JP3540271B2 - 窓枠体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外壁部に設けられた窓開口の内側に嵌め込まれる窓枠体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記窓枠体の一つとして、縦横各一対の枠材と、縦横の各枠材を方形に配置した状態において相隣接する縦横の各枠材の端部を連結する4本の連結材と、前記縦横の各枠材の前面側端部に設けられたフランジ板部の前面を被覆するカバー材とを備え、4本の前記連結材を介して縦横各一対の計4本の枠材を方形枠状に組み付けて、その4隅の各方形欠落部に、前記連結材の前面側端部に一体成形された方形連結片を当てがい、縦横各一対の枠材のフランジ板部の前面を前記カバー材で被覆する構成のものが知られている。なお、以下の説明においては、窓枠体を構成する各部材の位置等の特定に関しては、該窓枠体を外壁部の窓開口に嵌め込んだ状態において、該窓枠体を建築物の室内側から見た状態を基準に定める。従って、窓枠体が外壁部に嵌め込まれた状態において、重力方向を上下方向(縦方向)、水平方向を左右方向(横方向)と定めると共に、建築物の室内側及び室外側の各面をそれぞれ前面(表面)及び背面(裏面)と定め、更に、組立て状態の窓枠体の枠内及び枠外をそれぞれ内側(内端)及び外側(外端)と定める。また、「方形」とは、四つの内角が全て直角であって、隣接する二辺の等しいものと、異なるものとの双方を含む形状を示す。
【0003】
例えば、図19及び図20に示される窓枠体F11は、縦枠材A11と横枠材B11との各端部の互いに直交する部分を連結材J11を介して連結した状態において、連結材J11の前面側端部に一体成形された方形連結片61は、縦枠材A11に接続されて、該縦枠材A11の部分においては、該縦枠材A11のフランジ板部62aと前記方形連結片61とが接続された状態で、その前面中央部に連続して設けられた凹部63a,64にカバー材65aが嵌着された構成である。また、横枠材B11のフランジ板部62bの凹部63bには、別のカバー材65bが嵌着されて、該フランジ板部62bと該カバー材65bの各端面は、前記方形連結片61の内側面に当接している。なお、一対の縦枠材A11と一対の横枠材B11とを4本の連結材J11を介して方形枠状に組み付けた形状は、本発明に係る図2に示される形状とほぼ同一となる。
【0004】
上記窓枠体F11は、その連結部において、縦枠材A11、横枠材B11及び連結材J11の3つの部品が結合され、しかも各カバー材65a,65b は、縦枠材A11及び横枠材B11の各フランジ板部62a,62b の凹部63a,63b に嵌着されているために、図20に示されるように、多数本の仕切線L1 〜L8 が露出して、見栄えが悪くなる不具合があった。また、押出成形品であるために、型成形品に比較して断面精度が悪い縦枠材A11及び横枠材B11と、型成形品である連結材J11とを組み付けているために、両者の接続部である仕切線L1,L8 の部分において隙間が発生して、見栄えが一層悪くなる不具合もあった。なお、仕切線L2 の部分は、組付け時における縦枠材A11の回動支点となるために、該仕切線L2 の部分においては、仕切線L1,L8 の部分程には、隙間は発生しない。
【0005】
また、図21に示される窓枠体F12では、縦枠材A12又は横枠材B12のいずれか一方(図示例では、横枠材B12)のフランジ板部72bに嵌着されて、その表面を被覆するカバー材75bは、連結材J12の方形連結片71の部分を含めて被覆するために、該カバー材75bの端面が露出する。これを防止すべく、前記カバー材75bの端面に小片状の蓋片76を接着等により固着している。なお、図示例では、横枠材B12のフランジ板部72bの正面を被覆するカバー材75bによって、連結材J12の方形連結片71を同時に被覆しているが、縦枠材A12のフランジ板部72aの表面を被覆するカバー材75aによって、前記方形連結片71を同時に被覆する構造もある。
