JP2001276143A - 段差乗り越え装置並びにこれを備えた軽移送車両及び車椅子 - Google Patents

段差乗り越え装置並びにこれを備えた軽移送車両及び車椅子

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JP2001276143A
JP2001276143A JP2000094969A JP2000094969A JP2001276143A JP 2001276143 A JP2001276143 A JP 2001276143A JP 2000094969 A JP2000094969 A JP 2000094969A JP 2000094969 A JP2000094969 A JP 2000094969A JP 2001276143 A JP2001276143 A JP 2001276143A
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Koki Tokumoto
弘毅 徳本
Fumio Hayashi
文雄 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反動を生じることなくスムーズに段差を乗り
越えることができ、また患者や身障者の体を回すことな
くシート側方からスムーズに着座できる車椅子その他の
軽移送車両を提供せんとする。 【解決手段】 車椅子前輪3の上方位置付近において車
椅子左右の側部フレーム2に設けた枢軸5aと、前記枢
軸5aに前後に回動自在に支持したアーム部材5であっ
て、長さが枢軸5aと前輪の接地面間の距離よりも長く
設定され、先端が前輪3よりも前側に位置する前方下が
りの初期姿勢11において、先端が走行面上の段差に当
接し、車椅子とは相対的に後方へ回動されることによ
り、前輪3を段差上へ持ち上げるアーム部材5と、前記
後方へ回動したアーム部材5を初期姿勢11に復帰させ
るための復帰手段Bとを備え、側部フレーム2の後部に
縦設した枢軸26により、少なくとも側当て部60及び
足置き部70を一体で外側方へ回動可能に支持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子等の軽移送
車両に設けられる段差乗り越え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の車椅子は、座席を保持するフレー
ムの前後に2輪づつ車輪を有し、介助者が後部の握りを
持って押進させる患者輸送車として使用されるものと、
着座した身障者が自ら後輪のプッシュリムを手に持ち自
操する補装具として使用されるものとがある。
【0003】ところで、これら車椅子の前輪は、方向転
換容易な小径のキャスターで構成されており、1cm程
度の高さを有する段差であっても、これを乗り越えるた
めには非常に大きな力を必要とし、それ以上の高さの段
差では自操での乗り越えがほぼ不可能となる。また、フ
レームの側方には、患者の転落を防止すべく、肘当てを
上部に有する側当て部が構成されており、乗降りの際に
は座席前方の足置き台を上方に回動させたうえで、前後
方向に乗降りする必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、特開平8−25
2282号公報には、段差の乗り越えを容易にする手段
として、前輪の前方にさらに小径の補助輪を設け、2段
式で段差を乗り越える車椅子が開示されている。また、
特開平11−56912号公報には、座席側方からの患
者の乗降りを可能にするため、側枠(側当て部)、後輪
及びフレーム後部の後輪支持体が一体で軸線回りに回動
自在な状態に構成された車椅子が開示されており、その
他、側当て部を取外し可能に構成したものもある。
【0005】しかしながら、2段式で段差を乗り越える
前記公報に記載の車椅子では、各車輪が段差壁に沿って
上方へ移動する機構であるため、段差乗り越え時の反動
が大きく、車椅子全体が後方に大きく反り返ってしまう
といった問題があった。また、側枠、後輪及び後輪支持
体を一体で回動自在と成した前記公報に記載の車椅子で
は、従来と同様、座席前方に突出した足置き台及びハン
ガーブラケットが側方に開放されずにそのまま姿勢維持
されるため、乗車時には側方から着座した患者や身障者
の体を前方に回し、両脚を前方の足置き台に載せる作業
が必要で、且つ降車時にはその逆の作業を行なう必要が
あり、不便であった。
