JP3540962B2 - 施錠装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平6−67741号公報に開示の施錠装置は、扉に取り付けられる施錠装置本体と、本体に挿抜可能なハンドルとで構成されている。本体は、扉に固定される固定部材と、固定部材の内部に回動可能に装着され、扉の内側へ露出する後端部に爪金具を取り付け可能な回動部材とによって形成されている。固定部材と回動部材とには、扉の外側へ露出する前端部に扉前面と平行にハンドルの挿抜を可能とするハンドル挿入口が形成され、回動部材は、ハンドル挿入口から回動部材の径方向内方へ延びるハンドル挿入路を有する。回動部材には、ハンドルの係脱に伴い移動する接触子と、ハンドルの旋回に伴いスライドするスライド部材とが装着されている。
【0003】
施錠装置は、ハンドルをハンドル挿入路から抜脱すると、接触子の大径部とスライド部材の係合部とが互いに当接し、接触子がスライド部材のスライドを拘束して本体の施錠状態を保つ。ハンドルをハンドル挿入路へ挿入すると、接触子が移動して接触子の小径部とスライド部材の係合部とが互いに対向し、スライド部材のスライドが可能となり回動部材を回動させることができる。挿入されたハンドルの旋回動作で回動部材を時計方向と反時計方向とへ回動させ、本体の固定枠に対する施錠、解錠操作を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記施錠装置は、接触子とスライド部材とを備え、それらの協働により鍵の解錠を困難にした複雑な機構である。しかし、機構の複雑化は、鍵の生産コストの上昇や故障の原因になりかねない。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、解錠が困難な施錠装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明が前提とするのは、扉に取り付けられる施錠部材と、前記施錠部材の施錠、解錠操作用のハンドルとで構成され、前記施錠部材が、前記扉に固定される固定部材と、前記固定部材に回動可能に装着された回動部材とを有し、前記回動部材が、前記扉の外側に位置して前記固定部材の前端から前方へ延びる前端部と、前記扉の内側に位置して爪金具を取り付け可能な後端部とを有し、前記前端部の前記固定部材に対する当接部位には、前記扉と平行に前記ハンドルを挿抜可能なハンドル挿入口と、前記挿入口から前記回動部材の径方向内方へ延びるハンドル挿入路とが形成され、前記挿入路内の前記ハンドルが前記回動部材と係合し、前記ハンドルの旋回によって前記回動部材が時計方向と反時計方向とへ回動することに伴い、前記扉が開閉可能に取り付けられた固定枠に前記爪金具を係脱させることができる施錠装置である。
【0007】
かかる前提において、本発明が特徴とするところは、前記挿入路には、前記挿入口近傍で前記回動部材に固定された固定端部と、前記固定端部から前記固定部材の前端へ次第に近づくように前記回動部材の径方向内方へ延びる自由端部とを有して前記回動部材とともに回動可能な板状ばねが装着され、前記固定部材の前端には、前記板状ばねの自由端部が当接したときに前記回動部材の回動を阻止可能な凸部が形成され、前記回動部材と前記凸部との間には、前記挿入路へ挿入された前記ハンドルが前記板状ばねの付勢に抗して前記板状ばねの前記自由端部を前記固定部材の前端から離間する方向へ移動させたときに、前記板状ばねの自由端部が通行可能な間隙が形成されており、前記回動部材が、前記挿入口の反対側に位置して前記挿入路へ通じる透孔を有し、前記固定部材が、前記透孔の側に位置するケース部と、前記回動部材の軸方向へ鍵を挿抜可能な鍵挿入部を有して前記ケース部に回動可能に装着されたシリンダと、前記シリンダに装着されて前記シリンダの回動により前記透孔へ進退可能なラッチとを有し、前記ラッチが、前記透孔へ進入したときに前記回動部材の回動を阻止可能、かつ、前記板状ばねの自由端部を前記固定部材の前面の方向へ押圧可能であること、にある。
【0008】
【0009】
