JPH07223971A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH07223971A
JPH07223971A JP1800294A JP1800294A JPH07223971A JP H07223971 A JPH07223971 A JP H07223971A JP 1800294 A JP1800294 A JP 1800294A JP 1800294 A JP1800294 A JP 1800294A JP H07223971 A JPH07223971 A JP H07223971A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチルセルロース1〜5重量%、水1〜10
重量%、可塑剤2.2〜25重量%、抗真菌剤0.1〜
5重量%、抗炎症性化合物0.1〜5重量%及びアルコ
ール50〜95重量%を含有し、且つ可塑剤のエチルセ
ルロースに対する重量比で2.2〜5である皮膚外用
剤。 【効果】 本発明の皮膚外用剤は、抗真菌剤及び抗炎症
剤に対して優れた経皮吸収促進作用を有するので、皮膚
真菌症の治療に大変有益なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚外用剤に関し、更に
詳しくは皮膚真菌症治療用の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水虫に代表される皮膚真菌症は、罹患者
数が多く、しかも治癒しにくいので隠れた大きな社会問
題であるといわれている。更にこれらの疾病は、ひどい
痒みを罹患者に与えるため、その患者の集中力を低下せ
しめ、社会生活に於ける生産性を著しく阻害し、人間社
会に大きな悪影響を及ぼしていることは、想像に難くな
い。即ち、「隔靴掻痒」と言う言葉が生まれるほど、古
くから皮膚真菌症は人間を悩ませ、その作業効率を低下
せしめてきたものである。
【0003】従って、皮膚真菌症を治療するにあたり、
抗真菌剤により真菌の生育を阻止したり、真菌を死滅さ
せると同時に真菌症に起因する掻痒感を和らげること
は、社会生活でのクォリティーを考えると大変重要なこ
とである。
【0004】かかる視点より、現在まで各種の抗真菌剤
と抗炎症性化合物を組み合わせた皮膚外用剤が開発され
てきたが、抗真菌剤により抗炎症性化合物の経皮吸収が
阻害され、更に真菌症による皮膚の糜爛等のために抗炎
症性化合物の吸収が阻害されるため、期待した程の効果
が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、抗炎症性化合物を効率よく経皮吸収せしめる真菌症
治療用の皮膚外用剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み、本発
明者らは抗真菌剤の存在下で抗炎症性化合物を効率よく
経皮吸収させ得る製剤について鋭意研究を重ねた結果、
エチルセルロースの含水アルコールゲルが経皮吸収作用
に優れることを見出し、従ってこれを皮膚外用剤に配合
することにより抗炎症性化合物が効率的に経皮吸収され
得ることを見出し、発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明はエチルセルロース1〜5重
量%、水1〜10重量%、可塑剤2.2〜25重量%、
抗真菌剤0.1〜5重量%、抗炎症性化合物0.1〜5
重量%及びアルコール50〜95重量%を含有し、且つ
可塑剤のエチルセルロースに対する割合が重量比で2.
