JP3540829B2 - フランジ付カップ部品の鍛造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、フランジ付カップ部品の鍛造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図2及び図3に示されるトリポート型等速自在継手の外輪1は、両端が開口した筒状本体1aと、本体1aの一開口端から外径方向に延在したフランジ1bを一体に有する。本体1aの中空内面には、図示しないトラニオンキットを案内する案内溝nが軸方向に形成される。
【0003】
このような外輪1は、一般に図4(a)に示すような部品素材7を鍛造して、図4(c)に示すようなフランジ付カップ部品8を得たのち、このフランジ付カップ部品8に底抜き加工を施して製作される。図4(a)の部品素材7はカップ状で、筒状の本体素材部7aと、本体素材部7aの一端を閉塞する底素材部7bからなる。
【0004】
図4(a)の部品素材7は、図4(b)に示すように金型9、10、11で鍛造される。すなわち、部品素材7を加熱しておいて、本体素材部7aの外周と底素材部7bの内径面を金型11と金型10で固定し、底素材部7bの外面より金型9で加圧し、素材肉を外径外方に流動させてフランジ部8cを形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4(a)の部品素材7を鍛造して得られた図4(c)のフランジ付カップ部品8のフランジ部8cの本体部8a側の面をA面とし、カップ部品8の底部8bの内面をB面とすると、A面よりB面が高い(深い)位置にある。このようなカップ部品8は、底部8bの肉厚D1が小さいので底部8bの底抜き加工が容易であり、底抜きされる材料が少なくて材料歩留まりが良い利点がある。
【0006】
ところが、図4(c)の部分拡大図に示すように、底部8bと本体部8aの内面のコーナ部分に内部に延びる傷12が発生することがある。この傷12の発生原因は、図4(b)の鍛造時に金型11でA面よりB面を高い位置で鍛造するために、底素材部7bの素材肉が外径外方に急激に流動する結果であると考えられる。
【0007】
上記鍛造時の傷発生の問題の解決策として、図5(a)〜(c)に示される鍛造方法が知られている。図5(a)に示す部品素材7’が、図5(b)の金型9、10、11で鍛造されて、図5(c)のフランジ付カップ部品8’が製造される。この場合の特徴は、カップ部品8’の底部8’bの内面のB面がフランジ部8’cのA面より低い位置にしたことである。
【0008】
すなわち、図5(a)の部品素材7’の底素材部7’bは、図4(a)の部品素材7の底素材部7bより厚めに形成されている。この部品素材7’を図5(b)の金型9、10、11で鍛造するとき、金型11でB面がA面より深く入ら無いように固定し、金型9で底素材部7’bを押圧する。このように鍛造してフランジ付カップ部品8’を製造すると、カップ部品8’の本体部8’aと底部8’bの内面のコーナ部分での鍛造時の金属素材の流動が少なくなって、このコーナ部分に傷が発生しないことが知られている。
【0009】
しかし、図5の鍛造方法においては、カップ部品8’の内面底のB面がA面より浅い位置にあり、その分、底部8’bの肉厚D2が大きくなって、底部8’bを打ち抜く底抜き加工が困難となり、また、底抜きされる材料が多くなって材料歩留まりが悪くなる問題があった。
【0010】
この発明の目的とするところは、鍛造時の傷発生の無い、鍛造後の底抜き加工と材料歩留まりの良いフランジ付カップ部品の鍛造式製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、筒状の本体部、この本体部の一端を閉塞する底部、及び、この底部の在る本体部の一端から外径方向に延在したフランジ部を有し、底部の内面B面がフランジ部の本体部側のA面より高い位置にあるフランジ付カップ部品を、この部品の形状寸法に対応した鍛造型を用いて部品素材から鍛造成形する方法において、筒状の本体素材部と、この本体素材部の一端を閉塞する底素材部と、この底素材部の在る本体素材部の一端から軸方向に延在した内周面が逆円錐面の環状のフランジ素材部とを有する部品素材を用い、部品素材のフランジ素材部を鍛造型にて軸方向に圧縮することにより、その素材肉を型内で内外径方向に塑性流動させ、その際の外径側への素材流動により前記部品のフランジ部を成形することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
筒状の本体素材部と、この本体素材部の一端を閉塞する底素材部と、この底素材部の在る本体素材部の一端から軸方向に延在した環状のフランジ素材部とを有する部品素材を用い、部品素材のフランジ素材部を前記鍛造型にて軸方向に圧縮することにより、その素材肉が型内で内外径方向に均等に塑性流動し、その際の外径側への素材流動により部品のフランジ部が成形される。鍛造時、フランジ素材部の素材肉が型内で内外径方向に均等に流動するため、鍛造後のフランジ付カップ部品の本体部と底部の内面コーナ部分に傷は発生しない。また、傷発生の心配が無いので、鍛造されたフランジ付カップ部品の底部を肉薄にすることができ、底部を肉薄にすることでフランジ付カップ部品の底抜き加工が容易、材料歩留まりが良好となる。
【0013】
【実施例】
図1(a)〜(c)を参照してこの発明方法の実施例を説明する。
【0014】
図1(a)〜(c)は、図2の外輪1を製造するフランジ付カップ部品の鍛造方法が示される。図1(a)に示す部品素材2が、図1(b)の金型4、5、6で鍛造されて、図1(c)のフランジ付カップ部品3が製造される。この場合、部品素材2の断面形状が図4や図5の部品素材と異なり、また、鍛造されたカップ部品3は、図4と同様に底部3bの内面のB面がフランジ部3cのA面より高い位置にある。
【0015】
図1(a)の部品素材2は、筒状の本体素材部2aと、本体素材部2aの一端を閉塞する底素材部2bと、本体素材部1aの底素材部2bの在る一端から軸方向に延在した環状のフランジ素材部2cで構成された断面略H形の金属素材である。フランジ素材部2cは、内周面mが逆円錐面の環状体で、図2の外輪1のフランジ1bを成形するに十分な肉厚で形成される。
【0016】
部品素材2の鍛造は、図1(b)に示すように、本体素材部2aの外周を金型5で固定し、底素材部2bとフランジ素材部2cを金型5、6で固定しながら金型4で押圧し、フランジ素材部2cを軸方向に圧縮することで行われる。この鍛造で、フランジ素材部2cの素材肉は、圧縮されながら型内で内外径方向に塑性流動し、その内、外径方向に流動した素材肉によりフランジ部3cが形成される。また、部品素材2の鍛造は、カップ部品3におけるフランジ部3cの本体部3a側のA面より底部3bの内面のB面が高い位置になり、底部3bの肉厚D3が図4の場合と同程度小さくなるところで行われる。
