JP3540113B2 - 災害状況管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防災、救急等の分野における画像や音声情報の取得、画像処理、情報解析、情報伝達の技術に係り、より詳しくは、多面的に取得した目標物の映像から静止画像を取得してその静止画像の特徴を解析し、解析結果に基づいて所用の災害対応措置等をとるための支援情報の生成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
地震、台風、津波等、我が国は他の国よりも天災の発生度合いが比較的多い。特に、都市震災時には、地震そのものによる被害のほかに、二次災害としての広域火災や津波による被害も予想される。そのため、防災、救急等の分野では、災害発生時に適切な応急対策を講じ、被害を最小限に止めるためのシステム作りが重要視されている。
【0003】
この種の分野では、現在、複数の関係行政機関同士を有線及び無線による通信網で結んで連絡手段を確保し、災害発生時に迅速に必要な措置をとれるようになっている。また、各都道府県や市町村には、防災行政無線網や市町村無線網が設けられ、さらに市町村には、街角に建てられた拡声設備等によって住民へ通報できるようになっている。しかし、これらの通信連絡手段は、まだ人手による電話連絡が中心であり、迅速性や正確性に欠ける。
【0004】
また、実際に災害が発生したときに、その被害を最小限に止めることができるかどうかは、災害の状況をいかに正確且つ迅速に把握し、当該災害発生地域の事情を考慮した適切な措置を講じれるかどうかにかかる。従来、大規模な災害が発生すると、ビデオカメラのような撮影装置を搭載したヘリコプターで災害発生地域の上空の映像を撮影し、撮影した映像を無線通信手段を用いて地上基地局に伝送すること等が行われている。この場合、地上基地局では、撮影装置の操作者と無線連絡をとりながら撮影範囲等を指示するとともに、伝送された当該範囲の映像から災害の状況を視覚的に把握し、必要に応じて、防災機関への連絡や消防車両や救急車両等の手配等を行っている。撮影装置で撮影された映像の地上基地局への伝送には、動画像用アナログ無線チャネルが用いられ、音声連絡には音声信号伝送用無線チャネルが用いられている。音声信号伝送用無線チャネルにはVHF帯の専用周波数が割り当てられ、動画像用アナログ無線チャネルにはSHF帯の4波が割り当てられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ヘリコプターが撮影した映像及び音声信号による連絡だけでは、災害の状況を一面的にしか把握することができないので、担当者にとって、災害時の対応策を講じるための適切な判断を行うことは一般的には困難である。また、災害の種別、例えば火災発生の際には、延焼防止を優先させるのか、あるいは人命を最優先させるのかの判断は、当該災害の現在の状況を正しく把握し、且つ地域の事情をも十分考慮してなされなければならない。周知の「火の見やぐら」を各地域に設け、常時監視員を配備しておけば、当該地域の事情ないし地域で災害が発生したときの適切な対応策を講じることは可能であろう。しかし、監視員を常時配備しておくことは現実的でなく、また、実際に災害が発生した場合の関係機関への正しい情報の伝達や迅速な連絡設定については、それをシステム化しておかない限り、著しく困難となる。
【0006】
また、静止画像その他のデジタル情報とコンピュータシステム技術とを活用して災害状況を定量化し、対策の判断をできるだけ客観化することも期待されるが、そのためには既存の通信チャネルのほかに、デジタル情報伝送用の通信チャネルを別途確保しなければならない。
しかし、例えば無線チャネルの場合は、周波数割当が制約されている現状では、それを新規に確保することは著しく困難である。
【0007】
そこで本発明の課題は、災害の「火の見やぐら」的な機能を、既存の通信チャネルと互いに有機的に結合されたコンピュータや通信手段等とを用いて電子的に実現し、災害発生時の正確な情報を迅速且つ的確に関係機関に伝達することができる災害状況管理システム、及びその構成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する災害状況管理システムは、災害発生地域の動画像を撮影する少なくとも一つの撮影装置と、コンピュータから成る情報管理装置とを含んで構成される。前記撮影装置は、前記撮影した動画像の一部の画像領域を静止画像として指定するとともに指定した画像領域の動画像上の相対位置情報をコンピュータ読取可能な形態で前記動画像と共に前記情報管理装置へ出力するように構成されており、前記情報管理装置は、前記撮影装置より取得した前記動画像のうち前記相対位置情報で特定し得る画像領域を静止画像として抽出する静止画像抽出手段と、抽出された静止画像を画像処理可能な形態のデジタル情報に変換する手段と、を備え、変換されたデジタル情報に基づいて前記災害発生地域についての画像処理を行なうことを特徴とする。
【0009】
前記撮影装置は、前記指定に代えて、あるいは前記指定と共に、撮影した動画像の一部の画像領域を別途用意した静止画像と置換するとともに置換した静止画像の前記動画像上の相対位置情報をコンピュータ読取可能な形態で前記動画像と共に前記情報管理装置へ出力するものであってもよい。
【0010】
前記撮影装置の少なくとも一つは、所定のPB信号を解読して当該PB信号に対応する情報を再生する手段と、再生した情報に基づいて自装置の撮影機構及び撮影動作を制御する制御手段とを備えた通信機能付き撮影装置とする。この場合、前記情報管理装置は、前記通信機能付き撮影装置に所要の画像を撮影させるための制御指示情報を前記PB信号に変換する手段と、変換されたPB信号を音声信号伝送用の通信チャネルを通じて伝達する通信設定手段とを備えるようにする。情報管理装置は、また、通信回線に接続された一または複数の他の防災関連情報処理システムとの間で、少なくとも自システムが処理し得る形態のデジタル情報、音声信号、及び前記PB信号の少なくともいずれかの相互伝送を行うための通信チャネルを確立する通信制御手段を備えるようにする。
