JP3541477B2 - 自動車の冷却水リザーバタンク - Google Patents
自動車の冷却水リザーバタンク Download PDFInfo
- Publication number
- JP3541477B2 JP3541477B2 JP03082595A JP3082595A JP3541477B2 JP 3541477 B2 JP3541477 B2 JP 3541477B2 JP 03082595 A JP03082595 A JP 03082595A JP 3082595 A JP3082595 A JP 3082595A JP 3541477 B2 JP3541477 B2 JP 3541477B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- tank body
- overflow port
- tank
- vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車の冷却水リザーバタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の自動車の冷却水リザーバタンクを示すもので、タンク本体1の上壁にキャップ3が着脱自在に外嵌装着される冷却水補充口2と、オーバフロー口4とを一体に立設してあると共に、該タンク本体1の前側下部にラジエータ連絡口5を設け、該ラジエータ連絡口5をオーバフローチューブ6を介して図外のラジエータのアッパタンクに連通して、該アッパタンクからオーバフローする冷却水をタンク本体1内に回収するようにしてある。
【0003】
このタンク本体1は底面に立設したロケートピン7を介してエンジンルームE・Rの側壁を構成するフードリッジパネル9の前側棚部9a上に係合配置し、該フードリッジパネル9にタンク本体1の前後側縁部に一体成形したブラケット8を介して締結固定するようにしている。
【0004】
この類似構造は、例えば実開平4−125621号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
タンク本体1は前述のように他のエンジンルーム内機能部品の邪魔にならないようにフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載され、また、タンク本体1の上壁のオーバフロー口4は、冷却水が万一タンク本体1内に回収し切れずに該タンク本体1内から溢出した場合でも、該タンク本体1の周辺に近接する他のエンジンルーム内機能部品に冷却水がかかることがないようにその開口向きを例えば車両後方等、特定の向きに設定して一体成形してある。
【0006】
しかし、このようにタンク本体1をエンジンルームE・Rの前側隅部のフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載し、かつ、オーバフロー口4を車両後方等の特定方向に形成してあっても、該オーバフロー口4はタンク本体1の上壁に立設してあってエンジンルームE・R内の上側部に配置されているため、該オーバフロー口4から溢出した冷却水がエンジンルームE・R内の上側部に飛散して周辺の他のエンジンルーム内機能部品にかかってしまうことは避けられず、また、フードリッジパネル9はもとよりストラットタワー10等の車体パネルを広範囲に濡らして発錆の誘因となってしまう不具合を生じる。
【0007】
また、このように冷却水のオーバフロー量が多くない場合であっても、車両の悪路走行時や旋回時あるいは車両傾斜時にタンク本体内の冷却水が液動すると、この冷却水がオーバフロー口を直撃して該オーバフロー口より流出する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明はタンク本体から冷却水が溢出した場合でも冷却水がエンジンルーム内に飛散することがなく、また、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水がオーバフロー口から流出するのを防止することができる自動車の冷却水リザーバタンクを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、タンク本体の上側部にオーバフロー口を側方に向けて突出成形すると共に、該タンク本体のオーバフロー口の連設部下側にタンク本体内に突出するバッフル部を凹設し、前記オーバフロー口を車体パネルを貫通して車外へ突出配置したことを特徴としている。
【0010】
請求項2にあっては、請求項1に記載のオーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成したことを特徴としている。
【0011】
請求項3にあっては、請求項1,2に記載のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して、車体パネルへの取付座を形成したことを特徴としている。
【0012】
【作用】
