JP4160187B2 - 携帯用折り畳み可能な車椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は手押し車に関し、特に病院、各種施設等の廊下や、屋上、更には病院や該施設内の遊歩道、ホテルのロビーや廊下等の比較的平坦な部所において使用するのに適している、特に携帯に適した軽量で簡便な車椅子、シルバーカー、又はベビーカー等に有用な携帯用の折り畳み可能な手押し車に関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は先に図4及び図5に示すような折り畳み可能な手押し車について出願した(出願日:平成9年7月4日、出願番号:平9−179388)。この手押し車は、特に、年配の人が散歩などの際に杖代わりに使用したり、必要に応じて、腰を掛けたり、買物した物品を収納したりすることが出来る、いわゆる、老人車若しくはシルバーカーとして使用するのに最適なものである。
【0003】
この手押し車10は、下端に前輪11を有する前脚12と、該前脚12へ対して枢動可能(13)に連結されておりかつ下端に後輪14を有する後脚15と、押棒16と、を有しており、押棒16と後脚15の上端とがひじ掛けレバー17によって互いに枢動可能(18、19)に連結され、押棒16には枢動レバー20と枢動連結レバー21の一端が枢着(22、23)され、該枢動レバー20の他端には座部パイプ24の端部が枢着(25)され、該枢動連結レバー21の端部には後脚折り込みレバー26の一端が枢着(27)され、該後脚折り込みレバー26の他端には前脚折り込みレバー28の一端が枢着(29)され、該前脚折り込みレバー28の他端が前脚12へ枢着(30)され、前記座部パイプ24には前脚12の上端が枢着(31)され、更に該座部パイプ24には、前脚12の枢着(31)位置と枢動レバー20の枢着(25)位置との間において引き込みレバー32の一端が枢着(33)され、該引き込みレバー32の他端が後脚折り込みレバー26へ枢着(34)されていることを特徴とする。
【0004】
この手押し車は、その折畳み及び拡開作業をワンタッチで容易に出来、折り畳んだ際に、シルバーカーがそれ自体で容易にかつ確実に立脚することが出来、さらにその立脚が前輪と後輪とによって安定した状態でほぼ直立状態に折り込むことが出来るので、収容が狭い場所でも十分に収容可能である。また、少なくもと2組の4節回転連鎖構造のため、安定した頑丈なシルバーカを提供出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この折り畳み可能な手押し車は、凹凸があったり、石やその他の邪魔物が拡散している道路上を移動するのに耐え得るように、前後方向及び上下方向に伸びている複数の補強材を使用した頑丈な構造となっており、そのため車体全体の重量が幾分重くなり、またそれに伴って容積が大きい。そのため、例えば、足腰の弱い人や病弱な人を病院や旅先のホテル等において移動させるときに使用するため、乗用車等に搭載したり、そこから降ろしたりするというためには、適切ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本件発明は上記課題を解決するため、押棒と、後脚と、前脚と、座杆と、第1支持杆と、第2支持杆と、により構成され、下端に後輪を有する後脚の上端部が、押棒の中間部に枢着されており、下端に前輪を有する前脚の上端部が、押棒の下端部付近に枢着されており、座杆が、その後端部を押棒の中間部へ枢着され、前端部を第1支持杆の上端部へ枢着されており、第1支持杆は、その下端部を前脚へ枢着されており、下端部を後脚へ枢着されている第2支持杆は、その上端部を第1支持杆へ枢着されており、第1支持杆55と第2支持杆56との間の回転中心である枢動ピン68が、当該手押し車50の折り畳み又は組み立て作業の際に、第1支持杆55と前脚53との間の回転中心である枢動ピン67の回りを回転するよう、第1支持杆55に対して押棒51側の位置に配置されている携帯用の折り畳み可能な手押し車を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本件発明に係る折り畳み可能な手押し車50の組み立て状態即ち使用状態を示している側面図である。この手押し車50は、概括的には、押棒51と、後脚52と、前脚53と、座杆54と、第1支持杆55と、第2支持杆56と、足置き台57と、により構成されている。
