JP3542585B2 - 自動写真撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影ブース内において被写体の写真を撮影する自動写真撮影装置に関し、特に、照明や背景などの演出効果を伴う写真撮影を行うことができる自動写真撮影装置、或いは撮影ブースにのぞき窓又は採光窓を備える自動写真撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮影ブース内に向けて設置されたカメラなどの撮影手段により被写体の画像を撮影し、当該画像を写真としてユーザに提供する自動写真撮影装置が知られている。
【0003】
このような自動写真撮影装置においては、種々の演出効果を伴う写真撮影を可能にすることで、装置のアミューズメント性を高める工夫が行われている。
【0004】
例えば、特許3109507号や特願2001−284086は、撮影ブースの背面部に可動式の背景装置やストロボライトなどの演出効果手段を配置するとともに、撮影装置が内蔵する制御手段により、これらの演出効果手段を制御しつつ撮影セッションを進行させるよう構成することで、多様な景観をバックにした写真撮影や、ライティング等により作り出したクラブやコンサート会場など様々な雰囲気の下での写真撮影を行うことができる撮影装置を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような撮影ブースの背面部に演出効果手段を配置した自動写真撮影装置においては、演出効果を使用しない場合に、背景装置やストロボライトなどの演出効果手段が使用されない状態で写真に写り込むこととなって、写真の美観や興趣性が損なわれるという問題がある。
【0006】
この問題に対処するために、例えば、演出効果手段の手前に開閉可能なカーテンを配置し、演出効果手段を使用しない場合には、利用者がカーテンを操作して演出効果手段をカメラの撮影視界から遮蔽して撮影を行いうるよう構成することも考えられる。
【0007】
しかし、この種の自動写真撮影装置における撮影は、利用者が演出効果手段に背を向けた状態で行われることが通常であるため、カーテンの開閉操作が適切になされないまま撮影が行われる可能性があり、或いはそのために撮影のやり直しが繰り返される結果、装置の稼働率が低下することが考えられる。
【0008】
また近年、一連の撮影セッションにおいて複数枚の写真撮影が自動的に進行する方式を採用する自動写真撮影装置が増加しているが、かかる自動写真撮影装置に上記のような演出効果手段を導入する場合には、演出効果を伴う撮影と演出効果を伴わない撮影が混在する撮影セッションを実行可能とすることが望まれる。
【0009】
しかしながら、この種の自動写真撮影装置における撮影は、数秒から十数秒程度の比較的短い時間間隔で繰り返して行われるものであるため、かかる短い時間間隔毎の撮影に合わせてカーテンを操作することは、利用者にとって一層困難かつ煩雑となる。
【0010】
また、撮影スペースがブース状に構成されている自動写真撮影装置においては、撮影ブースの適所にのぞき窓を設けることにより撮影ブース内に利用者がいることの確認を容易にすることが可能であるが、この場合も、写真にのぞき窓が写り込まないようにするための処置が必要である。
【0011】
更に、クラブやコンサート会場などの雰囲気を照明効果により実現する自動写真撮影装置においては、遮光性のある材料で撮影ブースを形成するなどにより、外部光による照明効果への影響を少なくする必要がある一方で、撮影中以外はある程度の明るさを確保する必要があることから、撮影ブースの適所に採光窓を設けることが好ましいが、この場合も撮影画像に採光窓が写り込まないようにするとともに、撮影中には外部光が撮影ブースに入射しないようにするための処置が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、被写体を収容するスペースを備える撮影ブースと、該撮影ブースに隣接して設置され、該撮影ブース内の被写体を撮影するための撮影手段と制御手段とを備える筐体と、前記撮影手段の撮影視野内に配置された演出効果手段とを有する自動写真撮影装置であって、前記撮影ブースは、前記撮影視野内に配置された演出効果手段を遮蔽する遮蔽状態と、前記演出効果手段を前記撮影手段の撮影視野に露出させる露出状態との間で移行可能にカーテンを駆動するカーテン駆動手段を更に備え、前記制御手段は、前記演出効果手段の動作中に前記撮影手段による撮影が行われる場合には前記カーテンを前記露出状態とし、前記演出効果手段の停止中に前記撮影手段による撮影が行われる場合には前記カーテンを前記遮蔽状態とするように、前記撮影手段、前記演出効果手段の制御と、前記カーテン駆動手段の制御とを同期して行うことを特徴とする自動写真撮影装置である。
