JP3542635B2 - 代謝活性化剤及び皮膚外用剤並びに浴用剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は代謝活性化剤及びこれを含有する浴用剤に関し、詳しくは、ステロイド誘導体からなる代謝活性化剤及びこれを含有する浴用剤に関する。
【0002】
【従来技術】
肌理の細かい美しい肌は誰しも求めて止まないものである。しかしながら、加齢による老化現象のため、皮膚組織中の結合組織が著しく架橋し弾性を消失したり、代謝の不活性化により保水能力が減退して肌がカサつくことが広く認められている。老化の一つの指標として肌のはりのなさや保水量の減少があげられているのもこのためである。
【0003】
この様に、老化によって肌のはりがなくなることや、肌がカサつくことを嘆く人は多く、肌のはりのなさを隠すための各種のメークアップ化粧料や、肌のカサつきを改善するための各種化粧料が開発されてきた。
【0004】
しかしながら、上記メークアップ化粧料は何れも肌のはりのなさを隠蔽性の高い粉体で隠すのみで、肌の状態を改善するものではなかった。また、ヒアルロン酸等の保水性の高い物質を塗布し肌のカサつきを改善する試みも広く行われているが、これらの物質が皮膚より除去されるとこれらの効果は消え失せてしまうため、一過性の効果と言わざるを得なかった。そこで、肌のはりがなくなることや、肌がカサつくことの原因とされる代謝の不活性化を改善することで、肌のはりを回復したり、肌のカサつきを改善したりすることのできる薬剤の開発が望まれていた。
【0005】
一方、一般式(I)で表されるようなステロイド誘導体が皮膚の代謝の活性化を促す作用を有することは知られておらず、また、これらを浴用剤に配合して肌の老化を改善しようとする試みはこれまでに行われていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、皮膚の代謝活性を促進する作用に優れ、更に、安全性に優れた代謝活性化剤及び、これを配合することで皮膚の状態改善作用を有する浴用剤を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、代謝活性化作用を指標に各種化合物について広くスクリーニングを行った結果、一般式(I)で表されるステロイド誘導体が優れた代謝活性化作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表されるステロイド誘導体からなる代謝活性化剤及びこれを含有する浴用剤である。
【0009】
【化9】
【0010】
ただし、(I)式中、Rは化10、化11、化12、化13、化14、化15又は化16で表される基を示す。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
<1>本発明の代謝活性化剤
本発明の代謝活性化剤は、一般式(I)で表されるステロイド誘導体よりなる。本発明に用いるステロイド誘導体として、( I )式中のRが化10で表されるポリポルステロンA、同様にRが化11で表されるポリポルステロンB、Rが化12で表されるポリポルステロンC、Rが化13で表されるポリポルステロンD、Rが化14で表されるポリポルステロンE、Rが化15で表されるポリポルステロンF、更にRが化16で表されるポリポルステロンGが挙げられ、これらの化合物の1種を単独で用いても、又2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
これら、本発明に用いる一般式(I)で表されるステロイド誘導体は、菌類の1種である猪苓(Polyporus umbellatus FRIES)中に存在している。
【0022】
上記ステロイド誘導体を、猪苓抽出物より得るには、例えば以下の方法で、猪苓を極性溶媒で抽出し、得られた抽出物を通常の分離精製手段で精製すれば容易に得られる。
【0023】
猪苓を50%エタノール水溶液で加熱還流等の方法を用いて抽出した後、抽出液より溶媒不溶分を濾過などで除去し、減圧濃縮等により溶媒を除去する。得られた抽出濃縮物をジエチルエーテルと水で分液し、ジエチルエーテル層だけを取り出す。このジエチルエーテル層を減圧濃縮した後、クロロホルム−メタノール混液を溶出溶媒としシリカゲルを担体としてカラムクロマトグラフィーで精製する。あるいは、10〜50%の濃度勾配をつけたアセトニトリル水溶液を溶出溶媒としODSを担体としてカラムクロマトグラフィーで精製する。
【0024】
上述の様な方法によれば、本発明の代謝活性化剤として用いる一般式(I)で表されるステロイド誘導体すなわち、ポリポルステロンA、ポリポルステロンB、ポリポルステロンC、ポリポルステロンD、ポリポルステロンE、ポリポルステロンF、及びポリポルステロンGが得られる。更に、これらポリポルステロンのうちでもポリポルステロンAとポリポルステロンBが収量等の点で好ましい。
【0028】
<2>本発明の浴用剤
本発明の浴用剤は、皮膚状態改善作用を有する成分として上記代謝活性化剤の1種または2種以上を配合したものである。配合量は、浴用剤全量に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。配合量が0.01重量%未満では皮膚状態改善の効果は十分でないことがあり、また、10重量%を越えても効果が頭打ちであり経済的に好ましくない。更に、代謝活性化剤の配合量を0.1〜1重量%とすると、皮膚状態改善の効果に優れる上に外観に与える変化が少ないことから、より好ましい配合量は浴用剤全量に対して0.1〜1重量%である。
