JP2001174867A - カメラ用シャッタ - Google Patents

カメラ用シャッタ

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JP2001174867A
JP2001174867A JP36177199A JP36177199A JP2001174867A JP 2001174867 A JP2001174867 A JP 2001174867A JP 36177199 A JP36177199 A JP 36177199A JP 36177199 A JP36177199 A JP 36177199A JP 2001174867 A JP2001174867 A JP 2001174867A
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JP
Japan
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spring
shutter
rotor
state
opening
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JP36177199A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Watabe
伸昭 渡部
Atsuyuki Maejima
淳之 前島
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Nidec Copal Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シャッタ羽根が作動開始時に安定した作動を行
なえるようにした電動式のカメラ用シャッタを提供する
こと。 【解決手段】2極の永久磁石製回転子4は、固定子コイ
ル7への通電方向に対応して所定の角度だけ往復回転可
能である。シャッタ羽根16,17は、回転子4の駆動
ピン4bによって開閉作動させられ、全開状態と閉鎖状
態は、固定子コイル7に通電していなくても、回転子4
の磁力により鉄ピン9,10,11,12との間に作用
している吸引力によって、維持することが可能になって
いる。そして、閉鎖状態においては、駆動ピン4bが、
ばね15の一端を押し、ばね掛け部1dから離れた状態
にしているため、開き作動を行なうときには、その一端
がばね掛け部1dに接触するまで、ばね15の付勢力が
付加されることになるので、開き作動の起動性が好適と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数枚のシャッタ
羽根をモータの回転方向に連動して往復作動させ、露光
開口部を開閉させるようにした、一般にレンズシャッタ
と称されているタイプのカメラ用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、この種のシャッタは、フ
ィルムを使用するカメラにも、デジタルカメラにも用い
られている。そして、フィルムを使用するカメラに用い
られた場合には、撮影に際して、シャッタ羽根は、露光
開口部を開いて行ってから閉鎖位置へ復帰するようにな
っている。また、デジタルカメラに用いられた場合に
は、撮影に際して、シャッタ羽根は、露光開口部を閉鎖
してから開き位置へ復帰するようになっている。そし
て、最近では、何れのカメラの場合でも、シャッタ羽根
をモータで作動させるようにしたものが多くなってい
る。
【0003】また、そのようにシャッタ羽根を作動させ
るモータとしては、ステッピングモータのほかに、ムー
ビングマグネット型モータと称されている電流制御式の
モータが知られているが、そのムービングマグネット型
モータは、永久磁石製(通常2極)の回転子が、その径
方向位置において回転軸と平行に延伸した出力ピン(駆
動ピン)を有していて、固定子コイルに対する通電方向
に対応した方向へ所定の回転角度だけ回転できるように
したモータである。そして、シャッタの仕様によって、
その出力ピン(駆動ピン)を、直接シャッタ羽根に連結
させたものと、開閉部材と称されているレバー部材を介
して、シャッタ羽根を連動させるようにしたものとが知
られている。
【0004】また、この種のモータは、固定子コイルに
通電されていない場合、そのままでは、回転子は極めて
不安定な状態になってしまう。そのため、シャッタ羽根
の閉鎖状態又は全開状態において、固定子コイルに対す
る通電を断つと、カメラの姿勢や振動によって、シャッ
タ羽根が意図しない作動をしてしまうことがある。従っ
て、そのような作動をしないようにするために、回転子
の磁力を利用して、回転子の周面に対向して配置された
磁性体部材との間に吸引力を働かせ、回転子に対して一
方方向への回転力を与えておくようにして、上記の何れ
かの状態を維持させるようにすることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ムービング
マグネット型モータは、ステッピングモータに比較し
て、低コストで小型化が可能であり、消費電力も少なく
て済むという特徴がある。しかし、その反面、駆動力が
必ずしも十分には得にくく、特に起動力については今一
つの感がある。そのため、シャッタとしては種々の制約
を受けることになるが、特に問題になるのは、モータの
起動力が十分でないために、シャッタ羽根の起動性、即
ち作動開始時における作動特性が極めて不安定となっ
て、所謂切りむらなどが生じてしまうことである。この
ことは、露光時間に影響を与えることがあるだけでな
く、フラッシュ撮影の場合などにも影響を与えてしまう
という極めて大きな問題点である。
【0006】そこで、そのような問題点を解決する一つ
の方法として、シャッタ羽根の開き作動をばねの付勢力
