JP3542325B2 - カメラ用シャッタ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ等に搭載されるカメラ用シャッタ装置に関し、特に、露光用の開口部を開閉するシャッタ羽根と開口部の口径を絞る絞り羽根とを別々に独立して備えたカメラ用シャッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を通過させる露光用の開口部を開閉するシャッタ羽根及び開口部の絞りを行なう絞り羽根を別々に備えた従来のカメラ用シャッタ装置としては、例えば特開平10−221740号公報に記載されたものが知られている。
この公報に開示のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部の外周領域において、開口部を開閉するように往復動自在に配置されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根を駆動する電磁駆動源と、開口部の絞り及びその解除を行なうように往復動自在に配置された絞り羽根と、絞り羽根を駆動する電磁駆動源等を備えている。
【0003】
そして、それぞれの電磁駆動源を起動させることにより、開口部を開放する開放位置と開口部を閉鎖する閉鎖位置との間を往復動させてシャッタ羽根に開閉動作を行なわせると共に、開口部を所定の口径に絞る絞り位置とその絞りを解除する退避位置との間を往復動させて絞り羽根に絞り動作を行なわせるようになっている。また、それぞれの電磁駆動源に通電しない非通電の状態で、開放位置及び閉鎖位置にシャッタ羽根を保持すると共に、絞り位置及び退避位置に絞り羽根を保持するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のカメラ用シャッタ装置においては、シャッタ羽根と絞り羽根とを駆動する駆動源としてそれぞれ別々の電磁駆動源を備えているため、複雑な連動機構等を用いることなくシャッタ羽根及び絞り羽根の駆動をそれぞれ別個に独立して行なうことができるものの、別々の電磁駆動源を備えるが故に、装置の大型化、重量化、高コスト化等を招き、又、電磁駆動源の個数に応じた消費電力の増加等を招くことになる。
また、絞り羽根等の駆動に際し、単に電磁駆動源を起動させて絞り羽根を移動させるだけでは、所定の絞り位置等に位置付ける際にバウンド現象等を招く場合があり、迅速な絞り動作を行なう際の応答性の面では好ましくない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、装置の複雑化を招くことなく、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させる構成を採用して、装置の小型化、軽量化、低コスト化等を図ると共に、シャッタ羽根及び絞り羽根に所望の機能を確実に行なわせることができ、又、絞り羽根を迅速に位置決めして所望の絞り動作を確実に行なわせることができるカメラ用シャッタ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、予めシャッタ羽根を閉鎖位置に移動させてから所定量戻すことにより、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動させ、かつ、この電磁駆動源の駆動力如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、予めシャッタ羽根を閉鎖位置に移動させてから所定量戻すことにより、絞り羽根が絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0007】
また、本発明に係る第2のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置までシャッタ羽根を移動させてから戻すことにより、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動させ、かつ、この電磁駆動源の駆動力如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置までシャッタ羽根を移動させてから戻すことにより、絞り羽根が絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0008】
上記第1及び第2の発明に係る構成において、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して電流値を連続的に減少させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電流値を段階的に減少させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電力を連続的に減少させる通電制御を行なう構成、のいずれかを採用することができる。
この構成によれば、絞り動作が迅速かつ確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0009】
さらに、本発明に係る第3のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、電磁駆動源の一方向への回転駆動力により、シャッタ羽根を伴って作動させられる絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を拮抗する付勢力により規制し、かつ、電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の同一方向への回転駆動力によりシャッタ羽根の規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して、所定の通電時間に亘って通電の大きさを増加させる通電制御を行い、退避位置から徐々に絞り位置に移動させて、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動し、かつ、この電磁駆動源が一方向に回転する際のその駆動力の大きさ如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、所定の通電時間に亘って通電の大きさを増加させる通電制御により、絞り羽根が退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0010】
上記第3の発明に係る構成おいて、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して電流値を連続的に増加させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電流値を段階的に増加させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電力を連続的に増加させる通電制御を行なう構成、のいずれかを採用することができる。
この構成によれば、絞り動作が迅速かつ確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0011】
また、上記第1ないし第3の発明に係る構成において、制御手段は、シャッタ羽根が閉鎖位置に移動した状態で、電磁駆動源に対してシャッタ羽根を閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電流値を減少させる通電制御を行なう構成、あるいは、電磁駆動源に対してシャッタ羽根を閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電力を減少させる通電制御を行なう構成、を採用することができる。
この構成によれば、消費電力が軽減され、又、発熱等による電磁駆動源の破損等が防止される。
【0012】
また、上記第1ないし第3の発明に係る構成において、制御手段は、シャッタ羽根及び絞り羽根の各動作毎に、電磁駆動源に対して電流値を変化させる通電制御を行なう構成、あるいは、電磁駆動源に対して電力を変化させる通電制御を行なう構成、を採用することができる。
この構成によれば、各動作に合わせた効率の良い制御が行なわれ、消費電力の低減が図れると共に、絞り動作が確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0013】
上記構成において、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させる捩りバネを有し、この捩りバネの一端部は絞り羽根に掛止され、捩りバネの他端部はシャッタ羽根に掛止されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、シャッタ羽根及び絞り羽根の相互間のガタが吸収され、又、バネをセットする際の初期セット荷重のバラツキ(バネの力量変動)が抑制あるいは防止される。
【0014】
上記構成において、電磁駆動源への非通電状態で、シャッタ羽根を開放位置にかつ絞り羽根を退避位置に位置付けて保持するべく、電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、バネによりシャッタ羽根が開放位置に又絞り羽根が退避位置に保持されるため、磁気的吸引力等を用いる場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、又、部品点数が削減される。
【0015】
上記構成において、電磁駆動源への非通電状態で、シャッタ羽根を中間位置にかつ絞り羽根を絞り位置に位置付けて保持するべく、電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、バネによりシャッタ羽根が中間位置に又絞り羽根が絞り位置に保持されるため、磁気的吸引力等を用いる場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、又、部品点数が削減される。
【0016】
上記構成において、規制手段は、絞り羽根が絞り位置にあるときに対応する中間位置と閉鎖位置との間にシャッタ羽根が位置する際に、シャッタ羽根を開放位置に向けて付勢する捩りバネからなり、この捩りバネは、シャッタ羽根に係合し得る直線状の係合部が、シャッタ羽根の移動面に対して傾斜している、構成を採用することができる。
この構成によれば、規制手段としての捩りバネとシャッタ羽根との間における作用力(シャッタ羽根が捩りバネを変形させる力あるいは捩りバネがシャッタ羽根を付勢する力)の伝達が効率良く確実に行なわれる。
【0017】
上記構成において、係合部を支持する捩りバネの腕部は、シャッタ羽根の移動方向に対して略直角に伸長している、構成を採用することができる。
この構成によれば、捩りバネの作動ロスが軽減され、その付勢力が効率良く作用する。これにより、シャッタ羽根及び捩りバネの動作が安定する。
【0018】
上記構成において、電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、絞り羽根は、退避位置から絞り位置へ向かう絞り動作の途中で、上記駆動ピンが一時的に係合して駆動力を及ぼす第1被係合部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、シャッタ羽根の移動に追従して絞り羽根が移動させられるのに加えて、駆動ピンが第1被係合部に一時的に係合して絞り羽根に直接駆動力を及ぼす(絞り羽根を蹴飛ばす)ため、絞り動作時の応答性が向上する。
【0019】
上記構成において、電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、絞り羽根は、絞り位置側の領域と退避位置側の領域とで駆動ピンの移動方向に略直交する方向に伸長するように形成されかつ駆動ピンが係合して駆動力を及ぼす第2被係合部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、絞り位置側の領域と退避位置側の領域とで駆動ピンの移動方向に略直交する方向に伸長するように、すなわち、絞り位置近傍と退避位置近傍とのいずれにおいても、でロータの回転中心に向かうように伸長する縁部をもつ第2被係合部が形成されているため、ロータの回転角度範囲を大きくすることなく、絞り羽根の作動角度を増加させることができる。したがって、ロータの回転角度に制約がある場合に好適である。
【0020】
上記構成において、シャッタ羽根及び絞り羽根は、同一の羽根室内に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、装置の薄型化を図りつつ、シャッタ羽根と絞り羽根との連動関係を簡略な構造にて確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図9は、本発明に係るカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の平面図、図2は装置の内部を示す平面図、図3はシャッタ羽根を示す平面図、図4は絞り羽根を示す平面図、図5は電磁駆動源及びその近傍領域を示す周方向における展開断面図、図6は規制手段としての捩りバネを示す平面図及び側面図、図7はシャッタ羽根が開口部を開放した開放位置にありかつ絞り羽根が絞りを解除した退避位置にある状態を示す平面図、図8はシャッタ羽根が開口部を開放した中間位置にありかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置にある状態を示す平面図、図9はシャッタ羽根が開口部を閉鎖した閉鎖位置にありかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置にある状態を示す平面図である。
尚、上記図面の一部においては、説明の便宜上、構成部品の一部を省略して表しており、又、構成部品の一部において点線で示すべきところを実線にてあるいは二点鎖線で示すべきところを実線にて表している。
【0022】
この実施形態に係るカメラ用シャッタ装置は、図1、図2、及び図5に示すように、装置の輪郭を画定する地板10及び覆板20と、地板10と覆板20との間に挟まれて光を通過させる露光用の開口部30aを形成する中間板30と、開口部30aを開閉するシャッタ羽根40と、所定の口径を得られるように開口を有する絞り羽根50と、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定のタイミングで移動させるべく駆動及び制御を行なう駆動制御機構(電磁駆動源60、規制手段70、種々の制御を司る制御手段(CPU等))等を、その基本構成として備えている。
【0023】
駆動制御機構の一部をなす電磁駆動源60は、図1及び図5に示すように、所定の角度範囲に亘って回動自在に配置されたロータ61と、励磁用のコイル62と、磁路を形成するべく配置された円筒状のヨーク63と、これらの部品を担持する内側支持枠65及び外側支持枠66等により形成された所謂アイリスモータと呼ばれるムービングマグネット型の電磁アクチュエータである。
【0024】
ロータ61は、略円柱形状をなしており、図5に示すように、その駆動ピン61aが一体的に形成された回動軸61bと、永久磁石部61c等により形成されている。ここで、回動軸61b及び駆動ピン61aは樹脂材料等により成型されており、永久磁石部61cは、N極とS極とに着磁されている。そして、駆動軸61bの両端部が、それぞれ外側支持枠66の軸受け穴66a及び内側支持枠65の軸受け穴65aに回動自在に支持されている。尚、内側支持枠65は、地板10に形成された取り付けフランジ10mに対して締結ねじ等により固着され、外側支持枠66は、内側支持枠65に対して連結爪等により固着されるようになっている。
【0025】
地板10は、図1に示すように樹脂材料等により略矩形形状の輪郭をなすように成型されており、その表側中央部において、開口部30aを露出させるように形成された開口部10aを備えている。また、その裏側において、図5に示すようにシャッタ羽根40及び絞り羽根50の回動支点となる支持軸10b,10cと、図2に示すように、シャッタ羽根40の移動を規制する開き側のストッパ10d,10e及び閉じ側のストッパ10f、絞り羽根50の移動を規制する絞り側のストッパ10g及び解除側のストッパ10h、絞り羽根50を支持する支持リブ10j等を備えている。また、図1に示すように、駆動ピン61aの移動を許容する切り欠き孔10k等を備えている。
【0026】
覆板20は、地板10と同様の矩形形状の輪郭をなし、図5に示すように、地板10に対して凹凸嵌合及び締結ねじ等により結合されており、覆板20と地板10との間に中間板30が挟持されている。そして、中間板30と地板10との間の空間には、図5に示すように、規制手段としての捩りバネ70、シャッタ羽根40と絞り羽根50とを連動させる捩りバネ80等が配置されている。また、地板10の表側には、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定の位置に保持する捩りバネ90等が配置されている。さらに、中間板30と覆板20との間には羽根室Wが画定されており、この羽根室W内にシャッタ羽根40及び絞り羽根50が配置されている。尚、中間板30は、主として羽根室Wを画定すると共に、口径が比較的に小さい開口部30aにより開口径を画定するものである。
