JPH10180386A - プーリ及びその製造方法 - Google Patents

プーリ及びその製造方法

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JPH10180386A
JPH10180386A JP34794396A JP34794396A JPH10180386A JP H10180386 A JPH10180386 A JP H10180386A JP 34794396 A JP34794396 A JP 34794396A JP 34794396 A JP34794396 A JP 34794396A JP H10180386 A JPH10180386 A JP H10180386A
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JP
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web
pulley
cylindrical portion
web portion
groove
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Application number
JP34794396A
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English (en)
Inventor
Masakiyo Oya
雅清 大矢
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Jtekt Column Systems Corp
Original Assignee
Fuji Kiko Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP97310601A priority patent/EP0851151A1/en
Priority to AU49270/97A priority patent/AU4927097A/en
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H1/00Making articles shaped as bodies of revolution
    • B21H1/02Making articles shaped as bodies of revolution discs; disc wheels
    • B21H1/04Making articles shaped as bodies of revolution discs; disc wheels with rim, e.g. railways wheels or pulleys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K1/00Making machine elements
    • B21K1/28Making machine elements wheels; discs
    • B21K1/42Making machine elements wheels; discs pulleys, e.g. cable pulleys

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • Forging (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動や騒音を低減することができ、かつ耐久
性の向上を図ることができるとともに、製造コストの低
減を図ることのできるプーリ及びその製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 内側円筒部(軸受部)11と、この内側
円筒部11における軸方向の中央部から半径方向外側に
広がるウエブ部12と、このウエブ部12の外周縁部か
ら同ウエブ部12を中央部にして前記内側円筒部11と
同軸状に形成された外側円筒部(リム部)13と、この
外側円筒部13の外周に形成されたV溝14とを冷間加
工により一体に形成したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外周にV溝を有
するプーリ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のプーリとしては、例えば、図1
