JPH04333338A - 多条ｖ溝プーリの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電磁連結装置のロータ
等に取付けられる多条Ｖ溝プーリを冷間鍛造によって成
形する多条Ｖ溝プーリの製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電磁連結装置では、入力あるいは
出力部材としてのロータに多条Ｖ溝プーリが取付けられ
、その多条Ｖ溝プーリにＶベルトを巻掛ける構造のもの
がある。この種の電磁連結装置に使用される多条Ｖ溝プ
ーリは、材料の無駄を省きしかも製造工数を少なく抑え
てコストを低減させるという観点から、例えば特開昭６
０−２１６９４３号公報に開示されたように転造によっ
て一体成形されることが多い。

【０００３】以下、上述した公報に開示された多条Ｖ溝
プーリの製造方法について説明する。その製造方法によ
れば、先ず、円環板状に成形されたプーリ素材を金型で
挟持して回転させる。そして、プーリ素材の外周面にす
り割りローラを押し付け、プーリ素材の外周部に断面Ｖ
字状のすり割り溝を形成する。次に、すり割りローラの
代わりに予備成形ローラをプーリ素材に押し付け、前記
すり割り溝を拡開して多条Ｖ溝の概略形状に粗成形する
。しかる後、プーリ素材に成形ローラを押し付けて多条
Ｖ溝を最終製品形状に成形する。この製造方法では、上
述したようにすり割りローラ，予備成形ローラおよび成
形ローラの３種類のローラを使用して多条Ｖ溝プーリを
成形するように構成されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うな従来の製造方法によって多条Ｖ溝プーリを製造した
のでは、転造工程前にすり割りローラによるすり割り工
程が必要で加工数が多くなる関係から、生産性を高める
にも限度があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る多条Ｖ溝プ
ーリの製造方法は、合わせ部分の外周部にベルト溝成形
用雌型が形成された二分割式のマンドレルに、外径が前
記雌型の直径より大きく形成された円環板状のプーリ素
材を挟圧保持させ、次いで、前記マンドレルを回転させ
ながら前記プーリ素材の外周部に雄型としての予備成形
用平ローラを圧接させてプーリ素材の外周部を冷間鍛造
し、前記平ローラをプーリ素材から離間させた後、プー
リ素材の外周部に、Ｖ溝成形用突条が外周部に複数設け
られたＶ溝用成形ローラを圧接させてＶ溝を加圧成形す
るものである。

【０００６】

【作用】Ｖ溝部分が冷間鍛造によって予備成形されるか
ら、従来使用していたすり割りローラが不要になる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図５に
よって詳細に説明する。図１は本発明の製造方法によっ
て製造された多条Ｖ溝プーリを備えた電磁クラッチの断
面図、図２は本発明に係る多条Ｖ溝プーリの製造方法を
実施する際に使用するプーリ成形装置本体の断面図であ
る。なお、図２において中心線より左側は予備成形工程
での状態を、右側は仕上げ成形工程での状態を示す。図
３は予備成形前の状態のプーリ成形装置本体の断面図で
ある。図４は予備成形時のプーリ素材の状態を拡大して
示す断面図、図５は仕上げ成形時のプーリ素材の状態を
拡大して示す断面図である。これらの図において、１は
カーエアコン用圧縮機に装着された電磁クラッチで、こ
の電磁クラッチ１は、圧縮機２の円筒部２ａに回転自在
に支持されたロータ３と、このロータ３の環状溝内に挿
入され圧縮機２にねじ止めされたフィールドコア４と、
アーマチュア５をダンパーゴム６によって弾性支持しか
つ圧縮機２の回転軸２ｂに軸装されたアーマチュア組立
体７等とから構成されている。また、前記ロータ３の外
周部には、本発明の製造方法によって環状に成形された
多条Ｖ溝プーリ８が嵌挿され溶接されている。

