JP3545795B2 - 包装機械 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は無端コンベアと、それに沿って置かれたいくつかの作業ステーションとを有する、内容物が充填され密封された包装容器を製造するための機械に関する。
【０００２】
【従来の技術とその問題点】
包装機械の分野においては、例えば、牛乳、ジュースなどのような液体内容物のための多数の同じまたは類似の包装容器を迅速に連続的に製造するための高性能な機械が要求されている。しかし、このような包装容器では、機械の寸法を制限する視点から、種々の機能が統合されているけれども、省スペースに対する要求は増大し続けている。現在の技術水準における例えば牛乳用の高性能充填機械は、スペース上の理由から、低性能の旧機械の代わりに交換されることがしばしば不可能であり、かかる旧式の機種２台分の空間を要求するような寸法である。さらに性能の視点から見て、低速機械２台で１台の新式の機械の性能が得るものであり、さらに、違った寸法または形式の包装容器、または違ったタイプの内容物を充填する包装容器を、同時に製造しようとする場合に高度の柔軟性を提供するものである。
【０００３】
現在市場において使用されている従来の包装機械の多くは、平らに置かれた未加工品の状態で包装機械内のマガジンに供給される積層、プラスチック被覆の繊維材料の１回使い捨て容器を製造するものである。各包装容器未加工品はマガジンから、包装容器に液密底を形成するために、包装容器未加工品の一端を折り畳み熱密封するときにバックアップ対抗面として作用するマンドリルへと送られる。ついで、包装容器未加工品は、未加工品が頂部形成、充填、頂部密封のためのステーションを通過するように段階的に進められるコンベアへ移動される。その後（場合によっては最終形成後）、包装容器は充填され密封された容器の状態で包装機械から送り出される。輸送経過における段階的前進は、充填ステーションと頂部密封ステーションとの間に位置する包装容器が液体内容物により満たされており、該内容物が、輸送状態が速かったり、ガタガタ動いたりした場合には、包装容器の上部開口端を越えて容易に動き溢れ出るという事実のために、周期、速度の両方に関して制限を受ける。
【０００４】
上記略述したタイプの従来技術の機械に固有の他の欠点は、それが１種類の包装容器を製造することを専ら意図していること、さらにしばしば、単一寸法の選ばれたタイプの包装容器だけを製造するように制限されていることである。包装機械のある部分を交換または改装することにより、例えば違った頂部設計の包装容器を製造することが理論的には可能であるとしても、機械の種々の部品は相当広範囲に互いに統合されているだけではなく、また、共通の主駆動源または動力源により、例えば多くのカム面を有する１本の駆動軸を介して駆動されるのであるから、包装機械の広範囲の改造無しには技術的に容易には実行できない。
上述の説明から明らかなように、高性能、省スペース、多用途性の３つの特性を有する液体内容物用包装容器製造のための包装機械を案出することが業界の一般的な要望である。勿論、例えば機械の全体の資本費用、便利性、運用信頼性、および衛生基準に対する要求などの多くの要因も考慮されなければならない。
【０００５】
【本発明の目的および目的を達成するための手段】
本発明の目的は、非常に高い作業効率にも拘らず外形寸法がコンパクトで、従って狭い空間にも設置出来るような包装機械を提供することである。
本発明の他の目的は、非常に柔軟性があり、主要な部分を簡単、迅速に交換することにより、例えば違ったタイプの端末密封、閉止、または端部壁を有する種々の包装容器を製造するのに使用できる骨格的な包装容器を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、牛乳のような低粘性内容物用の充填、密封包装容器を迅速に製造するのに特に適した包装機械を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、運転時に、製造される包装容器に違ったタイプの内容物を同時に充填し得る包装機械を提供することである。