【0011】
本発明は、また、所定のPB(push button)信号を解読して当該PB信号に対応する情報を再生する手段、及び再生した情報に基づいて自装置の撮影機構を制御し得る撮影制御手段を備えた撮影装置との間で少なくとも音声伝送用の通信チャネルを確立する通信設定手段と、前記撮影装置に所要の画像を撮影させるための制御指示情報を前記PB信号に変換して前記通信設定手段へ送出する手段とを有し、前記PB信号に基づいて前記撮影装置の動作を遠隔制御するように構成された情報管理装置(第1情報管理装置)をも提供する。
【0012】
本発明は、また、その一部の画像領域に静止画像の領域を含む災害発生地域の少なくとも一つの動画像を、前記静止画像の動画像上の相対位置情報と共に取得する情報取得手段と、取得した前記動画像のうち前記相対位置情報で特定し得る画像領域を静止画像として抽出する静止画像抽出手段と、抽出された静止画像を画像処理可能な形態のデジタル情報に変換する手段と、前記デジタル情報に基づいて前記災害発生地域についての災害関連情報を生成する災害関連情報生成手段と、生成された前記災害関連情報を可視化する可視化手段と、を有する第2情報管理装置をも提供する。
【0013】
さらに、地域毎の地理画像を蓄積した地理画像蓄積手段と、その一部の画像領域に静止画像の領域が含まれる災害発生地域の動画像を、前記静止画像の動画像上の相対位置情報、及び少なくとも当該静止画像の撮影位置及び撮影方向を含む撮影条件データと共に取得する情報取得手段と、取得した前記動画像のうち前記相対位置情報で特定される画像領域を静止画像として抽出する静止画像抽出手段と、抽出された静止画像を画像処理可能な形態のデジタル情報に変換する手段と、変換された前記デジタル情報が表す画像特徴と予め規定した地域特徴とを照合して災害発生地域を特定する地域特定手段と、特定された災害発生地域を鍵として前記地理画像蓄積手段から該当する地理画像を索出する第1検索手段と、索出された地理画像を前記撮影条件データを考慮した形態で可視化する可視化手段と、を有する第3情報管理装置をも提供する。
【0014】
第3の情報管理装置においては、情報の付加価値をより高めることが可能である。すなわち、地域毎の建造物・自然物・地盤・交通・河川・港湾の配置、住民数等の地域固有情報を蓄積して成る地域情報蓄積手段と、地域毎に定量化された防災能力を蓄積して成る防災能力蓄積手段と、地域毎の気象情報を更新自在に蓄積して成る気象情報蓄積手段と、前記第1検索手段による該当する地理画像の索出時に該当する防災能力、気象情報、及び地理画像の少なくともいずれかをも索出する第2検索手段と、前記デジタル情報が表す画像特徴と予め規定した災害別画像特徴とを照合して当該災害の種別を特定する災害種別特定手段と、前記特定された災害の種別と前記第2検索手段で索出された情報とを予測パラメータとして当該災害に伴う被害の拡がり予測状況を定量化する災害状況予測手段と、をさらに備え、前記可視化手段が、前記定量化された被害の拡がり予測状況を前記地理画像上にマッピングするように構成する。定量化された被害の拡がり予測状況は、新たな予測パラメータの取得に伴って随時更新されるようにする。
【0015】
なお、前記デジタル情報、前記災害発生地域、前記災害種別、前記予測パラメータ、及び、随時更新された前記被害の拡がり予測状況を時系列にコンピュータ読取可能な記憶媒体に蓄積する災害履歴取得手段をさらに備えることにより、災害の客観的な分析を事後的に行えるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による災害状況管理システムの構成図である。
この災害状況管理システム1は、情報センサ系として、無線通信機能付き撮影装置2から、SHF帯(15GHz)のアンテナ4を介して映像例えばNTSC信号を受信し、これを復調及び再生する映像受信装置5と、上記撮影装置2との間でVHF帯(400MHz帯)のアンテナ6を介して音声信号とPB信号の一例であるDTMF信号(dual tone multi-frequency信号、以下同じ)の相互伝送を行う無線通信装置7とを有している。
【0017】
また、有線回線のみ、あるいは有線回線と無線回線とから成るネットワークLとの間に、防災無線チャネル、専用回線、公衆回線、あるいは通信衛星と通信チャネルを確立するための回線制御装置8を設けている。そして、この回線制御装置8を通じて、固定型、あるいは携帯型の有線通信機能付き撮影装置3や、複数の関連システム、例えば消防機関や自治体等に設置される防災関連情報処理システムから、音声信号、DTMF信号、動画像等のアナログ情報、静止画像等のデジタル情報が情報管理装置10及びメディア変換装置9に入力されるようになっている。
【0018】
本実施形態で用いるDTMF信号は、情報管理装置10から撮影装置2,3に向けて生成される制御指示情報、撮影装置2,3から情報管理装置10に向けて伝送される応答情報、情報管理装置10と関連システムとの間で音声信号と共に伝送される情報を複数のPB信号の組み合わせに変換した信号であり、連絡設定用の音声号の存在とは無関係に、音声信号伝送用の通信チャネルに向けて送出される。なお、DTMF信号については、電子情報通信ハンドブック(昭和63年3月発行、p2678等)の記載を参考にすることができる。
【0019】
