JP4041255B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は植付部に支持するフロートの傾斜角度の変化に基づいて油圧昇降制御機構を駆動制御して植付深さを一定維持させる田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、センタフロートの傾きを傾斜センサで検出して油圧昇降制御機構を駆動制御する手段があるが、機体の発進・停止・急加減速時などにあっては、傾斜センサは加速度の影響を受けて、センタフロートの傾きのみに基づいた正確な植付部の一定植付深さ制御が行えないという不都合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、植付部を昇降制御する油圧昇降制御機構と、前記植付部にピッチング支点軸を介して回動可能に配置するフロートと、前記フロートの角速度を検出する角速度センサとを備え、前記植付部の下降作動によって、前記フロートが接地して、そのフロートの接地が前記角速度センサによって検出されたときに、昇降制御モードに移行し、前記角速度センサによって検出された角速度に基づき、前記フロートの目標傾斜角度を算出するように構成し、前記昇降制御モード中、前記目標傾斜角度と、前記角速度センサによって検出される角速度に基づき算出された前記フロートの現在の傾斜角度とに基づき、前記植付部を昇降制御するように構成した田植機において、前記フロートの前後方向の傾斜角度が略零になる前記フロートの水平状態を検出する水平スイッチを備え、前記目標傾斜角度に基づき前記植付部を昇降制御中、前記水平スイッチによって前記フロートの水平状態が検出されたときに、前記目標傾斜角度が基準水平角度にリセットされるように構成したものであるから、前記角速度センサを用いた極めて簡単な構成手段で前記フロートの傾きを正確に検出して、前記植付部の昇降制御の精度を向上できるものである。
【0004】
【0005】
【発明の実施の形態】
下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ミッションケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、乗降ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0006】
また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介してヒッチブラケット(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含む昇降リンク機構(27)を介して走行車(1)後側にヒッチブラケット(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる油圧昇降制御機構である油圧昇降シリンダ(28)のピストンロッド(28a)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0007】
また、図中(29)は主変速レバー、(30)は副変速レバーでもある植付レバー、(31)は感度設定器、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センタフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の側条施肥機である。
【0008】
さらに、図3、図4に示す如く、前低後高(傾斜角約4度)に傾斜させる前記車体フレーム(3)前部上面に架台(37)…を一体固定させ、架台(37)…の上面に防振ゴム(38)…及びエンジン台(39)を介して前記エンジン(2)を上載させ、前記エンジン(2)の左側に燃料タンク(40)を、またエンジン(2)の右側にマフラー(41)を取付けると共に、車体フレーム(3)前端側略中央にバッテリ(43)を取付けている。
【0009】
またさらに、前記車体フレーム(3)にケース台(44)を一体固定させ、ケース台(44)にステアリングケース(45)を取付け、ハンドル筒体(46)に内挿させる操向ハンドル(14)のステアリング軸(14a)を、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央でステアリングケース(45)上面に立設させると共に、ステアリングケース(45)下面に出力軸(47)を突設させ、左右の前輪(6)(6)を方向転換させる操向アーム(48)を前記出力軸(47)に取付けている。