【０００６】
これらの目的また他の目的を達成するために、本発明は、水平な無端コンベアと該コンベアに沿って配置された２つ以上の作業ステーションとを有し、それら作業ステーションが交換可能な機械モジュールの形態に形成されていて、該モジュールのそれぞれが、各関連するモータにより駆動され、各モジュールのモータが共通の制御ユニットにより制御されるようになっている、充填、密封された包装容器を製造するための包装機械において、前記無端コンベアが主コンベアを構成し、その主コンベアの直下で内送りコンベアが主コンベアと部分的に平行に延びており、また、前記両コンベアの互いに平行な部分に第１作業ステーションである輸送、底部密封ステーションが配置され、その輸送、底部密封ステーションが、包装容器未加工品を前記両コンベアの間で輸送すると共に、包装容器未加工品を充填し頂部を密封するための第２作業ステーションに包装容器未加工品が到達する前に包装容器未加工品の端部を密封するようになっていることを特徴とする。
【０００７】
【実施例】
包装機械の主要部分が、包装機械に含まれた主要な部材を互いに支持し位置的に固定するように四角形の管から既知の方法で構成されたフレーム１内に如何に配置されているかは、図面から明らかであろう。より明瞭にするために、機械のよく知られている周囲部品が、フレームとフレームに搭載された機械部品の大部分とを通常覆っている被覆板や入口蓋と共に取り外されている。本発明の包装機械は完成状態においては、図面にみられる部品だけでなく、よく知られた電気、空気機器、それらを連結する連結線、駆動装置、案内装置、被覆板、フード、入口蓋、扉のような外部ケーシングをも有している。しかし、これらの詳細部品は、本発明にとって重要なものでもなく、機械自身の構造または機能に影響を与えるものでもないので説明や詳細な提示を必要としない。
【０００８】
図１に示されたフレーム１は、機械の長手方向に延び、無端コンベアベルト３を備えた主コンベア２を担持している。無端コンベアベルト３には、包装容器未加工品を収容する室を形成している等間隔に置かれた突出したＴ字形の支持体４が取り付けられており、包装容器未加工品の四角の断面はほぼ室の大きさに対応している。コンベアベルト３は、２個の輪５，６の間を水平に走行し、輪の一つは、輪５の上方に位置しフレーム内に固定された電気モータ７により駆動される。
主コンベア２の直下に、内送りコンベア８があり、２個の輪９，１０の間を水平に延び、輪の一つは電気モータ１１（図２）により駆動される。輪１０は機械のほぼ中央領域に置かれ、従って、内送りコンベア８の長さは、主コンベア２の長さのほぼ半分に過ぎない。内送りコンベア８もまた支持体を取り付けられており、図３、図５から明らかなように、独立の包装容器を収容するための室に区分されている。
【０００９】
内送りコンベアの一端に直接隣接して、内送り輪１２が機械の内送り端に置かれ、この輪は変速装置と軸１３を介してモータ１１の駆動軸１４に駆動的に連結されている。内送り輪１２は包装容器を搭載する多くの装置を有しており、これら装置は包装容器を再形成しながら、包装容器をマガジン１５から内送りコンベア８へと輸送するように配置されている。本発明の包装機械のこの部分は、参照文献としている欧州特許出願第９０３１１５７０．７号に詳細に図示され説明されているので、本明細書においては詳細には説明しない。
運転時には、主コンベア２のコンベアベルト３は反時計方向に（図３）動かされる。運動方向で見て、先ずコンベアベルト３の第１部分に沿って、フレーム内のコンベアベルト３の下縁の僅か下方のレベルに取り付けられた底密封部１６′をもつ第１作業ステーション１６が配置され、底密封作業部１６′は底部、すなわち、コンベアベルト３の室内に位置する１群の包装容器未加工品のその時点での下縁を処理するようにされている。
【００１０】
