JP2001075143A - カメラ用絞り装置 - Google Patents

カメラ用絞り装置

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JP2001075143A
JP2001075143A JP25053899A JP25053899A JP2001075143A JP 2001075143 A JP2001075143 A JP 2001075143A JP 25053899 A JP25053899 A JP 25053899A JP 25053899 A JP25053899 A JP 25053899A JP 2001075143 A JP2001075143 A JP 2001075143A
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JP
Japan
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rotor
aperture
opening
state
initial position
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JP25053899A
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English (en)
Inventor
Kunio Arisaka
邦夫 有坂
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Nidec Copal Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省電力に好適なカメラ用絞り装置を提供するこ
と。 【解決手段】回転子3が初期位置から反時計方向へ回転
すると、駆動ピン3bが、中口径の開口部を有する絞り
部材を、ばねの付勢力に抗して回転させ、その開口部を
地板1の開口部1a内に臨ませるようになっている。ま
た、回転子3が初期位置から時計方向へ回転すると、駆
動ピン3bが、小口径の開口部を有する絞り部材を、ば
ねの付勢力に抗して回転させ、その開口部を地板1の開
口部1a内に臨ませるようになっている。そして、絞り
部材が、何れかの開口部を開口部1a内に臨ませている
状態では、コイル6に対する通電を断っても、回転子3
の磁力が、ヨーク7に形成された窓部7a,切欠部7b
や、固定子枠4aに取り付けられた鉄ピン9,10,1
1,12との間に好適に作用し、ばねの付勢力によって
回転子3が回転されないようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中口径と小口径の
開口部を、地板に形成されている大口径の露光開口部に
対して選択的に臨ませることを可能にした電動式のカメ
ラ用絞り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ用絞り機構には、絞り開口の大き
さを連続的に変えることができるようにしたものと、予
め用意された口径の開口部を露光開口部に対し選択的に
臨ませるようにしたものとがある。そのうち、前者の絞
り機構は、任意の大きさの絞り開口を得ることができる
という利点があるため、これまで比較的多く用いられて
きたが、円形に近い絞り開口を常に得ようとすると、沢
山の絞り羽根が必要になってしまい、コスト高になって
しまうばかりでなく、小口径の絞り開口を得るのが困難
になってしまう。そのため、最近では、相対的に作動す
る2枚の羽根によって任意の大きさの絞り開口を得るこ
とができるようにするのが一般的になってきたが、その
場合には、低コストであって小口径の絞り開口が得られ
るものの、円形に近い絞り開口を常に得ることができな
くなってしまう。
【0003】また、後者の絞り機構は、任意の大きさの
絞り開口を得ることは不可能であり、予め用意した口径
の絞り開口しか得ることができないが、低コストであっ
て、可成り小さい口径まで常に円形をした絞り開口を選
択できるという利点がある。そのため、小口径であって
比較的明るいレンズを使用するカメラに用いて有効であ
り、特に、最近著しく普及してきたデジタルカメラに用
いて最適である。そして、この種の絞り機構には、異な
る口径の複数の開口部を、一つの絞り部材に形成するよ
うにしたものと、夫々別々の絞り部材に形成するように
したものとが知られている。
【0004】他方、最近のカメラにおいては、絞り機構
をモータで作動させるのが一般的になってきた。そし
て、その場合に用いられるモータの一つとして、かつて
はアイリスモータと称されたこともあるが、最近では、
シャッタの駆動モータとして使用されることが多いため
に、ムービングマグネット型モータと称されるようにな
ってきたモータがある。このモータは、永久磁石製(通
常2極)回転子の回転軸と平行に延伸した出力ピン(駆
動ピン)が、回転子の径方向位置において一体的に設け
られていて、固定子コイルに対する通電方向に応じて回
転子を異なる方向へ所定の角度範囲だけ回転させること
が可能になっている。そして、このモータは、ステッピ
ングモータに比較して、低コストで小型化が可能であ
り、消費電力も少なくて済むという特徴がある。
【0005】本発明は、このようなムービングマグネッ
ト型モータを用いて、上記した後者の絞り機構を作動さ
せるようにしたカメラ用絞り装置に関するものである
が、そのような絞り装置の一例が特開平11−1607
52号公報に記載されている。そして、この公報に記載
されている構成によれば、口径の異なる絞り開口は別々
の絞り部材に形成されており、一つのムービングマグネ
ット型モータが、二つの絞り部材を別々に作動させるよ
うにしている。また、モータの非通電状態においては、
回転子の停止状態が安定的に得られないこともあって、