請求項1によれば、オーバフロー口はタンク本体の上側部に側方に向けて突出成形して、車体パネルを貫通して車外へ突出配置してあるため、ラジエータからタンク本体内への冷却水のオーバフロー量が多く、該タンク本体内が満杯状態になると、タンク本体で回収し切れなくなった冷却水はオーバフロー口に流入し、該オーバフロー口より車外へ排出される。
【0013】
この結果、冷却水がエンジンルーム内に飛散することがなく、タンク本体周辺の他のエンジンルーム内機能部品の保安性を高められると共に周辺の車体パネルの発錆を防止することができる。
【0014】
また、タンク本体のオーバフロー口の連設部下側にはタンク本体内に突出するバッフル部を凹設してあるから、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水が液動しても、このバッフル部で冷却水の液動を抑えてオーバフロー口の連設部に冷却水が直撃するのを回避でき、該オーバフロー口から冷却水が流出して冷却水不足を誘発するのを防止することができる。
【0015】
請求項2によれば、オーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成してあるため、タンク本体の取付時にこれらフック部と貫通孔縁との係合によりタンク本体を車体パネルに仮止めできて、取付作業性を向上できると共に、タンク本体の取付安定性を高めることができる。
【0016】
また、オーバフロー口が下向きに開口するため該オーバフロー口から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて、車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0017】
請求項3によれば、タンク本体のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して車体パネルへの取付座を形成してあるため、タンク本体周壁にブラケットを突設する必要がなく、タンク本体の成形性を向上できると共に配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面と共に詳述する。
【0019】
図1,2において、11は適宜の合成樹脂材からなるタンク本体でその上壁の略中央部に冷却水補充口12を一体に立設してあって、該冷却水補充口12にキャップ13を着脱自在に装着してある。
【0020】
タンク本体11の後部下側にはラジエータ連絡口14を一体成形してあり、このラジエータ連絡口14をオーバフローチューブ15を介して図外のラジエータのアッパタンクに連通して、該アッパタンクからオーバフローする冷却水をタンク本体11に回収するようにしてある。
【0021】
また、このタンク本体11の上側部、本実施例にあってはフードリッジパネル9に面する側の側壁前部の上側部に、該フードリッジパネル9側に向けて突出するオーバフロー口16を一体的に突設し、該オーバフロー口16をフードリッジパネル9に設けた貫通孔20を通して車外へ突出配置するようにしてある。
【0022】
更に、タンク本体11の前記オーバフロー口16の連設部下側にタンク本体11内に略水平に突出するバッフル部17を凹設してある。
【0023】
本実施例にあってはこのバッフル部17を、タンク本体11の前壁からエンジンルームセンター側の側壁の後部近くに亘る範囲をタンク本体1内側へ凹設して形成してあり、このバッフル部17を凹設した部分のフードリッジパネル9側は、タンク本体1の該フードリッジパネル9に面した側壁で閉塞してボルト挿入孔18aを備えた取付座18を形成してある。
【0024】
また、前記オーバフロー口16の先端部は下向きに曲折してフードリッジパネル9の貫通孔20縁に係止するフック部16aを形成してある。
【0025】
このように構成されたタンク本体11はエンジンルームE・R内の前側隅部でフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載定置して用いられるが、この際、タンク本体11の底面に突設したロケートピン19を該前側棚部9aに設けた係止孔21に挿入係合すると共に、オーバフロー口16をフードリッジパネル9の貫通孔20に挿入して先端部のフック部16aを該貫通孔20の縁部に係合することによって、該タンク本体11の位置決めと仮止めとが行われるから、その取付作業を容易に行うことができると共に、タンク本体11の取付安定性を高めることができる。
【0026】
また、タンク本体11のバッフル部17を凹設した部分のフードリッジパネル9側は、タンク本体11の側壁で閉塞して取付座18を形成してあるから、前記凹設部分を作業空間として取付座18をフードリッジパネル9面に当接してエンジンルームセンター側からボルト・ナット22によりしっかりと締結固定することができる。
【0027】
ここで、図外のラジエータからタンク本体11内への冷却水のオーバフロー量が多く、タンク本体11内が満杯状態になって該タンク本体11で冷却水を回収し切れなくなると、この冷却水はオーバフロー口16に流入して該オーバフロー口16より車外へ排出される。
【0028】
この結果、冷却水がエンジンルームE・R内に飛散してタンク本体11周辺の他のエンジンルーム内機能部品を濡らすことがなく、これらエンジンルーム内機能部品の保安性を高めることができる。