第１作業ステーション１６の僅か下流に、コンベアベルト３の第１部分に沿って第２作業ステーション１７が配置されており、この第２作業ステーションは、第１作業ステーション１６より僅かに高く、より正確にはコンベアベルト３の上縁の僅か下方に位置された頂部密封作業部１７′を有している。頂部密封作業部１７′は、コンベア２の室内の包装容器未加工品の上端を処理するためのものである。コンベアベルト３の運動方向で見て、輪６の下流にコンベアベルトの戻り部分に沿って追加の作業ステーション１８が配置されており、この作業ステーション１８は第２の作業ステーション１７とほぼ同じであり、第２作業ステーション１７と同様にコンベアベルト３の上縁に位置する頂部密封作業部１８′を有している。本発明の包装機械の好適な図示された実施例においては、作業ステーション１６が６個の別々の包装容器を含む包装容器群を同時に処理するのに対して、作業ステーション１７，１８がそれぞれ包装容器群のうちの３個の包装容器を処理するようになっている。このことは、コンベアベルト３の戻り部分もまた最適に利用され、その結果機械がより小型になる。機械全体としての作動原理に加えて、上記のことを以下より詳細に説明する。
【００１１】
第１作業ステーション１６はまた、底部密封作業部１６′に加えて、一方において６個の包装容器未加工品を下方コンベア、すなわち内送りコンベア８から支持体４により形成されたコンベアベルト３の室へと垂直上方に一度に輸送するための輸送作業部１６″を有している。包装容器が室内に置かれると、その時点の下端に対し、底部密封作業部１６′において形成密封作業が行われ、以後、これら下端は簡単のため包装容器の底端部と称する。包装容器未加工品の垂直輸送は、輸送作業部１６″において、内送りコンベア８の下側に沿って延びる１列の互いに固定して連結された１群のＶ字形の押上具１９を有する輸送橋２０により実行される。輸送作業部１６″はまた、空気シリンダまたは電気モータの形態の駆動装置（図示せず）を備え、輸送橋２０が、図５に示された下方位置と、押上具１９の列がコンベアベルト３の下縁の直下に位置する上方位置との間で垂直方向に往復運動し得るようになっている。押上具１９は、コンベア８が働いていないときに上方へ内送りコンベア８内の支持体の間に移され、未加工品を上方コンベアベルト３上の支持体４間の室へと移動させ得るように配置されている。押上具１９はそれぞれ、上縁がＶ字形の凹所をもつ比較的薄い板から成る。凹所は、包装容器未加工品を輸送する間、以下詳細に説明するように、包装容器未加工品の底パネルの前形成に協力するように配設されている。
【００１２】
上述したように、第１作業ステーション１６はまた、輸送作業部に加え、上方コンベアベルト３の下縁の僅か下方、すなわち両コンベア２，８の前方部分（図６）の間の空間に置かれた底部密封作業部を有している。より正確には、第１作業ステーション１６は一連の密封顎２１と、これら密封顎２１に遠近自在にほぼ水平面内で移動する対抗顎２２とを有する。密封顎２１は超音波駆動タイプであり、１個以上の超音波発生器２３（概略図示）に連結されている。対抗顎２２と同じく密封顎２１も平行に移動可能な構造であり、１台の駆動モータを使用して顎２１，２２を互いに向き合う方向へ同時に移動させ、顎の互いに向き合った作業面が、包装容器未加工品を収容し、コンベアベルト３の活動領域にある支持体４により形成された室の、共通な長手方向中心線の直下の中心位置において出会うようにされている。従って、駆動モータ２４を用いて、顎２１，２２は、顎の作業面が包装容器未加工品材料の層を間に介在させて互いに接触する位置にある上記の一方端位置と、図３に示した、顎２１，２２の両群がコンベアベルト３とその室内に置かれた包装容器未加工品との変位を許すように互いに最も離れて配置された他方端位置との間で群をなして移動可能になっている。
【００１３】
先に述べたように、第２、第３の作業ステーション１７，１８は基本的には互いに同じであり、作業ステーション１７，１８の長さがそれぞれコンベアベルト３の運動方向に見て、作業ステーション１６の長さの半分しかないことを除いては、作業ステーション１６の構造に相似の構造を有している。かくて、作業ステーション１７，１８はそれぞれ、共通の橋の上に置かれた３個の密封顎２５と、それに関連した超音波発生器（図示せず）とを有している。各作業ステーション１７，１８内の対抗顎２６は密封顎２５に対して平行に置かれており、顎２５，２６が前述した能動、受動の両端位置間を駆動モータ２８により互いに近付き遠ざかるように往復動し得るようになっている。
