するかを比較決定し、この匹敵する値を基準仰角として硬軟度基準値にボタン56aで設定させ、この基準値から上下一定値の間は、切換弁51の切換制御禁止区間として、これから逸脱したとき、切換制御されるように構成する。このようにすれば、硬軟度を目測で決定して設定する場合に比較して作業者によるバラツキ設定がなくなり、高精度な植付作業を期待することができる。
【0024】
【発明の作用効果】
この発明によれば、仰角検出手段47の検出値が予め設定される設定検出値C1〜C n から外れるときに油圧切換弁51を中立状態から上昇状態又は下降状態へ切換制御するよう構成し、田植装置19を油圧装置で昇降制御させるものでありながら、接地圧検出手段32の検出値が大きくて基準検出値K 1 〜K n から外れるとき昇降制御を敏感側に補正し、接地圧検出手段32の検出値が小さくて基準検出値K 1 〜K n から外れるとき昇降制御を鈍感側に補正できる。しかも、前記基準検出値K 1 〜K n は予め設定できるから、水田圃場表面の硬軟度が配慮された高精度な昇降自動制御ができ、苗植付深さが圃場の硬軟によって余り変動しない適正な苗植付作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の側面図
【図4】別例の制御回路図
【図5】別例の制御回路図
【図6】別例の制御回路図
【符号の説明】
1 牽引車
15 昇降リンク機構
19 田植装置
25 整地フロ−ト
32 接地圧検出手段(第1ポテンショメ−タ)
47 仰角検出手段(第2ポテンショメ−タ)
θ 仰角
Claims (1)
- 後部が支点で前部が上下動自在な整地フロ−ト25を有した苗植付部整地用のフロ−トを具備した田植装置19を、牽引車1に油圧装置で昇降可能なリンク機構15を介して装着し、前記整地フロ−ト25の後部回動支点を上下調節して植付深さを調整する調整機構を田植装置19のフレ−ム側に装着し、このフレ−ム側の植付深さ調節機構に加わる負荷を検出する接地圧検出手段32を設けると共に、前記整地フロ−ト25の前部の仰角θを検出する仰角検出手段47を設け、仰角検出手段47の検出値が設定検出値C1〜C n から外れるときに油圧切換弁51を中立状態から上昇状態又は下降状態へ切換制御するよう構成し、接地圧検出手段32の検出値が基準検出値K 1 〜K n から外れるときに前記油圧装置の油圧切換弁51の切換制御用の感度を補正する構成とし、前記仰角検出手段47の設定検出値C1〜C n 及び接地圧検出手段32の基準検出値K 1 〜K n を予め設定できる構成とした乗用型田植機における植付部昇降制御装置。
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