JP2001114111A - 手動推進車両 - Google Patents

手動推進車両

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JP2001114111A
JP2001114111A JP29353299A JP29353299A JP2001114111A JP 2001114111 A JP2001114111 A JP 2001114111A JP 29353299 A JP29353299 A JP 29353299A JP 29353299 A JP29353299 A JP 29353299A JP 2001114111 A JP2001114111 A JP 2001114111A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 折り畳み作業や折り畳み状態での移動が容易
で、かつ自立性に富み、走行中は段差を飛び越し容易、
被搬送者の転倒防止、車両の崩壊防止、及び車両の軽量
化を図った手動推進車両を提供すること。 【解決手段】 前輪11をもつ前脚部分に被介護者の着
座部分16と後輪13をもつ後脚部分14を枢着すると
共に、前、後脚の各車輪上部を折畳み可能な補強部分1
7の両側で枢着し、介護者が車両10を操縦するための
押棒部を補強部分17の後側と前脚部分の上部に枢着し
て、かつ当上部はフック部材83の中央凹みが押棒部側
の枢着手段82へ係止する構成で、後脚部分は、上、下
側棒がパイプ状で、両者に嵌合する滑動ロッドにより伸
縮する。押棒部の下部は補強部分の後方部材68ほゞ中
央に枢着され、押棒部上部を押し下げると前輪が浮上し
て段差を越えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は手動推進車両に関
する。より詳細には、本件発明は不使用時にはコンパク
トな形状に折り畳んで例えば被搬送者例えば被介護者の
近くに立て掛けて置くことが出来る自立可能な車両であ
って、使用時には簡単に使用状態に拡開出来る介護用車
両として特に有用に使用可能な手動推進車両に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バリアフリーの思想に基く路面の
整備更には各種の施設内部の改修により、被介護者(被
搬送者)が介護者(搬送者)と共に気軽に屋外へ出る機
会が多くなってきている。これに伴い、各種の手動推進
車両が発表されている。その中には、折り畳み可能な手
動推進車両もいくつかある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知の
折り畳み可能な手動推進車両においては、その折り畳み
作業が困難であり、また、折り畳んだ状態での移動更に
は自立性に欠け、そのため、多くの場合、不使用時には
当該車両を、被介護者等の付近へ組立た状態のまま置い
ておくことが多く、スペース上において課題があった。
さらに、これまでの折り畳み可能な手動推進車両におい
ては、折り畳み機構の複雑性のために走行中に段差を飛
び越すための手段が無く、しばしば、数人がかりでその
車両を持ち上げることが要求されるという課題があっ
た。また、多くの折り畳み可能な手動推進車両において
は、被搬送者例えば被介護者の転倒防止更には車両の崩
壊を防止するために、かなり強度が高く重量が重い素材
を多く使用しているため、全体重量が重く、自動車等へ
の積み込みの際等に取り扱いに不便であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本件発明はこれら
の課題を解決するために、出来るだけ簡便なフレーム構
造を有しているにもかかわらず、前後及び左右方向にお
ける揺れが少なく、走行が安定しており、折り畳み作業
が容易で、折り畳んだ状態での自立及び移動が可能で、
軽量で、強度がかなり強い手動推進車両を提供するた
め、下端部に前輪11を有している前脚部分12と、下
端部に後輪13を有している後脚部分14と、手動搬送
者である介護者が当該車両10を後方から操縦するため
の押棒部分15と、被搬送者である被介護者が着座する
着座部分16と、車両を補強するための補強部分17
と、により構成されている手動推進車両を提供する。特
に、本発明の手動推進車両は、前脚部分12が、一対の
側棒21、21と、当該側棒の上端を連結している上方
連結部材22と、当該側棒の下端を連結している下方連
結部材23と、より構成されている。後脚部分14が、
下方側棒33と、上方側棒34と、両者の間隔を伸縮自
在に画定している滑動ロッド35と、より構成されてい
る。押棒部分15が、U字形状を有しており開放端部に