本発明の実施の形態の一例としては、前記ケース部と前記シリンダとが、それらの間に介在する錠機構によって互いに係脱可能であって前記鍵を前記鍵挿入部へ挿入すると前記鍵に形成された解除手段で前記錠機構が解除され、前記鍵の回動によって前記シリンダが時計方向と反時計方向とへ回動可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図に基づいて、本発明に係る施錠装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0011】
図1,2は、開閉する扉16の側部に扉16の外側から内側へ貫通させて取り付けた施錠装置の部分破断斜視図と、施錠装置と扉16とを切断して示す図1のA−A線矢視断面図である。
【0012】
施錠装置は、扉16に取り付けられる施錠部材1と、施錠部材1に対して挿抜可能であって施錠装置の施錠、解錠操作用のハンドル12と、施錠部材1に対して挿抜可能な鍵11とで構成されている。図1では、ハンドル12と鍵11とが施錠部材1から抜脱した状態にあり、施錠部材1の爪金具13が固定枠17に内側から係合し、固定枠17に対して閉じられた扉16が施錠された状態にある。
【0013】
ハンドル12を扉16と平行に矢印X方向から施錠部材1へ挿入し、ハンドル12を矢印Y方向へ旋回させると、爪金具13も矢印Y方向へ旋回して固定枠17との係合が解かれ、扉16が解錠状態となる。ハンドル12の施錠部材1に対する挿入部12aには、挿入部12aの前端から挿入方向と反対の方向へ延びる凹部12bが形成されている。鍵11の施錠部材1に対する挿入部11aには、多数の凹凸11bが形成されている。
【0014】
施錠部材1は、扉16に固定される固定部材2と、固定部材2に回動可能に装着された回動部材3とで形成され、回動部材3の回動を阻止可能な後記の回動停止機構を有する。
【0015】
固定部材2は、扉16の外側に位置する前端部2aと、扉16の内側に位置する後端部2bと、前後端部2a,2b間を貫通する中空部2cとを有する。固定部材2は、固定部材2の後端部2bの周面に形成された螺子にナット18を螺着し、前端部2aとナット18とで扉16を挟むようにして取り付けられている。
【0016】
固定部材2の前端部2aには、固定部材2の周り方向へ延びる溝部2fが形成されている。溝部2fは、回動部材3の回動範囲を約90°に規制するためのもので、回動部材3に形成されたピン(図示せず)が溝部2fに進入し、溝部2fの終端にピンが当接すると、それ以上回動部材3を回動させることができない。
【0017】
回動部材3は、扉16の外側に位置して固定部材2の前端2dから前方へ延びる前端部3aと、扉16の内側に位置して固定部材2の後端から露出する後端部3bとを有する。回動部材3は、その軸3cが固定部材2の中空部2cに挿通され、回動部材3の前端部3aが固定部材2の前端2dに摺接した状態で時計方向と反時計方向とへ回動可能である。
【0018】
回動部材3の後端部3bには、爪金具13が回動部材3の周方向へ回動することがないような状態で、後端部3bにワッシャ14を介して螺着するボルト15によって取り付けられている。
【0019】
回動部材3の前端部3aの固定部材2に対する当接部位には、扉16と平行にハンドル12を挿抜可能なハンドル挿入口4と、挿入口4から回動部材3の径方向内方へ延びるハンドル挿入路5と、挿入口4の反対側に位置して挿入路5へ通じる透孔7とが形成されている。
【0020】
挿入路5の内部には、挿入口4から回動部材3の径方向内方へ延びる板状ばね6が装着されている。板状ばね6は、ほぼU字状の平面形状を呈し、挿入口4近傍に位置する固定端部6aと、固定端部6aから透孔7の方向へ回動部材3の軸3cを挟んで延びる互いに並行な一対の自由端部6bとを有する。固定端部6aは、回動部材3の挿入路5にビス19で固定されている。自由端部6bは、固定端部6aから透孔7の方向へ向かって固定部材2の前端2dへ次第に近づくように延びている。
【0021】
固定部材2の前端2dには、板状ばね6の自由端部6bの間で回動部材3の軸方向前方へ延びる凸部2eが形成されている。凸部2eは、板状ばね6が回動して自由端部6bの側面が凸部2eに当接したときに回動部材3の回動を阻止することが可能である。
【0022】
