JP3544071B2 - 起立姿勢で運転可能な電動走行車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、足腰が弱い或いは足腰に障害のある高齢者や身障者に適した電動走行車に関する。更に詳しくは起立した姿勢で運転できる電動走行車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、足腰が弱い或いは足腰に障害のある高齢者や身障者は座った状態で乗る車椅子、電動三輪車又は電動四輪車を使用して社会参加していた。
例えば、電動三輪車としては、後輪が二輪で構成され前輪が単一で構成され、これらの後輪及び前輪をフレームが支持し、前輪部分のフレームの両外側から上方に向ってフットレスト機構が設けられたものが開示されている(実開平5−5123)。この電動三輪車では、フットレスト機構が上端部に装備されたフットレストクッションと、このフットレストクッションを支持するクッション支持パイプ部とを備える。フットレストクッションがクッション支持パイプ部に前後方向への回動を許容するように構成され、クッション支持パイプが伸縮してフットレストクッションの高さを調整可能に構成される。また後輪に近接したフレーム上には乗員の座席が設けられる。
このように構成された電動三輪車では、座席に座った乗員の一番楽な姿勢で足の投げ出し位置を定めることができるので、この状態を維持しながらの運転操作及び休憩ができ、乗員の疲労の蓄積を軽減できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の電動三輪車では、乗員が座席に座っているため、そのアイポイントは背の低い子供に近く、保護される立場が強調される。この結果、足腰が弱い或いは足腰に障害のある高齢者や身障者が活性化し、自立を促進する機会を減少させる不具合があった。
また、上記従来の電動三輪車では、乗員が座席に座った状態で乗るため、この三輪車の地上投影面積が比較的大きくなって、一般歩行者との共存が難しくなる問題点があった。
本発明の目的は、起立してアイポイントを高くすることにより乗員の活性化を促すことができ、地上投影面積を小さくできる、起立姿勢で運転可能な電動走行車を提供することにある。
本発明の別の目的は、転倒を防止でき、容易に乗降できる、起立姿勢で運転可能な電動走行車を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1〜図に示すように、ベースフレーム11と、このベースフレーム11の前部を支持する左右一対の前輪12,12と、ベースフレーム11の後部を支持する左右一対の後輪13,13と、一対の前輪12,12をそれぞれ駆動する駆動手段14と、ベースフレーム11に水平に取付けられ起立した乗員19の足19aを載せるフロアパネル18と、ベースフレーム11の後部から上方に延びるリヤフレーム20の上端又は上端近傍に設けられ起立した乗員19の尻19bを受ける尻受け部23と、ベースフレーム11の前部から上方に延びるフロントフレーム26の上端に設けられ起立した乗員19が把持するハンドル27と、ハンドル27又はフロントフレーム26に設けられ起立した乗員19が操作することにより駆動手段14を制御するコントローラ36と、フロントフレーム26の下部から後方に向って突設されたアーム37の後端に設けられ起立した乗員19のすね19d又は膝を受ける脚受け部39とを備えた起立姿勢で運転可能な電動走行車であって、ベースフレーム11の下面にベースフレーム11の幅方向中央から両外側方に向って延びる一対の転倒防止具52,52が設けられ、転倒防止具52がベースフレーム11の幅方向中央から外側方に向うに従って路面に近付くように傾斜して設けられた筒状のケース53と、ケース53に突出可能に収納されたピストンロッド54と、ピストンロッド54をケース53から突出する方向に付勢するばね56と、ピストンロッド54をケース53に収納した状態で一時的に保持するロック機構61と、ベースフレーム11が側方に所定角度以上傾いたことを検出する傾斜センサ62と、傾斜センサ62の検出出力に基づいてロック機構61を解除するロック解除機構63と、ケース53から突出したピストンロッド54をケース53に収納するロッド収納機構66とを備えたものである。
