JPH10333207A - カメラ用シャッタ - Google Patents

カメラ用シャッタ

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JPH10333207A
JPH10333207A JP13988497A JP13988497A JPH10333207A JP H10333207 A JPH10333207 A JP H10333207A JP 13988497 A JP13988497 A JP 13988497A JP 13988497 A JP13988497 A JP 13988497A JP H10333207 A JPH10333207 A JP H10333207A
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JP
Japan
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opening
shutter
motor
closing
blades
Prior art date
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Application number
JP13988497A
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English (en)
Inventor
Shigeru Yamagishi
茂 山岸
Makoto Nakajima
良 中島
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Nidec Copal Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数枚のシャッタ羽根が常に同じタイミングで
開き作動を開始するようにしたモータ駆動のカメラ用シ
ャッタを提供すること。 【解決手段】開閉部材14は、腕部14bを、コイルば
ね15によって、永久磁石回転子12と一体の駆動ピン
13に接触させられ、且つ作動ピン14cをシャッタ羽
根4,5の長孔4a,5aに嵌合させている。閉鎖時に
はばね15の力より、回転子12と磁性体部材10の間
に働く磁力の方が大きい。羽根4,5には停止部2a,
2bに当接し得る張出部4b,5bが形成されている
が、作動ピン14cと長孔4a,5aの間には嵌合公差
があるため、閉鎖時には、一方の羽根は、張出部を停止
部に押し付け安定状態になるが、他方の羽根は不安定状
態となっている。そこで、羽根4,5に開き作動を行わ
せる場合は、一旦、回転子12を閉じ方向へ回転させ、
両方の張出部4b,5bを停止部2a,2bに押し付け
ておいてから行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、レンズシ
ャッタと称されているタイプのカメラ用シャッタに関す
るものであり、特に、撮影に際し、複数枚のシャッタ羽
根がモータの往復作動に連動して開閉作動を行うように
したカメラ用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のシャッタは、通常、複数枚のシ
ャッタ羽根が地板に枢着されていて、往復作動可能な開
閉部材の作動ピンと各シャッタ羽根の長孔とを嵌合さ
せ、モータの往復回転によって開閉部材を往復作動させ
ることにより、シャッタ羽根に開閉作動を行わせるよう
にしている。そして、シャッタ羽根の枚数は、最近でこ
そ2枚のものが殆どであるが、3枚以上のものもある。
また、作動ピンと長孔の嵌合は、一つの作動ピンを複数
枚のシャッタ羽根の長孔に嵌合させるものと、複数の作
動ピンを設け、それらを個々のシャッタ羽根の長孔に嵌
合させるものとがある。更に、開閉部材は、レバーやリ
ング状のものが知られており、モータが所定の角度範囲
でのみ往復回転を行うタイプの場合には、その回転子と
一体化されたものも知られている。本発明は、このよう
な構成のシャッタに関するものである。
【0003】ところで、シャッタ羽根が開閉作動を行う
場合、シャッタ羽根の作動開始位置が撮影ごとに異なっ
てしまうのは極めて問題である。また、シャッタ羽根相
互の作動開始のタイミングが撮影ごとに異なってしまう
のも問題である。即ち、そのような現象が生じると、モ
ータが開き駆動を開始してからシャッタ羽根が露光開口
をピンホールにするまでの時間が、その都度、変わって
しまい、結果として所望の露光時間が得られない(所
謂、切りむらが生じる)からである。そこで、その点を
少しでも解消するためにセンサを設け、シャッタ羽根が
ピンホールの直前位置に達したことを検出してから、露