ハンドル挿入路5へハンドル12を挿入すると、ハンドル12の挿入部12aが板状ばね6の付勢に抗して板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dから離間する方向へ移動させる。この状態になると、板状ばね6の自由端部6bは回動部材3と凸部2eとの間の間隙19を通行可能となって、回動部材3を回動させることができる。
【0023】
図3,4は、回動停止機構の図2におけるB−B線矢視平面図と、回動停止機構を側面から示す図2と同様の図である。図3では、円板カム10が回動してラッチ9が図の下方へ移動した状態を仮想線で示し、図4では、シリンダ8に鍵11が挿入され、ラッチ9が板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dの方向へ押圧している。
【0024】
回動停止機構は、固定部材2の前端部2aであって回動部材3の上部に位置するケース部2gと、ケース部2gの内部に回動可能に装着されたシリンダ8と、シリンダ8の軸方向後方へ延びる軸端に装着されてシリンダ8とともに回動可能な円板カム10と、シリンダ8と円板カム10との間に介在し、円板カム10の回動によって回動部材3の透孔7へ進退可能なラッチ9とで形成されている。
【0025】
ラッチ9には、上下に長い穿孔9bが形成され、シリンダ8の軸端が穿孔9bに挿通されている。円板カム10は、シリンダ8の軸端にビス20で固定されている。円板カム10には、円板カム10の周り方向へ延びる案内10aが形成され、ラッチ9の後面から延びるピン9aが円板カム10の案内10aに挿通されている。
【0026】
ラッチ9は、円板カム10が矢印L−L′の方向へ回動すると、その回動方向によって、矢印M−M′で示す上下方向へ動くことができる。
【0027】
ラッチ9が回動部材3の透孔7へ進入すると、ラッチ9の側面と回動部材3の透孔7の側面とが当接して回動部材3の回動が阻止されるとともに、板状ばね6の自由端部6bが固定部材2の前端2eの方向へ押圧される。この状態で挿入路5へハンドル12を挿入しようとしても、板状ばね6の自由端部6bがラッチ9に押さえられているので、ハンドル12の挿入部12aの全てを挿入路5へ挿入することはできない。
【0028】
図示はしていないが、ケース部2gとシリンダ8とは、それらの間に介在する公知のシリンダ錠機構によって互いに係脱可能であり、シリンダ8の前端部に形成された鍵挿入部8a(図1参照)へ鍵11を挿入すると、鍵11の凹凸11bがシリンダ錠機構を解除し、シリンダ8の外周面がケース部2gの内周面に摺接した状態でシリンダ8が時計方向と反時計方向とへ回動可能となる。
【0029】
このシリンダ錠機構では、シリンダ8の周面から突出する板タンブラの一部が、ケース部2gに形成された穿穴に進入し、ケース部2gに対するシリンダ8の回動を阻止している。シリンダ8の鍵挿入部8aへ鍵11を挿入すると、鍵11の凹凸が、圧縮ばねの付勢に抗して板タンブラをシリンダ8の内部へ押し戻し、ケース部2gの穿穴から板タンブラが抜脱する。この状態になると、ケース部2gとシリンダ8との係合が解除される。
【0030】
図1に示す施錠状態から解錠するには、シリンダ8の鍵挿入部8aへ鍵11を挿入してシリンダ8とケース部2gとの係合を解除し、鍵11でシリンダ8を回動させてラッチ9を透孔7から抜脱させる。図2に仮想線で示すように、ハンドル挿入路5へハンドル12の挿入部12aを挿入し、板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dから離間する方向へ移動させる。ハンドル12を矢印Y方向へ旋回させて回動部材3を回動させ、爪金具13を固定枠17から抜脱させる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る施錠装置によれば、挿入路に板状ばねを装着した簡単な構造なので、解錠が困難な施錠装置を安価に製造することができ、複雑な機構の施錠装置と比較して故障を少なくすることができる。
【0032】
回動部材の回動を阻止する回動停止機構を備えたものは、シリンダの鍵挿入部へ鍵を挿入して錠機構を解除するとともに、鍵でシリンダを回動させてラッチを透孔から抜脱させなければ、ハンドルを挿入路へ挿入することができないので、施錠装置の解錠を一層困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施錠装置の部分破断斜視図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2のB−B線矢視平面図。