【0008】
押棒51は、一対の縦棒部分と該縦棒部分の上方部分を互いに接続している横棒部分とから成り全体が前方又は後方から見て概ねU字形状を有しており、かつ縦棒部分が図1に示すように概ね「ノ」の字形を有している。
【0009】
後脚52は、該押棒51の縦棒部分の中間部に公知の手段によって固定された止め金60へ対して上端部がピン61によって枢着され下端部に後輪58を支承している一対の(図においてはその一方のみを示す)ほぼ直線形状をなしている部材により構成されている。
【0010】
前脚53は、該押棒51の縦棒部分の下端部付近に公知の手段によって固定された止め金62へ対して上端部がピン63によって枢着され下端部に前輪59を支承している一対の(図においてはその一方のみを示す)部材より成り、該部材は図1に示すように、上方の傾斜部分53aと中間の水平部分53bと下方の垂直部分53cとから形成されている。
【0011】
座杆54は、一対の前後方向へ伸びている側棒部分と該側棒部分の前方部分を互いに接続して横断方向に伸びている横棒部分とから成り、上面から見て概ねU字形状を有しており、側棒部分の後端部が、押棒51へ固定されている前記止め金60へ前記ピン61によって後脚52の上端部へ一緒に枢着されている。
【0012】
第1支持杆55は、該座杆54の側棒部分の前方部分へ公知の手段によって固定された止め金64へ対して一端部がピン65によって枢着され他端部には概ね三角形を有している側板66が固定されており、好ましくは該他端部と側板66とが一緒にピン67によって前脚の傾斜部分53aへ枢着されている。
【0013】
第2支持杆56は、前記側板66の頂部へ一端部がピン68(図2参照)により枢着されかつ他端部が後脚52の下方部分へ対してピン69によって枢着されている。
【0014】
足置き台57は、前記前脚の水平部分53cへピン70、71を介して固着されている。
【0015】
ここにおいて、第1支持杆55の他端部に固定されている概ね三角形を有している側板66は、例えば該第1支持杆55の他端部をピン68の位置までエルボー状に曲げて伸ばすことにより、不要とすることも出来る。即ち、第1支持杆55へ対する前脚53及び第2支持杆56の枢着位置の関係は、第1支持杆55と第2支持杆56との間の回転中心である枢動ピン68が、当該手押し車50の折り畳み又は組み立て作業の際に、第1支持杆55と前脚53との間の回転中心である枢動ピン67の回りを回転するよう、第1支持杆55に対して押棒51側の位置に配置されている。
【0016】
また、押棒51の下端部にはピン72が設けてある。更にこのピン72に近接した位置において、前脚53の上端部付近には同様のピン73が設けてある。これらのピン72、73の一方(例えばピン72)にはフック金具(図示なし)を枢着し、当該フック金具を他方のピン(例えばピン73)へ係止することにより、当該手押し車50をロック状態とすることが出来る。
【0017】
本件発明に関する手押し車50を簡便な車椅子として使用する場合には座杆54へ被介護者や患者等が安心して着座出来るような座部を形成する。またシルバーカーとして使用する場合には、足置き台57は邪魔になるので取り外すことが望ましい。更に、ベビーカーとして使用する場合には座杆54へ幼児が着座出来るような座部即ちハンモックを装着する。
【0018】
本件発明にかかる手押し車50を折り畳む場合には、初めに前記フック(図示なし)を解放してロック状態を解除する。次いで図2に示すように、押棒51の上部を前方へ押し込む。このとき押棒51はピン61を中心として前方へ押し込まれる。これに伴って該押棒51の下端部が後方へ移動する。このため前脚53の上部がピン63によって後方へ引かれ、該前脚53の後方移動に伴って、第1支持杆55の他端部が後方へ移動する。このため後脚52と座杆54と第1支持杆55と第2支持杆56から成る四節連鎖が、図1に示す状態から、図2に示す状態へ変形する。
【0019】
押棒51を更に図2の位置から図3に示す位置まで前方及び下方へ移動すると、前脚53が立ち上がり前輪59を後輪58の方向へ引き寄せる。更に第2支持杆56が垂直方向へ移動すると共に、座杆54が垂直方向へ移動しかつ第1支持杆55を立ち上げ状態に保持し、最終的に図3に示す位置を取る。
【0020】