によって行ない、閉じ作動は該ばねの付勢力に抗して回
転子の出力ピン(駆動ピン)で行なわせるようにしたも
のが、特開平11−133480号公報で提案されてい
る。そして、この従来例は、単に開き作動の起動性が安
定して得られるようになるだけではなく、露光開口部を
開き始めてから開き終わるまでの作動時間(以下、立上
り時間という)も安定して得られ、フラッシュ制御も好
適に行なえるようになるという利点がある。
【0007】しかしながら、そのような構成にすると、
閉じ作動を行なう場合には、逆に、上記のばねの付勢力
が回転子の負荷となってしまうので、閉じ作動の起動性
にとってはマイナスになり、しかも、露光開口部を閉じ
始めてから閉じ終わるまでの作動時間(以下、立下り時
間という)がどうしても長くなってしまうため、一応所
期の効果は得られるとはいえ、最善の方法とは言い難
い。従って、この従来例の構成を採用して、最大の効果
を得るためには、シャッタ羽根に開き作動を行なわせる
ためのばねの付勢力を必要最小限の大きさに設定するこ
とが望ましいが、そのような設定は極めて難しく、開き
作動の好適な起動性を確保しようとすると、閉じ作動に
与える影響が大きくなってしまうし、好適な閉じ作動を
得ようとすると、開き作動の起動性に難が生じてしまう
という問題点がある。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、ム
ービングマグネット型モータと称されている電流制御方
式のモータが、その駆動ピンの作動に連動して複数枚の
シャッタ羽根を往復作動させ、露光開口部を開閉するよ
うにしたカメラ用シャッタであって、シャッタ羽根の開
き作動と閉じ作動の少なくとも一方において、立上り時
間や立下り時間に特に影響を与えることなく、好適な起
動性が得られるようにしたカメラ用シャッタを提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用シャッタは、2極に着磁された
永久磁石製回転子がその径方向位置に回転軸と平行に延
伸した駆動ピンを一体的に設けており該回転子は固定子
コイルに対する通電方向に対応して所定の回転角度だけ
往復作動するモータと、前記回転子の各磁極周面に対向
して配置されており前記回転子の磁力によって前記回転
子との間に作用する吸引力が前記回転子を前記回転角度
の中間位置を境にして何れかの回転方向へ回転させるよ
うに働くようにした複数の磁気保持手段と、前記駆動ピ
ンに連動して作動し露光開口部の開閉作動を行なう複数
枚のシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根の閉鎖状態と全
開状態の少なくとも一方の状態においては前記固定子コ
イルに通電されていない場合であっても前記吸引力の作
用によって前記駆動ピンに押されて緊張されており前記
回転子の回転開始段階においてだけ前記駆動ピンを作動
方向に押すように配置されている少なくとも一つの弾性
手段と、を備えているようにする。
【0010】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記弾性手段が、柱に巻回され両端部を夫々のばね
掛け部に掛けられたねじりコイルばねであって、そのう
ちの一方の端部が前記駆動ピンによって押され、ばね掛
け部から離されて緊張させられるように構成すると、コ
スト上もレイアウト上も有利になる。
【0011】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記シャッタ羽根と前記駆動ピンの間に配置されて
いて前記シャッタ羽根に連結される作動ピンと前記駆動
ピンに接触される腕部とを有している開閉部材と、前記
シャッタ羽根の閉鎖状態と全開状態の何れか一方の状態
において、他方の状態へ作動させるように前記開閉部材
を付勢しているばねと、を備えていて、該何れか一方の
状態においては、前記固定子コイルに通電されていなく
ても、前記吸引力の作用によって、前記駆動ピンが、該
ばねの付勢力に抗して、前記弾性手段を緊張させている
ようにしても、好適な起動性が得られ、且つシャッタ羽
根の高速作動も可能となる。
【0012】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記シャッタ羽根と前記駆動ピンの間に配置されて
おり、前記シャッタ羽根に連結される作動ピンと、前記
駆動ピンに連結される腕部とを有している開閉部材が設
けられているようにしても、好適な起動性を得ることが
可能である。
【0013】その場合、前記開閉部材には、前記シャッ
タ羽根の閉鎖状態と全開状態の何れか一方の状態におい
て、他方の状態へ作動させるように付勢しているばねが
掛けられており、該何れか一方の状態においては、前記
固定子コイルに通電されていなくても、前記吸引力の作
用によって、前記駆動ピンが、該ばねの付勢力に抗し
て、前記弾性手段を緊張させているようにすると、シャ
ッタ羽根の高速作動を可能にする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図示した
四つの実施例によって説明する。尚、図1〜図3が第1
実施例を示したものであり、図4及び図5が第2実施例
を示したものであり、図6及び図7が第3実施例を示し
たものであり、図8〜図10が第4実施例を示したもの
である。また、各実施例の説明においては、実質的に共
通な部材,部位に対して同じ符号を用いている。
【0015】[第1実施例]第1実施例は、本発明を、
フィルムを使用するカメラ用のシャッタに適用した一例
であって、図1はシャッタの閉鎖状態を被写体側から視
た平面図であり、図2は図1の要部断面図であり、図3
は図1と同じようにして視た全開状態の平面図である。
先ず、その構成から説明する。図2の断面図から分かる