このように、同一の羽根室W内に、シャッタ羽根40と絞り羽根50とが配置されているため、装置の薄型化が行なえると共に、シャッタ羽根40と絞り羽根50との連動関係を簡略な構造にて容易に形成することができる。
【0027】
シャッタ羽根40は、図2及び図3(a),(b)に示すように、第1シャッタ羽根41と第2シャッタ羽根42との2枚からなり、それぞれ遮蔽部41a,42aと、支持軸10b,10cに回動自在に支持される孔41b,42bと、電磁駆動源60の駆動ピン61aと係合する長孔41c,42c等により形成されている。
そして、第1シャッタ羽根41の長孔41c及び第2シャッタ羽根42の長孔42cに遊挿(移動自在に嵌合)された駆動ピン61aが、図2中下側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42はそれぞれ回動して開口部30aを開放する開放位置に至り、一方、駆動ピン61aが図2において上側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42はそれぞれ回動して開口部30aを閉鎖する閉鎖位置に至る。
【0028】
ここで、開放位置においては、図7に示すように、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに係合し、又、第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに係合して、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42のそれ以上の開き方向への移動が規制されている。また、閉鎖位置においては、図9に示すように、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに係合して、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42のそれ以上の閉じ方向への移動が規制されている。
尚、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42は、連動関係にあるため、ストッパ10d,10eのいずれか一方のみとしても、相互の羽根の移動を規制することができる。
【0029】
絞り羽根50は、図2及び図4に示すように、所定の口径に規定された開口51aを有する絞り部51と、支持軸10cに支持される孔52と、駆動ピン61aと係合する係合孔53と、捩りバネ80が掛けられる長孔形状の掛止孔54等により形成されている。そして、図2に示すように、絞り羽根50は、その孔52が支持軸10cにより回動自在に支持されている。
また、係合孔53には、図4に示すように、退避位置から絞り位置へ向かう絞り動作の途中で駆動ピン61aが一時的に係合して駆動力を及ぼす第1被係合部53aが形成されている。これにより、絞り動作の際に、駆動ピン61aが第1被係合部53aに直接係合して、絞り羽根50に一時的に駆動力を及ぼす(絞り羽根50を蹴飛ばす)ため、絞り動作時の応答性が向上する。
【0030】
さらに、係合孔53には、図4に示すように、絞り位置(二点鎖線で示した位置)側の領域と退避位置(実線で示した位置)側の領域とで駆動ピン61aの移動方向に略直交する方向に伸長するように形状付けられかつ駆動ピン61aが係合して駆動力を及ぼす第2被係合部53bが形成されている。
すなわち、絞り羽根50が絞り位置側にあるときには、支持軸10cに近い側にありかつロータ61の回転中心に向かう方向に伸長する縁部をもつ第2被係合部53b´に対して駆動ピン61aが係合し、絞り羽根50が退避位置側にあるときには、支持軸10cから遠い側にありかつロータ61の回転中心にほぼ向かう方向に伸長する縁部をもつ第2被係合部53b´´に駆動ピン61aが係合するようになっている。
これにより、ロータ61の回転角度範囲を大きくすることなく、絞り羽根50の作動角度を増加させることができる。したがって、ロータ61の回転角度に制約がある場合に好適であり、又、装置の小型化を行なうことができる。
【0031】
また、絞り羽根50と第2シャッタ羽根42との間には、図2及び図5に示すように、捩りバネ80が支持軸10cに外嵌により配置されており、両者を連動させるようになっている。
すなわち、図2に示すように、捩りバネ80の一端部81が絞り羽根50の掛止孔54に、他端部82が第2シャッタ羽根42の縁部42eに掛止されており、支持軸10c回りにおいて、第2シャッタ羽根42と絞り羽根50とが常に互いに相反する方向に付勢されているので、絞り羽根50は第2シャッタ羽根42の動きに追従することができる。
これにより、両者の連動関係が得られるのは勿論のこと、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の相互間のガタが吸収され、又、初期セット荷重のバラツキ(バネの力量変動)が抑制あるいは防止される。
【0032】
さらに、絞り羽根50の係合孔53には、図2に示すように、駆動ピン61aが遊挿(移動自在に嵌合)されており、絞り羽根50が開口部30a上に位置しないとき、係合孔53の第2被係合部53bは、捩りバネ80の付勢力により駆動ピン61aに寄せられている。そして、駆動ピン61aが図2において下側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の開き方向への(開放位置へ向かう)移動と共に、絞り羽根50は反時計回りに回転し、図7に示すように、開口部30aを開放する退避位置に至る。一方、駆動ピン61aが図2中上側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の閉じ方向への(閉鎖位置へ向かう)移動及び捩りバネ80の付勢力により、絞り羽根50は時計回りに回転して、図2、図8、及び図9に示すように、開口部30a上に位置し絞り位置に至る。
【0033】
ここで、退避位置においては、絞り羽根50は、駆動ピン61aの駆動力と捩り捩りバネ80及び捩りバネ90の付勢力とのバランスにより、所定の退避位置に留まることになるが、駆動ピン61aによる駆動力が大きくなった場合は、絞り羽根50の左側縁部55がストッパ10hに係合して、一時的にその過移動が規制される。
一方、絞り位置においては、図2、図8、及び図9に示すように、絞り羽根50の右側縁部56がストッパ10gに係合して、それ以上の時計回りの回転が規制される。
【0034】
駆動制御機構の一部をなす規制手段としての捩りバネ70は、図2及び図5に示すように、地板10の支持軸10bに保持されて、第1シャッタ羽根41に対して時計回りの付勢力を及ぼし得るようになっている。捩りバネ70は、図2に示すように、一端部71が地板10の壁面10n(図5中に示された壁面10nの位置は、図5が展開図であるため、図2に示された位置とは一致しない)に当接され、又、他端部72が地板10の掛止突起10pに掛止されると共に、他端部72(図6に示す係合部72a)に対して、第1シャッタ羽根41の縁部41eが係合及び離脱可能となっている。
【0035】
すなわち、図7に示すように、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が開放位置に位置しかつ絞り羽根50が退避位置に位置する状態では、捩りバネ70の一方端部71は壁面10nに他端部72は掛止突起10pに当接してそれ以上の広がりが規制されており、又、第1シャッタ羽根41の縁部41eは他端部72から離脱した状態にある。
【0036】
一方、図2及び図8に示すように、駆動ピン61aが反時計回りに回転して、絞り羽根50が開口部30a上に臨む絞り位置に位置しかつ第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が中間位置に位置する状態では、捩りバネ70の他端部72は掛止突起10pに当接してそれ以上の広がりが規制されており、又、第1シャッタ羽根41の縁部41eは他端部72に係合(接触)する。そして、ロータ61はその回転駆動力によりさらに反時計回りに回転しようとするが、捩りバネ70の付勢力が打ち勝って、第1シャッタ羽根41のさらなる反時計回りの回転が規制された状態にある。
【0037】
さらに、図9に示すように、駆動ピン61aがさらに反時計回りに回転して絞り羽根50が絞り位置に位置しかつ第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が閉鎖位置に位置する状態では、捩りバネ70の他端部72は、第1シャッタ羽根41の縁部41eにより押されて掛止突起10pから離脱し、捩りバネ70は最大に変形させられる。捩りバネ70の付勢力は、その他端部72が掛止突起10pに当接(係合)した状態を除いて、第1シャッタ羽根41(及び第2シャッタ羽根42)に作用する。すなわち、捩りバネ70は、絞り羽根50が絞り位置にあるときに対応する中間位置と閉鎖位置との間にシャッタ羽根40が位置する際に、シャッタ羽根40を開放位置に向けて付勢するように作用する。
このように、規制手段として捩りバネ70を採用することにより、装置全体の構造を簡略化することができ、それ故に、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の本来の機能を確実に行なわせることができ、又、装置全体の小型化、軽量化等を行なうことができる。
【0038】
また、捩りバネ70は、図6(a),(b)に示すように、シャッタ羽根41に係合し得る他端部72が、直線状の係合部72aと直線状の腕部72bとにより形成されており、係合部72aはシャッタ羽根41の移動面Sに対して角度θだけ傾斜した状態でシャッタ羽根41の縁部41eに係合するようになっている。これにより、シャッタ羽根41が当接した際に係合部72aのみが撓むようなことはなく、シャッタ羽根41と捩りバネ70との間における作用力の伝達が効率良く行なわれる。
また、図6(a)に示すように、係合部72aを支持する腕部72bは、シャッタ羽根41の移動方向Dに対して略直角に伸長するように形成されている。これにより、捩りバネ70の作動ロスが軽減され、その付勢力が効率良く作用することになり、捩りバネ70及びシャッタ羽根41の動作が安定する。
【0039】
捩りバネ90は、図2及び図5に示すように、地板10の支持軸10c´に支持されており、その一端部91と他端部92との間に、駆動ピン61aが挟まれるように配置されている。そして、ロータ61の回転中心と、駆動ピン61aと、捩りバネ90の支持軸10c´とが一直線に並ぶとき、捩りバネ90の付勢力が最も大きい不安定な状態となり、この位置を境に時計回りと反時計回りの二つの所定位置において付勢力が最も小さい安定な状態となる。
すなわち、図7に示すように、シャッタ羽根40が開放位置にかつ絞り羽根50が退避位置に位置する状態で、捩りバネ90は第1の安定位置にあり、又、図2及び図8に示すように、シャッタ羽根40が中間位置にかつ絞り羽根50が絞り位置に位置する状態で、捩りバネ90は第2の安定位置にある。
【0040】
したがって、捩りバネ90が第1の安定位置にあるとき、電磁駆動源60への通電が断たれても(非通電の状態でも)、この捩りバネ90と駆動ピン61aとの関係により、シャッタ羽根40は開放位置にかつ絞り羽根50は退避位置に保持されることになる。一方、捩りバネ90が第2の安定位置にあるとき、電磁駆動源60への通電が断たれても(非通電の状態でも)、この捩りバネ90と駆動ピン61aとの関係により、シャッタ羽根40は中間位置にかつ絞り羽根50は絞り位置に保持されることになる。
上記捩りバネ70の付勢力と捩りバネ90の付勢力との関係は、特にシャッタ羽根40が中間位置にかつ絞り羽根50が絞り位置にあるとき、捩りバネ70の変形がない限りあるいは所定量以上の変形がない限り、捩りバネ90は第2の安定位置に留まろうとするため、シャッタ羽根40は中間位置に保持され、絞り羽根50は絞り位置に保持されることになる。
このように、電磁駆動源60に通電することなく、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定の位置に保持できるため、消費電力を低減することができる。また、電磁駆動源60に磁性ピン等を設けて得られる磁気的吸引力により保持する場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、部品点数が削減される。
【0041】
次に、上記実施形態に係るカメラ用シャッタ装置を、例えば、デジタルスチルカメラに搭載した場合の動作について、図7ないし図9の動作図、及び図10の制御タイムチャートを参照しつつ説明する。
尚、この実施形態に係るカメラ用シャッタ装置が搭載されるデジタルスチルカメラには、種々の制御を司る制御手段としての制御部(CPU等)、撮像素子としてのCCD、CCDから出力された画像信号の記憶処理を行なう画像信号処理回路、シャッタのレリーズ動作を行なう際のシャッタレリーズスイッチ、メインスイッチ等が設けられている。
【0042】
先ず、撮影者がメインスイッチをONにすると、制御部から出力される制御信号によりCCDがON状態になり作動させられる。このとき、シャッタ羽根40は開口部30aを全開した開放位置(全開位置)に位置し、絞り羽根50は開口部30aを絞らない退避位置に位置している。
すなわち、非通電の状態で、図7に示すように、捩りバネ90が第1の安定位置に留まることから、電磁駆動源60のロータ61は時計回りの回転端に位置しており、駆動ピン61aが、長孔41c、長孔42c、及び係合孔53(第2被係合部53b´´)を介して、第1シャッタ41の縁部41dをストッパ10eに当接させ、又、第2シャッタ42の縁部42dをストッパ10dに当接させて、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42を開放位置に位置決めして保持すると共に絞り羽根50を絞り位置に位置決めして保持し、ロータ61自身も捩りバネ90を介してその角度位置に保持される。
【0043】
上記のように、開口部30aが開放された状態において、CCDに被写体光が到達し、CCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態のまま撮影に備えて待機することになる。
ここで、レリーズ動作が行なわれると、制御部からの制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、所定時間経過した時点で、電磁駆動源60が(捩りバネ70の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流が所定時間流される。
これにより、図7に示す状態から図9に示す状態に向かって、電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42がそれぞれ直ちに閉鎖位置へ移動させられ、第1シャッタ羽根41は縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。この際に、絞り羽根50は、捩りバネ80の付勢力及び駆動ピン61aが第1被係合部53aを蹴飛ばす力により絞り位置に移動させられ、その縁部56がストッパ10gに当接し停止する。
【0044】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62へ、今度は逆向きの電流が所定時間だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、電磁駆動源60のロータ61は時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42がそれぞれ直ちに開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することで、それぞれ停止する。
この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで直ちに開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0045】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ開放位置及び退避位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90の付勢力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0046】