この請求項1に係る電動走行車では、乗員19の尻19bを尻受け部23が受け、乗員19のすね19d又は膝を脚受け部39が受けるので、足腰が弱い或いは足腰に障害のある乗員19であっても安定した起立姿勢を維持できる。この結果、乗員19は心身の機能に刺激を受け、かつ歩行者と略同一の高さのアイポイントとなるため、乗員19の活性化を促すことができる。また起立姿勢で乗車するため、この電動走行車10の地上投影面積を小さくでき、歩行者と共存し易くなる。更にベースフレーム11が側方に所定角度以上傾いたときにロック解除手段63が傾斜センサ62の検出出力に基づいてロック機構61を解除し、ピストンロッド54がばね56の弾性力によりケース53から突出して路面65に当接する。この結果、電動走行車10の転倒を防止できる。
【0006】
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1及び図6に示すように、アーム37の前端がアーム角度調整機構38を介してフロントフレーム26に枢着され、アーム角度調整機構38がアーム26を所定の角度で一時的保持することにより脚受け部39の高さが調整可能に構成されたことを特徴とする。
この請求項に係る電動走行車では、乗員19の体格に合った最適な位置で、すね19d又は膝を受けることができるので、乗員19は疲労しない。
【0007】
請求項に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図10に示すように、リヤフレーム80がベースフレーム11の後部左右両端から上方に延びる第1及び第2鉛直部81,82を有し、尻受け部23が第1及び第2鉛直部82の上端又は上端近傍に掛け渡された水平部24を有し、第1鉛直部81が下側鉛直部83と上側鉛直部84とに2分割され、上側鉛直部84が下側鉛直部83に対して離脱可能に係止し、上側鉛直部84が下側鉛直部83から離脱した状態で水平部24とともに第2鉛直部82の軸心を中心に回動可能に構成されたことを特徴とする。
この請求項に係る電動走行車では、上側鉛直部84を下側鉛直部83から離脱して水平部24とともに第2鉛直部82の軸心を中心に回転させると、第1及び第2鉛直部81,82間が開放されるので、この開放された第1及び第2鉛直部81,82間から乗降でき、乗降性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図9に示すように、電動走行車10はベースフレーム11と、このベースフレーム11の前部を支持する左右一対の前輪12,12と、ベースフレーム11の後部を支持する左右一対の後輪13,13と、一対の前輪12,12をそれぞれ駆動する駆動手段14とを備える。ベースフレーム11は車幅方向に所定の間隔をあけて走行車10の進行方向に延び前端が下方に曲げられた一対のサイドメンバ11a,11aと、これらのサイドメンバ11a,11aの前端に架設されたフロントクロスメンバ11bと、後述するリヤフレーム20の第1及び第2鉛直部21,22の下端に架設されたリヤクロスメンバ11cと、フロントクロスメンバ11bの中央とリヤクロスメンバ11cの中央との間に架設された補強メンバ11dとを有する。
【0009】
また一対のサイドメンバ11a,11aの前端には一対の減速機用ブラケット16の後端がそれぞれ固着される(図1及び図2)。駆動手段14は一対の減速機用ブラケット16の前端にそれぞれ取付けられた一対の減速機14a,14aと、これらの減速機14a,14aの互いに対向する面にそれぞれ取付けられた一対の電動モータ14b,14bとを有する。一対の減速機14a,14aの互いに対向する面とは反対側の面には一対の出力軸14c,14cがそれぞれ突設され、一対の前輪12,12はこれらの出力軸14c,14cにそれぞれ嵌着される。電動モータ14bの駆動力は減速機14aを介して前輪12に伝達されるようになっている。また一対のサイドメンバ11a,11aの後端には鉛直方向に延びる一対の短管17がそれぞれ固着される。一対の後輪13,13はキャスタ、即ち方向自在の小型車輪であり、これらの後輪13,13は上記短管17にそれぞれ取付けられる(図1〜図3)。
【0010】