【0013】
本発明によれば、制御手段が撮影装置、演出効果手段、及びカーテン駆動手段をそれぞれ同期或いは連動させて制御することにより、演出効果を伴う撮影から演出効果を伴わない撮影に切り替わるタイミングに合わせてカーテンを遮蔽状態にし、逆に演出効果を伴わない撮影から演出効果を伴う撮影に切り替わるタイミングに合わせてカーテンを露出状態にすることが可能となり、従って、使用されない演出効果手段が写真に写り込む不都合が確実に防止される。
【0014】
更に本発明によれば、従来配置できなかった位置にも演出効果手段を配置することが可能となるため、従来よりも装置の設計の自由度を高めることが可能となり、従来実現できなかったより多様な演出効果を実現することが可能となる。
【0015】
本発明における演出効果手段は、例えば、蛍光ライト、スポットライト、RGBライト、ストロボライトなど各種の照明機器を単独または組み合わせて構成することができ、制御手段がこれらの演出効果手段のそれぞれを制御するものとすることにより多様な照明効果を実現することが可能である。
【0016】
更に本発明の演出効果手段としては、上記照明機器に代えて、或いはこれと組み合わせて、特許3109507号等に開示される背景装置を使用することも可能であり、かかる背景装置を制御手段により制御することで、多様な景観や模様などを背景とする写真撮影が可能になる。
【0017】
なお、自動写真撮影装置には、複数の撮影手段を備えて複数の異なるアングルからの撮影を可能とするものがあり、また、個々の撮影手段がズーム機能を備える場合があるため、使用される撮影手段や撮影アングル、或いは、ズーム率などの撮影条件により、撮影される写真のフレームに含まれることとなる撮影視野はそれぞれ異なるものとなることが考えられるが、遮蔽状態においては、撮影手段の撮影視野に入る可能性がある全ての演出効果手段をカーテンにより遮蔽するものとすることで、装置の構成及び制御プロセスの簡略化を図ることができる。
【0018】
また本発明は、被写体を収容するスペースを備える撮影ブースと、該撮影ブースに隣接して設置され、該撮影ブース内の被写体を撮影するための撮影手段と制御手段とを備える筐体と、前記撮影ブースの側面乃至背面に設けられた、前記撮影ブースの外部から撮影ブース内の利用者を確認するためののぞき窓とを有する自動写真撮影装置であって、前記撮影ブースは、前記のぞき窓を遮蔽する遮蔽状態と、前記のぞき窓を露出させる露出状態との間で移行可能にカーテンを駆動するカーテン駆動手段を更に備え、前記制御手段は、撮影セッションの開始時にカーテンを前記遮蔽状態に移動させ、撮影セッションの終了時にカーテンを前記露出状態に移動させるように、前記撮影手段の制御と、前記カーテン駆動手段の制御とを同期して行うことを特徴とする自動写真撮影装置である。
【0019】
即ち、撮影ブースの側面乃至背面の適所にのぞき窓を設けることにより、撮影ブース内に利用者がいることの外部からの確認を容易化することができるとともに、撮影手段及びカーテン駆動手段を同期して制御することにより、撮影時にのぞき窓が写真に写り込むことを防止し、或いは、のぞき窓から入射する外部光が照明装置を用いた演出効果に影響を与えることを防止することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る自動写真撮影装置の外観斜視図を、図2、3は同装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図を示すものであり、以下、これらの図面に基づいて本発明の実施態様を説明する。