絞り部材を使用しないで撮影するときには両方の絞り部
材が動かないようにし、また、一方の絞り部材を使用し
て撮影するときには他方の絞り部材が動かないようにす
るために、それらの絞り部材には別々にばねが掛けられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の公報
に記載された従来例においては、モータのコイルに対し
て何れか一方方向への通電が行なわれると、回転子が、
非通電時に停止している位置(以下、初期位置という)
から何れか一方へ回転し、駆動ピンによって一方の絞り
部材を作動させ、地板に形成された露光開口部よりも口
径の小さな開口部を、その露光開口部に臨ませるように
している。ところが、このとき、絞り部材は、上記した
目的で設けられているばねの付勢力に抗して作動させら
れるため、その開口部を露光開口部に臨ませている間
は、コイルに対して通電を断つことができない。そのた
め、その間の通電が電池の消耗度に与える影響は少なく
ない。特に、この種の絞り装置を、モニター機能を備え
たデジタルカメラ等に自動絞り装置として用いた場合に
は、撮影に必要な最小限の時間だけ、このような状態を
維持させるようにするとは限らないので、その影響は極
めて大きい。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、コ
イルに対する通電方向に応じて回転子が初期位置から何
れか一方へ回転し、ばねの付勢力に抗して絞り部材を作
動させ、地板に形成された露光開口部よりも口径の小さ
な開口部をその露光開口部に臨ませるようにし、その状
態で通電を断っても、次に上記とは反対の方向への通電
が行なわれるまで、その状態が維持され得るようにし
た、省電力のカメラ用絞り装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用絞り装置は、永久磁石製回転子
の回転軸と平行に延伸した駆動ピンを該回転子の径方向
位置に一体的に有しており該回転子は初期位置から異な
る方向へ所定の角度だけ往復作動が可能であってその作
動方向はコイルに対する通電方向によって決められるモ
ータと、前記回転子を初期位置へ復帰させる方向に前記
駆動ピンを直接又は間接に付勢し得るばね手段と、前記
駆動ピンによって作動させられ前記回転子が初期位置か
ら第1の方向へ回転したときには地板に設けられた大口
径を規制する露光開口部に中口径の開口部を設定し第2
の方向へ回転したときには前記露光開口部に小口径の開
口部を設定する絞り手段と、前記絞り手段が前記露光開
口部に前記中口径の開口部を設定した状態と前記小口径
の開口部を設定した状態において前記コイルへの通電を
断っても前記回転子の磁力を利用して前記ばね手段の付
勢力に抗し前記回転子の回転位置を維持させる磁気的保
持手段とを備えているようにする。また、本発明のカメ
ラ用絞り装置においては、前記磁気的保持手段が、前記
中口径の開口部を設定した状態において前記磁力が前記
回転子を第1の方向へ回転させるように作用する位置に
配置された少なくとも一つの第1磁性体部材と、前記小
口径の開口部を設定した状態において前記磁力が前記回
転子を第2の方向へ回転させるように作用する位置に配
置された少なくとも一つの第2磁性体部材と、前記回転
子の周面を囲むように配置されたヨークに形成されてい
る少なくとも一つの欠損部とで構成されているようにす
ると、前記露光開口部に前記中口径又は小口径の開口部
を設定した状態を確実に維持させることが可能になる。
また、本発明のカメラ用絞り装置においては、前記ばね
手段が、一つのばね部材であるようにするとコスト的に
有利となる。また、本発明のカメラ用絞り装置において
は、前記絞り手段が、前記中口径の開口部を有する第1
絞り部材と、前記小口径の開口部を有する第2絞り部材
とで構成されているようにすると、絞り機構全体の小型
化に有利となる。また、本発明のカメラ用絞り装置にお
いては、前記中口径の開口部を設定している状態から前
記回転子を初期位置へ復帰させる場合には、前記コイル
に対し、一旦、前記回転子を前記第1の方向へ回転させ
るように通電しておいてから初期位置へ回転させるよう
に通電し、前記小口径の開口部を設定している状態から
前記回転子を初期位置へ復帰させる場合には、前記コイ
ルに対し、一旦、前記回転子を前記第2の方向へ回転さ
せるように通電しておいてから初期位置へ回転させるよ
うに通電すると、回転子が各設定状態を保つべき正規の
回転位置になかった場合でも、比較的好適に初期位置へ
復帰させることが可能になる。また、上記とは異なり、
前記中口径の開口部を設定している状態から前記回転子
を初期位置へ復帰させる場合にも、前記小口径の開口部
を設定している状態から前記回転子を初期位置へ復帰さ
せる場合にも、前記コイルに対しては、一旦、同一方向
への通電を行なって前記中口径の開口部を設定している
状態か前記小口径の開口部を設定している状態の何れか
一方が得られるようにし、その後、反対の方向への通電
を行なって前記回転子を初期位置へ復帰させるようにす
ると、回転子が各設定状態を保つべき正規の設定位置に
なかった場合でも、上記の場合よりは全て確実に初期位
置で停止させることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、二つの実
施例によって説明する。図1〜図9は第1実施例と制御
方法の変形例を説明するためのものであって、図1はカ
メラに組み込まれたとき被写体側から視た平面図であ
り、図2は図1の要部断面図であり、図3は図1及び図
2に示されているヨークの形状を理解し易いように示し
た斜視図であり、図4は図1の状態における羽根室内を
説明するための平面図である。また、図5は図4の状態
から中口径の開口部を露光開口部に臨ませた状態を示す
平面図であり、図6は図4の状態から小口径の開口部を
露光開口部に臨ませた状態を示す平面図である。更に、