8に示すように、薄板の例えば鉄板から加工されたもの
が知られている。すなわち、このプーリは、素材として
提供された鉄板をプレス等によって、円筒状の軸受部
(内側円筒部)1、ウエブ部2及びリム部(外側円筒
部)3を屈曲成形し、リム部3の外周に複数のV溝4を
成形したもので構成されている。
【0003】上記ウエブ部2は、鉄板から屈曲成形によ
り成形される関係上、軸受部1及びリム部3の軸方向の
一端部を片持ち状に支えた状態になっている。また、V
溝4は、軸方向に圧縮することによってリム部3を増肉
した上で、同リム部3の外周に成形されている。なお、
軸受部1は、その内周面がベアリング5を嵌合する面に
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記プーリ
においては、V溝4にかかるベルトの張力がリム部3に
作用することになるが、このリム部3は軸方向の一端部
がウエブ部2によって片持ち状に支えられた状態になっ
ているから、ベルトから張力が作用すると、リム部3、
ウエブ部2及び軸受部1に大きな曲げモーメントが作用
することになる。このため、全体的に撓みやすくなるの
で、振動や騒音が発生しやすく、かつ耐久性も劣るとい
う問題があった。また、薄板から成形する関係上、V溝
4を成形する際にはリム部3を増肉しなければならず、
この増肉工程によって製造コストがアップしてしまうと
いう問題があった。
【0005】この発明は、上述した問題を解決するため
になされたもので、その目的は、振動や騒音を低減する
ことができ、かつ耐久性の向上を図ることができるとと
もに、製造コストの低減を図ることのできるプーリ及び
その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、内側円筒部と、この内側円
筒部における軸方向の中央部から半径方向外側に広がる
ウエブ部と、このウエブ部の外周縁部から同ウエブ部を
中央部にして前記内側円筒部と同軸状に形成された外側
円筒部と、この外側円筒部の外周に形成されたV溝とを
冷間加工により一体に形成したことを特徴とするプーリ
を示している。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、ウエブ部は、内側円筒部側及び外側円筒部
側に向かうにしたがって徐々に厚くなるように形成され
ていることを特徴としている。
【0008】請求項3に係る発明は、厚肉リング体の半
径方向の中間部を冷間加工で押し潰すことによって、こ
の中間部にウエブ部を成形するとともに、このウエブ部
の内周縁部から同ウエブ部を中央部とする内側円筒部を
成形し、かつウエブ部の外周縁部から同ウエブ部を中央
部とする余肉部を成形した後、余肉部の外周にV溝を冷
間加工することによって、ウエブ部の外周縁部から同ウ
エブ部を中央部にして前記内側円筒部と同軸状に形成さ
れ、外周部にV溝を有する外側円筒部を成形することを
特徴とするプーリの製造方法を示している。
【0009】請求項4に係る発明は、前記厚肉リング体
は、円柱状の素材から冷間加工により押し潰して厚肉円
板体を成形した後、この厚肉円板体の中央部を冷間加工
により円形状に押し潰して円形薄肉部を成形し、この円
形薄肉部をプレスで打ち抜くことによって成形したこと
を特徴とする。
【0010】請求項5に係る発明は、前記厚肉リング体
は、板状の素材からプレスで打ち抜くことによって成形
したことを特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項3に係る発
明において、ウエブ部は、厚肉リング体における半径方
向の中間部を冷間加工で押し潰すことによって、内側円
筒部側及び外側円筒部側に向かうにしたがって徐々に厚
くなるように成形することを特徴としている。
【0012】そして、上記のように構成された請求項1
に係る発明においては、ウエブ部が内側円筒部及び外側
円筒部のそれぞれの中央部を連結するようになっている
ので、ベルトの張力がV溝に作用しても、この張力によ
って生じる曲げモーメントは小さなもの済む。しかも、
外側円筒部にはウエブ部を中央部にして左右に均等の張
力が作用することになるので、ウエブ部及び内側円筒部
に曲げモーメントが作用するのを防止することができ
る。したがって、全体的に極めて撓みにくくなるので、
撓みによる振動や騒音を低減することができるととも
に、耐久性の向上を図ることができる。
【0013】請求項2に係る発明においては、ウエブ部
が内側円筒部側及び外側円筒部側に向かって徐々に厚く