【0010】
また、前記エンジン(2)下方のエンジン台(39)下側に、前後方向に略水平な円筒形の軸受体(49)を熔接固定させ、前記軸受体(49)にカウンタ軸(50)を挿通支持させ、軸受体(49)前方に突出させるカウンタ軸(50)前端にカウンタプーリ(51)を取付けると共に、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央上方でエンジン(2)の前方にエンジン出力軸(52)を突設させ、該出力軸(52)に出力プーリ(53)を取付け、該出力プーリ(53)を前記カウンタプーリ(51)にVベルト(54)を介して連結させている。
【0011】
さらに、前記車体フレーム(3)後端部にリヤアクスルケース(7)をボルト止め固定させ、前記リヤアクスルケース(7)前面にミッションケース(4)後面を連結固定させると共に、ミッションケース(4)の右側前面にクラッチケース(55)を一体形成し、クラッチケース(55)前面に無段ベルト変速ケース(56)右側後面を嵌合固定させ、また昇降シリンダ(28)を作動させる油圧ポンプ(57)をベルト変速ケース(56)の左側後面に固定させるもので、四角パイプ形の左右車体フレーム(3)(3)の間でこの上面よりも低位置に前記各ケース(4)(55)(56)及び油圧ポンプ(57)を吊下げ固定させ、ユニバーサルジョイント付き伝動軸(58)を前記カウンタ軸(50)後端とベルト変速ケース(56)間に設け、エンジン(2)出力をベルト変速ケース(56)に伝えると共に、フロントアクスルケース(5)とミッションケース(4)間に前輪伝動軸(59)を設け、ミッションケース(4)の変速出力を各アクスルケース(5)(7)を介して前後輪(6)(8)に伝えるように構成している。
【0012】
図5乃至図7に示す如く、前記センタフロート(34)の前部を上下に揺動自在に支持するピッチング支点軸(60)をフロート(34)後部上面のブラケット(61)に設け、前記植付ケース(20)に回動自在に枢支する植付深さ調節支点軸(62)に、植付深さ調節リンク(63)の基端を固設させると共に、該リンク(63)の先端を前記ピッチング支点軸(60)に連結させている。
【0013】
そして、前記植付ケース(20)側に固定アーム(64)を介し支持する支軸(65)にリンク(66)中間を回動自在に枢支し、前記調節支点軸(62)に基端を固設する揺動アーム(67)の先端に、結合ピン(68)を介してリンク(66)後端を連結させると共に、該リンク(66)前端の軸(69)とセンタフロート(34)の前部上面に固設するブラケット(70)の軸(71)間を昇降リンク(72)を介し連結させている。
【0014】
また、前記センタフロート(34)の前部上面の略中央に角速度センサ(73)を設けて、支点軸(60)を中心としてセンタフロート(34)が上下方向に揺動運動するときの角速度を検出すると共に、前記リンク(66)には昇降リンク(72)の作動体(72a)にスイッチ操作片(74a)を当接させる水平スイッチ(74)を設けて、センタフロート(34)の略水平(傾斜角度略0゜)状態を水平スイッチ(74)のオン動作によって検出するように構成している。
【0015】
図6、図8にも示す如く、前記支点軸(62)に基端を固設する基準植付深さ設定用の植深調節レバー(75)を植深モータ(76)により適宜駆動制御するようにしたもので、中央の植付ケース(20)より右側の伝動パイプ(77)に取付板(78)及び側板(79)を介しモータ取付台(80)を固設させ、該モータ取付台(80)のモータ(76)の回転ネジ軸(81)に結合させる移動子(82)に、調節レバー(75)を係合連結させて、モータ(76)の駆動によって移動子(82)がネジ軸(81)に沿って上下方向に移動するとき、調節レバー(75)を上下方向に揺動させて支点軸(62)を回動させ、基準植付深さの調節を行うように構成している。
【0016】
また、前記調節レバー(75)はモータ取付台(80)に開閉自在に固定するカバー(83)内に配置し、モータ取付台(80)には調節レバー(75)の固定ピン(84)の移動位置を検出するポテンショメータ式植深センサ(85)を設けて、植付深さ位置を感知するように構成している。
【0017】