図7はコイルに対する通電方法の一例を示した説明図で
あり、図8は非通電状態にすると回転子の各回転位置に
おいてはどのような力が作用しているかを概念的に示し
た説明図である。また、図9は図7に示した通電方法と
は異なる通電方法を示した説明図である。そして、図1
0は第2実施例を説明するための平面図である。
【0010】先ず、図1〜図4を用いて第1実施例の構
成から説明する。図2から分かるように、地板1と補助
地板2は、それらの間に所定の空間(羽根室)を設け、
図示していない適宜な手段によって相互に固定されてい
る。また、地板1と補助地板2の平面形状の外形は共に
円形をしていて、地板1には、図1に示すように中央部
に円形の開口部1aが形成され、補助地板2にも、図4
に示すように中央部に円形の開口部2aが形成されてい
る。そして、本実施例の場合は、これらの開口部1a,
2aは直径が同じであって、同心上に重ねて配置され、
共に露光開口部として形成されている。即ち、開口部1
a,2aが、共に、被写体光の光路を規制する最大口径
の開口部となっている。
【0011】また、地板1の表面側、即ち被写体側に
は、ムービングマグネット型モータと仲介レバーが取付
けられているが、先ず、そのモータの構成から説明す
る。回転子3は2極に着磁された永久磁石製であって、
回転軸3aと、その回転軸3aと平行に延伸されている
駆動ピン3bとは、合成樹脂で一体的に製作されてい
る。合成樹脂製の固定子枠は、上枠4と下枠5とから成
っていて、それらによって回転子3の回転軸3aを軸受
けし、それらの軸受け部を覆うようにしてコイル6が巻
回されている。
【0012】また、回転子3を収容するために、上枠4
に形成された筒状部4aには、その外周面に、円筒形を
したヨーク7が嵌合されていて、そのヨーク7には、図
3において分かり易く示したように、長方形をした窓部
7aと長方形の一辺を開放した切欠部7bとが形成され
ている。そして、このヨーク7は、その切欠部7bを、
筒状部4aに形成された突部4a1に嵌め込むことによ
って、回転方向の位置決めが行なわれ、図1に示したコ
イル6の非通電状態においては、窓部7a,切欠部7
b,駆動ピン3bが、回転子3の磁極の境界の延長線上
に配置されるようになっている。
【0013】更に、図1に明示したように、4本の鉄ピ
ン9,10,11,12が、筒状部4aに形成された溝
孔に圧入されている。そして、鉄ピン9,10と鉄ピン
11,12とは、図1の状態において、回転子3の磁極
の境界線に対し、対称となる位置に配置されており、且
つ、その境界線と垂直であって回転子3の回転軸3aを
通る線に対し、鉄ピン9,11の位置と鉄ピン10,1
2の位置とが対称となるようになっている。そして、こ
のように構成されたモータは、二つのビス13,14に
よって地板1に取付けられている。
【0014】次に、上記したモータと共に、地板1の被
写体側に取り付けられている仲介レバー15について説
明する。この仲介レバー15は、長孔15aとピン15
bを有していて、地板1の軸1bに回転可能に取り付け
られている。そして、長孔15aには駆動ピン3bが嵌
合しているので、この仲介レバー15は、回転子3の回
転に連動して同じ方向へ回転させられることになる。ま
た、ピン15bは、地板1の孔1c(図2参照)を貫通
して羽根室内に延伸しており、後述の二つの絞り部材を
選択的に作動させるようになっている。尚、この仲介レ
バー15は、駆動ピン3bの作動量が少ないため、それ
を増幅させるために設けられたものであって、本発明に
とっては必ずしも必要でなく、構成次第では、駆動ピン
3bを直接羽根室内に延伸させ、絞り部材を作動させる
ようにしても差し支えない。
【0015】次に、主に図4を用いて羽根室内の構成を
説明する。尚、この図4をはじめとし、後述の作動説明
で用いる図5,図6においても、実際には羽根室内に存
在していない上記の回転子3と仲介レバー15とを、一
点鎖線で示してある。先ず、地板1には羽根室内に軸1
dが立設されており、その先端は、図2に示されている
ように、補助地板2に形成された孔に挿入されている。
また、地板1には、そのほかにも羽根室内に四つのスト
ッパ1e,1f,1g,1hが形成されている。そし
て、図4〜図6においては、それらの軸1dとストッパ
1e,1f,1g,1hとを断面で示している。
【0016】上記の軸1dには、二つの絞り部材16,
17が回転可能に取り付けられている。そのうち、絞り
部材16は、開口部1a,2aよりも直径の小さな中口
径の開口部16aと、被押動部16bと、当接部16c
と、円弧状の長孔16dとを有している。また、絞り部
材17は、上記の中口径の開口部16aよりも直径の小
さな小口径の開口部17aと、被押動部17bと、当接
部17cとを有していて、その被押動部17bと上記の
被押動部16bとは、仲介レバー15のピン15bによ
って押されるようになっている。更に、軸1dには、ね
じりコイルばね18が嵌装されていて、その一端のフッ
ク部18aは絞り部材16の長孔16dに掛けられ、他
端のフック部18bは上記の長孔16dに挿入され、絞
り部材17に掛けられている。そのため、このねじりコ
イルばね18によって、絞り部材16は時計方向へ、絞
り部材17は反時計方向へ回転するように付勢されてお
り、図4においては、それらの回転をストッパ1h,1
eによって阻止された状態となっている。
【0017】次に、上記のような構成をした第1実施例
の作動を説明する。図1と図4は、コイル6の非通電状
態を示しており、撮影光路は、開口部1a,2aによっ
て規制される口径、即ち大口径の設定状態となってい
る。このとき、回転子3は、自己の磁力の作用によって
図1の状態を保っている。即ち、回転子3のN極は、窓
部7aと、鉄ピン9,10と、切欠部7bとの間に夫々
吸引力が働き、S極は、窓部7aと、鉄ピン11,12
と、切欠部7bとの間に夫々吸引力が働くようになって