形成されているから、ウエブ部と内側円筒部との連結部
及びウエブ部と外側円筒部との連結部の剛性を向上させ
ることができ、強度及び耐久性の向上が図れる。
【0014】請求項3に係る発明においては、冷間加工
によって層状の組織が得られ、かつ冷間加工による加工
硬化によって強度が増加することになるから、耐久性の
向上を図ることができる。また、全体的に肉厚の薄いも
ので構成することができるようになるから、軽量化、小
型化を図ることができる。しかも、冷間加工によって表
面精度が向上するので、例えば仕上げ工程を省くこがで
き、コストの低減を図ることができる。
【0015】さらに、冷間加工の工程において、外側円
筒部の肉厚を、余肉部としてV溝を成形することが可能
な厚さに成形することができるから、従来例で示したよ
うな増肉工程が不要になる。したがって、製造工程が簡
略化でき、生産性の向上コストの低減を図ることができ
る。
【0016】請求項4に係る発明においては、円柱状の
素材から冷間加工によって厚肉リング体を成形している
ため、冷間鍛造により歩留まりが向上し、材料費の低減
を図ることができ、これによりコストの低減を図ること
ができる。
【0017】請求項5に係る発明においては、板状の素
材からプレス打ち抜きによって厚肉リング体を成形して
いるため、生産性の向上を図ることができ、コストの低
減を図ることができる。
【0018】請求項6に係る発明においては、ウエブ部
を冷間加工する際に、同ウエブ部に位置する材料が内側
円筒部側及び外側円筒部側に流れやすくなる。したがっ
て、冷間加工に要する力及び時間を低減することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を実
施例に基づき、図1〜図15を参照して説明する。な
お、図1〜図8は第1実施例、図9〜図11は第2実施
例、図12〜図15は第3実施例、図16〜図17は第
4実施例を示している。
【0020】まず、図1〜図8を参照してこの発明の第
1実施例を説明する。すなわち、この第1実施例で示す
プーリ10は、図1に示すように、円筒状に形成された
軸受部(内側円筒部)11と、この軸受部11における
軸方向の中央部から半径方向外側に広がるウエブ部12
と、このウエブ部12の外周縁部から同ウエブ部12を
中央部にして軸受部11と同軸状に形成された円筒状の
リム部(外側円筒部)13と、このリム部13の外周に
形成されたV溝14とを冷間加工により一体に形成した
ものである。
【0021】V溝14は、複数のもので構成されたいわ
ゆるポリV溝となっている。そして、各V溝14は、ウ
エブ部12を境にして左右対称の位置に形成されてい
る。また、軸受部11は、その内周面が、従来例と同様
に、ベアリング(図示せず)を嵌合する面になってい
る。
【0022】次ぎに、上記プーリ10の製造方法を図2
〜図8を参照して説明する。まず、図1に示す円柱状の
鉄の素材W1からプレスによる冷間鍛造(冷間加工)に
よって、図2に示す厚肉円板体W2を成形する。そし
て、図4に示すように、厚肉円板体W2の中央部を、そ
の上下の面からプレスによる冷間鍛造によって円形状に
押し潰して、円形薄肉部W2aを形成する。それから、
図5に示すように、円形薄肉部W2aをプレスで打ち抜
くことによって厚肉リング体W3を成形する。
【0023】その後、図6に示すように、厚肉リング体
W3における半径方向の中間部をその上下の面からプレ
スによる冷間鍛造で押し潰すことによって、その内周部
に軸受部11を成形するとともに、その中間部にウエブ
部12を成形し、さらに外周部にはリム部13を形成す
るための余肉部W4aを成形する。すなわち、プーリの
粗形状体W4を成形する。この粗形状体W4は、図7に
示すように、下金型M1、上金型M2、内周面保持金型
M3及び外周面保持金型M4によって、冷間で鍛造され
る。
【0024】次ぎに、図8に示すように、下面保持金型
M5、上面保持金型M6、内周面保持金型M7で軸受部
11及びウエブ部12を保持した状態で、ローラ金型M
8を用いて、外周面から冷間でローラ成形することによ
り、リム部13及びV溝14を成形する。これにより、
プーリ10が完成する。
【0025】以上のように構成されたプーリ10におい
ては、ウエブ部12が軸受部11及びリム部13のそれ
ぞれの中央部を連結するように形成されているから、ベ
ルトの張力がV溝14に作用し、これによって曲げモー
メントが生じても、その曲げモーメントは小さなものと
なる。しかも、V溝14がウエブ部12を中心にして左