メディア変換装置9は、回線制御装置8を通じて関連システムや撮影装置3から複数の形態で伝送されてくる動画像や静止画像、制御情報等を自システムで扱うことができる情報形態に変換するとともに、静止画像の分離、動画像フレームの編集等を行なうものである。回線制御装置8やメディア変換装置9の動作状態は、入力画像の形態に応じて選択された静止画像復号化装置11及び動画像復号化装置12で復号化された情報を分配装置13を介してモニタ14で視覚的に把握することにより確認することができる。分配装置13の出力は、VTR15にも記録し、事後的に記録内容を再生することができるようになっている。
【0020】
次に、無線通信機能付き撮影装置2の実施の形態を説明する。
この撮影装置2は、通常、ヘリコプターのように、災害発生時に当該災害発生地域の上空に移動自在に位置することができる飛行体に搭載されて使用される。本実施形態の撮影装置2は、図2に示すように、無線通信装置101に接続されたVHF帯アンテナ21、映像送信装置113に接続されたSHF帯アンテナ22、目標物の動画像を撮影するための可視光線カメラC1、目標物の赤外線写真(静止画像)を撮影するための赤外線カメラC2を有している。無線通信装置101は、地上側に設置される上記VHF帯アンテナ6との間で音声信号伝送用の無線チャネル(第1無線チャネル)を確立するものであり、映像送信装置113は、地上側に設置される上記SHF帯アンテナ4との間で映像伝送用の無線チャネル(第2無線チャネル)を確立するものである。
【0021】
VHF帯アンテナ21より受信された音声信号及びDTMF信号は、無線通信装置101で復調される。復調された各信号は、オンライン(OL)接続装置102を介してオンライン(OL)制御装置103に入力される。また、N−BOX104を介してモニタ装置105にも入力される。さらに、画像・音声分配装置109にも入力される。OL接続装置102は、双方向接続された無線通信装置101とOL制御装置103との間のプロトコルの整合をとる装置である。具体的には、無線通信装置101が採用する通信手順と、OL制御装置103が採用するDTMF信号を用いたプロトコルとの相互変換を行う。
【0022】
OL制御装置103には、OL接続装置102のほか、ジンバル制御装置106が双方向接続されている。このジンバル制御装置106は、可視光線カメラC1と赤外線カメラC2を駆動するための公知のジンバルユニット107を制御するものである。また、入力側に位置・姿勢検出装置111が接続され、出力側に画像編集装置110とミクサ112とが接続されている。位置・姿勢検出装置111は、ヘリコプターの計器から撮影時のヘリコプター高度、姿勢、方向、速度の情報を取得するとともに、上記計器に付属されるGPS受信装置から撮影時のヘリコプターの位置情報を取得するものである。
【0023】
OL制御装置103の内部構成は図3に示す通りであり、コマンド等検出部201において、OL接続装置102より導かれるDTMF信号を解析して制御指示情報、具体的には各種カメラC1,C2の制御コマンド、撮影経度・緯度・高度・移動速度等の指示情報その他の付加情報を検出する。検出されたコマンドの内容をコマンドリスト203を参照してコマンド解析部202で特定し、特定したコマンドの内容をコマンド実行部204で具体化させる。コマンドリスト203は、例えば図4に示すように、DTMF信号で表されるコマンドとその内容とを対応付けて蓄積したリストの内容例を示す図である。図4によれば、赤外線カメラC2をON駆動する場合のコマンドは、「01」として認識されるDTMF信号に対応している。他のコマンドの内容についても同様の見方をすることができる。コマンド実行部204の実行結果は、撮影対象領域特定部205に通知される。
【0024】
撮影対象領域特定部205は、具体化されたコマンドの内容と位置・姿勢検出装置111より取得したヘリコプターの現在高度や姿勢等のデータとから撮影対象領域を三次元的に特定するとともに、伝送対象となる静止画像の置換位置または指定位置を表すフレーム位置(動画像に対する静止画像の相対位置)の情報を作成する。なお、ヘリコプターのような飛行体からの撮影対象領域の特定に際しては、例えば特開平8−285590号公報に開示されている「位置特定方法及び装置」の技術を利用することができる。作成されたフレーム位置の情報は、画像編集装置110に送出される。また、位置・姿勢検出装置111より取得した撮影高度等の情報は、ミクサ112に送出される。さらに、特定された撮影対象領域の情報はジンバル制御量算出部206に通知され、ここで必要なジンバル制御量が算出されてジンバル制御装置106に送出される。ジンバル制御装置106からは、制御結果情報、すなわちコマンドレスポンス、コマンド正常実行/異常実行等の情報が入力される。
【0025】
制御結果取得部207は、この制御結果情報を取得してDTMF信号生成部208に通知する。DTMF信号生成部208は、コマンド解析部202に保持されているもとのコマンドを取得し、取得したコマンドとその制御結果情報とを組にしてDTMF信号に変換し、OL接続装置102に向けて送出する。変換されたDTMF信号は、OL接続装置102でプロトコル変換された後、N−BOX104、無線通信装置101、アンテナ22を通じて送信される。
【0026】
もとのコマンドとその制御結果情報との関係を図5に示す。
図5(a)は、受信したコマンド等、図5(b)は情報管理装置10側から送られる制御結果情報である。図5(a)において、付加情報とは、例えば、「右方向に移動して所定倍率で目標物をズーミング撮影し、一定時間経過後に縮小撮影させる・・・」というように、連続した撮影制御を行わせるような情報である。制御結果情報は、その個々の制御内容が正常に行われたかどうかの結果情報である。
【0027】