【0021】
図示されるように、自動写真撮影装置10は、撮影ブース20と、撮影ブース20に隣接して設けられた筐体40とを備えて構成されている。
【0022】
筐体40は、筐体40の略中央部中程およびその上部に設置されたCCDカメラ41、42と、該カメラにより撮影した映像をリアルタイムで表示するディスプレイ43、44と、撮影された映像を表示し、或いは撮影モードの指定や画像の編集など、各種の入力を行うためのタッチパネル式モニタ45と入力ペン46のセットと、撮影の際、撮影ブース内の被写体に適切な照明を照射するための正面ライト47と、利用者に対する案内やインストラクション、或いはバックミュージックを再生するためのスピーカ48と、利用料金を受け入れるためのコイン投入口49、および、現像された写真プリントを排出する写真排出口50等を備えるとともに、撮影セッションの進行に応じてCCDカメラ41、42、照明装置47、スピーカ48などの制御を行う制御手段51(図5参照)を備えている。
【0023】
また、撮影ブース20は筐体40に隣接して設けられ、撮影ブース20の天井面21、筐体の対向面である背面22、及び両側面23を構成する遮光性の板乃至シートと、筐体40により囲まれる空間に撮影スペースが形成されている。撮影ブースの一側面または両側面23には利用者が出入りするための開口24が設置され、該開口24には、遮光性のカーテン乃至アコーディオンドア25が設けられ、撮影時に該カーテン乃至アコーディオンドア25を閉じることで、撮影スペースを外部光が遮断された独立した空間とすることが可能に構成されている。
【0024】
また図2に示すように、撮影ブース20の背面22及び天井面21には、蛍光ライト26、スポットライト27、RGBライト28、及びストロボライト29などの各種照明よりなる演出効果手段が設けられている。
【0025】
これらの照明26〜29、及び筐体に設けられた正面ライト47は、それぞれ制御手段51からの制御に基づいて動作するよう構成されており、点灯させる照明や個々の照明の光量を適切に調整することにより、順光、逆光、斜光などの基本的なライティングをはじめ、クラブやコンサート会場風の特殊なライティングなど、多種多様な照明効果を実現可能とされている。
【0026】
そして上記制御手段51が、予め設定され、或いは利用者がタッチパネル式モニタ45、入力ペン46などの入力手段を介して設定した撮影条件に従い、撮影セッションの進行に伴ってCCDカメラ41、42の撮影タイミングと同期乃至連動して上記各照明47、26〜29を制御することにより、各撮影タイミングにおいて利用者等が意図した照明効果が実現される。
【0027】
なお、上記したクラブやコンサート会場風のライティングに適合する暗色の背景を提供するために、撮影ブース20の背面22の所定領域は黒色に着色されている。
【0028】
一方、天井面21近傍において背面22から所定距離離間して配置されたカーテンレール30からは、背面22に設置されたストロボライト29の全てを覆うことができる寸法のカーテン31が懸下されており、該カーテン31は後述の電動式カーテン駆動手段60により駆動されて、背面22に配置される全てのストロボライト29を露出させる露出状態(図2)と、全てのストロボライト29を遮蔽する遮蔽状態(図3)との間で移行することが可能とされている。
【0029】
そしてカーテン駆動手段60は、制御手段51からの制御に基づいて、CCDカメラ41、42のシャッタータイミングやストロボライト29と同期乃至連動して動作するよう構成されており、ストロボライト29を使用して撮影が行われるタイミングでは、カーテンを露出状態(図2)に移行させ、ストロボライト29を使用せずに撮影が行われるタイミングでは、カーテンを遮蔽状態(図3)に移行させるように制御される。
【0030】
即ち、ここでのストロボライト29は、逆光での照明効果を実現することを意図して撮影ブースの背面22に配置されるものであるため、各撮影において、少なくとも一部のストロボライト29はCCDカメラ41、42の撮影視野内に位置することとなるが、ストロボライトを使用しない場合には、全てのストロボライト29がカーテンにより遮蔽され、当該カーテンを背景とした撮影が行われることとなり、使用されないストロボライト29が撮影画像に写り込むことによって写真の美観や興趣性を損ねる不都合が解消される。