【0029】
また、冷却水がフードリッジパネル9の前側棚部9a上に流出したり、ストラットタワー10に飛散したりすることがないため、これら車体パネルの冷却水による発錆を回避することができる。
【0030】
特に、前述のようにオーバフロー口16の先端部は下向きに曲折してフック部16aを形成することによって下方に開口しているから、該オーバフロー口16から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0031】
一方、タンク本体11内が満杯状態でなくても、車両の悪路走行時や旋回時あるいは車両傾斜時に、タンク本体11内の冷却水が液動して冷却水がオーバフロー口16から流出することが予測されるが、タンク本体11のオーバフロー口16を連設した下側にはタンク本体11内へ略水平に突出するバッフル部17を凹設してあるため、このバッフル部17に冷却水が当って液動が抑えられると共にオーバフロー口16の連設部への冷却水の直撃が阻止され、冷却水の外部流出を防止することができる。
【0032】
従って、冷却水の外部流出による冷却水不足を生じるのを回避できて品質感および信頼性を高めることができる。
【0033】
また、前述のようにタンク本体11はバッフル部17の凹設部分に形成した取付座18でフードリッジパネル9に取付けるようにして従来のようなタンク本体周壁から突出するブラケットが不要となるから、これらブラケットが周辺の他のエンジンルーム内機能部品の邪魔になることがなく、タンク本体11および周辺の他のエンジンルーム内機能部品の配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【0034】
図3はタンク本体11をフードリッジパネル9の前側棚部9a上で、該フードリッジパネル9とラジエータコアサポートパネル10aとでなす隅角部に沿って搭載配置するようにした場合を示している。
【0035】
この実施例ではタンク本体11の前壁側に該タンク本体11に設けたバッフル部17の凹設部分を閉塞した取付座18を形成して、該取付座18をラジエータコアサポートパネル10aに当接してボルト・ナット22で締結固定するようにしている。
【0036】
また、オーバフロー口16はタンク本体11のフードリッジパネル9に面した側壁上側部より一旦上方へ立上がらせてから略水平に曲折成形すると共に、先端部に下向きのフック部16aを曲折成形して、このフック部16aをフードリッジパネル9の貫通孔20より車外へ突出配置してある。
【0037】
このように、オーバフロー口16を一旦上方へ立上がらせて形成することにより、前述の車両旋回時等にタンク本体11内の冷却水が液動すると、バッフル部17による冷却水のバッフル作用と共に、該オーバフロー口16の立上り部分でもバッフル作用が得られて冷却水の外部流出防止をより一層効果的に行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
以上、本発明によれば次に述べる効果を奏せられる。
【0039】
請求項1によれば、オーバフロー口をタンク本体の上側部に側方に向けて突出成形して、車体パネルを貫通して車外へ突出配置してあるため、ラジエータからタンク本体内への冷却水のオーバフロー量が多く、該タンク本体内が満杯状態になった場合には、タンク本体内で回収し切れなくなった冷却水はオーバフロー口に流入して該オーバフロー口より車外へ排出されて、冷却水がエンジンルーム内に飛散することが全くなく、従って、タンク本体周辺の他のエンジンルーム内機能部品を濡らすことがなくてこれらエンジンルーム内機能部品の保安性を高められると共に、周辺の車体パネルの発錆を防止することができる。
【0040】
また、タンク本体にはオーバフロー口の連設部下側にタンク本体内へ突出するバッフル部を凹設してあるから、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水が液動しても、このバッフル部で冷却水の液動を抑えてオーバフロー口の連設部に冷却水が直撃するのを回避し、該オーバフロー口から冷却水が流出して冷却水不足を誘発するのを防止できて品質感および信頼性を一段と高めることができる。
【0041】
請求項2によれば、オーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成してあるため、タンク本体の取付時にこれらフック部と貫通孔縁との係合によりタンク本体を車体パネルに仮止めできて、取付作業性を向上できると共にタンク本体の取付安定性を高めることができる。
【0042】
また、オーバフロー口が下向きに開口するため、該オーバフロー口から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて、車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0043】