【0017】
以上のように部品素材2を鍛造して得られた図1(c)のフランジ付カップ部品3は、図4のカップ部品3と同様に底抜き加工が容易、材料歩留まりが良い構造となり、また、図4の場合と次の点が異なる。図1(c)のカップ部品3の場合、部品素材2のフランジ素材部2cを軸方向に圧縮してフランジ部3cを形成する際に、フランジ素材部2cの素材肉は内外径方向に均等に流動する。その結果、カップ部品3の底部3bと本体部3aの内面コーナ部分の素材肉の流れが緩やかとなり、このコーナ部分に傷が発生しないことが分かっている。また、部品素材2のフランジ素材部2cの内周面mを逆円錐状のテーパ状にしておくと、鍛造時にフランジ素材部2cの素材肉が内径方向にも流動し易くなるので、上記コーナ部分での傷発生がより確実に防止できる。
【0018】
なお、この発明は、トリポート型等速自在継手の外輪のみならず、フランジ付カップ部品の鍛造一般に適用することができる。また、部品素材の構造、形状も上記実施例に限らず、特に環状のフランジ素材部の中空構造は、フランジ付カップ部品のフランジ部の形状寸法に対応させて変更可能である。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、部品素材の本体素材部の一端から軸方向に延在した環状のフランジ素材部を鍛造型にて軸方向に圧縮することにより、フランジ素材部の素材肉を型内で内外径方向に均等に流動させる構成としたので、鍛造後のフランジ付カップ部品の本体部と底部の内面コーナ部分に傷が発生する弊害を防止することができる。
【0020】
更に、フランジ付カップ部品の内面コーナ部分に傷発生の心配が無いので、鍛造されたフランジ付カップ部品の底部を肉薄にすることができて、底部を打ち抜く底抜き加工が容易となり、また、材料歩留まりが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法を説明するためのもので、(a)は鍛造される部品素材の断面図、(b)は部品素材の鍛造前後の半々の断面図、(c)は鍛造されたフランジ付カップ部品の断面図とその部分拡大図である。
【図2】フランジ付カップ部品から製造される外輪の斜視図である。
【図3】図2の外輪の断面図である。
【図4】従来のフランジ付カップ部品の製造方法を説明するためのもので、(a)は鍛造される部品素材の断面図、(b)は部品素材の鍛造前後の半々の断面図、(c)は鍛造されたフランジ付カップ部品の断面図とその部分拡大図である。
【図5】他の従来のフランジ付カップ部品の製造方法を説明するためのもので、(a)は鍛造される部品素材の断面図、(b)は部品素材の鍛造前後の半々の断面図、(c)は鍛造されたフランジ付カップ部品の断面図である。
【符号の説明】
2 部品素材
2a 本体素材部
2b 底素材部
2c フランジ素材部
3 フランジ付カップ部品
3a 本体部
3b 底部
3c フランジ部
Claims (1)
- 筒状の本体部、この本体部の一端を閉塞する底部、及び、この底部の在る本体部の一端から外径方向に延在したフランジ部を有し、底部の内面B面がフランジ部の本体部側のA面より高い位置にあるフランジ付カップ部品を、この部品の形状寸法に対応した鍛造型を用いて部品素材から鍛造成形する方法において、
筒状の本体素材部と、この本体素材部の一端を閉塞する底素材部と、この底素材部の在る本体素材部の一端から軸方向に延在した内周面が逆円錐面の環状のフランジ素材部とを有する部品素材を用い、
前記部品素材のフランジ素材部を前記鍛造型にて軸方向に圧縮することにより、その素材肉を型内で内外径方向に塑性流動させ、その際の外径側への素材流動により前記部品のフランジ部を成形することを特徴とするフランジ付カップ部品の鍛造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33445693A JP3540829B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | フランジ付カップ部品の鍛造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33445693A JP3540829B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | フランジ付カップ部品の鍛造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185730A JPH07185730A (ja) | 1995-07-25 |
JP3540829B2 true JP3540829B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=18277594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33445693A Expired - Lifetime JP3540829B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | フランジ付カップ部品の鍛造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3540829B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4770637B2 (ja) * | 2005-12-09 | 2011-09-14 | 日産自動車株式会社 | フランジ付きハウジング部材の成形方法及び装置 |
KR100810102B1 (ko) * | 2006-09-20 | 2008-03-06 | 맹혁재 | 헤드부가 확경된 부품용 단조금형 및 그 단조품 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33445693A patent/JP3540829B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07185730A (ja) | 1995-07-25 |
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