各作業ステーション１７，１８の上方に、作業ステーション内にコンベアベルト３の支持体４により支持されて置かれた包装容器未加工品に液体内容物を供給するための３本の充填管が配置されている。各充填管２９はその上部において計量ポンプ３０に連結されており、ポンプ３０は導管（図示せず）を介してタンクのような最終内容物の源泉に連結されている。
種々の作業ステーションの密封、および対抗顎２１，２５；２２，２７の懸吊と駆動とは、包装機械の端面立面図であり、全てのフレーム部分と他の余分な詳細とが省略されている図６から明瞭である。中心に置かれた輪６の両側に支持体を備えたコンベアベルト３が見られ、コンベアベルトの上方に充填管２９をもつ両方の計量ポンプ３０が配置されている。図６の左下に、第１作業ステーションの密封作業部１６′が示されており、その上に第２作業ステーションの密封作業部１７′が置かれている。第２作業ステーション１７とは鏡面対称に配置されてはいるが構成は同じである作業ステーション１８の密封作業部１８′が密封作業部１７′と整列して、輪６の右側に配置されている。図面から、密封ステーションに含まれる密封顎、対抗顎が互いに整列して配置されており、互いに滑動的に収容するフレーム部３１（本部分は、密封顎とそれに関連する超音波発生器とが直線的変移を、また互いに平行な変移を行い得るように設計されている）は単に部分的に示されている。上記記載から、全ての作業ステーション、すなわち閉止密封ステーションと充填ステーションとが、他の型式のモジュールと交換可能な、自身の動力、材料供給源を備えた独立した機械モジュールを構成していることは明らかである。かくて、例えば形成、密封ステーションが、頂部または底部の設計、構造を異にする包装容器、または代わりに、寸法を異にする包装容器の製作を可能にするモジュールに交換されることが可能である。種々の互いに協働するステーションの同期は共通の制御ユニットにより保証されている。しかし、これはよく知られた技術であるから本明細書では詳しくは取り扱わない。
【００１４】
処理ステーションを主コンベアの両方の部分すなわち走行部に配置することは、２個の互いに重ねられたコンベアを採用したことと同様に、スペースを節約し全体としてコンパクトな設計、構造を保証している。空間効率への他の貢献が、作業ステーション１６に備わった輸送、形成、密封ステーションの組み合わされた作用と、充填、頂部密封ステーション１７，１８の組み合わせとによって達成されている。
本発明の包装機械を使用して製作されようとする包装容器は、本質的に従来のタイプのものであり、図７から図１０までに図示されている。包装容器は、図７に示したタイプの独立した素材から製作された管状の四角断面の包装容器未加工品の形態で包装機械に供給される。各素材は、熱可塑性物質の少なくとも１枚の外層をもつ包装材料から成り、互いに平行な垂直な折り目線３３により区分された互いに並置された側壁パネル３２を有している。素材の一端には比較的狭い密封パネル３４が付加されており、密封パネル３４は、素材を管状に成形した後、素材の反対端に位置する側壁パネル３２の自由縁に熱密封により結合される。側壁パネルの上下縁には多くの基本的には同じ頂部および底部パネル３５，３６が設けられており、これらパネルは、いわゆる切り妻形の頂部端密封部をよく知られた方法で形成するために、四角形および三角形の狭いパネルを交互に有している。密封部は自由端において、頂部および底部密封パネル３７，３８によってそれぞれ液密態様で密封される。この場合には、包装容器の両端に２個の密封フィン３９，４０が形成される。これらフィンの最下部は、切り妻頂部を形成する底パネル３６を圧縮するのと同時に下方に折り畳まれ、包装容器はほぼ平面の底を形成される。包装容器未加工品は、以下に詳細に述べる本発明の包装機械を用いて段階的に再成形される。
【００１５】