光時間制御回路のカウントを開始させるようにしたもの
が知られている。
【0004】しかしながら、コスト面を考えると、その
ようなセンサを設けるのは極めて不都合である。また、
たとえセンサを設ける場合であっても、大きな取り付け
調整範囲が必要であると、センサがシャッタの全体構成
に比較して可成り大きい部品であることから、他の構成
部材の設計に大きな影響を与えてしまうことになる。そ
のため、センサを設ける場合であっても、小さい取り付
け調整範囲で済むようにすることが必要になる。このよ
うな理由から、上記したような、シャッタ羽根の作動開
始位置が撮影ごとに異なったり、シャッタ羽根相互の作
動開始のタイミングが撮影ごとに異なったりするのを、
無くすか抑制できるようにすることが必要になる。
【0005】また、最近では、消費電力を低減したいと
いうことから、パワーの小さいモータを駆動源として用
いることが多くなっているが、そのようなモータを用い
たシャッタにおいて、シャッタ羽根相互の作動開始のタ
イミングが撮影ごとに異なってしまう場合には、モータ
の負荷が大きくなるタイミングが、その都度、変わって
しまい、露光開口の開き作動特性(所謂、立ち上がり特
性)が、その都度、変わってしまうことになる。このよ
うな問題は、センサを上記のようにして配置するだけで
は解決することができない。従って、このような事態を
避けるためにも、何らかの有効な工夫を講じることが必
要になる。
【0006】これらの問題を解決するためには、部品加
工,組立加工における公差を最小限に留めればよいわけ
であるが、そのようにすることは量産上においては至難
のことであり、コストの上昇結果を招くだけである。そ
こで、従来は、シャッタ閉鎖状態において、コイルばね
の力、又はモータに設けられた永久磁石の磁力によっ
て、開閉部材をシャッタ羽根の閉じ方向へ付勢するよう
にし、各シャッタ羽根の一部(2枚のシャッタ羽根を相
対的に作動させるシャッタにおいては、両シャッタ羽根
の先端近傍部)を、シャッタ地板等に設けられた停止手
段に押しつけることにより、シャッタ羽根の閉鎖位置、
即ちシャッタ羽根の開き作動開始位置を規制するように
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして、ばね力や磁力によって複数のシャッタ羽根
を夫々の停止手段に押し付ける構成にした場合には、或
る程度の効果は得られるものの、厳密には、全てのシャ
ッタ羽根の開き作動を、常に同じ位置から開始させるよ
うにすることはできない。即ち、各部材,部位には許容
公差が定められているから、複数枚のシャッタ羽根に対
する閉じ方向への力は、最初の1枚のシャッタ羽根がそ
の停止手段に当接した段階で、他のシャッタ羽根には及
ばなくなってしまうからである。そのため、最初の1枚
のシャッタ羽根の位置は定まるが、他のシャッタ羽根
は、振動やカメラの構え方(姿勢)によって、その長孔
と作動ピンとの嵌合部の公差範囲内で、又はシャッタ羽
根と停止手段との間の間隔内で変位可能状態になってし
まい、正確には位置が定まらないことになる。
【0008】そこで、上記したばね力や磁力を大きくし
て、最後のシャッタ羽根がその停止手段に当接するまで
は、それまでに当接しているシャッタ羽根を撓ませるよ
うにすることが考えられるが、カメラは撮影していない
時間の方が圧倒的に長いから、シャッタ羽根に撓み癖を
生じさせる虞があったり、開き作動時においてはそれら
のばね力や磁力がモータの負荷になってしまうこともあ
り、そのような力を余り大きくするのは適当でない。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、モ
ータの往復作動に連動して往復作動を行わされる開閉部
材が、ピンと長孔との嵌合関係によって連結された複数
のシャッタ羽根を往復作動させることにより露光を行う
ようにしたシャッタであって、各シャッタ羽根の開き作
動が常に同じ位置から開始されるようにしたカメラ用シ
ャッタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用シャッタは、露光用の開口部を
有していて両者間に羽根室を形成している二つの地板
と、羽根室内において前記二つの地板のいずれかに枢着
されていて夫々が長孔を有している複数のシャッタ羽根
と、往復回転可能なモータと、前記長孔に嵌合した少な
くとも一つの作動ピンを有していて前記モータによって
往復作動させられることによって前記シャッタ羽根に前
記開口部の開閉作動を行わせる開閉部材と、前記地板の
少なくとも一方に設けられていて前記シャッタ羽根の閉
じ方向への作動を夫々阻止することの可能な複数の停止
手段とを備え、前記開閉部材は露光作動時において、前