右対称に設けられているから、上記曲げモーメントはリ
ム部13において釣り合った状態になる。このため、ウ
エブ部12及び軸受部11に曲げモーメントが作用する
のを防止することができる。したがって、全体的に極め
て撓みにくいものとなるので、振動や騒音の低減を図る
ことができるとともに、ベアリングの耐久性の向上を図
ることができる。さらに、このプーリ10においては、
ベアリングを嵌合する軸受部11とリム部13の間の
幅、すなわち、ウエブ部12の幅を狭くすることができ
るため、リム部13の外径を小さくすることができ、小
径プーリに特に適したプーリを得ることができる。
【0026】また、一連の冷間加工によって層状の組織
が得られ、かつ冷間鍛造による加工硬化によって強度が
増加することになるから、さらに耐久性の向上を図るこ
とができ、全体的に肉厚を薄く構成することができる。
したがって、コストの低減を図ることができる。しか
も、冷間鍛造によって表面精度が向上するので、例えば
軸受部11の内面やV溝14を仕上げるための工程を省
くこができ、この点からもコストの低減を図ることがで
きる。すなわち、生産性の向上を図ることができる。
【0027】さらに、冷間鍛造の工程において、リム部
13の肉厚を、余肉部W4aとしてV溝14を成形する
ことが可能な厚さに成形することができるから、従来例
で示したような増肉工程が不要になる。したがって、コ
ストの低減を図ることができる。また、冷間鍛造により
歩留まりが向上するから、材料費の低減を図ることがで
きる。
【0028】次ぎに、この発明の第2実施例を図9〜図
11を参照して説明する。ただし、上記第1実施例と共
通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を簡略
化する。この第2実施例が第1実施例と異なる点は、ベ
アリング用のストッパ11aが軸受部11に一体に形成
されている点である。
【0029】すなわち、軸受部11には、図9に示すよ
うに、その軸方向の一端部から内側に屈曲する環状のス
トッパ11aが形成されている。このストッパ11a
は、図10に示すように、プーリの粗形状体W4を成形
する段階で冷間鍛造により形成される。また、リム部1
3及びV溝14は、図11に示すように、ストッパ11
aを含む軸受部11及びウエブ部12を金型M5、M
6、M7で保持した状態で、ローラ金型M8によってロ
ーラ成形される。
【0030】上記のように構成されたプーリ10におい
ては、冷間鍛造によってプーリ粗形状体W4の成形と同
時に軸受部11の内面及びストッパ11aを精度よく形
成することができるので、ベアリングを軸受部11にそ
のまま嵌合させて、ベアリングの位置決めとすることが
できる。したがって、生産性の向上を図ることができ
る。
【0031】次ぎに、この発明の第3実施例を図12〜
図15を参照して説明する。ただし、上記第1実施例と
共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を簡
略化する。この第2実施例が第1実施例と異なる点は、
ウエブ部12の厚さが軸受部11側及びリム部13側に
向かうにしたがって徐々に厚くなるように形成されてい
る点である。
【0032】すなわち、ウエブ部12は、図12及び図
13に示すように、軸受部11側及びリム部13側に向
かうにしたがって円弧状の曲面で徐々に厚く形成されて
いる。
【0033】このように形成されたウエブ部12は、図
14に示すように、プーリの粗形状体W4を成形する段
階で冷間鍛造により形成される。そして、このウエブ部
12を冷間鍛造する際には、ウエブ部12に位置する材
料が軸受部11側及びリム部13側に流れやすくなる。
また、リム部13及びV溝14は、図15に示すよう
に、軸受部11及びウエブ部12を金型M5、M6、M
7で保持した状態で、ローラ金型M8によってローラ成
形される。
【0034】上記のように構成されたプーリ10におい
ては、ウエブ部12が軸受部11側及びリム部13側に
向かって円弧状の曲面で徐々に厚く形成されているか
ら、このウエブ部12を冷間鍛造する際に、同ウエブ部
12に位置する材料が軸受部11側及びリム部13側に
流れやすくなる。したがって、冷間鍛造に要する力及び
時間を低減することができる。また、強度を必要とする
部分の肉量を容易に増やすことができ、また、強度を必
要としない部分の肉量を容易に減らすことができるた
め、プーリ10の強度の向上及び軽量化を図ることがで
きる。
【0035】なお、上記各実施例においては、V溝14