いるが、それらは上記したような配置関係になっている
ので、このようなバランス状態が保たれているわけであ
る。
【0018】この状態はコイル6に対する非通電状態で
あるから、カメラの電源スイッチが閉じていない場合に
は、勿論この状態となっている。また、通常のカメラの
場合には、電源スイッチを閉じただけではこの状態のま
まであって、その後、レリーズボタンを押すと、被写体
光に応じて口径の選択が行なわれるようにすることが多
いが、その場合に大口径が選択されたとき、この状態に
設定されることがある。更に、カメラによっては、電源
スイッチが閉じると、レリーズボタンを押さなくても口
径の選択が行なわれ、絞り口径を自動的に設定するもの
も知られているが、その場合において大口径が選択され
たとき、この状態に設定されることもある。
【0019】そこで、本実施例は、上記した何れの場合
であったとしても、非通電状態となっている場合には、
この状態が確実に維持されるようにするため、絞り部材
16,17にねじりコイルばね18を掛けている。従っ
て、万が一、何らかの影響で回転子3に対し一時的に何
れかの方向へ回転させる力が作用したとしても、それに
よる回転は極めて僅かであり、絞り部材16,17を開
口部2aに臨ませることなく、直ちにこの状態に復帰さ
れる。尚、本実施例においては、二つの絞り部材16,
17が一つのねじりコイルばね18によって付勢される
ように構成しているが、別々のばねによって付勢される
ようにしても構わない。
【0020】次に、中口径が選択された場合について説
明する。この場合には、コイル6に対して順方向に通電
が行なわれ、回転子3は反時計方向へ回転させられる。
そのため、仲介レバー15も駆動ピン3bによって反時
計方向へ回転され、ピン15bが被押動部16bを押
す。その結果、絞り部材16は反時計方向へ回転し、中
口径の開口部16aを開口部1a,2a内に臨ませてい
く。このとき、絞り部材16は、ねじりコイルばね18
の付勢力に抗して回転されるので、その当接部16cが
ストッパ1fに当接するまで、コイル6に対する通電が
続けられる。そして、絞り部材16の回転が、図5に示
す状態で停止すると、コイル6に対する通電が断たれ
る。
【0021】ところで、本実施例においては、上記のよ
うに中口径の開口部16aが設定されたとき、コイル6
に対する通電を断つようにしているが、そのようにして
も、絞り部材16が、ねじりコイルばね18の付勢力に
よって、図5の状態から時計方向へ回転されないように
なっている。即ち、本実施例においては、窓部7a、切
欠部7b、鉄ピン9,10,11,12が図1に示すよ
うに配置されているから、この図5の状態においては、
N極と鉄ピン9との間に作用する吸引力が、N極と鉄ピ
ン10との間に作用する吸引力より大きく、また、N極
と窓部7aとの間に作用する吸引力は、図1に示された
状態よりも大きくなっている。
【0022】逆に、S極の方は、S極と鉄ピン12との
間に作用する吸引力が、S極と鉄ピン11との間に作用
する吸引力より大きく、また、S極と切欠部7bとの間
に作用する吸引力は、図1に示された状態よりも大きく
なっている。従って、図5の状態においては、非通電状
態にしても、回転子3には反時計方向へ回転する力が付
与されていて、しかも、その力が、ねじりコイルばね1
8の付勢力よりも大ききいために、この状態が保持され
ているわけである。尚、このような保持状態は、条件次
第によっては、鉄ピン9,11が無くても又は鉄ピン1
0,12が無くても維持できる場合があるし、欠損部
(窓部7a,切欠部7b)については、何れか一方又は
両方が無くても維持できる場合があるが、本実施例の場
合には、安全性を考え、それらの全てを備えるようにし
ている。また、本実施例においては、四つの鉄ピン9,
10,11,12を、回転子3の周辺位置に90°の間
隔で配置しているが、図1に示した状態において、回転
子3の磁極の境界線に対して線対称となるようにさえ配
置していれば、そのように特に等間隔にする必要はな
い。
【0023】次に、撮影が終了することによって、又は
電源スイッチを開くことによって、図5に示された開口
部16aの設定状態を解除する場合について説明する。
この場合には、設定時とは反対に、コイル6に対して逆
方向の通電が行なわれる。そのため、回転子3は、上記
の保持手段の保持力に抗して時計方向へ回転させられ、
駆動ピン3bによって仲介レバー15を時計方向へ回転
させる。その結果、ピン15bが被押動部16bから退
いて行くので、絞り部材16は、ねじりコイルばね18
の付勢力によって時計方向へ回転され、中口径の開口部
16aを開口部1a,2aから退去させていく。そし
て、コイル6に対する通電が断たれることによって、回
転子3が初期位置に停止し、絞り部材16がストッパ1
hに当接して、図4に示された状態となる。
【0024】次に、小口径が選択された場合について説
明するが、この場合には、上記した中口径を設定,解除
する場合の作動と、対照的な作動を行わせることにな
る。即ち、この場合には、最初に、コイル6に対して逆
方向の通電を行ない、図4の状態から回転子3を時計方
向へ回転させる。そのため、仲介レバー15は、駆動ピ
ン3bによって時計方向へ回転され、そのピン15bが
絞り部材17の被押動部17bを押すことになる。その
結果、絞り部材17は、ねじりコイルばね18の付勢力
に抗して時計方向へ回転し、その当接部17cがストッ
パ1gに当接して停止し、図6の状態となる。そして、
このような小口径の開口部17aを開口部1a,2a内
に臨ませた後、コイル6に対する通電が断たれる。
【0025】そして、コイル6に対する通電が断たれて
も、本実施例の場合には、上記のような小口径の設定状
態が維持されるようになっている。即ち、回転子3が図
6の状態にある場合には、回転子のN極と鉄ピン10と
の間に作用する吸引力が、N極と鉄ピン9との間に作用