請求項3によれば、タンク本体のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して車体パネルへの取付座を形成してあるため、タンク本体周壁にブラケットを突設する必要がなく、タンク本体の成形性を向上できると共に配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の配設状態を示す斜視図。
【図2】同実施例の断面図。
【図3】本発明の第2実施例の配設状態を示す斜視図。
【図4】従来の冷却水リザーバタンクの配設状態を示す斜視図。
【符号の説明】
9,9a,10a 車体パネル
11 タンク本体
16 オーバフロー口
16a フック部
17 バッフル部
18 取付座
20 貫通孔
【産業上の利用分野】
本発明は自動車の冷却水リザーバタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の自動車の冷却水リザーバタンクを示すもので、タンク本体1の上壁にキャップ3が着脱自在に外嵌装着される冷却水補充口2と、オーバフロー口4とを一体に立設してあると共に、該タンク本体1の前側下部にラジエータ連絡口5を設け、該ラジエータ連絡口5をオーバフローチューブ6を介して図外のラジエータのアッパタンクに連通して、該アッパタンクからオーバフローする冷却水をタンク本体1内に回収するようにしてある。
【0003】
このタンク本体1は底面に立設したロケートピン7を介してエンジンルームE・Rの側壁を構成するフードリッジパネル9の前側棚部9a上に係合配置し、該フードリッジパネル9にタンク本体1の前後側縁部に一体成形したブラケット8を介して締結固定するようにしている。
【0004】
この類似構造は、例えば実開平4−125621号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
タンク本体1は前述のように他のエンジンルーム内機能部品の邪魔にならないようにフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載され、また、タンク本体1の上壁のオーバフロー口4は、冷却水が万一タンク本体1内に回収し切れずに該タンク本体1内から溢出した場合でも、該タンク本体1の周辺に近接する他のエンジンルーム内機能部品に冷却水がかかることがないようにその開口向きを例えば車両後方等、特定の向きに設定して一体成形してある。
【0006】
しかし、このようにタンク本体1をエンジンルームE・Rの前側隅部のフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載し、かつ、オーバフロー口4を車両後方等の特定方向に形成してあっても、該オーバフロー口4はタンク本体1の上壁に立設してあってエンジンルームE・R内の上側部に配置されているため、該オーバフロー口4から溢出した冷却水がエンジンルームE・R内の上側部に飛散して周辺の他のエンジンルーム内機能部品にかかってしまうことは避けられず、また、フードリッジパネル9はもとよりストラットタワー10等の車体パネルを広範囲に濡らして発錆の誘因となってしまう不具合を生じる。
【0007】
また、このように冷却水のオーバフロー量が多くない場合であっても、車両の悪路走行時や旋回時あるいは車両傾斜時にタンク本体内の冷却水が液動すると、この冷却水がオーバフロー口を直撃して該オーバフロー口より流出する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明はタンク本体から冷却水が溢出した場合でも冷却水がエンジンルーム内に飛散することがなく、また、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水がオーバフロー口から流出するのを防止することができる自動車の冷却水リザーバタンクを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、タンク本体の上側部にオーバフロー口を側方に向けて突出成形すると共に、該タンク本体のオーバフロー口の連設部下側にタンク本体内に突出するバッフル部を凹設し、前記オーバフロー口を車体パネルを貫通して車外へ突出配置したことを特徴としている。
【0010】
請求項2にあっては、請求項1に記載のオーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成したことを特徴としている。
【0011】
請求項3にあっては、請求項1,2に記載のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して、車体パネルへの取付座を形成したことを特徴としている。
【0012】
【作用】
請求項1によれば、オーバフロー口はタンク本体の上側部に側方に向けて突出成形して、車体パネルを貫通して車外へ突出配置してあるため、ラジエータからタンク本体内への冷却水のオーバフロー量が多く、該タンク本体内が満杯状態になると、タンク本体で回収し切れなくなった冷却水はオーバフロー口に流入し、該オーバフロー口より車外へ排出される。
【0013】
この結果、冷却水がエンジンルーム内に飛散することがなく、タンク本体周辺の他のエンジンルーム内機能部品の保安性を高められると共に周辺の車体パネルの発錆を防止することができる。
【0014】