を複数設けるように構成したが、このV溝14は一つだ
け設けたいわゆるモノV溝であってもよい。ただし、こ
のモノV溝は、ウエブ部12を境にして対して左右対称
に形成することが好ましい。さらに、V溝14は、モノ
V溝とポリV溝とを組み合わせたもので構成してもよ
い。すなわち、リム部13に、モノV溝及びポリV溝の
両者を設けるように構成してもよい。
【0036】また、上記第3実施例においても、ベアリ
ング用のストッパを設けるように構成してもよい。
【0037】次ぎに、この発明の第4実施例を図16〜
図17を参照して説明する。ただし、上記第1実施例と
共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を簡
略化する。この第4実施例が第1実施例と異なる点は、
厚肉リング体W3を板状の素材W0からプレスにより成
形している点である。
【0038】図17に示すように、厚肉の板状素材W0
からプレスで打ち抜くことによってリング状の厚肉リン
グ体W2が成形される。そして、この厚肉リング体W2
の半径方向の中間部を上記第1実施例と同様に押し潰す
ことによって、プーリの粗形状体W4を成形する。これ
以降の成形構造は上記第1実施例と同様であるため、そ
の説明は詳略する。
【0039】この第4実施例によれば、板状の素材W0
からプレス打ち抜きによって厚肉リング体W2を成形で
きるため、厚肉リング体W2の成形がプレスのみで行な
え、製造工程が簡略化でき、生産性の向上が図れ、これ
によりコストの低減を図ることができる。
【0040】尚、厚肉リング体の成形の際に生じた厚肉
円板体W2はスクラップとして破棄してもよいが、上記
第1実施例に示す厚肉円板体W2と同様に、厚肉円板体
W2の中央部をその上下の面からプレスによる冷間鍛造
によって円形状に押し潰して円形薄肉部W2aを形成し
た後、円形薄肉部W2aをプレスで打ち抜くことによっ
て厚肉リング体W3を成形し、利用するようにしてもよ
い。これにより、材料の有効活用が図れ、コストの低減
を図ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る発明のプーリ及び請求項
3に係る発明のプーリの製造方法によれば、ウエブ部が
内側円筒部及び外側円筒部のそれぞれの中央部を連結す
るようになっているので、ベルトの張力がV溝に作用し
ても、この張力によって生じる曲げモーメントは小さな
もの済む。しかも、外側円筒部にはウエブ部を中央部に
して左右に均等の張力が作用することになるので、ウエ
ブ部及び内側円筒部に曲げモーメントが作用するのを防
止することができる。したがって、全体的に極めて撓み
にくくなるので、撓みによる振動や騒音を低減すること
ができるとともに、耐久性の向上を図ることができる。
【0042】請求項2に係る発明のプーリによれば、強
度を必要とするウエブ部とリム部の連結部分及びウエブ
部と軸受部の連結部分の肉量を増やすことができ、強度
の向上及び耐久性の向上が図れる。
【0043】請求項3に係る発明のプーリの製造方法に
よれば、冷間加工によって層状の組織が得られ、かつ冷
間加工による加工硬化によって強度が増加することにな
るから、耐久性の向上を図ることができる。また、全体
的に肉厚の薄いもので構成することができるようになる
から、軽量化、小型化を図ることができる。しかも、冷
間加工によって表面精度が向上するので、例えば仕上げ
工程を省くこができ、コストの低減を図ることができ
る。
【0044】さらに、冷間加工の工程において、外側円
筒部の肉厚を、余肉部としてV溝を成形することが可能
な厚さに成形することができるから、従来例で示したよ
うな増肉工程が不要になる。したがって、製造工程が簡
略化でき、生産性の向上コストの低減を図ることができ
る。
【0045】請求項4に係る発明のプーリの製造方法に
よれば、円柱状の素材から冷間加工によって厚肉リング
体を成形しているため、冷間鍛造により歩留まりが向上
し、材料費の低減を図ることができ、コストの低減を図
ることができる。
【0046】請求項5に係る発明のプーリの製造方法に
よれば、板状の素材からプレス打ち抜きによって厚肉リ
ング体を成形しているため、生産性の向上を図ることが
でき、コストの低減を図ることができる。
【0047】請求項6に係る発明のプーリの製造方法に
よれば、ウエブ部が内側円筒部側及び外側円筒部側に向
かって徐々に厚く形成されているから、このウエブ部を
冷間加工する際に、同ウエブ部に位置する材料が内側円