【図4】回動停止機構を側面から示す図2と同様の図。
【符号の説明】
1 施錠部材
2 固定部材
2d 前端
2e 凸部
2g ケース部
3 回動部材
3a 前端部
3b 後端部
4 ハンドル挿入口
5 ハンドル挿入路
6 板状ばね
6a 固定端部
6b 自由端部
7 透孔
8 シリンダ
9 ラッチ
11 鍵
12 ハンドル
13 爪金具
16 扉
17 固定枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平6−67741号公報に開示の施錠装置は、扉に取り付けられる施錠装置本体と、本体に挿抜可能なハンドルとで構成されている。本体は、扉に固定される固定部材と、固定部材の内部に回動可能に装着され、扉の内側へ露出する後端部に爪金具を取り付け可能な回動部材とによって形成されている。固定部材と回動部材とには、扉の外側へ露出する前端部に扉前面と平行にハンドルの挿抜を可能とするハンドル挿入口が形成され、回動部材は、ハンドル挿入口から回動部材の径方向内方へ延びるハンドル挿入路を有する。回動部材には、ハンドルの係脱に伴い移動する接触子と、ハンドルの旋回に伴いスライドするスライド部材とが装着されている。
【0003】
施錠装置は、ハンドルをハンドル挿入路から抜脱すると、接触子の大径部とスライド部材の係合部とが互いに当接し、接触子がスライド部材のスライドを拘束して本体の施錠状態を保つ。ハンドルをハンドル挿入路へ挿入すると、接触子が移動して接触子の小径部とスライド部材の係合部とが互いに対向し、スライド部材のスライドが可能となり回動部材を回動させることができる。挿入されたハンドルの旋回動作で回動部材を時計方向と反時計方向とへ回動させ、本体の固定枠に対する施錠、解錠操作を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記施錠装置は、接触子とスライド部材とを備え、それらの協働により鍵の解錠を困難にした複雑な機構である。しかし、機構の複雑化は、鍵の生産コストの上昇や故障の原因になりかねない。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、解錠が困難な施錠装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明が前提とするのは、扉に取り付けられる施錠部材と、前記施錠部材の施錠、解錠操作用のハンドルとで構成され、前記施錠部材が、前記扉に固定される固定部材と、前記固定部材に回動可能に装着された回動部材とを有し、前記回動部材が、前記扉の外側に位置して前記固定部材の前端から前方へ延びる前端部と、前記扉の内側に位置して爪金具を取り付け可能な後端部とを有し、前記前端部の前記固定部材に対する当接部位には、前記扉と平行に前記ハンドルを挿抜可能なハンドル挿入口と、前記挿入口から前記回動部材の径方向内方へ延びるハンドル挿入路とが形成され、前記挿入路内の前記ハンドルが前記回動部材と係合し、前記ハンドルの旋回によって前記回動部材が時計方向と反時計方向とへ回動することに伴い、前記扉が開閉可能に取り付けられた固定枠に前記爪金具を係脱させることができる施錠装置である。
【0007】
かかる前提において、本発明が特徴とするところは、前記挿入路には、前記挿入口近傍で前記回動部材に固定された固定端部と、前記固定端部から前記固定部材の前端へ次第に近づくように前記回動部材の径方向内方へ延びる自由端部とを有して前記回動部材とともに回動可能な板状ばねが装着され、前記固定部材の前端には、前記板状ばねの自由端部が当接したときに前記回動部材の回動を阻止可能な凸部が形成され、前記回動部材と前記凸部との間には、前記挿入路へ挿入された前記ハンドルが前記板状ばねの付勢に抗して前記板状ばねの前記自由端部を前記固定部材の前端から離間する方向へ移動させたときに、前記板状ばねの自由端部が通行可能な間隙が形成されており、前記回動部材が、前記挿入口の反対側に位置して前記挿入路へ通じる透孔を有し、前記固定部材が、前記透孔の側に位置するケース部と、前記回動部材の軸方向へ鍵を挿抜可能な鍵挿入部を有して前記ケース部に回動可能に装着されたシリンダと、前記シリンダに装着されて前記シリンダの回動により前記透孔へ進退可能なラッチとを有し、前記ラッチが、前記透孔へ進入したときに前記回動部材の回動を阻止可能、かつ、前記板状ばねの自由端部を前記固定部材の前面の方向へ押圧可能であること、にある。