この位置では前輪59と後輪58とが接近した状態となり、押棒51の横棒部分が地面に接近する。このため、手押し車50が二つ折りされた状態となる。このため、手押し車50の高さが非常に低い位置まで折り畳まれる。更に、前脚53の幅寸法と、後脚52の幅寸法と、を互いに異なるように設定しておくことにより、前脚53又は後脚52が後脚52又は前脚53の間に入り込み、折り畳み時の厚み寸法を小さくすることが可能であり、また、本発明の手押し車50は先に出願した図4及び図5に示すような手押し車に比較して、構成部品点数が極めて少なく、軽量であり、このため、自動車のトランク等への搭載が非常に容易に行えるのである。また、この折り畳み位置を維持するため、必要なら、公知のような折り畳み位置保持フックを設けることも出来る。
【0021】
なお、手押し車50をこの折り畳み位置(図3)から使用位置(図1)へ組み立てる場合には、初めに折り畳んだ状態の手押し車50をトランク等から降ろし、図3に示すように位置へ立ち上げる。次いで公知のような折り畳み位置保持フックを解除する。その後、押棒51を上方へ引き起こす(図2参照)。その結果、前脚53下端の前輪59が後脚52下端の後輪58から離れ、簡単かつ迅速に図1に示す組み立て位置を取ることが出来る。最後に組み立てフック金具を施錠してロック位置を得る。
【0022】
勿論、介護者が手押し車50を容易に操作し、更には被介護者を当該手押し車50へ移送する際に当該手押し車50を静止位置へ保持するため、必要に応じてこの手押し車50には、公知の制動装置、停止装置等が装着される。
【0023】
更に、図示していないが、押棒には必要に応じて、肘掛け棒を枢着することが出来る。これにより被介護者の着座時の安定を図ることが出来る。
【0024】
【発明の効果】
本件発明にかかる手押し車10は、軽量パイプ素材を使用することにより、その重量の軽減化を図り、また、ワンタッチでほぼ2つの折り畳めるようにすることにより、持ち運びが容易となっており、自動車のトランクへの収納も極めて容易に行うことが出来、携帯用の折り畳み手押し車として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本件発明にかかる手押し車の使用時における側面図である。
【図2】 本件発明にかかる手押し車の折り畳み途中の状態を示す側面図である。
【図3】 本件発明にかかる手押し車の折り畳みが完了した時の状態を示す側面図である。
【図4】 本件発明者が先に出願した手押し車の側面図である。
【図5】 本件発明者が先に出願した手押し車の折り畳みが完了した時の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
50:手押し車 51:押棒
52:後脚 53:前脚
54:座杆 55:第1支持杆
56:第2支持杆 58:後輪
58:前輪 67、68:ピン
Claims (3)
- 携帯用の折り畳み可能な手押し車50であって、押棒51と、後脚52と、前脚53と、座杆54と、第1支持杆55と、第2支持杆56と、により構成されており、
下端に後輪58を有する後脚52の上端部が、押棒51の中間部に枢着されており、
下端に前輪59を有する前脚53の上端部が、押棒51の下端部付近に枢着されており、
座杆54が、その後端部を押棒51の中間部へ枢着され、前端部を第1支持杆55の上端部へ枢着されており、
第1支持杆55は、その下端部を前脚53へ枢着されており、
下端部を後脚52へ枢着されている第2支持杆56は、その上端部を第1支持杆55へ枢着されており、
第1支持杆55と第2支持杆56との間の回転中心である枢動ピン68が、当該手押し車50の折り畳み又は組み立て作業の際に、第1支持杆55と前脚53との間の回転中心である枢動ピン67の回りを回転するよう、第1支持杆55に対して押棒51側の位置に配置されていることを特徴とする携帯用の折り畳み可能な手押し車50。 - 前脚53へ足置き台57が装着されている請求項1に記載の携帯用の折り畳み可能な手押し車50。
- 第1支持杆55の一端部へ側板66が固着され、該側板66の一部が前脚53へピン67により枢着されており、該側板66の他の一部へ第2支持杆56がピン68により枢着されている請求項1又は請求項2に記載の携帯用の折り畳み可能な手押し車50。
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