本発明の機械が、図８に示すタイプの前加工された包装容器未加工品から図１０に示すタイプの充填、密封された包装容器を製造するように運転されるときには、平らに置かれた包装容器未加工品が機械の左側（図３，５）に供給され、そこで未加工品は、出口端が内送り輪１２に直接隣接して送り出す前述したマガジン１５内に位置される。前述した欧州特許出願第９０３１１５７０．７号に記載されているように、内送り輪１２には、内送り輪１２が反時計方向に回転されるとき、一度に１個の平らに置かれた包装容器未加工品を把握しマガジンから受け取る多数の把握腕が設けられている。内送り輪１２の把握腕により、それぞれの包装容器未加工品の折り畳み、押し上げが同時に実施され、内送り輪１２が押し上げられた状態でほぼ半回転した後、未加工品は内送りコンベア８の始発端に達し、そこで各包装容器未加工品が内送りコンベア８の２個の支持体の間に置かれる。内送り輪１２は輪９の回りを走行する内送りコンベア８の部分に直接隣接して位置しているから、内送りコンベア８の支持体は先広がり、すなわち開放状態にあり、図３に明瞭に示すように、各独立の包装容器未加工品を支持体の間に置くことを非常に容易にしている。内送りコンベア８内に置かれた包装容器未加工品が、開放状態に置かれた支持体の間の室から脱落することを防ぐために、内送りコンベアの運動経路に沿って従来の方法で延びている多数の案内が設けられている。
【００１６】
本発明の包装機械の図示された実施例においては、内送り輪１２は、約２５０°の角度内で輪の周辺に配置された６個の支持体を有している。これにより、内送り輪１２が連続的に回転するとき、６個の包装容器未加工品の群が間欠的に内送りコンベア８の支持体間の６個の並置された室へと輸送される。運転中に、内送りコンベア８も時計方向に間欠的に変移され、その際、内送りコンベア８の運動は内送り輪１２の運動と同期し、内送りコンベアが包装容器未加工品が該コンベアに移されるのと同時に運動するようになっている。その後、内送りコンベア８は停止するが、内送り輪１２が次の内送りフェイズまで回転したとき、内送りコンベア８が６個の包装容器未加工品の次の１群を受容するように再び加速される。内送りコンベアはある程度の加速、減速走行距離を必要とするので、各群の間には１個の空室が生じる。
【００１７】
内送りコンベア８の時計方向の間欠的な運動が、包装容器未加工品の内送り群を主コンベア２の右方端すなわち第１部分（図３、図５）の直下を該部分に平行に走る内送りコンベアの経路の部分へと正しく輸送する。主コンベア２も間欠的に運動するが、その各変移量は包装容器未加工品の群と、中間に介在する加速減速のための空室との合計長さに対応している。後述するように、コンベアの室は、主コンベアの休止位置において、各作業ステーションの作業位置に一致しており、主コンベア２の休止位置はさらに内送りコンベア８の休止位置に一致し、包装容器の１群のためのコンベアの室が互いに整列（上部）して到着し、その際、コンベアが休止している間に、包装容器未加工品を内送りコンベアから垂直上方へ移動させ主コンベア２へと邪魔されることなく輸送することを可能にしている。これは作業ステーション１６において実施される。
【００１８】
内送りコンベアが１群の包装容器未加工品を作業ステーション１６へ移動させると、先ず輸送作業部１６″が輸送橋２０と共に作動され、そのＶ字形の押上具１９が垂直上方に内送りコンベアのそれぞれの室に移動される。この場合、押上具１９は管状の包装容器未加工品の下端と接触し、そのとき、各押上具１９のＶ字形縁が、再び３角形に畳まれたパネルに分割された底パネル３６と、弱い垂直の折り目線を形成され包装容器未加工品の縁に位置する底密封パネル３８とに接触する。この構造の結果、包装容器未加工品が内送りコンベア８から主コンベア２へと垂直に移動されるとき、包装容器未加工品の底パネル３６の前折り畳みがなされ、３角形の再折り畳みをされたパネルが互いに向かって移動され、同時に、破られていない底主パネル３６′が互いに向かって倒される。しかし、このことはこの形式の包装容器に使用されるよく知られた成形作業であるから詳細に説明する必要はないと思われる。