操作部分41、41を有している本体部分40と、本体
部分の開放端部を連結している幅保持部材44と、より
構成されている。着座部分16が、座部形成部分50
と、座部形成部分を吊っている第1アーム52及び第2
アーム54と、より構成されている。補強部分17が、
互いに枢着されている、U字形状を有している後方部材
68及び一対の直線形状の前方部材67を有している第
1補強手段60と、第2補強手段64と、第3補強手段
66と、より構成されている。ここで、前脚部分12へ
対して後脚部分14及び着座部分16が枢着されてお
り、第1補強手段60の後方部材68が後脚部分14へ
枢着され、第1補強手段60の前方部材67が前脚部分
12へ枢着され、第2補強手段64の端部がそれぞれ両
側方において前脚部分12及び後脚部分14へ枢着され
ており、第3補強手段66が後脚部分14を幅方向にお
いて所定の寸法に保持しており、押棒部分15が、第1
補強手段60の後方部材68へ枢着されており、着座部
分16の第2アーム54の端部がそれぞれ前脚部分12
と押棒部分15とに枢着されている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例につき図
面を参照しながら述べる。図1及び図2は、それぞれ本
発明により構成した手動推進車両10の拡開状態(使用
時)及び折畳み直立状態(格納時)を示す図である。こ
の手動推進車両10は、概括的には、下端部に前輪11
を有している前脚部分12と、下端部に前輪11よりも
大きい後輪13を有している後脚部分14と、介護者が
車両10を後方から操縦するための押棒部分15と、被
介護者が着座する着座部分16と、車両を補強するため
の補強部分17と、により構成されている。
【0006】前脚部分12は、図3に示すように、下端
部にキャスタ20(図1又は図2参照)介して前輪11
が装着されるようになっている一対の側棒21と、これ
らの側棒21の上端部を互いに接続しているコ字形の上
方連結部材22と、これらの側棒21の下方部分を互い
に接続しているコ字形の下方連結部材23と、により構
成されている。これらは、好ましくは中空パイプ素材に
より形成されている。側棒21は、直線状の中間部分2
4と、中間部分24の下端部から下方へ曲がっている下
方部分25と、中間部分24の上端部から上方へ曲がっ
て伸びている上方部分26と、を有している。上方連結
部材22は、側棒21の上方部分26へ差し込まれ、そ
こへピン等の固着部材27(図1又は図2参照)によっ
て固定されている。一方、下方連結部材23は、中間部
分24の下端部へピン等の固着部材28,29(図1又
は図2参照)によって固定されている。このため、前脚
部分12は概ね矩形状のそれ自体安定した剛体を形成し
ている。なお、ここで、上方連結部材22は、被搬送者
である例えば被介護者が着座部分16へ着座したときの
背当部分を提供しており、このため、この上方連結部材
22の周囲にはクッション材料から成るクッション部材
30(図1及び図2参照)が装着されることが望まし
い。また、下方連結部材23は、被介護者等が着座部分
16へ着座したときの足置台即ちステップを提供してい
る。
【0007】後脚部分14は、図4に示すように、後輪
13を装着するための車軸31(図8参照)を受け入れ
る孔32を下端部に有している中空パイプ素材により形
成されている一対の下方側棒33と、同様に中空パイプ
素材により形成されている側棒であって上端部が前方へ
曲げられている一対の上方側棒34と、下端部が下方側
棒33の上方端部へ固定されており、上方部分が上方側
棒34内を滑動可能となっている滑動ロッド35と、か
ら構成されている。なお図4において(a)は手動推進
車両10が使用時即ち拡開状態(図1参照)にあるとき
の図で、滑動ロッド35が上方側棒34内へ完全に滑入
し、下方側棒33と上方側棒34とが接近している状態
を示しており、(b)は手動推進車両10が不使用時即
ち折畳み直立状態(図2参照)にあるときの図で、滑動
ロッド35の大部分が上方側棒34から引き離され、下
方側棒33と上方側棒34とが離れている状態を示して
いる。なお、手動推進車両10が折畳み直立状態にある
ときにも、滑動ロッド35は上方側棒34から完全に抜
け出すということがない長さを有していることは当然で
ある。また上方側棒34の上端部は幾分前方へ曲げられ
ており拡開状態にあるとき(図4a)は、肘掛け部を提
供するので、この上方側棒34の前方へ曲げられた上端
部にはクッション材料から成るクッション部材36(図
1及び図2参照)が装着されていることが望ましい。
【0008】押棒部分15は、図5に示すように、概ね
U字形を有している中空パイプ素材から形成されている