記モータの回転方向に連動して、先ず、閉じ方向へ作動
され、前記シャッタ羽根の全てを夫々の前記停止手段に
接触させてから、開き方向へ作動されるようにする。ま
た、本発明のカメラ用シャッタは、好ましくは、前記開
閉部材が、コイルばねによって一方向へ付勢されてお
り、前記シャッタ羽根の開閉作動のうち一方の作動を前
記モータを駆動源として行わせ、他方の作動を前記ばね
を駆動源として行わせるようにする。また、本発明のカ
メラ用シャッタは、好ましくは、前記シャッタ羽根の開
閉作動が、いずれも前記モータを駆動源として行われる
ようにする。その場合、更に好ましくは、前記開閉部材
が、コイルばねによって一方向へ付勢されており、前記
シャッタ羽根の閉じ作動は該コイルばねと前記モータと
の両方を駆動源として行われるようにする。更に、本発
明のカメラ用シャッタは、好ましくは、前記モータが、
ムービングマグネット型モータであって、前記開閉部材
が、該モータの回転子と一体的に構成されているように
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
5に示した実施例によって説明する。尚、図1は実施例
を透視的に示した平面図であって、カメラのレリーズ前
の状態を示している。図2は図1に示した開閉機構を、
光軸中心から視て展開状態にして示した断面図であり、
図3は図1の要部拡大図である。また、図4は図1と同
様にして実施例を透視的に示した平面図であって、シャ
ッタ羽根の全開状態を示している。更に、図5は実施例
におけるモータの通電と開口波形との関係を示したタイ
ミングチャートである。
【0012】先ず、本実施例の構成を説明する。シャッ
タ地板1は、合成樹脂製であって、その中央部には、被
写界光を通過させるための円形をした開口部1aが形成
されている。また、図1において、シャッタ地板1の背
面側には、外径が略同じであって合成樹脂製の補助地板
2が配置されており、三つのビス3,3,3によって、
シャッタ地板1に取り付けられ、両地板1,2間に羽根
室を形成している。図示していないが、補助地板2にも
開口部1aと略同じ形状の開口部が形成されていて、二
つの開口部は同心上に配置されるように構成されてい
る。
【0013】羽根室内には2枚のシャッタ羽根4,5が
配置されており、夫々シャッタ地板1に設けられた軸部
1b,1cに枢着されている。しかしながら、周知のよ
うに、シャッタ羽根4,5は、2枚とも補助地板2に枢
着させるようにしてもよいし、両地板1,2に1枚ずつ
枢着するようにしても構わない。また、軸部は羽根側に
設け、地板側に孔を形成するように構成していても構わ
ない。そして、図示していないが、これらの地板1,2
には、カメラ本体への取付部が設けられていて、カメラ
には、シャッタ地板1がレンズ側となり、補助地板2が
フィルム側となるようにして取り付けられるようになっ
ている。
【0014】シャッタ地板1の表面側には、ムービング
マグネット型モータと称されているモータMが取り付け
られている。このモータMは、シャッタ羽根の駆動源に
用いられるモータとしては周知であり、通電方向に応じ
て、正・逆方向へ所定の角度だけ回転するようになって
いる。シャッタ地板1への取り付けは、合成樹脂製の下
枠6を二つのビス7,7によって螺止することによって
行われている。また、合成樹脂製の上枠8は、図2から
分かるようにコップを伏せたような形状をしていて、そ
の外側には円筒形のヨーク9が取り付けられている。そ
して、その上枠8には、棒状をした磁性体部材10が埋
設されている。
【0015】図2から分かるように、下枠6と上枠8の
両方に亘ってコイル11が巻回されており、また、下枠
6と上枠8によって形成された空間には、回転子12が
回転可能に取り付けられている。この回転子12は永久
磁石製であるが、回転軸は合成樹脂製であって、その回
転軸と一体的に駆動ピン13が形成されている。回転軸
と駆動ピン13との一体化形状は、図面が見にくくなる
ため、図1には明示していないが、図2から理解できる
ようになっている。そして、この駆動ピン13の先端
は、羽根室には進入しないようにして、シャッタ地板1
に形成された円弧状の孔1dに挿入されている。
【0016】シャッタ地板1に設けられた軸部1eは、
図2に示すように開閉部材14を回転可能に取り付けて
おり、その先端部で上記の下枠6を支えている。コイル
ばね15は、一端を開閉部材14のばね掛け14aに、
他端をシャッタ地板1のばね掛け1fに掛け、図1にお
いて開閉部材14を時計方向へ付勢し、その腕部14b
を上記の駆動ピン13に接触させるようにしている。ま
た、開閉部材14には作動ピン14cが設けられてお