【００１９】
包装容器未加工品の垂直移動が終結に近付くと、包装容器未加工品の頂部パネル３５に、垂直方向に移動可能な前折り畳み装置４１が作用し、包装容器未加工品と接触してきた該装置４１の部分が、３角形の頂部パネルに作用するＶ字形の下方に向かった凹所をもつ押上具１９に似た設計をされており、それにより、包装容器未加工品の頂部もまた、互いに傾斜した頂部主パネル３５′をもつ前折り畳み作業を実施される。底部および頂部両方のパネルを折り畳んだ後、押上具１９が（折り畳み装置４１と共に）、主コンベア２の上部領域と内送りコンベア８の下部領域とからそれぞれ隔置された非活動位置へと戻され、そこに位置するコンベアと包装容器未加工品とは自由に移動可能になる。
【００２０】
作業ステーション１６における包装容器未加工品の群が、内送りコンベア８から主コンベア上の支持体４間の対応する室へと完全に移動されたとき、すべてが同じ垂直位置に置かれ、そこでは、包装容器未加工品の下方の水平底密封パネル３８は支持体の端縁の外側に、密封顎２１と対抗顎２２との作業面にほぼ整列して位置されている。ここで、底部密封作業部１６′が、密封顎２１と対抗顎２２とが互いに向き合う方向に平行に移動するように操作され、その際、その作業面が包装容器未加工品の密封パネル３８と接触し、超音波密封を同時に行いながら密封パネルを互いに押し付ける。前述した前成形工程において内側へ折り畳まれた３角形の底部パネルが、互いに対して傾斜した底部主パネル３６′の間の、内側へ折り畳まれた互いに向き合った位置において前密封され、それにより、包装容器未加工品が、図９の包装容器未加工品の下端に示すように、切り妻タイプの底形状を有している。密封が完成された後、密封顎２１と対抗顎２２が図３に示す非活動位置へ戻される。ついで、主コンベア２が、液密封底を設けられた包装容器未加工品を次の作業ステーションへ移動させる。
【００２１】
次の作業ステーションは、主コンベアの運動方向に見て、２台の充填、頂部密封ステーション１７，１８であり、前述したように互いに同じである。作業ステーション１７，１８はそれぞれ、作業ステーション１６から出て来た包装容器未加工品の群の半分を処理するように、すなわち、図示の実施例においては、６個の包装容器未加工品が２個の副群に分割されるようにされており、かくて、最初の３個の包装容器未加工品が運動方向に見て充填、頂部密封ステーション１８に位置決めされ、後の３個の包装容器未加工品が充填、頂部密封ステーション１７に位置決めされる。勿論、このことは主コンベアの同じ運動において生じるのではなく、逐次供給される複数個の群が常に間欠的に主コンベア２の回りに移動されるのである。しかし、これは当然のことであるから詳細には述べない。コンベア２の助けにより、計量ポンプ３０の充填管２９の真下にある充填、頂部密封ステーション１７（または代わりにステーション１８）に達した３個の包装容器未加工品は、コンベア２が停止すると、押上具（図示せず）の助けにより容器の上部開放端が充填管を取り囲むまで垂直上方へ移動される。つぎに、充填が開始され、計量された量の内容物が充填管２９の下端を経て下方へ包装容器未加工品内へと流出する。同時に、包装容器未加工品は充填サイクルと同じ速度で再び降下され、不必要な飛散または泡立ちが回避される。包装容器未加工品を充填管回りに位置させ、ついで、充填サイクルと同じ速度で降下させる方法は、それ自身よく知られており、多くのタイプの包装容器において用いられている。
【００２２】
充填サイクルが完了すると、３個の包装容器未加工品は再び、Ｔ字形の支持体により画定された主コンベア２の凹所、より正確には、包装容器未加工品の頂部パネル３５がコンベア２の上縁の上に延びている垂直位置に位置される。この位置で、頂部パネル３５が折り畳まれ、同時に、所望のレベルまで充填された包装容器未加工品の上端が密封される。この密封は、充填、頂部密封ステーションに配置された密封および対抗顎２５，２７が、２個の頂部主パネル３５′が３角形の内畳みパネルの両側において互いに向かって倒れるように、関連する駆動モータ２８により互いに向かって平行に移動され、その後、密封顎２５の作業面が、液密頂部密封を形成すべく対抗顎２７と共にこのパネルを超音波密封するために、頂部パネル３５の頂部密封パネル３７と接触させられることにより実行される。密封顎２５と対抗顎２７とは、その後、互いから遠去かるように、例えば図４に図示された休止位置へと平行に移動される。