2〜5であることを特徴とする皮膚外用剤を提供するも
のである。
【0008】ここで、本発明で用いるエチルセルロース
は非水溶性の被膜形成剤として、例えば錠剤や顆粒をコ
ーティングする目的で使用されるなど、特に医薬品の分
野で広く用いられてきたものであり、エチルセルロース
でコーティングされた顆粒は腸溶性或いは徐放性を有す
ることが知られている。本発明の皮膚外用剤に於いて、
エチルセルロースは後述する水及びアルコールと共に、
経皮吸収性のよいエチルセルロースの含水アルコールゲ
ルを形成し、このゲルによって抗炎症性化合物の皮膚に
対する吸収が促進される。エチルセルロースの配合量は
皮膚外用剤全量の1〜5重量%(以下、単に%で示
す)、特に3〜4%とすることが好ましい。配合量が1
%未満及び10%を超えると抗炎症剤に対する経皮吸収
促進効果が得られない。
【0009】本発明の皮膚外用剤に於いて、水は溶媒と
して作用する必須成分である。水の配合量は皮膚外用剤
全量に対して1〜10%、特に3〜6%とすることが好
ましい。水の配合量が少なすぎると抗炎症剤の経皮吸収
が促進されず、多すぎるとエチルセルロースを可溶化で
きない。
【0010】本発明に於いて、可塑剤は必須成分であ
る。これは、可塑剤と水分とエチルセルロースとで形成
される塗布被膜によって、抗炎症性化合物の経皮吸収が
促進されるからである。このような可塑剤としては、一
般的に用いられているものであれば特に限定されない
が、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ
エチル、フタル酸ジエチル、グリセリルモノオレート、
クエン酸トリエチル等が例示できる。このうちの点か
ら、特にアジピン酸ジイソプロピルを用いることが好ま
しい。これらの可塑剤の配合量は、エチルセルロースに
対して重量比で2.2〜5、特に2.3〜3、従って、
皮膚外用剤全量に対しては2.2〜25%、特に7〜1
2%であることが好適である。可塑剤がエチルセルロー
スの2.2倍量より少なくとも5倍量より多くとも抗炎
症性化合物の吸収が促進されず、また、系そのものが不
安定になる原因となる。
【0011】本発明の皮膚外用剤に用いる抗真菌剤とし
ては、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコ
ナゾール、硝酸イソコナゾール、ピロールニトリン、ト
ルナフテート、ビフマシン、トリコマイシン、シクロピ
ロクスオクラミン、エキサラミド、ハロプロジンなどが
好適に使用され、このうち、抗炎症剤との相性からクロ
トリマゾールが最も好ましい。これらは1種を単独て用
いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この抗真
菌剤の配合量は通常皮膚外用剤に配合される量とするこ
とができ、即ち抗真菌作用が発現するのに充分な量であ
る0.1〜5%、特に0.8〜1.5%とすることが好
ましい。
【0012】本発明の皮膚外用剤に配合する抗炎症性化
合物としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン、ブ
フェキサマック等の抗炎症剤;クロタミトン等の鎮痒
剤;ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤などが挙げ
られ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせ
て用いることができるが、ジフェンヒドラミンとグリチ
ルレチン酸とを等量用いることが痒みと炎症の両者を緩
和する点から最も好ましい。これらの本発明の皮膚外用
剤に於ける配合量は通常通りで良く、即ち、抗炎症作用
が発現するのに充分な量である0.1〜5%、特に0.
8〜1.5%とすることが好ましい。
【0013】本発明の皮膚外用剤に配合するアルコール
とは、低鎖長のアルキル基を有するアルコールであり、
具体的にはメタノール、エタノール、ノルマルプロパノ
ール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、t−ブ
チルアルコール等の炭素数1〜4のアルコールが例示で
きる。これらは1種を単独でも2種以上を混合して用い
ることもできるが、安全性及び皮膚浸透性の観点から、
特にエタノール及び/又はイソプロパノールを用いるこ
とが好ましく、最も好適なのはエタノールを単独で用い
ることである。アルコールの配合量は皮膚外用剤全量の
50〜95%、特に60〜85%とすることが好まし
い。配合量が50%未満では被膜形成剤が十分に溶解し
ないため、薬物の角質層への浸透性が悪くなるなどの不
都合があり、また配合量が90%を超えると他の成分の
自由度が制限され過ぎることとなる。
【0014】本発明の皮膚外用剤として特に好ましい成
分及びその含有割合は、エチルセルロース1〜5%、特
に3〜4%、水1〜10%、特に3〜6%、可塑剤とし
てアジピン酸ジイソプロピル2.2〜25%、特に7〜
12%、抗炎症性化合物としてジフェンヒドラミン及び
/又はグリチルレチン酸0.1〜5%、特に0.8〜
1.5%、エタノール50〜90%、特に60〜85%
である。