【０００８】多条Ｖ溝プーリ８は、ロータ３に溶接され
るボス部９と、このボス部９の外周側に一体に成形され
たベルト溝部１０とからなり、ベルト溝部１０にはＶベ
ルト（図示せず）が接するＶ溝１０ａが複数設けられて
いる。また、ベルト溝部１０の端部には外周壁１０ｂ，
１０ｃが形成されている。１１は前記多条Ｖ溝プーリ８
を成形するプーリ成形装置の本体である。このプーリ成
形装置本体１１は、多条Ｖ溝プーリ８となるプーリ素材
１２を上下方向から挟圧して保持する略円盤状の上マン
ドレル１３および下マンドレル１４と、前記下マンドレ
ル１４を支持すると共に回転装置（図示せず）に連結す
る略円筒状のアダプタ１５等とを備え、回転装置によっ
て中心線Ａを軸線として回転するように構成されている
。

【０００９】前記プーリ素材１２は、本実施例では円環
状の金属板を図３に示すように断面Ｌ字状に曲げ加工し
て形成され、内周部にボス部が設けられている。そして
、このプーリ素材１２の外周部が前記プーリ成形装置本
体１１によって成形される。前記上マンドレル１３は、
型締め装置（図示せず）によって昇降自在に支持されて
おり、下マンドレル１４に対して接離自在とされている
。また、この上マンドレル１３の下部には下マンドレル
１４に対向する円筒部１３ａが形成されている。そして
、上下両マンドレル１３，１４どうしの合わせ部分の外
周部（前記円筒部１３ａの下端外周部，下マンドレル１
４の上部外周部）には、ベルト溝成形用雌型１６，１７
が全周にわたって形成されている。上マンドレル１３の
雌型１６は、円筒部１３ａの底部を凹ませるようにして
形成されており、図４に示すように、プーリ素材１２の
ボス部の外周面に嵌合する押圧部１６ａと、多条Ｖ溝プ
ーリ８の一方の外周壁１０ｂを形成するための環状溝１
６ｂとが一連に設けられている。また、上マンドレル１
３の下部円筒部１３ａ内には、下マンドレル１４の上端
と嵌合する中マンドレル１８がボルト止めされると共に
、この中マンドレル１８の外周部に嵌合するノックアウ
トリング１９が上下移動自在に装着されている。前記下
マンドレル１４の雌型１７は下マンドレル１４の上部外
周部を凹ませるようにして形成されており、図４に示す
ようにプーリ素材１２のボス内に嵌入する凸部１７ａが
一連に設けられている。

【００１０】２０は下マンドレル１４の雌型１７の上方
に臨んで雌型１７の端部に環状溝を形成するための外周
部材で、この外周部材２０は、全体が円筒状に形成され
、下マンドレル１４およびアダプタ１５の外周部に上下
動自在に嵌挿されている。そして、この外周部材２０は
、昇降装置（図示せず）によってアダプタ１５の中空部
内で上下する昇降ロッド２１に連結ピン２２を介して連
結されている。また、この連結ピン２２は、アダプタ１
５を直径方向に貫通する長穴１５ａ内に嵌入されている
。すなわち、昇降ロッド２１が上下することにより外周
部材２０が上下し、外周部材２０，昇降ロッド２１およ
び連結ピン２２はアダプタ１５と共に回転することにな
る。上述したように構成された外周部材２０を上側へ移
動させて雌型１７上に臨ませると、図２の右側に示すよ
うに雌型１７の端部に環状溝が形成されることになる。 すなわち、成形時にこの環状溝を形成させることによっ
て、多条Ｖ溝プーリ８の他方の外周壁１０ｃを、この環
状溝を成形型として成形することができる。

【００１１】２３はプーリ素材１２の外周部を予備成形
するための平ローラ、２４は仕上げ用の成形ローラであ
る。これら両ローラ２３，２４は、全体が略円板状に形
成され、前記プーリ成形装置本体１１と平行な軸線をも
って回転するように押圧装置（図示せず）にそれぞれ取
付けられている。そして、平ローラ２３の外周面には前
記雌型１６，１７と対応する略台形状の雄型２５が形成
され、成形ローラ２４の外周面には、Ｖ溝成形用突条を
複数有する雄型２６が形成されている。また、これらの
ローラ２３，２４を回転自在に支持する加圧装置は、ロ
ーラ２３，２４をプーリ成形装置本体１１に対して接離
するように平行移動させ、成形時には前記雄型２５，２
６を所定の圧力をもってプーリ素材１２の外周部に圧接
させるように構成されている。