ように、シャッタ地板1と補助地板2とは、複数のビス
3(一つだけを図示してある)によって相互に取り付け
られており、それらの間に所定の空間を設けて羽根室と
している。また、図1に示すように、シャッタ地板1の
中央部には、円形の開口部1aが形成されているが、補
助地板2の中央部にも図示していない同じ形状の開口部
が形成されていて、それらの開口部を同心上に配置する
ことによって、露光開口部が規制されるようになってい
る。
【0016】シャッタ地板1の表面側、即ち被写体側に
は、ムービングマグネット型モータが取り付けられてい
る。回転子4は、径方向に着磁された2極の永久磁石製
であるが、本実施例の場合には、回転軸4aと、その径
方向位置において回転軸4aと平行に延伸している駆動
ピン4bとが,合成樹脂のアウトサート加工によって一
体成形されている。そして、上記の2極は、図1におい
て、回転軸4aと駆動ピン4bとを通る直線によって分
けられている。
【0017】固定子枠は、合成樹脂製の上枠5と下枠6
とで構成されており、それらによって回転軸4aを軸受
けし、上枠5の複数のフック部5a(図3に一つだけ図
示)によって相互に取り付けられている。また、下枠6
には長孔6a(図2参照)が形成されていて、そこに上
記の駆動ピン4bが貫通されており、更に、その駆動ピ
ン4bは、シャッタ地板1の長孔1bを貫通している。
そして、その長孔1bは、図1に示すように、下端縁が
円弧状に形成されているが、上端縁は直線状に形成され
ていて、駆動ピン4bは、回転子4の回転によって、二
つの長孔1b,6aの中で、所定の角度だけ作動し得る
ようになっている。また、上枠5と下枠6の軸受け部を
覆うようにしてコイル7が巻回されている。
【0018】また、上枠5は筒状に形成されていて、そ
の外周面に円筒形をしたヨーク8が嵌合されている。更
に、図1に示されているように、4本の鉄ピン9,1
0,11,12(以下、総称して保持手段という)が、
上枠6に形成された溝孔に圧入されているが、鉄ピン
9,10と鉄ピン11,12とは、図1において回転軸
4aを通りコイル7の巻き列と略直交する水平な線に対
し、線対称となる位置に配置されている。そして、この
ように構成されたモータは、二つのビス13,14によ
ってシャッタ地板1に取り付けられている。
【0019】次に、シャッタ地板1と、上記の下枠6と
の間の構成について説明する。シャッタ地板1の表面側
には二つのばね掛け部1c,1dと柱1eが設けられて
いる。その柱1eは、大径部と小径部とを有していて、
小径部を下枠6の孔6bに嵌合させて、下枠6に対する
支柱の役目をしている。また、ばね15が、柱1eの大
径部に巻回されていて、その一端を、ばね掛け部1cに
掛け、他端は、駆動ピン4bの回動領域内にあり、図1
の状態においては駆動ピン4bに掛けている。但し、後
述の作動説明から理解されるが、ばね15は、柱1eと
上記他端との間において、ばね掛け部1dにも接し得る
ようになっている。
【0020】次に、羽根室内の構成を説明する。シャッ
タ地板1には、二つの軸1f,1g(図3においては省
略されている)と一つのストッパ1hとが、一体成形に
よって形成されている。そして、軸1f,1gには、一
対のシャッタ羽根16,17が回転可能に取り付けられ
ている。また、シャッタ羽根16には当接部16aが形
成され、シャッタ羽根17には当接部17aが形成され
ている。また、これらの当接部16a,17aと同じ形
状は、他方の羽根にも形成されているが、それは、二つ
のシャッタ羽根16,17が共通部品となるように製作
されているからであって、機能的には何の役目も有して
いない。更に、シャッタ羽根16,17は、周知のよう
にして、それらの長孔を上記の駆動ピン4bに嵌合させ
ている。
【0021】次に、本実施例の作動を説明する。図1
は、撮影終了直後の状態を示したものであって、シャッ
タ羽根16,17が開口部1aを閉じている。従って、
この状態は、カメラを使用していない場合と全く同じ状
態でもあって、電源スイッチは閉じておらず、当然のこ
とながら、コイル7は非通電状態となっている。しか
し、それにもかかわらず、回転子4は、自己の磁力の作
用によって、余程のことがない限り、この状態を確実に
維持されており、万が一、若干動かされるようなことが
あったとしても、直ちにこの状態に復帰させられるよう
になっている。
【0022】即ち、この状態においては、回転子4のN
極と鉄ピン9との間に作用する吸引力が、N極と鉄ピン
10との間に作用する吸引力よりも大きく、また、S極
と鉄ピン12との間に作用する吸引力が、S極と鉄ピン
11との間に作用する吸引力より大きくなる配置関係と
なっているため、回転子4には反時計方向へ回転する力
が付与されている。そして、駆動ピン4bが、シャッタ
羽根16,17を閉じ作動方向へ押しているが、シャッ
タ羽根16の当接部16aがストッパ1hに接触し、そ
の作動を阻止されている。
【0023】また、このような配置関係からも分かるよ
うに、条件次第によっては、鉄ピン9,11又は鉄ピン
10,12が無くても、この状態を維持できる場合があ
る。即ち、鉄ピン9,11が無い場合には、S極と鉄ピ
ン12との間に作用する吸引力が、N極と鉄ピン10と
の間に作用する吸引力よりも大きいからである。しか
し、本実施例においては、このような状態が一層確実に
維持されるようにするために、四つの鉄ピン9,10,
11,12を備えるようにしている。従って、図1にお
いては、駆動ピン4bが、ばね15を、ばね掛け部1d
から離した状態にしているが、この状態は、ばね15の
付勢力と回転子4に付与されている回転力とのバランス
で維持されているのではなく、回転子4の回転力によっ
て維持されていることになる。
【0024】このような状態の下で、撮影に際してレリ