図2に戻り、各カメラC1,C2で撮影された映像は、ジンバルユニット107を介して画像処理装置108に入力され、ここでガンマ補正や帯域修正がなされ、さらに同期信号が加算されて、外部に伝送可能な形態のNTSC信号に変換される。変換されたNTSC信号は、画像分配装置109に入力され、パイロット用のモニタ装置105や、図示しないVTR、及び画像編集装置110に分配される。
【0028】
画像編集装置110は、動画像フレーム、すなわちNTSCフレームに含まれる個々の画像領域(コマ)の位置等を編集する装置である。具体的には、画像分配装置109より分配されたNTSC信号のうち、OL制御装置103より送られたフレーム位置の画像領域に静止画フラグを挿入する。静止画フラグは、NTSC信号が再生されるときに、当該静止画フラグが挿入された画像領域を静止画像として処理させるための指定情報である。別途用意した静止画像、あるいは赤外線カメラC2で撮影した一または複数の赤外線写真(静止画像)の取得が要求された場合は、これらの静止画像を赤外線カメラC2により撮影してキャプチャリングするとともに、これをNTSCフレームの任意の静止画像と置換する。必要に応じて、音声信号もNTSCフレームの垂直同期成分に重畳する。この音声信号は、単方向の音声信号である。
【0029】
画像編集装置110で編集されたNTSCフレームの例を図6に示す。図6は、30HzのNTSC信号の29コマ目の画像領域に静止画フラグを挿入するとともに、30コマ目の画像領域を静止画像と置換した場合の例を示すものである。なお、静止画フラグや置換対象となる静止画像は複数であってもよく、また、挿入位置や置換位置も任意であってよい。この画像編集装置110の出力は、ミクサ112に送出される。
【0030】
ミクサ112は画像編集装置110で編集されたNTSCフレームに位置・姿勢検出装置111からの撮影位置情報、OL制御装置103からの撮影高度、撮影姿勢、撮影方向、撮影移動速度の撮影条件データを重畳して映像送信装置113に出力する装置である。撮影位置情報や撮影高度情報等はデジタル情報なので、図7に示すように、これらを映像信号変換部301でアナログの映像信号に変換した後にミキシング処理部302へ送る。ミキシング処理部302は少なくともNTSC信号の1フレーム分を一時的に保持し得る容量のフレームメモリを含んで構成され、映像信号同士を重畳させる。ミクサ112から出力されたNTSC信号は、映像送信装置113で増幅された後、SHF帯アンテナ2から送信される。
【0031】
N−BOX104は、送信対象となるDTMF信号と連絡用音声信号とを重畳させる機能と、DTMF信号と共に受信した音声信号を可聴音に変換する際にDTMF信号の信号強度を抑圧して音声信号の信号強度を相対的に高める機能を備えた装置である。これによって、DTMF信号が混入することにより、可聴音が聞き取りにくなることを防止することができる。
【0032】
モニタ装置105はインターフォンやレシーバ等の音声入出力手段と画像表示手段とを備えており、画像・音声分配装置111から分配された画像は画像表示手段で表示され、N−BOX104から送られた音声信号(DTMF信号が抑圧された音声信号)はレシーバで可聴音に変換される。インターフォンは連絡用音声信号を入力するものであり、入力された連絡用音声信号は、N−BOX104及び無線通信装置101を介してVHF帯アンテナ21より送信される。
【0033】
次に、簡易設置型ないし携帯型の通信機能付き撮影装置3について説明する。この撮影装置3は、災害発生時に、上記撮影装置2に代えて、あるいは上記撮影装置2と共に、後述する監視卓503及び情報管理装置10により遠隔制御されて使用される。通常は、災害発生地域の近傍、あるいは一定の高台から災害発生地域の状況を撮影することになる。
【0034】
図8は、この撮影装置3の基本構成図であり、少なくとも可視光線カメラと赤外線カメラとを一体化した撮影機本体C3を有し、さらに、防災無線、専用回線、公衆回線(ISDN、携帯無線網)との間の接続制御を行う回線制御装置LCと、この回線制御装置LCに対して双方向通信可能に接続されたOL制御装置401と、OL制御装置401から出力される制御指示情報に基づいて撮影機本体C3の動作制御を行う制御装置402と、撮影機本体C3が撮影した映像を入力して画像編集を行う画像編集装置403と、画像編集結果を回線制御装置LCに送信する映像送信装置404とを有している。OL制御装置401及び画像編集装置403は、それぞれ前述のOL制御装置103及び画像編集装置110と同一の機能を有する装置である。
【0035】
なお、図8は、基本構成を示したものであり、図示の構成のほか、撮影機本体C3で撮影された映像を監視するモニタ、当該撮影装置の撮影位置や撮影方向等の撮影条件データを取得するためのGPS受信装置及び方位センサ、撮影条件データを画像編集装置403の出力に重畳するためのミクサ(前述のミクサ112と同一機能のもの)を含んで構成してもよい。また、音声信号を用いて本システムの監視卓との間で音声信号による連絡設定を行う場合は、回線制御装置LCとOL制御装置401との間に前述のN−BOX104を設け、音声信号を可聴音に変換する際に、DTMF信号の信号強度を抑圧するようにしてもよい。
【0036】
次に、情報管理装置10について説明する。
本実施形態の情報管理装置10は、各種撮影装置2,3や、関連他システムとの間で通信設定を行ない、災害関連の情報の取得、ないし情報取得のための制御を行うとともに、取得した情報をデジタル情報に変換して所要の処理を行う装置である。この情報管理装置10のうち、データ入力手段、表示手段、回線制御機構以外の部分は、スタンドアロン型のコンピュータに所定のプログラムを読み込ませ、それを実行させることによって実現することができるが、本実施形態では、複数のコンピュータにそれぞれ所要のコンピュータプログラムを読み込ませて分散実行させる場合の例を示す。なお、便宜上、このようなシステム型のものも総称して「情報管理装置」として説明する。