【００１２】次に、上述したプーリ成形装置本体１１を
使用して多条Ｖ溝プーリ８の製造方法を説明する。先ず
、円環板状に形成されたプーリ素材１２を、図３に示す
ように上マンドレル１３と下マンドレル１４とで挟圧保
持させる。なお、使用するプーリ素材１２は、その外径
が前記雌型１６，１７の直径より大きく形成されている
。プーリ素材１２を保持させる際には、下マンドレル１
４の雌型１７に一連に設けられた凸部１７ａをプーリ素
材１２に嵌入させると共に、上マンドレル１３の下部円
筒部１３ａでプーリ素材１２を下マンドレル１４に強固
に押し付ける。そして、外周部材２０を下げた状態でこ
のプーリ成形装置本体１１を回転させ、引き続いて平ロ
ーラ２３をプーリ素材１２の外周部に押し付ける。平ロ
ーラ２３は雄型２５がプーリ素材１２に接触することで
プーリ成形装置本体１１と共に回転するようになる。 その状態で平ローラ２３をプーリ成形装置本体１１側へ
所定圧力をもって押圧させ、プーリ素材１２の外周部を
雄型２５および雌型１６，１７によって加圧成形する。 この成形動作によって、図２の左側および図４に示すよ
うにプーリ素材１２の外周部が冷間鍛造され、その部分
にベルト溝部が予備成形されることになる。また、この
際には上マンドレル１３の雌型１６に一連に設けられた
環状溝１６ｂ内にもプーリ素材１２の一部が流れ込み、
多条Ｖ溝プーリ８の一方の外周壁１０ｂも成形される。 このように平ローラ２３によって予備成形した後、平ロ
ーラ２３をプーリ成形装置本体１１から離間させ、引き
続いて成形ローラ２４をプーリ素材１２の外周部に圧接
させる。この成形ローラ２４も外周部の雄型２６がプー
リ素材１２に接触することでプーリ成形装置本体１１と
共に回転するようになる。その状態でこの成形ローラ２
４をプーリ成形装置本体１１側へ所定圧力をもって押圧
させ、プーリ素材１２の外周部を雄型２６および雌型１
６，１７によって加圧成形する。この成形動作によって
、図２の右側および図５に示すようにプーリ素材１２の
外周部（ベルト溝部１０）にＶ溝１０ａが加圧成形され
る。なお、この仕上げ成形時には、外周部材２０を上側
に移動させて雌形１７上に臨ませ、雌形１７の端部に環
状溝を形成させる。このようにすることで、その環状溝
によって多条Ｖ溝プーリ８の他方の外周壁１０ｃも仕上
げられる。上述したように成形ローラ２４によってベル
ト溝部１０を仕上げた後、成形ローラ２４をプーリ成形
装置本体１１から離間させると共にプーリ成形装置本体
１１を停止させる。そして、上マンドレル１３を上昇さ
せて下マンドレル１４から離間させ、加圧成形されたプ
ーリ素材１２を取り出す。なお、その際にはプーリ素材
１２が上マンドレル１３に密着しているので、ノックア
ウトリング１９を下側へ押し下げて強制的にプーリ素材
１２を上マンドレル１３から引き剥す。このようにして
円環板状のプーリ素材１２から冷間鍛造によって多条Ｖ
溝プーリ８を成形することができる。したがって、Ｖ溝
部分（ベルト溝部１０）が冷間鍛造によって予備成形さ
れるから、従来使用していたすり割りローラが不要にな
る。