【0031】
なお、カーテン駆動手段としては、例えば、図4に示す機構を使用することができる。
【0032】
図示されるように、カーテン駆動手段60は、駆動部61、カーテンレール62、及びギアードケーブル63を備えて構成されており、カーテンレール62には、2つのレール溝62a、62bが設けられ、各レール溝62a、62bにギヤードケーブル63がスライド可能に挿通されている。
【0033】
ここで、ギアードケーブル63は、表面に螺旋溝が施された単一のケーブルにより構成されるとともに、その一端63aは一方のレール溝62aに収容され、該レール溝64aを通過したギアードケーブルは駆動部61を経て他方のレール溝62bに挿通され、ギアードケーブル63の他端63bは、該レール溝62b中に収容されるよう配置されている。
【0034】
更に、ギヤードケーブル63のレール溝62bに挿通されている部分には、複数のカーテン懸下部材65aがギアードケーブル63に対してスライド可能に取り付けられるとともに、ギアードケーブルの先端63b近傍には、カーテン懸下部材65bがギアードケーブル63に固定されて取り付けられている。また、最も駆動部61寄りに配置されるカーテン懸下部材65aは、撮影ブース背面22、又は側面23に設けられたフック66に引っ掛けられて位置が固定されている。
【0035】
また、駆動部61には、制御手段51に接続されるモータ67、回転軸68が設けられるとともに、ギア機構69がギアードケーブル63の螺旋溝と噛み合わされて設置されており、制御手段からの信号に応じてモータ67が回転することにより、図4中の矢印に示す方向に、ギアードケーブルが駆動され、カーテン31は、カーテン懸下部材65bに牽引されて、開閉動作を行うこととなる。
【0036】
更に、カーテン駆動手段60は、カーテンレール62の先端にリミッタスイッチ70を更に備えることができ、ギアードケーブル先端63bの該リミッタスイッチ70への接触を感知した場合には、カーテンの遮蔽状態への移行が完了したものとしてモータ67の駆動を停止するよう構成することが可能である。
【0037】
次に図5に基づいて、上記した自動写真撮影装置10のシステム構成を説明する。
【0038】
図示されるように、制御手段51は、自動写真撮影装置10の全体の制御を行うパーソナルコンピュータであり、バス81により相互に接続されるCPU82、ROM83、RAM84、及び、ハードディスク86、CD−ROM87並びに後述の外部機器に接続されるインターフェース(I/F)85を備えて構成されている。
【0039】
CPU82は、自動写真撮影装置10全体の動作、処理等を制御するものであり、ROM83は、パーソナルコンピュータを制御するための基本的なプログラムを格納し、RAM84は、CPU82の作業用データや、利用者が行った入力を一時的に格納し、ハードディスク86は、CD−ROM87から読み込まれたプログラムや、撮影や被写体画像の編集に供される種々のデータを格納するために使用される。なお、撮影セッションにおいて演出効果手段、カーテン駆動機構、撮影手段などを制御するためのプログラムは、CD−ROM87に格納されている。
【0040】
インターフェース85には、CCDカメラ41、42、タッチパネル式モニタ45とタッチペン46よりなる入力装置、スピーカ48に接続された音声出力装置54、コイン処理部52、プリンタ53、各種照明47、26〜29、並びにカーテン駆動手段60などの外部機器に接続されており、CPU82とこれら各機器との間における信号の授受が可能とされる。
【0041】
タッチパネル式モニタ45は透明なタッチパネル45−1をCRTモニタ45−2のモニタ画面上に積層して構成されたものであり、タッチパネル45−1にタッチペン46を接触させることにより、種々の入力を可能とするものである。
【0042】
また、コイン処理部52は、コイン投入口に投入された硬貨を検出し、所定の利用料金が支払われた場合はCPU82にその旨を通知するものであり、プリンタ53は、レイアウトされた撮影画像を例えばA6サイズの写真シールに印刷して写真排出口50に排出するものである。