【0029】
本発明の浴用剤の剤型は、特に限定されるものではなく、例えば、軟カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤等の通常、浴用剤として用いられているものが挙げられる。これらの浴用剤は、上記ステロイド誘導体からなる代謝活性化剤を配合する以外は、通常の浴用剤と同様の方法で製造することができる。
【0030】
また、本発明の浴用剤には、上記代謝活性化剤以外に、通常、浴用剤に適用される硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等の無機塩類、香料、ハーブエキス、ノニオン、アニオン、カチオン、両性等の界面活性剤、多価アルコール、糖類、油分、防腐剤、色素等が適宜選択されて配合される。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
はじめに、本発明の代謝活性化剤として用いるポリポルステロンA〜Gの製造例を説明する。
【0032】
【実施例1】ポリポルステロン類の製造
猪苓100kgに10倍量の50%エタノール水溶液を加え、撹拌しながら2時間の加熱還流を行い可溶分を抽出した。得られた抽出液を濾過して不溶分を取り除いた後、濾液を濃縮して抽出濃縮物とした。
【0033】
これを20Lの水に分散させた後、更に等量のジエチルエーテルを加え分液した。これからジエチルエーテル層のみを取り出し、減圧濃縮した後、シリカゲルカラム(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=1:0→0:1)で精製を行い、次いでODSカラムを装着した分取液体クロマトグラフィーで精製して、298mgのポリポルステロンA、276mgのポリポルステロンB、31mgのポリポルステロンC、7mgのポリポルステロンD、19mgのポリポルステロンE、10mgのポリポルステロンF及び、11mgのポリポルステロンGを得た。
【0034】
<本発明の代謝活性化剤の評価>
上記実施例1で得られた本発明の代謝活性化剤であるポリポルステロンA〜Gについて、安全性及び皮膚代謝活性化作用に関する試験を行った。
【0035】
(1)安全性試験
1群6匹づつ7群のハートレイ系白色モルモット(雄性、体重300〜350g)の背部を剃毛し、各群の剃毛部に上記各ポリポルステロンの10%水溶液をそれぞれ24時間クローズドパッチして経皮刺激試験を行った。判定は、クローズドパッチ解放2時間後に、以下に示す本邦パッチテスト基準(日本皮膚科学会)を用いて行った。
【0036】
− : 無反応
± : 微弱反応
+ : 陽性反応
++ : 浮腫反応
【0037】
結果は全てのモルモットが−(無反応)を示した。これにより本発明の代謝活性化剤として用いる上記7種類のポリポルステロンは全て、安全性に優れていることがわかる。
【0038】
(2)皮膚代謝活性化作用
以下の方法で皮膚角層のターンオーバー時間を測定し、これを指標として上記各ポリポルステロンの皮膚代謝活性化作用の評価を行った。
【0039】
1群5匹づつのハートレイ系白色種モルモット(雄性、体重300〜350g)の左右の耳に10重量%ダンシルクロライド含有ワセリンを24時間クローズドパッチして、皮膚角層を蛍光染着した後、各群のモルモットの右耳には上記実施例で得られた各ポリポルステロンの10%水溶液0.05mlを投与(1回投与)し、左耳は何も処置せず、その後の蛍光強度の経時変化を蛍光が消失するまで隔日で測定した。尚、コントロールとして、ダンシルクロライド染着後、左右の耳とも何の処置も施さなかったモルモット群についても同様に蛍光強度の経時変化を測定した。
【0040】
左耳の蛍光が消失するまでに要した日数(ターンオーバー時間)を右耳の蛍光が消失するまでに要した日数(ターンオーバー時間)で除した値を皮膚代謝活性化度として評価に用いた。表1に皮膚代謝活性化度の5匹の平均値を標準偏差値と共に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
この結果から、本発明の代謝活性化剤として用いる上記7種類のポリポルステロンは、皮膚角層のターンオーバーを促進しており、皮膚の代謝を活性化する作用に優れることがわかる。
【0043】
次に、上記実施例1で得られたポリポルステロンA〜Gを代謝活性化剤として配合した本発明の浴用剤の実施例を説明する。尚、以下に用いる配合量は全て重量%である。
【0048】
【実施例2〜5】
浴用剤
表2の成分をニーダーで混練りし、浴用剤を製造した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明の代謝活性化剤は、皮膚の代謝活性化作用に優れ、更に、安全性に優れる。また、この代謝活性化剤を配合した本発明の浴用剤は、皮膚の状態改善作用を有すると共に、長期にわたって安全に使用することができる。
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