ーズボタンが押されると、コイル7に対して順方向に通
電が行なわれ、回転子4は保持手段(鉄ピン)との間に
作用する上記の吸引力に抗して、時計方向へ回転を開始
する。周知のように、このときの回転子4の起動力は十
分とは言えない。しかしながら、本実施例においては、
回転子4の時計方向への回転に対し、ばね15の一端が
ばね掛け部1dに接するまでは、ばね15の付勢力が作
用するため、回転子4の起動力不足が好適に補われるよ
うになっている。そして、ばね15がばね掛け部1dに
接したときには、回転子4自身の回転力が既に十分に得
られるようになっており、シャッタ羽根16,17が開
口部1aを開いていく速度は安定し、且つ良好な立上り
特性を得ることが可能になる。
【0025】そして、シャッタ羽根16,17の開き作
動は、開口部1aを全開にした直後に、シャッタ羽根1
7の当接部17aがストッパ1hに当接して、停止させ
られる。その状態が図3に示されているが、この状態に
おいては、駆動ピン4bは長孔1bの縁に接触していな
い。従って、シャッタ羽根17は、駆動ピン4bによっ
てストッパ1hに押し付けられた状態となっていて、作
動し得ないようになっている。それに対して他方のシャ
ッタ羽根16は、周知のように、その長孔と駆動ピン4
bとの嵌合公差によって若干動き得るようになってはい
るが、開口部1aに進入してしまうようなことはない。
【0026】このような全開状態において、本実施例
は、コイル7に対する順方向の通電を持続させておくよ
うにしてもよいが、長時間撮影を行なう場合などには、
その通電を断っても、この状態が維持されるようになっ
ている。即ち、図3の状態においては、回転子4のN極
は、自己の磁力により、鉄ピン10との間に作用する吸
引力の方が鉄ピン9との間に作用する吸引力よりも大き
くなっており、S極の方は、鉄ピン11との間に作用す
る吸引力の方が鉄ピン12との間に作用する吸引力より
も大きくなっているからである。
【0027】このような図3の状態において、露光時間
制御回路からの信号に応じて、コイル7に対して逆方向
の通電が行なわれると、回転子4は反時計方向へ回転さ
せられる。このとき、当初は、保持手段(鉄ピン)との
間に作用する上記の吸引力に抗して回転することになる
が、シャッタ羽根16,17同士の重なり量は、閉じ状
態のときよりも遥かに少ないことと、上記の公報に記載
された従来例のように、ばねの付勢力に抗して作動する
わけではないので、良好な初速を得て作動を開始し、且
つ高速で閉じ作動を続けていくことになる。そして、シ
ャッタ羽根16,17が開口部1aを閉じた段階には、
駆動ピン4bが、ばね15の一端を押すことによって一
瞬の間だけ制動され、その直後に、シャッタ羽根16の
当接部16aがストッパ1hに当接することによって停
止する。その後、コイル7に対する逆方向の通電が断た
れることによって、図1に示された状態に戻る。
【0028】尚、このように、本実施例においては、上
記の公報に記載されているばね、即ちシャッタ羽根1
6,17の開き作動の全行程にわたって付勢するような
ばねを備えていない。しかし、本発明は、立上り時間だ
けを早くする目的で、比較的小さな付勢力を有するばね
を、駆動ピン4b又は一方のシャッタ羽根に掛けること
を妨げるものではない。従って、その場合のばねの付勢
力は、それだけでは開き作動の良好な起動性を確保でき
るものではなく、且つ立下り時間に大きな影響を与えな
い程度のものということになる。
【0029】[第2実施例]第2実施例は、本発明を、
デジタルカメラ用のシャッタに適用した場合の一例であ
るが、その構成は、第1実施例の構成の一部が異なって
いるだけである。そのため、共通の構成については説明
を省略し、相違する点のみを説明する。また、図4は本
実施例の全開状態を示した平面図であり、図5は閉鎖状
態を示した平面図であって、何れも図1と同様に、被写
体側から視たものとして説明する。しかし、周知のよう
に、デジタルカメラの場合には、カメラの仕様によっ
て、シャッタ地板1を撮像素子側にして取り付ける場合
もある。
【0030】本実施例の場合には、第1実施例におけ
る、ばね掛け部1c,1dと、柱1eと、ばね15とが
設けられておらず、シャッタ地板1の表面側には、二つ
のばね掛け部1i,1jと一つの柱1kが立設されてお
り、その柱1kには、ばね25が巻回され、両端をばね
掛け部1i,1jに掛けるようになっていて、ばね掛け
部1jに掛ける方の一端を駆動ピン4bの作動領域に臨
ませている。また、シャッタ地板1の長孔1bの形状も
異なっている。そして、図4に示す撮影終了直後の状態
においては、シャッタ羽根16,17が開口部1aを全
開にしており、また、電源スイッチは閉じていて、モニ
ター装置によって被写体等を観察し得る状態になってい
る。
【0031】そこで、次に、本実施例の作動を説明をす
る。図4の状態においては、電源スイッチは閉じている
が、コイル7には通電されていない。しかし、回転子4
は、自己の磁力の作用によって、この状態を確実に維持
されている。即ち、この状態においては、回転子4のN
極と鉄ピン10との間に作用する吸引力が、N極と鉄ピ
ン9との間に作用する吸引力よりも大きく、また、S極
と鉄ピン11との間に作用する吸引力が、S極と鉄ピン
12との間に作用する吸引力よりも大きいため、回転子
4には時計方向へ回転する力が付与されていて、駆動ピ
ン4bが、シャッタ羽根16,17を開き作動方向へ押
し、シャッタ羽根17の当接部17aをストッパ1hに
接触させているからである。そして、この状態において
は、駆動ピン4bが、ばね25を押し、ばね掛け部1j
から離れた状態にしているが、このことは、言い換えれ
ば、駆動部材4bに対して、ばね25の付勢力が、回転
子4を反時計方向へ回転させるように作用しているとい
うことである。
【0032】このような状態の下でレリーズボタンが押