【0008】
【0009】
本発明の実施の形態の一例としては、前記ケース部と前記シリンダとが、それらの間に介在する錠機構によって互いに係脱可能であって前記鍵を前記鍵挿入部へ挿入すると前記鍵に形成された解除手段で前記錠機構が解除され、前記鍵の回動によって前記シリンダが時計方向と反時計方向とへ回動可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図に基づいて、本発明に係る施錠装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0011】
図1,2は、開閉する扉16の側部に扉16の外側から内側へ貫通させて取り付けた施錠装置の部分破断斜視図と、施錠装置と扉16とを切断して示す図1のA−A線矢視断面図である。
【0012】
施錠装置は、扉16に取り付けられる施錠部材1と、施錠部材1に対して挿抜可能であって施錠装置の施錠、解錠操作用のハンドル12と、施錠部材1に対して挿抜可能な鍵11とで構成されている。図1では、ハンドル12と鍵11とが施錠部材1から抜脱した状態にあり、施錠部材1の爪金具13が固定枠17に内側から係合し、固定枠17に対して閉じられた扉16が施錠された状態にある。
【0013】
ハンドル12を扉16と平行に矢印X方向から施錠部材1へ挿入し、ハンドル12を矢印Y方向へ旋回させると、爪金具13も矢印Y方向へ旋回して固定枠17との係合が解かれ、扉16が解錠状態となる。ハンドル12の施錠部材1に対する挿入部12aには、挿入部12aの前端から挿入方向と反対の方向へ延びる凹部12bが形成されている。鍵11の施錠部材1に対する挿入部11aには、多数の凹凸11bが形成されている。
【0014】
施錠部材1は、扉16に固定される固定部材2と、固定部材2に回動可能に装着された回動部材3とで形成され、回動部材3の回動を阻止可能な後記の回動停止機構を有する。
【0015】
固定部材2は、扉16の外側に位置する前端部2aと、扉16の内側に位置する後端部2bと、前後端部2a,2b間を貫通する中空部2cとを有する。固定部材2は、固定部材2の後端部2bの周面に形成された螺子にナット18を螺着し、前端部2aとナット18とで扉16を挟むようにして取り付けられている。
【0016】
固定部材2の前端部2aには、固定部材2の周り方向へ延びる溝部2fが形成されている。溝部2fは、回動部材3の回動範囲を約90°に規制するためのもので、回動部材3に形成されたピン(図示せず)が溝部2fに進入し、溝部2fの終端にピンが当接すると、それ以上回動部材3を回動させることができない。
【0017】
回動部材3は、扉16の外側に位置して固定部材2の前端2dから前方へ延びる前端部3aと、扉16の内側に位置して固定部材2の後端から露出する後端部3bとを有する。回動部材3は、その軸3cが固定部材2の中空部2cに挿通され、回動部材3の前端部3aが固定部材2の前端2dに摺接した状態で時計方向と反時計方向とへ回動可能である。
【0018】
回動部材3の後端部3bには、爪金具13が回動部材3の周方向へ回動することがないような状態で、後端部3bにワッシャ14を介して螺着するボルト15によって取り付けられている。
【0019】
回動部材3の前端部3aの固定部材2に対する当接部位には、扉16と平行にハンドル12を挿抜可能なハンドル挿入口4と、挿入口4から回動部材3の径方向内方へ延びるハンドル挿入路5と、挿入口4の反対側に位置して挿入路5へ通じる透孔7とが形成されている。
【0020】
挿入路5の内部には、挿入口4から回動部材3の径方向内方へ延びる板状ばね6が装着されている。板状ばね6は、ほぼU字状の平面形状を呈し、挿入口4近傍に位置する固定端部6aと、固定端部6aから透孔7の方向へ回動部材3の軸3cを挟んで延びる互いに並行な一対の自由端部6bとを有する。固定端部6aは、回動部材3の挿入路5にビス19で固定されている。自由端部6bは、固定端部6aから透孔7の方向へ向かって固定部材2の前端2dへ次第に近づくように延びている。