一方、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図10に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を連続的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根50も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0047】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を蹴飛ばし、図9に示すように、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動しかつ絞り羽根50が絞り位置に移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとし、一方で捩れバネ70がストッパ10pとの当接位置まで戻ろうとする力の関係により、シャッタ羽根40が所定量だけ戻りつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、シャッタ羽根40を過移動させて絞り羽根50のバウンドを抑え込むことにより、絞り羽根50は迅速に収束して、絞り位置に位置決めされる。
【0048】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0049】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図10に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I1)が所定時間(T4)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I2)が所定時間(T5)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0050】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I3)が所定時間(T6)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0051】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0052】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T2,T4,T5,T6及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=200mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0053】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0054】
図11は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0055】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図11に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を複数段に亘って段階的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0056】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=200mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0057】
図12は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0058】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図12に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0059】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40が閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電力を変化させ又は電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0060】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0061】
図13は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0062】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図13に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0063】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図13に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0064】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I3)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T6)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0065】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0066】
図14は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0067】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図14に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を連続的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0068】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を蹴飛ばし、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が中間位置を通過した近傍の位置まで移動しかつ絞り羽根50が絞り位置に向けて移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとする力関係により、シャッタ羽根40が所定量だけ戻りつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、シャッタ羽根40を絞り位置に対応する中間位置近傍まで過移動させて、絞り羽根50のバウンドを抑え込むことにより、絞り羽根50は迅速に収束して、絞り位置に位置決めされる。
【0069】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0070】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図14に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I2)が所定時間(T4)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I3)が所定時間(T5)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0071】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I4)が所定時間(T6)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0072】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
このように、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0073】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T2,T4,T5,T6及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0074】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0075】
図15は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0076】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図15に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を複数段に亘って段階的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0077】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0078】
図16は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0079】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図16に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)デューティ制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0080】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値又は電力を変化させる制御を行なうものである。
【0081】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0082】
図17は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0083】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図17に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)デューティ制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0084】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図17に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0085】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I4)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T6)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0086】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0087】
図18は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0088】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図18に示すように、所定方向の電流を連続的に増加させて最大値(I1)に至る通電制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0089】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を押し出し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が中間位置に徐々に近づくと共に、このシャッタ羽根40の移動に連動して絞り羽根50が絞り位置に向けて移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとする力関係により、シャッタ羽根40が中間位置に位置付けられつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、絞り羽根50を退避位置から徐々に絞り位置に近づけることにより、絞り羽根50のバウンドが防止され、絞り羽根50は絞り位置に確実に位置決めされる。
【0090】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0091】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図18に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I2)が所定時間(T3)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I3)が所定時間(T4)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0092】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I4)が所定時間(T5)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0093】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
このように、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0094】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T3,T4,T5及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=250mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0095】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0096】
図19は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0097】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図19に示すように、所定方向の電流を複数段に亘って段階的に増加させて最大値(I1)に至る通電制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0098】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=250mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0099】
図20は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0100】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図20に示すように、所定時間(T1)に亘り電力を連続的に増加させる通電制御、すなわち、所定方向の電流(I1)で通電のパルス幅を順次に広くする(デューティを変化させる)デューティ制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0101】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)のパルスを所定時間(T4)に亘り複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電力又は電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0102】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0103】