されると、先ず、CCDなどの撮像素子に撮影開始の信
号が与えられる。そして、所定時間が経過すると、露光
時間制御回路からシャッタ羽根16,17の閉じ信号が
発せられ、コイル7に対して順方向への通電が行なわれ
る。そのため、回転子4は、保持手段(鉄ピン)との間
に作用する吸引力に抗して、反時計方向へ回転を開始す
る。このとき、回転子4の起動力は、本来、十分とは言
えないが、ばね25の一端がばね掛け部1jに接するま
では、ばね25の付勢力が作用するため、その弱点が補
われ、シャッタ羽根16,17が開口部1aを好適に閉
じ始める。従って、良好な立下がり特性を得ることが可
能になる。
【0033】そして、シャッタ羽根16,17は、開口
部1aを閉じた後、シャッタ羽根16の当接部16aが
ストッパ1hに当接することによって停止させられる。
その状態が図5に示されている。このようにして、開口
部1aが閉じられた後、撮影結果が記憶装置に記憶され
ると、シャッタ羽根16,17は開き作動を行わされる
が、その場合には、上記の場合とは反対に、コイル7に
対して逆方向への通電が行なわれる。そのため、回転子
4は時計方向へ回転させられが、このとき、当初は、保
持手段(鉄ピン)との間に作用する吸引力に抗して回転
することになるとはいうものの、上記の公報に記載され
た従来例のように、ばねの付勢力に抗して作動させるわ
けではないので、好適に開き作動を行う。
【0034】本実施例の場合、その開き作動の初速は、
ばねの付勢力が伴わないだけ、第1実施例の開き作動の
場合よりも緩慢である。しかし、本実施例の場合には、
開き作動が露光条件を左右することにはならないため、
何らの問題もない。むしろ、従来例の場合よりは、ばね
の付勢力に抗して作動しない分だけ、開き作動が早くな
り、次の撮影が直ちに行なえるようになるし、連続撮影
を行なえるようにする場合に有利となる。但し、本発明
の場合には、必要に応じて、それ自体では閉じ作動の安
定した起動性を確実に得ることに寄与できないものの、
立下り時間を早くすることには貢献できる程度の付勢力
を有したばねを、駆動ピン4bか一方のシャッタ羽根に
掛けることを妨げるものではない。
【0035】このようにして、シャッタ羽根16,17
は、開口部1aを全開状態にすると、駆動ピン4bが、
ばね25の一端を押して、一瞬の間だけ制動され、その
直後に、シャッタ羽根17の当接部17aがストッパ1
hに当接することによって停止する。その後、コイル7
に対する逆方向の通電が断たれることによって、図4に
示された状態に戻る。
【0036】[第3実施例]第3実施例は、本発明を、
フィルム使用カメラにも、デジタルカメラにも組み付け
ることのできるシャッタとして構成したものである。そ
して、その構成は、シャッタ地板1に形成された長孔1
bの形状が若干異なるものの、その他の構成は、第1実
施例と第2実施例の構成を組み合わせたものである。従
って、本実施例の構成についての説明は省略する。ま
た、図6及び図7は、被写体側から視た本実施例の平面
図であって、図6は閉鎖状態を示し、図7は全開状態を
示したものであるが、第2実施例の場合に説明したよう
に、デジタルカメラに組み付ける場合には、シャッタ地
板1を撮像素子側にし、補助地板2を被写体側とするこ
ともある。
【0037】次に、本実施例の作動説明を、フィルムを
使用するカメラに組み付けた場合と、デジタルカメラに
組み付けた場合とに分けて説明するが、夫々の作動説明
を具体的に説明すると、可成りの部分で、第1実施例の
説明や第2実施例の説明と重複することになる。従っ
て、以下においては、それらの重複部分を極力簡略化し
て説明することにし、その部分の具体的な説明は、上記
した各実施例の説明を援用することにする。
【0038】そこで、先ず、本実施例のシャッタを、フ
ィルムを使用するカメラに組み付けた場合で説明する。
その場合、図6は、撮影終了直後の状態を示したもので
あって、シャッタ羽根16,17は開口部1aを閉じて
いる。そして、コイル7は非通電状態となっているが、
回転子4は、保持手段(鉄ピン)との間に作用する吸引
力によって、反時計方向へ回転力が付与されており、駆
動ピン4bを介してシャッタ羽根16の当接部16aが
ストッパ1hに押し付けられることにより、この状態を
確実に維持されている。また、このとき、回転子4を反
時計方向へ回転させる力によって、駆動ピン4bが、ば
ね15を押し、ばね掛け部1dから離した状態にしてい
る。
【0039】このような図6の状態において、レリーズ
ボタンが押されると、コイル7に対して順方向に通電が
行なわれ、回転子4は保持手段(鉄ピン)との間に作用
する吸引力に抗して、時計方向へ回転を開始する。この
とき、本実施例においては、回転子4に対し、当初だ
け、ばね15の付勢力が作用することになるため、回転
子4の起動力不足の弱点が好適に補われ、且つ開口部1
aを開いていくときのシャッタ羽根16,17の速度が
安定して良好な立上り特性を得ることが可能になる。
【0040】そして、シャッタ羽根16,17の開き作
動は、開口部1aを全開にすると、駆動ピン4bが、ば
ね25の一端を押して、一瞬の間だけ制動され、その直
後に、シャッタ羽根17の当接部17aがストッパ1h
に当接することによって停止する。その状態が図7に示
されている。また、本実施例は、この全開状態におい
て、コイル7に対する順方向の通電を持続させてもよい
が、その通電を断ったとしても、この状態が維持され
る。即ち、図7の状態においては、回転子4のN極は、
鉄ピン10との間に作用する吸引力の方が鉄ピン9との
間に作用する吸引力よりも大きく、S極の方は、鉄ピン
11との間に作用する吸引力の方が鉄ピン12との間に
作用する吸引力よりも大きくなっているからである。
【0041】この図7の状態において、所定の時間が経