【0006】本発明は係る現況に鑑みなされたもので、
反動を生じることなくスムーズに段差を乗り越えること
ができ、また患者や身障者の体を回すことなくシート側
方からスムーズに着座できる車椅子その他の軽移送車両
を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、軽移送車両の前輪の上方位置付近において
軽移送車両左右の側部フレームに設けた枢軸と、前記枢
軸に前後に回動自在に支持したアーム部材であって、長
さが枢軸と前輪の接地面間の距離よりも長く設定され、
先端が前輪よりも前側に位置する前方下がりの初期姿勢
において、先端が走行面上の段差に当接し、軽移送車両
とは相対的に後方へ回動されることにより、前輪を段差
上へ持ち上げるアーム部材と、前記後方へ回動したアー
ム部材を初期姿勢に復帰させるための復帰手段とを備え
た段差乗り越え装置を構成した。ここに前記軽移送車両
とは、荷物や人等を移送する車両のうち比較的小型軽量
なものをいい、買物手押車等のハンドカートやキャリー
カート、乳母車、客用/貨物用の運搬車、患者輸送車と
しての輸送式車椅子、身障者の補装具としての自操式
(自走式)車椅子、電動機付き車椅子、歩行補助用の歩
行車などが含まれる。このような段差乗り越え装置にあ
っては、段差に当接した前記アーム部材の回動により、
軽移送車両は反動を生じることなくスムーズに段差を乗
り越えることができる。
【0008】ここで、前記アーム部材を、枢軸に枢支し
たアーム本体と、アーム本体の先端に初期姿勢よりも前
方への回動を規制した状態で回動自在に連結したアーム
先端部とに分割構成するとともに、アーム本体の長さを
枢軸と軽移送車両の前輪の接地面間の距離よりも短く設
定し、復帰手段として、アーム本体を初期姿勢に復帰さ
せる第1復帰手段と、アーム先端部をアーム本体に対し
て初期姿勢に復帰させる第2復帰手段とを設けたもので
は、段差乗り越え時に後方へ回動したアーム部材が、前
記アーム先端部を後方へ回動させることで、第1復帰手
段により前方下がりの初期姿勢に復帰され、当該アーム
先端部も第2復帰手段により初期姿勢に復帰される。
【0009】ここで、左右のアーム部材を連動したもの
では、段差乗り越えの際、軽移送車両が安定した姿勢に
維持される。
【0010】また、各アーム部材を後方へ回動させる操
作部を備えた段差乗り越え装置にあっては、初期姿勢の
アーム部材では捕捉されない低い段差も、前記操作部を
操作してアーム部材を後方へ回動、即ち下方へ押し下げ
ることにより、当該軽移送車両は前記アーム部材を利用
して段差をスムーズに乗り越えることが可能となり、さ
らに、例えば上り坂の途中に段差があるとき等に、軽移
送車両の推進力のみでは段差を乗り越えることが困難な
場合には、当該操作部によりアーム部材を後方へ回動さ
せる力を与え、アーム部材先端を軸に軽移送車両を前方
へ回動し、段差を乗り越えることが可能となる。前記操
作部は手のみならず足で操作するものでも良い。
【0011】前記アーム部材を回動自在に支持した枢軸
及び復帰手段が、側部フレームに着脱自在に固定される
板台上にユニット構成されたものでは、既に市販されて
いる汎用の軽移送車両に上記段差乗り越え装置を設ける
ことができる。
【0012】以上の段差乗り越え装置を設けた軽移送車
両にあっては、段差をスムーズに乗り越えることが可能
となり、これら段差乗り越え装置は、特に軽移送車両と
しての車椅子に設けることが好ましい。
【0013】更に、前記段差乗り越え装置を設けた車椅
子は、フレームの側部に設けた支持レールにより、前
輪、後輪、側当て部、足置き部並びに前記アーム部材を
備えた側部サブフレームを後方へスライド可能に支持し
たものが好ましい。このような車椅子にあっては、身障
者等が座席側方からの乗降りすることが容易になり、特
に介助者が座位の患者を乗降りさせる際、患者を確り保
持した姿勢のまま側方から乗降りさせることが可能とな
る。このような構成は、上記段差乗り越え機能を有しな
い車椅子においても、側方からの乗降りが容易になると
いった同様の作用効果を奏するのであるが、特に、前記
側部サブフレームが後方へ移動した状態においては、段
差乗り越え装置を構成している前記アーム部材が車椅子
前部の荷重を支持し、身障者等が側方からの乗降りする
際、車椅子を安定した姿勢に保持するのである。
【0014】また、フレームの後部に縦設した枢軸によ
り、前輪、後輪、側当て部、足置き部並びに前記アーム
部材を備えた側部サブフレームを外側方へ回動可能に支
持したものでは、同じく身障者等が座席側方からの乗降
りすることが容易になり、特に介助者が座位の患者を乗
降りさせる際、患者を確り保持した姿勢のまま側方から
乗降りさせることが可能となり、このような構成は、上
記段差乗り越え機能を有しない車椅子においても、側方
からの乗降りが容易になるといった同様の作用効果を奏
する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図
面に基づき詳細に説明する。ここでは本発明に係る段差
乗り越え装置を車椅子に適用した例について述べるが、
本発明はこれに限定されるものではない。図1〜図5は
本発明に係る車椅子の第1実施形態、図6は第2実施形
態、図7及び図8は第3実施形態を示し、図中符号Aは
段差乗り越え装置、1は車椅子、2は側部フレーム、3
は前輪、4は後輪、5はアーム部材をそれぞれ示してい
る。
【0016】図1は本発明の第1実施形態に係る車椅子
1を示し、図2はこれをフレーム前方から見た正面図で
ある。車椅子1は、シート61、背もたれ62及び側当
て63を張設して座席6が形成される左右の側部フレー
ム2の前後に、それぞれ前輪3及び後輪4を備え、各側
部フレーム2の前脚部には、前方に突出したハンガーブ
ラケット21により足置き台7が設けられ、車椅子1の
全体は左右に折畳み可能に構成されている。
【0017】前輪3は方向転換容易なキャスターから構
成され、後輪4は着座した身障者等が自操する際に把持
して回転させるプッシュリム41を備えた大車輪で構成
されている。本実施形態は自操式の車椅子とした関係
上、後輪4を摩擦停止させるためのブレーキ機構8が座
席6の側方にのみ設けられているが、座位の患者を輸送
する輸送式の車椅子とした場合には、後輪4は大車輪で
ある必要はなく、また側部フレーム2の後部から上方に
延びる握り9には、別途介助者が操作するブレーキレバ
ーが設けられる。
【0018】本発明は、このような自操式又は輸送式の
車椅子1において、スムーズに段差を乗り越える段差乗
り越え装置Aを備えたものであり、具体的には前輪3の
上方位置付近において車椅子左右の側部フレーム2に設
けた枢軸5aと、前記枢軸5aに前後に回動自在に支持
したアーム部材5であって、長さが枢軸5aと前輪3の
接地面間の距離よりも長く設定され、先端が前輪3より
も前側に位置する前方下がりの初期姿勢において、先端
が走行面上の段差に当接し、車椅子1とは相対的に後方
へ回動されることにより、前輪3を段差上へ持ち上げる
アーム部材5と、前記後方へ回動したアーム部材5を初
期姿勢に復帰させるための復帰手段Bとを備えている。
【0019】前記アーム部材5は、図2に示すように、
車椅子に合わせて折畳み可能となした自在継手25を有
する連結杆22により左右連動されており、段差乗り越
えの際には、車椅子1は安定した姿勢が維持される。特
に、前記初期姿勢においてアーム部材5の先端と走行面
間の距離は、10〜50mm、より好ましくは15〜5
0mmに設定され、車椅子1はごく小さな段差を前記ア
ーム部材5で捉えることなく路面上をスムーズに走行で
き、且つ前方への推進力のみでは乗り越えられない程度
の段差は、前記アーム部材で自動的且つ確実に捉えるこ
とができる。
【0020】また、前記枢軸5aには、別途アーム部材
5前縁に衝止する作動アーム59を有した操作レバー5
5が軸着され、各アーム部材5を後方へ回動させる手動
操作部14が構成されている。このように手動操作部1
4を設ければ、初期姿勢のアーム部材5では捕捉されな
い低い段差も、座位の身障者等が手動操作によりアーム
部材5を後方へ回動、即ち下方へ下げることで、アーム
部材先端が段差壁に当接し、当該アーム部材5を利用し
てスムーズに乗り越えることが可能となる。ここで、左
右の操作レバー55を前記連結杆22で連動させておけ
ば、片手が不自由な身障者等も容易に操作し得るため好
ましい。また、前記操作レバー55はアーム部材5に直
接突設したものであっても良い。尚、この手動操作部1
4は本発明の車椅子1において段差乗り越え装置に必須
の構成要素ではなく、初期姿勢におけるアーム部材5の
先端が段差に当接した際には、前記手動レバー55を操
作しなくとも、車椅子1は前方への推進力だけで段差を
スムーズに乗り越えることができるのである。
【0021】更に詳しくは、アーム部材5は、図3及び
図4に示すように、前記枢軸5aに枢支されたアーム本
体51と、アーム本体51の先端に初期姿勢11よりも
前方への回動を規制した状態で回動自在に連結したアー
ム先端部50とに分割構成されており、前記アーム先端
部50は、初期姿勢11においてアーム本体51よりも
大きな角度で前方に傾斜されている。アーム本体51の
長さは枢軸5aと車椅子の前輪3の接地面間の距離より
も短く設定され、復帰手段Bとして、アーム本体51を
初期姿勢11に復帰させる第1復帰手段12と、アーム
先端部50をアーム本体51に対して初期姿勢11に復
帰させる第2復帰手段13とが設けられている。
【0022】前記第1復帰手段12は、詳しくはアーム
部材5の途中位置より後方へ突設した作動部材56と、
該作動部材56の先端及び前記アーム部材を支持する枢
軸5aよりも前方に突設した掛合突起57により両端を
掛止された引張りコイルばね58とから構成され、前輪
が着地した後に荷重が除かれたアーム部材5は伸長され
ている前記引張りコイルばね58が有する弾性復原力に
より前方へ回転付勢され、前方へ傾倒した前方下がりの
初期姿勢11に自動的に復帰される。ここで、作動部材
56と引張りコイルばね58を設ける代わりに、前記枢
軸5a内部に設けたねじりコイルばねによりアーム部材
5を回転付勢することで第1復帰手段を構成しても良
い。すなわち、アーム部材5または作動アーム59は、
初期姿勢11の位置よりも前方への回動が規制されてお
り、引張りコイルばね58などの弾性復原力により常に
所定の初期姿勢に復帰されるのである。
【0023】前記第2復帰手段13は、図4に示すよう
に、アーム本体51の端部より、該アーム部材の中心軸
に対し後方へずらした位置に支持軸51bを設けるとと
もに、これに対応して先端部50に突設したブラケット
50aを前記支持軸51bで軸支することで、当該先端
部50が後方へのみ回動可能に枢支されている。先端部
50とアーム本体51は当該アーム部材5の軸心に沿っ
て設けた引張りコイルばね52により連結されており、
アーム本体51が初期姿勢に復帰される際に後方へ回動
した前記アーム先端部50は、引張りコイルばね52の
弾性復原力により前方へ回転付勢され、初期姿勢11に
自動的に復帰される。前記コイルばね52は、より詳し
くは調整ナット53により先端部50の軸心上に螺着さ
れた支持ボルト54の先端係合孔54aに掛止されてお
り、保護キャップ50bを取外して前記調整ナット53
を回転させることで、その弾性復原力が調整可能に構成
されている。前記保護キャップ50bは、段差壁10並
びに路面に対して直接当接する部分であり、前記弾性復
原力の調整機構を泥水等から防護する作用の他、アーム
部材の長さ調節機能、美観や安全性を向上させる作用効
果を奏し、その先端当接部には、好ましくは滑り止め用
又は怪我を防止するためのゴム部材が冠着される。
【0024】尚、上記アーム部材5及び操作レバー55
を回動自在に支持した枢軸5a、及び復帰機構12に用
いる引張りコイルばね58を支持した掛合突起57は、
図3に示すように、側部フレーム2の前部に取着される
板台23上に設けられ、アーム部材5等を有した段差乗
り越え装置Aの全体は前記板台23によりユニット化さ
れ、一般的な車椅子に容易に取付け可能に構成されてい
る。前記板台23は、厚み1.6mmのステンレス若し
くは鉄製の板からなり、上部には車椅子側方に突設した
枢軸5aを有し、且つ下部には、車椅子下側のアンダー
フレーム20に該フレームの長手方向に沿って掛止され
る屈曲部24が形成されている。そして、段差乗り越え
時には、該屈曲部24により車椅子1の前荷重が支持さ
れ、前輪3が段差上に移動することになる。その他、当
該板台23を側部フレーム2に着脱自在に取付ける取付
け部23aが適所に設けられるが、溶接等により側部フ
レーム2に直接固定しても良い。
【0025】次に、本実施形態に係る車椅子1が段差を
乗り越える際の動作を、図5(a)〜(f)の説明図に
基づき説明する。図中5は段差乗り越え装置のアーム部
材、3は車椅子の前輪、4は車椅子の後輪、10は走行
面上の段差壁をそれぞれ示している。
【0026】(a)は、初期姿勢11のアーム部材5先
端が走行面上の段差壁10に当接した状態を示し、車椅
子1の推進力により前記アーム部材5が枢軸5aを中心
に車椅子に対し相対的に後方へ回動し、前記アーム部材
5の先端は段差壁10の下部に衝止する(b)に示す状
態まで当該段差壁10に沿って下方に移動する。(c)
は、段差壁10の下部に衝止したアーム部材5先端を軸
に、車椅子1が前方へ回動する様子を示し、前輪3はス
ムーズに段差上に持ち上がる。そして、(d)に示すよ
うに前輪3が段差上に着地した後、荷重が除去されたア
ーム部材5は、先端部50を後方へ回動させつつ、
(e)に示すように復帰手段を構成しているコイルばね
の弾性復原力により前方へ付勢され、(f)に示す前方
下がりの初期姿勢11まで自動的に回動復帰する。
【0027】尚、本発明の車椅子は、上記手動操作部1
4を操作するまでもなく後輪4又は握り9による車椅子
1の推進力だけでも段差をスムーズに乗り越え得るもの
であり、必ずしも操作レバー55及び作動アーム59を
アーム部材5に伴って回動させる必要はない。また、ア
ーム部材5を初期姿勢に復帰させる復帰手段Bは、当該
アーム部材5を分割構成した上、アーム先端部50を後
方へ回動させることで復帰可能と成した本実施形態の構
造に何ら限定されるものではなく、例えば、前記アーム
部材5に枢軸5aに対して上方へスライドさせる機構を
別途設け、車椅子1が段差を乗り越えた後に、後方へ回
動されているアーム部材5を上方へスライドさせること
で、その先端が路面に当接することなく前方下がりの初
期姿勢まで回動可能と成したものであっても良い。
【0028】次に、本発明の第2実施形態を図6に基づ
いて説明する。
【0029】本実施形態の車椅子1Aは、前輪3、後輪
4、側当て63や肘当て等を有する座席側方の側当て部
60、ハンガーブラケット21により前方に突設した折
畳み自在の足置き台7を有する足置き部70、並びに前
記アーム部材5を備えた側部サブフレーム2Aが、フレ
ームの側部に設けた支持レール27により支持された状
態で、車椅子1Aに対し後方へスライド可能に構成され
たものである。このようにサブフレーム2Aをスライド
させれば、身障者等が座席側方からの乗降りすることが
容易になり、特に介助者が座位の患者を乗降りさせる
際、患者を確り保持した姿勢のまま側方から乗降りさせ
ることが可能となる。より詳しくは、前記側部サブフレ
ーム2Aが後方へ移動した状態において、車椅子1Aの
前部荷重は前記アーム部材5により支持可能とされ、特
に、このアーム部材5又はこれを後方へ回動させる手動
操作部14は、当該アーム部材5の姿勢を先端が路面へ
当接した状態に維持できるロック手段を備えていること
が好ましい。その他の構成は上記第1実施形態と同様で
あるので、同一構造には同一符号を付して、その説明は
省略する。
【0030】次に、本発明の第3実施形態を図7及び図
8に基づいて説明する。
【0031】本実施形態の車椅子1Bは、側部フレーム
2の後部に略垂直に縦設した枢軸26により、前輪3、
後輪4、側当て部60、足置き部70、並びに前記アー
ム部材5を備えた側部サブフレーム2Bを外側方へ約9
0度回動可能に支持したものである。
【0032】より詳しくは、側部フレーム2の前輪固定
部近傍より路面へ延びる支持部材30を設け、当該部材
により外側方へ回動した状態の車椅子1の前部荷重が支
持されている。このように前記支持部材30を設けるこ
とで、図7(b)に示すように、前輪3を車椅子側方へ
回動しても車椅子1は前方に倒れることなく安定した姿
勢が保持され、さらに前輪3のキャスターを利用して前
記サブフレーム2Bをスムーズに回動させることが可能
となる。尚、前記支持部材30は、当該前輪3の回動時
に路面に突出させて車椅子1の前荷重を支持するもので
あるが、その突出形態は縦フレームに沿ってスライドさ
せるものや折畳んだものを使用時に回動突出させるスイ
ング式など、適宜な機構が採用できる。また、回動角度
が30度以下程度のものであれば、前記支持部材30は
必ずしも必要ではない。
【0033】また、本例では上記第1実施形態における
段差乗り越え装置Aをも一体で回動可能に構成されてお
り、身障者や患者の乗降りの際、前記アーム部材5等が
邪魔になることもない。尚、少なくとも側当て部60及
び足置き部70を回動可能に構成するものであれば、図
8に示すように、前記段差乗り越え装置Aを有しない車
椅子1でも乗降りが容易になるといった同様の効果を奏
し、この場合にも前記支持部材30を設けて前輪3も一
体で回動可能に構成することが好ましい。
【0034】その他の車椅子1の構成は上記第1実施形
態と同様であるので、同一構造には同一符号を付して、
その説明は省略する。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の段差乗り越え装置は、軽
移送車両の前輪の上方位置付近において軽移送車両左右
の側部フレームに設けた枢軸と、前記枢軸に前後に回動
自在に支持したアーム部材であって、長さが枢軸と前輪
の接地面間の距離よりも長く設定され、先端が前輪より
も前側に位置する前方下がりの初期姿勢において、先端
が走行面上の段差に当接し、軽移送車両とは相対的に後
方へ回動されることにより、前輪を段差上へ持ち上げる
アーム部材と、前記後方へ回動したアーム部材を初期姿
勢に復帰させるための復帰手段とを備えたことで、段差
に当接した前記アーム部材の回動により、当該軽移送車
両は反動を生じることなくスムーズに段差を乗り越える
ことができる。
【0036】請求項2記載の段差乗り越え装置は、前記
アーム部材を、枢軸に枢支したアーム本体と、アーム本
体の先端に初期姿勢よりも前方への回動を規制した状態
で回動自在に連結したアーム先端部とに分割構成すると
ともに、アーム本体の長さを枢軸と軽移送車両の前輪の
接地面間の距離よりも短く設定し、復帰手段として、ア
ーム本体を初期姿勢に復帰させる第1復帰手段と、アー
ム先端部をアーム本体に対して初期姿勢に復帰させる第
2復帰手段とを設けたので、前記アーム本体は第1復帰
手段により段差乗り越え後、前方下がりの初期姿勢に自
動的に復帰され、当該アーム先端部も第2復帰手段によ
り自動的に初期姿勢に復帰される。
【0037】請求項3記載の段差乗り越え装置は、左右
のアーム部材を連動したことで、段差乗り越えの際、当
該軽移送車両は安定した姿勢が維持される。
【0038】請求項4記載の段差乗り越え装置は、前記
アーム部材を後方へ回動させる操作部を備えたことで、
初期姿勢のアーム部材では捕捉されない低い段差も、前
記操作部でアーム部材を後方へ回動させることにより、
スムーズに乗り越えることができ、更に、例えば上り坂
の途中に段差があるときで、軽移送車両の推進力のみで
は段差を乗り越えることが困難な場合には、当該手動操
作部によりアーム部材を後方へ回動させる力を与え、ア
ーム部材先端を軸に車椅子を前方へ回動し、段差を乗り
越えることができる。
【0039】請求項5記載の段差乗り越え装置は、前記
アーム部材を回動自在に支持した枢軸及び復帰手段が、
側部フレームに着脱自在に固定される板台上にユニット
構成されることで、既に市販されている汎用の軽移送車
両に上記段差乗り越え装置を設けることができる。
【0040】請求項6記載の軽移送車両は、前述の段差
乗り越え装置を設けることで、スムーズに段差を乗り越
えることができる。
【0041】請求項7記載の車椅子は、前記段差乗り越
え装置を設けることで、スムーズに段差を乗り越えるこ
とができる。
【0042】請求項8記載の車椅子は、フレームの側部
に設けた支持レールにより、前輪、後輪、側当て部、足
置き部並びに前記アーム部材を備えた側部サブフレーム
を後方へスライド可能に支持したので、身障者等が座席
側方からの乗降りすることが容易になり、特に介助者が
座位の患者を乗降りさせる際、患者を確り保持した姿勢
のまま側方から乗降りさせることが可能となる。また、
側部サブフレームが後方へ移動した状態においては、段
差乗り越え装置を構成している前記アーム部材により車
椅子前部の荷重が支持され、身障者等が側方からの乗降
りする際、車椅子は安定した姿勢に保持される。
【0043】請求項9記載の車椅子によれば、フレーム
の後部に縦設した枢軸により、前輪、後輪、側当て部、
足置き部並びに前記アーム部材を備えた側部サブフレー
ムを外側方へ回動可能に支持したので、同じく身障者等
が座席側方からの乗降りすることが容易になり、特に介
助者が座位の患者を乗降りさせる際、患者を確り保持し
た姿勢のまま側方から乗降りさせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車椅子を示す説
明図。
【図2】同じく車椅子を前方から見た説明図。
【図3】同じく車椅子に設けた段差乗り上げ手段を示す
説明図。
【図4】後方へ回動したアーム先端部を初期姿勢に復帰
させるための第2復帰手段を示す説明図。
【図5】(a)〜(f)は、車椅子が段差を乗り越える
際の動作を示す説明図。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に
おける車椅子を示す説明図。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第3実施形態に