本体部分40と、本体部分40の上方に配置されており
上方部分が後方へ押し曲げられている同様に中空パイプ
素材から形成されている一対の操作部分41と、該本体
部分40の上端部と操作部分41の下端部とを接続する
ため両者にほぼ同じ程度の長さだけ差し込まれ固定され
ている一対の芯部材42と、操作部分41の下方部分外
表面に差込まれそこへ固定されており互いに対置する方
向に突起部を有している保持部材43と、該保持部材4
3の突起部へ両端部が固定されており操作部分41を一
定の幅に保持している幅保持部材44(図5においては
破線にて示している)と、により形成されている。幅保
持部材44は、被搬送者例えば被介護者の肩部を支える
作用を行うものであるため、好ましくは、その周囲には
クッション材料30、36と同様のクッション部材(図
示無し)が装着されている。更に、操作部分41には、
操作者が車両10を操作し易いように、自転車のハンド
ルへ取り付けてあるような握りまたはクッション材料か
ら構成される把持手段45(図1及び図2参照)が装着
されている。また、操作部分41の下方部分へ嵌合支持
されている保持部材43の下方位置には第2の保持部材
46(図1及び図2参照)が嵌合支持されている(図1
及び図2参照)。この第2の保持部材46にはブレーキ
やストッパー等の制動装置(図示無し)が装着される。
本体部分40の上端部と操作部分41の下端部とは、図
1及び図2において、該本体部分40の上端部と操作部
分41の下端部とを、破線で示すようにピン等の固定手
段47,48によって固着されている芯部材42によっ
て互いに一体的に接続されて、更にその外表面が外被4
9によって覆われている。こうして、該押棒部分15も
それ自体安定した概ね矩形形状の剛体を提供している。
【0009】着座部分16は、図6に示すように、被搬
送者例えば被介護者が着座する座部を形成するため概ね
U字形を有している座部形成部分50と、座部形成部分
50の後部を手動推進車両10へ対して吊り下げ保持す
るためピン等の枢着手段51(図1参照)によって下端
部が接続されている一対の第1アーム52と、各第1ア
ーム52の上端部をピン等の枢着手段53(図1参照)
によって中間部分にて枢動自在に受け入れている第2ア
ーム54と、座部形成部分50の側方前方部分にピン等
の固着部材55、56(図1参照)によって固着されて
いる一対の座部保持部材57と、により構成されてい
る。ここで、座部保持部材57は、固着部材55、56
によって座部形成部分50の側方前方部分に固着されて
いる直線部分57aと、そこから僅かに下方へ傾斜して
伸びている傾斜部分57bと、該傾斜部分の末端部から
ほぼ直角に外方へ向かって折曲げられている折曲げ部分
57cと、を有している。該折曲げ部分57cは、図1
に示すような拡開状態のときに、前脚部分12へ衝接し
て、座部形成部分50を、被搬送者例えば被介護者が着
座部分16へ着座したときに最も適切な位置に保持する
働きを有している。
【0010】補強部分17は、前脚部分12と後脚部分
14との間に設けられており中間部において折り曲げ可
能となっている第1補強手段60(図7参照)と、一側
の前脚部分12と一側の後脚部分14との間にそれぞれ
ピン等の枢着手段62、63(図1又は図2参照)によ
って枢着されており前脚部分12と後脚部分14との広
がりを防止しかつ手動推進車両10の折り畳みを円滑に
行う助けをしている例えば板状部材から成る一対の第2
補強手段64(図1参照)と、後脚部分14の下方側棒
33,33を所定の幅に維持するため(図8参照)該下
方側棒33,33へそれぞれ固着手段65,65によっ
て固着されておりかつ前記車軸31の中間部分が溶接等
により固着されている第3補強手段66と、により構成
されている。第1補強手段60は、図7に示すように、
直線形状を有している一対の前方部材67と、U字形状
を有している後方部材68と、両端部が直角に折り曲げ
られており後方部材68の開放端部に連結している横行
部材69と、を有している。前方部材67は、それぞれ
前方端部がピン等の枢着手段70(図1又は図2参照)
によって前脚部分12へ枢着されており、一方、後方端
部はピン等の枢着手段71(図1参照)によって後方部
材68へ枢着されている。更に、U字形状を有している
後方部材68の前方の開放端部には、前方部材67の下
側を通って横行部材69がピン等の枢着手段72(図1
参照)によって取り付けてある。
【0011】しかして、図1に示すように、前脚部分1
2と後脚部分14とは枢着手段75によって互いに枢着
されている。更に前脚部分12には枢着手段75の下方
位置へ枢着手段76によって着座部分16の中間部分が
枢着されている。更に前脚部分12には前述のように枢