【００２３】
主コンベア２の続く間欠的移動が所望の量の内容物を充填され完全に密封された包装容器未加工品を第２の充填、頂部密封ステーション１８の下流の領域へと移動させる。包装容器未加工品の底端に突出する底密封フィン４０を最終的に折り畳み、底形状を図９に示すものから図１０に示すものへ変化させるために、包装容器未加工品の密封フィン４０が主コンベア２の移動に伴って、主コンベアの長手方向に対して角度を有して延びる案内部材と接触するようにされており、案内部材は主コンベアの真下に置かれ、密封フィンを側方へ折り畳むように逐次密封フィンに作用する。ついで、追加の案内部材または往復動押圧密封装置４１の助けにより、切り妻屋根状の底部が、底部の種々の部分が熱密封により所望の平面状態にされたほぼ平面の底に再形成される。つぎに、完成した包装容器が排出装置４２により主コンベアの室から取り出される。排出装置４２は、包装容器がさらに継ぎ目無しコンベアベルト上に直立して輸送されるように、例えば包装容器の頂部に働く空気的または電気的に駆動される器具を用いて、包装容器を軸方向下方に移動させる。既知の他の方法を用いることもある。
【００２４】
各作業および処理ステーションは、関連する電気的または空気的動力源とともに、独立のモジュールを形成しているから、その数と作用とは広い範囲で変化可能である。このことは、コンベアの両部分が有効に利用される緊密な機械を実現させる。勿論、内送りコンベアと主コンベアとを分離して別々の平面に配置することも緊密度に貢献している。組み合わされた充填、密封ステーションとしての２台の作業ステーション１７，１８の設計、構造もまた、包装容器の上方部分が、充填作業が終わった直後に液密状態に密封されるのであるから、機械の作業率を増大させるのに貢献している。従来の機械においては、充填と密封とは離れたステーションにおいて行われ、該ステーションの間には水平な輸送距離が存在し、包装容器は、液の漏洩を避けるためには遅く均一な速度でこの距離を走行しなければならない。
【００２５】
図示のタイプの包装容器は本包装機械により成形、充填、密封されるのに適している、しかし勿論他のタイプの包装容器も製造され得る。機械のモジュール方式の結果として、例えば、頂部および底部密封は種々の方法で容易に実行され得る。例えば、未加工品の端部の片方または双方が、一体に統合された頂部、底部パネルを形成されておらず、代わりに、例えば注入孔と再閉鎖構造をもつ前加工された頂部部品の形態の別々の頂部、底部を設けられることも可能である。
本発明は、上述し図示されたものに限定されると考えるべきではなく、添付の特許請求の範囲に記載の趣旨と範囲から外れることなく多くの変形が考えられよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】機械の保護覆い、および他の邪魔な部品を除去した包装機械の主要部を示す。
【図２】図１の機械の骨格構造の側立面図。
【図３】図１の機械の骨格構造の平面図。
【図４】機械の包装処理部の設計、配置を明瞭に示すため、詳細部をさらに除去した図１に類似の図。
【図５】包装容器の輸送と処理を説明する、図１に類似の透視図。
【図６】機械の一部の端立面図。
【図７】本発明の包装機械を用いて製造される１タイプの包装容器の素材の一つを示す。
【図８】本発明の包装機械を用いて、図７の包装容器素材を、完成し充填された包装容器へと段階的に再形成することを示す透視図。
【図９】本発明の包装機械を用いて、図７の包装容器素材を、完成し充填された包装容器へと段階的に再形成することを示す透視図。
【図１０】本発明の包装機械を用いて、図７の包装容器素材を、完成し充填された包装容器へと段階的に再形成することを示す透視図。