また、タンク本体のオーバフロー口の連設部下側にはタンク本体内に突出するバッフル部を凹設してあるから、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水が液動しても、このバッフル部で冷却水の液動を抑えてオーバフロー口の連設部に冷却水が直撃するのを回避でき、該オーバフロー口から冷却水が流出して冷却水不足を誘発するのを防止することができる。
【0015】
請求項2によれば、オーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成してあるため、タンク本体の取付時にこれらフック部と貫通孔縁との係合によりタンク本体を車体パネルに仮止めできて、取付作業性を向上できると共に、タンク本体の取付安定性を高めることができる。
【0016】
また、オーバフロー口が下向きに開口するため該オーバフロー口から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて、車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0017】
請求項3によれば、タンク本体のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して車体パネルへの取付座を形成してあるため、タンク本体周壁にブラケットを突設する必要がなく、タンク本体の成形性を向上できると共に配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面と共に詳述する。
【0019】
図1,2において、11は適宜の合成樹脂材からなるタンク本体でその上壁の略中央部に冷却水補充口12を一体に立設してあって、該冷却水補充口12にキャップ13を着脱自在に装着してある。
【0020】
タンク本体11の後部下側にはラジエータ連絡口14を一体成形してあり、このラジエータ連絡口14をオーバフローチューブ15を介して図外のラジエータのアッパタンクに連通して、該アッパタンクからオーバフローする冷却水をタンク本体11に回収するようにしてある。
【0021】
また、このタンク本体11の上側部、本実施例にあってはフードリッジパネル9に面する側の側壁前部の上側部に、該フードリッジパネル9側に向けて突出するオーバフロー口16を一体的に突設し、該オーバフロー口16をフードリッジパネル9に設けた貫通孔20を通して車外へ突出配置するようにしてある。
【0022】
更に、タンク本体11の前記オーバフロー口16の連設部下側にタンク本体11内に略水平に突出するバッフル部17を凹設してある。
【0023】
本実施例にあってはこのバッフル部17を、タンク本体11の前壁からエンジンルームセンター側の側壁の後部近くに亘る範囲をタンク本体1内側へ凹設して形成してあり、このバッフル部17を凹設した部分のフードリッジパネル9側は、タンク本体1の該フードリッジパネル9に面した側壁で閉塞してボルト挿入孔18aを備えた取付座18を形成してある。
【0024】
また、前記オーバフロー口16の先端部は下向きに曲折してフードリッジパネル9の貫通孔20縁に係止するフック部16aを形成してある。
【0025】
このように構成されたタンク本体11はエンジンルームE・R内の前側隅部でフードリッジパネル9の前側棚部9a上に搭載定置して用いられるが、この際、タンク本体11の底面に突設したロケートピン19を該前側棚部9aに設けた係止孔21に挿入係合すると共に、オーバフロー口16をフードリッジパネル9の貫通孔20に挿入して先端部のフック部16aを該貫通孔20の縁部に係合することによって、該タンク本体11の位置決めと仮止めとが行われるから、その取付作業を容易に行うことができると共に、タンク本体11の取付安定性を高めることができる。
【0026】
また、タンク本体11のバッフル部17を凹設した部分のフードリッジパネル9側は、タンク本体11の側壁で閉塞して取付座18を形成してあるから、前記凹設部分を作業空間として取付座18をフードリッジパネル9面に当接してエンジンルームセンター側からボルト・ナット22によりしっかりと締結固定することができる。
【0027】
ここで、図外のラジエータからタンク本体11内への冷却水のオーバフロー量が多く、タンク本体11内が満杯状態になって該タンク本体11で冷却水を回収し切れなくなると、この冷却水はオーバフロー口16に流入して該オーバフロー口16より車外へ排出される。
【0028】
この結果、冷却水がエンジンルームE・R内に飛散してタンク本体11周辺の他のエンジンルーム内機能部品を濡らすことがなく、これらエンジンルーム内機能部品の保安性を高めることができる。
【0029】
また、冷却水がフードリッジパネル9の前側棚部9a上に流出したり、ストラットタワー10に飛散したりすることがないため、これら車体パネルの冷却水による発錆を回避することができる。
【0030】
特に、前述のようにオーバフロー口16の先端部は下向きに曲折してフック部16aを形成することによって下方に開口しているから、該オーバフロー口16から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0031】