【0006】
このため、上記窓枠体F12では、蓋片76によって、縦横いずれか一方のカバー材75a(75b)の端面を閉塞しないと、該端面が露出して見栄えが悪くなると共に、該端面から内部に浸水して、止水性が悪くなる。また、蓋片76によって、前記端面を被覆する場合には、施工面からは、蓋片76を後付けする必要があって、手間がかかると共に、構造面からは、係合構造ではなくて、接着等の固着構造であるために、脱落し易いという不具合があった。
【0007】
また、図22に示される窓枠体F13は、縦枠材A13及び横枠材B13の各フランジ板部82a,82b には、それぞれカバー材85a,85b が嵌着されて、連結材J13の方形連結片81の手前側には、前記各カバー材85a,85b の端部を部分的に覆った状態で、コーナーカバー材87が当てがわれて、該カバ材ー87は、その裏面側に一体成形された固定片88を介して前記方形連結片81に固定された構造である。
【0008】
このため、上記窓枠体F13では、各カバー材85a,85b の表面に、更に別のコーナーカバー材87が取付けられるために、縦枠材A13及び横枠材B13の各フランジ板部82a,82b に連続した一体感がなくなると共に、両カバー材85a(85b),87の間に段差が生じて、見栄えが悪くなる不具合があった。
【0009】
更に、図23に示される窓枠体F14は、縦枠材A14及び横枠材B14の各フランジ板部92a,92b には、45°の角度で両端部を斜め切断したカバー材95a,95b が嵌着されて、連結材J14の方形連結片91の手前側には、前記各カバー材95a,95b の端部の斜め切断部が配置されて、連結材J14の方形連結片91を覆った構造である。
【0010】
このため、上記窓枠体F14では、各カバー材95a,95b の両端部を45°の角度で斜め切断する必要があるために、斜め切断のための専用治具が必要であって、該治具を使用しても、切断角度の精度出しが難しく、その精度が悪い場合には、各カバー材95a,95b の接続部に隙間が生じたり、部分的に重なって接続できない等の不具合があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記構成の窓枠体において、4本のフランジ板部で形成される部分の意匠性を高めて、見栄えを良好にすることを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、縦横各一対の枠材と、縦横の各枠材を方形に配置した状態で相隣接する縦横の各枠材の端部を互いに連結する4本の連結材と、前記縦横の各枠材の前端部に設けられたフランジ板部の表面を被覆する4枚のカバー材とを備え、前記カバー材は、前記枠材のフランジ板部の表面のほぼ全域を被覆可能な形状であり、前記連結材の前端部には、前記枠材のフランジ板部とほぼ同一の横断面形状であって、縦横のいずれか一方の枠材のフランジ板部の長手方向における隣接位置に配置される方形連結片が、一体成形された構成の窓枠体であって、前記カバー材には、横断面視において、少なくとも一方の側に側面被覆部が背面側に折れ曲がった状態で設けられて、前記フランジ板部の少なくとも一方の側面を覆い、縦横いずれか一方の枠材のフランジ板部の表面と、該フランジ板部の長手方向の一端又は両端に接続された前記連結材の方形連結片の表面との両表面を一枚の前記カバー材で被覆した状態において、前記方形連結片に一体成形された蓋体部がカバー材の端面を無段差で覆うようになっていること、その特徴としている。
【0013】
請求項1の発明では、縦枠材又は横枠材の前端部のフランジ板部の表面を被覆している4枚のカバー材のうち、自身の端部で連結材の方形連結片の表面を被覆している特定のカバー材の端面は、該方形連結片に一体成形された蓋体部によって無段差で閉塞された構造になっている。このように、カバー材の端面は、方形連結片に一体成形された蓋体部により無段差で閉塞されて、前記端面の見栄えが良好になると共に、該蓋体部は、方形連結片に一体成形されているために、脱落の恐れもない。また、前記蓋体部は、方形連結片に一体成形されていて、その肉厚を0.5〜2mm程度の薄肉成形することもできて、外観上、前記蓋体部の存在は、殆ど認識されないようにもでき、これにより、カバー材の端面の見栄えが一層良好となる。