【0037】
本実施形態による情報管理装置10の基本構成例を図9に示す。
この情報管理装置10には、上記撮影装置2からSHF帯アンテナ4と映像受信装置5とを介して取得した映像信号、すなわち、動画像、静止画像(置換されたもの)、動画像フレーム上の静止画像(指定されたもの/置換されたもの)の相対位置を表すフレーム位置情報、撮影位置等の撮影条件データが重畳されたNTSC信号と、VHF帯アンテナと無線通信装置とを介して受信したDTMF信号/音声信号と、撮影装置3や関連システムより受信した同種情報とが入力される。
【0038】
静止画像抽出手段として機能する画像分離装置501は、主として、入力されたNTSC信号を動画像と静止画像とに分離するとともに、撮影位置等の撮影条件データを抽出するための装置である。静止画像の分離は、NTSC信号に重畳されているフレーム位置情報を抽出して動画像上の静止画像の相対位置を解析し、その相対位置に存する静止画像を帰線消去時間内に抽出することによって実現する。動画像についてはそのまま構内ネットワークLLへ送出する。静止画像や撮影条件データについては、通信サーバ502で自装置で処理可能な形態にプロトコル変換されて構内ネットワークLLに送られる。
【0039】
一方、撮影装置2,3及び関連システムより取得したDTMF信号/音声信号は、N−BOX504及び応答情報解析部505にそれぞれ入力される。
N−BOX504は、前述の撮影装置2に備えられるN−BOX104と同一部品であり、相手先へのDTMF信号と連絡用音声信号とを重畳させるとともに、相手先からDTMF信号と共に受信した音声信号を可聴音に変換する際にDTMF信号の信号強度を抑圧して音声信号の信号強度を相対的に高めるための装置である。応答情報解析部505は、DTMF信号が表す応答情報、例えば撮影装置2からの制御結果情報の内容を図示しないリスト格納部を参照して特定するものである。リスト格納部に格納されているリストは、例えば図4に示したコマンドリストと同種のものであり、DTMF信号で表される応答情報に対応する制御結果情報を特定できるようになっている。制御結果情報は、監視卓503に通知される。
【0040】
監視卓503は、インターフォンやレシーバ等の音声入出力手段、キーボードやポインティングデバイスを含んで成るデータ入力手段、モニタ用のディスプレイ装置を含んで成る画像表示手段、電話やデジタル通信装置等から成る関係諸機関との連絡設定手段を備えている。各手段自体は公知のものなので、詳細説明は避ける。監視卓503はまた、例えば撮影装置2,3を遠隔制御するための制御指示情報をDTMF信号に変換するDTMF信号生成部を有している。
【0041】
画像分離装置501からの動画像、通信サーバ502からの静止画像等、後述する災害処理サーバ508及びMMDBサーバ509の処理結果情報は、画像表示手段に表示される。また、N−BOX504から送られた音声信号(DTMF信号が抑圧された音声信号)は、レシーバで可聴音に変換される。インターフォンは、撮影装置2の操作者への連絡用音声信号を直接N−BOX504に入力する。
【0042】
コマンド入力手段は、制御指示情報の入力を受け付け、該当するコマンドを作成するものである。本実施形態では、撮影装置2,3宛の制御指示情報の入力を、例えば図10(a)〜(j)や、図11(a)〜(e)のようなシンボルをディスプレイ装置上に表示することにより視覚的に行う。図10(a)は撮影基本サイズを表すアイコン、(b)は2倍拡大アイコン、(c)は3倍拡大アイコン、(d)は4倍拡大アイコン、(e)はN倍拡大アイコン、(f)はズームアイコンである。また、(g)〜(j)は撮影範囲の移動指示アイコンであり、(g)は右方向、(h)は左方向、(i)は上方向、(j)は下方向を表している。また、図12(a)は360度方向メータ、(b)は傾斜角度、(c)はプリセット撮影、(d)は方面撮影、(e)は現在の撮影地点を中心とした撮影範囲の任意拡大を表している。操作者がこのようなアイコンをポインティングデバイスによる選択、あるいはジョイスティックの操作等によって選択するだけで該当するコマンドが作成されるようになっている。
作成されたコマンドは、DTMF信号生成部で所定のDTMF信号、例えば図4に示したようなDTMF信号に変換され、N−BOX504を介して無線通信装置7やメディア変換装置9に導かれる。無線通信装置7はN−BOX504の出力信号を変調し、VHF帯アンテナ6を介して撮影装置2へ送信する。一方、メディア変換装置9に導かれた情報は、相手先への情報伝送形態に応じた信号に変換され、回線制御装置8を通じて当該相手先へ送信される。
【0043】
可視化手段の一例である表示制御装置506は、構内ネットワークLLを通じて入力された画像情報や文字情報等を表示装置507に表示させる装置である。表示装置507には、多くの者が災害発生ないし拡がり状況を視覚的に把握できるようにするため、プラズマディスプレイや大型パネル画面が用いられる。
【0044】
災害関連情報生成手段及び画像処理手段は、災害処理用DB(データベース)D1を管理する災害処理サーバ508の各種機能と、MMDB(マルチメディアデータベース)D2を管理するMMDBサーバ509の各種機能と、連絡先データベースD3を管理するネットワークサーバ(NCサーバ)510の各種機能の組み合わせによって実現する。MMDBサーバ509は、主として災害処理サーバ508に対して、要求に応じた該当情報を提供するものである。また、NCサーバ510は、災害処理サーバ508の処理結果及び操作者の判断結果等に基づいて連絡先または報告先、緊急メール/電話/画像伝送/ファクシミリ等の連絡方法または報告方法、連絡または報告の内容等を決定するとともに、監視卓503に制御されて、連絡または報告の到達確認処理を行うものである。ここにいう各データベースD1〜D3は、それぞれ情報蓄積、更新、検索の機能を有するものであるが、各機能は、それぞれ自己に接続されているサーバ508〜510側に存在してもよいことはいうまでもない。