【００１３】なお、本実施例ではプーリ素材１２のみを
プーリ成形装置本体１１に挟圧保持させて加圧成形する
例を示したが、図６および図７に示すようにプーリ素材
をロータに溶接させてからロータと共にプーリ成形装置
本体１１に装填することもできる。図６はロータ共締め
式のプーリ成形装置本体の断面図で、同図において中心
線より左側は予備成形工程での状態を、右側は仕上げ成
形工程での状態を示す。図７はロータ共締め式のプーリ
成形装置本体の予備成形前の状態を示す断面図である。 これらの図において、前記図１〜図５で説明したものと
同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細
な説明は省略する。これらの図において、３１はロータ
共締め式のプーリ成形装置本体で、このプーリ成形装置
本体３１は中マンドレル１８と下マンドレル１４によっ
てロータ３を挟圧保持する構造とされている。そして、
ロータ３の外周部には円環板状のプーリ素材３２が電子
ビーム溶接によって溶着されている。このように構成さ
れたロータ共締め式のプーリ成形装置本体３１を使用し
てプーリ素材３２にベルト溝１０を成形するには、図７
に示すようにプーリ素材３２が溶接されたロータ３をプ
ーリ成形装置本体３１に保持させ、図６の左側に示すよ
うに平ローラ２３でプーリ素材３２を予備成形する。次
に、図６の右側に示すように成形ローラ２４によってプ
ーリ素材３２のベルト溝部１０を仕上げる。このように
して多状Ｖ溝プーリ８をロータ３に取付けた状態で加圧
成形することができる。このロータ共締め式のプーリ成
形装置本体３１を使用してベルト溝を成形すると、プー
リ素材３２を強固に固定することができ、冷間鍛造時に
プーリ素材３２が滑ってずれたりすることがないから、
Ｖ溝を高精度に成形することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る多状Ｖ
溝プーリの製造方法は、合わせ部分の外周部にベルト溝
成形用雌型が形成された二分割式のマンドレルに、外径
が前記雌型の直径より大きく形成された円環板状のプー
リ素材を挟圧保持させ、次いで、前記マンドレルを回転
させながら前記プーリ素材の外周部に雄型としての予備
成形用平ローラを圧接させてプーリ素材の外周部を冷間
鍛造し、前記平ローラをプーリ素材から離間させた後、
プーリ素材の外周部に、Ｖ溝成形用突条が外周部に複数
設けられたＶ溝用成形ローラを圧接させてＶ溝を加圧成
形するため、Ｖ溝部分が冷間鍛造によって予備成形され
るから、従来使用していたすり割りローラが不要になる
。したがって、プーリ素材を加圧成形するに当たって加
工数を減らすことができ、生産性を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製造方法によって製造された多条Ｖ溝
プーリを備えた電磁クラッチの断面図である。

【図２】本発明に係る多条Ｖ溝プーリの製造方法を実施
する際に使用するプーリ成形装置本体の断面図で、同図
において中心線より左側は予備成形工程での状態を、右
側は仕上げ成形工程での状態を示す。

【図３】予備成形前の状態のプーリ成形装置本体の断面
図である。

【図４】予備成形時のプーリ素材の状態を拡大して示す
断面図である。

【図５】仕上げ成形時のプーリ素材の状態を拡大して示
す断面図である。

【図６】ロータ共締め式のプーリ成形装置本体の断面図
で、同図において中心線より左側は予備成形工程での状
態を、右側は仕上げ成形工程での状態を示す。

【図７】ロータ共締め式のプーリ成形装置本体の予備成
形前の状態を示す断面図である。

【符号の説明】

８　　　　多状Ｖ溝プーリ １０　　　　ベルト溝部 １１　　　　プーリ成形装置本体 １２　　　　プーリ素材 １３　　　　上マンドレル １４　　　　下マンドレル １６　　　　雌型 １７　　　　雌型 ２３　　　　平ローラ ２４　　　　成形ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　合わせ部分の外周部にベルト溝成形用
   雌型が形成された二分割式のマンドレルに、外径が前記
   雌型の直径より大きく形成された円環板状のプーリ素材
   を挟圧保持させ、次いで、前記マンドレルを回転させな
   がら前記プーリ素材の外周部に雄型としての予備成形用
   平ローラを圧接させてプーリ素材の外周部を冷間鍛造し
   、前記平ローラをプーリ素材から離間させた後、プーリ
   素材の外周部に、Ｖ溝成形用突条が外周部に複数設けら
   れたＶ溝用成形ローラを圧接させてＶ溝を加圧成形する
   ことを特徴とする多条Ｖ溝プーリの製造方法。