する吸引力より大きく、また、図1に示された状態より
も、N極と切欠部7bとの間に作用する吸引力は大きく
なっている。逆に、S極の方は、S極と鉄ピン11との
間に作用する吸引力が、S極と鉄ピン12との間に作用
する吸引力より大きく、また、S極と窓部7aとの間に
作用する吸引力も図1の状態よりは大きくなっている。
従って、図6の状態においては、非通電状態にしても、
回転子3には時計方向へ回転する力が付与されていて、
しかも、その力が、ねじりコイルばね18の付勢力より
も大ききいために、この状態が保持されている。
【0026】次に、図6に示された開口部17aの設定
状態を解除するには、設定時とは反対に、コイル6に対
して順方向の通電が行なわれる。そのため、回転子3
は、上記の保持手段の保持力に抗して反時計方向へ回転
され、駆動ピン3bによって仲介レバー15を反時計方
向へ回転させる。その結果、ピン15bが被押動部17
bから退いて行くので、絞り部材17は、ねじりコイル
ばね18の付勢力によって反時計方向へ回転され、小口
径の開口部17aを開口部1a,2aから退去させてい
く。そして、コイル6に対する通電が断たれて回転子3
が初期位置に停止し、絞り部材17がストッパ1eに当
接することによって、図4に示された状態となる。
【0027】図7の波形図は、上記の説明とは異なる、
コイル6に対する通電方法の他の例を説明するためのも
のである。即ち、図7における各横軸は時間軸であっ
て、その時間軸の上側には、コイル6に対して順方向へ
通電する時間を示し、下側には、コイル6に対して逆方
向へ通電する時間を示している。また、この図7におい
て、記号Aは回転子3の初期位置において、コイルに対
して通電を開始してから、各絞り部材が設定位置に達す
るまでの時間を示していて、記号Bは設定作動のために
A時間を超えて通電している全時間を示している。つま
り、各絞り部材が設定位置で各ストッパに当接してバウ
ンドをしないように、確実に静止状態が得られるように
してから、コイル6に対する通電を断つようにするわけ
である。
【0028】また、この例によれば、解除作動を行うに
当たって、直ちに設定作動の場合とは反対方向への通電
を行なわず、一旦設定作動の場合と同じ方向へC時間だ
け通電しておいてから、反対方向へD時間だけ通電を行
なうようにしている。即ち、この反対方向への通電時間
は、本来であれば、上記のA時間と同じA′時間である
べきと考えられるところをD時間としている。そこで、
解除作動を行なわせる場合に、何故、一旦設定作動時と
同じ方向へ通電してから反対方向へ通電するようにして
いるのか、また、何故、D時間をA′時間より短くして
いるのかを、以下に説明する。
【0029】先ず、本実施例においては、上記の鉄ピン
9,10,11,12などの保持手段による総合的な保
持力と、ねじりコイルばね18の付勢力(ばね力)と
が、回転子3の回転に伴ってどのように変化をするのか
を知っておく必要がある。そして、それらを概念的に示
したのが図8(a)である。また、図8(b)には、回
転子3の回転位置に応じて、それらの力を合成したもの
が示されている。従って、この図8(b)からも分かる
ように、回転子3が上記のようにして中口径の開口部1
6a又は小口径の開口部17aを設定すべく回転し、X
位置又はY位置にきたとき、コイル6に対する通電を仮
に断つたとすると、慣性や摩擦係数などを考慮しない場
合には、回転子3は、そのX位置又はY位置で停止して
しまうような力関係になっている。
【0030】ところで、本実施例のように沢山の保持手
段を設け、確実に設定状態が維持されるように工夫した
としても、その設定状態はあくまでも磁気的に保持され
ているものであるため、中口径又は小口径の設定位置か
ら初期位置へ向けて回転子3を回転させるべく、コイル
6に対して通電を開始した瞬間においては、絞り部材の
位置、即ち回転子3の回転位置が、正規の設定位置に必
ずしもあるという保証がない。従って、万が一であると
はいえ、何らかの要因によって回転子3が正規の位置よ
り瞬間的に初期位置側になったときに、コイル6に対し
て、その位置から回転子6を初期位置へ向けて回転させ
るべく通電してしまうと、通常の場合には、コイル6に
対する通電時間が予め所定の時間(例えば、A′時間)
に決められているために、回転子3は初期位置を越えて
オーバーランさせられてしまうことになる。
【0031】そして、そのようにして、回転子3が初期
位置を越えてオーバーランした場合には、多くの場合に
はねじりコイルばねの付勢力(ばね力)によって初期位
置へ復帰されるものの、静止するまでの時間が遅くなっ
てしまうことになるし、仲介レバー15のピン15aが
他方の絞り部材を開口部1a,2a内に臨ませてしまう
ことになる。また、比較的可能性は低いものの、回転子
3の回転位置が図8(b)におけるX位置又はY位置を
越えてオーバーランさせられると、ねじりコイルばね1
8の付勢力(ばね力)よりも保持手段による保持力の方
が大きくなってしまい、回転子3は他方の絞り部材の開
口部を設定してしまうことになる。
【0032】そこで、そのような現象を防止するため
に、解除作動を行うに際しては、図7に示すようにし
て、設定時と同じ方向へC時間だけ通電し、たまたま絞
り部材が正規の設定位置になかった場合でも、必ず正規
の設定位置から解除作動が行なわれるようにしたわけで
ある。また、図8(b)から明瞭なように、回転子3
が、解除作動に際して、X位置又はY位置を初期位置側
に越えるまで回転したときには、たとえ通電を断っても
初期位置までは、ばね力によって必ず復帰し得るように
なっている。他方、解除作動のときの通電時間をA′時
間とすると、回転子3は慣性があるため、初期位置でス
ムーズに停止せず、初期位置を挟んで左右に何回か振動
してから静止することになるが、図7におけるD時間
は、これらのことを勘案して決めた時間であって、この
ようにD時間を予め決められるのも、回転子を必ず正規