ベースフレーム11には水平にフロアパネル18が取付けられる(図1及び図3〜図5)。このパネル18はベースフレーム11の一対のサイドメンバ11a,11aに係止して取付けられる一対の取付部18a,18aと、補強メンバ11dの後部に被せられる突出部18bと、起立した乗員19の足19aが載る一対の足載せ部18c,18cとを有する。またベースフレーム11の後部にはリヤフレーム20が上方に延びて設けられる。リヤフレーム20は一対のサイドメンバ11a,11aの後部にそれぞれ立設された第1及び第2鉛直部21,22を有し、これらの鉛直部21,22の上端には尻受け部23の水平部24が架設される。水平部24には円筒状の尻用クッション部材25が嵌着され、このクッション部材25が起立した乗員19の尻19bを受けるようになっている。ベースフレーム11の前部、即ち一対のサイドメンバ11a,11aの前部には一対のフロントフレーム26,26が上方に延びてそれぞれ設けられ、これらのフロントフレーム26,26の上端には車幅方向に延びかつ両端が後方に曲げられたハンドル27が架設される(図1〜図3)。ハンドル27の両端には乗員19が把持可能な一対の把持部27a,27bが設けられる。これらの把持部27a,27bのうちの一方の把持部27aの後端には乗員19の腰19cに回されるベルト28の一端が係止し、このベルト28の他端が他方の把持部27bの後端に離脱可能に係止する。また一対のフロントフレーム26,26の上部にはクロスパイプ29が架設され、このクロスパイプ29の中央と水平部24の中央との間には跨ぎ部31が架設される。跨ぎ部31には円筒状の跨ぎ用クッション部材32が嵌着される。
【0011】
一対のフロントフレーム26,26の下部にはバッテリ用フレーム33が前方に突出して設けられ、このフレーム33上には一対のバッテリ34,34が載置される。またハンドル27にはコントローラ36が取付けられる。一対のバッテリ34,34は図示しないがコントローラ36を介して一対の電動モータ14b,14bに電気的に接続され、乗員19がコントローラ36を操作することにより一対の電動モータ14b,14bの回転速度及び回転方向が制御されるようになっている。また電動モータ14bはブレーキ付きモータであり、コントローラ36により電動モータ14bへの通電を停止すると、電動モータ14bはブレーキにより速やかに停止するようになっている。一対のフロントフレーム26,26の下部には一対のアーム37,37の前端がアーム角度調整機構38を介して回動可能に取付けられ、一対のアーム37,37の後端は脚受け部39の連結パイプ41が架設される(図1、図3及び図6〜図9)。連結パイプ41には円筒状の脚用クッション部材42が嵌着され、脚用クッション部材42が起立した乗員19のすね19dを受けるようになっている。
【0012】
アーム角度調整機構38は図6〜図9に詳しく示すように、一対のアーム37,37の前端にそれぞれ固着され周縁に所定の間隔をあけて複数の凹溝44aが形成されかつ上端が一対のフロントフレーム26,26に一対のピン43a,43bを介してそれぞれ枢着された略半円状の一対のサポートアジャスタ44,44と、一対のフロントフレーム26,26に形成された長孔26a,26aに上下動可能に挿入され複数の凹溝44aに選択的に係止するアジャスタストッパ46と、アジャスタストッパ46を凹溝44aに係止する方向に付勢するスプリング47(図9)とを有する。長孔26aはフロントフレーム26の長手方向に延びかつ上端が凹溝44aと一致するようにフロントフレーム26に形成される。またフロントフレーム26には長孔44aより所定の距離だけ下方にストッパボルト48が挿入され、ストッパボルト48はこのボルト48の突出端にナット49を螺合することにより固定される。スプリング47は圧縮コイルばねであり、パイプ状のフロントフレーム26内のアジャスタストッパ46及びストッパボルト48間に介装される(図9)。一対のピン43a,43bのうち一方のピン43aにはアジャスタロック51の上端が回動可能に取付けられ、このアジャスタロック51の下端はアジャスタストッパ46に係止可能に構成される(図6及び図8)。
【0013】