一方、タンク本体11内が満杯状態でなくても、車両の悪路走行時や旋回時あるいは車両傾斜時に、タンク本体11内の冷却水が液動して冷却水がオーバフロー口16から流出することが予測されるが、タンク本体11のオーバフロー口16を連設した下側にはタンク本体11内へ略水平に突出するバッフル部17を凹設してあるため、このバッフル部17に冷却水が当って液動が抑えられると共にオーバフロー口16の連設部への冷却水の直撃が阻止され、冷却水の外部流出を防止することができる。
【0032】
従って、冷却水の外部流出による冷却水不足を生じるのを回避できて品質感および信頼性を高めることができる。
【0033】
また、前述のようにタンク本体11はバッフル部17の凹設部分に形成した取付座18でフードリッジパネル9に取付けるようにして従来のようなタンク本体周壁から突出するブラケットが不要となるから、これらブラケットが周辺の他のエンジンルーム内機能部品の邪魔になることがなく、タンク本体11および周辺の他のエンジンルーム内機能部品の配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【0034】
図3はタンク本体11をフードリッジパネル9の前側棚部9a上で、該フードリッジパネル9とラジエータコアサポートパネル10aとでなす隅角部に沿って搭載配置するようにした場合を示している。
【0035】
この実施例ではタンク本体11の前壁側に該タンク本体11に設けたバッフル部17の凹設部分を閉塞した取付座18を形成して、該取付座18をラジエータコアサポートパネル10aに当接してボルト・ナット22で締結固定するようにしている。
【0036】
また、オーバフロー口16はタンク本体11のフードリッジパネル9に面した側壁上側部より一旦上方へ立上がらせてから略水平に曲折成形すると共に、先端部に下向きのフック部16aを曲折成形して、このフック部16aをフードリッジパネル9の貫通孔20より車外へ突出配置してある。
【0037】
このように、オーバフロー口16を一旦上方へ立上がらせて形成することにより、前述の車両旋回時等にタンク本体11内の冷却水が液動すると、バッフル部17による冷却水のバッフル作用と共に、該オーバフロー口16の立上り部分でもバッフル作用が得られて冷却水の外部流出防止をより一層効果的に行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
以上、本発明によれば次に述べる効果を奏せられる。
【0039】
請求項1によれば、オーバフロー口をタンク本体の上側部に側方に向けて突出成形して、車体パネルを貫通して車外へ突出配置してあるため、ラジエータからタンク本体内への冷却水のオーバフロー量が多く、該タンク本体内が満杯状態になった場合には、タンク本体内で回収し切れなくなった冷却水はオーバフロー口に流入して該オーバフロー口より車外へ排出されて、冷却水がエンジンルーム内に飛散することが全くなく、従って、タンク本体周辺の他のエンジンルーム内機能部品を濡らすことがなくてこれらエンジンルーム内機能部品の保安性を高められると共に、周辺の車体パネルの発錆を防止することができる。
【0040】
また、タンク本体にはオーバフロー口の連設部下側にタンク本体内へ突出するバッフル部を凹設してあるから、車両旋回時等にタンク本体内の冷却水が液動しても、このバッフル部で冷却水の液動を抑えてオーバフロー口の連設部に冷却水が直撃するのを回避し、該オーバフロー口から冷却水が流出して冷却水不足を誘発するのを防止できて品質感および信頼性を一段と高めることができる。
【0041】
請求項2によれば、オーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成してあるため、タンク本体の取付時にこれらフック部と貫通孔縁との係合によりタンク本体を車体パネルに仮止めできて、取付作業性を向上できると共にタンク本体の取付安定性を高めることができる。
【0042】
また、オーバフロー口が下向きに開口するため、該オーバフロー口から溢出する冷却水を車外へ下向きに排出できて、車外側の周辺パネル等を汚損するのを回避することができる。
【0043】
請求項3によれば、タンク本体のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して車体パネルへの取付座を形成してあるため、タンク本体周壁にブラケットを突設する必要がなく、タンク本体の成形性を向上できると共に配設レイアウトの自由度を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の配設状態を示す斜視図。
【図2】同実施例の断面図。
【図3】本発明の第2実施例の配設状態を示す斜視図。
【図4】従来の冷却水リザーバタンクの配設状態を示す斜視図。
【符号の説明】
9,9a,10a 車体パネル
11 タンク本体
16 オーバフロー口
16a フック部
17 バッフル部
18 取付座
20 貫通孔
Claims (3)