着手段76の下方位置へ枢着手段62によって第2補強
手段64の前方部分が枢着され、一方、第2補強手段6
4の後方部分は後脚部分14へ枢着手段63によって枢
着されている。この枢着手段63は好ましくは後脚部分
14の滑動ロッド35の下端部を下方側棒33へ固着し
ている手段と同一部材である。更に前輪11を支持して
いるキャスタ20が下方部分25に装着されている前脚
部分12の側棒21には、固着部材29の僅かに上方位
置に枢着手段70を介して第1補強手段60の前方部材
67が枢着されている。
【0012】前脚部分12の側棒21の更に上方位置に
は図9に示すように折り曲げられた固定部材78が固定
手段79を介して固着されている。この固定部材78に
は着座部分16を構成している第2アーム54の一端部
が枢着手段80によって枢着されている。該第2アーム
54の他端部は、押棒部分15へ固定手段58によって
固着されている図9に示すと同様の形態を有する固定部
材81へ枢着手段82によって枢着されている。
【0013】前脚部分12の側棒21の更に上方位置に
は図10に示すようなフック部材83が固着部材27に
よって取り付けてある。この固着部材27は側棒21へ
上方連結部材22を固着する機能を兼務している。フッ
ク部材83は中央部に凹み84を有しており、ここに前
記枢着手段82が受け入れられるようになっている。図
においてフック部材83の左端部は前脚部分12へ衝接
するように車両の内側方向に直角に折り曲げられ、フッ
ク部材83の移動を制限するストッパ85を提供してい
る。上方には車両の外側方向に直角に折り曲げられ、フ
ック部材83を強化すると共に車両10の操作者即ち搬
送者が当該フック部材83を操作する操作手段86が設
けられている。更に、フック部材83には、一端部が押
棒12へ取り付けられているコイルばね87の他端部が
保持されている。これにより該フック部材83は図1に
おいて、常に時計方向に付勢されており、凹み84が枢
着手段82へ係止するようになっている。なお、ばね8
7の弾性力はストッパ85が前脚部分12へ衝接するこ
とにより制限されており、また該フック部材83は操作
手段86を操作することにより凹み84と枢着手段82
との係止を解くことが出来る。このフック部材83は好
ましくは両側方の前脚部分12へ装着されている。な
お、フック部材83を操作する手段としては、操作手段
86とは別に、後述するカム面88の後方に伸びる操作
片89(図11)を設けることも出来る。即ち図11に
示すフック部材83aの実施例では、操作手段86aは
単にフック部材83aの補強目的のためのものでフック
部材83a自体の操作は行わないため該手段86aの折
り込み方向はストッパ85aと同一の方向でよい。
【0014】後脚手段14には前記枢着手段63と固着
手段65(図8)との間に第1補強手段60の後方部材
68が枢着手段90(図1又は図2)によって枢着され
ている。更に該第1補強手段60の後方部材68の前方
部分は別の枢着手段91によって押棒部分15の本体部
分40へ枢着されている。
【0015】本発明の手動推進車両10において、被搬
送者例えば被介護者を移送する場合、車両10を図1に
示すように拡開状態とする。この場合、前脚部分12と
後脚部分14とを前後方向に広げると、前脚部分12の
上部に取り付けられておりコイルばね78によって固着
部材27の周りに時計方向に付勢されているフック部材
83のカム面88(図10参照)が枢着手段82に接す
る。更に車両10を拡開状態すると、フック部材83の
カム面88がばね78の弾性力に抗して当該フック部材
83を反時計方向に回転する。更に車両10を拡開する
と、フック部材83のカム面88が枢着手段82を飛び
越え、最終的に凹み84が枢着手段82へ係合し、拡開
作業が終了する。このとき、前輪11と後輪13とは最
大限に前後方向位置に広がり、第1補強手段60が地面
にほぼ平行となり、着座部分16の座部保持部材57が
前脚部分12へ密着し、被搬送者例えば被介護者の受け
入れ姿勢が完了する。
【0016】次いで、被搬送者を、着座部分16へ着座
する。被搬送者の足は下方連結部材23上へ置く。肘は
後脚部分14の上方の前方へ曲げられた上方棒34のク
ッション部材36へ置くことが出来る。背中及び肩部は
それぞれ前脚部分12の上方連結部材22へ取り付けた
クッション部材30及び押棒部分15の幅保持部材44
へ取り付けたクッション部材で安全に保持する。必要な
ら、更にベルトにより被搬送者の身体を車両10へ安全
に保持する。搬送者例えば介護者は、押棒部分15の操
作部分41を把持し、車両10を操縦して、所望位置ま
で被搬送者を移動する。操縦中に、前方に段差等があ