過すると、コイル7に対して逆方向の通電が行なわれ
る。そのため、回転子4は、保持手段(鉄ピン)との間
に作用する吸引力に抗して、反時計方向へ回転を開始す
る。このとき、ばね25の一端がばね掛け部1jに接す
るまでは、ばね25の付勢力が作用するため、回転子4
の起動力が補われ、シャッタ羽根16,17が開口部1
aを好適に閉じ始め、第1実施例の場合よりも良好な立
下がり特性を得ることが可能になる。そして、シャッタ
羽根16,17が開口部1aを閉じた段階には、駆動ピ
ン4bが、ばね15の一端を押して制動され、その直後
に、シャッタ羽根16の当接部16aがストッパ1hに
当接して停止する。その後、コイル7に対する通電が断
たれて、図6の状態に戻る。
【0042】次に、本実施例のシャッタを、デジタルカ
メラに組み付けた場合の作動を説明する。この場合、撮
影終了直後の状態は、図7に示された状態であって、シ
ャッタ羽根16,17が開口部1aを全開にしている。
また、コイル7には通電されていないが、この状態は、
第2実施例の場合に説明したように、確実に維持されて
いる。そして、この状態においては、駆動ピン4bが、
ばね25を押し、ばね掛け部1jから離れた状態にして
いる。
【0043】この状態でレリーズボタンが押されると、
先ず、CCDなどの撮像素子に撮影開始の信号が与えら
れ、所定時間後に、シャッタ羽根16,17を閉じさせ
るべく、コイル7に対して順方向への通電が行なわれ
る。そのため、回転子4は、保持手段(鉄ピン)との間
に作用する吸引力に抗して、反時計方向へ回転を開始す
るが、このとき、ばね25の一端がばね掛け部1jに接
するまでは、ばね25の付勢力が回転子4の起動力を補
うため、シャッタ羽根16,17が開口部1aを好適に
閉じ始め、良好な立下がり特性を得ることが可能にな
る。そして、シャッタ羽根16,17が開口部1aを閉
じると、駆動ピン4bが、ばね15の一端を押して制動
され、その直後に、シャッタ羽根16の当接部16aが
ストッパ1hに当接して停止する。その状態が図6に示
された状態である。
【0044】その後、撮影結果が記憶装置に記憶される
と、コイル7に対して逆方向への通電が行なわれ、回転
子4は時計方向へ回転させられが、そのとき、当初は、
保持手段(鉄ピン)との間に作用する吸引力に抗して回
転することになるとはいうものの、ばね15の一端がば
ね掛け部1dに接触するまでは、ばね15の付勢力が作
用するため、第2実施例の場合よりも急速に開き作動を
行うことになり、それだけ、次の撮影が早く行なえるこ
とになる。このようにして、シャッタ羽根16,17
は、開口部1aを全開状態にすると、駆動ピン4bが、
ばね25の一端を押して制動され、その直後に、シャッ
タ羽根17の当接部17aがストッパ1hに当接するこ
とによって、停止させられる。その後、コイル7に対す
る通電が断たれて、図7に示された状態となる。
【0045】[第4実施例]次に、第4実施例を、図8
〜図10を用いて説明する。本実施例は、第1実施例と
同様に、本発明を、フィルム使用のカメラ用シャッタと
して構成したものであって、図8はシャッタの閉鎖状態
を被写体側から視た平面図であり、図9は図8の要部断
面図であり、図10は図8と同じようにして視た全開状
態の平面図である。そして、その構成は、第1実施例の
構成と共通するところが多く、また、完全に同じではな
いにしても、単に形状が異なるだけであったり、配置位
置が異なるだけのものが多いため、それらについては、
特に構成の説明をするまでもなく、十分に理解できると
考え、第1実施例の場合と同じ符号を付けてある。従っ
て、本実施例の構成説明は、第1実施例と明らかに異な
る点について説明することにする。
【0046】先ず、図9の断面図から分かるように、本
実施例の場合、駆動ピン4bは、シャッタ地板1の長孔
1bを貫通して羽根室まで突き出ておらず、シャッタ羽
根16,17の長孔には嵌合していない。また、図8に
示すように、シャッタ地板1の表面側には、ばね掛け部
1m,1n,1pと、柱1qと、軸1rとが立設されて
いる。そして、軸1rは、大径部と小径部とを有してい
て、小径部を下枠6の孔6cに嵌合させて、下枠6に対
する支柱の役目をしている。また、軸1rの大径部には
開閉部材18が回転可能に取り付けられているが、この
開閉部材18は、一方の腕部が駆動ピン4bに接触可能
に形成されており、他方の腕部には、表面側にばね掛け
部18aを立設し、背面側には作動ピン18bを立設し
ている。そして、その作動ピン18bは、図9に示すよ
うに、シャッタ地板1に形成された長孔1s(長孔1b
と類似の平面形状をしている)を貫通し、シャッタ羽根
16,17に形成されている周知の長孔に嵌合されてい
る。
【0047】また、開閉部材18の回転軸部には、ばね
19が嵌装され、一端をばね掛け部1mに掛け、他端を
ばね掛け部18aに掛けて、開閉部材18を時計方向へ
回転させるように付勢している。更に、柱1qには、ば
ね35が巻回されており、その一端を、ばね掛け部1n
に掛け、他端を、開閉部材18の一方の腕部と、ばね掛
け部1pに接触させ得るようにしているが、図8の状態
においては、開閉部材18の一方の腕部にのみ接触して
いる。
【0048】次に、本実施例の作動を説明するが、第1
実施例の場合と共通する点については、簡単に説明する
ことにする。図8は、撮影終了直後の状態を示したもの
であって、シャッタ羽根16,17が開口部1aを閉じ
ている。このとき、コイル7は非通電状態となっている
が、回転子4は、自己の磁力の作用によって、この状態
を確実に維持されている。但し、このときの回転子4に
は、第1実施例の全開状態においてコイル7に対する通
電を断たれた場合と同様に、時計方向への回転力が与え
られている。
【0049】そして、その回転力によって、駆動ピン4
bが、開閉部材18を、ばね19の付勢力に抗して反時