図21は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0104】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図21に示すように、所定時間(T1)に亘り電力を連続的に増加させる通電制御、すなわち、所定方向の電流(I1)で通電のパルス幅を順次に広くする(デューティを変化させる)デューティ制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0105】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図21に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T3)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0106】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I4)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0107】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0108】
上記の実施形態においては、本発明のカメラ用シャッタ装置をデジタルスチルカメラに搭載した場合について示したが、これに限るものではなく、銀塩フィルムカメラ等その他のカメラに対して搭載することは勿論可能である。
また、上記実施形態に係るカメラ用シャッタ装置においては、シャッタ羽根40として第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の2枚から構成されるものを採用したが、これに限るものではなく、1枚あるいは3枚以上のシャッタ羽根からなるものを採用することも可能である。
さらに、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を、開放位置及び退避位置並びに中間位置及び絞り位置に保持する手段として、二つの安定位置をもつ捩りバネ90を採用したが、これに限定されるものではなく、電磁駆動源60に磁性ピンを設けて非通電の状態で磁気的吸引力を発生させ、この磁気的吸引力により保持するようにしても良い。
【0109】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のカメラ用シャッタ装置によれば、シャッタ羽根及び絞り羽根を所定のタイミングで移動させるべく駆動及び制御を行なう駆動制御機構として、シャッタ羽根及び絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを採用し、絞り動作を行なう際に、この制御手段に、シャッタ羽根を予め閉鎖位置に移動させてから所定量戻す通電制御、又、シャッタ羽根を予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置まで移動させてから戻す通電制御、さらには、絞り羽根を退避位置から徐々に絞り位置に移動させる通電制御を行なわせて、絞り位置に絞り羽根を位置決めするため、装置の小型化、軽量化等を達成しつつも、絞り羽根のバウンド現象等が防止でき、絞り動作を迅速にかつ確実に行なわせることができる。
また、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させるために捩りバネを用い、その両端をそれぞれシャッタ羽根と絞り羽根に掛止することにより、相互間のガタを吸収でき、バネの力量変動を防止できる。
また、シャッタ羽根及び絞り羽根を、開放位置及び退避位置並びに中間位置及び絞り位置に保持する手段として捩りバネを用いることにより、保持力のバラツキを軽減できると共に部品点数を削減することができる。
さらに、規制手段として捩りバネを用い、シャッタ羽根に係合する係合部を、シャッタ羽根の移動面に対して傾斜させることにより、捩りバネとシャッタ羽根との間における作用力の伝達が効率良く行なわれ、又、係合部を支持する腕部をシャッタ羽根の移動方向に対して略直角に伸長させることにより、捩りバネの作動ロスが軽減され、作動の安定化が行なわれる。
さらに、絞り羽根に対して、駆動ピンが係合する第1被係合部及び第2被係合部を設けることにより、絞り動作の応答性等を向上させ、絞り羽根の作動角度を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示す概観平面図である。
【図2】カメラ用シャッタ装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】カメラ用シャッタ装置の一部をなすシャッタ羽根を示すものであり、(a)及び(b)は第1シャッタ羽根及び第2シャッタ羽根を示す平面図である。
【図4】カメラ用シャッタ装置の一部をなす絞り羽根を示す平面図である。
【図5】カメラ用シャッタ装置の一部をなす電磁駆動源及びその近傍を示す展開断面図である。
【図6】規制手段としての捩りバネを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図
である。
【図7】シャッタ羽根が開口部を開放した開放位置に位置しかつ絞り羽根が絞りを解除した退避位置に位置する状態を示す平面図である。
【図8】シャッタ羽根が中間位置に位置しかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置に位置する状態を示す平面図である。
【図9】シャッタ羽根が開口部を閉鎖した閉鎖位置に位置しかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置に位置する状態を示す平面図である。
【図10】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの一実施形態を示すタイムチャートである。
【図11】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図12】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図13】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図14】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図15】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図16】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図17】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図18】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図19】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図20】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図21】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 地板(基板)
10n 壁面、10p 掛止突起
20 覆板(基板)
30 中間板(基板)
40 シャッタ羽根
41 第1シャッタ羽根
42 第2シャッタ羽根
50 絞り羽根、 51a 開口(絞り)
53 係合孔、 53a 第1被係合部、 53b 第2被係合部
60 電磁駆動源
70 捩りバネ(規制手段)
72 他端部
72a 係合部、 72b 腕部
80 捩りバネ
90 捩りバネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ等に搭載されるカメラ用シャッタ装置に関し、特に、露光用の開口部を開閉するシャッタ羽根と開口部の口径を絞る絞り羽根とを別々に独立して備えたカメラ用シャッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を通過させる露光用の開口部を開閉するシャッタ羽根及び開口部の絞りを行なう絞り羽根を別々に備えた従来のカメラ用シャッタ装置としては、例えば特開平10−221740号公報に記載されたものが知られている。
この公報に開示のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部の外周領域において、開口部を開閉するように往復動自在に配置されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根を駆動する電磁駆動源と、開口部の絞り及びその解除を行なうように往復動自在に配置された絞り羽根と、絞り羽根を駆動する電磁駆動源等を備えている。
【0003】
そして、それぞれの電磁駆動源を起動させることにより、開口部を開放する開放位置と開口部を閉鎖する閉鎖位置との間を往復動させてシャッタ羽根に開閉動作を行なわせると共に、開口部を所定の口径に絞る絞り位置とその絞りを解除する退避位置との間を往復動させて絞り羽根に絞り動作を行なわせるようになっている。また、それぞれの電磁駆動源に通電しない非通電の状態で、開放位置及び閉鎖位置にシャッタ羽根を保持すると共に、絞り位置及び退避位置に絞り羽根を保持するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のカメラ用シャッタ装置においては、シャッタ羽根と絞り羽根とを駆動する駆動源としてそれぞれ別々の電磁駆動源を備えているため、複雑な連動機構等を用いることなくシャッタ羽根及び絞り羽根の駆動をそれぞれ別個に独立して行なうことができるものの、別々の電磁駆動源を備えるが故に、装置の大型化、重量化、高コスト化等を招き、又、電磁駆動源の個数に応じた消費電力の増加等を招くことになる。
また、絞り羽根等の駆動に際し、単に電磁駆動源を起動させて絞り羽根を移動させるだけでは、所定の絞り位置等に位置付ける際にバウンド現象等を招く場合があり、迅速な絞り動作を行なう際の応答性の面では好ましくない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、装置の複雑化を招くことなく、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させる構成を採用して、装置の小型化、軽量化、低コスト化等を図ると共に、シャッタ羽根及び絞り羽根に所望の機能を確実に行なわせることができ、又、絞り羽根を迅速に位置決めして所望の絞り動作を確実に行なわせることができるカメラ用シャッタ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、予めシャッタ羽根を閉鎖位置に移動させてから所定量戻すことにより、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動させ、かつ、この電磁駆動源の駆動力如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、予めシャッタ羽根を閉鎖位置に移動させてから所定量戻すことにより、絞り羽根が絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0007】
また、本発明に係る第2のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置までシャッタ羽根を移動させてから戻すことにより、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動させ、かつ、この電磁駆動源の駆動力如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置までシャッタ羽根を移動させてから戻すことにより、絞り羽根が絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0008】
上記第1及び第2の発明に係る構成において、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して電流値を連続的に減少させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電流値を段階的に減少させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電力を連続的に減少させる通電制御を行なう構成、のいずれかを採用することができる。
この構成によれば、絞り動作が迅速かつ確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0009】
さらに、本発明に係る第3のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を備えた基板と、開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、駆動制御機構は、開放位置と退避位置とを対応させかつ開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から閉鎖位置までの間と絞り位置とを対応させるように、シャッタ羽根に絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、電磁駆動源の一方向への回転駆動力により、シャッタ羽根を伴って作動させられる絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を拮抗する付勢力により規制し、かつ、電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の同一方向への回転駆動力によりシャッタ羽根の規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを有し、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して、所定の通電時間に亘って通電の大きさを増加させる通電制御を行い、退避位置から徐々に絞り位置に移動させて、絞り羽根を絞り位置に位置決めする、ことを特徴としている。
この構成によれば、単一の電磁駆動源が起動されることにより、シャッタ羽根が開放位置から閉鎖位置へ又閉鎖位置から開放位置へ移動させられるのに追従して、絞り羽根が退避位置から絞り位置へ又絞り位置から退避位置へ移動させられる。このように、シャッタ羽根と絞り羽根とを単一の電磁駆動源で駆動し、かつ、この電磁駆動源が一方向に回転する際のその駆動力の大きさ如何により、シャッタ羽根の規制及びその解除を行なう規制手段を設けたことにより、シャッタ羽根及び絞り羽根の機能が確実に行なわれ、又、装置の小型化、軽量化等が行なえる。
また、絞り羽根により絞り動作を行なう場合は、所定の通電時間に亘って通電の大きさを増加させる通電制御により、絞り羽根が退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて絞り位置に位置決めされるため、絞り動作時における絞り羽根のバウンド現象等が抑制あるいは防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0010】
上記第3の発明に係る構成おいて、制御手段は、絞り羽根を絞り位置に移動させる際に、電磁駆動源に対して電流値を連続的に増加させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電流値を段階的に増加させる通電制御を行なう構成、電磁駆動源に対して電力を連続的に増加させる通電制御を行なう構成、のいずれかを採用することができる。
この構成によれば、絞り動作が迅速かつ確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0011】
また、上記第1ないし第3の発明に係る構成において、制御手段は、シャッタ羽根が閉鎖位置に移動した状態で、電磁駆動源に対してシャッタ羽根を閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電流値を減少させる通電制御を行なう構成、あるいは、電磁駆動源に対してシャッタ羽根を閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電力を減少させる通電制御を行なう構成、を採用することができる。
この構成によれば、消費電力が軽減され、又、発熱等による電磁駆動源の破損等が防止される。
【0012】
また、上記第1ないし第3の発明に係る構成において、制御手段は、シャッタ羽根及び絞り羽根の各動作毎に、電磁駆動源に対して電流値を変化させる通電制御を行なう構成、あるいは、電磁駆動源に対して電力を変化させる通電制御を行なう構成、を採用することができる。