り、シャッタ地板1に形成された円弧状の孔1gを貫通
し、羽根室内において、シャッタ羽根4,5の長孔4
a,5aに嵌合している。補助地板2には、羽根室内
に、停止部2a,2bが設けられており、シャッタ羽根
4,5に形成された張出部4b,5bに接し得るように
なっている。そのため、これらの停止部は、両方ともシ
ャッタ地板1に設けてもよいし、また、一方をシャッタ
地板1に、他方を補助地板2に設けても差し支えない。
【0017】次に、本実施例の作動を説明する前に、閉
鎖状態においては、実際に、シャッタ羽根4,5がどの
ような状態に置かれているかを、図1のほかに、図1の
一部を拡大して示した図3を用いて説明する。この状態
においては、コイル11には通電されていない。そのた
め、何らかの手段を講じない限り、回転子8は停止位置
が不安定な状態になってしまう。そこで、本実施例にお
いては、回転子12に2極の永久磁石を用い、固定子の
一部には磁性体部材10を配置することによって、両者
間に働く磁力により、通電をすることなしに閉鎖状態を
保っている。尚、この閉鎖状態の保持方法は周知であっ
て、回転子12と磁性体部材10との間に働く磁力は、
吸引力の場合もあれば、反発力の場合もある。
【0018】他方、開閉部材14は、コイルばね15に
よってシャッタ羽根4,5を開かせる方向へ付勢されて
いるが、コイルばね15の付勢力よりも回転子12と磁
性体部材10の間に働く磁力の方が大きいため、腕部1
4bは駆動ピン13により強く押され、コイルばね15
の付勢力に抗して反時計方向へ回転する力を受けてい
る。その力関係のため、開閉部材14の作動ピン14c
は、シャッタ羽根4,5を閉じ方向へ作動させ、シャッ
タ羽根4,5の張出部4b,5bを停止部2a,2bに
当接させる方向に押している。
【0019】しかしながら、このような閉鎖状態におい
ては、実際上は、シャッタ羽根4,5のうち、一方のシ
ャッタ羽根の位置は安定するが、他方のシャッタ羽根の
位置は安定しない。その理由は、構成部材の形状には、
夫々、許容公差が定められているし、また、当然のこと
ながら作動ピン14cと長孔4a,5aとの嵌合部にも
公差があるからである。そこで、本実施例においては、
閉鎖状態において、シャッタ羽根4は安定状態を得られ
ているがシャッタ羽根5は安定状態を得られていない場
合を示している。
【0020】即ち、図3において、開閉部材14の作動
ピン14cは、シャッタ羽根4,5の長孔4a,5aの
上側の各端面を押している。そのため、作動ピン14c
と、長孔4a,5aの下側の各端面との間には間隙があ
る。しかも、長孔4aの下側の端面との間の間隙と、長
孔5aの下側の端面との間の間隙とでは、間隔が同じで
はない。そして、この状態においてはシャッタ羽根4の
張出部4bが既に停止部2aに接触しているので、もは
や作動ピン14cは上方へ作動することが不可能であ
る。また、このとき、シャッタ羽根5の張出部5bが停
止部2bに接触するように製作するのは量産上至難のこ
とであるから、張出部5bと停止部2bの間には、どう
しても間隙が生じることになる。
【0021】ところで、この図3の状態においては、シ
ャッタに振動を与えたとしても、シャッタ羽根4は動く
ことができないが、シャッタ羽根5は軸部1cを中心に
して反時計方向へ回転することが可能になっている。そ
して、その回転の範囲は、長孔5aの下側の端面が作動
ピン14cに当接するか、張出部5bが停止部2bに当
接するかの、いずれか早い方で決まることになり、シャ
ッタ羽根5は、その回転範囲内において如何なる位置を
もとり得ることになる。言い換えれば、閉鎖状態におい
てはシャッタ羽根5は不安定状態にあり、シャッタ羽根
4,5の相対的な位置関係を一定に維持させることがで
きないわけである。
【0022】そのため、もしも、その状態から開閉部材
14を開き作動方向、即ち時計方向へ回転させた場合に
は、作動ピン14cによって、一方の羽根の作動を開始
させてから、他方の羽根の作動を開始させるまでの時間
が、その都度、変わってしまうことになる。言い換えれ
ば、開き駆動力に対して負荷の変化する(大きくなる)
時点が、その都度、変わってしまうことになる。そのた
め、開閉部材14が開き作動を開始してから、シャッタ
羽根4,5がピンホールに達するまでの時間が、その都
度、変わってしまうし、全開までの開口波形が変わって
しまうことになり、開閉部材14の開き作動開始時機か
ら、露光時間制御回路のカウントを開始させた場合に
は、所謂切りむらを生じてしまい、同じ条件の被写界を
撮影しても異なる露光結果が得られてしまうことにな
る。シャッタ羽根4,5は、実際には、図1において、
このような関係に置かれている。
【0023】このような図1の閉鎖状態において、カメ