【0014】
また、縦枠材、横枠材、及び連結材の方形連結片を組み付けることにより、その接続部に生ずる仕切線の全て、或いはほぼ全てが、カバー材により被覆されるために、表面に現れる仕切線は、カバー材どうしの接続線となって、窓枠体の前面の各フランジ板部の部分の連続一体感が生ずることにより、方形枠状に組まれた各フランジ板部の部分の見栄えも良好となる。
0015
また、請求項の発明は、請求項の発明を前提として、横断面視において、カバー材本体部の両側に側面被覆部が、ほぼ直角に背面側に折れ曲がった状態でそれぞれ一体成形されていることを特徴としている。この構成により、縦枠材又は横枠材のフランジ板部の表面の全域がカバー材に被覆されて、その表面には、カバー材どうしの接続線のみが仕切線として生ずるのみであるために、方形枠状に組まれたフランジ板部の部分の見栄えが一層良好となる。
0016
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明を前提として、前記蓋体部の外形線は、直交して接続する別のカバー材の長手方向の外形線の延長線上に位置していることを特徴としており、相隣接するフランジ板部の外形線が連続しているために、方形枠状に組まれたフランジ板部の部分の見栄えが一層良好となる。
0017
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記蓋体部の肉厚は、0.5〜2mmであることを特徴としている。蓋体部は、連結材の前端の方形連結片に一体に設けられているため、0.5〜2mmの薄肉であっても、脱落の恐れはなく、またこれにより外観上その存在が認識しづらくなって、フランジ板部の端面の開口を見栄えよく閉塞できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例の窓枠体F1 の分解斜視図であり、図2は、組付状態の窓枠体F1 の斜視図であり、図3は、窓枠体F1 の左下の部分の拡大分解図であり、図4は、組付状態の窓枠体F1 の左下の部分の拡大斜視図であり、図5は、同じく拡大正面図であり、図6は、図5のX1 −X1 線拡大断面図である。なお、以下において、連結材J1,J2 、縦横の各枠材A,Bの各部分において、構造は同一であるが、対応する部分が縦枠材Aに係るものであるか、或いは横枠材Bに係るものであるかのみが異なる部分には、同一符号にそれぞれ添字「a」,「b」を付して、区別する。図1ないし図6に示される窓枠体F1 は、一対の縦枠材Aと、同じく一対の横枠材Bと、縦横の各枠材A,Bを方形に配置した状態で、直交して相隣接する縦横の各枠材A,Bを互いに連結する4本の連結材J1(J2)と、前記縦横の各枠材A,Bの前端部に一体成形されたフランジ板部2a1 (2b1) の表面を被覆する4枚のカバー材Ca1 (Cb1) とで構成される。
【0019】
また、縦横の各枠材A,Bは、押出成形品であって、本体板部1a(1b)と、配置状態において前記本体板部1a(1b)の前端部に、これと直交して一体成形されたフランジ板部2a1 (2b1) とで構成される。本体板部1a(1b)には、前記連結材J1(J2)の差込み片13a,13b が挿入される複数の差込み孔3a(3b)が前記本体板部1a(1b)の長手方向に貫通形成されていて、隣接する差込み孔3a(3b)の間には、ビス下孔4a(4b)が形成されている。また、図5及び図6に示されるように、フランジ板部2a1 (2b1) との表面側には、長手方向に連続する凹部5が設けられていて、該凹部5を成形する対向内壁面6には、係合突条7が長手方向に沿って設けられている。前記凹部5は、幅方向の両端部を除く部分に設けられていて、組付状態において、フランジ板部2a1 (2b1) の外側となる部分には、外側板部8が背面側に折れ曲がった状態で設けられていて、外側の係合突条7は、前記外側板部8の内側に、これと平行に設けられた内壁面形成板部9に設けられている。