ベースフレーム11の下面にはベースフレーム11の幅方向中央から両外側方に向って延びる一対の転倒防止具52,52が設けられる(図1、図2、図4及び図5)。転倒防止具52は図4及び図5に詳しく示すように、ベースフレーム11の幅方向中央から外側方に向うに従って路面に近付くように傾斜して設けられた筒状のケース53と、ケース53に突出可能に収納されたピストンロッド54と、ピストンロッド54をケース53から突出する方向に付勢するばね56とを有する。ケース53はフロアパネル18下面に固着されたケース用ブラケット57により保持される。ピストンロッド54の基端にはケース53内を摺動するピストン58が設けられ、ピストンロッド54の先端にはゴム等により形成された弾性体59が嵌着される。ばね56は圧縮コイルばねであって、ケース53の内底面とピストン58との間に介装される。
【0014】
またケース53にはピストンロッド54をケース53に収納した状態で一時的に保持するロック機構61と、ベースフレーム11が側方に所定角度以上傾いたことを検出する傾斜センサ62と、傾斜センサ62の検出出力に基づいてロック機構61を解除するロック解除機構63とが設けられる。ケース53の下端近傍の外周下面にはこのケース53の長手方向に延びる揺動バー63の略中央がピン64を介して枢着される。この揺動バー63の一端にはこの一端をケース53の通孔53a(図5)からケース53内に臨むように折曲げることにより係止爪61が形成され、揺動バー63の他端には路面65に向って折曲げることによりセンシング爪62が形成される。ピン64には図示しないが揺動バー63を図4の実線矢印の方向に回転するように付勢するねじりコイルばねが巻回される。センシング爪62が路面に当接して揺動バー63が図5の破線矢印の方向に回転すると係止爪61のピストン58への係止が解除されるようになっている。この実施の形態では、係止爪61、センシング爪62及び揺動バー63がロック機構、傾斜センサ及びロック解除機構をそれぞれ構成する。
【0015】
また転倒防止具52及びフロントフレーム11にはケース53から突出したピストンロッド54をケース53に収納するロッド収納機構66が設けられる(図1〜図5)。ロッド収納機構66はピストン58の外周面に設けられケース53の長孔53b(図5)を通ってケース53外に突出する突片67と、一対のフロントフレーム26,26の上部に架設されたクロスパイプ29にレバー用ブラケット68及びピン69を介して枢着された操作レバー71(図1〜図3)と、突片67と操作レバー71とを連結するインナケーブル72とを有する。インナケーブル72にはこのケーブル72の両端を除いてアウタケーブル73が嵌入され、インナケーブル72はアウタケーブル73内を摺動可能に構成される。またアウタケーブル73の一端はケース53に固定され(図4及び図5)、他端はレバー用ブラケット68に固定される(図1及び図2)。操作レバー71はピストン58がピストンロッド54とともにばね56の弾性力により図5の実線矢印の方向に移動したときに図1の実線矢印の方向に瞬時に回転するため、図示しないカバーにより覆われることが好ましい。
【0016】
なお、リヤフレームを伸縮可能に構成することにより尻受け部の高さを調整可能に構成し、またアームを伸縮可能に構成することにより脚受け部をアームの長手方向に調整可能に構成してもよい。このように構成することにより、尻受け部や脚受け部を乗員の体格に合わせて微調整が可能となる。
また、尻受け部をリヤフレームの上端ではなく、上端近傍に設けてもよい。この場合、リヤフレームの水平部は第1及び第2鉛直部の上端近傍に架設される。
また、コントローラをハンドルではなく、フロントフレームに設けてもよい。
更に、脚受け部がすねではなく、膝を受けるように構成してもよい。
【0017】
このように構成された電動走行車の使用方法を説明する。
先ずベルト28の他端をハンドルの他方の把持部27bから外した状態で、電動走行車10の乗員19となる足腰が弱い或いは足腰に障害のある高齢者や身障者は介助者の助けを借りて跨ぎ用クッション部材32を跨ぎ、かつ尻用クッション部材25に尻19bが当たるように電動走行車10に乗る。次いでベルト28を腰19cに回してこのベルト28の他端を他方の把持部27bに係止する。次にアジャスタロック51をアジャスタストッパ46から外してアジャスタストッパ46を押下げ、アジャスタストッパ46をサポートアジャスタ44の凹溝44aから外す。この状態でアーム37を回転して脚受け部39の脚用クッション部材42を乗員19のすね19dの上部に当接させ、アジャスタストッパ46を離すと、このストッパ46はスプリング47の弾性力により上昇してサポートアジャスタ44の凹溝44aに係止し、アーム37が所定の角度で固定される。更にアジャスタストッパ46の上下動を阻止するためにアジャスタロック51をアジャスタストッパ46に係止する。