そして前記植深モータ(76)或いは調節レバー(75)により支点軸(62)を中心とした植深変更時にはピッチング支点軸(60)部の上下変化置と、リンク(66)前端の軸(69)部の上下変化位置とを略同一とさせて、植深を変更させても水平スイッチ(74)の検出には影響を与えないように構成している。
【0018】
一方、前記変速ケース(56)の入力軸部には伝動軸(58)を介し伝達されるエンジン(2)からの回転数を検出するエンジン回転センサであるエンジンセンサ(86)を、また前記フロントアクスルケース(5)の入力軸部には伝動軸(59)を介し伝達されるミッションケース(4)からの走行出力を検出する車速センサ(87)を設けると共に、左側車体フレーム(3)のセンサ取付板(88)にロワーリンク(26)に連結するリフトアーム(89)の移動位置を検出するリンクセンサ(90)を設けて、植付部(15)の昇降位置を感知するように構成している。
【0019】
図9に示す如く、エンジン(2)によって駆動する油圧ポンプ(91)の供給油圧回路を、高圧油路(92)と低圧油路(93)に分岐して、操向ハンドル(14)によって操向シリンダ(94)を動作させる操向バルブ(95)と、ソレノイド式上昇及び下降バルブ(96)(97)操作によって昇降シリンダ(28)を駆動する昇降バルブ(98)とを高圧油路(92)に設けると共に、植付部(15)の左右傾斜姿勢を制御する水平シリンダ(99)の水平操作用ソレノイドバルブ(100)を低圧油路(93)に設けて、植付部(15)の昇降制御を前記バルブ(96)(97)の上昇及び下降ソレノイド(101)(102)の励磁操作によって行うように構成している。
【0020】
そして図10に示す如く、前記植深モータ(76)の浅い及び深い側回路(103)(104)と、前記ソレノイド(101)(102)とに出力接続させるコントローラ(105)を備えるもので、前記植付レバー(30)の植付下降・上昇・植付クラッチ入位置を検出するポテンショメータ式レバーセンサ(106)と、植付深さ制御を開始する植深スイッチ(107)と、圃場表面硬度に応じ昇降シリンダ(28)の油圧感度(目標値)を設定する感度設定器(31)と、前記水平スイッチ(74)と、各センサ(73)(85)(86)(87)(90)とをコントローラ(105)に入力接続させて、植深モータ(76)と昇降バルブ(98)の駆動制御を行うように構成している。
【0021】
本実施例は上記の如く構成するものにして、図11乃至図14に示す如く、前記角速度センサ(73)の出力信号を積分(ソフト処理、ハードウエアで積分回路構成の何れでも良い)してセンタフロート(34)の傾斜角度に変換し、その角度が目標値(油圧感度)になるように昇降バルブ(98)を駆動して植付部(15)を昇降制御すると共に、設定された植付深さを一定維持させるように植深モータ(76)で植深制御を行うものである。
【0022】
而して前記エンジンセンサ(94)がエンジン(2)の適正回転状態を検出し、感度設定器(31)・車速センサ(87)・リンクセンサ(90)・レバーセンサ(106)の各値がコントローラ(105)に入力され、植付部(15)が下降しセンタフロート(34)が接地状態となることを角速度センサ(73)で検出するとき昇降制御モードに移行し、この制御の目標値となる目標傾斜角度(油圧感度)が演算されるもので、感度設定器(31)の設定値と車速に基づく補正値とで目標傾斜角度が決定される。
【0023】
そして角速度センサ(73)によって、前記支点軸(60)を中心としてセンタフロート(34)が上下方向に揺動するときの角速度が検出されるとき、図13に示す如くこの角速度を積分処理することによってフロート(34)の傾斜角度(本機に対する相対角)が算出されるもので、水平スイッチ(74)がオンとなる毎に基準角度(例えば0゜(水平))にリセットされ、傾斜角度が基準角度より一定値(a)ズレているときには基準角度に修正更新して、基準角度を中心としたフロート(34)の傾斜角度を算出する。なお、傾斜角度に起動ドリフト或いは温度ドリフトが発生している場合のキャンセル効果も有する。
【0024】
そして図14に示す如く、目標傾斜角度を0゜(水平)とするときで、傾斜角度が不感帯(±0.5゜)以上で角速度も一定以上(±4deg/s以上)のときには傾斜角度と角速度に基づいた植付部(15)の応答性良好な上昇及び下降制御を行うと共に、角速度が一定以下(±4deg/s以下)のときには傾斜角度のみに基づいたハンチングなどのない安定した上昇及び下降制御を行ってセンタフロート(34)を目標傾斜角度に保つものである。
【0025】