【0043】
図6は、撮影セッションにおける自動写真撮影装置10の動作を説明するフローチャートである。
【0044】
自動写真撮影装置10は、コイン処理部52から所定のコイン検出信号をCPU42が受信した場合にゲームを開始し、入力装置(45、46)などからの指定やCD−ROM87等に記録されたプログラムに従って撮影セッションの処理が実行される。
【0045】
図6(a)は、CD−ROM87等に記録されたプログラムに従って撮影セッションが自動的に進行させる場合の処理を示しており、予め準備された複数の撮影モードから入力装置(45、46)等から希望のモード選択を受け付けた後(ステップ11)、1回目の撮影条件に合わせてカーテン駆動装置の制御が行われる。
【0046】
即ち、1回目の撮影において、CCDカメラの撮影視野内に配置される演出効果手段(例えばストロボライト29)が使用されるか否かの判断が行われ(ステップ12)、使用される場合にはカーテンが露出状態となるようにカーテン駆動手段60の制御が行われ(ステップ13)、使用されない場合はカーテンが遮蔽状態となるようカーテン駆動手段60の制御が行われる(ステップ14)。
【0047】
続いて、プログラムに従って所定の演出効果手段を動作させた状態で1回目の撮影における映像が静止画像として記録される(ステップ15)。
【0048】
この時、利用者に対しては、音声出力装置54からの音声やタッチパネル式モニタからの画像により撮影タイミングを知らせるためのアナウンスが行われる。
【0049】
撮影は一定の間隔で所定の回数行われよう設定されており、撮影が所定の回数に達しているか否かの判断を行い(ステップ16)、達していない場合にはステップ12〜15の処理が繰り返され、所定の回数に達した場合には撮影セッションが終了する。
【0050】
図6(b)は、利用者による入力装置(25、26)からの指示に応じて処理が進行する撮影セッションの例であり、撮影セッションが開始されると、利用者は、入力装置(25、26)などを使用して、希望する演出効果(撮影条件)を選択することが求められる(ステップ21)。
【0051】
続いて、選択された演出効果の種類に応じて、CCDカメラの撮影視野内に配置される演出効果手段(例えばストロボライト29)が使用されるか否かの判断を行なわれ(ステップ22)、使用される場合にはカーテンが露出状態となるようにカーテン駆動手段60の制御が行われ(ステップ23)、使用されない場合はカーテンが遮蔽状態となるようカーテン駆動手段60の制御が行われる(ステップ24)。
【0052】
その後、選択された演出効果の種類に従って、所定の演出効果手段を動作させた状態で1回目の撮影における映像が静止画像として記録される(ステップ25)。
【0053】
そして、撮影が予め定められた所定の回数に達しているか否かの判断が行われ(ステップ26)、撮影が所定の回数に達していない場合にはステップ22〜25の処理が繰り返され、所定の回数に達した場合には撮影セッションが終了する。
【0054】
以上のように、CCDカメラの撮影視野内に位置する演出効果手段が使用されない場合には、自動的に当該演出効果手段がカーテンにより遮蔽された状態で写真撮影が行われるため、利用者を煩わせることなく、使用されない演出効果手段が撮影映像に写り込む不都合が解消される。
【0055】
なお、上記した実施形態では、遮蔽状態おいて、撮影手段の撮影視野に入る可能性のある全ての演出効果手段(ストロボライト29)をカーテンにより遮蔽するものとした自動写真撮影装置につき説明したが、例えば、遮蔽状態において、撮影視野内に位置する演出効果手段のうち、特に目立つ位置にある演出効果手段のみを遮蔽するものとすることも可能であり、また、使用されない演出効果手段のうち各撮影において撮影視野に位置する演出効果手段のみを選択的に遮蔽するものとすることも可能である。
【0056】
また、上記した実施形態においては、懸下式のカーテンを使用した例を示したが、本願発明はかかる形態に限定されるものではなく、アコーディオン式やシャッター式など遮蔽状態と露出状態を実現できる任意の形態のカーテンを採用することができる。
【0057】