この構成によれば、各動作に合わせた効率の良い制御が行なわれ、消費電力の低減が図れると共に、絞り動作が確実に行なわれ、又、絞り動作の応答性が向上する。
【0013】
上記構成において、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させる捩りバネを有し、この捩りバネの一端部は絞り羽根に掛止され、捩りバネの他端部はシャッタ羽根に掛止されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、シャッタ羽根及び絞り羽根の相互間のガタが吸収され、又、バネをセットする際の初期セット荷重のバラツキ(バネの力量変動)が抑制あるいは防止される。
【0014】
上記構成において、電磁駆動源への非通電状態で、シャッタ羽根を開放位置にかつ絞り羽根を退避位置に位置付けて保持するべく、電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、バネによりシャッタ羽根が開放位置に又絞り羽根が退避位置に保持されるため、磁気的吸引力等を用いる場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、又、部品点数が削減される。
【0015】
上記構成において、電磁駆動源への非通電状態で、シャッタ羽根を中間位置にかつ絞り羽根を絞り位置に位置付けて保持するべく、電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、バネによりシャッタ羽根が中間位置に又絞り羽根が絞り位置に保持されるため、磁気的吸引力等を用いる場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、又、部品点数が削減される。
【0016】
上記構成において、規制手段は、絞り羽根が絞り位置にあるときに対応する中間位置と閉鎖位置との間にシャッタ羽根が位置する際に、シャッタ羽根を開放位置に向けて付勢する捩りバネからなり、この捩りバネは、シャッタ羽根に係合し得る直線状の係合部が、シャッタ羽根の移動面に対して傾斜している、構成を採用することができる。
この構成によれば、規制手段としての捩りバネとシャッタ羽根との間における作用力(シャッタ羽根が捩りバネを変形させる力あるいは捩りバネがシャッタ羽根を付勢する力)の伝達が効率良く確実に行なわれる。
【0017】
上記構成において、係合部を支持する捩りバネの腕部は、シャッタ羽根の移動方向に対して略直角に伸長している、構成を採用することができる。
この構成によれば、捩りバネの作動ロスが軽減され、その付勢力が効率良く作用する。これにより、シャッタ羽根及び捩りバネの動作が安定する。
【0018】
上記構成において、電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、絞り羽根は、退避位置から絞り位置へ向かう絞り動作の途中で、上記駆動ピンが一時的に係合して駆動力を及ぼす第1被係合部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、シャッタ羽根の移動に追従して絞り羽根が移動させられるのに加えて、駆動ピンが第1被係合部に一時的に係合して絞り羽根に直接駆動力を及ぼす(絞り羽根を蹴飛ばす)ため、絞り動作時の応答性が向上する。
【0019】
上記構成において、電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、絞り羽根は、絞り位置側の領域と退避位置側の領域とで駆動ピンの移動方向に略直交する方向に伸長するように形成されかつ駆動ピンが係合して駆動力を及ぼす第2被係合部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、絞り位置側の領域と退避位置側の領域とで駆動ピンの移動方向に略直交する方向に伸長するように、すなわち、絞り位置近傍と退避位置近傍とのいずれにおいても、でロータの回転中心に向かうように伸長する縁部をもつ第2被係合部が形成されているため、ロータの回転角度範囲を大きくすることなく、絞り羽根の作動角度を増加させることができる。したがって、ロータの回転角度に制約がある場合に好適である。
【0020】
上記構成において、シャッタ羽根及び絞り羽根は、同一の羽根室内に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、装置の薄型化を図りつつ、シャッタ羽根と絞り羽根との連動関係を簡略な構造にて確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図9は、本発明に係るカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の平面図、図2は装置の内部を示す平面図、図3はシャッタ羽根を示す平面図、図4は絞り羽根を示す平面図、図5は電磁駆動源及びその近傍領域を示す周方向における展開断面図、図6は規制手段としての捩りバネを示す平面図及び側面図、図7はシャッタ羽根が開口部を開放した開放位置にありかつ絞り羽根が絞りを解除した退避位置にある状態を示す平面図、図8はシャッタ羽根が開口部を開放した中間位置にありかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置にある状態を示す平面図、図9はシャッタ羽根が開口部を閉鎖した閉鎖位置にありかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置にある状態を示す平面図である。
尚、上記図面の一部においては、説明の便宜上、構成部品の一部を省略して表しており、又、構成部品の一部において点線で示すべきところを実線にてあるいは二点鎖線で示すべきところを実線にて表している。
【0022】
この実施形態に係るカメラ用シャッタ装置は、図1、図2、及び図5に示すように、装置の輪郭を画定する地板10及び覆板20と、地板10と覆板20との間に挟まれて光を通過させる露光用の開口部30aを形成する中間板30と、開口部30aを開閉するシャッタ羽根40と、所定の口径を得られるように開口を有する絞り羽根50と、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定のタイミングで移動させるべく駆動及び制御を行なう駆動制御機構(電磁駆動源60、規制手段70、種々の制御を司る制御手段(CPU等))等を、その基本構成として備えている。
【0023】
駆動制御機構の一部をなす電磁駆動源60は、図1及び図5に示すように、所定の角度範囲に亘って回動自在に配置されたロータ61と、励磁用のコイル62と、磁路を形成するべく配置された円筒状のヨーク63と、これらの部品を担持する内側支持枠65及び外側支持枠66等により形成された所謂アイリスモータと呼ばれるムービングマグネット型の電磁アクチュエータである。
【0024】
ロータ61は、略円柱形状をなしており、図5に示すように、その駆動ピン61aが一体的に形成された回動軸61bと、永久磁石部61c等により形成されている。ここで、回動軸61b及び駆動ピン61aは樹脂材料等により成型されており、永久磁石部61cは、N極とS極とに着磁されている。そして、駆動軸61bの両端部が、それぞれ外側支持枠66の軸受け穴66a及び内側支持枠65の軸受け穴65aに回動自在に支持されている。尚、内側支持枠65は、地板10に形成された取り付けフランジ10mに対して締結ねじ等により固着され、外側支持枠66は、内側支持枠65に対して連結爪等により固着されるようになっている。
【0025】
地板10は、図1に示すように樹脂材料等により略矩形形状の輪郭をなすように成型されており、その表側中央部において、開口部30aを露出させるように形成された開口部10aを備えている。また、その裏側において、図5に示すようにシャッタ羽根40及び絞り羽根50の回動支点となる支持軸10b,10cと、図2に示すように、シャッタ羽根40の移動を規制する開き側のストッパ10d,10e及び閉じ側のストッパ10f、絞り羽根50の移動を規制する絞り側のストッパ10g及び解除側のストッパ10h、絞り羽根50を支持する支持リブ10j等を備えている。また、図1に示すように、駆動ピン61aの移動を許容する切り欠き孔10k等を備えている。
【0026】
覆板20は、地板10と同様の矩形形状の輪郭をなし、図5に示すように、地板10に対して凹凸嵌合及び締結ねじ等により結合されており、覆板20と地板10との間に中間板30が挟持されている。そして、中間板30と地板10との間の空間には、図5に示すように、規制手段としての捩りバネ70、シャッタ羽根40と絞り羽根50とを連動させる捩りバネ80等が配置されている。また、地板10の表側には、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定の位置に保持する捩りバネ90等が配置されている。さらに、中間板30と覆板20との間には羽根室Wが画定されており、この羽根室W内にシャッタ羽根40及び絞り羽根50が配置されている。尚、中間板30は、主として羽根室Wを画定すると共に、口径が比較的に小さい開口部30aにより開口径を画定するものである。
このように、同一の羽根室W内に、シャッタ羽根40と絞り羽根50とが配置されているため、装置の薄型化が行なえると共に、シャッタ羽根40と絞り羽根50との連動関係を簡略な構造にて容易に形成することができる。
【0027】
シャッタ羽根40は、図2及び図3(a),(b)に示すように、第1シャッタ羽根41と第2シャッタ羽根42との2枚からなり、それぞれ遮蔽部41a,42aと、支持軸10b,10cに回動自在に支持される孔41b,42bと、電磁駆動源60の駆動ピン61aと係合する長孔41c,42c等により形成されている。
そして、第1シャッタ羽根41の長孔41c及び第2シャッタ羽根42の長孔42cに遊挿(移動自在に嵌合)された駆動ピン61aが、図2中下側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42はそれぞれ回動して開口部30aを開放する開放位置に至り、一方、駆動ピン61aが図2において上側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42はそれぞれ回動して開口部30aを閉鎖する閉鎖位置に至る。
【0028】
ここで、開放位置においては、図7に示すように、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに係合し、又、第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに係合して、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42のそれ以上の開き方向への移動が規制されている。また、閉鎖位置においては、図9に示すように、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに係合して、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42のそれ以上の閉じ方向への移動が規制されている。
尚、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42は、連動関係にあるため、ストッパ10d,10eのいずれか一方のみとしても、相互の羽根の移動を規制することができる。
【0029】
絞り羽根50は、図2及び図4に示すように、所定の口径に規定された開口51aを有する絞り部51と、支持軸10cに支持される孔52と、駆動ピン61aと係合する係合孔53と、捩りバネ80が掛けられる長孔形状の掛止孔54等により形成されている。そして、図2に示すように、絞り羽根50は、その孔52が支持軸10cにより回動自在に支持されている。
また、係合孔53には、図4に示すように、退避位置から絞り位置へ向かう絞り動作の途中で駆動ピン61aが一時的に係合して駆動力を及ぼす第1被係合部53aが形成されている。これにより、絞り動作の際に、駆動ピン61aが第1被係合部53aに直接係合して、絞り羽根50に一時的に駆動力を及ぼす(絞り羽根50を蹴飛ばす)ため、絞り動作時の応答性が向上する。
【0030】
さらに、係合孔53には、図4に示すように、絞り位置(二点鎖線で示した位置)側の領域と退避位置(実線で示した位置)側の領域とで駆動ピン61aの移動方向に略直交する方向に伸長するように形状付けられかつ駆動ピン61aが係合して駆動力を及ぼす第2被係合部53bが形成されている。
すなわち、絞り羽根50が絞り位置側にあるときには、支持軸10cに近い側にありかつロータ61の回転中心に向かう方向に伸長する縁部をもつ第2被係合部53b´に対して駆動ピン61aが係合し、絞り羽根50が退避位置側にあるときには、支持軸10cから遠い側にありかつロータ61の回転中心にほぼ向かう方向に伸長する縁部をもつ第2被係合部53b´´に駆動ピン61aが係合するようになっている。
これにより、ロータ61の回転角度範囲を大きくすることなく、絞り羽根50の作動角度を増加させることができる。したがって、ロータ61の回転角度に制約がある場合に好適であり、又、装置の小型化を行なうことができる。
【0031】
また、絞り羽根50と第2シャッタ羽根42との間には、図2及び図5に示すように、捩りバネ80が支持軸10cに外嵌により配置されており、両者を連動させるようになっている。
すなわち、図2に示すように、捩りバネ80の一端部81が絞り羽根50の掛止孔54に、他端部82が第2シャッタ羽根42の縁部42eに掛止されており、支持軸10c回りにおいて、第2シャッタ羽根42と絞り羽根50とが常に互いに相反する方向に付勢されているので、絞り羽根50は第2シャッタ羽根42の動きに追従することができる。
これにより、両者の連動関係が得られるのは勿論のこと、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の相互間のガタが吸収され、又、初期セット荷重のバラツキ(バネの力量変動)が抑制あるいは防止される。
【0032】
さらに、絞り羽根50の係合孔53には、図2に示すように、駆動ピン61aが遊挿(移動自在に嵌合)されており、絞り羽根50が開口部30a上に位置しないとき、係合孔53の第2被係合部53bは、捩りバネ80の付勢力により駆動ピン61aに寄せられている。そして、駆動ピン61aが図2において下側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の開き方向への(開放位置へ向かう)移動と共に、絞り羽根50は反時計回りに回転し、図7に示すように、開口部30aを開放する退避位置に至る。一方、駆動ピン61aが図2中上側に移動するとき、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の閉じ方向への(閉鎖位置へ向かう)移動及び捩りバネ80の付勢力により、絞り羽根50は時計回りに回転して、図2、図8、及び図9に示すように、開口部30a上に位置し絞り位置に至る。
【0033】
ここで、退避位置においては、絞り羽根50は、駆動ピン61aの駆動力と捩り捩りバネ80及び捩りバネ90の付勢力とのバランスにより、所定の退避位置に留まることになるが、駆動ピン61aによる駆動力が大きくなった場合は、絞り羽根50の左側縁部55がストッパ10hに係合して、一時的にその過移動が規制される。
一方、絞り位置においては、図2、図8、及び図9に示すように、絞り羽根50の右側縁部56がストッパ10gに係合して、それ以上の時計回りの回転が規制される。
【0034】
駆動制御機構の一部をなす規制手段としての捩りバネ70は、図2及び図5に示すように、地板10の支持軸10bに保持されて、第1シャッタ羽根41に対して時計回りの付勢力を及ぼし得るようになっている。捩りバネ70は、図2に示すように、一端部71が地板10の壁面10n(図5中に示された壁面10nの位置は、図5が展開図であるため、図2に示された位置とは一致しない)に当接され、又、他端部72が地板10の掛止突起10pに掛止されると共に、他端部72(図6に示す係合部72a)に対して、第1シャッタ羽根41の縁部41eが係合及び離脱可能となっている。
【0035】
すなわち、図7に示すように、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が開放位置に位置しかつ絞り羽根50が退避位置に位置する状態では、捩りバネ70の一方端部71は壁面10nに他端部72は掛止突起10pに当接してそれ以上の広がりが規制されており、又、第1シャッタ羽根41の縁部41eは他端部72から離脱した状態にある。
【0036】
一方、図2及び図8に示すように、駆動ピン61aが反時計回りに回転して、絞り羽根50が開口部30a上に臨む絞り位置に位置しかつ第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が中間位置に位置する状態では、捩りバネ70の他端部72は掛止突起10pに当接してそれ以上の広がりが規制されており、又、第1シャッタ羽根41の縁部41eは他端部72に係合(接触)する。そして、ロータ61はその回転駆動力によりさらに反時計回りに回転しようとするが、捩りバネ70の付勢力が打ち勝って、第1シャッタ羽根41のさらなる反時計回りの回転が規制された状態にある。