このように角速度センサ(73)の前上り或いは前下り方向の出力レベルが大きい場合には、現在のフロート(34)の傾斜角度が前下り或いは前上り傾向にあっても植付部(15)を上昇(フロート(34)を前下り)或いは下降(フロート(34)を前上り)させて、その回転方向の要素も取入れて時間遅れのない応答性良好な制御を行うものである。
【0026】
なお、本実施例にあっては傾斜角度と角速度とに基づく植付部(15)の昇降制御の構成例を示したが、傾斜角度のみに基づいて植付部(15)の昇降制御を行う構成でも良い。また、前記支点軸(60)を中心としたフロート(34)の上下方向に揺動するときの加速度を検出する加速度センサを設けて、検出される加速度を積分することによって角速度を、またこの角速度をさらに積分することによって傾斜角度を算出して、これら角速度と傾斜角度とによって前述同様の植付部(15)の昇降制御を行う構成でも良い。
【0027】
また、図12に示す如く、昇降制御モードによる植付部(15)の昇降制御中に、前記植深スイッチ(107)がオン操作されるとき植深制御が行われるもので、感度設定器(31)・車速センサ(87)・植深センサ(85)の各値が読込まれ、植深スイッチ(107)がオン操作で植深センサ(85)の一定範囲内の値が植深設定値(V1)として設定されるとき、車速及び油圧感度による補正を行って目標の植深値(V2)を演算し、作業中の植深センサ(85)の検出値(V3)と植深値(V2)の偏差(|V2−V3|)が一定(不感帯)以上に大でV3>V2のとき植深モータ(76)を深植え側に、V2>V3のとき植深モータ(76)を浅植え側に制御して植付深さを一定維持させる。
【0028】
図15乃至図17に示すものは、前記リンク(69)前端の軸(69)とセンタフロート(34)のブラケット(70)の軸(71)間に、エアダンパ(エアシリンダ)(108)を介設する構成例を示すもので、エアダンパ(108)の内圧を検出するネジ込み式の圧力センサ(109)をダンパ(108)に設け、ダンパ(108)の真下をフロート(34)の接地点(荷重点)として、フロート(34)の接地状態や圃場の表面硬度に応じた圧力(荷重)を圧力センサ(109)で検出するように構成している。つまり硬い圃場でフロート(34)の揺動量が大のときには圧力センサ(109)の検出圧力を大、また軟らかい圃場でフロート(34)の揺動量が小のときには圧力センサ(109)の検出圧力を小とさせて、設定圧力を保つように植付部(15)の昇降制御を行うもので、図17に示す如く感度設定器(31)によって設定圧力となるダンパ(108)の設定支持荷重を容易に変更可能とさせて、支持荷重を大(鈍感)とさせるときには、前後輪(6)(8)跡など凹凸部もきれいに均平とさせるものである。
【0029】
図18、図19に示すものは、本機の前後方向の加速度を検出する加速度センサ(110)を走行車(1)の後部中央に配備させると共に、前記支点軸(60)を中心としたセンタフロート(34)の上下方向の傾きを検出する傾斜センサ(111)をフロート(34)の前部上面の略中央に配置して、傾斜角センサ(111)で検出されるフロート(34)の傾斜角に基づいて昇降バルブ(98)による植付昇降制御を行う構成にあって、加速度センサ(110)が一定レベル以上の加速或いは減速信号を出力するとき、図19の昇降出力(A)にあっては、一定時間(T1)は植付部(15)を上昇及び下降させる上昇及び下降信号が出力するのを禁止して加速度の影響で傾斜センサ(111)の応答性が悪くなるのを防止するように構成したものである。また図19の昇降出力(B)にあっては、一定時間(例えばT1)加速度を打消す方向に最低速で植付部(15)を上昇及び下降させる上昇及び下降信号を出力して、加速度の加減速時の本機姿勢の変化が設定油圧感度(目標傾斜角度)に影響するのを低減させるもので、例えば本機発進(加速)時に本機がヘッドアップし、油圧感度が鈍感側となる場合には一定時間植付部(15)を上昇制御して植付精度を安定維持させるものである。昇降出力(A)に対し昇降出力(B)の方が傾斜センサ(111)の不感帯への収束性は良好である。
【0030】