【0018】
この結果、乗員19は足腰が弱っていたり或いは足腰に障害があっても、安定した起立姿勢を維持できるので、心身の機能に刺激を受け、かつ歩行者と略同一の高さのアイポイントとなり、乗員19の活性化を促すことができる。上述のように乗車準備が完了した後、乗員19はコントローラ36を操作して電動走行車10を走行させる。このとき起立姿勢で乗車しているため、この電動走行車10の地上投影面積が小さく、従って歩行者の邪魔になることが少なく、歩行者と共存し易くなる。
【0019】
またバランスが崩れて電動走行車10が所定角度以上側方に傾くと、傾いた側の転倒防止具52のセンシング爪62が路面65に当接し、揺動バー63が図5の破線矢印の方向に回転し、ピストン58に係止していた係止爪61がピストン58から離脱する。この結果、ピストン58がばね56の弾性力によりピストンロッド54とともに実線矢印の方向に押出され、このロッド54の先端の弾性体59が路面65に当接するので、電動走行車10の転倒が阻止される。一方、ピストンロッド54の突出により操作レバー71が瞬時に図1の二点鎖線で示す位置まで回転する。そこで、乗員19は図示しないカバーを外して又はスライドさせて操作レバー71を実線で示す位置に回転させると、ピストン58がばね56の弾性力に抗して図4の位置に至る。このとき係止爪61の一方の面に傾斜面が形成されているので、ピストン58が上記傾斜面に当接して係止爪61をケース53外に押出し、ピストン58が図4の位置に至ると、係止爪61はねじりコイルばね(図示せず)の弾性力によりケース53内に挿入されてピストン58に係止する。この結果、ピストンロッド54はケース53に収納された状態に一時的に保持される。なお、上記第1の実施の形態では、転倒防止具を電動走行車の幅方向に取付けてこの走行車の横方向への転倒を防止したが、これに限らず電動走行車の前後方向に取付けてこの走行車の前後方向への転倒を防止してもよい。
【0020】
図10〜図13は本発明の第2の実施の形態を示す。図10において上記第1の実施の形態と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、リヤフレーム80の第1鉛直部81が下側鉛直部83と上側鉛直部84とに2分割され、上側鉛直部84が下側鉛直部83に対して離脱可能に係止し、上側鉛直部84が下側鉛直部83から離脱した状態で水平部24とともに第2鉛直部82の軸心を中心に回動可能に構成される。上側鉛直部84の下端には下端に大きな面取り部86aが形成された円柱状のスライダ86が摺動可能に挿入され、上側鉛直部84の下端近傍にはこの鉛直部84の長手方向に延びる長孔84aが形成される(図10及び図13)。スライダ86の上部周面には長孔84aを通して操作ピン87が螺着される。上側鉛直部84のうち長孔84aから所定の距離だけ上方にはストッパボルト88が挿入され、ストッパボルト88はこのボルト88の突出端にナット89を螺合することにより固定される。スライダ86とストッパボルト88との間には圧縮コイルばね91が介装され、このばね91によりスライダ86が上側鉛直部84の下端から突出する方向に付勢される。また下側鉛直部83の上端には後面上部に切欠き92aを有する回転阻止部材92が嵌着され、この回転阻止部材92により上側鉛直部84が下側鉛直部83より前方に回転しないようになっている。
【0021】
リヤフレーム80の第2鉛直部82はロア鉛直部93とアッパ鉛直部94とに2分割される(図10〜図12)。ロア鉛直部93の上端にはアッパ鉛直部94の下端に回動可能に挿入される支軸93aが設けられ(図11及び図12)、アッパ鉛直部94の下端近傍には円周方向に延びる円弧状長孔94aが形成される。アッパ鉛直部94に挿入された支軸93aの外周面にはストッパピン96が円弧状長孔94aを通して螺着される。アッパ鉛直部94は支軸93aを中心に水平部24及び上側鉛直部84とともに後方に約90度の角度の範囲内で回動可能に構成される。また図1中の符号97はスラストワッシャであり、第1の実施の形態における乗員が跨ぐ跨ぎ部はこの実施の形態では設けられない。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