ラのレリーズボタンが押されると、先ず、その初期段階
において測距装置や測光回路が働かされる。その後、図
5に示すように、コイル11に所定の時間だけ正方向の
電流が供給されると、本実施例においては、回転子12
が、先ず、時計方向へ回転され、開閉部材14を、コイ
ルばね15に抗して反時計方向へ回転させ、作動ピン1
4cによってシャッタ羽根4,5に閉じ方向への作動を
行わせる。そのため、既に張出部が停止部に接触してい
た一方のシャッタ羽根は漏光が発生しない範囲で僅かに
撓まされ、位置の不安定だった他方のシャッタ羽根の張
出部が停止部に押し付けられることになる。
【0024】その後、コイル11に対する電流が上記と
は逆方向へ供給されると、回転子12は図1において反
時計方向へ回転する。そのため、開閉部材14は、コイ
ルばね15の付勢力によって時計方向へ追従し、作動ピ
ン14cによってシャッタ羽根4,5に開き作動を行わ
せる。この開き作動は、一旦、シャッタ羽根4,5の相
対的な位置関係を強制的に決めた後に行われるから、開
閉部材14が開き方向(時計方向)へ回転を開始してか
ら、作動ピン14cが、長孔4aを押すまでの時間、及
び長孔5aを押すまでの時間は、撮影のたびに変わって
しまうことがない。
【0025】このようにして、シャッタ羽根4,5は、
軸部1b,1cにおいて相対的に回転することによって
開口部1aを開き、図4に示す全開状態となって停止す
る。全開状態における停止は、駆動ピン13が、孔1d
の端面に当接することによって行われるが、周知のよう
に、作動ピン14cを孔1gの端面に当接させるように
しても、シャッタ羽根4,5の一方を図示していない停
止部に当接させるようにしても差し支えない。また、本
実施例においては、図5から分かるように、この全開状
態においてコイル11に対し通電を続けているが、コイ
ルばね15の付勢力によって、充分に全開状態を維持で
きるのであれば、コイル11に対する通電を断つように
しても差し支えない。
【0026】この状態から、直ちに又は所定の時間経過
後に、今度は、コイル11に正方向への通電が行われ
る。それによって、回転子12は時計方向へ回転し、コ
イルばね15に抗して開閉部材14を反時計方向へ回転
させる。従って、シャッタ羽根4,5は、作動ピン14
cによって開き作動とは逆に作動され、開口部1aを閉
じていく。そして、開口部1aを閉じ、シャッタ羽根
4,5の張出部4b,5bが停止部2a,2bに当接し
た後も、少なくとも一方のシャッタ羽根を僅かに撓ませ
るようにして、再露光が発生しない程度にバウンドを抑
止し、バウンドの心配が無くなった時点でコイル11へ
の通電が断たれる。その後は、少なくとも一方のシャッ
タ羽根が、その撓みによる弾性によって原形に復するこ
とにより、全ての部材は図1及び図3に示す状態にな
る。
【0027】尚、上記の実施例においては、開き作動に
際して、開閉部材14が、コイルばね15によって、駆
動ピン13に追従するようにしているが、腕部14bを
フォーク状の二股にし、それらの間に駆動ピン13を挟
むようにすれば、コイルばね15は必ずしも必要ではな
い。また、その場合には、コイルばね15によって開閉
部材14を閉じ方向に付勢するようにしても差し支えな
く、そのように付勢することによって、磁性体部材10
が必ずしも必要でなくなる。
【0028】また、上記の実施例においては、開閉部材
14を回転子12とは別体に構成しているが、本実施例
のようにムービングマグネット型モータMを駆動源とす
るシャッタの中には、開閉部材14を回転子12と一体
的に構成したものが知られている。即ち、その場合に
は、実施例における駆動ピン13を、作動ピン14cの
代わりとして長孔4a,5aに嵌合させた態様となる。
本発明は、そのような構成のシャッタにも適用すること
が可能である。そして、そのような構成にした場合に
は、実施例における開閉部材14とコイルばね15は不
要になる。但し、言うまでもないことであるが、その場
合には、回転子の回転方向の制御順序は、上記の実施例
とは逆に行わせることになる。また、その場合におい
て、作動ピン14cが、ばねによって閉じ方向に付勢さ
れているようにすれば、磁性体部材10は必ずしも必要
としないことになる。
【0029】また、2枚のシャッタ羽根を相対的に開閉
作動させるシャッタには、本実施例のように、一つの作
動ピンを両方の羽根の長孔に嵌合させるタイプのほか
に、開閉部材に作動ピンを二つ設け、それらを夫々別の
羽根の長孔に嵌合させるようにしたタイプのものが知ら
れているが、本発明は、そのようなタイプのシャッタに
も適用することが可能である。更に、本発明は、シャッ
タ羽根が2枚のものに限定されるものではない。モータ