【0037】
さらに、図9に示すように、駆動ピン61aがさらに反時計回りに回転して絞り羽根50が絞り位置に位置しかつ第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42が閉鎖位置に位置する状態では、捩りバネ70の他端部72は、第1シャッタ羽根41の縁部41eにより押されて掛止突起10pから離脱し、捩りバネ70は最大に変形させられる。捩りバネ70の付勢力は、その他端部72が掛止突起10pに当接(係合)した状態を除いて、第1シャッタ羽根41(及び第2シャッタ羽根42)に作用する。すなわち、捩りバネ70は、絞り羽根50が絞り位置にあるときに対応する中間位置と閉鎖位置との間にシャッタ羽根40が位置する際に、シャッタ羽根40を開放位置に向けて付勢するように作用する。
このように、規制手段として捩りバネ70を採用することにより、装置全体の構造を簡略化することができ、それ故に、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の本来の機能を確実に行なわせることができ、又、装置全体の小型化、軽量化等を行なうことができる。
【0038】
また、捩りバネ70は、図6(a),(b)に示すように、シャッタ羽根41に係合し得る他端部72が、直線状の係合部72aと直線状の腕部72bとにより形成されており、係合部72aはシャッタ羽根41の移動面Sに対して角度θだけ傾斜した状態でシャッタ羽根41の縁部41eに係合するようになっている。これにより、シャッタ羽根41が当接した際に係合部72aのみが撓むようなことはなく、シャッタ羽根41と捩りバネ70との間における作用力の伝達が効率良く行なわれる。
また、図6(a)に示すように、係合部72aを支持する腕部72bは、シャッタ羽根41の移動方向Dに対して略直角に伸長するように形成されている。これにより、捩りバネ70の作動ロスが軽減され、その付勢力が効率良く作用することになり、捩りバネ70及びシャッタ羽根41の動作が安定する。
【0039】
捩りバネ90は、図2及び図5に示すように、地板10の支持軸10c´に支持されており、その一端部91と他端部92との間に、駆動ピン61aが挟まれるように配置されている。そして、ロータ61の回転中心と、駆動ピン61aと、捩りバネ90の支持軸10c´とが一直線に並ぶとき、捩りバネ90の付勢力が最も大きい不安定な状態となり、この位置を境に時計回りと反時計回りの二つの所定位置において付勢力が最も小さい安定な状態となる。
すなわち、図7に示すように、シャッタ羽根40が開放位置にかつ絞り羽根50が退避位置に位置する状態で、捩りバネ90は第1の安定位置にあり、又、図2及び図8に示すように、シャッタ羽根40が中間位置にかつ絞り羽根50が絞り位置に位置する状態で、捩りバネ90は第2の安定位置にある。
【0040】
したがって、捩りバネ90が第1の安定位置にあるとき、電磁駆動源60への通電が断たれても(非通電の状態でも)、この捩りバネ90と駆動ピン61aとの関係により、シャッタ羽根40は開放位置にかつ絞り羽根50は退避位置に保持されることになる。一方、捩りバネ90が第2の安定位置にあるとき、電磁駆動源60への通電が断たれても(非通電の状態でも)、この捩りバネ90と駆動ピン61aとの関係により、シャッタ羽根40は中間位置にかつ絞り羽根50は絞り位置に保持されることになる。
上記捩りバネ70の付勢力と捩りバネ90の付勢力との関係は、特にシャッタ羽根40が中間位置にかつ絞り羽根50が絞り位置にあるとき、捩りバネ70の変形がない限りあるいは所定量以上の変形がない限り、捩りバネ90は第2の安定位置に留まろうとするため、シャッタ羽根40は中間位置に保持され、絞り羽根50は絞り位置に保持されることになる。
このように、電磁駆動源60に通電することなく、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を所定の位置に保持できるため、消費電力を低減することができる。また、電磁駆動源60に磁性ピン等を設けて得られる磁気的吸引力により保持する場合に比べて、保持力のバラツキが軽減され、部品点数が削減される。
【0041】
次に、上記実施形態に係るカメラ用シャッタ装置を、例えば、デジタルスチルカメラに搭載した場合の動作について、図7ないし図9の動作図、及び図10の制御タイムチャートを参照しつつ説明する。
尚、この実施形態に係るカメラ用シャッタ装置が搭載されるデジタルスチルカメラには、種々の制御を司る制御手段としての制御部(CPU等)、撮像素子としてのCCD、CCDから出力された画像信号の記憶処理を行なう画像信号処理回路、シャッタのレリーズ動作を行なう際のシャッタレリーズスイッチ、メインスイッチ等が設けられている。
【0042】
先ず、撮影者がメインスイッチをONにすると、制御部から出力される制御信号によりCCDがON状態になり作動させられる。このとき、シャッタ羽根40は開口部30aを全開した開放位置(全開位置)に位置し、絞り羽根50は開口部30aを絞らない退避位置に位置している。
すなわち、非通電の状態で、図7に示すように、捩りバネ90が第1の安定位置に留まることから、電磁駆動源60のロータ61は時計回りの回転端に位置しており、駆動ピン61aが、長孔41c、長孔42c、及び係合孔53(第2被係合部53b´´)を介して、第1シャッタ41の縁部41dをストッパ10eに当接させ、又、第2シャッタ42の縁部42dをストッパ10dに当接させて、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42を開放位置に位置決めして保持すると共に絞り羽根50を絞り位置に位置決めして保持し、ロータ61自身も捩りバネ90を介してその角度位置に保持される。
【0043】
上記のように、開口部30aが開放された状態において、CCDに被写体光が到達し、CCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態のまま撮影に備えて待機することになる。
ここで、レリーズ動作が行なわれると、制御部からの制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、所定時間経過した時点で、電磁駆動源60が(捩りバネ70の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流が所定時間流される。
これにより、図7に示す状態から図9に示す状態に向かって、電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42がそれぞれ直ちに閉鎖位置へ移動させられ、第1シャッタ羽根41は縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。この際に、絞り羽根50は、捩りバネ80の付勢力及び駆動ピン61aが第1被係合部53aを蹴飛ばす力により絞り位置に移動させられ、その縁部56がストッパ10gに当接し停止する。
【0044】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62へ、今度は逆向きの電流が所定時間だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、電磁駆動源60のロータ61は時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42がそれぞれ直ちに開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することで、それぞれ停止する。
この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで直ちに開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0045】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ開放位置及び退避位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90の付勢力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0046】
一方、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図10に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を連続的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根50も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0047】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を蹴飛ばし、図9に示すように、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動しかつ絞り羽根50が絞り位置に移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとし、一方で捩れバネ70がストッパ10pとの当接位置まで戻ろうとする力の関係により、シャッタ羽根40が所定量だけ戻りつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、シャッタ羽根40を過移動させて絞り羽根50のバウンドを抑え込むことにより、絞り羽根50は迅速に収束して、絞り位置に位置決めされる。
【0048】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0049】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図10に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I1)が所定時間(T4)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I2)が所定時間(T5)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0050】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I3)が所定時間(T6)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0051】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0052】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T2,T4,T5,T6及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=200mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0053】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0054】
図11は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0055】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図11に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を複数段に亘って段階的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0056】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=200mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0057】
図12は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0058】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図12に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0059】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40が閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電力を変化させ又は電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0060】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0061】
図13は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0062】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図13に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め閉鎖位置に移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0063】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図13に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0064】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I3)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T6)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0065】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0066】
図14は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0067】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図14に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を連続的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0068】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を蹴飛ばし、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が中間位置を通過した近傍の位置まで移動しかつ絞り羽根50が絞り位置に向けて移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとする力関係により、シャッタ羽根40が所定量だけ戻りつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、シャッタ羽根40を絞り位置に対応する中間位置近傍まで過移動させて、絞り羽根50のバウンドを抑え込むことにより、絞り羽根50は迅速に収束して、絞り位置に位置決めされる。
【0069】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0070】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図14に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I2)が所定時間(T4)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I3)が所定時間(T5)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0071】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I4)が所定時間(T6)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0072】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