筒部側及び外側円筒部側に流れやすくなる。したがっ
て、冷間加工に要する力及び時間を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例として示したプーリの断
面図。
【図2】同プーリの製造方法を示す図であって、円柱状
の素材を示す側面図。
【図3】同プーリの製造方法を示す図であって、厚肉円
板体を示す側面図。
【図4】同プーリの製造方法を示す図であって、厚肉円
板体に円形薄肉部を成形した状態を示す断面図。
【図5】同プーリの製造方法を示す図であって、厚肉リ
ング体を示す断面図。
【図6】同プーリの製造方法を示す図であって、プーリ
の粗形状体を示す断面図。
【図7】同プーリの成形装置を示す図であって、プーリ
の粗形状体を成形する装置を示す断面図。
【図8】同プーリの成形装置を示す図であって、リム部
及びV溝を成形する装置を示す断面図。
【図9】この発明の第2実施例として示したプーリの断
面図。
【図10】同プーリの成形装置を示す図であって、プー
リの粗形状体を成形する装置を示す断面図。
【図11】同プーリの成形装置を示す図であって、リム
部及びV溝を成形する装置を示す断面図。
【図12】この発明の第3実施例として示したプーリの
粗形状体を示す断面図。
【図13】同プーリの完成体を示す断面図。
【図14】同プーリの成形装置を示す図であって、プー
リの粗形状体を成形する装置を示す断面図。
【図15】同プーリの成形装置を示す図であって、リム
部及びV溝を成形する装置を示す断面図。
【図16】この発明の第4実施例に用いる板状の素材を
示す斜視図。
【図17】同プーリの製造方法を示す図であって、厚肉
リング体を示す斜視図。
【図18】従来例として示したプーリを示す断面図。
【符号の説明】
10 プーリ 11 内側円筒部(軸受部) 12 ウエブ部 13 外側円筒部(リム部) 14 V溝 W1 円柱状の素材 W2 厚肉円板体 W2a 円形薄肉部 W3 厚肉リング体 W4 粗形状体 W4a 余肉部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側円筒部と、この内側円筒部における
    軸方向の中央部から半径方向外側に広がるウエブ部と、
    このウエブ部の外周縁部から同ウエブ部を中央部にして
    前記内側円筒部と同軸状に形成された外側円筒部と、こ
    の外側円筒部の外周に形成されたV溝とを冷間加工によ
    り一体に形成したことを特徴とするプーリ。
  2. 【請求項2】 ウエブ部は、内側円筒部側及び外側円筒
    部側に向かうにしたがって徐々に厚くなるように形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のプーリ。
  3. 【請求項3】 厚肉リング体の半径方向の中間部を冷間
    加工で押し潰すことによって、この中間部にウエブ部を
    成形するとともに、このウエブ部の内周縁部から同ウエ
    ブ部を中央部とする内側円筒部を成形し、かつウエブ部
    の外周縁部から同ウエブ部を中央部とする余肉部を成形
    した後、余肉部の外周にV溝を冷間加工することによっ
    て、ウエブ部の外周縁部から同ウエブ部を中央部にして
    前記内側円筒部と同軸状に形成され、外周部にV溝を有
    する外側円筒部を成形することを特徴とするプーリの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記厚肉リング体は、円柱状の素材から
    冷間加工により押し潰して厚肉円板体を成形した後、こ
    の厚肉円板体の中央部を冷間加工により円形状に押し潰
    して円形薄肉部を成形し、この円形薄肉部をプレスで打
    ち抜くことによって成形したことを特徴とする請求項3
    記載のプーリの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記厚肉リング体は、板状の素材からプ
    レスで打ち抜くことによって成形したことを特徴とする
    請求項3記載のプーリの製造方法。
  6. 【請求項6】 ウエブ部は、厚肉リング体における半径
    方向の中間部を冷間加工で押し潰すことによって、内側
    円筒部側及び外側円筒部側に向かうにしたがって徐々に
    厚くなるように成形することを特徴とする請求項3記載
    のプーリの製造方法。
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