の往復作動に連動して往復作動をさせられる開閉部材
が、ピンと長孔とで嵌合された複数のシャッタ羽根に開
閉作動を行わせるようにした全てのシャッタに適用する
ことが可能である。従って、開閉部材が露光用開口部を
囲んだリング状をしていて、光軸を中心に所定の角度だ
け往復回転したり、光軸を横切る方向へ往復作動するよ
うにしたシャッタにも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明は、モータの往復
作動に連動して往復作動を行わされる開閉部材が、ピン
と長孔との嵌合関係によって複数のシャッタ羽根に連結
されているシャッタにおいて、各シャッタ羽根には、夫
々、閉じ作動方向に対する停止部を設け、開閉部材は、
露光作動を行うに際して、モータによって、先ず、閉じ
方向へ作動されてから開き方向へ作動されるようにした
ものであるから、ピンと長孔との嵌合公差等に関係な
く、開閉部材の開き作動の開始と夫々の羽根の開き作動
の開始のタイミングが、撮影ごとに変化せず、常に一定
のタイミングで行われるようになり、露光時間の精度を
よりよくすることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を透視的に示した平面図であっ
て、カメラのレリーズ前の状態を示している。
【図2】図1に示した開閉機構を、光軸中心から視て展
開状態にして示した断面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】本発明の実施例を透視的に示した平面図であっ
て、シャッタ羽根の全開状態を示している。
【図5】本発明の実施例におけるモータの通電と、シャ
ッタ羽根による開口波形との関係を示すタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a 開口部 1b,1c,1e 軸部 1d,1g 孔 1f,14a ばね掛け 2 補助地板 2a,2b 停止部 3,7 ビス 4,5 シャッタ羽根 4a,5a 長孔 M ムービングマグネット型
モータ 6 下枠 8 上枠 9 ヨーク 10 磁性体部材 11 コイル 12 回転子 13 駆動ピン 14 開閉部材 14b 腕部 14c 作動ピン 15 コイルばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用の開口部を有していて両者間に羽
    根室を形成している二つの地板と、羽根室内において前
    記二つの地板のいずれかに枢着されていて夫々が長孔を
    有している複数のシャッタ羽根と、往復回転可能なモー
    タと、前記長孔に嵌合した少なくとも一つの作動ピンを
    有していて前記モータによって往復作動させられること
    によって前記シャッタ羽根に前記開口部の開閉作動を行
    わせる開閉部材と、前記地板の少なくとも一方に設けら
    れていて前記シャッタ羽根の閉じ方向への作動を夫々阻
    止することの可能な複数の停止手段とを備え、前記開閉
    部材は露光作動時において、前記モータの回転方向に連
    動して、先ず、閉じ方向へ作動され、前記シャッタ羽根
    の全てを夫々の前記停止手段に接触させてから、開き方
    向へ作動されるようにしたことを特徴とするカメラ用シ
    ャッタ。
  2. 【請求項2】 前記開閉部材が、コイルばねによって一
    方向へ付勢されており、前記シャッタ羽根の開閉作動の
    うち一方の作動を前記モータを駆動源として行わせ、他
    方の作動を前記ばねを駆動源として行わせるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記シャッタ羽根の開閉作動が、いずれ
    も前記モータを駆動源として行われるようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
  4. 【請求項4】 前記開閉部材が、コイルばねによって一
    方向へ付勢されており、前記シャッタ羽根の閉じ作動は
    該コイルばねと前記モータとの両方を駆動源として行わ
    れるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のカメ
    ラ用シャッタ。
  5. 【請求項5】 前記モータが、ムービングマグネット型
    モータであって、前記開閉部材が、該モータの回転子と
    一体的に構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載のカメラ用シャッタ。
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