【0045】
本実施形態の災害処理サーバ508の機能ブロックと各データベースD1,D2の内容の一例を図12に示す。
災害処理用データベースD1には、構内ネットワークLLを通じて取得した静止画像を随時読出可能に格納する静止画像格納部D11、例えば地域特徴である画素パターンと地域とを対応付けて格納した地域特徴格納部D12、例えば災害別画像特徴である画素パターンまたは赤外線画像による画素色等と火災、水害、地震等とを対応付けて格納した災害特徴格納部D13、災害処理サーバ508の処理履歴を災害別に格納する履歴情報格納部D14、その他の情報格納部が形成されている。赤外線画像を用いるのは、火災の発生の際に火力に応じた色のパターンの画像が得られることによる。
災害処理用データベースD1は、また、履歴情報格納部D14の格納情報を、例えばフレキシブルディスクや光磁器ディスクのようなコンピュータ読取可能な記憶媒体に蓄積するためのデータ書込機構(災害履歴取得手段)をも有している。これによって、履歴情報を他装置ないしシステム側でも、任意の時期に分析等ができるようになっている。
【0046】
また、MMデータベースD2には、地域毎の建造物・自然物・地盤・交通・河川・港湾の配置、住民数等の地域固有情報を格納した地域情報格納部D21、地域毎に例えば数値データによって定量化された防災能力、具体的には当該地域の消防隊のリソース(消防隊員数+消防車両数、レスキュー隊員数、他地域への応援の可否、応援容易性、応援容易な地域のリソース・・・)を格納した防災能力格納部D22、例えば気象衛星から取得した地域毎の気象情報を数値データによって定量化した気象情報を格納する気象情報格納部D23、地域毎の地理画像、例えば画面表示用の地図データを格納した地理画像格納部D24、及びその他の情報格納部が形成されている。気象情報格納部D23は、MMDBサーバ509によって随時更新され、常時最新のものが格納されるようになっている。さらに、連絡先データベースD3には、国や都道府県の通報先、協定消防機関の通知先、緊急メールアドレス等が格納されている。
【0047】
災害処理サーバ508は、画像特徴抽出部601、災害地域特定部602、災害種別特定部603、予測演算部604、及びマッピング処理部605の機能を有する。画像特徴抽出部601は、入力された静止画像の画素濃淡パターンや画素色、あるいはこれらの組み合わせパターン等を抽出して災害地域特定部602及び災害種別特定部603へ送出する機能である。必要に応じて静止画像を二値化し、二値化後の画素パターンによって画像特徴を表すようにし、処理を簡略化してもよい。
【0048】
災害地域特定部602は、図13に示す手順で災害発生地域の特定処理を行う。すなわち、画像特徴抽出部601からの画像特徴の入力を契機に、地域特徴格納部D12内に、該当する画素パターンをもつ地域地域が存在するかどうかを検索する(ステップS11,S12)。該当する画素パターンが存在するかどうかは、例えば入力された画素パターンとの類似度が所定のしきい値以上かどうかを基準にすることができる。そして、該当するパターンが存在するときは、そのパターンに対応する地域を災害地域として特定する(ステップS14)。該当する地域特徴が存在しない場合はマニュアル処理を行う(ステップS15)。マニュアル処理とは、監視卓503のデータ入力手段から該当する地域を入力することをいう。画像特徴抽出を要さずとも該当する地域が判明している場合は、地域特徴の検索処理(ステップS11、S12)に代えて、当初よりマニュアル処理を選択することができる。
このようにして災害発生地域が特定されると、災害地域特定部602は、災害発生地域の情報を予測演算部604、マッピング処理部605、及び監視卓503へ送出するとともに(ステップS16)、災害処理データベースD1の履歴情報格納部D14に蓄積させる。処理すべき次の画像特徴がある場合はステップS11に戻り、ない場合は処理を終える(ステップ18)。
【0049】
災害種別特定部603は、図14に示す手順で災害種別特定処理(ステップS21〜S28)を行う。この手順は、災害発生地域の特定処理(ステップS11〜S18)と基本的には同じであり、災害別特徴の検索処理(ステップS22〜S25)の部分のみが異なる。
【0050】
予測演算部604は、上記災害特定処理部602及び災害種別特定部603で特定された災害発生地域、及び災害種別を予測パラメータ検索の鍵情報として当該災害に伴う被害の拡がり予測状況を定量化する。被害の拡がり予測状況とは、被害規模予測とその災害の拡がりそれ自体の予測の双方を含む。この予測状況の定量化の手順を示したのが図15である。
【0051】
図15を参照すると、上述のようにして特定された災害地域及び災害種別をそれぞれ入力し(ステップS31,S32)、これらの情報の少なくとも一方を鍵として当該地域の地域固有情報、気象情報、防災能力をそれぞれMMデータベースD2の地域情報格納部D21,D22,D23より取得する(ステップS33〜S35)。その後、災害規模や被害予測を定量化した値の一例である対策評価値を演算し(ステップS36)、応援リソースが必要な場合は(ステップS37:Yes)、応援容易な地域のリソースを防災能力格納部D23より取得してステップS36に戻る。すなわち、取得した応援リソースを加味して上記対策評価値を再演算する。他の予測パラメータがある場合は、その予測パラメータを取得し(ステップS40)、ステップS36に戻る。他の予測パラメータがない場合は(ステップS39:No)、予測演算結果をマッピング処理部605及び監視卓503へ出力するとともに(ステップS40)、履歴情報格納部D14へ蓄積させて処理を終える(ステップS41)。