【符号の説明】
２ 主コンベア
８ 内送りコンベア
１６ 第１ステーション
１７，１８ 第２ステーション
１２ 内送り輪
２１，２５ 密封顎
２２，２６ 対抗顎
２９ 充填管

Claims (10)

1. 水平な無端コンベア（２）と該コンベアに沿って配置された２つ以上の作業ステーション（１６，１７，１８）とを有し、それら作業ステーションが交換可能な機械モジュールの形態に形成されていて、該モジュールのそれぞれが、各関連するモータ（２４，２８）により駆動され、各モジュールのモータが共通の制御ユニットにより制御されるようになっている、充填、密封された包装容器を製造するための包装機械において、前記無端コンベア（２）が主コンベアを構成し、その主コンベア（２）の直下で内送りコンベア（８）が主コンベア（２）と部分的に平行に延びており、また、前記両コンベア（２，８）の互いに平行な部分に第１作業ステーションである輸送、底部密封ステーション（１６）が配置され、その輸送、底部密封ステーション（１６）が、包装容器未加工品を前記両コンベアの間で輸送すると共に、包装容器未加工品を充填し頂部を密封するための第２作業ステーション（１７，１８）に包装容器未加工品が到達する前に包装容器未加工品の端部を密封するようになっていることを特徴とする包装機械。
2. 請求項１に記載の包装機械において、前記無端コンベア（２）が第１部分を有し、該第１部分に沿って前記輸送、底部密封ステーションが配置されていて、包装容器未加工品の１群を同時に処理するようにされており、また、前記第２作業ステーションが、前記無端コンベアの第１部分に沿って配置されて前記群の中の一部の包装容器未加工品を充填、密封するように作動する充填、頂部密封ステーション（１７）と、前記主コンベア（２）の第２部分に沿って配置されて前記群内の残余の包装容器未加工品を充填、密封するための第２充填、頂部密封ステーション（１８）とを有していることを特徴とする包装機械。
3. 請求項２に記載の包装機械において、前記２つの充填、頂部密封ステーション（１７，１８）がそれぞれ他のステーションの容量の半分の容量を有していることを特徴とする包装機械。
4. 請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の包装機械において、前記第１作業ステーション（１６）の輸送部が、包装容器未加工品の端部に形状的加工を同時に行っている間に、前記未加工品を前記内送りコンベア（８）から前記主コンベア（２）へ移動させるように配置された往復動する押上具（１９）を有していることを特徴とする包装機械。
5. 請求項４に記載の包装機械において、前記主コンベア（２）と内送りコンベア（８）とが室に区分されていることを特徴とする包装機械。
6. 請求項５に記載の包装機械において、前記第１作業ステーション（１６）の底部密封作業部が前記両コンベア（８，２）の平行部分の間に位置されていることを特徴とする包装機械。
7. 請求項６に記載の包装機械において、前記第１作業ステーション（１６）の底部密封作業部が前記主コンベア（２）の真下に位置され、主コンベア（２）の室の外側に延びる包装容器未加工品の端部分を密封するようにされていることを特徴とする包装機械。
8. 請求項６または請求項７に記載の包装機械において、前記第２作業ステーション（１７，１８）が前記主コンベア（２）の上方に位置され、包装容器未加工品に内容物を充填した後、包装容器未加工品の反対側の端部を密封するようにされていることを特徴とする包装機械。
9. 請求項８に記載の包装機械において、前記第２作業ステーション（１７，１８）の密封、充填部が前記主コンベア（２）に沿って同じ場所に位置されていることを特徴とする包装機械。
10. 請求項７から請求項９までのいずれか１項に記載の包装機械において、前記第２作業ステーション（１７，１８）の充填部が、包装容器を密封するための密封部の装置の上方に位置されている充填管（２９）を有することを特徴とする包装機械。

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