【0020】
また、一対の縦枠材Aと一対の横枠材Bとを方形枠状に連結して一体に組み付けるには、2本ずつの計4本の連結材J1,J2 が必要であり、各連結材J1,J2 は、四角棒状をした連結材本体部11の長手方向の一端部に、方形連結片12の一隅部が一体成形された構成であるために、窓枠体F1 の対角線方向に沿った各連結部に使用される各連結材J1(又はJ2)は、同一構成になっているが、相隣接する連結部に使用される各連結材J1,J2 は、連結材本体部11に対する方形連結片12の一体成形位置が異なるのみで、他の構成は、同一である。従って、一方の連結材J1 の構成についてのみ説明する。
【0021】
即ち、連結材J1 を構成する四角棒状の連結材本体部11の直交して隣接する2面には、それぞれ差込み片13a,13b が、前記連結材本体部11の長手方向に沿って所定間隔をおいて突設され、前記連結材本体部11と前記方形連結片12とが交差する部分には、縦横の各枠材A,Bを方形枠状に組んだ状態において、相隣接する各枠材A,Bの外側面と、各枠材A,Bの前端部の前記フランジ板部2a1, 2b1の背面とにそれぞれ当接される横断面L字状をした各当接板部14a,14b が、前記各差込み片13a,13b と同一方向に突設されている。
【0022】
また、前記方形連結片12は、組付状態において、縦枠材Aのフランジ板部2a1に接続されるために、その横断面の外形は、該フランジ板部2a1のそれとほぼ同一になっていて、図7に示されるように、その前面には、凹部15が設けられていて、該凹部15を成形する対向内壁面16には、係合突条17が前記差込み片13aの突設方向(組付状態において上下方向)に沿って設けられている。そして、方形連結片12の前記凹部15における縦枠材Aのフランジ板部2a1と接続される側は、開口していると共に、その反対側には、該方形連結片12の表面側に被覆されるカバーCa1の端面を覆う蓋体部18が一体成形されている。この蓋体部18の外形は、カバー材Ca1の横断面形状の外形と同一になっている。このため、図2ないし図4に示されるように、縦枠材Aのフランジ板部2a1と、その長手方向の両端に接続される各方形連結片12との表面を、1枚のカバー材Ca1で覆った状態においては、該カバー材Ca1の表面は、蓋体部18の表面と無段差となって連続している。前記蓋体部18の肉厚は、組付状態において、カバー材Ca1の端面を閉塞する機能を果たしたうえで、外観上その存在を認識しらくするために、0.5〜2mm程度が好ましく、既述の通り、連結材J1,J2 は、型成形品であるので、上記肉厚での成形は、可能である。
【0023】
また、一方のカバー材Ca1は、縦方向に配置されて、縦枠材Aのフランジ板部2a1と、その長手方向の両端に連続して接続される連結材J1,J2 の各方形連結片12との各表面側を覆うためのものであり、他方のカバー材Cb1は、横方向に配置されて、横枠材Bのフランジ板部2b1の表面側を覆うためのものである。各カバー材Ca1, Cb1は、押出成形品であって、その横断面は、全長に亘って一定していて、図6に示されるように、前記各フランジ板部2a1, 2b1の表面側を覆うカバー材本体部21の幅方向の一端部に、組付状態において前記各フランジ板部2a1, 2b1の外側面側を覆う側面被覆部22が背面側にほぼ直角に折れ曲がって一体成形されていると共に、その他端部は、各フランジ板部2a1, 2b1及び方形連結片12の平面部に対する連続性を確保すべく、アール面取りされた構成である。また、前記カバー材本体部21の背面には、一対の係合板部23が、前記各フランジ板部2a1, 2b1の前面の凹部5の幅に対応する間隔をおいて突設されて、各係合板部23の先端部外側には、前記各フランジ板部2a1, 2b1の係合突条7と係合可能な係合爪部24が設けられている。従って、縦方向に配置されるカバー材Ca1の長さは、縦枠材Aのフランジ板部2a1の長手方向の両端に、連結材J1,J2 の各方形連結片12を接続した長さと同一であり、横方向に配置されるカバー材Cb1は、横枠材Bの長さと同一である。