の設定位置へ作動させてから初期位置へ回転させるよう
にした結果である。
【0033】ところで、上記のような図7に示した通電
方法は、各解除作動を開始する際、各絞り部材16,1
7が、正規の設定位置から余り変位しておらず、C時間
あれば正規の設定位置に一旦戻ることが可能である場合
に有効である。また、現に、通常の設計基準通りに製作
され且つ使用される場合には、この通電方法で殆ど問題
はない。しかしながら、カメラの設計仕様によっては、
図8の説明からも分かるように、C時間では戻り切れな
い位置に変位したり、C時間をA時間と同じにしても絶
対に戻れない位置に変位してしまう虞のある場合があ
る。そして、そのような虞が少しでもある場合には、も
はや図7に示した通電方法を採用するわけにはいかな
い。
【0034】そこで、次に、図7に示した通電方法より
も、若干、通電時間が長くなるとはいうものの、絞り部
材16,17がどのような位置に変位していても、即ち
回転子3がどのような回転位置にあっても、必ず初期位
置へ復帰させることの可能な通電方法を、図9を用いて
説明することにする。尚、図7と対応させ易くするため
に、図9の波形図は、図7と全く同じ表し方を採用して
おり、また、記号についても全く同じ使い方をしてい
る。
【0035】先ず、図9に示された通電方法において
は、中口径の開口部16aを設定する場合も、小口径の
開口部17aを設定する場合も、夫々、図7に示された
通電方法と全く同じようにして行なっている。即ち、設
定する開口部によって、通電時間は同じであっても通電
方向が異なっている。それに対して、設定状態を解除さ
せる場合は、通電の仕方が図7に示された場合とは全く
異なり、中口径の開口部16aの設定状態を解除する場
合と、小口径の開口部17aの設定状態を解除する場合
とで、通電時間も通電方向も全く同じである。
【0036】即ち、小口径の開口部17aの設定状態を
解除する場合には、コイル6に対して、先ず逆方向への
通電を行なっておいてから順方向への通電を行なうので
はなく、最初から順方向への通電をA時間の2倍行なう
ことになる。そのため、絞り部材17は、どのような位
置にあっても、その過程において、ストッパ1eに当接
して停止するが、他方、絞り部材16が開口部16aの
設定位置まで作動させられることになる。そして、上記
の2×A時間後に逆方向への通電がD時間行なわれて、
図4に示された状態になる。
【0037】また、中口径の開口部16aの設定状態を
解除する場合には、最初、図7に示した場合と同様に、
コイル6に対して順方向への通電を行なうことになる
が、その通電時間は、C時間よりも長く、2×A時間と
なっているため、絞り部材16がどのような位置にあっ
ても、確実に図4の状態に復帰することができる。ま
た、極端な場合であるが、中口径の開口部16aが設定
状態になっていなければならないときに、何らかの理由
によって、回転子3が、絞り部材17を作動させる位置
にまで回転されてしまっている場合でも、コイル6に対
しては2×A時間の順方向への通電が行なわれるので、
上記した小口径の開口部17aを解除する場合と同様に
して、図4の状態が得られるようになる。
【0038】このように、図9に示した通電方法は、回
転子3がどのような回転位置にあっても、必ず図4の状
態が得られるという利点がある。また、中口径の開口部
16aの設定状態を解除する場合も、小口径の開口部1
7aの設定状態を解除する場合も、全く同じように通電
するので、回路設計が容易である。更に、長期間、カメ
ラを使用しないでおくと、何らかの理由によって回転子
3が初期位置からずれた位置で動きにくい状態になって
いたり、初期位置にあったとしてもスムーズに回転しず
らい状態になっていることが心配されるが、そのような
場合には、電源スイッチが閉じたとき、被写体光に関係
なく、上記のような解除時の通電が必ず行なわれるうよ
うにしておくと、そのような心配を解消させることが可
能になる。尚、図9においては、解除時に、2×A時間
だけ順方向へ通電してから逆方向へD時間通電している
が、2×A時間だけ逆方向へ通電してから順方向へD時
間通電するようにしても、同様な作用効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0039】次に、図10を用いて、本発明の第2実施
例を説明する。図10は、カメラに組み込まれたとき、
結像面側から視た平面図であって、地板19の外形の図
示が省略されており、また、地板19よりも結像面側に
配置されている補助地板の図示も省略されていて、羽根
室内が直視できるようになっている。また、地板19の
被写体側には、窓部7a,切欠部7bを有するヨーク7
や鉄ピン9,10,11,12を備えた、第1実施例と
全く同じ構成のモータが取り付けられているが、本実施
例においては、第1実施例における仲介レバー15が設
けられておらず、回転子3の駆動ピン3bが、図示して
いない孔を貫通して、羽根室内に臨んでいる。図10に
おいては、その回転子3を、上記した図4〜図6の場合
と同様に、一点鎖線で示している。
【0040】地板19には、絞り口径のうち大口径を規
制するための開口部19aが形成され、軸19bと、ば
ね掛け19cと、ストッパ19d,19eとが設けられ
ている。また、絞り部材20は、開口部19aよりも大
きな直径をした開口部20aと、絞り口径の中口径を規
制する開口部20bと、小口径を規制する開口部20c
と、長孔20dとを有していて、軸19bに回転可能に
取り付けられており、その長孔20dには駆動ピン3b
が嵌合されている。更に、軸19bには、ねじりコイル
ばね21が巻回されていて、図10の状態においては、
その付勢力によって、それらの二つの腕部21a,21
bが、ばね掛け19cに接触状態となっている。
【0041】上記の構成説明からも分かるように、第1
実施例の場合には、中口径の開口部16aを有した絞り