また、上記した実施形態においては、カーテンに非透光性の素材を使用することにより、遮蔽した演出効果手段がカーテンから透けて写真に写り込まないようにすることができるが、他の実施態様として、カーテンに使用する素材を半透光性とすることも可能である。
【0058】
即ち、半透光性のカーテンにより遮蔽した状態でストロボライトを点灯させると、拡散、反射等により、ほぼ一定の明るさの照明光がカーテン全体から被写体に向けて放射されることになり、ほど良い逆光状態を作り出すことができる。この場合のカーテン用素材としては、布地、サテン地、プラスチックシート、和紙などの半透光性シートを使用することができる。
【0059】
更に、カーテン駆動手段もまた上記した実施形態における具体的態様に限定されるものではなく、制御手段からの信号に基づいてカーテンによる遮蔽状態と露出状態とを実現できるものであれば任意の機構を採用することができる。
【0060】
また、本願発明は、上記した実施形態における各種照明47、26〜29に代えて、或いはこれらの全部または一部とともに背景装置32を演出効果手段として使用することが可能である。
【0061】
即ち、図7に示すように、背景装置32を撮影ブース20の背面部に配置することで、照明のみでは得ることができないより多様な演出効果を得ることが可能となるとともに、背景装置32が使用されない撮影タイミングにおいては、上記した実施形態と同様の態様(図3)により、背景装置32を撮影視野から遮蔽するものとすることにより、上記実施形態と同様の効果を併せて達成することができる。
【0062】
なお、背景装置32は、特許3109507号に示されるように、複数の背景が長手方向に配列されて表示される長尺シート33をローラ34から順次繰り出す構成を採用することにより、多様な風景、色彩などをバックにした画像撮影を実現することができる。
【0063】
或いは、背景装置32を所定の色彩の板乃至カーテンとして構成するものとし、クロマキー技術を用いた画像合成を用いることによっても、同様に多様な風景、色彩などをバックにした画像撮影を実現することができる。
【0064】
図8、9は、本願発明の他の実施形態に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図を示すものであり、撮影ブース背面22には、上記した実施形態におけるストロボライト29、或いは背景装置32に代えて、のぞき窓35、或いは採光窓36が設けられている。
【0065】
即ち、図8、9に示すように、撮影ブース20の背面22に、のぞき窓35、乃至採光窓36を設けるとともに、カーテン駆動手段60が、遮蔽状態(a)において当該のぞき窓35、乃至採光窓36を遮蔽し、露出状態(b)において当該のぞき窓35、乃至採光窓36を遮蔽するようカーテンを移動させるものとすることで、撮影画像にのぞき窓35、乃至採光窓36が写り込み、或いは各種照明を用いた演出効果が外部光により損なわれることが防止される。
【0066】
なお、本実施形態におけるカーテン駆動手段60の制御は、各撮影のタイミング毎にカーテンを遮蔽状態に移動させるものであっても良く、或いは撮影セッションの開始時にカーテンを遮蔽状態に移動させ、撮影セッションの終了時にカーテンを露出状態に移動させるものであっても良い。
【0067】
また、遮蔽状態における外部光の影響を抑制するために、カーテン31の素材は遮光性のものを使用することが好ましく、更にカーテン31が撮影視野内に位置する場合には、写真の背景が不自然となることを防止するために、背面22の色彩や風合いと同様の色彩、風合いを有するカーテン31を使用することが好ましい。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなとおり、本発明は、撮影視野内の演出効果手段を遮蔽する遮蔽状態と、演出効果手段を撮影手段の撮影視野に露出させる露出状態との間で移行可能にカーテンを駆動するカーテン駆動手段を備えるとともに、撮影手段、演出効果手段及びカーテン駆動手段の制御を同期して行うものであり、これにより、利用者を煩わせることなく、使用されない演出効果手段が写真に写り込む不都合を確実に防止することができる。
【0069】