このように、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0073】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T2,T4,T5,T6及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0074】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0075】
図15は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0076】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図15に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電流値を複数段に亘って段階的に減少させる通電制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0077】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0078】
図16は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0079】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図16に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)デューティ制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0080】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値又は電力を変化させる制御を行なうものである。
【0081】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0082】
図17は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0083】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図17に示すように、所定方向の電流(I1)が所定時間(T1)だけ流され、続いて所定時間(T2)に亘り電力を連続的に減少させる通電制御、すなわち、電流値(I2)で通電のパルス幅を順次に狭くする(デューティを変化させる)デューティ制御が行なわれる。
これにより、シャッタ羽根40が予め中間位置を通過した近傍の位置まで移動させられてから所定量戻され、このシャッタ羽根40の移動に追従して絞り羽根40も移動し、絞り位置に位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が迅速にかつ確実に行なわれる。
【0084】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図17に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0085】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I4)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T6)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0086】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T2,T4,T5,T6,及び時間T3としては、例えば、それぞれT1=8ms,T2=4ms,T4=20ms,T5=30ms,T6=20ms,T3=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=200mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T7,T8としては、それぞれT7=1.36ms,T8=0.50msとすることができる。
【0087】
図18は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0088】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図18に示すように、所定方向の電流を連続的に増加させて最大値(I1)に至る通電制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0089】
この通電制御による動作を詳述すると、先ず電磁駆動源60のロータ61が反時計回りに回転し、第1シャッタ羽根41が反時計回りに回転し始め又第2シャッタ羽根42が時計回りに回転し始める。と同時に、絞り羽根50が捩りバネ80により第2シャッタ羽根42に追従して時計回りに回転し始め、さらに、駆動ピン61aが第1被係合部53aに係合して絞り羽根50を押し出し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が中間位置に徐々に近づくと共に、このシャッタ羽根40の移動に連動して絞り羽根50が絞り位置に向けて移動する。
その後、電磁駆動源60の駆動力が弱まると共に捩りバネ90が第2の安定位置に留まろうとする力関係により、シャッタ羽根40が中間位置に位置付けられつつ、絞り羽根50が絞り位置に位置決めされる。このように、絞り羽根50を退避位置から徐々に絞り位置に近づけることにより、絞り羽根50のバウンドが防止され、絞り羽根50は絞り位置に確実に位置決めされる。
【0090】
この絞り動作により、絞り羽根50は、開口部30aを所定の口径に絞る絞り位置に位置付けられ、又、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)は、開放位置と閉鎖位置との途中に位置する中間位置に位置付けられ、図8に示す絞り状態で撮影に備えて待機することになる。
ところで、この待機状態においては、電磁駆動源60への通電が断たれて非通電の状態となっているが、捩りバネ90が第2の安定位置に留まる力により、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は、それぞれ中間位置及び絞り位置に保持されることになる。すなわち、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
【0091】
この待機状態で、レリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされる。続いて、CCDが電荷の蓄積を開始し、図18に示すように、電磁駆動源60が(捩りバネ70及び捩りバネ90の付勢力に打ち勝つ)所定レベル以上の駆動力を発生するように、コイル62に所定方向の電流(I2)が所定時間(T3)だけ流される。
これにより、図8に示す状態から図9に示す状態に向けて、ロータ61が反時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられ、第1シャッタ羽根41の縁部41eがストッパ10fに当接し停止する。このとき、駆動ピン61aは第2被係合部53bから離脱して係合孔53内を自由走行するが、絞り羽根50は縁部56がストッパ10gに当接しているため、絞り位置に保持されたままの状態となる。その後、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで減少させられた電流値(I3)が所定時間(T4)に亘り流される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0092】
上記一連の動作においては、CCDが蓄積ON状態となってからシャッタ羽根40により開口部30aが閉鎖されるまでの間が露出時間となる。続いて、制御部は画像信号処理回路等を介して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メモリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回の撮影動作が完了する。その後、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流(I4)が所定時間(T5)だけ流される。と同時に、図9に示す状態から図7に示す状態に向けて、ロータ61は時計回りに回転し、シャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が開放位置へ移動させられる。そして、第1シャッタ羽根41の縁部41dがストッパ10eに当接し又第2シャッタ羽根42の縁部42dがストッパ10dに当接することでそれぞれ停止する。この際に、絞り羽根50は、駆動ピン61aが捩りバネ80の付勢力に抗して係合孔53の第2被係合部53bを押すことで開口部30aから退避位置に移動させられる。
【0093】
このように、シャッタ羽根40が開放位置に、絞り羽根50が退避位置に停止すると、電磁駆動源60(コイル62)への通電が断たれて非通電の状態となる。と同時に、捩りバネ90は第1の安定位置に留まるため、シャッタ羽根40及び絞り羽根50は開放位置及び退避位置にそれぞれ保持される。
このように、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を保持するために、捩りバネ90のバネ力を利用しているため、通電の必要がなくその分だけ消費電量を低減することができる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0094】
上記全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおいて、通電時間T1,T3,T4,T5及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=250mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0095】
以上の制御シーケンスにより、開口部30aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、このCCDの出力信号に基づいて、制御部は適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を算出する。そして、絞り羽根50による絞り動作を行なわない作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り羽根50による絞り動作を行なう作動モードでは、図8に示す状態で撮影に備えて待機することになる。
【0096】
図19は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0097】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図19に示すように、所定方向の電流を複数段に亘って段階的に増加させて最大値(I1)に至る通電制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0098】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=250mA,I2=300mA,I3=200mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0099】
図20は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0100】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図20に示すように、所定時間(T1)に亘り電力を連続的に増加させる通電制御、すなわち、所定方向の電流(I1)で通電のパルス幅を順次に広くする(デューティを変化させる)デューティ制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0101】
また、レリーズ動作により、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)のパルスを所定時間(T4)に亘り複数回発生させるデューティ制御が行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電磁駆動源60に対して電力又は電流値を変化させる制御を行なうものである。
【0102】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=200mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0103】
図21は、本実施形態に係るカメラ用シャッタ装置の動作を制御する場合の他の制御シーケンスを示すタイムチャートである。この制御シーケンスでは、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が適正な絞り値すなわち絞り羽根50により絞りを行なうか否かの判断をし、絞りを行なわない作動モードでは前述の制御シーケンスと同様であり、絞りを行なうと判断した場合の制御動作における通電の方法のみが異なるため、この異なる制御動作についてのみ説明する。
【0104】
すなわち、被写体光に曝されたCCDの出力信号に基づいて、制御部が絞り羽根50により絞りを行なうと判断した場合の作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、図21に示すように、所定時間(T1)に亘り電力を連続的に増加させる通電制御、すなわち、所定方向の電流(I1)で通電のパルス幅を順次に広くする(デューティを変化させる)デューティ制御が所定時間(T1)だけ行なわれる。
これにより、絞り羽根50は退避位置から徐々に絞り位置に移動させられて位置決めされる。この通電制御により、絞り羽根50のバウンド現象が防止され、絞り動作が確実に行なわれる。
【0105】
また、待機状態でレリーズ動作が行なわれると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリセットされた後、CCDが電荷の蓄積を開始し、図21に示すように、電流値(I2)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T3)だけ行なわれる。そして、図9に示すようにシャッタ羽根40(第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42)が閉鎖位置に移動させられた後は、シャッタ羽根40を閉鎖位置に保持可能なレベルまで電力を減少させる通電制御、すなわち、電流値(I3)で閉鎖動作のときのパルス幅よりも狭い幅のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T4)だけ行なわれる。これにより、前述の電流値を減少させる通電制御と同様に、消費電力を低減することができる。
【0106】
さらに、撮影動作が完了した後は、制御部から出力される信号により、電磁駆動源60のコイル62に対して、今度は逆向きの電流値(I4)のパルスを複数回発生させるデューティ制御が所定時間(T5)だけ行なわれる。
すなわち、この通電制御においては、シャッタ羽根40及び絞り羽根50の各動作毎に、電力を変化させるデューティ制御を行なうものである。尚、この通電制御による他の動作の詳細については、前述同様であるため説明を省略する。
【0107】
この通電制御において、全開(開放位置)→絞り(絞り位置)→全閉(閉鎖位置)→全開(開放位置)の制御シーケンスにおける通電時間T1,T3,T4,T5,及び時間T2としては、例えば、それぞれT1=12ms,T3=20ms,T4=30ms,T5=20ms,T2=33msの値を採用することができる。また、通電する電流値I1,I2,I3,I4としては、例えば、それぞれI1=300mA,I2=300mA,I3=300mA,I4=300mAの値を採用することができる。尚、開口波形を示す時間T6,T7としては、それぞれT6=1.36ms,T7=0.50msとすることができる。
【0108】
上記の実施形態においては、本発明のカメラ用シャッタ装置をデジタルスチルカメラに搭載した場合について示したが、これに限るものではなく、銀塩フィルムカメラ等その他のカメラに対して搭載することは勿論可能である。