【0015】本発明の皮膚外用剤には、これらの必須成
分以外に通常の皮膚外用剤で用いられる任意成分を本発
明の効果を損なわない範囲に於いて配合することができ
る。任意成分としては、例えばpH調整剤、界面活性
剤、増粘剤、メチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐
剤、ベンゾフェノン誘導体、アミノ安息香酸誘導体等の
紫外線吸収剤、γ−トコフェロール、BHT等の抗酸化
剤、香料などが挙げられる。
【0016】これらの必須成分及び任意成分より本発明
の皮膚外用剤を製造するには、通常の方法を用いて行え
ばよく、例えば、これら成分を秤量し、加熱撹拌して溶
解させた後、冷却するなどの方法を採用することができ
る。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて、更に詳しく本発明に
ついて説明するが、本発明がこれら実施例に限定されな
いことはいうまでもない。
【0018】実施例1〜3及び比較例1〜5 表1に示す成分を秤量し、80℃に加熱撹拌して溶解さ
せ、撹拌冷却することにより、実施例1〜3及び比較例
1〜5の皮膚外用剤を得た。得られた皮膚外用剤につい
て、シンクタイプの拡散セルを用いて薬物の経皮吸収に
ついて検討した。即ち、ハートレイ系白色種モルモット
(雄性、350〜400g)の背部皮膚を剃毛した後摘
出し、これをシンクタイプの拡散セルに装着した。ドナ
ー側には皮膚外用剤を塗布し、アクセプター側には燐酸
緩衝生理食塩水溶液を入れ、37℃で24時間放置後ア
クセプター側の薬物の濃度を高速液体クロマトグラフィ
ーで定量した。この定量は、抗真菌剤であるクロトリマ
ゾール、抗炎症性化合物であるジフェンヒドラミンにつ
いて行った。アクセプター側への薬物移行率を表1に併
記する。表1から、本発明の皮膚外用剤は抗真菌剤のみ
ならず抗炎症性化合物に対しても経皮吸収を促進してい
ることが明らかであるが、可塑剤のエチルセルロースに
対する重量比が2.2〜5を満たしていない場合は薬物
の経皮吸収性が悪いことが分かる。従って、本発明の皮
膚外用剤によれば皮膚真菌症の治療と抗炎症性化合物に
よる掻痒感の抑制が期待できることが分かる。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の皮膚外用剤は、抗真菌剤及び抗
炎症性化合物に対して優れた経皮吸収促進作用を有する
ので、皮膚真菌症の治療に大変有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/19 9454−4C 31/27 9454−4C 31/40 31/415 ADZ 31/70 31/71 47/10 E 47/36 E F //(A61K 31/415 31:135 31:19)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチルセルロース1〜5重量%、水1〜
    10重量%、可塑剤2.2〜25重量%、抗真菌剤0.
    1〜5重量%、抗炎症性化合物0.1〜5重量%及びア
    ルコール50〜95重量%を含有し、且つ可塑剤のエチ
    ルセルロースに対する割合が重量比で2.2〜5である
    ことを特徴とする皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 上記可塑剤がアジピン酸ジイソプロピ
    ル、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、グリセリ
    ルモノオレート、クエン酸トリエチルから選ばれる1種
    又は2種以上である請求項1記載の皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 上記抗真菌剤がクロトリマゾール、硝酸
    ミコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸イソコナゾー
    ル、ピロールニトリン、トルナフテート、ビフマシン、
    トリコマイシン、シクロピロクスオクラミン、エキサラ
    ミド、ハロプロジンから選ばれる1種又は2種以上であ
    る請求項1記載の皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 上記抗炎症性化合物がジフェンヒドラミ
    ン、グリチルレチン酸、グリチルリチン、クロタミト
    ン、ブフェキサマックから選ばれる1種又は2種以上で
    ある請求項1記載の皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 エチルセルロース1〜5重量%、水1〜
    10重量%、上記可塑剤としてアジピン酸ジイソプロピ
    ル2.2〜25重量%、上記抗炎症剤としてジフェンヒ
    ドラミン及び/又はグリチルレチン酸0.1〜5重量
    %、エタノール50〜95重量%を含有する請求項1記
    載の皮膚外用剤。
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