【0021】
固定部材2の前端2dには、板状ばね6の自由端部6bの間で回動部材3の軸方向前方へ延びる凸部2eが形成されている。凸部2eは、板状ばね6が回動して自由端部6bの側面が凸部2eに当接したときに回動部材3の回動を阻止することが可能である。
【0022】
ハンドル挿入路5へハンドル12を挿入すると、ハンドル12の挿入部12aが板状ばね6の付勢に抗して板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dから離間する方向へ移動させる。この状態になると、板状ばね6の自由端部6bは回動部材3と凸部2eとの間の間隙19を通行可能となって、回動部材3を回動させることができる。
【0023】
図3,4は、回動停止機構の図2におけるB−B線矢視平面図と、回動停止機構を側面から示す図2と同様の図である。図3では、円板カム10が回動してラッチ9が図の下方へ移動した状態を仮想線で示し、図4では、シリンダ8に鍵11が挿入され、ラッチ9が板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dの方向へ押圧している。
【0024】
回動停止機構は、固定部材2の前端部2aであって回動部材3の上部に位置するケース部2gと、ケース部2gの内部に回動可能に装着されたシリンダ8と、シリンダ8の軸方向後方へ延びる軸端に装着されてシリンダ8とともに回動可能な円板カム10と、シリンダ8と円板カム10との間に介在し、円板カム10の回動によって回動部材3の透孔7へ進退可能なラッチ9とで形成されている。
【0025】
ラッチ9には、上下に長い穿孔9bが形成され、シリンダ8の軸端が穿孔9bに挿通されている。円板カム10は、シリンダ8の軸端にビス20で固定されている。円板カム10には、円板カム10の周り方向へ延びる案内10aが形成され、ラッチ9の後面から延びるピン9aが円板カム10の案内10aに挿通されている。
【0026】
ラッチ9は、円板カム10が矢印L−L′の方向へ回動すると、その回動方向によって、矢印M−M′で示す上下方向へ動くことができる。
【0027】
ラッチ9が回動部材3の透孔7へ進入すると、ラッチ9の側面と回動部材3の透孔7の側面とが当接して回動部材3の回動が阻止されるとともに、板状ばね6の自由端部6bが固定部材2の前端2eの方向へ押圧される。この状態で挿入路5へハンドル12を挿入しようとしても、板状ばね6の自由端部6bがラッチ9に押さえられているので、ハンドル12の挿入部12aの全てを挿入路5へ挿入することはできない。
【0028】
図示はしていないが、ケース部2gとシリンダ8とは、それらの間に介在する公知のシリンダ錠機構によって互いに係脱可能であり、シリンダ8の前端部に形成された鍵挿入部8a(図1参照)へ鍵11を挿入すると、鍵11の凹凸11bがシリンダ錠機構を解除し、シリンダ8の外周面がケース部2gの内周面に摺接した状態でシリンダ8が時計方向と反時計方向とへ回動可能となる。
【0029】
このシリンダ錠機構では、シリンダ8の周面から突出する板タンブラの一部が、ケース部2gに形成された穿穴に進入し、ケース部2gに対するシリンダ8の回動を阻止している。シリンダ8の鍵挿入部8aへ鍵11を挿入すると、鍵11の凹凸が、圧縮ばねの付勢に抗して板タンブラをシリンダ8の内部へ押し戻し、ケース部2gの穿穴から板タンブラが抜脱する。この状態になると、ケース部2gとシリンダ8との係合が解除される。
【0030】
図1に示す施錠状態から解錠するには、シリンダ8の鍵挿入部8aへ鍵11を挿入してシリンダ8とケース部2gとの係合を解除し、鍵11でシリンダ8を回動させてラッチ9を透孔7から抜脱させる。図2に仮想線で示すように、ハンドル挿入路5へハンドル12の挿入部12aを挿入し、板状ばね6の自由端部6bを固定部材2の前端2dから離間する方向へ移動させる。ハンドル12を矢印Y方向へ旋回させて回動部材3を回動させ、爪金具13を固定枠17から抜脱させる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る施錠装置によれば、挿入路に板状ばねを装着した簡単な構造なので、解錠が困難な施錠装置を安価に製造することができ、複雑な機構の施錠装置と比較して故障を少なくすることができる。