【0052】
災害処理サーバ508の処理結果は、各ステップ毎に監視卓503のモニタ画面や表示装置506に表示されるようになっている。例えばマッピング処理部605において、災害発生地域が特定された時点でMMデータベースD2の地理画像格納部D24から該当する地理画像を索出し、これを画像表示データに変換して表示制御装置505に向けて送出する。そして、災害種別の特定、及び対策評価値の演算が行われる度にこれらをオブジェクト化して地理画像上の該当位置にマッピングし、随時画像表示データに変換して表示制御装置505に向けて送出する。従って、上記一連の処理を災害処理サーバ508に自動的に実行させるほか、操作者のマニュアル操作による実行も可能となる。この場合は、例えば監視卓503のモニタ画面上で処理を順次切り換えていくことになる。い
ずれにしても、上述のような画像処理を行うことにより、監視卓503のモニタ画面や表示装置506に、災害発生地域の地理画像と、その地理画像の該当箇所で発生した災害と、その災害種別に起因する被害規模予測と、災害の拡がり予測状況とが表示されるので、担当者は、視覚的に災害状況を把握することができるようになる。
【0053】
図16(a)は上述のようにして災害発生地域が地理画像上にマッピングされた状態を示す図、同(b)は被害規模予測と災害の拡がり予測状況とがマッピングされた状態を示す図である。なお、図示を省略したが、撮影装置2より取得した撮影条件データを活用することにより、図16(a),(b)の地理画像上に撮影装置2の撮影方向をシンボル化してマッピングすることができ、動画像を同時にモニタする場合には、災害状況をより客観的に把握できるようになる。
【0054】
以上のように、本実施形態の災害状況管理システムでは、新たな通信チャネルを増やすことなく、災害の「火の見やぐら」的な機能を電子的に実現することができる。すなわち、撮影装置2,3が、それぞれ撮影した動画像の一部の画像領域を静止画像として指定、あるいは別途用意した静止画像と置換し、指定ないし置換した画像領域の動画像上の相対位置情報と撮影条件データとを動画像と共に映像伝送用の通信チャネルを用いて送信するとともに、情報管理装置10側では、受信した映像信号から動画像、静止画像、撮影条件データをそれぞれ分離抽出し、分離抽出した情報に基づいて災害発生地域についての画像処理を行なうようにしたので、静止画像や撮影条件データを既存の通信チャネルを用いて伝送することができる。
【0055】
また、撮影装置2,3と情報管理装置10との間で伝送しあう制御指示情報やその応答情報を、それぞれDTMF信号に変換して音声信号伝送用の通信チャネルを用いて送信し、音声信号を可聴音に変換する際に当該DTMF信号の信号強度を抑圧するようにしたので、情報管理装置10から撮影装置2,3を遠隔制御するための制御指示情報を既存の通信チャネルを用いて伝送することができる。
【0056】
さらに、地域毎の建造物・自然物・地盤・交通・河川・港湾の配置、住民数等の地域固有情報、地域毎に定量化された防災能力、更新自在の地域毎の気象情報、及び地理画像を蓄積しておき、静止画像の画像特徴と上記蓄積情報とに基づいて該当する災害発生地域の特定、災害種別の特定、当該災害に起因する被害の拡がり状況予測の定量化を自動的に行えるようにしたので、担当者による災害発生時の対策の判断が従来よりも格段に容易になり、しかも、上記特定された災害発生地域や被害の拡がり状況を可視化し、表示装置等の表示によって視覚的に把握することができるので、上記判断をより的確にすることができる。このような機能は、人命、財産、資源の保全を図る上で絶大な効果が期待できるものである。
【0057】
なお、本実施形態では、2種類の撮影装置を挙げて説明したが、撮影装置の種類や数は任意である。また、情報管理装置10における各データベースD1〜D3の蓄積内容も本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変えることができる。さらに、撮影条件データを画像処理の際のパラメータとして使用しない場合には、撮影装置からの伝送を省略することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、災害の「火の見やぐら」的な機能を、既存の通信チャネルと互いに有機的に結合されたコンピュータや通信手段等とを用いて電子的に実現し、災害発生時の正確な情報を迅速且つ的確に関係機関に伝達することが容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の災害状況管理システムの一実施形態を示す構成図。
【図2】本実施形態の無線通信機能付き撮影装置の具体的な構成図。
【図3】上記撮影装置が備えるオンライン制御装置(OL制御装置)の詳細構成図。
【図4】撮影装置側に蓄積されているコマンドリストの内容例を示す説明図。
【図5】コマンド体系の説明図であり、(a)は情報管理装置側から撮影装置側へ伝送されるコマンド等、(b)は撮影装側置から情報管理装置側へ返送される応答情報の例を示す。
【図6】上記撮影装置が備える画像編集装置で編集されるNTSCフレーム構造の一例を示す説明図。
【図7】上記撮影装置が備えるミクサの詳細構成図。
【図8】本実施形態によるミクサから出力されるNTSC信号の部分拡大図。
【図9】本実施形態の有線通信機能付き撮影装置の基本構成図。
【図10】(a)〜(j)は本実施形態によりコマンド作成を行う場合の監視卓のモニタ画面に表示される撮影アイコンの例を示す説明図。