部材16と、小口径の開口部17aを有した絞り部材1
7とを、別々の部材として備えていたが、本実施例にお
いては、一つの絞り部材20に、中口径の開口部20b
と小口径の開口部20cとを形成しており、また、大口
径を規制する開口部19aを開放するために開口部20
aを形成している。また、第1実施例においては、一つ
のねじりコイルばね18が、二つの絞り部材16,17
に直接掛けられていたが、本実施例におけるねじりコイ
ルばね21は、絞り部材20には掛けられておらず、そ
の付勢力は、駆動ピン3bに直接作用するようになって
いる。そして、図10に示された状態においては、駆動
ピン3bが、二つの腕部21a,21bの間で若干動き
得るようになっている。
【0042】このような絞り部材20と、ねじりコイル
ばね21とからなる絞り機構を、ムービングマグネット
型モータで作動させる構成は、特に目新しいものとはい
えないが、本発明を適用することの可能な態様の一つと
して示したものである。従って、図10に示されている
構成の範囲だけで簡単に作動説明をしておく。尚、上記
したように、本実施例においてもムービングマグネット
型モータの構成は、第1実施例の場合と同じである。従
って、第1実施例の説明で述べた、ムービングマグネッ
ト型モータの構成についての変形例や、コイル6に対す
る各種の通電方法は、重ねて説明するまでもなく、本実
施例にも適用されるものである。
【0043】図10は、図示していないコイル6の非通
電状態を示したものである。そして、この状態において
は、何らかの振動が加えられたとしても、駆動ピン3b
の移動が、ねじりコイルばね21の二つの腕部21a,
21bによって規制されている。従って、仮に絞り部材
20が、そのような振動によって回転されるようなこと
があったとしても、その回転は極めて僅かであり、開口
部20aが開口部19aよりも大きく形成されているの
で、開口部19aによって規制されている絞りの大口径
の設定状態は損なわれないようになっている。
【0044】この状態において、中口径が選択され、図
示していないコイル6に対して順方向の通電が行なわれ
ると、回転子3は時計方向へ回転され、駆動ピン3b
が、腕部21aを押すことによってねじりコイルばね2
1を緊張させながら、絞り部材20を反時計方向へ回転
させていく。そして、その絞り部材20の回転が、スト
ッパ19dに当接して停止したとき、中口径の開口部2
0bが開口部19a内に臨み、中口径の設定状態とな
る。また、上記のコイル6に対する通電は、この状態が
得られた直後に断たれるが、図示していない磁気的な保
持手段(窓部7a、切欠部7b、鉄ピン9,10,1
1,12)によって、その状態が維持される。
【0045】また、中口径の設定状態を解除する場合に
は、図示していない上記のコイル6に対し、設定時とは
反対に、逆方向への通電を行なう。そのため、回転子3
は、上記の保持手段の保持力に打ち勝って反時計方向へ
回転され、絞り部材20は、ねじりコイルばね21の付
勢力によって時計方向へ回転させられる。そして、ねじ
りコイルばね21の腕部21aが、ばね掛け19cに当
接する直前に、前記コイル6に対する通電を断つので、
絞り部材20は、図10の状態になった後、既に説明し
たように、駆動ピン3bを介して、ねじりコイルばね2
1の二つの腕部21a,21bによって、その状態を維
持される。
【0046】次に、小口径が選択された場合について説
明する。その場合には、中口径の設定時とは異なり、図
示していないコイル6に対して逆方向への通電が行なわ
れる。それによって、回転子3は反時計方向へ回転さ
れ、駆動ピン3bが腕部21bを押すことにより、ねじ
りコイルばね21を緊張させながら、絞り部材20を時
計方向へ回転させていく。そして、絞り部材20の回転
が、ストッパ19eに当接して停止したとき、小口径の
開口部20cが開口部19a内に臨み、小口径の設定状
態となる。また、コイル6に対する通電は、この状態が
得られた直後に断たれるが、図示していない上記の保持
手段によって、その状態が維持される。
【0047】また、小口径の設定状態を解除する場合に
は、上記のコイル6に対し、設定時とは反対に、順方向
への通電を行なう。そのため、回転子3は、上記の保持
手段の保持力に打ち勝って時計方向へ回転され、絞り部
材20は、ねじりコイルばね21の付勢力によって反時
計方向へ回転させられる。そして、ねじりコイルばね2
1の腕部21bが、ばね掛け19cに当接する直前に、
前記コイル6に対する通電が断たれるので、絞り部材2
0は、図10の状態で停止し、以後は、駆動ピン3bを
介し、ねじりコイルばね21の二つの腕部21a,21
bによって、その状態を維持される。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明は、コイルに対す
る通電方向に応じて回転子が初期位置から何れか一方へ
回転し、ばねの付勢力に抗して絞り部材を作動させ、地
板に形成された露光開口部よりも口径の小さな二つの開
口部をその露光開口部に選択的に臨ませるようにしたカ
メラ用絞り装置において、その二つの開口部の何れかを
選択し設定している状態においては、コイルに対する通
電を断っても、その状態が好適に維持され得るようにし
たので、省電力の観点から極めて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラに組み込まれたとき被写体側から視た第
1実施例の平面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】図1及び図2に示されているヨークの形状を理
解し易いように示した斜視図である
【図4】図1に示された状態における羽根室内を説明す
るための平面図である。
【図5】図4の状態から中口径の開口部を露光開口部に
臨ませた状態を示す平面図である。
【図6】図4の状態から小口径の開口部を露光開口部に