また、本発明は、撮影ブースの側面乃至背面に設けられたのぞき窓乃至採光窓を遮蔽する遮蔽状態と、当該のぞき窓乃至採光窓を露出させる露出状態との間で移行可能にカーテンを駆動するカーテン駆動手段を備えるとともに、撮影手段及びカーテン駆動手段の制御を同期して行うものであり、これにより、利用者を煩わせることなく、のぞき窓乃至採光窓が写真に写り込み、或いは照明による演出効果が外部光の影響を受けることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動写真撮影装置の外観斜視図。
【図2】本発明の一実施態様に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図。
【図3】本発明の一実施態様に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図。
【図4】カーテン駆動手段の構造を示す説明図。
【図5】本発明の一実施例に係る自動写真撮影装置10のシステム構成を示す説明図。
【図6】本発明の一実施例に自動写真撮影装置10の動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施態様に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図。
【図8】本発明の一実施態様に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図。
【図9】本発明の一実施態様に係る自動写真撮影装置の撮影ブース内部における背面部付近の正面図。
【符号の説明】
10 自動写真撮影装置
20 撮影ブース
21 撮影ブース天井面
22 撮影ブース背面
23 撮影ブース側面
24 開口
25 アコーディオンドア
26 蛍光ライト
27 スポットライト
28 RGBボライト
29 ストロボライト
30 カーテンレール
31 カーテン
32 背景装置
33 長尺シート
34 ローラ
35 のぞき窓
36 採光窓
40 筐体
41、42 CCDカメラ
43、44 ディスプレイ
45 タッチパネル式モニタ
46 タッチペン
47 照明
48 スピーカ
49 コイン投入口
50 写真排出口
51 制御手段
52 コイン処理部
53 プリンタ
54 音声出力装置
60 カーテン駆動手段
61 駆動部
62 カーテンレール
63 ギアードケーブル
62a、b レール溝
63a、b ギアードケーブル端部
65a、b カーテン懸下部材
66 フック
67 モータ
68 回転軸
69 ギア機構
70 リミッタスイッチ
81 バス
82 CPU
83 ROM
84 RAM
85 インターフェース
86 ハードディスク
87 CD−ROM

Claims (3)

  1. 被写体を収容するスペースを備える撮影ブースと、該撮影ブースに隣接して設置され、該撮影ブース内の被写体を撮影するための撮影手段と制御手段とを備える筐体と、前記撮影手段の撮影視野内に配置された演出効果手段とを有する自動写真撮影装置であって、
    前記撮影ブースは、前記撮影視野内に配置された演出効果手段を遮蔽する遮蔽状態と、前記演出効果手段を前記撮影手段の撮影視野に露出させる露出状態との間で移行可能にカーテンを駆動するカーテン駆動手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記演出効果手段の動作中に前記撮影手段による撮影が行われる場合には前記カーテンを前記露出状態とし、前記演出効果手段の停止中に前記撮影手段による撮影が行われる場合には前記カーテンを前記遮蔽状態とするように、前記撮影手段、前記演出効果手段の制御と、前記カーテン駆動手段の制御とを同期して行うことを特徴とする自動写真撮影装置。
  2. 前記演出効果手段は照明装置であることを特徴とする請求項1に記載の自動写真撮影装置。
  3. 前記演出効果手段は背景画像を表示する背景装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動写真撮影装置。
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