計方向へ回転させ、それによって、作動ピン18bがシ
ャッタ羽根16,17を閉じ作動方向へ回転させるよう
にしているが、シャッタ羽根16の当接部16aがスト
ッパ1hに接触し、その作動を阻止されている。他方、
開閉部材18は、駆動ピン4bによって反時計方向へ回
転するように押されている結果、その腕部が,ばね35
を押し、ばね掛け部1pから離した状態にしている。
【0050】この状態でレリーズボタンが押されると、
コイル7に対して順方向に通電が行なわれ、回転子4は
保持手段(鉄ピン)との間に作用する吸引力に抗して、
反時計方向へ回転させられる。このとき、本実施例の場
合は、駆動ピン4aが開閉部材18に連結されておら
ず、シャッタ羽根16,17と開閉部材18が、回転子
4の負荷にはならないため、回転子4は、比較的良好に
起動し、回転していく。その結果、開閉部材18は、ば
ね19の付勢力によって時計方向へ追従して回転するこ
とになるが、シャッタ羽根16,17同士の重なり量が
非常に大きいことと、ばね19の付勢力が後述する理由
により十分に大きく設定されていないことから、ばね1
9の付勢力だけでは、シャッタ羽根16,17の当初の
開き作動が極めて不安定になる。
【0051】ところが、本実施例は、その開き作動の当
初においては、ばね35が、ばね掛け部1pに接するま
で、開閉部材18を時計方向へ回転させるように構成さ
れているため、その段階においては、開閉部材18は、
ばね19とばね35との両方の付勢力によって回転させ
られることになり、シャッタ羽根16,17の作動が極
めて安定して得られるようになる。そして、ばね35が
ばね掛け部1pに接したときには、シャッタ羽根16,
17同士の重なり量も少なくなっていて、しかも、既に
所定の速度が得られるようになっているので、ばね19
の付勢力のみによって、シャッタ羽根16,17の開き
作動が続けられる。
【0052】そして、その開き作動は、シャッタ羽根1
7の当接部17aがストッパ1hに当接することによっ
て停止される。また、回転子4は、駆動ピン4bが長孔
1bの端縁に当接して停止する。その状態が図10に示
されている。従って、本実施例の場合には、シャッタ羽
根16,17の全開状態は、ばね19の付勢力によって
維持されていることになる。他方、回転子4は、保持手
段との間に作用する吸引力によって反時計方向へ回転す
る力が与えられているので、コイル7に対する順方向の
通電が断たれたとしても、この状態が維持される。
【0053】このような全開状態において、露光時間制
御回路から閉じ信号が発せられると、それに応じて、コ
イル7に対して逆方向の通電が行なわれ、回転子4は時
計方向へ回転させられる。このとき、回転子4は、保持
手段(鉄ピン)との間に作用する上記の吸引力に抗して
回転することになるが、当初は、シャッタ羽根16,1
7が負荷とならないので、第1実施例の場合よりは好適
に起動する。そして、駆動ピン4bが開閉部材18の腕
部に接してからは、ばね19の付勢力に抗して開閉部材
18を反時計方向へ回転させ、シャッタ羽根16,17
に閉じ作動を行わせていく。
【0054】ところで、本実施例のモータのように、駆
動力の余り大きくないモータの場合には、シャッタ羽根
16,17の閉じ作動を、ばね19の付勢力に抗して行
なわせるようにすることは極めて問題である。従って、
ばね19の付勢力は、シャッタ羽根16,17に開き作
動を行なわせることができる範囲内で、出来るだけ小さ
くすることが好ましい。しかし、ばね19の付勢力を、
そのように小さくすると、或る程度まで作動してからは
問題はないが、作動開始時においては、その作動が極め
て不安定になってしまう。そのため、本実施例の場合に
は、ばね35を設け、上記のように機能させているわけ
である。
【0055】そこで、このようにして、ばね19の付勢
力に抗して閉じ作動が行なわれ、シャッタ羽根16,1
7が開口部1aを閉じた段階になると、駆動ピン4b
が、開閉部材18を介して、ばね35の一端を押すこと
によって一瞬の間だけ制動され、その直後に、シャッタ
羽根16の当接部16aがストッパ1hに当接すること
によって停止する。その後、コイル7に対する逆方向の
通電が断たれることによって、図8に示された状態に戻
る。
【0056】尚、本実施例においては、図8の状態にお
いて、駆動ピン4bが、開閉部材18の腕部を介して、
ばね35の一端を押しているが、駆動ピン4bが直接、
ばね35の一端を押すようにしても差し支えない。ま
た、本実施例においては、駆動ピン4bと開閉部材18
とが連結されていないが、開閉部材18の腕部に長孔を
形成し、そこに駆動ピン4bを嵌合させるようにしても
差し支えない。その場合、ばね19は設けても設けなく
ても構わないが、上記の嵌合部の間隙によるガタツキを
無くすためには、付勢力を小さくして設けておいた方が
有利である。
【0057】更に、本実施例は、フィルムを使用するカ
メラ用のシャッタとして構成したが、図10の状態にお
いて、ばね19を、開閉部材18を反時計方向へ回転さ
せるように掛け、また、開閉部材18の一方の腕部を、
駆動ピン4bの反対側に接触させるようにし、更に、そ
のような状態において、ばね35を、駆動ピン4bとは
反対側から上記の腕部に接触させ得るようにすれば、デ
ジタルカメラ用のシャッタとして構成することが可能で
ある。そして、それらの態様は、すべて本発明の態様で
ある。
【0058】また、上記の各実施例においては、ばね1
5,25,35が、ねじりコイルばねであるが、本発明
は、そのようなねじりコイルばねに限定されることな
く、板ばねや圧縮コイルばねなどの他の弾性手段で構成
しても差し支えない。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明は、永久磁石回転