【0024】
そして、2本ずつの計4本の連結材J1,J2 を使用して、一対の縦枠材Aと、一対の横枠材Bとを方形枠状に組み付けて、窓枠体F1 を形成するには、以下のようにして行う。まず、図1に示されるように、互いに直交して接続される縦横の各枠材A,Bの差込み孔3a,3b に、連結材J1(J2)の各差込み片13a,13b を差し込んで、縦横各一対の枠材A,Bを方形枠状に連結して組み付ける。この状態では、縦枠材Aのフランジ板部2a1の長手方向の両端部(上下端部)に、それぞれ連結材J1,J2 の各方形連結片12が接続されると共に、横枠材Bのフランジ板部2b1の両端面は、その左右両端に配置された連結材J1,J2 の各方形連結片12の内側面に当接した状態となる。
【0025】
次に、縦枠材Aのフランジ板部2a1の上下端部に、それぞれ連結材J1,J2 の各方形連結片12が接続されて、各凹部5,15が連続している部分に、カバー材Ca1を押し込んで被覆させる。これにより、図6及び図7に示されるように、カバー材Ca1の係合爪部24と、縦枠材Aのフランジ板部2a1及び上下の連結材J1,J2 の各方形連結片12にそれぞれ設けられた係合突条7,17とが係合して、カバー材Ca1のカバー材本体部21が、前記フランジ板部2a1及びその上下の各方形連結片12の表面に密着して、それらの表面側が被覆されると共に、その側面被覆部22が、前記フランジ板部2a1の外側板部8、及びその上下の各方形連結片12の外側板部19の更に外側に配置されて、前記各外側板部8,19が被覆されて、図2に示されるようになる。そして、この窓枠体F1 は、図8に示されるように、建築物の外壁部及びユニットバス(図示せず)の内壁部の各窓開口に嵌め込まれて使用される。また、各連結材J1,J2 の本体部11に設けられたビス孔に挿通されたビス(いずれも図示せず)を、縦横の各枠材A,Bのビス下孔4に螺入させて、各連結材J1,J2 と各枠材A,Bとの連結を確実にしているが、各図においては、前記ビス孔とビスとの図示を省略してある。なお、連結材J1,J2 の差込み片13a(13b)を縦横の各枠材A,Bの各差込み孔3a(3b)に挿入して、互いに圧接させることによって、ビスを用いないで連結することも可能である。
【0026】
そして、上記した組付状態においては、縦方向に配置されるカバー材Ca1の上下の各両端面は、当該部分に配置されている連結材J1,J2 の各方形連結片12に一体成形された蓋体部18によって被覆され、しかも、該蓋体部18の形状からして、カバー材Ca1と蓋体部18との表面は、無段差となって接続していると共に、蓋体部18自体が薄肉であるために、その存在は、殆ど認識されないことは、上記した通りである。
【0027】
また、図4及び図5に示されるように、本窓枠体F1 は、従来の窓枠体F11との対比においては、図20に示される各仕切線L1,L3,L5,L8 が全く現れなくなる(隠れる)と同時に、仕切線L4,L6 に関しても、カバー材Ca1の内端と縦枠材Aの本体板部1aの内端との間の見え幅(W)〔図6参照〕が極めて狭くなっていることと、該見え幅(W)の部分と、前記本体板部1aの内端部のアール面取り部とが、重複して同化することとが相俟って、従来の窓枠体F11の仕切線L4,L6 に対応する各線、及び従来の仕切線L2 に対応する仕切線L2'も殆ど認識されなくなる。また、カバー材Ca1の両端面を被覆している蓋体部18の肉厚は、極めて小さいために、従来の窓枠体F11の仕切線L7 に相当する仕切線L7'は、認識されにくくなる。このように、各部材の仕切線の数が激減して、窓枠体F1 の前面のフランジ板部の部分に現れる仕切線は、各カバー材Ca1, Cb1どうしのもののみとなって、前記フランジ板部の部分に連続一体感が生じて、当該部分の見栄えが良好となる。