なお、第2鉛直部を下側鉛直部と上側鉛直部とに2分割し、上側鉛直部を下側鉛直部に対して離脱可能に係止し、上側鉛直部を下側鉛直部から離脱した状態で水平部とともに第1鉛直部の軸心を中心に回動可能に構成してもよい。
このように構成された電動走行車では、操作ピン87を引上げて上側鉛直部84を下側鉛直部83から離脱させ、アッパ鉛直部94をロア鉛直部93の支軸93aを中心に水平部24及び上側鉛直部84とともに後方に回転させると、第1鉛直部81と第2鉛直部82との間が開放される。この結果、乗員は上記開放された第1鉛直部81と第2鉛直部82との間から乗降でき、乗降性が向上する。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ベースフレームの前部及び後部を一対の前輪及び一対の後輪がそれぞれ支持し、一対の前輪を駆動手段がそれぞれ駆動し、起立した乗員の足を載せるフロアパネルをベースフレームに取付け、尻受け部をリヤフレームの上端に設け、ハンドルをフロントフレームの上端に設け、駆動手段を制御するコントローラをハンドル又はフロントフレームに設け、更に脚受け部をアームの後端に設けたので、乗員の尻を尻受け部が受け、乗員のすね又は膝を脚受け部が受け、足腰が弱い或いは足腰に障害のある乗員であっても安定した起立姿勢を維持できる。この結果、乗員は心身の機能に刺激を受け、かつ歩行者と略同一の高さのアイポイントとなるため、乗員の活性化を促すことができる。また起立姿勢で乗車するため、この電動走行車の地上投影面積を小さくでき、歩行者と共存し易くなる。
【0023】
またベースフレームの下面に一対の転倒防止具を設け、転倒防止具のケースをベースフレームの幅方向中央から外側方に路面に向って傾斜して設け、ケース内のピストンロッドをばねが突出する方向に付勢し、ピストンロッドをケースに収納した状態でロック機構が保持し、ベースフレームの傾きを検出する傾斜センサの検出出力に基づいてロック解除機構がロック機構を解除し、更にケースから突出したピストンロッドをロッド収納機構がケースに収納するように構成すれば、ベースフレームが側方に所定角度以上傾いたときにロック解除手段がロック機構を解除し、ピストンロッドがばねの弾性力によりケースから突出してその先端が路面に当接する。この結果、電動走行車の転倒を防止できる。
【0024】
またアームの前端をアーム角度調整機構を介してフロントフレームに枢着し、アーム角度調整機構がアームを所定の角度で一時的保持することにより脚受け部の高さを調整可能に構成すれば、乗員の体格に合った最適な位置で、すね又は膝を受けることができるので、乗員は疲労しない。
更にリヤフレームが第1及び第2鉛直部を有し、尻受け部がこれらの鉛直部の上端又は上端近傍に掛け渡された水平部を有し、第1又は第2鉛直部を下側鉛直部と上側鉛直部とに2分割し、上側鉛直部が下側鉛直部に対して離脱可能に係止し、更に上側鉛直部を下側鉛直部から離脱した状態で水平部とともに第2又は第1鉛直部の軸心を中心に回動可能に構成すれば、上側鉛直部を下側鉛直部から離脱して水平部とともに第2又は第1鉛直部の軸心を中心に回転させると、第1及び第2鉛直部間が開放される。この結果、この開放された第1及び第2鉛直部間から乗降でき、乗降性が向上する。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の起立姿勢で運転可能な電動走行車を示す図2のA−A線断面図。
【図2】図1のB矢視図。
【図3】図1のC矢視図。
【図4】図1のD−D線断面図。
【図5】その電動走行車が側方に傾いて転倒防止具が作動した状態を示す図4に対応する断面図。
【図6】脚受け部を含む要部斜視図。
【図7】図6のE矢視図。
【図8】図6のF矢視図。
【図9】図8のG−G線断面図。
【図10】本発明の第2実施形態の尻受け部を含む要部斜視図。
【図11】図10のH−H線断面図。
【図12】図11のI−I線断面図。
【図13】図10のJ−J線断面図。
【符号の説明】
10 電動走行車
11 ベースフレーム