臨ませた状態を示す平面図である。
【図7】第1実施例におけるコイルに対する通電方法の
一例を示した説明図である。
【図8】第1実施例において、非通電状態にすると回転
子の各回転位置においてはどのような力が作用している
かを概念的に示した説明図である。
【図9】図7に示した通電方法とは異なる通電方法を示
した説明図である。
【図10】第2実施例を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1,19 地板 1a,2a,16a,17a,19a,20a,20
b,20c 開口部 1b,1d,19b 軸 1c 孔 1e,1f,1g,1h,19d,19e ストッパ 2 補助地板 3 回転子 3a 回転軸 3b 駆動ピン 4 上枠 4a 筒状部 4a1 突部 5 下枠 6 コイル 7 ヨーク 7a 窓部 7b 切欠部 8,9,10,11 鉄ピン 12 ヨーク 13,14 ビス 15 仲介レバー 15a,16d,20d 長孔 15b ピン 16,17,20 絞り部材 16b,17b 被押動部 16c,17c 当接部 18,21 ねじりコイルばね 18a,18b フック部 19c ばね掛け 21a,21b 腕部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石製回転子の回転軸と平行に延伸
    した駆動ピンを該回転子の径方向位置に一体的に有して
    おり該回転子は初期位置から異なる方向へ所定の角度だ
    け往復作動が可能であってその作動方向はコイルに対す
    る通電方向によって決められるモータと、前記回転子を
    初期位置へ復帰させる方向に前記駆動ピンを直接又は間
    接に付勢し得るばね手段と、前記駆動ピンによって作動
    させられ前記回転子が初期位置から第1の方向へ回転し
    たときには地板に設けられた大口径を規制する露光開口
    部に中口径の開口部を設定し第2の方向へ回転したとき
    には前記露光開口部に小口径の開口部を設定する絞り手
    段と、前記絞り手段が前記露光開口部に前記中口径の開
    口部を設定した状態と前記小口径の開口部を設定した状
    態において前記コイルへの通電を断っても前記回転子の
    磁力を利用して前記ばね手段の付勢力に抗し前記回転子
    の回転位置を維持させる磁気的保持手段とを備えている
    ことを特徴とするカメラ用絞り装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気的保持手段が、前記中口径の開
    口部を設定した状態において前記磁力が前記回転子を第
    1の方向へ回転させるように作用する位置に配置された
    少なくとも一つの第1磁性体部材と、前記小口径の開口
    部を設定した状態において前記磁力が前記回転子を第2
    の方向へ回転させるように作用する位置に配置された少
    なくとも一つの第2磁性体部材と、前記回転子の周面を
    囲むように配置されたヨークに形成されている少なくと
    も一つの欠損部とで構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載のカメラ用絞り装置。
  3. 【請求項3】 前記ばね手段が、一つのばね部材である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用絞り
    装置。
  4. 【請求項4】 前記絞り手段が、前記中口径の開口部を
    有する第1絞り部材と、前記小口径の開口部を有する第
    2絞り部材とで構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載のカメラ用絞り装置。
  5. 【請求項5】 前記中口径の開口部を設定している状態
    から前記回転子を初期位置へ復帰させる場合には、前記
    コイルに対し、一旦、前記回転子を前記第1の方向へ回
    転させるように通電しておいてから初期位置へ回転させ
    るように通電し、前記小口径の開口部を設定している状
    態から前記回転子を初期位置へ復帰させる場合には、前
    記コイルに対し、一旦、前記回転子を前記第2の方向へ
    回転させるように通電しておいてから初期位置へ回転さ
    せるように通電することを特徴とする請求項1乃至4の
    何れかに記載のカメラ用絞り装置。
  6. 【請求項6】 前記中口径の開口部を設定している状態
    から前記回転子を初期位置へ復帰させる場合にも、前記
    小口径の開口部を設定している状態から前記回転子を初
    期位置へ復帰させる場合にも、前記コイルに対しては、
    一旦、同一方向への通電を行なって前記中口径の開口部
    を設定している状態か前記小口径の開口部を設定してい
    る状態の何れか一方が得られるようにし、その後、反対
    の方向への通電を行なって前記回転子を初期位置へ復帰
    させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何
    れかに記載のカメラ用絞り装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007151354A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Nidec Copal Corp 電磁アクチュエータ及びカメラ用羽根駆動装置
JP2008160894A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Shinmei Electric Co Ltd 電磁アクチュエータ
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