【0028】
引き続いて、本発明の別の実施例について説明する。図9ないし図11に示される第2実施例の窓枠体F2 のフランジ板部2a2, 2b2は、前記第1実施例のフランジ板部2a2 ,2b2の外側板部8、及び方形連結片12の外側板部19の双方を欠落させた構成であって、他の構成は、前記第1実施例と同一である。縦横の各枠材A,Bの各フランジ板部2a1, 2b1の内壁面形成板部9は、カバー材Ca2, Cb2の外側被覆部22により被覆されるために、前記各外側板部8,19は、不要であるとした設計であって、縦横の各枠材A,Bの成形コストの低減が図られる。
【0029】
また、図12ないし図14に示される第3実施例の窓枠体F3 は、各カバー材Ca3, Cb3の本体部21の内端面が、フランジ板部2a3, 2b3の内端部を構成し、しかも本体板部1a,1b を構成する内側の板部1a1, 1b1の最先端部の外側に当接して、該板部1a1, 1b1の前端部のアール面取り面と、カバー材本体部21の表面とが連続面となっている構成のみが、前記第2実施例の窓枠体F2 と異なる。本第3実施例においては、従来の窓枠体F11の仕切線L4,L6 に相当する仕切線L4', L6'は残るが、該仕切線L4', L6'は、前記本体板部1aの内端部のアール面取り部と重複して同化するために、目立たなくなる利点がある。
【0030】
更に、図15ないし図17に示される本発明の第4実施例の窓枠体F4 は、縦横の各枠材A,Bを構成するフランジ板部2a4, 2b4の内外の両側面に係合突条7’が設けられていると共に、各カバー材Ca4, Cb4は、その幅方向の両端部にそれぞれ側面被覆部22が設けられて、その先端部の内側に係合爪部25が設けられた構成である。このため、前記各フランジ板部2a4, 2b4の表面側を各カバー材Ca4, Cb4で覆って、前記係合突条7’と前記係合爪部25とを係合させると、各カバー材Ca4, Cb4は、各フランジ板部2a4, 2b4に取付けられる。この構造によって、第2実施例の窓枠体F2 において僅かに現れていた各仕切線L2', L4', L6'が完全に隠蔽されると共に、成形不良、組付不良等に起因して、従来の窓枠体F11の仕切線L1,L8 の部分に僅かに隙間が発生していても、該隙間までもが隠蔽される利点がある。また、第4実施例では、縦方向に配置されたカバー材Ca4の端面線L11と、横方向に配置されたカバー材Cb4の外側線L12とが一直線状に連続していて、蓋体部18の肉厚線は、その外側に配置される構造になっているために、前記端面線L11と前記外側線L12とが合致して一直線状になることにより、フランジ板部の部分の見栄えが一層良好となる利点もある。
【0031】
また、図18に示される窓枠体F2 は、各連結材J1(J2)を構成する方形連結片12に一体成形された蓋体部18が、組付状態において、それぞれ縦方向及び横方向に配置されて、各カバー材Ca5,Cb5の開放側の各端面を被覆する構成のものである。また、窓枠体の全体形状としては、縦長の窓開口に対応した縦長形状の場合もあり得る。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る窓枠体は、縦枠材、横枠材、及び連結材の方形連結片を組み付けることにより、その接続部に生ずる仕切線の全て、或いはほぼ全てが、カバー材により被覆されるために、表面に現れる仕切線は、カバー材どうしの接続線となって、窓枠体の前面の各フランジ板部の部分の連続一体感が生ずることにより、方形枠状に組まれた各フランジ板部の部分の見栄えが良好となる。
【0033】
また、カバー材の端面は、方形連結片に一体成形された蓋体部により無段差で閉塞されて、前記端面の見栄えが良好になると共に、該蓋体部は、方形連結片に一体成形されているために、脱落の恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の窓枠体F1 の分解斜視図である。
【図2】同じく組付状態の窓枠体F1 の斜視図である。