12 前輪
13 後輪
14 駆動手段
18 フロアパネル
19 乗員
19a 足
19b 尻
19d すね
20,80 リヤフレーム
23 尻受け部
24 水平部
26 フロントフレーム
27 ハンドル
36 コントローラ
37 アーム
38 アーム角度調整機構
39 脚受け部
52 転倒防止具
53 ケース
54 ピストンロッド
56 ばね
61 係止爪(ロック機構)
62 センシング爪(傾斜センサ)
63 揺動バー(ロック解除機構)
66 ロッド収納機構
81 第1鉛直部
82 第2鉛直部
83 下側鉛直部
84 上側鉛直部

Claims (3)

  1. ベースフレーム(11)と、
    前記ベースフレーム(11)の前部を支持する左右一対の前輪(12,12)と、
    前記ベースフレーム(11)の後部を支持する左右一対の後輪(13,13)と、
    前記一対の前輪(12,12)をそれぞれ駆動する駆動手段(14)と、
    前記ベースフレーム(11)に水平に取付けられ起立した乗員(19)の足(19a)を載せるフロアパネル(18)と、
    前記ベースフレーム(11)の後部から上方に延びるリヤフレーム(20)の上端又は上端近傍に設けられ前記起立した乗員(19)の尻(19b)を受ける尻受け部(23)と、
    前記ベースフレーム(11)の前部から上方に延びるフロントフレーム(26)の上端に設けられ前記起立した乗員(19)が把持するハンドル(27)と、
    前記ハンドル(27)又は前記フロントフレーム(26)に設けられ前記起立した乗員(19)が操作することにより前記駆動手段(14)を制御するコントローラ(36)と、
    前記フロントフレーム(26)の下部から後方に向って突設されたアーム(37)の後端に設けられ前記起立した乗員(19)のすね(19d)又は膝を受ける脚受け部(39)と
    を備えた起立姿勢で運転可能な電動走行車であって、
    前記ベースフレーム (11) の下面に前記ベースフレーム (11) の幅方向中央から両外側方に向って延びる一対の転倒防止具 (52,52) が設けられ、
    前記転倒防止具 (52) が、前記ベースフレーム (11) の幅方向中央から外側方に向うに従って路面に近付くように傾斜して設けられた筒状のケース (53) と、前記ケース (53) に突出可能に収納されたピストンロッド (54) と、前記ピストンロッド (54) を前記ケース (53) から突出する方向に付勢するばね (56) と、前記ピストンロッド (54) を前記ケース (53) に収納した状態で一時的に保持するロック機構 (61) と、前記ベースフレーム (11) が側方に所定角度以上傾いたことを検出する傾斜センサ (62) と、前記傾斜センサ (62) の検出出力に基づいて前記ロック機構 (61) を解除するロック解除機構 (63) と、前記ケース (53) から突出した前記ピストンロッド (54) を前記ケース (53) に収納するロッド収納機構 (66) とを備えたことを特徴とする起立姿勢で運転可能な電動走行車
  2. アーム(37)の前端がアーム角度調整機構(38)を介してフロントフレーム(26)に枢着され、前記アーム角度調整機構(38)が前記アーム(37)を所定の角度で一時的保持することにより脚受け部(39)の高さが調整可能に構成された請求項記載の起立姿勢で運転可能な電動走行車。
  3. リヤフレーム(80)がベースフレーム(11)の後部左右両端から上方に延びる第1及び第2鉛直部(81,82)を有し、
    尻受け部(23)が前記第1及び第2鉛直部(81,82)の上端又は上端近傍に掛け渡された水平部(24)を有し、
    前記第1又は第2鉛直部(81,82)が下側鉛直部(83)と上側鉛直部(84)とに2分割され、
    前記上側鉛直部(84)が前記下側鉛直部(83)に対して離脱可能に係止し、
    前記上側鉛直部(84)が前記下側鉛直部(83)から離脱した状態で前記水平部(24)とともに前記第2又は第1鉛直部(82,81)の軸心を中心に回動可能に構成された
    請求項1又は2記載の起立姿勢で運転可能な電動走行車。
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