【図11】(a)〜(e)は本実施形態によりコマンド作成を行う場合の監視卓のモニタ画面に表示される撮影アイコンの他の例を示す説明図。
【図12】本実施形態の災害処理サーバの機能ブロック図。
【図13】上記災害処理サーバによる災害地域特定処理の手順説明図。
【図14】上記災害処理サーバによる災害種別特定部の手順説明図。
【図15】上記災害処理サーバによる被害の拡がり状況予測処理の手順説明図。
【図16】(a)は災害処理サーバにより災害発生地域が特定された場合に、表示装置等に表示される画面の例を示す説明図,(b)は被害の拡がり状況予測処理がなされた場合の同画面の変化例を示す説明図。
【符号の説明】
1 災害状況管理システム
2 無線通信機能付き撮影装置
3 有線通信機能付き撮影装置
4 地上側SHF帯アンテナ
5 映像受信装置
6 地上側VHF帯アンテナ
7 地上側無線通信装置
8 回線通信装置
9 メディア変換装置
10 情報管理装置
11 静止画像復号化装置
12 動画像復号化装置
21 VHF帯アンテナ(機上設置用)
22 SHF帯アンテナ(機上設置用)
103,401 オンライン制御装置
104 撮影装置用N−BOX
106 ジンバル制御装置
108 画像処理装置
110、403 画像編集装置
111 位置・姿勢検出装置
112 ミクサ
113,403 映像送信装置
C1 可視光線カメラ
C2 赤外線カメラ
C3 撮影機本体
402 制御装置
501 画像分離装置
503 監視卓
504 システム側N−BOX
505 応答情報解析部
506 表示制御装置
507 表示装置
508 災害処理サーバ
509 マルチメディア・データベースサーバ
510 ネットワークサーバ
D1 災害処理用データベース
D2 マルチメディア・データベース
D3 連絡先データベース

Claims (7)

  1. 災害発生地域の動画像を撮影する少なくとも一つの撮影装置と、コンピュータから成る情報管理装置とを含み、
    前記撮影装置が、前記撮影した動画像におけるフレーム位置を指定して、指定されたフレーム位置の画像領域を静止画像として指定するとともに指定した画像領域の動画像上の相対位置情報をコンピュータ読取可能な形態で前記動画像と共に前記情報管理装置へ出力するように構成され、
    前記情報管理装置は、前記撮影装置より取得した前記動画像のうち前記相対位置情報で特定し得る画像領域を静止画像として抽出する静止画像抽出手段と、抽出された静止画像を画像処理可能な形態のデジタル情報に変換する手段と、を備え、変換されたデジタル情報に基づいて前記災害発生地域についての画像処理を行なうことを特徴とする災害状況管理システム。
  2. 前記撮影装置が、撮影した動画像の一部の画像領域を別途用意した静止画像と置換するとともに置換した静止画像の前記動画像上の相対位置情報をコンピュータ読取可能な形態で前記動画像と共に前記情報管理装置へ出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の災害状況管理システム。
  3. 前記情報管理装置は、さらに、
    前記デジタル情報に基づいて前記災害発生地域についての災害関連情報を生成する災害関連情報生成手段と、
    生成された前記災害関連情報を可視化する可視化手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の災害状況管理システム。
  4. 前記情報管理装置は、
    地域毎の地理画像を蓄積した地理画像蓄積手段と、
    変換された前記デジタル情報が表す画像特徴と予め規定した地域特徴とを照合して災害発生地域を特定する地域特定手段と、
    特定された災害発生地域を鍵として前記地理画像蓄積手段から該当する地理画像を索出する第1検索手段と、
    索出された地理画像を前記撮影条件データを考慮した形態で可視化する可視化手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の災害状況管理システム。
  5. 前記情報管理装置は、
    地域毎の建造物・自然物・地盤・交通・河川・港湾の配置、住民数等の地域固有情報を蓄積して成る地域情報蓄積手段と、
    地域毎に定量化された防災能力を蓄積して成る防災能力蓄積手段と、
    地域毎の気象情報を更新自在に蓄積して成る気象情報蓄積手段と、
    前記第1検索手段による該当する地理画像の索出時に該当する防災能力、気象情報、及び地域固有情報の少なくともいずれかをも索出する第2検索手段と、
    前記デジタル情報が表す画像特徴と予め規定した災害別画像特徴とを照合して当該災害の種別を特定する災害種別特定手段と、
    前記特定された災害の種別と前記第2検索手段で索出された情報とを予測パラメータとして当該災害に伴う被害の拡がり予測状況を定量化する災害状況予測手段と、をさらに有し、
    前記可視化手段が、前記定量化された被害の拡がり予測状況を前記地理画像上にマッピングするように構成されていることを特徴とする請求項4記載の災害状況管理システム。
  6. 前記情報管理装置は、前記定量化された被害の拡がり予測状況が新たな予測パラメータの取得に伴って随時更新されることを特徴とする請求項5記載の災害状況管理システム。
  7. 前記情報管理装置は、
    前記デジタル情報、前記災害発生地域、前記災害種別、前記予測パラメータ、及び、随時更新された前記被害の拡がり予測状況を時系列にコンピュータ読取可能な記憶媒体に蓄積する災害履歴取得手段をさらに有することを特徴とする請求項6記載の災害状況管理システム。
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