【図3】窓枠体F1 の左下の部分の拡大分解図である。
【図4】組付状態の窓枠体F1 の左下の部分の拡大斜視図である。
【図5】同じく拡大正面図である。
【図6】図5のX1 −X1 線拡大断面図である。
【図7】方形連結片12の横断面図である。
【図8】窓開口に窓枠体F1 が嵌め込まれた状態の斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例の窓枠体F2 の右下の部分の拡大斜視図である。
【図10】同じく拡大正面図である。
【図11】図10のX2 −X2 線断面図である。
【図12】本発明の第3実施例の窓枠体F3 の右下の部分の拡大斜視図である。
【図13】同じく拡大正面図である。
【図14】図13のX3 −X3 線断面図である。
【図15】本発明の第4実施例の窓枠体F4 の右下の部分の拡大斜視図である。
【図16】同じく拡大正面図である。
【図17】図16のX4 −X4 線断面図である。
【図18】本発明に係る別の窓枠体F2 の斜視図である。
【図19】従来の窓枠体F11の左下の部分の分解斜視図である。
【図20】同じく組付状態の斜視図である。
【図21】(イ)は、カバー材75bの端面を蓋片76で閉塞する構成の従来の窓枠体F12の右下の部分の分解斜視図であり、(ロ)は、同じく組付状態の概略正面図である。
【図22】(イ)は、縦横の各カバー材85a,85b の連結部をコーナーカバー材87で覆う構成の従来の窓枠体F13の右下の部分の分解斜視図であり、(ロ)は、同じく組付状態の概略正面図である。
【図23】(イ)は、縦横の各カバー材95a,95b の両端部を斜め切断して接続する構成の従来の窓枠体F14の右下の部分の分解斜視図であり、(ロ)は、同じく組付状態の概略正面図である。
【符号の説明】
A:縦枠材
B:横枠材
Ca1〜Ca5:カバー材(縦配置)
Cb1〜Cb5:カバー材(横配置)
1,F2 :窓枠体
1,J2 :連結材
2a1〜2a4:縦枠材のフランジ板部
2b1〜2b4:横枠材のフランジ板部
12:方形連結片
18:蓋体部

Claims (4)

  1. 縦横各一対の枠材と、縦横の各枠材を方形に配置した状態で相隣接する縦横の各枠材の端部を互いに連結する4本の連結材と、前記縦横の各枠材の前端部に設けられたフランジ板部の表面を被覆する4枚のカバー材とを備え、
    前記カバー材は、前記枠材のフランジ板部の表面のほぼ全域を被覆可能な形状であり、前記連結材の前端部には、前記枠材のフランジ板部とほぼ同一の横断面形状であって、縦横のいずれか一方の枠材のフランジ板部の長手方向における隣接位置に配置される方形連結片が、一体成形された構成の窓枠体であって、
    前記カバー材には、横断面視において、少なくとも一方の側に側面被覆部が背面側に折れ曲がった状態で設けられて、前記フランジ板部の少なくとも一方の側面を覆い、
    縦横いずれか一方の枠材のフランジ板部の表面と、該フランジ板部の長手方向の一端又は両端に接続された前記連結材の方形連結片の表面との両表面を一枚の前記カバー材で被覆した状態において、前記方形連結片に一体成形された蓋体部がカバー材の端面を無段差で覆うようになっていることを特徴とする窓枠体。
  2. 前記カバー材には、横断面視において、カバー材本体部の両側に側面被覆部が、ほぼ直角に背面側に折れ曲がった状態でそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項に記載の窓枠体。
  3. 前記蓋体部の外形線は、直交して接続する別のカバー材の長手方向の外形線の延長線上に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の窓枠体。
  4. 前記蓋体部の肉厚は、0.5〜2mmであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の窓枠体。
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