【0032】
回動部材の回動を阻止する回動停止機構を備えたものは、シリンダの鍵挿入部へ鍵を挿入して錠機構を解除するとともに、鍵でシリンダを回動させてラッチを透孔から抜脱させなければ、ハンドルを挿入路へ挿入することができないので、施錠装置の解錠を一層困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施錠装置の部分破断斜視図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2のB−B線矢視平面図。
【図4】回動停止機構を側面から示す図2と同様の図。
【符号の説明】
1 施錠部材
2 固定部材
2d 前端
2e 凸部
2g ケース部
3 回動部材
3a 前端部
3b 後端部
4 ハンドル挿入口
5 ハンドル挿入路
6 板状ばね
6a 固定端部
6b 自由端部
7 透孔
8 シリンダ
9 ラッチ
11 鍵
12 ハンドル
13 爪金具
16 扉
17 固定枠
Claims (2)
- 扉に取り付けられる施錠部材と、前記施錠部材の施錠、解錠操作用のハンドルとで構成され、前記施錠部材が、前記扉に固定される固定部材と、前記固定部材に回動可能に装着された回動部材とを有し、前記回動部材が、前記扉の外側に位置して前記固定部材の前端から前方へ延びる前端部と、前記扉の内側に位置して爪金具を取り付け可能な後端部とを有し、前記前端部の前記固定部材に対する当接部位には、前記扉と平行に前記ハンドルを挿抜可能なハンドル挿入口と、前記挿入口から前記回動部材の径方向内方へ延びるハンドル挿入路とが形成され、前記挿入路内の前記ハンドルが前記回動部材と係合し、前記ハンドルの旋回によって前記回動部材が時計方向と反時計方向とへ回動することに伴い、前記扉が開閉可能に取り付けられた固定枠に前記爪金具を係脱させることができる施錠装置において、前記挿入路には、前記挿入口近傍で前記回動部材に固定された固定端部と、前記固定端部から前記固定部材の前端へ次第に近づくように前記回動部材の径方向内方へ延びる自由端部とを有して前記回動部材とともに回動可能な板状ばねが装着され、前記固定部材の前端には、前記板状ばねの自由端部が当接したときに前記回動部材の回動を阻止可能な凸部が形成され、前記回動部材と前記凸部との間には、前記挿入路へ挿入された前記ハンドルが前記板状ばねの付勢に抗して前記板状ばねの前記自由端部を前記固定部材の前端から離間する方向へ移動させたときに、前記板状ばねの自由端部が通行可能な間隙が形成されており、前記回動部材が、前記挿入口の反対側に位置して前記挿入路へ通じる透孔を有し、前記固定部材が、前記透孔の側に位置するケース部と、前記回動部材の軸方向へ鍵を挿抜可能な鍵挿入部を有して前記ケース部に回動可能に装着されたシリンダと、前記シリンダに装着されて前記シリンダの回動により前記透孔へ進退可能なラッチとを有し、前記ラッチが、前記透孔へ進入したときに前記回動部材の回動を阻止可能、かつ、前記板状ばねの自由端部を前記固定部材の前面の方向へ押圧可能であることを特徴とする前記装置。
- 前記ケース部と前記シリンダとが、それらの間に介在する錠機構によって互いに係脱可能であって前記鍵を前記鍵挿入部へ挿入すると前記鍵に形成された解除手段で前記錠機構が解除され、前記鍵の回動によって前記シリンダが時計方向と反時計方向とへ回動可能となる請求項2記載の装置。
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Family Applications (1)
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-
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- 1999-06-23 JP JP17726399A patent/JP3540962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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