り、前輪11がそこを乗り越えることが出来ないような
場合には、搬送者は、第1補強手段60のU字形状の後
方部材68を足で踏み込み、押棒15を下側に押し下げ
る。これにより第1補強手段60が枢着手段91の周り
に回転しかつ第1補強手段60の横行部材69が前脚部
分12へ取付てある前方部材67の前方部分を前脚部分
12と共に浮上させる。このため、車両10は、容易に
段差を乗り越えることが出来る。
【0017】本発明の手動推進車両10を折畳む場合に
は、初めにばね87の弾性力に抗してフック部材83の
操作手段86(図10)又はフック部材83aの操作片
89(図11)を図1において反時計方向に回転してフ
ック部材83と枢着手段82との係合を解き、かつ該操
作手段86又は操作片89を前方へ押す。これにより前
脚部分12は枢着手段75の周りに反時計周りに回転し
て前輪11が後輪13の方へ移動し、該枢着手段75の
位置が上方へ移動する。これにより前輪11が更に後輪
13の方へ接近すると同時に後脚部分14の上方側棒3
4が滑動ロッド35に沿って上方へ移動する。そこで着
座部分16が枢着手段76の周りに時計方向に回転す
る。このため、第1アーム52が下方へ移動する。その
ため第2アーム54がピン等の手段80の周りに時計方
向に回転する。更に第2補強手段64が枢着手段63の
周りに時計方向に回転する。更に、押棒部分15を押し
下げると第1補強手段60の前方部材67が枢着手段7
0の周りを時計方向に回転すると共に、後方部材68が
枢着手段90の周りを反時計方向に回転する。こうして
最終的に図2に示す位置に折り込まれる。この状態で
は、前輪11と後輪13の接地面がほぼ平坦な状態を有
しているので、本発明の車両10は、この折畳んだ状態
にて自立することが出来る。
【0018】図2の折畳んだ位置から図1に示す拡開位
置を得る時には、押棒部分15の操作部分41を上方へ
持ち上げればよい。押棒部分15の操作部分41を上方
へ持ち上げることにより折畳み作業と反対の動作によ
り、車両10は、迅速にかつ確実に図1の位置まで拡開
され、自動的にフック部材83が枢着手段82へ係合す
る。
【0019】本発明においては、前脚部分12は、一対
の側棒21、21と上方連結部材22とを一体部品とし
て構成することも可能であり、更には、一対の側棒2
1、21の下方部分25、25を下方へ曲げることなく
直接下方連結部材23を一体的に形成し、前輪保持機能
を有している下方部分を、別体として構成しこれを中間
部分へ固着して構成することも可能である。同様に、押
棒部分15においては、本体部分40と操作部分41と
を一体的に形成することも出来る。更に、着座部分16
の座部保持部材57は必ずしも必要ではなく、また、座
部保持部材57を前脚部分12へ取付ることも可能であ
る。
【0020】本件発明は、特に被介護者を搬送するため
の介護用車両として説明したが、これに限定されるもの
ではなく、被搬送者を所定位置まで手動搬送するための
通常の手動推進車両として広範囲に使用出来ることは明
きらかである。
【0021】
【発明の効果】本発明の手動推進車両は、前脚部分12
及び押棒部分15が矩形形状を有しており、車両10に
対して極めて頑丈な剛性を提供しており、更に補強部材
60、64、66が車両10の前後方向、横方向への剛
性を提供している。その上、前脚部分12、押棒部分1
5の矩形形状、補強部材60のU字形状部材68が車両
のねじれ方向への剛性を提供しており、全体としてねじ
れ、ゆがみのない極めて安定した形態の車両を提供す
る。また本発明は非常に簡便なフレーム構造を有してい
るにもかかわらず、前後及び左右方向における揺れが少
なく、走行が安定しており、後脚部分14が伸縮するこ
とにより折り畳み作業が容易で、折り畳んだ状態での自
立及び移動が可能であり、狭い収納場所への収納が出
来、その上、パイプ素材の使用により軽量な手動推進車
両を提供し、これにより自動車等への積み込みが容易と
なり、更に、走行時に段差があっても車両前方を簡便に
浮かせることが出来るので、容易にその段差を飛び越え
ることを出来る手動推進車両を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手動推進車両の使用時である拡開位置
を示す図である。
【図2】本発明の手動推進車両の不使用時である折畳み
位置を示す図である。
【図3】本発明の手動推進車両の前脚部分を示す分解斜
視図である。
【図4】本発明の手動推進車両の後脚部分を示す斜視図
であり、(a)は拡開時の状態を示す図であり、(b)
は折畳み時の状態を示す図である。
【図5】本発明の手動推進車両の押棒部分を示す分解斜
視図である。