おける車椅子を示す説明図。
【図8】(a)及び(b)は、同じく車椅子の変形例を
示す説明図。
【符号の説明】
A 段差乗り越え装置 B 復帰手段 1 車椅子 2 側部フレーム 2A、2B サブフレーム 3 前輪 4 後輪 5 アーム部材 5a 枢軸 6 座席 7 足置き台 8 ブレーキ機構 9 握り 10 段差壁 11 初期姿勢 12 復帰機構 13 ヒンジ機構 14 手動操作部 20 アンダーフレーム 21 ハンガーブラケット 22 連結杆 23 板台 23a 取付け部 24 屈曲部 25 自在継手 26 枢軸 27 支持レール 30 支持部材 41 プッシュリム 50 先端部 50a ブラケット 50b 保護キャップ 51 アーム本体 51b 支持軸 52 コイルばね 53 調整ナット 54 支持ボルト 54a 係合孔 55 操作レバー 56 作動部材 57 掛合突起 58 コイルばね 59 作動アーム 60 側当て部 61 シート 62 背もたれ 63 側当て 70 足置き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 文雄 福岡県北九州市小倉北区足立3丁目6番26 号 Fターム(参考) 3D050 AA04 DD01 EE08 EE14 KK06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽移送車両の前輪の上方位置付近におい
    て軽移送車両左右の側部フレームに設けた枢軸と、 前記枢軸に前後に回動自在に支持したアーム部材であっ
    て、長さが枢軸と前輪の接地面間の距離よりも長く設定
    され、先端が前輪よりも前側に位置する前方下がりの初
    期姿勢において、先端が走行面上の段差に当接し、軽移
    送車両とは相対的に後方へ回動されることにより、前輪
    を段差上へ持ち上げるアーム部材と、 前記後方へ回動したアーム部材を初期姿勢に復帰させる
    ための復帰手段と、 を備えたことを特徴とする段差乗り越え装置。
  2. 【請求項2】 前記アーム部材を、枢軸に枢支したアー
    ム本体と、アーム本体の先端に初期姿勢よりも前方への
    回動を規制した状態で回動自在に連結したアーム先端部
    とに分割構成するとともに、アーム本体の長さを枢軸と
    軽移送車両の前輪の接地面間の距離よりも短く設定し、
    復帰手段として、アーム本体を初期姿勢に復帰させる第
    1復帰手段と、アーム先端部をアーム本体に対して初期
    姿勢に復帰させる第2復帰手段とを設けた請求項1記載
    の段差乗り越え装置。
  3. 【請求項3】 左右のアーム部材を連動させた請求項1
    又は2記載の段差乗り越え装置。
  4. 【請求項4】 前記アーム部材を軽移送車両に対して後
    方へ回動させる操作部を備えた請求項1〜3の何れか1
    項に記載の段差乗り越え装置。
  5. 【請求項5】 前記アーム部材を回動自在に支持した枢
    軸及び復帰手段が、側部フレームに着脱自在に固定され
    る板台上にユニット構成されている請求項1〜4の何れ
    か1項に記載の段差乗り越え装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載の段差
    乗り越え装置を設けた軽移送車両。
  7. 【請求項7】 前記軽移送車両としての車椅子に、請求
    項1〜5の何れか1項に記載の段差乗り越え装置を設け
    た車椅子。
  8. 【請求項8】 フレームの側部に設けた支持レールによ
    り、前輪、後輪、側当て部、足置き部並びに前記アーム
    部材を備えた側部サブフレームを後方へスライド可能に
    支持してなる請求項7記載の車椅子。
  9. 【請求項9】 フレームの後部に縦設した枢軸により、
    前輪、後輪、側当て部、足置き部並びに前記アーム部材
    を備えた側部サブフレームを外側方へ回動可能に支持し
    てなる請求項7記載の車椅子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114939027A (zh) * 2022-03-30 2022-08-26 中国人民解放军总医院第三医学中心 一种适用于伤员运输的越障轮椅及使用方法

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