また、上記実施形態に係るカメラ用シャッタ装置においては、シャッタ羽根40として第1シャッタ羽根41及び第2シャッタ羽根42の2枚から構成されるものを採用したが、これに限るものではなく、1枚あるいは3枚以上のシャッタ羽根からなるものを採用することも可能である。
さらに、シャッタ羽根40及び絞り羽根50を、開放位置及び退避位置並びに中間位置及び絞り位置に保持する手段として、二つの安定位置をもつ捩りバネ90を採用したが、これに限定されるものではなく、電磁駆動源60に磁性ピンを設けて非通電の状態で磁気的吸引力を発生させ、この磁気的吸引力により保持するようにしても良い。
【0109】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のカメラ用シャッタ装置によれば、シャッタ羽根及び絞り羽根を所定のタイミングで移動させるべく駆動及び制御を行なう駆動制御機構として、シャッタ羽根及び絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、絞り羽根が絞り位置に位置付けられるとき、閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、電磁駆動源の制御を行なう制御手段とを採用し、絞り動作を行なう際に、この制御手段に、シャッタ羽根を予め閉鎖位置に移動させてから所定量戻す通電制御、又、シャッタ羽根を予め絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置まで移動させてから戻す通電制御、さらには、絞り羽根を退避位置から徐々に絞り位置に移動させる通電制御を行なわせて、絞り位置に絞り羽根を位置決めするため、装置の小型化、軽量化等を達成しつつも、絞り羽根のバウンド現象等が防止でき、絞り動作を迅速にかつ確実に行なわせることができる。
また、シャッタ羽根と絞り羽根とを連動させるために捩りバネを用い、その両端をそれぞれシャッタ羽根と絞り羽根に掛止することにより、相互間のガタを吸収でき、バネの力量変動を防止できる。
また、シャッタ羽根及び絞り羽根を、開放位置及び退避位置並びに中間位置及び絞り位置に保持する手段として捩りバネを用いることにより、保持力のバラツキを軽減できると共に部品点数を削減することができる。
さらに、規制手段として捩りバネを用い、シャッタ羽根に係合する係合部を、シャッタ羽根の移動面に対して傾斜させることにより、捩りバネとシャッタ羽根との間における作用力の伝達が効率良く行なわれ、又、係合部を支持する腕部をシャッタ羽根の移動方向に対して略直角に伸長させることにより、捩りバネの作動ロスが軽減され、作動の安定化が行なわれる。
さらに、絞り羽根に対して、駆動ピンが係合する第1被係合部及び第2被係合部を設けることにより、絞り動作の応答性等を向上させ、絞り羽根の作動角度を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示す概観平面図である。
【図2】カメラ用シャッタ装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】カメラ用シャッタ装置の一部をなすシャッタ羽根を示すものであり、(a)及び(b)は第1シャッタ羽根及び第2シャッタ羽根を示す平面図である。
【図4】カメラ用シャッタ装置の一部をなす絞り羽根を示す平面図である。
【図5】カメラ用シャッタ装置の一部をなす電磁駆動源及びその近傍を示す展開断面図である。
【図6】規制手段としての捩りバネを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図
である。
【図7】シャッタ羽根が開口部を開放した開放位置に位置しかつ絞り羽根が絞りを解除した退避位置に位置する状態を示す平面図である。
【図8】シャッタ羽根が中間位置に位置しかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置に位置する状態を示す平面図である。
【図9】シャッタ羽根が開口部を閉鎖した閉鎖位置に位置しかつ絞り羽根が開口部を絞った絞り位置に位置する状態を示す平面図である。
【図10】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの一実施形態を示すタイムチャートである。
【図11】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図12】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図13】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図14】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図15】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図16】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図17】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図18】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図19】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図20】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【図21】カメラ用シャッタ装置の動作を制御する制御シーケンスの他の実施形態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 地板(基板)
10n 壁面、10p 掛止突起
20 覆板(基板)
30 中間板(基板)
40 シャッタ羽根
41 第1シャッタ羽根
42 第2シャッタ羽根
50 絞り羽根、 51a 開口(絞り)
53 係合孔、 53a 第1被係合部、 53b 第2被係合部
60 電磁駆動源
70 捩りバネ(規制手段)
72 他端部
72a 係合部、 72b 腕部
80 捩りバネ
90 捩りバネ
Claims (21)
- 露光用の開口部を備えた基板と、前記開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、前記開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、
前記駆動制御機構は、前記開放位置と前記退避位置とを対応させかつ前記開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から前記閉鎖位置までの間と前記絞り位置とを対応させるように、前記シャッタ羽根に前記絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、前記絞り羽根が前記絞り位置に位置付けられるとき、前記閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に前記電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、前記電磁駆動源の制御を行なう制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、予め前記シャッタ羽根を前記閉鎖位置に移動させてから所定量戻すことにより、前記絞り羽根を前記絞り位置に位置決めする、
ことを特徴とするカメラ用シャッタ装置。 - 露光用の開口部を備えた基板と、前記開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、前記開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、
前記駆動制御機構は、前記開放位置と前記退避位置とを対応させかつ前記開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から前記閉鎖位置までの間と前記絞り位置とを対応させるように、前記シャッタ羽根に前記絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、前記絞り羽根が前記絞り位置に位置付けられるとき、前記閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を規制すると共に前記電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の駆動力によりその規制を解除し得る規制手段と、前記電磁駆動源の制御を行なう制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、予め前記絞り位置に対応する中間位置を通過した近傍の位置まで前記シャッタ羽根を移動させてから戻すことにより、前記絞り羽根を前記絞り位置に位置決めする、
ことを特徴とするカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電流値を連続的に減少させる通電制御を行なう、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用シャッタ装置。
- 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電流値を段階的に減少させる通電制御を行なう、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用シャッタ装置。
- 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電力を連続的に減少させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用シャッタ装置。 - 露光用の開口部を備えた基板と、前記開口部に対する絞り位置と退避位置との間を移動可能に配された絞り羽根と、前記開口部を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置との間を移動可能に配されたシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動制御する駆動制御機構とを備え、
前記駆動制御機構は、前記開放位置と前記退避位置とを対応させかつ前記開放位置と閉鎖位置との途中の中間位置から前記閉鎖位置までの間と前記絞り位置とを対応させるように、前記シャッタ羽根に前記絞り羽根を連動させて駆動し得る単一の電磁駆動源と、前記電磁駆動源の一方向への回転駆動力により、前記シャッタ羽根を伴って作動させられる前記絞り羽根が前記絞り位置に位置付けられるとき、前記閉鎖位置へ向かうシャッタ羽根の移動を拮抗する付勢力により規制し、かつ、前記電磁駆動源から発せられる所定レベル以上の同一方向への回転駆動力により前記シャッタ羽根の規制を解除し得る規制手段と、前記電磁駆動源の制御を行なう制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して、所定の通電時間に亘って通電の大きさを増加させる通電制御を行い、前記退避位置から徐々に前記絞り位置に移動させて、前記絞り羽根を前記絞り位置に位置決めする、
ことを特徴とするカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電流値を連続的に増加させる通電制御を行なう、ことを特徴とする請求項6記載のカメラ用シャッタ装置。
- 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電流値を段階的に増加させる通電制御を行なう、ことを特徴とする請求項6記載のカメラ用シャッタ装置。
- 前記制御手段は、前記絞り羽根を前記絞り位置に移動させる際に、前記電磁駆動源に対して電力を連続的に増加させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項6記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記シャッタ羽根が前記閉鎖位置に移動した状態で、前記電磁駆動源に対して前記シャッタ羽根を前記閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電流値を減少させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記シャッタ羽根が前記閉鎖位置に移動した状態で、前記電磁駆動源に対して前記シャッタ羽根を前記閉鎖位置に保持可能な所定レベルまで電力を減少させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記シャッタ羽根及び絞り羽根の各動作毎に、前記電磁駆動源に対して電流値を変化させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1,2,6いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記制御手段は、前記シャッタ羽根及び絞り羽根の各動作毎に、前記電磁駆動源に対して電力を変化させる通電制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1,2,6いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記シャッタ羽根と前記絞り羽根とを連動させる捩りバネを有し、
前記捩りバネの一端部は前記絞り羽根に掛止され、前記捩りバネの他端部は前記シャッタ羽根に掛止されている、
ことを特徴とする請求項1ないし13いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記電磁駆動源への非通電状態で、前記シャッタ羽根を前記開放位置にかつ前記絞り羽根を前記退避位置に位置付けて保持するべく、前記電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし14いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記電磁駆動源への非通電状態で、前記シャッタ羽根を前記中間位置にかつ前記絞り羽根を前記絞り位置に位置付けて保持するべく、前記電磁駆動源の一部に係合されたバネを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし14いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記規制手段は、前記絞り羽根が前記絞り位置にあるときに対応する前記中間位置と前記閉鎖位置との間に前記シャッタ羽根が位置する際に、前記シャッタ羽根を前記開放位置に向けて付勢する捩りバネからなり、
前記捩りバネは、前記シャッタ羽根に係合し得る直線状の係合部が、前記シャッタ羽根の移動面に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項1ないし16いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記係合部を支持する前記捩りバネの腕部は、前記シャッタ羽根の移動方向に対して略直角に伸長している、
ことを特徴とする請求項17記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、
前記絞り羽根は、前記退避位置から前記絞り位置へ向かう絞り動作の途中で、前記駆動ピンが一時的に係合して駆動力を及ぼす第1被係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし18いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記電磁駆動源は、駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、磁路を形成するヨークとを有し、
前記絞り羽根は、前記絞り位置側の領域と前記退避位置側の領域とで前記駆動ピンの移動方向に略直交する方向に伸長するように形成されかつ前記駆動ピンが係合して駆動力を及ぼす第2被係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし19いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。 - 前記シャッタ羽根及び絞り羽根は、同一の羽根室内に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし20いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。
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