子が固定子コイルの通電方向に対応して所定の回転角度
範囲内で往復回転するムービングマグネット型モータ
が、その回転子と一体の駆動ピンに連動して、複数枚の
シャッタ羽根の開閉作動を行わせるようにしたカメラ用
シャッタにおいて、シャッタ羽根の開き作動と閉じ作動
の少なくとも一方において、立上り時間や立下り時間に
特に影響を与えることなく、作動開始時だけに特別な付
勢力が付加されるようにしたから、シャッタ羽根の起動
時の作動が安定して得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の初期状態を示した平面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】第1実施例の全開状態を示した平面図である。
【図4】第2実施例の初期状態を示した平面図である。
【図5】第2実施例の閉じ状態を示した平面図である。
【図6】第3実施例の閉じ状態を示した平面図である。
【図7】第3実施例の全開状態を示した平面図である。
【図8】第4実施例の初期状態を示した平面図である。
【図9】図8の要部断面図である。
【図10】第4実施例の全開状態を示した平面図であ
る。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a 開口部 1b,1s,6a 長孔 1c,1d,1i,1j,1m,1n,1p,18a
ばね掛け部 1e,1k,1q 柱 1f,1g,1r 軸 1h ストッパ 2 補助地板 3,13,14 ビス 4 回転子 4a 回転軸 4b 駆動ピン 5 上枠 5a フック部 6 下枠 6b,6c 孔 7 コイル 8 ヨーク 9,10,11,12 鉄ピン 15,19,25,35 ばね 16,17 シャッタ羽根 16a,17a 当接部 18 開閉部材 18b 作動ピン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2極に着磁された永久磁石製回転子がそ
    の径方向位置に回転軸と平行に延伸した駆動ピンを一体
    的に設けており該回転子は固定子コイルに対する通電方
    向に対応して所定の回転角度だけ往復作動するモータ
    と、前記回転子の各磁極周面に対向して配置されており
    前記回転子の磁力によって前記回転子との間に作用する
    吸引力が前記回転子を前記回転角度の中間位置を境にし
    て何れかの回転方向へ回転させるように働くようにした
    複数の磁気保持手段と、前記駆動ピンに連動して作動し
    露光開口部の開閉作動を行なう複数枚のシャッタ羽根
    と、前記シャッタ羽根の閉鎖状態と全開状態の少なくと
    も一方の状態においては前記固定子コイルに通電されて
    いない場合であっても前記吸引力の作用によって前記駆
    動ピンに押されて緊張されており前記回転子の回転開始
    段階においてだけ前記駆動ピンを作動方向に押すように
    配置されている少なくとも一つの弾性手段と、を備えて
    いることを特徴とするカメラ用シャッタ。
  2. 【請求項2】 前記弾性手段が、柱に巻回され両端部を
    夫々のばね掛け部に掛けられたねじりコイルばねであっ
    て、そのうちの一方の端部が前記駆動ピンによって押さ
    れ、ばね掛け部から離されて緊張させられるように構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用
    シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記シャッタ羽根と前記駆動ピンの間に
    配置されていて前記シャッタ羽根に連結される作動ピン
    と前記駆動ピンに接触される腕部とを有している開閉部
    材と、前記シャッタ羽根の閉鎖状態と全開状態の何れか
    一方の状態において、他方の状態へ作動させるように前
    記開閉部材を付勢しているばねと、を備えていて、該何
    れか一方の状態においては、前記固定子コイルに通電さ
    れていなくても、前記吸引力の作用によって、前記駆動
    ピンが、該ばねの付勢力に抗して、前記弾性手段を緊張
    させているようにしたことを特徴とする請求項1又は2
    に記載のカメラ用シャッタ。
  4. 【請求項4】 前記シャッタ羽根と前記駆動ピンの間に
    配置されており、前記シャッタ羽根に連結される作動ピ
    ンと、前記駆動ピンに連結される腕部とを有している開
    閉部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のカメラ用シャッタ。
  5. 【請求項5】 前記開閉部材には、前記シャッタ羽根の
    閉鎖状態と全開状態の何れか一方の状態において、他方
    の状態へ作動させるように付勢しているばねが掛けられ
    ており、該何れか一方の状態においては、前記固定子コ
    イルに通電されていなくても、前記吸引力の作用によっ
    て、前記駆動ピンが、該ばねの付勢力に抗して、前記弾
    性手段を緊張させているようにしたことを特徴とする請
    求項4に記載のカメラ用シャッタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009128600A1 (en) * 2008-04-17 2009-10-22 Sung Woo Electronics Co., Ltd. A shutter device for camera
WO2012120735A1 (ja) * 2011-03-08 2012-09-13 セイコープレシジョン株式会社 羽根駆動装置及び光学機器

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