図20に示すものは、センタフロート(34)に設ける傾斜角センサ(111)の検出値に基づいて昇降バルブ(98)による植付昇降制御を行う構成にあって、車速センサ(87)で検出される車速などによって傾斜角センサ(111)の検出値を補正する構成例を示すもので、作業中一定時間(T2)(T3)内に大きく車速が変化するなどしてセンタフロート(34)の傾斜角度もこのときの加減速によって一時的に大きく変化するときには、この一定時間(T2)(T3)内の車速を微分処理して加速度値として取出し、傾斜角度の変動値にこの加速度値を加算して相殺させることによって、傾斜角センサ(111)は正常な傾斜信号の出力のみに基づいた精度の高い植付昇降制御を行うことができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように、請求項1に係る発明は、植付部(15)を昇降制御する油圧昇降制御機構(28)と、植付部(15)にピッチング支点軸(60)を介して回動可能に配置するフロート(34)と、フロート(34)の角速度を検出する角速度センサ(73)とを備え、植付部(15)の下降作動によって、前記フロート(34)が接地して、そのフロート(34)の接地が角速度センサ(73)によって検出されたときに、昇降制御モードに移行し、角速度センサ(73)によって検出された角速度に基づき、フロート(34)の目標傾斜角度を算出するように構成し、前記昇降制御モード中、前記目標傾斜角度と、角速度センサ(73)によって検出される角速度に基づき算出されたフロート(34)の現在の傾斜角度とに基づき、植付部(15)を昇降制御するように構成した田植機において、フロート(34)の前後方向の傾斜角度が略零になるフロート(34)の水平状態を検出する水平スイッチ(74)を備え、前記目標傾斜角度に基づき植付部(15)を昇降制御中、水平スイッチ(74)によって前記フロート(34)の水平状態が検出されたときに、目標傾斜角度が基準水平角度にリセットされるように構成したものであるから、角速度センサ(73)を用いた極めて簡単な構成手段で前記フロート(34)の傾きを正確に検出して、植付部(15)の昇降制御の精度を向上できるものである。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】 田植機の全体側面図である。
【図2】 田植機の全体平面図である。
【図3】 走行車体の側面説明図である。
【図4】 走行車体の平面説明図である。
【図5】 植付部の側面説明図である。
【図6】 フロート部の平面説明図である。
【図7】 センタフロート部の側面説明図である。
【図8】 植深調節部の側面説明図である。
【図9】 油圧回路図である。
【図10】 制御回路図である。
【図11】 昇降制御のフローチャートである。
【図12】 植深制御のフローチャートである。
【図13】 角速度センサの出力線図である。
【図14】 角速度と傾斜角度に基づく制御の説明図である。
【図15】 圧力センサを用いた構成例の説明図である。
【図16】 エアダンパの断面説明図である。
【図17】 エアダンパの荷重と感度設定器の関係を示す線図である。
【図18】 傾斜センサと加速度センサを有する全体側面図である。
【図19】 傾斜及び加速度センサと昇降出力の関係を示す線図である。
【図20】 傾斜センサと車速センサの出力線図である。
【符号の説明】
(15)植付部
(28)昇降シリンダ(昇降制御機構)
(34)フロート
(60)ピッチング支点軸
(73)角速度センサ
(74)水平スイッチ
Claims (1)
- 植付部を昇降制御する油圧昇降制御機構と、前記植付部にピッチング支点軸を介して回動可能に配置するフロートと、前記フロートの角速度を検出する角速度センサとを備え、
前記植付部の下降作動によって、前記フロートが接地して、そのフロートの接地が前記角速度センサによって検出されたときに、昇降制御モードに移行し、前記角速度センサによって検出された角速度に基づき、前記フロートの目標傾斜角度を算出するように構成し、
前記昇降制御モード中、前記目標傾斜角度と、前記角速度センサによって検出される角速度に基づき算出された前記フロートの現在の傾斜角度とに基づき、前記植付部を昇降制御するように構成した田植機において、
前記フロートの前後方向の傾斜角度が略零になる前記フロートの水平状態を検出する水平スイッチを備え、
前記目標傾斜角度に基づき前記植付部を昇降制御中、前記水平スイッチによって前記フロートの水平状態が検出されたときに、前記目標傾斜角度が基準水平角度にリセットされるように構成したことを特徴とする田植機。
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1999
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