【図6】本発明の手動推進車両の着座部分を示す分解斜
視図である。
【図7】本発明の手動推進車両の補強部分の第1補強手
段を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の手動推進車両の補強部分の第3補強手
段を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の手動推進車両の固定部材を示す斜視図
である。
【図10】本発明の手動推進車両のフック部材を示す斜
視図である。
【図11】本発明の手動推進車両のフック部材の別の例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
10:手動推進車輌 12:前脚部分 14:後脚部分 15:押棒部分 16:着座部分 17:補強部分 21:側棒 22:上方連結
部材 23:下方連結部材 31:車軸 33:下方側棒 34:上方側棒 35:滑動ロッド 40:本体部分 41:操作部分 42:芯部材 44:幅保持部材 50:座部形成
部分 52:第1アーム 54:第2アー
ム 57:座部保持部材 60:第1補強
手段 64:第2補強手段 66:第3補強
手段 67:前方部材 68:後方部材 69:横行部材 83:フック部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端部に前輪11を有している前脚部分
    12と、下端部に後輪13を有している後脚部分14
    と、介護者が車両10を操縦するための押棒部分15
    と、被介護者が着座する着座部分16と、車両を補強す
    るための補強部分17と、により構成されている手動推
    進車両において、 前脚部分12が、一対の側棒21、21と、当該側棒の
    上端を連結している上方連結部材22と、当該側棒の下
    端を連結している下方連結部材23と、より構成されて
    おり、 後脚部分14が、下方側棒33と、上方側棒34と、両
    者の間隔を伸縮自在に画定している滑動ロッド35と、
    より構成されており、 押棒部分15が、U字形状を有しており開放端部に操作
    部分41、41を有している本体部分40と、本体部分
    の開放端部を連結している幅保持部材44と、より構成
    されており、 着座部分16が、座部形成部分50と、座部形成部分を
    吊っている第1アーム52及び第2アーム54と、より
    構成されており、 補強部分17が、互いに枢着されている、U字形状を有
    している後方部材68及び一対の直線形状の前方部材6
    7を有している第1補強手段60と、第2補強手段64
    と、第3補強手段66と、より構成されており、 前脚部分12へ対して後脚部分14及び着座部分16が
    枢着されており、第1補強手段60の後方部材68が後
    脚部分14へ枢着され、第1補強手段60の前方部材6
    7が前脚部分12へ枢着され、第2補強手段64の端部
    がそれぞれ両側方において前脚部分12及び後脚部分1
    4へ枢着されており、第3補強手段66が後脚部分14
    を幅方向において所定の寸法に保持しており、押棒部分
    15が、第1補強手段60の後方部材68へ枢着されて
    おり、着座部分16の第2アーム54の端部がそれぞれ
    前脚部分12と押棒部分15とに枢着されていることを
    特徴とする手動推進車両。
  2. 【請求項2】 請求項1において、U字形状を有してい
    る後方部材68と前方部材67とにより形成されている
    第1補強手段60が、更に横行部材69を有しており、
    該横行部材69が前方部材67の端部を保持しており、
    これにより後方部材68を下方へ操作することにより、
    横行部材69を介して前方部材67の他端部を上方へ操
    作することを特徴とする手動推進車両。
  3. 【請求項3】 請求項1において、着座部分16が座部
    形成部分50を適性位置へ保持するため前脚12へ作用
    する座部保持部材57を有していることを特徴とする手
    動推進車両。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前脚部分12と押棒
    部分15とを係止するフック部材83を有していること
    を特徴とする手動推進車両。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4における手動推進車両が介
    護用車両である手動推進車両。
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