- タンク本体の上側部にオーバフロー口を側方に向けて突出成形すると共に、該タンク本体のオーバフロー口の連設部下側にタンク本体内に突出するバッフル部を凹設し、前記オーバフロー口を車体パネルを貫通して車外へ突出配置したことを特徴とする自動車の冷却水リザーバタンク。
- オーバフロー口の先端部を下向きに曲折して車体パネルの貫通孔縁に係止するフック部を形成したことを特徴とする請求項1記載の自動車の冷却水リザーバタンク。
- タンク本体のバッフル部を凹設した部分の一側をタンク本体の側壁で閉塞して車体パネルへの取付座を形成したことを特徴とする自動車の冷却水リザーバタンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03082595A JP3541477B2 (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 自動車の冷却水リザーバタンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03082595A JP3541477B2 (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 自動車の冷却水リザーバタンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08226327A JPH08226327A (ja) | 1996-09-03 |
JP3541477B2 true JP3541477B2 (ja) | 2004-07-14 |
Family
ID=12314487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03082595A Expired - Fee Related JP3541477B2 (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 自動車の冷却水リザーバタンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3541477B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6216308B2 (ja) * | 2014-11-27 | 2017-10-18 | 本田技研工業株式会社 | 鞍乗型車両のリザーブタンク構造 |
CN106516132A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-03-22 | 芜湖万户航空航天科技有限公司 | 溢流水箱固定的整体结构 |
-
1995
- 1995-02-20 JP JP03082595A patent/JP3541477B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08226327A (ja) | 1996-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3449702B2 (ja) | 自動二輪車の収納ボックス構造及び同収納ボックス | |
EP1726514B1 (en) | Cowl top structure for vehicle | |
JP3541477B2 (ja) | 自動車の冷却水リザーバタンク | |
JPH08218959A (ja) | 自動2輪車のエアクリーナ | |
JPH08226325A (ja) | 自動車の冷却水リザーバタンク | |
JPS6229656Y2 (ja) | ||
JP3942274B2 (ja) | 車両用オイルリザーバタンクの取付構造 | |
JPH09104366A (ja) | 自動車のマッドガード | |
JP2000185644A (ja) | リザーバタンクの取付構造 | |
JP3263002B2 (ja) | フェンダプロテクタの取付構造 | |
JPS6224630Y2 (ja) | ||
JPH0976945A (ja) | フロントフェンダの取付構造 | |
JP4094969B2 (ja) | リザーブタンク | |
JPS6233650Y2 (ja) | ||
JP2584536Y2 (ja) | スプラッシュガードの構造 | |
JPS6236711Y2 (ja) | ||
JPH02256574A (ja) | 自動車のマッドガード | |
JPH089418Y2 (ja) | キヤブオーバー車のインテークダクト | |
JP2513473Y2 (ja) | 車体構造 | |
JP4044106B2 (ja) | 車両用カウルトップ構造 | |
JPH035510Y2 (ja) | ||
JPS6220364Y2 (ja) | ||
JPS6341268Y2 (ja) | ||
JP3381414B2 (ja) | トランクリッドのフィニッシャ構造 | |
JPS5911978A (ja) | 車両用カウル部構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040309 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |