JP3538842B2 - 大便器 - Google Patents

大便器

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JP3538842B2
JP3538842B2 JP50781598A JP50781598A JP3538842B2 JP 3538842 B2 JP3538842 B2 JP 3538842B2 JP 50781598 A JP50781598 A JP 50781598A JP 50781598 A JP50781598 A JP 50781598A JP 3538842 B2 JP3538842 B2 JP 3538842B2
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toilet
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JP50781598A
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信次 柴田
健 高木
由美子 片岡
清 藤野
武徳 福島
真吾 田中
宏之 坪井
秀峰 宮原
Original Assignee
東陶機器株式会社
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D11/00Other component parts of water-closets, e.g. noise-reducing means in the flushing system, flushing pipes mounted in the bowl, seals for the bowl outlet, devices preventing overflow of the bowl contents; devices forming a water seal in the bowl after flushing, devices eliminating obstructions in the bowl outlet or preventing backflow of water and excrements from the waterpipe
    • E03D11/02Water-closet bowls ; Bowls with a double odour seal optionally with provisions for a good siphonic action; siphons as part of the bowl
    • E03D11/08Bowls with means producing a flushing water swirl
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D11/00Other component parts of water-closets, e.g. noise-reducing means in the flushing system, flushing pipes mounted in the bowl, seals for the bowl outlet, devices preventing overflow of the bowl contents; devices forming a water seal in the bowl after flushing, devices eliminating obstructions in the bowl outlet or preventing backflow of water and excrements from the waterpipe
    • E03D11/02Water-closet bowls ; Bowls with a double odour seal optionally with provisions for a good siphonic action; siphons as part of the bowl

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
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  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 この発明は、便器のボール部内の汚物を洗浄水を用い
て便器外へ搬送し、便器洗浄を行う大便器に関する。 背景技術 通常の大便器では、便器洗浄のために洗浄水タンク内
に洗浄水を貯留しておき、その洗浄水を便器の中に放出
することがなされている。そして、この洗浄水放出によ
り、便器内の汚物等をその圧力により直接排水部へ押し
流して便器外に搬送する。或いは、便器に上方に湾曲し
て形成したいわゆるサイホン流路を洗浄水放出によりそ
の湾曲部にまで洗浄水で満たし、このサイホン流路にサ
イホン作用を発生させる。そして、このサイホン作用を
併用して汚物等を排出部へ引き込み、汚物を便器外に搬
送することが行われている。この場合、汚物搬送に伴っ
て、ボール部内の洗浄水も搬送されて便器洗浄もなされ
る。このようにタンク内の洗浄水で汚物搬送並びに便器
洗浄を行うためには、一般に、10リットル若しくはそれ
以上の量の水を約30cm程度の高さに蓄えて、この蓄えた
水に位置エネルギを付与することが必要である。 ところで、近年、大都市への人口集中や、世界的な天
候不順のため、生活用水の安定供給が難しくなってい
る。そこで、各自治体、政府は様々な分野にて節水の規
制や呼びかけを行っている。大便器も例外ではなく、例
えば、94年には米国政府が便器洗浄の水量規制を3.5ガ
ロン(約13リットル)から1.6ガロン(約6リットル)
に低減変更したことをはじめ、台湾やシンガポールにお
いても節水化が切望されている。又、日本国内において
も、各市町村単位で、節水化への対応が模索されてい
る。 節水化を図るためによく用いられる手法としては、例
えば、洗浄水タンク内へレンガ等を入れて見かけの貯水
量を減らすことが挙げられる。しかし、この手法では、
便器洗浄に必要な量の洗浄水が得られず、洗浄不良を起
こすという点で十分とは言い難い。 上述の節水化の要求に対し、いくつかの提案がなされ
ているが、その一つとして、特開昭54−18137号や特公
平6−99952号に示されるものがある。これら公報で提
案された技術は、既存の洗浄水タンク内に洗浄水を水道
水圧と同程度に加圧して蓄えるサブタンクを収納してい
る。そして、便器洗浄時にはこのサブタンク内に蓄えら
れ水道水圧と同等のエネルギを持つ加圧水を、便器に放
出する。しかし、これら技術では洗浄水量を少なくでき
る反面、サブタンクの設置に要するだけ洗浄水タンクが
大型化する。このため、トイレ室内が狭いような場合に
はこの大便器が配置できないことがあった。また、洗浄
水タンクをその位置を低くして便器と一体化させたロー
シルエットタイプと称される大便器では、デザイン的な
制約からも洗浄水タンクをサブタンクの収納ができるほ
ど大型化することは困難であった。また、サブタンク内
の加圧洗浄水で便器洗浄をほぼまかなう場合には、サブ
タンク内へ洗浄水が溜まるまでにかなりの時間がかか
る。よって、大便器が連続して使用されて連続洗浄を必
要とする場合には、次の使用者は便器洗浄に際して、サ
ブタンクに洗浄水が溜まるまで待つ必要がある。 更に、特開平5−311719号には別の技術が提案されて
いる。この公報の技術は、横引きタイプの排水トラップ
を有するものであるが、その横引き路を排水口の手前で
上方に屈曲させた上で排水口に連絡させて、排水口の手
前に溜水部を設けており、その溜水部にてシール部を構
成するようになっている。そして、便器の封水部と前記
溜水部との間の空間にある空気を、密封タンク内の水を
便器へ排出することにより生じる密封タンク内に発生す
る負圧で吸い込む。この負圧吸引でトラップ内の空気を
排出し、サイホン作用を早期に発生させて汚物等の排出
効率が高まるようにしたものである。なお、この技術に
おいて、溜水部に通気空間を設けている理由としては、
排水管側に負圧が発生した場合、通気空間が無ければ、
その負圧発生により、溜水部の水のみならず、便器の封
水自体も排水管側へ引っ張られて排水されてしまい、排
水管からの悪臭が便器ボウル面へ逆流してしまうためで
ある。 しかしながら、この技術では、タンク内の負圧を利用
するために、やはりタンクには密封構造が必要となる。
また、封水部下流とタンク内とを接続するため、上記の
ように通気空間を設けたとしても、悪臭がタンク内へ流
入する可能性があるので、別途それを防止する構造も必
要となる。 また、節水化の要求がなされる一方で、上記したロー
シルエットタイプの大便器は、高級感を与えるとして普
及しつつある。このような便器では、洗浄水タンク位置
が低い都合上、洗浄水タンク内の水の位置エネルギが小
さくなる。このため、例えば、特開昭60−203748号に示
されるように、便器内で渦流を形成するよう渦流噴出口
を設けることで、位置エネルギの不足を補っている。し
かし、ローシルエットタイプの便器の洗浄を十分に行う
ためには従来以上に多くの洗浄水を必要としていた。 この発明は、上記の問題点を解決するためになされ、
洗浄能力を維持したまま節水化を図ることを目的とす
る。 また、洗浄能力を維持したまま近年の厳しい節水要求
にも十分に対応できる大便器、特にローシルエットタイ
プの大便器を提供することをも目的とする。 発明の開示 かかる問題の少なくとも一部を解決するため、本発明
の大便器は、 便器のボール部内の汚物を洗浄水により便器外へ搬送
する大便器であって、 前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材
と、 前記ボール部に臨んで開口した開口部を有し、汚物の
搬送のための洗浄水が前記開口から前記ボール部に流れ
込むように流体を吐出する吐出部材と、 該吐出部材が吐出する吐出流体とは別に前記便器内に
貯留され前記開口部に導出可能に用意された貯留洗浄水
を、前記開口部から前記ボール部への洗浄水の流れ込み
を起こす際には、前記開口部に向かう前記吐出流体の流
れにより前記開口部に強制的に導出させ、前記ボール部
内の汚物の搬送に用いられる洗浄水の流量を、前記強制
的な前記貯留洗浄水の導出に伴って増幅する増幅手段を
有する この構成を有する本発明の大便器によれば、吐出部材
から洗浄水を吐出して行う汚物搬送は、吐出部材が吐出
する吐出流体とは別に便器内に貯留して予め用意した貯
留洗浄水の開口部への強制的な導出に伴い流量増幅され
た洗浄水にて行われる。よって、この流量増幅された洗
浄水によりボール部内の汚物を便器外へ搬送して便器洗
浄を図るので、洗浄能力を維持することができる。しか
も、汚物搬送のための洗浄水が開口からボール部に流れ
込むように吐出部材から吐出する流体は、上記した貯留
洗浄水の導出による流量増幅により少量で済むので、節
水化を図ることができる。 この本発明の大便器は、以下の態様を採ることができ
る。第1の態様では、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし前記ボール部
の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体とし
て両流体を混合噴出するジェットポンプを有する。この
ジェットポンプは、前記給水源から供給を受けた水を噴
出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して前記両流
体の通過経路を形成すると共に前記両流体を前記吐出部
材に導くスロートとを有する。 この態様では、駆動ノズルからは、給水源とほぼ同等
の水圧(通常、1〜2kgf/cm2程度)のエネルギを持った
高速・高圧の水が噴出される。そして、この高速・高圧
の噴出水は、駆動流体としてスロートを通過する際に、
エジェクタ作用を引き起こし、被駆動流体として予め用
意された洗浄水を巻き込む噴流となる。しかも、ジェッ
トポンプによる噴流噴出を行うことから、その際の瞬間
流量を増大させる。このため、給水源からの供給水水量
が少量であっても、この供給水が予め用意された洗浄水
の巻き込みにより流量増幅並びに瞬間流量の増大がなさ
れた状態で、スロートから吐出部材に導かれて吐出され
る。よって、ジェットポンプを介して流量増幅並びに瞬
間流量増大が図られた洗浄水によりボール部内の汚物を
便器外へ搬送して便器洗浄を図るので、洗浄能力を維持
することができる。しかも、新たに用いる洗浄水は実際
に駆動ノズルから噴出される少量の水で済むので、節水
化を図ることができる。 なお、以下の説明の便宜上、ジェットポンプを介して
流量増幅並びに瞬間流量増大が図られた洗浄水を、単に
流量増幅洗浄水と呼ぶこととする。 また、給水源はごく普通に用いられている水道管でよ
いので、この給水源から供給された水を駆動ノズルから
吐出するに過ぎず、洗浄能力の維持と節水化を図るに当
たり、負圧を利用する必要がない。よって、便器には密
閉構造や耐圧性能を必要とすることはなく、一般的な陶
器製とすることができる。 しかも、便器とは別体の洗浄タンク装置のように便器
上面に突出する部位を一切なくすことができる。よっ
て、便器をローシルエットタイプとすることができ、デ
ザインの自由度が向上する。また、例えば洗浄水を吐出
して局部洗浄を行う衛生洗浄装置等を便器上面に設置す
る場合であっても、この衛生洗浄装置等に大きさや形状
の制約を課すことがなくなる。このため、衛生洗浄装置
をも含めた便器周辺全体のデザインの自由度が高まり、
より高い高級感を備えた便器を提供できる。 第2の態様は、上記の第1の態様において、 前記駆動ノズルと前記スロートは、前記駆動ノズルの
ノズル径dと前記スロートのスロート径Dとの比の値d/
Dが約0.3〜0.7とされている。 第3の態様は、上記の第1の態様において、 前記スロートは、そのスロート長さLが前記スロート
のスロート径Dの約2〜6倍とされている。 これら態様によれば、駆動ノズルからの水の噴出に伴
うエジェクタ作用を確実に起こさせることができ、流量
増幅並びに瞬間流量の増大を確実に図ることができる。
よって、洗浄能力を維持したままより確実に節水化を図
ることができる。 第4の態様は、上記の第1の態様において、 前記汚物搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した
水を前記用意された洗浄水とする貯留部と、 該貯留部を前記スロートに連通する連通部とを有す
る。 この態様によれば、貯留部の貯留水を連通部を経てス
ロートに導き、この貯留水を駆動ノズルからの噴出水に
巻き込んで流量増幅並びに瞬間流量の増大を図ることが
できる。 第5の態様は、上記の第4の態様において、 前記貯留部は、便器のリム面よりも下方に配設されて
いる。 第6の態様は、上記の第5の態様において、 前記貯留部は、前記ボール部と部分的に区画されて形
成されている。 第7の態様は、上記の第6の態様において、 前記貯留部は、前記ボール部に溜置かれている溜水が
流入可能とされている。 これらの態様によれば、貯留部にはリムからの吐出洗
浄水やボール部の溜水を貯留して、この水を被駆動流体
として利用できる。よって、貯留部への水の貯留のため
だけの特別な構成が不要となり、構成の簡略化を図るこ
とができる。 第8の態様は、上記の第4の態様において、 前記貯留部は、前記便器に着脱自在とされている。 この態様によれば、貯留部の着脱により異なる容量の
貯留部を用いることができる。よって、大便器の使用先
に応じた総流量の洗浄水をボール部に流量増幅並びに瞬
間流量の増大を経て吐出でき、少ない洗浄水で効果的に
汚物を搬送しボール部を洗浄できる。例えば、幼稚園や
オフィスでは、前者は大便器の使用者は汚物排出量の少
ない幼児であるのに対し、後者は汚物排出量が多い大人
である。よって、前者の大便器では少容量の貯留部とし
て洗浄水吐出の際の洗浄水総流量を、後者の大便器より
少なくすることができる。この結果、より効果的に節水
化を図ることができる。 第9の態様は、上記の第1の態様において、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する
排水トラップを有する。そして、ジェットポンプは、前
記排水トラップの上昇管の立上がり箇所から該上昇管の
管路を指向して配設されている。 この態様では、流量増幅洗浄水が排水トラップの立上
がり箇所から上昇管の管路に沿って吐出される。しか
も、ボール部と排水トラップの上昇管とは繋がっている
ので、流量増幅洗浄水の流れにボール部の溜水が巻き込
まれて運ばれる。つまり、上昇管の立上がり箇所から、
流量増幅洗浄水は上昇管にその管路に沿って流れ込む。
このため、上昇管並びにその下流の管路はこの流量増幅
洗浄水で速やかに満たされ、排水トラップには、確実に
且つ早期のうちにサイホン作用が起きる。 また、流量増幅洗浄水の流れは、洗浄水を巻き込んだ
噴流であるため、駆動ノズルの噴出水を中心とする幅広
の流れとなる。よって、ジェットポンプの駆動ノズル近
傍に汚物が存在しても、この幅広の流れで汚物をその周
囲の水と共に上昇管に沿って移動させることができる。
このため、ボール部の汚物の量に拘わらず、より確実に
この汚物を搬送して便器洗浄を図ることができる。しか
も、汚物搬送並びに便器洗浄に際しては、駆動ノズルか
らの洗浄水吐出を図るに過ぎないので、節水化を図るこ
とができることは勿論である。 第10の態様は、上記の第9の態様において、 前記スロートと前記上昇管は、前記スロートのスロー
ト径Dと前記上昇管の管路径Kとの比の値D/Kが約0.3〜
0.6とされている。 ボール部の溜水の巻き込みによる流量増幅は、スロー
トを駆動ノズルと仮定し上昇管をスロートと仮定した仮
想のジェットポンプによって起きるといえる。よって、
この態様によれば、上記の仮想のジェットポンプにおけ
る駆動ノズル径とスロート径とがその比の値で約0.3〜
0.6となるので、確実に且つ効率よくボール部の溜水の
巻き込みによる流量増幅並びに瞬間流量の増大を起こす
ことができる。このため、より確実な汚物搬送並びに便
器洗浄を行うことができる。 第11の態様は、上記の第4の態様において、 前記連通部は、前記貯留部と前記スロートとの連通状
態を連通・非連通に切り換える切換手段を有する。 この態様では、貯留部とスロートとを連通状態として
おくことで、貯留部の水を巻き込むことにより流量増幅
並びに瞬間流量の増大を図った洗浄水で汚物搬送並びに
便器洗浄を行うことができる。その一方、貯留部とスロ
ートとを非連通状態としておけば、洗浄水の巻き込みに
よる流量増幅並びに瞬間流量の増大を図ることなく洗浄
水をボール部に吐出して汚物搬送並びに便器洗浄を行う
ことができる。よって、貯留部とスロートの連通状態の
切換を通して、洗浄水吐出の仕方を使い分けることがで
きる。 第12の態様は、上記の第11の態様において、 前記切換手段は、前記連通状態の連通・非連通を選択
して切り換える手段を有する。 この態様では、洗浄水吐出の仕方を選択できるので、
排尿のみがなされた場合には非連通状態としてボール部
への洗浄水吐出を駆動ノズルからの単なる洗浄水吐出と
し、大便の排便時には連通状態として流量増幅洗浄水を
吐出することができる。 第13の態様は、上記の第11の態様において、 前記切換手段は、前記貯留部内の水がなくなった際に
は、前記連通状態を非連通に切り換える。 この態様では、駆動ノズルからの噴出水に空となった
貯留部内の空気を巻き込んだ状態で、駆動ノズルから水
を噴出することがない。よって、貯留部内の洗浄水を巻
き込んだ状態での洗浄水吐出が、この洗浄水に替わって
空気を巻き込んだ洗浄水吐出に変化することはない。こ
のため、洗浄水を巻き込んだ状態での洗浄水吐出により
一旦開始されたサイホン作用を、空気混入により断ち切
ることがない。従って、不用意なサイホン作用消滅をも
たらさず、ボール部への汚物の戻りを起こさない。 第14の態様は、上記の本発明の大便器において、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし空気を被駆動
流体とし両流体を混合噴出するジェットポンプを有す
る。このジェットポンプは、前記給水源から供給を受け
た水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して
前記両流体の通過経路を形成すると共に前記両流体を前
記吐出部材に導くスロートとを有する。 この態様では、駆動ノズルから噴出された水は、駆動
流体としてスロートを通過する際に、エジェクタ作用を
引き起こし、被駆動流体として空気を巻き込む噴流とな
る。つまり、空気巻き込みにより流量増幅並びに瞬間流
量の増大が図られる。このため、給水源からの供給水水
量が少量であっても、この供給水が空気の巻き込みによ
り流量増幅並びに瞬間流量の増大がなされた状態で、ス
ロートから吐出部材に導かれて吐出される。よって、流
量増幅洗浄水によりボール部内の汚物を便器外へ搬送し
て便器洗浄を図るので、洗浄能力を維持することができ
る。しかも、新たに用いる洗浄水は実際に駆動ノズルか
ら噴出される少量の水で済むので、節水化を図ることが
できる。また、被駆動流体として洗浄水を用意する必要
がないので、その分、節水化を図ることができる。 第15の態様は、上記の第14の態様において、 前記スロートは、前記駆動ノズルに水の供給がされて
いる間には大気を導入し、水の供給がなされていない間
には大気を遮蔽する大気導入遮蔽手段を有する。 水の供給がなされていない間は、大便器は使用されて
おらず、ボール部は溜水状態とされている。そして、こ
の間には大気は導入されていない。このため、スロート
周辺の洗浄水、延いてはボール部の溜水が、大気の導入
部から流れ出るようなことがなく好ましい。 第16の態様は、上記の第1の態様において、 前記ジェットポンプは、噴出流体が前記ボール部に流
れ込むように配設されている。 この態様によれば、流量増幅洗浄水でボール部自体の
洗浄、例えばボール部表面の洗浄を図ることができる。
そして、流量増幅洗浄水のボール部への流れ込みによ
り、ボール部内の汚物は便器外に搬送されて便器洗浄が
行われる。 第17の態様は、上記の第16の態様において、 前記ジェットポンプは、前記ボール部にその上縁から
洗浄水を流し落とすリム通水路に流体を噴出するように
配設されている。 この態様によれば、流量増幅洗浄水をボール部上縁の
リム通水路から流し落としてボール部表面を洗浄する。
そして、ボール部の溜水に達した流量増幅洗浄水によ
り、汚物搬送並びに便器洗浄を行うことができる。 第18の態様は、上記の第17の態様において、 前記ジェットポンプは、前記リム通水路に対して斜め
方向から流体を噴出するように配設されている。 この態様によれば、リム通水路に流量増幅洗浄水を噴
出するに当たり、その噴出方向が斜めであることから噴
出圧力の損失を抑制することができる。このため、流量
増幅洗浄水をエネルギロスを抑制してリム通水路から流
し落とすことができ、より効果的にボール部表面を洗浄
できる。 この場合、リム通水路がボール部に対して斜めに傾斜
した吐出口を有すれば、洗浄水はボール部表面において
旋回しながら溜水に達するので、溜水にもこの旋回が伝
わる。よって、溜水の旋回により排出効率が高まるの
で、排水トラップには早期のうちに効率よくサイホン作
用を生じさせることができる。このため、汚物搬送の効
率が高まる。 第19の態様は、上記の第16の態様において、 前記ジェットポンプは、前記ボール部に流体を直接噴
出するように配設されている。 この態様によっても、流量増幅洗浄水でボール部自体
の洗浄を図ることができる。また、流量増幅洗浄水がボ
ール部の溜水に直に流れ込むので、この洗浄水によりボ
ール部内の汚物を確実に搬送して便器洗浄を行うことが
できる。 第20の態様は、上記の第19の態様において、 前記ジェットポンプは、前記ボール部に溜置かれた溜
水に旋回を付与する方向から流体を噴出するように配設
されている。 この態様によれば、流量増幅洗浄水の噴出により溜水
に効率よく旋回を起こすので、汚物搬送の効率が高ま
る。 第21の態様は、上記の第20の態様において、 前記ジェットポンプは、前記溜水液面より上方箇所か
ら流体を噴出し前記溜水に旋回を付与するよう配設され
ている。 この態様によれば、溜水液面より上方のボール部表面
をも流量増幅洗浄水により効果的に洗浄することができ
る。 第22の態様は、上記の第16の態様において、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する
排水トラップを有し、 前記ジェットポンプは、前記ボール部を介して前記排
水トラップの入口を指向して配設されている。 この態様では、ジェットポンプの駆動ノズルからは、
給水源とほぼ同等の水圧(通常、1〜2kgf/cm2程度)の
エネルギを持った高速・高圧の水が噴出される。そし
て、この高速・高圧の噴出水は、エジェクタ作用を引き
起こし、被駆動流体として予め用意された洗浄水を巻き
込む噴流となって、ボール部を経て排水トラップの入口
に向けて直接流れ出る。このため、排水トラップの入口
には、ボール部を経て、ジェットポンプによる噴流噴出
によって流量増大並びに瞬間流量の増大が図られた状態
で洗浄水が流れ込む。よって、この態様によっても洗浄
能力を維持できると共に全体としての洗浄水使用量も少
なくて済み節水を図ることができる。なお、デザインの
自由度の向上等の効果を得ることができることは既述し
た通りである。 第23の態様は、上記の第22の態様において、 前記ボール部と部分的に区画されて形成され、前記汚
物搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した水を前記
用意された洗浄水とする貯留部を有する。そして、この
貯留部は、前記ボール部に溜置かれている溜水が流入可
能とされている。 この態様によれば、貯留部をボール部と区画形成すれ
ばよいことから、この両者を近似させて便器を構成する
ことができ、便器を支障なくローシルエットタイプとす
ることができる。また、デザインの自由度が向上する。
更に、貯留部にはボール部の溜水を貯留して、この水を
被駆動流体として利用できる。よって、貯留部への水の
貯留のためだけの特別な構成が不要となり、構成の簡略
化を図ることができる。なお、溜水の流入に加え、溜水
を行うために通常リムから排出する水がこの貯留部に流
入するようにすることもできる。 第24の態様は、上記の第22の態様において、 前記ボール部と部分的に区画されて形成され、前記汚
物の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した水を前
記用意された洗浄水とする貯留部と、 前記ボール部と前記貯留部とを前記ボール部の溜水の
流通ができるよう連通する導水路とを備え、 該導水路は、前記ボール部の側で前記排水トラップの
入口と対向する吐水口を有し、 前記ジェットポンプは、前記導水路を前記スロートと
し前記駆動ノズルを前記導水路内に配設して有する。 この態様では、導水路を介して貯留部にはボール部の
溜水を貯留して、この水を被駆動流体として利用でき
る。そして、この導水路内において、駆動ノズルから上
記のような高い圧力で洗浄水が噴出される。この駆動ノ
ズルからの噴出水は、導水路をスロートとしてエジェク
タ作用を引き起こす。よって、駆動ノズルからの噴出水
は、貯留部内の水を導水路を通して大量に巻き込む噴流
となって導水路を通過し、吐水口から排水トラップの入
口に向けて直接的に吐出される。このため、排水トラッ
プには、ジェットポンプによる噴流噴出によって流量増
幅洗浄水が流れ込む。従って、この態様によっても、高
い洗浄能力と高い節水能力を発揮できる。また、この際
に、従来のように負圧を利用する必要がないことから、
既述したように、一般的な陶器製の便器とすることがで
きる。 第25の態様は、上記の第23の態様において、 前記貯留部は、前記ボール部における排水トラップの
入口と対向し流体の通過経路として形成された開口部位
を有する。そして、ジェットポンプの駆動ノズルは、前
記貯留部の開口部位を通して前記排水トラップの入口を
指向するよう前記貯留部に配設されている。 この態様では、駆動ノズルからの上記した高圧・高速
の噴出洗浄水は、貯留部の開口部位を通過する際に、こ
の開口部位をスロートとしてエジェクタ作用を引き起こ
す。よって、駆動ノズルからの噴出水は、貯留部内の水
を開口部位を通して大量に巻き込む噴流となり、この開
口部位から排水トラップの入口に向けて直接的に吐出さ
れる。このため、この態様によっても、排水トラップに
は、ジェットポンプによって流量増幅洗浄水を流れ込ま
せるので、高い洗浄能力と高い節水能力を発揮できる。
なお、一般的な陶器製の便器とすることができることは
勿論である。 第26の態様は、上記の第25の態様において、 前記貯留部は、前記ボール部を形成するボール部壁面
を隔てて、前記ボール部の下方に形成されている。 この態様では、ボール部壁面とボール部を支える台座
部の外壁とで閉空間を形成し、当該閉空間を洗浄水貯留
部とすることが容易となる。このなため、ボール部と貯
留部とを一体に製造することがより容易となる。 第27の態様は、上記の第26の態様において、 前記貯留部の内壁面は、前記駆動ノズルに向けて傾斜
した傾斜面とされている。 この態様によれば、貯留部にボール部等から異物が進
入しても、この進入した異物は貯留部の内壁面に沿って
駆動ノズルの側に移動する。よって、この駆動ノズルか
ら洗浄水の噴出が行われれば、駆動ノズル周辺の異物は
貯留部内の水と共に貯留部から流れ出る。よって、貯留
部に異物が滞留し汚濁することを抑制することができ
る。 第28の態様は、上記の第25の態様において、 前記貯留部の開口部位に臨んで配設され、前記駆動ノ
ズルから噴出された水が流入して通過するように前記駆
動ノズルと対向する筒状体を有する。そして、この筒状
体は、前記貯留部内の洗浄水を前記駆動ノズルから噴出
された水に合流させる開口を有する。 この態様では、筒状体を駆動ノズルからの噴流が流れ
る際にエジェクタ作用を確実に生じさせことができ、こ
のエジェクタ作用により筒状体の開口から貯留部内の洗
浄水を巻き込んで流すことができる。このため、排水ト
ラップの入口に向かう洗浄水の流れを、ジェットポンプ
による噴流噴出の流れの状態に確実にすることができ、
洗浄能力の維持と節水を図ることができる。 第29の態様は、上記の第28の態様において、 前記駆動ノズルと前記筒状体とは一体化して、前記貯
留部に配設・固定されている。 この態様によれば、便器への駆動ノズル並びに筒状体
の組み付けが簡便となると共に、取り扱いが容易とな
る。 第30の態様は、上記の第22の態様において、 前記排水トラップの入口には、複数の前記ジェットポ
ンプが指向して配設されている。 第31の態様は、上記の第22の態様において、 前記ジェットポンプは、前記給水源から水を供給する
供給管と、該供給管から分岐した複数の駆動ノズルと、
該複数の駆動ノズルにそれぞれ対応するスロートとを有
する。 これら態様によれば、ジェットポンプによって流量増
幅並びに瞬間流量の増大が図られた洗浄水を、複数箇所
から排水トラップの入口に流し込む。よって、この入口
にはその開口範囲に亘って満遍なく上記の洗浄水が流れ
込み、高い洗浄能力を発揮することができる。 第32の態様は、上記の第16の態様において、 少なくとも二つの前記ジェットポンプが、噴出流体を
前記ボール部に流れ込ませるように配設されている。 この態様によれば、それぞれのジェットポンプによる
噴流噴出水により、ボール部洗浄を行うことができる。 第33の態様は、上記の第32の態様において、 一方の前記ジェットポンプは、前記ボール部にその上
縁から洗浄水を流し落とすリム通水路に流体を噴出する
ように配設されている。また、他方の前記ジェットポン
プは、前記ボール部に流体を直接噴出するように配設さ
れている。 この態様によれば、一方のジェットポンプによる噴流
噴出水により、リム通水路からの流体噴出を通してボー
ル部表面を洗浄できる。そして、他方のジェットポンプ
による噴流噴出水により、ボール部表面を直接洗浄でき
る。 第34の態様は、上記の第33の態様において、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する
排水トラップを有し、 前記他方のジェットポンプは、前記排水トラップの入
口を指向して配設されている。 この態様によれば、一方のジェットポンプによる噴流
噴出水により、リム通水路からの流体噴出を通してボー
ル部表面を洗浄できる。そして、他方のジェットポンプ
による噴流噴出水により、ボール部の汚物搬送並びに便
器洗浄を行うことができる。 第35の態様は、上記の第34の態様において、 前記給水源からの水の供給先を、前記一方のジェット
ポンプから前記他方のジェットポンプに順次切り換える
供給切換手段を有する。 この態様によれば、一方のジェットポンプによるボー
ル部の表面洗浄と、他方のジェットポンプによるボール
部の汚物搬送並びに便器洗浄とを、順次実行することが
できる。 第36の態様は、上記の第35の態様において、 前記供給先切換手段は、前記給水源からの水の供給先
を前記他方のジェットポンプに切り換えてから、前記供
給先を再度前記一方のジェットポンプに切り換える手段
を有する。 この態様によれば、一方のジェットポンプによるボー
ル部の表面洗浄と、他方のジェットポンプによるボール
部の汚物搬送並びに便器洗浄とを、順次実行した後、再
度、一方のジェットポンプによるボール部の表面洗浄を
行うことができ、この際の洗浄水を溜水としてボール部
に溜め置くことができる。 第37の態様は、本発明の大便器において、 前記増幅手段は、洗浄水の流量を多段に増幅する手段
を有する。 第38の態様は、上記の第37の態様において、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし前記ボール部
の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体とし
て両流体を混合噴出するジェットポンプを有する。そし
て、このジェットポンプは、前記給水源から供給を受け
た水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して
前記両流体の通過経路を形成する第1のスロートと、該
第1のスロートに対向し前記用意された洗浄水を前記第
1のスロートを通過した流体に巻き込んで前記吐出部位
に導く第2のスロートとを有する。 これら態様によれば、それぞれの段の流量増幅の際に
駆動ノズルの噴出水に水の巻き込みロスが生じても、そ
の後段の流量増幅によりこのロスを補うことができる。
よって、洗浄水は多段の流量増幅により巻き込みロスを
低減した状態で最終段の流量増幅を受けて吐出される。
このため、より効果的に流量増幅を受けた洗浄水を吐出
することができ、より一層の汚物搬送効率の向上並びに
便器洗浄能力の向上を図ることができる。 第39の態様は、上記の本発明の大便器において、 前記増幅手段は、 エアー源から供給されるエアーを駆動流体とし前記ボ
ール部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流
体として両流体を混合噴出するジェットポンプを有す
る。そして、このジェットポンプは、前記エアー源から
供給を受けたエアーを噴出する駆動ノズルと、該駆動ノ
ズルに対応して前記両流体の通過経路を形成すると共に
前記両流体を前記吐出部材に導くスロートとを有する。 この態様では、駆動ノズルからは、エアー源とほぼ同
等のエアー圧(通常、約1〜2kgf/cm2程度)のエネルギ
を持った高速・高圧のエアーが噴出される。そして、こ
の高速・高圧の噴出エアーは、駆動流体としてスロート
を通過する際に、エジェクタ作用を引き起こし、被駆動
流体として予め用意された洗浄水を巻き込む噴流とな
る。しかも、ジェットポンプによる噴流噴出を行うこと
から、その際の瞬間流量を増大させる。このため、予め
用意された洗浄水が噴出エアーに巻き込まれて流量増幅
並びに瞬間流量の増大がなされた状態で、スロートから
吐出部材に導かれて吐出される。よって、流量増幅並び
に瞬間流量増大を受けた洗浄水混合エアーによりボール
部内の汚物を便器外へ搬送して便器洗浄を図るので、洗
浄能力を維持することができる。しかも、駆動流体とし
て水を用いる必要がないので、汚物搬送のための洗浄水
は予め用意された少量の洗浄水で済む。よって、より一
層の節水化を図ることができる。 また、洗浄水の流量増幅並びに瞬間流量の増大を図る
に当たり、駆動ノズルには一切の給水を要しない。よっ
て、約0.3kgf/cm2程度の低水圧地域やこの程度までの水
圧低下が頻繁に起きる地域若しくは時期であっても、こ
の態様によれば、高い洗浄能力と高い節水化を図ること
ができる。従って、ローシルエットタイプの便器の設置
可能地域の拡大を図ることができる。 なお、この態様であっても、デザインの自由度が高い
ローシルエットタイプの便器とすることができる。ま
た、衛生洗浄装置をも含めた便器周辺全体のデザインの
自由度が高く、より高級感を備えた便器を提供できる。 第40の態様は、上記の第1の態様において、 給水源から供給される水を加圧する加圧手段を有し、 前記ジェットポンプは、前記加圧手段により加圧され
た水を噴出する駆動ノズルを有する。 この態様では、駆動ノズルからの水噴出に先立ち供給
源からの水を加圧する。よって、駆動ノズルからはこの
加圧により高圧・高速で水を噴出して、その噴出水に予
め用意した洗浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大
を図り、この状態で洗浄水を吐出する。このため、上記
したように低水圧地域や低水圧時期であっても、或いは
低流量地域や低流量時期であっても、この態様によれ
ば、高い洗浄能力と高い節水化を図ることができる。従
って、ローシルエットタイプの便器の設置可能地域の拡
大を図ることができる。 第41の態様は、上記の第1の態様において、 給水源から供給される水を低給水圧の時には加圧する
加圧手段を有し、 前記ジェットポンプは、 前記給水源から供給を受けた水を直接噴出する第1の
駆動ノズルと、 前記加圧手段により加圧された水を噴出する第2の駆
動ノズルと、 該第1と第2の駆動ノズルを給水源の給水圧に応じて
選択する選択手段とを有する。 この態様では、駆動ノズルからの水噴出を図るに当た
り、低給水圧時には噴出に先立ち供給源からの水を加圧
し、第1の駆動ノズルからはこの加圧により高圧・高速
で水を噴出する。そして、その噴出水に予め用意した洗
浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図り、この
状態で洗浄水を吐出する。その一方、給水圧が高い場合
には、給水源からの水をその高い給水圧のまま第2の駆
動ノズルから噴出して流量増幅と瞬間流量増大を図るこ
とができる。そして、この両駆動ノズルを給水圧に応じ
て使い分ける。このため、この態様によれば、上記した
ような低水圧の発生の有無に拘わらず、高い洗浄能力と
高い節水化を図ることができる。そして、低給水圧時に
しか水の加圧を必要としないので、加圧に要するエネル
ギの低減を図ることができる。具体的には加圧機器を間
欠的に或いは一時的に駆動すればよく、省エネルギを図
ることができる。 第42の態様は、上記の第1の態様において、 給水源から供給される水に加圧エアーを混合する混合
手段を有し、 前記ジェットポンプは、前記混合手段により加圧エア
ーが混合された水を噴出する駆動ノズルを有する。 この態様では、駆動ノズルからの水噴出に先立ち、供
給源からの水に加圧エアーを混合してこの水を加圧す
る。よって、駆動ノズルからはこの加圧エアー混合によ
り高圧・高速で水を噴出して、その噴出水に予め用意し
た洗浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図り、
この状態で洗浄水を吐出する。このため、この態様によ
っても、上記したように低水圧地域や時期であっても、
高い洗浄能力と高い節水化を図ることができる。従っ
て、ローシルエットタイプの便器の設置可能地域の拡大
を図ることができる。 第43の態様は、上記の第42の態様において、 前記混合手段は、低給水圧の時には前記加圧エアーを
混合する手段を有する。 この態様では、駆動ノズルからの水噴出を図るに当た
り、低給水圧時には噴出に先立ち供給源からの水に加圧
エアーを混合してこの水を加圧する。よって、低給水圧
時には、駆動ノズルからはこの加圧エアー混合により高
圧・高速で水を噴出する。そして、その噴出水に予め用
意した洗浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図
り、この状態で洗浄水を吐出する。その一方、給水圧が
高い場合には、給水源からの水をその高い給水圧のまま
駆動ノズルから噴出して流量増幅と瞬間流量増大を図る
ことができる。このため、この態様によっても、上記し
たような低水圧の発生の有無に拘わらず、高い洗浄能力
と高い節水化を図ることができる。そして、低給水圧時
にしか加圧エアーの混合を必要としないので、エアーの
加圧およびその混合に要するエネルギの低減を図ること
ができる。具体的には加圧機器を間欠的に或いは一時的
に駆動すればよく、省エネルギを図ることができる。 第44の態様は、上記の第1の態様において、 前記汚物の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留し
た水を前記用意された洗浄水とする貯留部を備え、 該貯留部と前記ボール部は、前記貯留部の貯留水量TW
と前記ボール部に溜置かれる溜水水量BWとの比の値TW/B
Wが約0.25〜0.35とされている。 排水トラップに起きたサイホン作用は、ボール部の水
が排水トラップの上昇管に引き込まれてボール部で水切
れが起きると消失する。そして、サイホン作用消失間際
に、比重の軽い浮遊性汚物を洗浄水と共に排水トラップ
に引き込むいわゆるブロー効果が起きる。この態様で
は、貯留部の貯留水量TWの上記範囲の調整を経ること
で、ジェットポンプを介した洗浄水吐出の終了時期とサ
イホン作用消失時期を合致させ、サイホン作用消失時期
に合わせて貯留部の洗浄水がなくなるようにすることが
できる。よって、この態様によれば、サイホン作用消失
時期に確実にボール部の水切れをもたらし、上記のブロ
ー効果の実効を高めることができる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明に係る第1実施例の大便器100の概略
断面図である。 図2は、図1における2−2線概略断面図である。 図3は、この大便器100に用いた切換弁41の概略断面
図である。 図4は、図3の4−4線概略断面図である。 図5は、右端弁体部54に設けた傘バルブ65の周辺の拡
大図である。 図6は、切換弁41による洗浄水の切換の様子を説明す
るための説明図である。 図7は、図6の7−7線概略断面図である。 図8は、切換弁41による洗浄水の切換の様子を説明す
るための説明図である。 図9は、図8の9−9線概略断面図である。 図10は、切換弁41における弁体50の復帰の様子を説明
するための説明図である。 図11は、この大便器100における洗浄水の吐出の様子
を測定した実験結果を示す表である。 図12は、図11に示す実験結果から求めたjet流量とゼ
ット流量の関係を示すグラフである。 図13は、同じくjet流速とゼット流速の関係を示すグ
ラフである。 図14は、第2実施例の大便器100Aの概略断面と平面を
示す説明図である。 図15は、図14における15−15線概略断面図である。 図16は、大便器100Aにおけるジェット流量と流量比と
の関係を示すグラフである。 図17は、大便器100Aにおけるゼット吐水口106の開口
径Dと流量比との関係を示すグラフである。 図18は、大便器100Aにおける流量比とゼットエネルギ
との関係を示すグラフである。 図19は、大便器100Aにおける沈む汚物の押し流しの程
度とゼットエネルギとを、吐出ノズル35のノズル径dと
ゼット吐水口106の開口径Dの比に応じて同時に示すグ
ラフである。 図20は、大便器100Aにおける浮く汚物の押し流しの程
度と流量比とを、吐出ノズル35のノズル径dとゼット吐
水口106の開口径Dの比に応じて同時に示すグラフであ
る。 図21は、第2実施例の第1の変形例の大便器100Bの概
略断面図である。 図22は、第2実施例の第2の変形例の大便器100Cの概
略断面図である。 図23は、第2実施例の第3の変形例における要部拡大
断面図である。 図24は、第2実施例の第4の変形例における要部拡大
断面図である。 図25は、第3実施例の大便器200の概略断面図であ
る。 図26は、第4実施例の大便器220の概略断面図であ
る。 図27は、大便器220の要部を拡大して示す要部拡大図
である。 図28は、第4実施例の第1の変形例における要部拡大
断面図である。 図29は、第5実施例の大便器230の概略断面図であ
る。 図30は、第6実施例の大便器240の概略断面図であ
る。 図31は、この大便器240におけるゼット導水路形成機
構242の周辺を拡大して表した要部拡大端面図である。 図32は、第7実施例の大便器260の概略断面図であ
る。 図33は、この大便器260のリム部の概略横断面図であ
る。 図34は、大便器260に用いた切換弁341の概略断面図で
ある。 図35は、第8実施例の大便器270の概略断面図であ
る。 図36は、第9実施例の大便器280の概略断面図であ
る。 図37は、図36の37−37線概略断面図である。 図38は、同じく38−38線概略断面図である。 図39は、第10実施例のジェットポンプの要部を示す説
明図である。 図40は、図39の40−40線断面図である。 図41は、第10実施例の大便器300の概略断面図であ
る。 図42は、図41におけるX方向概略矢視図であり、ジェ
ットポンプ290の配列の様子を説明する図面である。 図43は、図42におけるY方向要部矢視図であり、各ジ
ェットポンプ290の関係を説明する図面である。 図44は、ゼット吐水口106が横長形状である場合のジ
ェットポンプ290の配列の様子を説明する説明図であ
る。 図45は、ゼット吐水口106が略三角形状である場合の
ジェットポンプ290の配列の様子を説明する説明図であ
る。 図46は、第11実施例の大便器310の概略断面図であ
る。 図47は、大便器310で用いた切換弁41Aの要部横断面図
である。 図48は、この切換弁41Aの概略縦断面図である。 図49は、第12実施例のジェットポンプ360の概略構成
図である。 図50は、第13実施例の大便器370の概略構成図であ
る。 図51は、第14実施例の大便器400の概略構成図であ
る。 図52は、第15実施例で行う便器洗浄処理を表すフロー
チャートである。 図53は、第16実施例の要部拡大断面図である。 発明を実施するための最良の形態 次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明す
る。まず、第1実施例について説明する。この第1実施
例の大便器は、便器とは別体の洗浄水タンクを備えない
いわゆるローシルエットタイプの大便器である。この大
便器100は、便器本体101aのやや前方よりにボール部101
を備える。ボール部101底部の汚物落し込み凹部112の奥
壁部には、排水トラップ102の入口121が開設されてい
る。また、汚物落し込み凹部112の前壁部には、排水ト
ラップ102の入口121に臨ませてゼット吐水口106(洗浄
水排出口)が対向して開設されている。そして、このゼ
ット吐水口106から洗浄水が吐出されると、ボール部101
の汚物を排水トラップ102から洗浄水と共に搬送して便
器洗浄を図るいわゆるジェット洗浄が実施される。 ボール部101の開口周縁には、洗浄水をボール部101の
内壁面に沿って吐出するための通水リム103が設けられ
ている。そして、この通水リム103から洗浄水が吐出さ
れると、ボール部101の内壁面を洗浄するいわゆるリム
洗浄が実施される。また、汚物落し込み凹部112の奥壁
部の側には、排水トラップ102と干渉しないよう、洗浄
水貯留部104が形成されている。つまり、この洗浄水貯
留部104は、ボール部101とその奥壁を隔てて部分的に区
画されて形成されており、便器本体101aと一体とされて
いる。 この洗浄水貯留部104は、上記したゼット吐水口106に
到るゼット導水路161(洗浄水導水路)を介してボール
部101と連通している。このため、ボール部101に洗浄水
が溜水されていれば、洗浄水貯留部104にもゼット吐水
口106を経て洗浄水が流れ込む。よって、洗浄水貯留部1
04には、ボール部101の溜水の水位と同一高さまで洗浄
水が貯留されることになる。この場合、洗浄水貯留部10
4の内容積は、約2〜2.5リットルであるが、上記のよう
にして洗浄水貯留部104に貯留される洗浄水は、約0.5リ
ットル程度である。つまり、洗浄水貯留部104の貯留水
量は、ボール部101の通常の溜水水量2リットルに対し
て、約1/4とされている。 洗浄水貯留部104の上方には、給水管2と接続された
給水弁105と、その下流に接続された切換弁41とが配設
されている。この給水弁105は、図示しない遠隔操作盤
における洗浄ボタンが押圧されると、当該操作盤から発
せられる赤外光を受光して管路を所定時間に亘って開放
するよう構成された電磁弁であり、通常は給水管2を閉
鎖している。一方、切換弁41は、給水管2から給水弁10
5を経て供給された洗浄水の供給先を、洗浄水貯留部104
からゼット導水路161にまで延びた連結管137と、通水リ
ム103に洗浄水を流し込むための供給管133とに時系列的
に切り換えるように構成されている。そして、この切換
弁41による洗浄水供給先の切り換えにより、上記したリ
ム洗浄に引き続いてジェット洗浄が行われ、その後に、
再度リム洗浄が行われるようにされている。 ここで、この切換弁41の詳細な構成と洗浄水供給先の
切り換えの様子の説明に先立ち、この実施例の大便器10
0における便器洗浄のための構成と便器洗浄の様子につ
いて説明する。 今、便器洗浄のために遠隔操作盤の洗浄ボタンが操作
されると、切換弁41は、洗浄水の供給先を、通水リム10
3が接続された供給管133に切り換える。これにより、給
水弁105を通過した洗浄水は供給管133を経て通水リム10
3に導かれ、リム洗浄が開始される。つまり、通水リム1
03下面に便宜間隔で空けられたリム水出孔132から洗浄
水がボール部の内壁面に沿って吐出され、この洗浄水に
よりボール部の内壁面が洗浄される。こうしてリム洗浄
が実施されると、切換弁41により洗浄水の供給先が連結
管137に切り換えられる。よって、給水弁105を通過した
洗浄水は、連結管137を経て吐出ノズル35に送られ、こ
の吐出ノズル35から吐出される。従って、リム洗浄に引
き続いてジェット洗浄が開始され、以下のようにして汚
物が排出される。 図2に示すように、連結管137先端の吐出ノズル35
は、ゼット導水路161内に配設されており、ゼット導水
路161の指向方向と略同一方向に向けられている。ゼッ
ト導水路161は、吐出ノズル35から吐出された水と洗浄
水貯留部104内の洗浄水の流路となることから、スロー
トとして機能する。このため、上記のように切換弁41に
よる洗浄水の供給先が連結管137に切り換えられると、
この吐出ノズル35からは、一次側の圧力(水道水の給水
圧)とほぼ同等の高い水圧(約1〜2kgf/cm2)で洗浄水
が高速に流れ出る。つまり、給水管2から供給を受けた
水を噴出する吐出ノズル35と、その前方に洗浄水の経路
を形成し洗浄水をゼット吐水口106に導くゼット導水路1
61とで、ジェットポンプが構成される。よって、この吐
出ノズル35からの吐出水は、ゼット導水路161内の水は
勿論、このゼット導水路161と連通されている洗浄水貯
留部104内の水を大量に巻き込む噴流となる。このた
め、この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部104内の水と
が、ジェットポンプによる噴流噴出のようにしてゼット
導水路161を通ってゼット吐水口106から排水トラップ10
2の入口121に向けて直接的に吐出される。従って、排水
トラップ102には、流量増幅洗浄水が一度に大量の洗浄
水が送り込まれることになる。つまり、ボール部101の
洗浄(ジェット洗浄)に際して実際に吐出した洗浄水
は、吐出ノズル35からのものであるが、ボール部101に
は流量増幅洗浄水が流れ込む。そして、汚物落し込み凹
部112における汚物は、この大量の洗浄水に押し流され
て排水トラップ102内に強力に押し込まれ、後述するこ
の排水トラップ102から排出される。この場合、ゼット
導水路161は、便器本体101aの前方部でゼット吐水口106
に向かって経路方向を180゜回転しており、そのゼット
屈曲部161bの曲率半径は20〜30mmとされている。従っ
て、このゼット屈曲部161bにおける流れの方向転換によ
る損失は小さい。 排水トラップ102は、汚物落し込み凹部112に開口した
入口121に連続して、上昇管122と下降管123と横引き路1
24と備え、連続した屈曲流路として構成されている。上
昇管122は、入口121からボール部121の裏面に沿って便
器本体101aの後方に向かって斜め上向きに延びている。
下降管123は、上昇管122上端から下方に向かってほぼ垂
直に延びている。横引き路124は、下降管123下端から便
器本体101a前方に横向きに延びており、その先端におい
て便器排水口125が垂直方向に開口している。なお、上
昇管122と下降管123のつなぎ部分である堰部127で水の
剥離が生じた場合、下降管123の奥側壁(図1における
左側壁)にこの剥離した水がぶつかり乱流となるため、
その奥側壁に空気を巻き込み、迅速な空気の排出ができ
ない。よって、堰部127の曲率半径は35〜37mm(排水ト
ラップの直径φ55に対して、0.6〜1.4倍程度)、好まし
くは55〜65mm(排水トラップの直径φ55に対して、1.0
〜1.2倍程度)としてできるだけ、堰部127から水が剥離
しないように構成されている。 この排水トラップ102は、その途中の2箇所において
シールを構成するダブルシール構造を有しており、排水
トラップ102におけるサイホン発生を促進するためのサ
イホン発生促進部位126を下降管123下端に形成する。な
お、この場合におけるシールは、排水トラップ102で起
きたサイホンを断ち切らないことを意味する。 サイホン発生促進部位126は、上昇管122上端の堰部12
7を越えて下降管123に落下する水を衝突させてこの水を
下降管123にできるだけ留めて置くようにする。そし
て、サイホン発生促進部位126は、この水の留め置きで
排水トラップ102が水で満たされた状態を確保し、こう
することで、排水トラップ102におけるサイホン発生を
促進する。このために、サイホン発生促進部位126は、
下降管123下端で管路内側に水平に延びた水平段部126a
を有する。この水平段部126aの長さは10〜25mm(排水ト
ラップの直径φ55に対して、0.18〜0.45倍程度)であ
る。 横引き路124は、上向きに湾曲した経路とされてお
り、その頂上部に第2堰部128を、頂上部手前に溜水部1
29を有する。溜水部129は、ここに水が溜め置かれた場
合にもその上方に25〜35mm(排水トラップの直径φ55に
対して、0.45〜0.65倍程度)の通気空間を持つように形
成されている。また、横引き路124は、第2堰部128の下
流側で直ちに下向きに屈曲し、この下向き屈曲部130を
そのまま便器排水口125に連絡させている。 下降管123は、重力方向に略円筒状に堰部127から100
〜150mm(排水トラップの直径φ55に対して、1.8〜2.7
倍程度)の経路長で形成されている。そして、その下降
管123直下付近に溜水部129が位置する。このように、下
降管123の経路長を150mm以下としたので、堰部127を越
えた水がサイホン発生促進部位126に到達する前に下降
管123奥側壁にぶつかり、空気を巻き込んだ乱流となる
ことはなく、迅速な空気の排出ができる。また、100mm
以上としたので、サイホン発生促進部位126に落下する
水に十分な運動エネルギを得ることができる。よって、
サイホンをより確実に発生させることができ、汚物排出
に有効である。 サイホン発生促進部位126は、水平段部126aで流れ方
向補正機能をも果たす。この水平段部126aの設置位置は
非常に重要であり、図面に示す位置、即ち下降管123と
横引き路124が交差する部分に設けてある。通常、下降
管123から横引き路124に連続する屈曲部を水が曲がり切
る際には、屈曲部前後で水の流速は変化し、経路に添っ
た流速分布は不均一となる。しかし、流れ方向の補正を
水平段部126aの設置位置で行うので、この屈曲部通過の
際の流速変化を抑制し、流速分布の乱れを補正すること
ができる。水平段部126aの位置としては、横引き路124
の高さ方向に対し、中央より上、天上壁から10〜20mmの
位置、即ち、上記の通気空間の略2/3の高さ位置が最も
有効に流速分布の補正を行い、且つ排水トラップ102内
の空気を速やかに排出できる。 なお、水平段部126aを下降管123と横引き路124の交差
部より上の位置に設けると、以下の不利益がある。ま
ず、下降管123から横引き路124に連続する屈曲部を曲が
り切ったところの流速分布が不均一になる。また、水平
段状の水平段部126aにより横に曲げられた水流が排水ト
ラップ102を塞ぐ流れとなり、サイホン成長を妨げるこ
とがある。その逆に、この水平段部126aの設置位置を上
記よりも低くすると、流速補正の効果が低くなって行
く。 排水トラップ102は、第2堰部128の頂部から便器排水
口125にかけて形成される下向き屈曲部130の曲率半径を
40〜65mm(排水トラップの直径φ55に対して、0.7〜1.2
倍程度)、好ましくは45〜55mm(排水トラップの直径φ
55に対して、0.8〜1.0倍程度)と大きく設定している。
また、排水口125の開口末を便器本体101aの底面と同じ
レベルとし、便器本体101a内での排出経路を可能な限り
延長してある。なお、本実施例においては下向き屈曲部
130の曲率半径は55mm(排水トラップの直径φ55に対し
て、1.0倍)に設定されている。 上記したように汚物を排水トラップ102から排出する
ジェット洗浄が完了すると、切換弁41により洗浄水の供
給先が供給管133に再度切り換えられる。このため、洗
浄水は再び通水リム103に導かれ、改めてリム洗浄が開
始される。そして、この際のリム洗浄によりリム水出孔
132から流れ出た洗浄水は、ボール部101に溜水として溜
置かれる。 次に、上記したように洗浄水の供給先の切り換えを行
う切換弁41について説明する。この切換弁41は、図3の
概略断面図に示すように、弁筐体42を中心に構成され、
その内部には、長手方向に沿って形成された弁室43を有
する。この弁室43は、図における右端部分を径が拡張さ
れた拡張弁室44としている。この拡張弁室44は、隔壁44
aにより一部領域で弁室43と区画されている。弁筐体42
の右端には、キャップ42aが固定されている。弁筐体42
は、そのほぼ中央部分に、流体の入口となる流入ポート
45と、流体の出口となるリムポート46とジェットポート
47とを弁室43に連通して有する。これら各ポートは、図
3の4−4線概略断面図に示すように、流入ポート45と
ジェットポート47とは一直線上に位置するよう、リムポ
ート46は流入ポート45と直交するように、更に、弁室43
に対しては夫々直交するよう、それぞれ形成されてい
る。そして、流入ポート45には給水弁105からの流路
が、リムポート46には上記の供給管133が、ジェットポ
ート47には上記の連結管137が、各ポート開口部のテー
パネジ部45a〜47aを介してそれぞれ連続されている。こ
の場合、リムポート46は、他のポートよりも若干小さく
形成されている。また、ジェットポート47には、ジェッ
トポート47を閉塞するよう付勢された蓋体49が装着され
ている。よって、蓋体49は、ジェットポート47に接続さ
れた連結管137からの洗浄水の簡便な逆止弁として機能
する。 また、切換弁41は、弁室43において左右に移動自在な
弁体50を有する。弁体50は、一端(図3における左端)
が閉塞し多端が開口した中空円筒状の円筒体51を中心に
構成され、その外周壁体52を弁室43の内周壁面に沿って
案内されるガイド部としている。円筒体51の開口端側
は、その外周部分が拡張し円筒体51の閉塞端側に折り返
された拡張鍔部53とされており、この拡張鍔部53は、拡
張弁室44内を左右に移動する。そして、この拡張鍔部53
には、後述するように弁体50の駆動力を発生するための
右端弁体部54が組み込み固定されている。この場合、右
端弁体部54と拡張鍔部53の間には、ベロフラム55の内周
縁部分が挟持され、弁筐体42とキャップ42aとの間に
は、ベロフラム55の外周縁部分が挟持されている。この
ため、右端弁体部54は、このベロフラム55を介して弁室
43、詳しくは拡張弁室44に水密かつ移動自在に組み込ま
れることになる。 円筒体51の閉塞端外周と外周壁体52のほぼ中央部に
は、テフロンによりドーナツ状に形成されたリング56が
配設されており、弁室43に対する円筒体51の摺動性と水
密性が確保されている。そして、この円筒体51の閉塞端
は、リング56を介して弁室43に水密かつ移動自在に組み
込まれた左端弁体部57とされている。この左端弁体部57
と右端弁体部54とで挟まれた中空空間は、洗浄水流入室
58とされている。また、この左端弁体部57の左側には、
円筒体51延いては弁体50をキャップ42aの側に常時付勢
するスプリング59が収納されている。なお、スプリング
59の付勢力については後述する。 外周壁体52には、長手方向に沿った長穴状の第1連通
孔60と、同じく長穴状の第2連通孔61と、円形の第3連
通孔62,第4連通孔63が空けられている。第1連通孔60
は、弁体50が図3に示す位置にあるときは勿論、弁体50
が左側のストロークエンドまで移動する間にあっても流
入ポート45と常時重なるように空けられている。第2連
通孔61は、弁体50が図示する位置から僅かに左側に移動
する間にあっては、リムポート46と重なるように空けら
れている。この場合、リムポート46と第2連通孔61とが
重なっている間における弁体50の位置は、本実施例にお
ける弁体50の初期位置である。第3連通孔62は、弁体50
がこの初期位置から更に左側に移動して第2連通孔61が
弁室43の内周壁で塞がれると、ジェットポート47に重な
るように空けられている。また、第4連通孔63は、更に
弁体50が左側に移動して第2連通孔61並びに第3連通孔
62が弁室43の内周壁で塞がれると、リムポート46に重な
るように空けられている。 そして、このようにジェットポート47と第3連通孔62
が重なっている間の弁体50の位置は、第1の移動位置で
あり、リムポート46と第4連通孔63が重なっている間の
弁体50の位置は、第2の移動位置である。つまり、弁体
50が図3に示す初期位置からスプリング59の付勢力に抗
して左側に移動すると、上記の第1〜第4の各連通孔
は、流入ポート45、リムポート46或いはジェットポート
47に上記したように順次重なることになる。これら各連
通孔は洗浄水流入室58と連通していることから、リムポ
ート46とジェットポート47は、洗浄水流入室58を介して
順次流入ポート45と連通することになる。より具体的に
は、当初は、リムポート46が流入ポート45に連通し(図
4参照)、次いでジェットポート47が流入ポート45と連
通し、その後、リムポート46が流入ポート45に再度連通
することになる。 右端弁体部54は、その右端中央に陥没部64を有し、当
該陥没部の底面壁には、ゴムから形成された傘バルブ65
が装着されている。この傘バルブ65は、図3およびその
周辺の拡大図である図5に示すように、中央に連通孔66
を有し、その傘部67で陥没部64の底面壁の連通孔68を覆
い隠している。従って、この傘バルブ65は、陥没部64の
底面壁を挟んだ洗浄水の流通に対して次のようにして逆
止弁として機能する。陥没部64の底面壁の左側、即ち洗
浄水流入室58の側から陥没部64の側に洗浄水が通過する
際には、傘部67により連通孔68が塞がれているので、洗
浄水は連通孔66を通過できるに過ぎない。しかし、陥没
部64の側から洗浄水流入室58の側に向けては、洗浄水
は、連通孔66を通過すると共に、傘部67を押し上げで連
通孔68をも通過する。このため、傘バルブ65は上記した
ように逆止弁として機能する。右端弁体部54と対向する
キャップ42aには、弁体50が初期位置にある際には連通
孔66を貫通するクリーニングピン69が設けられており、
異物による連通孔68の閉塞の防止が図られている。な
お、連通孔68は、陥没部64の底面壁に等ピッチで2〜8
個程度空けられている。 ところで、上記のようにして弁体50が組み込まれた弁
室43は、この弁室を区画する区画壁として機能する右端
弁体部54と左端弁体部57とにより、以下の第1〜第3の
弁室に区画されている。第1の弁室70は、両弁体部で挟
まれた領域であって流入ポート45とリムポート46並びに
ジェットポート47と連通している。第2の弁室71は、右
端弁体部54の右側領域であり陥没部64を含んでいる。第
3の弁室72は、左端弁体部57の左側領域でありスプリン
グ59を収納する。この場合、第1の弁室70内には、弁体
50の洗浄水流入室58が位置することになる。第2の弁室
71は、キャップ42aとベロフラム55により密閉された弁
室とされており、右端弁体部54を有する弁体50が初期位
置から左側に移動した場合には、ベロフラム55によりそ
の内容積が拡張するようにされている。第3の弁室72
は、ジェットポート47と連通して形成された連通孔73に
より、開放状の弁室とされている。また、弁室43の右側
領域である拡張弁室44は、ジェットポート47と連通する
連通孔74により開放されている。このため、拡張弁室44
における右端弁体部54の左右移動並びに弁室43における
円筒体51(弁体50)の左右移動に、支障はない。なお、
第3の弁室72に洗浄水が残存している場合であっても、
弁体50が左側に移動する際には左端弁体部57によりこの
残存洗浄水は連通孔73から押し出されるので、やはり円
筒体51の左右移動に支障はない。 次に、この切換弁41による供給先の切り換えの様子に
ついて説明する。まず、便器洗浄のための遠隔操作盤の
洗浄ボタンが操作される以前にあっては、切換弁41より
上流の給水弁105(図1参照)は閉弁状態であり、切換
弁41の流入ポート45には洗浄水は流入しない。この場合
には、弁体50は、スプリング59の付勢力のみを受けて図
3における初期位置に位置し、洗浄水未流入であること
から、当然に切換弁41から供給先に洗浄水が送られるこ
とはない。今、上記の洗浄ボタンが操作されると、給水
弁105が開弁して切換弁41に洗浄水が送られ、この洗浄
水は、ほぼ水道水圧で洗浄水流入室58に流入する。この
際、弁体50は初期位置にあることから、既述したように
リムポート46は洗浄水流入室58を介して流入ポート45と
連通している(図4参照)。よって、洗浄水は、洗浄水
流入室58を経てリムポート46に流出する。そして、この
リムポート46は供給管133と接続されていることから、
洗浄水は、供給管133に導かれて通水リム103から吐出さ
れ、リム洗浄が開始される。この場合、リム洗浄は、弁
体50が初期位置にある間、即ち第2連通孔61がリムポー
ト46と重なっている間に亘って行われる。 上記のように洗浄水流入室58に洗浄水が流入すると、
水道水圧力とほぼ等しい洗浄水圧力が、洗浄水流入室58
内において、右端弁体部54と左端弁体部57とに逆向きに
掛かる。そして、洗浄水流入室58内における洗浄水圧力
の受圧面積は、洗浄水流入室58の断面積で規定され、右
端弁体部54と左端弁体部57とで等しい。よって、洗浄水
流入室58内で弁体50に及ぼされる洗浄水圧力は相殺され
る。その一方、洗浄水流入室58に流入した洗浄水は、右
端弁体部54の傘バルブ65における連通孔66を経て第2の
弁室71に流入する。このため、右端弁体部54、延いては
弁体50は、第2の弁室71内に流入した洗浄水から、上記
の洗浄水圧力と第2の弁室71における右端弁体部54の受
圧面積とで定まる力を、弁体駆動力として洗浄水流入室
58の側に向けて受ける。そして、右端弁体部54が位置す
る拡張弁室44と左端弁体部57の側の第3の弁室72とは、
既述したように連通孔73,74により開放されているの
で、弁体50は、第2の弁室71に洗浄水が流入することで
生じる上記の弁体駆動力をスプリング59の付勢力に抗し
て受ける。 この場合、スプリング59の付勢力は、流入ポート45か
ら洗浄水が流入していない間、即ち弁体50が無負荷の間
には弁体50を初期位置に位置させることができるように
されている。このため、弁体50は、第2の弁室71への洗
浄水の流入に伴い、スプリング59の付勢力に勝る弁体駆
動力を受けるので、スプリング59の付勢力に抗して初期
位置から左側に移動する。そして、この弁体50の移動は
第2の弁室71内に洗浄水が流入する間に亘って継続して
起きる。本実施例では、右端弁体部54を拡張鍔部53に固
定することで、第2の弁室71における右端弁体部54の受
圧面積を洗浄水流入室58における受圧面積より広くして
いる。このため、第2の弁室71ではほぼ水道水圧力に等
しい高い圧力が右端弁体部54にかかることと相まって、
比較的大きな弁体駆動力を生じさせることができる。 このように弁体50が初期位置から左側に移動すると、
弁体50は、図6に示すように、第1の移動位置に達す
る。すると、この図6および7−7線概略断面図である
図7に示すように、それまでリムポート46と重なってい
た第2連通孔61は弁室43の内周壁面で閉塞され、第3連
通孔62がジェットポート47と重なって、このジェットポ
ート47が洗浄水流入室58を介して流入ポート45と連通す
ることになる。よって、洗浄水は、洗浄水流入室58を経
てジェットポート47に流出し、このジェットポート47に
接続された連結管137に導かれて吐出ノズル35から吐出
され、ジェット洗浄が開始される。つまり、初期位置か
ら第1の移動位置への弁体50の移動に追従して、リムポ
ート46とジェットポート47が流入ポート45に順次連通
し、リム洗浄からジェット洗浄に切り換わる。この場
合、ジェット洗浄は、弁体50がこの第1の移動位置にあ
る間、即ち第3連通孔62がジェットポート47と重なって
いる間に亘って行われる。なお、蓋体49は、ジェットポ
ート47を通過する洗浄水の圧力を受けて支障なくこのジ
ェットポート47を開放する。 弁体50が図6の第1の移動位置に達した以降も、給水
弁105は閉弁状態とされているので、洗浄水は、連通孔6
6を経て第2の弁室71に更に流入する。よって、弁体50
は、第1の移動位置から更に左側に移動し、図8に示す
ように、第2の移動位置に達する。すると、この図8お
よび9−9線概略断面図である図9に示すように、それ
までジェットポート47と重なっていた第3連通孔62は弁
室43の内周壁面で閉塞され、第4連通孔63がリムポート
46と重なって、このリムポート46が洗浄水流入室58を介
して流入ポート45と再度連通することになる。よって、
洗浄水は、洗浄水流入室58を経てリムポート46に流出
し、供給管133に導かれて通水リム103から吐出され、リ
ム洗浄が改めて開始される。この場合、リム洗浄は、弁
体50がこの第2の移動位置にある間、即ち63がリムポー
ト46と重なっている間に亘って行われる。つまり、第1
の移動位置から第2の移動位置への弁体50の移動に追従
して、ジェットポート47とリムポート46が流入ポート45
に順次連通し、ジェット洗浄からリム洗浄に切り換わ
る。このため、切換弁41を有する大便器100にあって
は、便器洗浄の開始当初から、ボール部の内壁面洗浄の
ためのリム洗浄とボール部の汚物排出のためのジェット
洗浄とを順次実施した後に、通水リム103からの洗浄水
吐出により、ボール部の内壁面の洗浄のみならずボール
部への洗浄水貯留を行うことができ、いわゆるリム/ジ
ェット/リム洗浄を行うことができる。 このようにして最後のリム洗浄が所定時間行われる
と、具体的には、上記の洗浄ボタンが操作されてから所
定時間経過して給水弁105が閉弁すると、次のようにし
て、この最後のリム洗浄は終了すると共に、弁体50は初
期位置に復帰する。給水弁105が閉弁し洗浄水が切換弁4
1に供給されなくなると、上記した第2の弁室71への洗
浄水の流入は停止する。このため、第2の弁室71ではこ
の洗浄水の流入をもたらした洗浄水圧力は消失し、上記
の弁体駆動力はゼロとなる。よって、弁体50は、スプリ
ング59の付勢力のみを受け、第2の移動位置(図8参
照)から初期位置の側に復帰する。この際、第2の弁室
71に残されていた洗浄水は、洗浄水圧力を消失している
ので、弁体50の復帰により第2の弁室71から洗浄水流入
室58の側に押し出される。このため、図10に示すよう
に、第2の弁室71の洗浄水は、連通孔66を逆流して洗浄
水流入室58に流れ出ると共に、傘バルブ65の傘部67を押
し上げで連通孔68をも通過する。 ところで、連通孔66を経た第2の弁室71への洗浄水の
流入は、その給水源が水道であり洗浄水圧力がほぼ一定
の状況下で行われる。この洗浄水流入に起因した上記の
弁体50の移動は、第2の弁室71に洗浄水が流入する間に
亘って継続して起きる。このため、弁体50は初期位置か
ら第1の移動位置並びに第2の移動位置に定速度で移動
する。よって、洗浄水の供給先を通水リム103から吐出
ノズル35に、或いは吐出ノズル35から通水リム103に切
り換えるまでの時間は一定となるので、通水リムへの定
量の洗浄水供給が完了した後に、他の供給先たる吐出ノ
ズル35に切り換わることになる。そして、大便器100に
あっては、定量の洗浄水によるリム洗浄が行われてか
ら、ジェット洗浄に切り換わり、更には、定量の洗浄水
によるこのジェット洗浄が行われてから、再度リム洗浄
に切り換わることになる。この結果、本実施例の切換弁
41によれば、洗浄水の供給先の自動切換並びに定量切換
を行うことができ、この切換弁41を用いた大便器100に
あっては、リム洗浄からジェットル洗浄への切換並びに
ジェット洗浄からリム洗浄への切換を自動且つ定量で行
うことができる。しかも、このような供給先の切換を行
うに当たり、洗浄水の供給圧力に基づいているに過ぎず
制御機器やセンサ等の電気的な機器を一切必要としない
ので、その構成の簡略化を図ることができる。また、構
成の簡略化に伴いコスト低下も図ることができる。 この第1実施例に基づく実験データを図11ないし図13
に示す。なお、吐出ノズル35のノズル径dは7mm、ゼッ
ト吐水口106の開口径Dを15mmとして実験を行った。図1
1に示す表において、jet流量A、jet流速Bは吐出ノズ
ル35の直後に配置した流量計、流速計の値を夫々記録し
たものである。ゼット流量C、ゼット流速Dは、ゼット
吐水口106直後に配置した流量計、流速計の値を夫々記
録したものである。そして、図12は、吐出ノズル35から
のjet流量とゼット吐水口106からのゼット流量の関係を
示すグラフであり、図13は、同じくjet流速とゼット流
速の関係を示すグラフである。 この実験データから、ゼット導水路161における洗浄
水の流速は、吐出ノズル35下方では当該ノズルから吐出
された高速・高圧の噴流により大きな流速であるが、ゼ
ット吐水口106で、吐出ノズル35下方の約3〜4割程度
の流速に低下する。その反面、ゼット導水路161におけ
る洗浄水の瞬間流量は、ゼット吐水口106付近で、吐出
ノズル35下方の約2倍近くに増幅されていることがわか
る。これは、吐出ノズル35から吐出された噴流によりエ
ジェクタ作用が生じて、吐出ノズル35周辺のゼット導水
路161に存在する洗浄水並びに洗浄水貯留部104に貯留さ
れた洗浄水が巻き込まれ、この巻き込まれた洗浄水は上
記の噴流と共にゼット吐水口106に向けて流出するから
であるといえる。そして、ゼット吐水口106付近では、
吐出ノズル35からの高速・高圧の噴流が流速分布の均一
な大流量の流れに変換され、この大流量の洗浄水は汚物
落し込み凹部112の汚物を排水トラップ102の入口121に
向けて面で押すようになる。しかも、汚物落し込み凹部
112の汚物の押し流しに必要とされる流量(本実施例に
あってはゼット流量)を吐出ノズル35からの僅かな流量
の吐出で得ることができる。このため、上記の第1実施
例の大便器100によれば、高い洗浄能力と高い節水能力
を兼ね備えた大便器を提供できる。また、このように高
い洗浄能力と高い節水能力を発揮するに当たり、負圧を
利用する必要がないことから、便器には密閉構造や耐圧
性能を必要としない。 また、この第1実施例の大便器100では、洗浄水貯留
部104をゼット導水路161を介してボール部101と連通し
ている。よって、切換弁41により洗浄水の供給先が供給
管133の側に切り換えられて通水リム103からボール部10
1に溜水がなされれば、洗浄水貯留部104にもこの溜水が
入り込んで洗浄水貯留部104の洗浄水貯留が完了する。
このため、洗浄水貯留部104への洗浄水貯留のための特
別な構造が不要となり、構成の簡略化を図ることができ
る。 また、洗浄水貯留部104の洗浄水貯留量を約0.5リット
ル程度とし、ボール部101の通常の溜水水量2リットル
に対して、約1/4とした。よって、以下の利点がある。 排水トラップ102に起きたサイホン作用は、ボール部1
01の水が上昇管122に引き込まれてボール部101で水切れ
が起きると消失する。そして、サイホン作用消失間際
に、比重の軽い浮遊性汚物を洗浄水と共に排水トラップ
102に引き込むいわゆるブロー効果が起きる。本実施例
では、洗浄水貯留部104の洗浄水貯留量をボール部101の
通常の溜水水量に対して上記のようにすることで、ジェ
ットポンプを介した洗浄水吐出の終了時期とサイホン作
用消失時期を合致させ、サイホン作用消失時期に合わせ
て洗浄水貯留部104の洗浄水がなくなるようにした。よ
って、本実施例の大便器100によれば、サイホン作用消
失時期に確実にボール部101の水切れをもたらし、上記
のブロー効果の実効を高めることができる。 更に、この第1実施例では、切換弁41の右端弁体部54
に装着した傘バルブ65を連通孔68を開閉させる逆止弁と
して機能させて、弁体50の復帰移動時には、連通孔66に
加えてこの連通孔68をも洗浄水の通過孔とする。このた
め、本実施例の切換弁41によれば、弁体50の復帰移動時
における洗浄水の第2の弁室71から洗浄水流入室58への
流出量を増大することができるので、弁体50の復帰速度
を高めることができる。そして、この復帰速度の向上を
通して、次回の大便器100の使用に速やかに対処するこ
とができる。 また、本実施例の切換弁41によれば、以下のような効
果を奏することができる。 A.切換弁41は、弁体50が初期位置にある際には連通孔66
を貫通するクリーニングピン69を有する。そして、この
クリーニングピン69により、連通孔66の異物による閉塞
を防止している。このため、切換弁41に洗浄水を供給す
れば、確実にその供給先を切り換えることができ、信頼
性を高めることができる。 B.切換弁41は、弁室43の右端側を拡張弁室44としこの拡
張弁室44おいて拡張鍔部53並びに右端弁体部54を左右移
動自在に備える。よって、弁体50に第2の弁室71の側か
ら作用する弁体駆動力を、受圧面積の広い右端弁体部54
にて発生させる。このため、水道水圧力が比較的低圧な
地域にあっても、或いは、何らかの原因で水道水圧力が
低下した場合であっても、広い受圧面積に基づいて比較
的大きな弁体駆動力を発生させて、確実に弁体50を上記
のように移動させることができる。この結果、切換弁41
を用いてリム/ジェット/リム洗浄を行う大便器100の
設置地域を拡大することができると共に、供給先切換延
いては便器洗浄形態の切換(リム/ジェット/リム洗浄
の切換)の信頼性を高めることができる。 C.切換弁41は、拡張弁室44において拡張鍔部53並びに右
端弁体部54を左右移動させ、弁体50が第1,第2の移動位
置に移動する際には、拡張鍔部53の折り返し部を拡張弁
室44の隔壁44aに重なるようにする。このため、この重
なりができる分だけ切換弁41の長手方向の寸法を短寸に
しても、弁体50の移動ストロークを確保できる。よっ
て、切換弁41によれば、その小型化を図ることができる
と共に、小型化を通して大便器100への搭載性を向上さ
せることができる。 次に、第2実施例について説明する。この第2実施例
も、上記の第1実施例と同様にローシルエットタイプの
大便器に関するものであり、第1実施例と共通する構成
を有する。よって、共通する構成および機能が同一の部
材についてはその説明を簡略し、異なる構成について詳
述することとする。第2実施例の大便器100Aは、その概
略断面と概略平面を表した図14とその15−15線概略断面
図の図15に示すように、便器本体101aにボール部101を
形成し、このボール部101底部の汚物落し込み凹部112か
ら排水トラップ102に汚物を押し流すように構成されて
いる。 この大便器100Aは、洗浄水貯留部104を便器本体101a
の前方側に有し、ボール部101と隔壁101bで区画形成し
て備える。この場合、洗浄水貯留部104は、ボール部101
を支える台座の内部に形成されている。つまり、図15に
示すように、洗浄水貯留部104は、ボール部101の隔壁10
1bでその上方側が区切られ、その左右は、椀状に湾曲し
た側面壁104aで囲まれている。このように、洗浄水貯留
部104は、側面壁104a並びに隔壁101bで区画された閉空
間とされており、その領域は図14に二点鎖線で示されて
いる。 この洗浄水貯留部104は、ボール部101の側にゼット吐
水口106を開口して備える。このゼット吐水口106は、排
水トラップ102の入口121と対向しており、洗浄水の通過
経路となる。このため、ボール部101に洗浄水が溜水さ
れていれば、洗浄水貯留部104にもゼット吐水口106を経
て洗浄水が流れ込むので、洗浄水貯留部104にはこの溜
水の水位と同一高さまで洗浄水が貯留されることにな
る。また、ゼット吐水口106を経て、洗浄水貯留部104の
側からボール部101へも洗浄水を流し込むことができ
る。この第2実施例では、洗浄水貯留部104の内容積
は、約0.5リットルとされており、この水量の洗浄水で
便器洗浄が行われる。なお、洗浄水貯留部104への溜水
の流入に支障がないよう、洗浄水貯留部104の頂上部に
はごく小径のエアー孔が空けられている。 便器本体101aの後部には、第1実施例と同様の給水弁
105(図示省略)の下流に接続された切換弁41が配設さ
れている。なお、切換弁41は、第1実施例と同様、洗浄
水の供給先を、給水初期から順次、通水リム103への供
給管133(図示省略)と、洗浄水貯留部104まで延びた連
結管137に切り換え、その後再度、供給管133に切り換え
る。これにより、ボール部101へは、リム/ジェット/
リムの順で洗浄水が吐出される。 連結管137は、切換弁41から台座を通って洗浄水貯留
部104の内部に達するよう湾曲配管されており、その先
端には、吐出ノズル35を備える。この吐出ノズル35は、
洗浄水貯留部104におけるゼット吐水口106に向けられて
おり、ゼット吐水口106を通して入口121を指向してい
る。洗浄水貯留部104の底部は、図15に示すように、凹
部104bとされており、図における紙面奥側がゼット吐水
口106とされている。そして、この凹部104bに吐出ノズ
ル35が配設されている。 このように、吐出ノズル35の前方には流体の通過経路
となるゼット吐水口106が存在することから、この吐出
ノズル35とゼット吐水口106とでジェットポンプが構成
される。このため、給水弁105により洗浄水が供給され
その供給先が上記のように連結管137にされると、この
吐出ノズル35から洗浄水貯留部104の内部には、より詳
しくは凹部104bには、1〜2kgf/cm2と高い水圧で洗浄水
が高速に流れ出る。この場合、洗浄水貯留部104には洗
浄水が貯留されているので、この吐出ノズル35からの吐
出水は、洗浄水貯留部104内の水を大量に巻き込む噴流
となる。そして、この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部
104内の水とが、ジェットポンプによる噴流噴出のよう
にしてゼット吐水口106から直に排水トラップ102の入口
121に向けて吐出される。よって、排水トラップ102に
は、このような流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て一
度に大量の洗浄水が送り込まれることになる。汚物落し
込み凹部112における汚物は、この大量の洗浄水に押し
流されて排水トラップ102内に強力に押し込まれる。な
お、大便器100Aにあっては、吐出ノズル35の先端部から
ゼット吐水口106に到るまでの領域が、第1実施例にお
けるゼット導水路161に替わるゼット導水路となり、ス
ロートとして機能する。また、この大便器100Aでも、第
1実施例と同様の排水トラップ102を有するが、その説
明は省略する。 この第2実施例に基づく実験データを図16〜図20に示
す。なお、吐出ノズル35のノズル径dを7mmとし、ゼッ
ト吐水口106の直径(開口径D)を10〜15mmの範囲の適
宜数値として実験を行った。ゼット吐水口106の直径
は、該当するデータ解析の際に後述する。また、測定
は、上記の第1実施例と同様に収集し、吐出ノズル35下
流におけるjet流量A、jet流速B、並びにゼット吐水口
106下流におけるゼット流量C、ゼット流速Dを測定
し、流量比や流速比等を求めた。 図16は、ゼット流量Cとjet流量Aの流量差(C−
A)に対するjet流量Aの流量比を表しており、吐出ノ
ズル35のノズル径dを7mmとしゼット吐水口106の開口径
Dを種々変化させた場合の流量比の推移をも示してい
る。この図16から、ゼット吐水口106の開口径Dを大き
くすれば流量比は増大することが判る。しかも、ゼット
吐水口106の開口径Dが13又は15mmであれば、流量比の
増大程度はより大きくなることが判る。また、この図16
により、jet流量Aを10リットル/min以上とすれば流量
比をほぼ一定とでき、ゼット吐水口106の開口径Dを定
めることで、流量比、延いてはゼット吐水口106からの
ゼット流量Cが決定されるといえる。 図17は、jet流量Aを一定(16リットル/min)とした
場合の、流量比とゼット吐水口106の開口径Dとの関係
を示している。なお、吐出ノズル35のノズル径dは7mm
である。この図17からも、ゼット吐水口106の開口径D
を大きくすれば流量比は増大することが判明した。 図18は、ゼット吐水口106からの洗浄水の流れのエネ
ルギ(ゼットエネルギE)と流量比の関係を示す。な
お、このゼットエネルギEは、水の密度をρ、ゼット吐
水口106の開口面積をS、ゼット流速をVとしたときに
表される以下の計算式から演算した。 E=(1/2)ρ・S・V3 また、16リットル/minと18リットル/minの流量のjet
流量Aについて調べた。この図18から、流量比が0.5を
下回ると、即ちゼット流量Cがjet流量Aの半分以下で
あれば、高いエネルギの流れを得ることができることが
判った。 次に、模擬汚物をボール部101に沈めた場合の排出の
様子を調べた。図19は、ボール部101の溜水に沈降する
模擬汚物の排出量と、ノズル径d(=7mm)とゼット吐
水口106の開口径Dの比(d/D)との関係、並びに、ゼッ
トエネルギEとd/Dとの関係を同時に表記した。この図1
9から、ゼットエネルギEと沈降汚物の排出量には相関
関係があり、ゼットエネルギEが大きくなると沈降汚物
の排出量は大きくなることが判った。そして、ノズル径
dと開口径Dの比が0.46程度以上であれば、ボール部10
1の溜水に沈降する汚物(模擬汚物)を好適に排出する
ことができることが判明した。 また、図20は、ボール部101の溜水に浮かぶ模擬汚物
の排出量とd/D(d=7mm)との関係、並びに、流量比と
d/Dとの関係を同時に表記した。この図20から、ボール
部101の溜水に浮かぶ小さな浮遊汚物(模擬汚物)の排
出能力は流量比の増加と共に高くなり、ノズル径dと開
口径Dの比が0.48程度以下であれば、この浮遊汚物を好
適に排出することができることが判明した。よって、ノ
ズル径dと開口径Dの比が0.5をやや下回る程度とすれ
ば、溜水に沈む汚物も浮かぶ汚物も比較的好適に排出す
ることができることが判明した。例えば、吐出ノズル35
のノズル径dが7mmであれば、ゼット吐水口106の開口径
Dを15mmとすることが好ましい。 以上説明したように、この第2実施例の大便器100Aに
よれば、連結管137を介して洗浄水貯留部104の吐出ノズ
ル35に洗浄水を供給してこのノズルから吐出すれば、1
〜2kgf/cm2といった高い水圧での吐出ノズル35からの吐
出水に洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込んで、ジェ
ットポンプによる噴流噴出のようにして流量増幅並びに
瞬間流量の増大を行い、ゼット吐水口106から洗浄水を
吐出する。そして、この吐出により、洗浄水貯留部104
内のわずか0.5リットルという洗浄水でボール部101内の
汚物を確実に排出して、高い洗浄能力と高い節水化を発
揮することができる。 また、この第2実施例の大便器100Aでは、洗浄水貯留
部104をゼット吐水口106を介して直接ボール部101と連
通し、吐出ノズル35先端からゼット吐水口106に至る間
のゼット導水路161を直線状とし短くしている。よっ
て、洗浄水貯留部104内の吐出ノズル35から吐出される
洗浄水の圧力の損失を抑制でき、より効果的にボール部
101を洗浄することができる。 更に、大便器100Aでは、洗浄水貯留部104を椀状に湾
曲した側面壁104aで囲んで形成した。よって、洗浄水貯
留部104にボール部101から溜水と共に異物が進入して
も、この進入した異物は側面壁104aに沿って凹部104bの
側に移動する。そして、この凹部104bには吐出ノズル35
が設置されているので、吐出ノズル35から上記したよう
に洗浄水の吐出が行われれば、凹部104bの異物は洗浄水
貯留部内の水と共に巻き込まれて洗浄水貯留部104から
流れ出る。よって、洗浄水貯留部104を異物で汚濁する
ことを抑制することができる。 ここで、上記の第2実施例の大便器100Aの変形例につ
いて説明する。第1の変形例の大便器100Bは、図21の概
略断面図に示すように、洗浄水貯留部104に替わる洗浄
水容器140を有する。この洗浄水容器140は、連通孔141
周壁に形成されたねじにねじ止めされている。そして、
洗浄水容器140は、ゼット吐水口106に繋がるゼット導水
路161と連通孔141にて連通する。つまり、この洗浄水容
器140は着脱自在であり、その内容積が洗浄水水量の節
水目標に合わせて変更できるようにされている。例え
ば、この節水目標が4リットルであれば内容積が0.8リ
ットルの洗浄水容器140が取り付けられ、6リットル、
8リットルであれば、それぞれ内容積が1.1リットル、
2.0リットルの洗浄水容器140が取り付けられる。そし
て、ゼット導水路161の奥側(図における左側)には、
連結管137に接続された吐出ノズル35が配設されてい
る。この場合、ボール部101に洗浄水が溜水されれば、
洗浄水容器140には、ゼット吐水口106、ゼット導水路16
1および連通孔141を経て洗浄水が流れ込み、洗浄水が満
水に貯留される。 このため、洗浄水の供給先が連結管137にされると、
吐出ノズル35からはゼット導水路161に1〜2kgf/cm2
高い水圧で洗浄水が高速に流れ出る。そして、ゼット導
水路161には連通孔141を介して洗浄水容器140が連通し
この洗浄水容器140には洗浄水が満水に貯留されている
ので、この吐出ノズル35からの吐出水は、洗浄水容器14
0内の水を連通孔141を経て大量に巻き込む噴流となる。
このため、この噴流と巻き込まれた洗浄水容器140内の
水とが、ジェットポンプによる噴流噴出のようにしてゼ
ット吐水口106から直に排水トラップ102の入口121に向
けて吐出される。よって、排水トラップ102には、ジェ
ットポンプによる流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て
一度に大量の洗浄水が送り込まれることになる。汚物落
し込み凹部112における汚物は、この大量の洗浄水に押
し流されて排水トラップ102内に強力に押し込まれる。
従って、この第1の変形例の大便器100Bによっても、高
い洗浄能力と高い節水化を発揮することができる。ま
た、この第1の変形例の大便器100Bによれば、洗浄水水
量の節水目標に合わせて洗浄水容器140を変更できるの
で、一段の節水を図ることができる。具体的に説明する
と、幼稚園や保育園等の幼児向けの施設における大便器
では、その使用者が排泄する汚物の量は一般的に少量で
ある。よって、このような施設では、節水目標を一般家
庭より少ない洗浄水水量とできるので、この節水目標に
適合した洗浄水容器140を選ぶことで節水の実効をより
高めることができる。 次に、第2実施例の大便器100Aの第2の変形例につい
て説明する。第2の変形例の大便器100Cは、図22の概略
断面図に示すように、連結管137が接続された圧力室150
を有する。この圧力室150は、洗浄水貯留部104の下方に
位置し、ゼット吐水口106と対向する吐出口151でこの洗
浄水貯留部104およびゼット導水路161と連通している。
このため、ボール部101に洗浄水が溜水されれば、圧力
室150には、ゼット吐水口106,ゼット導水路161および吐
出口151を経て洗浄水が流れ込み、洗浄水が満水に貯留
される。また、吐出口151は、その開口径が連結管137の
管路径より小さくされているので、連結管137から洗浄
水が供給された際には、上記した各実施例における吐出
ノズル35として機能する。 従って、洗浄水の供給先が連結管137にされると、1
〜2kgf/cm2と高い水圧で洗浄水が圧力室150に流れ込
み、開口径が連結管137の管路径より小さい吐出口151か
らは、高流速の洗浄水がゼット導水路161に流れ出る。
つまり、この吐出口151とその前方の流体流路であるゼ
ット導水路161とでジェットポンプが構成される。そし
て、この吐出口151からの吐出水は、洗浄水貯留部104内
の水をゼット導水路161にて大量に巻き込む噴流とな
り、この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部104内の水と
が、ジェットポンプによる噴流噴出のようにしてゼット
吐水口106から直に排水トラップ102の入口121に向けて
吐出される。よって、排水トラップ102には、このよう
な流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て一度に大量の洗
浄水が送り込まれることになる。汚物落し込み凹部112
における汚物は、この大量の洗浄水に押し流されて排水
トラップ102内に強力に押し込まれる。従って、この第
2の変形例の大便器100Cによっても、高い洗浄能力と高
い節水化を発揮することができる。また、上記のような
洗浄水吐水を行うに当たり、圧力室150を便器本体と共
に陶器にて一体に製造でき、その圧力室150に連結管137
を接続するだけでよい。よって、この第2の変形例の大
便器100Cによれば、高い洗浄能力と高い節水化を発揮す
ることのできる大便器を比較的容易に製造することがで
きる。 次に、第2実施例の大便器100Aの第3の変形例につい
て説明する。この第3の変形例では、図23の要部概略断
面図に示すように、連結管137に接続された吐出ノズル3
5の先端には、その前方で流体経路を形成する筒状体170
が固定されており、吐出ノズル35と筒状体170とは一体
とされている。この場合、吐出ノズル35の先端部のノズ
ル径と筒状体170の貫通孔171の内径(開口径)とは、そ
の比が0.3〜0.7の範囲になるように、決定されている。
この筒状体170は、貫通孔171に連通した側面孔172を有
し、この側面孔172を通して、吐出ノズル35からの吐出
水に洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込み可能として
いる。つまり、筒状体170はスロートとして機能し、吐
出ノズル35とこの筒状体170とでジェットポンプが構成
されている。そして、一体化された吐出ノズル35と筒状
体170とは、洗浄水貯留部104を構成する便器壁面にブッ
シュ173により固定され、吐出ノズル35には連結管137が
接続される。 従って、洗浄水の供給先が連結管137にされると、吐
出ノズル35からは筒状体170の貫通孔171に1〜2kgf/cm2
と高い水圧で洗浄水が図中白抜きの矢印で示すように高
速に流れ出て、貫通孔171を通過する。そして、貫通孔1
71は側面孔172を介して洗浄水貯留部104と連通している
ので、この吐出ノズル35からの吐出水は、洗浄水貯留部
104内の水を側面孔172を経て図中実線の矢印で示すよう
に貫通孔171の内部に大量に巻き込む噴流となる。この
ため、この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部104内の水
とが、ジェットポンプによる噴流噴出のようにして貫通
孔171の先端、即ちゼット吐水口106から直に排水トラッ
プ102の入口121に向けて吐出される。また、筒状体170
の先端部は洗浄水貯留部104とゼット吐水口106とを連通
するよう切り欠かれているので、筒状体170からゼット
吐水口106に図中黒塗りの矢印で示すように吐出された
洗浄水は、この切欠部分からも洗浄水貯留部104内の水
を図中点線の矢印で示すように巻き込んで流れ出る。よ
って、排水トラップ102には、吐出ノズル35と筒状体170
とで構成されるジェットポンプによる第一段の流量増幅
と、筒状体170先端で起きる洗浄水の巻き込みによる第
二段目の流量増幅とを受けて、一度に大量の洗浄水が送
り込まれることになる。このため、汚物落し込み凹部11
2における汚物は、この大量の洗浄水に押し流されて排
水トラップ102内に強力に押し込まれる。従って、この
第3の変形例の大便器によっても、高い洗浄能力と高い
節水化を発揮することができる。 また、この第3の変形例の大便器では、吐出ノズル35
と筒状体170とを一体化させているので、その組み付け
時や保守点検時等の際における取り扱いの簡略化を図る
ことができる。更に、この両者が一体化していること
で、吐出ノズル35のノズル開口と筒状体170の貫通孔171
との位置関係を確実に維持できる。更に、吐出ノズル35
や筒状体170を金属や樹脂等で形成できるので、寸法精
度に優れる。これらの結果、この第3の変形例の大便器
によれば、上記したジェットポンプによる噴流噴出のよ
うな流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て洗浄水吐出を
確保でき、確実に高い洗浄能力と高い節水化を発揮する
ことができる。 この第3の変形例を、筒状体170を図23中に一点鎖線
で示すようにその途中で切断した短寸の筒状体に替える
よう更に変形することもできる。このように変形して
も、筒状体170端面からの吐出水は、その前方のゼット
吐水口106を通過する間に洗浄水貯留部104内の洗浄水を
巻き込む。よって、短寸の筒状体170とゼット吐水口106
とでもジェットポンプが構成され、この変形例によって
も多段の流量増幅を行って排水トラップ102に一度に大
量の洗浄水を送り込むことができる。 次に、第2実施例の大便器100Aの第4の変形例につい
て説明する。この第4の変形例は、上記した第3の変形
例と同様に吐出ノズル35と筒状体を有する。即ち、図24
の要部概略断面図に示すように、連結管137に接続され
た吐出ノズル35には、脚部材175を介して、筒状体180が
対向して固定されており、吐出ノズル35と脚部材175お
よび筒状体180は一体とされている。この場合、吐出ノ
ズル35の先端部のノズル径と筒状体180の貫通孔181の内
径(開口径)とは、その比が上記したように0.3〜0.7の
範囲になるように、決定されている。脚部材175は、テ
ーパ状の側壁に開口176を等ピッチで複数有する。よっ
て、この開口176を通して、吐出ノズル35の先端部と筒
状体180の左端との間の間隙に洗浄水貯留部104内の洗浄
水を導き入れることができる。つまり、脚部材175と筒
状体180は、この両者でスロートとして機能し、吐出ノ
ズル35とでジェットポンプを構成する。そして、一体化
された吐出ノズル35と脚部材175並びに筒状体180とは、
洗浄水貯留部104を構成する便器壁面の取付孔に吐出ノ
ズル35の後端を差し込み、図示しないキャップねじによ
り便器に固定され、その後に吐出ノズル35に連結管137
が接続されている。 従って、洗浄水の供給先が連結管137にされると、吐
出ノズル35からは筒状体180の貫通孔181に向けて1〜2k
gf/cm2と高い水圧で洗浄水が図中白抜きの矢印で示すよ
うに高速に流れ出て、貫通孔181に流れ込む。そして、
吐出ノズル35からの洗浄水が貫通孔181に流れ込む際に
は、吐出ノズル35からの吐出水は、洗浄水貯留部104内
の水を開口176を経て図中実線の矢印で示すように貫通
孔181の内部に大量に巻き込む噴流となる。このため、
この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部104内の水とが、
ジェットポンプによる噴流噴出のようにして貫通孔181
の先端、即ちゼット吐水口106から直に排水トラップ102
の入口121に向けて吐出される。また、筒状体180は洗浄
水貯留部104とゼット吐水口106との間の洗浄水の流通を
阻害しないので、筒状体180からゼット吐水口106に図中
黒塗りの矢印で示すように吐出された洗浄水は、筒状体
180先端部の周囲からも洗浄水貯留部104内の水を図中点
線の矢印で示すように巻き込んで流れ出る。よって、排
水トラップ102には、吐出ノズル35と筒状体180とで構成
されるジェットポンプによる第一段の流量増幅と、筒状
体180先端で起きる洗浄水の巻き込みによる第二段目の
流量増幅とを受けて、一度に大量の洗浄水が送り込まれ
ることになる。このため、汚物落し込み凹部112におけ
る汚物は、この大量の洗浄水に押し流されて排水トラッ
プ102内に強力に押し込まれる。従って、この第4の変
形例の大便器によっても、確実に高い洗浄能力と高い節
水化を発揮することができる。また、第3の変形例と同
様に、取り扱いの簡略化を図ることができる。 次に、第3実施例について説明する。図25は、第3実
施例の大便器200の概略断面図である。図示するよう
に、第3実施例の大便器200は、排水トラップ102を、ボ
ール部101の汚物落し込み凹部112にその下方で連結して
有する。この大便器200における排水トラップ102は、汚
物落し込み凹部112より低い位置から立ち上げて当該凹
部に連結された上昇管122を有し、入口121を上昇路の立
ち上げ箇所側方に有する。なお、排水トラップ102は、
上記の各実施例と同様に、上昇管122に続く下降管123、
横引き路124および便器排水口125を有する。 大便器200は、上記した各実施例と同様、洗浄水貯留
部104を有する。この洗浄水貯留部104は、上昇管122の
下方から汚物落し込み凹部112の下方にかけて、ボール
部の台座に区画形成されている。洗浄水貯留部104は、
その最下端端面の中央部分に、上昇管122と連通する連
通孔201を備える。連通孔201には、筒状体202が上昇管1
22の管路方向と略平行に固定されている。この筒状体20
2は、下端が洗浄水貯留部104の内部にまで達するように
固定されている。そして、筒状体202の下方には、当該
筒状体の貫通孔203を指向して吐出ノズル35が配設され
ている。つまり、この吐出ノズル35は、筒状体202を通
して上昇管122の管路を指向している。よって、吐出ノ
ズル35と筒状体202とで構成されるジェットポンプは、
上昇管122の立上がり箇所から当該上昇管の管路を指向
する。この場合、筒状体202の貫通孔径Dと上昇管122の
管路径Kとは、その比の値D/Kが約0.3〜0.6の値となる
ようにされている。なお、この吐出ノズル35は、上記し
た各実施例と同様に連結管137が連結されている。 図示するように、洗浄水貯留部104は、筒状体202の貫
通孔203を介して上昇管122および汚物落し込み凹部112
と連通している。よって、ボール部101に洗浄水が溜水
されていれば、洗浄水貯留部104にもこの貫通孔203を経
て洗浄水が流れ込み、洗浄水貯留部104にはこの溜水の
水位と同一高さまで洗浄水が貯留される。この実施例に
あっても、洗浄水貯留部104の内容積は、約0.5リットル
とされており、この水量の洗浄水で便器洗浄が行われ
る。 また、この大便器200にあっても、第1実施例と同様
の給水弁105(図示省略)とその下流に接続された切換
弁41とを有し、ボール部101へは、既述した通り、リム
/ジェット/リムの順で洗浄水が吐出される。 このように構成された第3実施例の大便器200では、
給水弁105により洗浄水の供給先が連結管137にされる
と、この吐出ノズル35から筒状体202の貫通孔203に向け
て、1〜2kgf/cm2と高い水圧で洗浄水が高速に流れ出
る。そして、吐出ノズル35からの吐出水は、洗浄水貯留
部104に貯留済みの洗浄水を大量に巻き込む噴流とな
り、この噴流と巻き込まれた洗浄水貯留部104内の水と
が、ジェットポンプによる噴流噴出のようにして筒状体
202から上昇管122に吐出される。この場合、上記した吐
出ノズル35の指向性により、筒状体202からは、上昇管1
22の立上がり箇所からその管路に沿って洗浄水が吐出さ
れる。そして、この筒状体202からの吐出水には、図中
に点線の矢印で示すように、上昇管122と汚物落し込み
凹部112の連通箇所からこの凹部内の溜水(洗浄水)が
巻き込まれる。つまり、吐出ノズル35と筒状体202で構
成されるジェットポンプによる流量増幅と溜水の巻き込
みによる流量増幅並びに瞬間流量の増大が起きた状態
で、洗浄水は上昇管122にその管路に沿って流れ込む。 よって、排水トラップ102の上昇管122には、このよう
な流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て一度に大量の洗
浄水が送り込まれることになる。汚物落し込み凹部112
における汚物は、この大量の洗浄水と共に上昇管122の
管路に沿って強力に押し挙げられる。しかも、この流量
増幅洗浄水の吐出により、上昇管122並びにその下流の
管路(下降管123等)はこの洗浄水で速やかに洗浄水で
満たされ、排水トラップ102には、確実に且つ早期のう
ちにサイホン作用が起きる。また、筒状体202から上昇
管122に吐出された洗浄水の流れは、上記のように溜水
を巻き込み、図中に白抜きの矢印で示すよう幅広の流れ
となる。このため、上昇管122の立上がり箇所に汚物が
存在しても、この幅広の流れで汚物をその周囲の水と共
に上昇管122に沿って移動させることができる。このた
め、ボール部の汚物の量に拘わらず、より確実に汚物を
排水トラップ102に搬送して便器洗浄をより確実に実施
することができる。しかも、汚物搬送並びに便器洗浄に
際しては、吐出ノズル35からの洗浄水吐出を図るに過ぎ
ないので、節水化を図ることができることは勿論であ
る。 次に、第4実施例について説明する。図26は、第4実
施例の大便器220の概略断面図であり、図27は、その要
部を拡大して示す要部拡大図である。第4実施例の大便
器220は、洗浄水貯留部104と汚物落し込み凹部112の連
通状態を切り換える構成を有する。即ち、図26に示すよ
うに、ボール部101と区画形成された洗浄水貯留部104
は、隔壁101bの下端側に開口104cを有し、この開口を開
閉する開閉体222を有する。なお、吐出ノズル35は、こ
の開口104cより便器前方側(図において左側)に組み込
まれており、吐出ノズル35とゼット吐水口106との間の
領域が、上記した大便器100C等と同様、ゼット導水路16
1とされている。そして、この吐出ノズル35とゼット導
水路161とでジェットポンプが構成されている。 開閉体222は、大きな浮力が作用する板材にて形成さ
れており、図27に示すように、支持部材223により、開
口104cの周縁に固定されている。このため、洗浄水貯留
部104に洗浄水が残存している間は、開閉体222は浮き上
がっており開口104cは未閉鎖の状態である。この場合、
開閉体222並びに支持部材223の組み付けに支障がないよ
う、吐出ノズル35は、入口121の底部壁材に便器下方か
ら後付け固定される壁部材121aに水密に固定されてい
る。なお、後述するように吐出ノズル35から洗浄水吐出
がなされて洗浄水貯留部104内の洗浄水が巻き込まれる
際には、開閉体222には、開口104cを閉じる側に吸引力
が働く。しかし、開閉体222に作用する浮力がこの吸引
力に勝るようにされているので、洗浄水貯留部104に洗
浄水が残存している間は、開口104cは未閉鎖の状態であ
る。 また、この大便器220にあっても、第1実施例と同様
の給水弁105(図示省略)とその下流に接続された切換
弁41とを有し、ボール部101へは、既述した通り、リム
/ジェット/リムの順で洗浄水が吐出される。 このように構成された第4実施例の大便器220では、
給水弁105により洗浄水の供給先が連結管137にされる
と、吐出ノズル35からその前方のゼット導水路161に
は、既述したように高速・高圧で洗浄水が吐出される。
そして、洗浄水貯留部104の開口104cは上記したように
未閉鎖の状態にあるので、この吐出ノズル35からの吐出
水は、洗浄水貯留部104の水を開口104cを経て大量に巻
き込む噴流となる。よって、この噴流と巻き込まれた洗
浄水貯留部104内の水とが、ジェットポンプによる噴流
噴出のようにしてゼット吐水口106から直に排水トラッ
プ102の入口121に向けて吐出される。従って、排水トラ
ップ102には、ジェットポンプによる流量増幅並びに瞬
間流量の増大を経て一度に大量の洗浄水が送り込まれる
ことになる。汚物落し込み凹部112における汚物は、こ
の大量の洗浄水に押し流されて排水トラップ102内に協
力に押し込まれる。このため、この第4実施例の大便器
220によっても、高い洗浄能力と高い節水化を発揮する
ことができる。 そして、この大便器220では、洗浄水貯留部104内の洗
浄水が吐出ノズル35の吐出水に総て巻き込まれて洗浄水
貯留部104内の洗浄水がなくなると、開閉体222により開
口104cを閉鎖する。従って、洗浄水貯留部104内の空気
を巻き込んだ状態で、吐出ノズル35から洗浄水を吐出す
ることがない。よって、洗浄水貯留部104内の洗浄水を
巻き込んだ状態での洗浄水吐出が、この洗浄水に替わっ
て空気を巻き込んだ洗浄水吐出に変化することはない。
このため、洗浄水を巻き込んだ状態での洗浄水吐出によ
り排水トラップ102で一旦開始されたサイホン作用を、
空気混入により断ち切ることがない。従って、不用意な
サイホン作用消滅をもたらさず、ボール部101への汚物
の戻りを起こさない。 なお、洗浄水貯留部104内の洗浄水がなくなっても、
ボール部101に溜水がされれば、その溜水が開閉体222を
押し上げて洗浄水貯留部104内に入り込む。よって、洗
浄水貯留部104には洗浄水が貯留される。 次に、上記の第4実施例の変形例について説明する。
第1の変形例は、洗浄水貯留部104内の空気が吐出ノズ
ル35からの吐出水に巻き込まないようにする構成が相違
する。図28は、この第1の変形例の要部を拡大した拡大
断面図である。図示するように、第1の変形例は、第2
実施例の大便器100Aの第3の変形例と同様に、吐出ノズ
ル35の先端には、その前方で流体経路を形成する筒状体
170を一体に有する。この筒状体170は、貫通孔171に連
通した側面孔172を有し、この側面孔172を開閉する蓋体
224を有する。この蓋体224は、第4実施例の開閉体222
と同様、吐出ノズル35からの洗浄水吐出に伴う吸引力に
勝る浮力が作用するようにされている。よって、この第
1の変形例にあっても、洗浄水貯留部104に洗浄水が残
存している間にあっては、吐出ノズル35からの吐出水に
洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込み可能とし、洗浄
水貯留部104の洗浄水がなくなれば、吐出ノズル35から
の吐出水に空気を混入させない。従って、この第1の変
形例にあっても、上記の第4実施例と同様、不用意なサ
イホン作用消滅をもたらさず、ボール部101への汚物の
戻りを起こさない。そして、他の実施例と同様、洗浄能
力の維持と節水化を図ることができる。 また、この第1の変形例では、筒状体170はその先端
で便器の隔壁101bと汚物落し込み凹部112の底部壁とシ
ール材225によりシールされており、洗浄水貯留部104
は、貫通孔171を介して汚物落し込み凹部112と連通して
いる。よって、洗浄水貯留部104内の洗浄水がなくなっ
ても、ボール部101に溜水がされれば、その溜水は、蓋
体224を押し上げ、貫通孔171を経て洗浄水貯留部104内
に入り込む。このため、洗浄水貯留部104には洗浄水が
常に貯留される。 次に、第5実施例について説明する。図29は、第5実
施例の大便器230の概略断面図である。第5実施例の大
便器230にあっても、洗浄水貯留部104と汚物落し込み凹
部112の連通状態を切り換える構成を有する。この図29
に示すように、ボール部101と区画形成された洗浄水貯
留部104は、隔壁101bの下端側に開口104cを有する。そ
して、大便器230は、この開口の下方領域のゼット導水
路161に、吐出ノズル35が固定されたノズル支持駒232を
摺動自在に備える。 ノズル支持駒232は、便器本体101aに組み込まれたモ
ータ234と連結されている。そして、当該モータの正逆
転により、ノズル支持駒232は、ゼット導水路161内を水
密に摺動する。この場合、モータ234の正逆転をノズル
支持駒232に伝える伝達機構は、ゼット導水路161と水密
に便器壁面101cを貫通して設けられている。連結管137
は、ノズル支持駒232において吐出ノズル35と連結さ
れ、便器壁面101cに水密に貫通して設けられている。ま
た、この大便器230は、モータ234を遠隔操作するための
ボタンを有する操作盤236を有する。操作盤236は、押圧
操作されたボタンに対応する光信号を出力し、モータ23
4はこの光信号により駆動するよう構成されている。よ
って、この操作盤236のボタン操作により、ノズル支持
駒232は前後退し、図中に実線で示す第1の吐出位置と
図中に二点鎖線で示す第2の吐出位置のいずれかを取り
得る。この場合、ノズル支持駒232が第2の吐出位置に
くると、洗浄水貯留部104の開口104cは、ノズル支持駒2
32により閉鎖されるようにされている。 従って、ノズル支持駒232を第1の吐出位置に後退さ
せて、洗浄水貯留部104とゼット導水路161とを開口104c
を介して連通状態としておくことで、吐出ノズル35とゼ
ット導水路161とでジェットポンプを構成する。そし
て、この際には、吐出ノズル35からの吐出水に洗浄水貯
留部104の洗浄水を巻き込んで洗浄水の流量増幅並びに
瞬間流量の増大を図り、このような洗浄水をゼット吐水
口106から入口121に向けて吐出する。つまり、ノズル支
持駒232を第1の吐出位置に位置させた状態では、この
流量増幅洗浄水で汚物を排水トラップ102に搬送して便
器洗浄を行うことができる。その一方、ノズル支持駒23
2を第2の吐出位置に前進させて開口104cを閉鎖し、洗
浄水貯留部104とゼット導水路161とを非連通状態として
おけば、洗浄水の巻き込みによる流量増幅並びに瞬間流
量の増大を図ることなく洗浄水を吐出ノズル35からボー
ル部101に吐出して汚物搬送並びに便器洗浄を行うこと
ができる。 このような洗浄水吐出の仕方は、ノズル支持駒232の
位置、即ち操作盤236を介して選択的に切り換えること
ができる。このため、排尿のみがなされてそれほど大き
なエネルギによる汚物搬送並びに便器洗浄を要しない場
合には、操作盤の操作によりノズル支持駒232を第2の
吐出位置として、ボール部101への洗浄水吐出を吐出ノ
ズル35からの単なる洗浄水吐出とすることができる。ま
た、大便が排便されて大きなエネルギによる汚物搬送並
びに便器洗浄を要する場合には、ノズル支持駒232を第
1の吐出位置として、流量増幅洗浄水の吐出とすること
ができる。 この第5実施例は、ノズル支持駒232がモータ234によ
り前後退することから、次のように変形することができ
る。 ノズル支持駒232が第1の吐出位置にある際に吐出ノ
ズル35から洗浄水吐出がなされると、上記したように洗
浄水貯留部104内の洗浄水は巻き込まれて減少する。こ
の場合、洗浄水貯留部104内の洗浄水水量は設計段階に
て定まり、巻き込みに伴うこの洗浄水の減少量は実験等
により把握できる。よって、吐出ノズル35からの洗浄水
吐出を開始してから洗浄水貯留部104内の洗浄水がなく
なるまでの所要時間も判明する。このため、吐出ノズル
35からの吐出開始後に所定時間経過すれば、操作盤236
からモータ234を前進駆動する光信号を出力するように
し、ノズル支持駒232を第2の吐出位置にするように構
成することができる。従って、このように構成した第5
実施例の変形例によれば、既述した第4実施例とその変
形例のように開閉体222や蓋体224を設けなくても、開口
104cを閉鎖して吐出ノズル35からの吐出水に空気を混入
させない。従って、第5実施例のこの変形例にあって
も、不用意なサイホン作用消滅をもたらさず、ボール部
101への汚物の戻りを起こさない。 次に、第6実施例について説明する。図30は、第6実
施例の大便器240の概略断面図である。第6実施例の大
便器240は、洗浄水を貯留する洗浄水貯留部104に替わる
貯留部104Aを有する。この貯留部104Aは、図示するよう
に既述した洗浄水貯留部104と同じように隔壁101bの下
側に区画形成されているが、大気開放孔241にて大気開
放されている。つまり、貯留部104A内は、洗浄水ではな
く空気が常時存在するようにされている。なお、この大
気開放孔241は、図示の都合上、ボール部101の溜水液面
より下方にとされているが、実際にはこの溜水液面より
上方で貯留部104Aを大気開放するように空けられてい
る。 貯留部104Aは、上記の第5実施例と同様、隔壁101bの
下端側に開口104cを有する。そして、大便器240は、こ
の開口の下方領域101dに、ゼット導水路形成機構242を
水密に固定して有する。なお、吐出ノズル35は、このゼ
ット導水路形成機構242に先端を位置させるようにして
便器本体101aに固定されている。 ゼット導水路形成機構242は、吐出ノズル35からの吐
出洗浄水のゼット導水路を形成すると共に、開口104cを
吐出ノズル35からの洗浄水吐出に合わせて開閉するよ
う、以下の構成を有する。ゼット導水路形成機構242
は、その周辺を拡大して示す図31に示すように、下方領
域101dに位置する外部筒体243と、その内部の内部筒体2
44とを有する。 外部筒体243は、シールリング245により下方領域101d
に水密に嵌合固定されており、汚物落し込み凹部112の
側の端部開口をゼット吐水口106とする。そして、この
外部筒体243は、その反対側の端部開口から吐出ノズル3
5の吐出洗浄水を導く。外部筒体243の側面には、開口10
4cと重なる側面開口246が空けられている。 内部筒体244は、外部筒体243の内周面に沿って左右に
摺動できるようこの外部筒体243の内部に組み込まれて
いる。この場合、内部筒体244は、シールリング247によ
り、外部筒体243の内周面に対して水密とされている。
この内部筒体244は、吐出ノズル35の側に下方に突出し
た舌片部248を有する。この舌片部248は、吐出ノズル35
から洗浄水が吐出されると、その洗浄水から抵抗を受け
るようにされている。内部筒体244の側面には、この内
部筒体244が図中に実線で示す位置(以下、この位置を
ノズル吐出時位置という)にあるときに、外部筒体243
の側面開口246と重なる側面開口249が空けられている。
なお、内部筒体244がその軸を中心に回転しないよう
に、図示しない周り止めが設けられている。 そして、内部筒体244の図における右端と外部筒体243
のゼット吐水口106周縁との間には、内部筒体244を吐出
ノズル35の側に常時付勢するスプリング250が組み込ま
れている。このため、内部筒体244は、吐出ノズル35か
ら洗浄水吐出がなされておらず舌片部248がその抵抗を
受けないときには、スプリング250の付勢力を受けて、
図中二点鎖線で示す位置(以下、この位置を初期位置と
いう)にある。その一方、吐出ノズル35から洗浄水が吐
出されると、舌片部248がその吐出抵抗を受けるので、
内部筒体244は、上記のノズル吐出時位置に移動し、側
面開口246と側面開口249とが重なる。なお、洗浄水吐出
時には、内部筒体244と外部筒体243がこのような位置関
係になるように、スプリング250の付勢力が調整されて
いる。 図示するように、内部筒体244は外部筒体243の内部に
あり、吐出ノズル35はこれら筒体の軸心を指向している
ことから、両筒体の貫通孔がゼット導水路161となる。 ここで、この大便器240における洗浄水吐出の様子に
ついて説明する。既述したように給水源からの洗浄水の
供給先が連結管137とされると、吐出ノズル35からその
前方のゼット導水路161には、既述したように高速・高
圧で洗浄水が吐出される。こうして洗浄水吐出が開始さ
れると、それまで初期位置にあった内部筒体244は、吐
出洗浄水の抵抗を受けて右方向に移動を始め、ノズル吐
出時位置にくる。すると、両筒体の側面開口246,249が
重なりこれら開口は開口104cとも重なる。よって、貯留
部104Aはゼット導水路161と連通し、貯留部104A内の流
体(この場合は空気)がゼット導水路161に入り込み可
能となる。従って、両筒体がこの位置関係となると、吐
出ノズル35とゼット導水路161とでジェットポンプが構
成される。 そして、この際には、吐出ノズル35からの洗浄水吐出
がなされているので、貯留部104A内の空気は、吐出ノズ
ル35からの吐出水に、開口104cおよび側面開口246,249
を経て大量に巻き込まれる。つまり、吐出ノズル35から
の吐出水は、貯留部104A内の空気を巻き込む噴流とな
る。よって、空気を巻き込んだ吐出ノズル35からの吐出
水が、ジェットポンプによる噴流噴出のようにしてゼッ
ト吐水口106から直に排水トラップ102の入口121に向け
て吐出される。この場合、吐出ノズル35からの吐出水に
空気を巻き込むが、当該吐出水に水を巻き込む場合と流
量増幅並びに瞬間流量の増大を図る点では同等の効果が
ある。従って、排水トラップ102には、ジェットポンプ
による流量増幅並びに瞬間流量の増大を経て一度に大量
の洗浄水が送り込まれることになる。汚物落し込み凹部
112における汚物は、この大量の洗浄水に押し流されて
排水トラップ102内に強力に押し込まれる。このため、
この第6実施例の大便器240によっても、高い洗浄能力
と高い節水化を発揮することができる。 上記した吐出ノズル35からの洗浄水吐出が停止する
と、内部筒体244はスプリング250の付勢力を受けて初期
位置に戻る。このため、両筒体のそれぞれの側面開口が
両筒体の側壁により塞がれて、貯留部104Aとゼット導水
路161との連通は解かれる。よって、貯留部104Aには、
汚物落し込み凹部112内の溜水が不用意に入り込むこと
はない。なお、側面開口246,249が完全に塞がれるまで
の間に、貯留部104Aには溜水が入り込むが、その量は僅
かである。そして、こうして入り込んだ溜水は、次回の
吐出ノズル35からの洗浄水吐出時に、この吐出洗浄水に
空気と一緒に巻き込まれるので、何ら支障はない。 この第6実施例の大便器240では、流量増幅を図る上
で吐出ノズル35からの吐出水に空気を巻き込ませ、水を
巻き込ませないので、その分だけ節水化を進めることが
できる。 次に、第7実施例について説明する。図32は、第7実
施例の大便器260の概略断面図であり、図33は、そのリ
ム部の概略横断面図である。第7実施例の大便器260
は、上記した実施例とは異なりリム洗浄のみを行う大便
器であり、以下の構成を備える。なお、汚物落し込み凹
部112から汚物並びに洗浄水を排出する排水トラップ102
を有する点では共通する。 大便器260は、通水リム103に洗浄水を導くための通水
部262を便器後方に有する。この通水部262は、通水リム
103に接続されたゼット導水路161と、当該導水路に給水
管263を介して連通する洗浄水貯留部104を有する。ゼッ
ト導水路161は、図33に示すように、通水リム103に対し
て斜め方向から洗浄水を導くように、この通水リム103
に接続されている。通水リム103は、適宜間隔でリム水
出孔132を有し、それぞれのリム水出孔132は、ボール部
101に対して傾斜して形成されている。このため、ゼッ
ト導水路161を経て通水リム103に導かれた洗浄水は、リ
ム水出孔132から流れ出て、ボール部101のボール面にお
いて旋回しながらボール部101の溜水に達する。そし
て、このように洗浄水が溜水に達することで、排水トラ
ップ102にはサイホン作用が生じ、汚物落し込み凹部112
の汚物搬送並びに便器洗浄が行われる。なお、このサイ
ホン作用については後述する。 また、大便器260は、ゼット導水路161の奥側に吐出ノ
ズル35を固定して備え、吐出ノズル35はゼット導水路16
1の導水方向を指向している。このため、この吐出ノズ
ル35とゼット導水路161とでジェットポンプが構成され
る。更に、大便器260は、給水管263に先端が向けられた
補給管264を有し、この補給管264から洗浄水貯留部104
に洗浄水を補給する。 この第7実施例の大便器260では、リム洗浄を行うた
めの給水と洗浄水貯留部104に洗浄水を補給するための
給水とをそれぞれ一度行えばよい。このため、以下の構
成を有する切換弁341により、連結管137への給水と補給
管264への給水を切り換えている。 切換弁341は、図34の断面図に示すように、弁筐体342
を中心に構成され、その内部には、上記した洗浄水の切
換を行うための切換弁本体343を切換弁ガイド孔342a内
に摺動自在に備える。また、弁筐体242の外周には、切
換弁ガイド孔342aに到るまで流入口348とリム側排出口3
49と補給管側出口350とが空けられている。この場合、
流入口348と補給管側出口350とは一直線上に位置するよ
う、リム側排出口349は流入口348と直交するように、更
に、切換弁ガイド孔342aは流入口348とリム側排出口349
および補給管側出口350の夫々に対して直交するよう、
それぞれ形成されている。そして、流入口348には給水
弁105からの流路が、リム側排出口349には上記の連結管
137が、補給管側出口350には上記の補給管264がそれぞ
れ接続されている。なお、流入口348は、リム側排出口3
49並びに補給管側出口350よりも若干大きく形成されて
いる。 切換弁本体343は、一端(図34における左端)が閉塞
し多端が開口した中空円筒状の円筒内周部343bを中心に
構成され、外周壁を切換弁ガイド孔342aに案内されるガ
イド部343cとしている。この切換弁ガイド孔342aの内周
とガイド部343cの間には、シリコンによりドーナツ状に
形成されたリング343eが配設されており、摺動性と水密
性が確保されている。そして、図におけるガイド部343c
の左側には、切換弁本体343を右方向に付勢する復帰ス
プリング340が収納されている。 また、円筒内周部343bの開口端側には、受圧部343dが
組み込み固定されており、この受圧部343dを取り囲むよ
う、キャップ342cが弁筐体342に固定されている。そし
て、キャップ342cと弁筐体342とで、受圧部343dを周回
するベロフラム344が挟持されており、キャップ342cの
内部領域は、ベロフラム344を介して圧力室345とされて
いる。この圧力室345は、受圧部343dに設けられた小穴3
43aを通して切換弁本体343の円筒内周部343bと連通して
いる。 更に、円筒内周部343bの周面には、リム側排出口349
および補給管側出口350の夫々に対応するリム側連絡口3
46および補給管連絡口347が、図において左右に空けら
れている。この場合、図示するように、切換弁本体343
が図示する第1位置にあるときには、リム側連絡口346
はリム側排出口349と重なり、補給管連絡口347は切換弁
ガイド孔342aの内周壁で閉塞されている。その一方、切
換弁本体343がこの第1位置から図における左方の第2
位置に摺動すると、補給管連絡口347は補給管側出口350
と重なり、リム側連絡口346は切換弁ガイド孔342aの内
周壁で閉塞される。また、円筒内周部343bの周面には、
長穴状の流入連絡口343fが空けられており、この流入連
絡口343fは、切換弁本体343が上記の第1,第2位置のい
ずれの位置にあっても、流入口348と重なるようになっ
ている。従って、切換弁本体343が第1位置と第2位置
に摺動することにより、流入口348は、リム側排出口349
か補給管側出口350のいずれかと択一的に連通すること
になる。 次に、この切換弁341による洗浄水供給先の切換の様
子について説明する。今、便器洗浄のために遠隔操作盤
の洗浄ボタンが操作されると、切換弁本体343は図示す
る第1位置にあるので、給水弁105を通過した洗浄水
は、切換弁341の流入口348に到り、その後は、リム側連
絡口346からリム側排出口349に流出する。そして、この
リム側排出口349は連結管137と接続されていることか
ら、洗浄水は、連結管137に導かれて吐出ノズル35に送
られ、この吐出ノズル35から吐出される。従って、洗浄
水は、通水リム103に流れ込みリム洗浄が開始される。 図32、図33に示すように、連結管137先端の吐出ノズ
ル35は、ゼット導水路161内に配設されており、ゼット
導水路161の指向方向と略同一方向に向けられている。
このため、給水弁105(図示省略)により洗浄水が供給
されその切換先が切換弁341により連結管137にされたと
きには、この吐出ノズル35からゼット導水路161へは、
1〜2kgf/cm2と高い水圧で洗浄水が高速に流れ出る。よ
って、この吐出ノズル35からの吐水は、ゼット導水路16
1と連通されている洗浄水貯留部104内の水を大量に巻き
込む噴流となる。このため、この噴流と巻き込まれた洗
浄水貯留部104内の水とが、ジェットポンプによる吐水
のようにしてゼット導水路161を通って通水リム103に向
けて直接的に吐出される。 従って、通水リム103には、ジェットポンプによる流
量増幅並びに瞬間流量の増大を経て一度に大量の洗浄水
が送り込まれることになり、この洗浄水がそれぞれのリ
ム水出孔132からボール部101の表面に沿って流れ落ち
る。この場合、リム水出孔132からは、この流量増幅洗
浄水が斜めに流れ落ちるので、この洗浄水はボール部表
面において高いエネルギをもって旋回しながら溜水に達
する。よって、ボール部101では、溜水もこのように旋
回しつつ、洗浄水の流れ込みによりボール内水量が増加
する。よって、溜水の強力な旋回により上昇管122への
排出効率が高まるので、排水トラップ102には早期のう
ちに効率よくサイホン作用が生じる。このため、汚物落
し込み凹部112の汚物搬送並びに便器洗浄を効率よく行
うことができる。しかも、この際には、上記した各実施
例と同様に、ジェットポンプにより洗浄水の流量増幅並
びに瞬間流量の増大を行っているので、洗浄能力を維持
したまま節水化を図ることができる。 また、ゼット導水路161から通水リム103へは、通水リ
ム103に対して斜め方向から洗浄水を流し込んでいる。
よって、通水リム103に流れ込む洗浄水の吐出圧力の損
失を抑制することができる。このため、流量増幅洗浄水
を高いエネルギのままリム水出孔132からボール部101に
流し落とすことができる。この結果、より効果的にボー
ル部表面を洗浄できる。 このようにして洗浄水が連結管137に導かれ吐出ノズ
ル35からゼット導水路161に吐出されている間にあっ
て、一部の洗浄水は小穴343aを通じて圧力室345に供給
される。従って、圧力室345の圧力が洗浄水供給に伴い
上昇しその圧力が復帰スプリング340の付勢力に勝る
と、切換弁本体343は復帰スプリング340に抗して、徐々
に左方向へ移動する。圧力室345が満水状態になって切
換弁本体343が第2位置に到ると、切換弁341の補給管連
絡口347と補給管側出口350とが整合し、洗浄水は、この
補給管側出口350に接続された補給管264を経て洗浄水貯
留部104に導かれ貯留される。そして、上記の洗浄ボタ
ン操作から所定時間経過すると給水弁105は閉弁するた
め、洗浄水は切換弁341に供給されなくなる。従って、
切換弁本体343が復帰スプリング340の力により右方向に
移動し、その移動に伴って圧力室345内の水は小穴343a
を通って逆流するので、切換弁本体343は徐々に元の第
1位置に戻る。 なお、上記したよう行われるリム洗浄は、既述した汚
物搬送に続いてボール部101に溜水するようにされてい
る。また、補給管264から洗浄水貯留部104への洗浄水補
給は、洗浄水貯留部104が満水となる程度で終了するよ
うにされている。具体的には、リム洗浄、洗浄水補給が
上記のようになるように、小穴343aの径等が調整されて
いる。 次に、第8実施例について説明する。図35は、第8実
施例の大便器270の概略断面図である。第8実施例の大
便器270は、図1、図2に示した第1実施例と吐出ノズ
ル35、洗浄水貯留部104や排水トラップ102等を有する点
については同一である。しかし、図35に示すように、こ
の大便器270は、ゼット導水路161からの洗浄水出口であ
るゼット吐水口106をボール部101の周面に斜めに開口し
て備える点でその構成が異なる。このゼット吐水口106
は、ボール部101における溜水液面より低い位置に空け
られており、当該吐水口から吐出された洗浄水により、
図中矢印で示すように溜水に旋回流を与える。そして、
このように旋回を与えつつボール部101に洗浄水吐出を
行うことで、上記の第7実施例と同様、排水トラップ10
2にサイホン作用を生じさせ、汚物搬送並びに便器洗浄
を行う。 大便器270は、第1実施例と同様にゼット導水路161に
吐出ノズル35を配設している。よって、上記のように溜
水に旋回を与えるよう吐出される洗浄水は、吐出ノズル
35とゼット導水路161とで構成されるジェットポンプに
よる流量増幅と瞬間流量の増大を受けている。そして、
このような洗浄水が溜水液面より下方からこの溜水に直
接流れ込む。このため、旋回は勢いよく起き、流量増幅
並びに瞬間流量の増大によりボール部101内の水量は瞬
時に増えるので、排水トラップ102には早期のうちに効
率よくサイホン作用が生じる。このため、汚物落し込み
凹部112の汚物搬送並びに便器洗浄を効率よく行うこと
ができる。しかも、この際には、上記した各実施例と同
様に、ジェットポンプにより洗浄水の流量増幅並びに瞬
間流量の増大を行っているので、洗浄能力を維持したま
ま節水化を図ることができる。 次に、第9実施例について説明する。この第9実施例
の大便器280は、ゼット吐水口106をボール部101の周面
に斜めに開口して備える点で上記の第7実施例と共通
し、このゼット吐水口106をボール部101の溜水液面より
上方に有する点で相違する。図36は、第9実施例の大便
器280の概略断面図であり、図37は、その37−37線概略
断面図、図38は、同じく38−38線概略断面図である。な
お、この大便器280は、図1、図2に示した第1実施例
と吐出ノズル35や排水トラップ102等を有する点につい
ては同一である。 これら図面に示すように、大便器280は、洗浄水貯留
部104をボール部101の側面壁101eの外側に備える。この
洗浄水貯留部104のボール部101の側は開口されており、
この開口がゼット吐水口106とされている。洗浄水貯留
部104には、便器後方から補給管路104Bが連設されてお
り、この補給管路104B内に吐出ノズル35が配設されてい
る。洗浄水貯留部104は、ゼット吐水口106の近傍で補給
管路104Bと開口282を介して繋がっている。 補給管路104Bは、その上端側で通水リム103と連通さ
れており、供給源からの洗浄水の供給先が供給管133と
されリム洗浄が行われる場合には、一部の洗浄水を洗浄
水貯留部104に導くように構成されている。よって、洗
浄水貯留部104はリム洗浄の実施の程度に洗浄水で満た
される。その一方、開口282は、吐出ノズル35の前方に
空けられており、この吐出ノズル35から吐出された洗浄
水はその前方の補給管路104Bを通過する。このため、吐
出ノズル35からゼット吐水口106までの間がゼット導水
路161となり、このゼット導水路161と吐出ノズル35とで
ジェットポンプが構成される。 従って、この第9実施例の大便器280であっても、ゼ
ット吐水口106からの吐出洗浄水は、上記の第8実施例
と同様に、旋回しつつボール部101に流れ込み、その際
には、ジェットポンプによる流量増幅並びに瞬間流量の
増大を受けている。このため、大便器280によっても、
排水トラップ102に早期のうちに効率よくサイホン作用
が生じさせて汚物搬送並びに便器洗浄を効率よく行うこ
とができると共に、洗浄能力を維持したまま節水化を図
ることができる。 また、この大便器280では、ゼット吐水口106を溜水液
面より上方にゼット吐水口106を有し、ここからの吐出
洗浄水を溜水液面に至る前にボール部表面に沿って旋回
させる。よって、この溜水液面より上方のボール部101
の表面をも効果的に洗浄することができる。 次に、第10実施例について説明する。この第10実施例
では、上記の各実施例が単一のジェットポンプを有する
のに対し、複数のジェットポンプを用いる点に特徴があ
る。そして、排水トラップ102の入口121にこの複数のジ
ェットポンプを指向して配設するので、以下に説明する
ように、個々のジェットポンプについての小型化を図っ
た。図39は、第10実施例のジェットポンプの要部を示す
説明図であり、図40は、その40−40線断面図である。 これらの図に示すように、個々のジェットポンプ290
は、既述した吐出ノズル35よりもその外径が小さくされ
た吐出ノズル292と、その先端に嵌合固定された筒状体2
94を有する。この筒状体294の周壁には、吐出ノズル292
の側に側面開口295が等ピッチで空けられている。そし
て、吐出ノズル292から洗浄水吐出がなされると、その
洗浄水は吐出ノズル292の貫通孔296を通過し、それぞれ
の側面開口295からはその周囲の洗浄水が吐出洗浄水に
巻き込まれる。つまり、貫通孔296が既述した各実施例
におけるゼット導水路161となり、この貫通孔296の洗浄
水通過により、流量増幅と瞬間流量の増大がなされる。 こうして構成される複数個のジェットポンプ290は、
ゼット吐水口106或いは入口121の開口形状に応じて配置
される。図41は、第10実施例の大便器300の概略断面図
であり、図42は、図41におけるX方向矢視図、図43は、
図42のY方向要部矢視図である。図41に示すように、大
便器300は、洗浄水貯留部104をボール部101と区画して
形成している点、入口121に対向してゼット吐水口106を
有する点等で上記の実施例、例えば図26に示した第4実
施例の大便器220、図29に示した第5実施例の大便器230
と共通する。この大便器300は、洗浄水貯留部104の下端
を広く開口させており、開口下方の下方領域101dに以下
のようにしてジェットポンプを有する点に特徴がある。 図42に示すように、大便器300は、配置場所の制約等
により、縦長のゼット吐水口106を有する。そして、こ
のゼット吐水口106には、その形状に倣って、3個のジ
ェットポンプ290が縦列配置され、これらでジェットポ
ンプ群298が構成されている。これら各ジェットポンプ2
90は、図43に示すように、連結管137から分岐した分岐
管297におのおのの吐出ノズル292を連結して一体とされ
ている。なお、このジェットポンプ群298は、連結管137
を便器壁面101cに水密に固定して、下方領域101dに組み
込まれる。 上記した第10実施例の大便器300では、給水源から連
結管137に洗浄水が供給されると、分岐管297を経てそれ
ぞれのジェットポンプ290における吐出ノズル292から一
斉に洗浄水が吐出される。そして、個々のジェットポン
プ290からは、上記した流量増幅洗浄水が入口121に向け
て吐出される。このため、大便器300にあっては、流量
増幅洗浄水を、複数箇所から排水トラップ102における
入口121の開口範囲に亘って満遍なく流し込むので、高
い洗浄能力を発揮することができる。しかも、流量増幅
と瞬間流量増大を図っているので、上記の各実施例と同
様、節水化を図ることができる。 また、ジェットポンプ群298をゼット吐水口106の開口
形状に合わせているので、それぞれのジェットポンプ29
0における側面開口295からの洗浄水巻き込みに極端な優
劣を付けない。よって、各ジェットポンプ290からほぼ
均等の流量増幅洗浄水を吐出することができ好ましい。 この第10実施例は、ジェットポンプ群298をゼット吐
水口106の開口形状に応じて適宜構成することができ
る。即ち、図44に示すように、ゼット吐水口106が横長
形状であれば、ジェットポンプ290を横列配置してジェ
ットポンプ群298を構成する。また、図45に示すよう
に、ゼット吐水口106が略三角形状であれば、ジェット
ポンプ290を三角形の頂点に配置してジェットポンプ群2
98を構成すればよい。 次に、第11実施例について説明する。この第11実施例
では、上記の各実施例が便器本体101aのいずれか一つの
箇所からジェットポンプを介して流量増幅洗浄水を吐出
しているのに対し、便器本体101aの複数箇所から流量増
幅洗浄水を吐出している点に特徴がある。図46は、第11
実施例の大便器310の概略構成図である。大便器310は、
ジェット洗浄を行うためのゼット吐水口106とリム洗浄
を行うための通水リム103から、それぞれジェットポン
プにて流量増幅洗浄水を吐出する。つまり、この第11実
施例の大便器310は、図14に示す第2実施例の大便器100
Aに類する洗浄水吐出構成と、図32および図33に示す第
7実施例の大便器260に類する洗浄水吐出構成とを有す
る。 図46に示すように、大便器310は、既述した大便器100
Aの如く、ゼット吐水口106から流量増幅洗浄水を吐出す
るよう、ボール部側の洗浄水貯留部104と、ゼット導水
路161Aの奥側(図における左側)の吐出ノズル35Aとを
有する。よって、この吐出ノズル35Aに連結管137Aを経
由して洗浄水が送られると、ボール部側の洗浄水貯留部
104内の洗浄水をその下端の連通孔141から巻き込んだ流
量増幅洗浄水がゼット吐水口106から入口121に向けて吐
出される。 また、この大便器310は、既述した大便器260の如く、
通水リム103から流量増幅洗浄水を吐出するよう、ゼッ
ト導水路161Bを有する通水部262と、その下方のリム側
の洗浄水貯留部104と、ゼット導水路161Bの奥側(図に
おける右側)の吐出ノズル35Bとを有する。よって、吐
出ノズル35Bに連結管137Bを経由して洗浄水が送られる
と、リム側の洗浄水貯留部104内の洗浄水を給水管263か
ら巻き込んだ流量増幅洗浄水が通水リム103のそれぞれ
のリム水出孔132からボール部101のボール面に吐出され
る。 大便器310は、第1実施例と同様に、リム洗浄/ジェ
ット洗浄/リム洗浄を順次行い、リム洗浄の実施の都
度、洗浄水貯留部104に洗浄水を補給する。このため、
以下の切換弁41Aを有する。図47は、切換弁41Aの要部横
断面図であり、図48は、切換弁41Aの概略縦断面図であ
る。 切換弁41Aは、リム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄を
順次行う点で第1実施例で用いた切換弁41と相違するも
のではないので、切換弁41と同様にして、弁筐体42に流
入ポート45、リムポート46およびジェットポート47を有
する。また、弁体50における外周壁体52には、流入ポー
ト45と常時連通する第1連通孔60と、リムポート46と当
初連通する第2連通孔61と、ジェットポート47に次いで
連通する第3連通孔62と、その後にリムポート46と連通
する第4連通孔63を有する。よって、切換弁41Aは、こ
れら連通孔が該当するポートに順次重なることで、切換
弁41と同様に、リム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄を順
次行う。この場合、リムポート46には連結管137Bが、ジ
ェットポート47には連結管137Aがそれぞれ接続されてい
る。 切換弁41Aは、上記の構成に加え、図47に示すよう
に、弁筐体42にリムポート46と対向する補給管ポート80
を有する。この補給管ポート80には、開口部のテーパネ
ジ80aを用いて補給管264が接続されている。また、この
切換弁41Aは、図48に示すように、外周壁体52に補給管
ポート80と重なることのできる第5連通孔81と第6連通
孔82とを有する。この第5連通孔81と第6連通孔82は、
図48の紙面の手前側に空けられている。そして、第5連
通孔81は、弁体50がジェットポート47と第3連通孔62と
が重なる第1の位置に移動すると、補給管ポート80に重
なるようにされている。また、第6連通孔82は、弁体50
がリムポート46と第4連通孔63とが重なる第2の位置を
越えて更に左側に移動すると、補給管ポート80に重なる
ようにされている。 従って、大便器310は、上記の切換弁41Aにより次のよ
うにして洗浄水吐出並びに洗浄水補給を行う。なお、洗
浄水吐出については、既述した切換弁41と同じであるの
で、その説明は簡略化することとする。 洗浄ボタンが操作されると、その際には弁体50は初期
位置にあるので、供給された洗浄水は、リムポート46を
経て連結管137Bに導かれ、吐出ノズル35Bから通水リム1
03に吐出される。この際には、吐出ノズル35Bとゼット
導水路161Bとで構成されるジェットポンプにより、通水
リム103には流量増幅洗浄水が吐出される。そして、リ
ム水出孔132からボール部101に吐出されたこの流量増幅
洗浄水により、リム洗浄が行われる。なお、この流量増
幅洗浄水で行うリム洗浄により、溜水の強力な旋回をも
たらしてサイホン作用を効率的に生じさせ確実な汚物搬
送と便器洗浄を早期のうちに開始できることは既述した
通りである。 洗浄水流入室58への洗浄水の流入継続により、弁体50
は初期位置からその左側の第1の移動位置に達する。す
ると、給水源からの洗浄水は、ジェットポート47を経て
連結管137Aに導かれ、吐出ノズル35Aからゼット吐水口1
06に向けて吐出される。この際には、吐出ノズル35Aと
ゼット導水路161Aとで構成されるジェットポンプによ
り、ゼット吐水口106から流量増幅洗浄水が吐出され
る。そして、ゼット吐水口106から入口121に向けて吐出
されたこの流量増幅洗浄水により、ジェット洗浄が行わ
れる。なお、この流量増幅洗浄水で行うジェット洗浄に
より、確実な汚物搬送と便器洗浄を実施できることは既
述した通りである。 この時、弁体50の第5連通孔81は上記したように補給
管ポート80に重なるので、給水源からの洗浄水の一部
は、この補給管ポート80を経て補給管264に導かれ、洗
浄水貯留部104に吐出される。つまり、ジェット洗浄以
前に行われたリム洗浄により洗浄水貯留部104内の洗浄
水は持ち出されているが、この時の吐出洗浄水により洗
浄水貯留部104はその貯留水の補給を受ける。よって、
次回のリム洗浄に備えることができる。 洗浄水流入室58への洗浄水の更なる流入継続により、
弁体50は第1の移動位置からその左側の第2の移動位置
に達する。すると、給水源からの洗浄水は、リムポート
46を経て連結管137Bに再度導かれ、吐出ノズル35Bから
通水リム103に吐出される。この際にも、流量増幅洗浄
水がボール部101に吐出され、ボール部表面の洗浄と溜
水がなされる。 この切換弁41Aでは、弁体50が第2の移動位置に達し
た以降もストロークに余裕があり、給水弁105(図示省
略)からの給水も継続されるようにされている。よっ
て、洗浄水流入室58への洗浄水の更なる流入継続によ
り、弁体50は第2の移動位置の左側に移動する。する
と、弁体50の第6連通孔82は上記したように補給管ポー
ト80に重なるので、給水源からの洗浄水は、この補給管
ポート80を経て補給管264に再度導かれ、洗浄水貯留部1
04に吐出される。つまり、ジェット洗浄に続いて行われ
たリム洗浄により洗浄水貯留部104内の洗浄水は持ち出
されているが、この時の吐出洗浄水により洗浄水貯留部
104はその貯留水の補給を受ける。よって、次回の便器
洗浄、即ち便器洗浄の際の最初のリム洗浄に備えること
ができる。なお、給水弁105は、上記した再度の洗浄水
補給が完了する時点で管路を閉じるようにされている。
よって、再度の洗浄水補給の完了後には、切換弁41と同
様にして弁体50は初期位置に復帰する。 以上説明した第11実施例の大便器310によれば、ジェ
ットポンプにより得た流量増幅洗浄水をリム水出孔132
からボール面で旋回を与えつつ吐出するリム洗浄と、ジ
ェットポンプにより得た流量増幅洗浄水をゼット吐水口
106から排水トラップ102の入口121に直接噴出するジェ
ット洗浄とにより、少ない洗浄水で高い洗浄能力を得る
ことができると共に、より確実且つ効果的に汚物搬送と
便器洗浄を行うことができる。 また、大便器310によれば、切換弁41Aを用いて上記の
ようにリム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄の順に洗浄を
実行するので、確実なボール面清浄化と汚物搬送並びに
便器洗浄を図ることができる。また、リム洗浄の実施後
には、補給管264からの洗浄水噴出により絶えず洗浄水
貯留部104内の洗浄水を補給するので、流量増幅洗浄水
によるリム洗浄を毎回確実に実行することができる。 上記した第11実施例の大便器310は、流量増幅洗浄水
によるリム洗浄と流量増幅洗浄水を排水トラップ102の
入口121に向けて吐出するジェット洗浄とを行うが、次
のように変形することもできる。 まず第1の変形例は、流量増幅洗浄水によるリム洗浄
と、図35に示すように、流量増幅洗浄水をボール部101
に旋回を与えつつゼット吐水口106から吐出するいわゆ
るボールテックス洗浄とを行う構成を有する。第2の変
形例は、流量増幅洗浄水によるリム洗浄と、図25に示す
ように、流量増幅洗浄水を上昇管122の経路に沿って吐
出するジェット洗浄とを行う構成を有する。これら変形
例にあっても、高い洗浄能力と節水化を図ることができ
る。 次に、第12実施例について説明する。この第12実施例
では、多段の流量増幅を図ることを特徴としている。図
49は、第12実施例のジェットポンプ360の概略構成図で
ある。なお、このジェットポンプ360は、上記した各実
施例で用いた吐出ノズル35に替えて用いられる。 ジェットポンプ360は、上記各実施例における吐出ノ
ズル35に相当する吐出ノズル35aと、第1筒状体362、第
2筒状体364とを有する。第1筒状体362は、吐出ノズル
35aの先端に嵌合固定され、その貫通孔363に周囲から水
を導入するため等ピッチで空けられた側面開口365を有
する。第2筒状体364は、第1筒状体362の先端に嵌合固
定され、その貫通孔366に周囲から水を導入するため等
ピッチで空けられた側面開口367を有する。 従って、連結管137から吐出ノズル35aに給水源からの
洗浄水が送られると、吐出ノズル35aから吐出された洗
浄水は、貫通孔363を通過する際に側面開口365から周囲
の洗浄水を巻き込む。よって、第1筒状体362の貫通孔3
63からは、図中黒抜きの矢印で示すように、第1段の流
量増幅と瞬間流量の増大がなされた流量増幅洗浄水が吐
出される。そして、第1筒状体362からのこの流量増幅
洗浄水は、貫通孔366を通過する際に側面開口367から周
囲の洗浄水を巻き込む。よって、第2筒状体364の貫通
孔366からは、図中点線で塗られた矢印で示すように、
第2段の流量増幅と瞬間流量の増大がなされた流量増幅
洗浄水が吐出される。つまり、ジェットポンプ360から
は、多段に流量増幅並びに瞬間流量増大がなされた流量
増幅洗浄水が吐出される。このため、このジェットポン
プ360を、図14や図21に示した吐出ノズル35に替えて設
置したり、図25に示すように上昇管122の立上がり箇所
に設置すれば、この多段の流量増幅洗浄水の吐出によ
り、高い洗浄能力を発揮できると共に、より一層確実に
且つ速やかに汚物排出と便器洗浄を行うことができる。
そして、このジェットポンプ360にあっても、給水源か
らは吐出ノズル35aに給水するだけでよいので、節水化
を図ることができる。 また、この第12実施例のジェットポンプ360は、吐出
ノズル35a、第1筒状体362および第2筒状体364を一体
として取り扱えるので、便器への組み付け作業の簡略化
と取り扱いの簡略化を図ることができる。 このジェットポンプ360は、吐出ノズル35aおよび上記
の両筒状体を一体としたが、これらを別個に配置しても
よい。具体的には、吐出ノズル35aの前方に、第1筒状
体362を当該ノズルから離間させて配設し、この第1筒
状体362の前方に、第2筒状体364を第1筒状体362から
離間させて配設する。そして、第1筒状体362と吐出ノ
ズル35aの間および第2筒状体364と第1筒状体362との
間から周囲の洗浄水の巻き込みを起こす。このため、こ
のように吐出ノズル35aと両筒状体を離間して配置して
も、多段の流量増幅と瞬間流量増大とを図って洗浄水を
吐出できる。なお、この場合には、各筒状体に側面開口
を空けることを要しない。 次に、第13実施例について説明する。この第13実施例
では、上記の各実施例が洗浄水貯留部104内の洗浄水を
吐出ノズル35からの吐出洗浄水で巻き込むことで流量増
幅を図るのに対し、洗浄水貯留部104内の洗浄水をノズ
ルからの吐出加圧エアーで巻き込んで流量増幅を図る点
に特徴がある。図50は、第13実施例の大便器370の概略
構成図である。この第13実施例の大便器370は、ボール
部101に溜水を図るだけの図示しない給水機構を有す
る。この給水機構は、便器洗浄後に給水源からの管路を
所定時間だけ開き、所定量の洗浄水をボール部101に単
に導いて溜水を行う。なお、この溜水と同時に、洗浄水
貯留部104には洗浄水が補給される。 大便器370は、洗浄水貯留部104の下方に形成されたゼ
ット導水路161の奥側(図における左側)に、エアーノ
ズル372を有する。このエアーノズル372は、その先端が
洗浄水貯留部104の下端開口の手前に来るようにして、
便器壁面101cに水密に固定されており、加圧エアー源で
あるコンプレッサ374と接続されている。つまり、この
エアーノズル372とゼット導水路161とでジェットポンプ
が構成される。エアーノズル372はコントローラ376によ
り制御され、このコントローラ376は、操作盤378からの
信号(光信号)に応じて、エアーノズル372からの加圧
エアーの圧送を開始したり停止したりする。 よって、操作盤378が便器洗浄の光信号をコントロー
ラ376に送信し、コンプレッサ374が加圧エアーを圧送す
ると、エアーノズル372は、この加圧エアーをゼット導
水路161に高速・高圧で吐出する。この加圧エアーは、
ゼット導水路161を通過する際にエジェクタ作用を引き
起こし、洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込む。 このため、ゼット吐水口106から入口121に向けては、
洗浄水貯留部104内の洗浄水の巻き込みにより流量増幅
並びに瞬間流量の増大を起こした吐出エアー(加圧エア
ー)がゼット導水路161に沿って吐出される。そして、
このように流量増幅並びに瞬間流量増大を受けた洗浄水
混合エアーにより、ボール部内の汚物を便器外へ搬送し
て便器洗浄を図る。よって、高い洗浄能力を維持するこ
とができる。しかも、給水源からの洗浄水を吐出する必
要がないので、汚物搬送のための洗浄水は洗浄水貯留部
104内の少量の洗浄水で済む。具体的には、既述したよ
うに約0.5〜2.0リットルで済む。よって、より一層の節
水化を図ることができる。 また、給水源からの給水はボール部101の溜水のため
だけでよく、給水源からの洗浄水を吐出する必要がな
い。しかも、コンプレッサ374からは、給水源の給水圧
の高低に拘わらず、一定圧の加圧エアーを圧送すること
ができる。よって、約0.3kgf/cm2程度の低水圧地域やこ
の程度までの水圧低下が頻繁に起きる地域若しくは時期
であっても、高い洗浄能力と高い節水化を図ることがで
きる。従って、ローシルエットタイプの便器の設置可能
地域の拡大を図ることができる。 また、排水トラップ102に起きたサイホン作用が消滅
後にもエアーノズル372から加圧エアーを吐出するよう
にすれば、以下の利点がある。何らかの原因で汚物がサ
イホン作用消滅時に上昇管122から洗浄水と共に戻され
た場合であっても、この汚物を加圧エアーの吐出により
汚物落し込み凹部112から上昇管122、延いては下降管12
3に吹き飛ばすことができる。 次に、第14実施例について説明する。この第14実施例
は、給水源の給水圧低減下での使用若しくは低給水圧地
域での使用、或いは低水量地域・時期での使用を想定し
ている点に特徴がある。図51は、第14実施例の大便器40
0の概略構成図である。この第14実施例の大便器400は、
上記した各実施例とリム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄
を順次行う点では共通するが、リム洗浄のための洗浄水
供給系とジェット洗浄のための洗浄水供給系を別系統で
有する。 図示するように、大便器400は、給水源と接続され常
時は開弁状態にある止水栓402を有する。また、大便器4
00は、この止水栓402の下流で分岐したリム側連結管404
とジェット側連結管406とを有する。リム側連結管404
は、その管路の途中に、図示しない制御装置により開閉
されるリムバルブ408を備え、当該バルブの開弁時に給
水源からの洗浄水を通水リム103に直接導く。つまり、
通水リム103には、リム側連結管404にかかる給水圧(流
動圧Fp)のまま洗浄水が給水され、この洗浄水がリム水
出孔132から吐出されて既述したリム洗浄が行われる。
そして、当初のリム洗浄でボール面洗浄がなされ、最後
のリム洗浄でボール部101の溜水と洗浄水貯留部104の洗
浄水補給がなされる。 ジェット側連結管406は、加圧タンク410に内蔵された
制御バルブ412のインポート側に接続され、この制御バ
ルブ412を経て加圧タンク410内に給水源からの洗浄水を
給水する。なお、ジェット側連結管406の管路には、加
圧タンク410の側からの洗浄水の流れを遮断する逆止弁4
05が配置されている。 制御バルブ412のアウトポートには、管路途中にジェ
ットバルブ414を有する連結管137が接続されており、加
圧タンク410内の洗浄水が連結管137を経て吐出ノズル35
に送られる。この吐出ノズル35は、上記した各実施例、
特に図14に示す第2実施例の大便器100Aと同様、ゼット
導水路161の奥側に設置され、ゼット吐水口106を経て入
口121を指向している。よって、この吐出ノズル35から
洗浄水吐出がなされれば、ゼット導水路161とで構成す
るジェットポンプにより、流量増幅洗浄水が入口121に
向けて吐出され、既述したジェット洗浄が行われる。そ
して、このジェット洗浄により、汚物搬送並びに便器洗
浄が行われる。なお、ジェットバルブ414も制御装置に
より開閉される。 加圧タンク410は、その有する制御バルブ412により、
タンク内の洗浄水を所定圧力に加圧維持し、連結管137
から吐出ノズル35へは、常時、この所定圧力でタンク内
洗浄水を送り出すよう構成されている。これにより、以
下の利点がある。 ジェット側連結管406に掛かる流動圧Fpは、他の水栓
等の使用状況により変化し、1次側の設定圧力である給
水止水圧Spの約1/5程度まで低下することがある。加圧
タンク410は、この流動圧Fpで洗浄水がジェット側連結
管406から導かれても、制御バルブ412によりこの洗浄水
をタンク内に導入する。そして、タンク内洗浄水の送り
出しに際しては、タンク内にて給水止水圧Spまで加圧し
たタンク内洗浄水を、この給水止水圧Spで連結管137に
送り出す。よって、流動圧Fpが低下しても、吐出ノズル
35には常にこの給水止水圧Spに加圧された洗浄水を送り
出すことができる。 この場合、給水止水圧Spで送り出し得る洗浄水流量Q
とタンク容量Vは、以下のようにして算出した。 加圧タンク410が給水止水圧Spで洗浄水を洗浄水流量
Qだけ吐出ノズル35に給水できる状態にある場合、加圧
タンク410内のエアーは、その圧力が給水止水圧Spであ
り、この時のエアー容積をV1とすると、状態方程式(PV
=nRT)から、以下の関係式が成立する。 (1+Sp)V1=nRT 一方、タンク内洗浄水が送り出された後には、加圧タ
ンク410は総てエアーで満たされ、エアー圧力は流動圧F
pであるので、状態方程式から、以下の関係式が成立す
る。 (1+Fp)V=nRT このタンク容量Vは、エアー容積V1と洗浄水流量Qの
和に等しいことから、上記数式は、以下のようになる。 (1+Fp)(V1+Q)=nRT そして、この二つの状態において、容器内のエアーの
モル数および温度は等しいので、以下の関係式が成立す
る。 (1+Sp)V1=(1+Fp)(V1+Q) V1=((1+Fp)Q)/(Sp−Fp) 本実施例では、ジェットポンプによる流量増幅洗浄水
でジェット洗浄を行うので、この洗浄水流量Qは約1.2
リットルとした。そして、給水止水圧Spを1.5kgf/cm2
し流動圧Fpを0.5kgf/cm2としたので、エアー容積V1は1.
8リットルとなる。つまり、加圧タンク410のタンク容量
Vは3.0リットルである。このようにタンク容量Vが3
リットルと少量でよいことから、加圧タンク410は、便
器本体101aに組み込み可能な大きさでよい。 なお、リム側にもジェットポンプを組み込んで、この
リム側のジェットポンプの吐出ノズルにも加圧タンク41
0から給水止水圧Spで洗浄水を送り出す場合には、加圧
タンク410をその分だけタンク容量Vが大きなものとす
ればよい。 上記した大便器400では、次のようにして便器洗浄が
行われる。まず、この便器洗浄が行われる前は、リムバ
ルブ408並びにジェットバルブ414は閉弁状態にあり、止
水栓402は開弁しているので、加圧タンク410にはジェッ
ト側連結管406から洗浄水が流れ込む。そして、便器洗
浄前にあっては、この加圧タンク410にて、タンク内の
洗浄水は給水止水圧Spに加圧される。 図示しない操作盤の洗浄ボタンが押されると、リムバ
ルブ408が先に開弁される。これにより、通水リム103に
給水源から洗浄水が導かれ、既述したようにボール面洗
浄のためのリム洗浄が行われる。次に、リムバルブ408
の閉弁と同時にジェットバルブ414が開弁され、加圧タ
ンク410から連結管137を経て上記の加圧済み洗浄水が吐
出ノズル35に送られる。よって、吐出ノズル35は、この
加圧済み洗浄水を、その有する圧力(給水止水圧Sp)で
高速に吐出する。このため、吐出ノズル35からは、流動
圧Fpが低い状態であっても、常に高い給水止水圧Spで洗
浄水吐出を行うことができる。また、給水源からの給水
量が少ない場合でも、加圧タンク410にて供給可能な水
量(上記の洗浄水流量Q)だけの洗浄水が給水止水圧Sp
で吐出ノズル35には送られる。そして、この洗浄水吐出
に洗浄水貯留部104の洗浄水を巻き込んで流量増幅並び
に瞬間流量増大を図り、流量増幅洗浄水で汚物搬送と便
器洗浄を行う。 従って、この大便器400にあっても、上記した各実施
例と同様に、ジェットポンプによる流量増幅洗浄水の吐
出を通して、高い洗浄能力と節水化を図ることができ
る。しかも、このような高い洗浄能力と節水化を流動圧
Fpの高低に拘わらず実現するので、もともと給水止水圧
Spの低い低水圧地域や何らかの原因で低給水圧となった
時期であっても、高い洗浄能力と高い節水化を図ること
ができる。また、他の水栓での水使用量が多くて大便器
400への給水量自体が少量となったり、もともと大便器4
00への給水量自体が少量な地域であっても、高い洗浄能
力と高い節水化を図ることができる。よって、ローシル
エットタイプの便器の設置可能地域を低水圧地域や低流
量地域まで拡大することができる。 なお、上記したジェット洗浄が終了すると、ジェット
バルブ414の閉弁と同時にリムバルブ408が開弁され、既
述した溜水と補給のための再度のリム洗浄が行われる。 次に、第15実施例について説明する。この第15実施例
は、低給水圧地域・時期での使用を想定している点で、
上記の第14実施例と共通するものの、低給水圧時にのみ
加圧済み洗浄水を吐出する点に特徴がある。この第15実
施例は、上記の大便器400に以下の構成を追加して備え
る。図51に二点鎖線で示すように、第15実施例では、吐
出ノズル35に並んで吐出ノズル35Cを有する。そして、
この吐出ノズル35Cには、ジェット側連結管406から分岐
して加圧タンク410をバイパスするバイパス管415と連結
管137Cを経て、給水源からの洗浄水をその時の給水圧の
まま導く。この場合、バイパス管415には、その管路を
開閉するジェットバルブ417が設けられている。なお、
説明の都合上、ジェットバルブ414を第1ジェットバル
ブ414と呼び、ジェットバルブ417を第2ジェットバルブ
417と呼んで、両バルブを区別することとする。また、
吐出ノズル35を第1吐出ノズル35と、吐出ノズル35Cを
第2吐出ノズル35Cと呼んで、両ノズルを区別すること
とする。 従って、この第15実施例では、第1吐出ノズル35と第
2吐出ノズル35Cとを使い分けることができ、いずれの
吐出ノズルを用いても、流量増幅洗浄水で便器洗浄を行
うことができる。そして、この第15実施例では、以下の
ようにして両ノズルを使い分けている。図52は、第15実
施例で行う便器洗浄処理を表すフローチャートである。 図52に示す便器洗浄処理は、第15実施例の大便器の有
する制御装置(図示省略)にて、操作盤の洗浄ボタンが
操作されるごとに実行される。この処理が開始される
と、止水栓402の下流に設けた図示しない圧力センサか
らその時の給水圧P(流動圧Fp)を読み込む(ステップ
S500)。そして、この読み込んだ給水圧Pが所定の圧力
P0以上であるか否かを判定する(ステップS510)。この
圧力P0は、給水止水圧Spの約80%の圧力とされている。
そして、この程度の圧力があれば、給水源からの洗浄水
を直接吐出ノズルから吐出しても、このノズルからは高
速・高圧の洗浄水吐水を得られ、流量増幅並びに瞬間流
量増大も汚物搬送並びに便器洗浄に適した程度に得られ
るとして、上記の圧力P0は規定されている。 ステップS510で肯定判定した場合には、その時の給水
圧は高いので、続くステップS520にて、以下のバルブ制
御を行って、リム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄を順次
実行する。つまり、まず、リムバルブ408を開弁してリ
ム洗浄を行い、ボール面表面を洗浄する。次いで、リム
バルブ408を閉弁し、第2ジェットバルブ417を開弁す
る。これにより、給水源からの洗浄水は、その時の給水
圧のまま第2吐出ノズル35Cに直接送られ、この第2吐
出ノズル35Cから高圧・高速での洗浄水吐水が行われ、
第2吐出ノズル35Cを用いたジェット洗浄が実施され
る。この際、高い洗浄能力と節水化を図ると共に、確実
な汚物搬送並びに便器洗浄を行うことができるのは、既
述した通りである。その後は、第2ジェットバルブ417
を閉弁すると共にリムバルブ408を再度開弁して、溜水
と洗浄水補給のための最後のリム洗浄を行う。 一方、ステップS510で否定判定した場合には、その時
の給水圧は低いので、その圧力のまま吐出ノズルから洗
浄水を吐出しても、高圧・高速の洗浄水吐水は望めな
い。よって、この場合にはステップS530にて、以下のバ
ルブ制御を行って、リム洗浄/ジェット洗浄/リム洗浄
を順次実行する。まず、ステップS520の場合と同様、リ
ムバルブ408の制御を通して最初のリム洗浄を行う。こ
れに続いては、第1ジェットバルブ414の制御を通し
て、加圧タンク410にて給水止水圧Spまで既に加圧済み
の洗浄水を第1吐出ノズル35に送り出し、この第1吐出
ノズル35から高圧・高速での洗浄水吐水を実施する。よ
って、この場合でも、第1吐出ノズル35を用いたジェッ
ト洗浄により、高い洗浄能力と節水化を図ると共に、確
実な汚物搬送並びに便器洗浄を行うことができる。その
後は、ステップS520の場合と同様、リムバルブ408の再
度の制御を通して、最後のリム洗浄を行う。 以上説明した第15実施例の大便器では、ジェットポン
プを用いて流量増幅洗浄水で便器洗浄を行うに当たり、
低給水圧時には予め加圧タンク410にて加圧済みの洗浄
水を第1吐出ノズル35から高圧・高速で吐出し、入口12
1へは流量増幅洗浄水を流し込む(ステップS530)。そ
の一方、給水圧が高い場合には、給水源からの水をその
高い給水圧のまま第2吐出ノズル35Cから吐出して、流
量増幅洗浄水を入口121に流し込む(ステップS520)。
このため、この第15実施例の大便器によっても、給水圧
の高低に拘わらず、高い洗浄能力と高い節水化を図るこ
とができると共に、確実に汚物搬送と便器洗浄を行うこ
とができる。 次に、第16実施例について説明する。この第16実施例
は、吐出ノズルからは加圧エアーを混合した洗浄水を吐
出する点に特徴がある。図53は、第16実施例の要部拡大
断面図である。図示するように、第16実施例の大便器
は、上記した実施例の吐出ノズル35に替わる吐出ノズル
435を、便器壁面101cに水密に固定して備える。なお、
吐出ノズル435の指向性等は吐出ノズル35と同一とされ
ている。 吐出ノズル435は、連結管137との連続箇所近傍に、多
孔質体からなるエアー混合管部437を有する。このエア
ー混合管部437は、水等の液体を透過させないものの空
気等の気体を透過させる気液分離機能を発揮できる微細
孔を有する多孔質体から形成されている。また、吐出ノ
ズル435は、このエアー混合管部437を気密に取り囲む密
閉室439を備え、この密閉室439には、加圧ポンプ440か
ら加圧エアーが圧送されている。このため、連結管137
から送られた洗浄水は、吐出ノズル435をその管路に沿
って通過し、エアー混合管部437の下流では、この洗浄
水にエアー混合管部437から管路内に透過した加圧エア
ーが混合する。よって、吐出ノズル435からは、加圧エ
アーが混合済みの洗浄水が吐出され、入口121には、こ
の吐出ノズル435とゼット導水路161とで構成されるジェ
ットポンプによって得られた流量増幅洗浄水が流れ込
む。 ここで、上記のように加圧エアーの混合による流量増
幅の程度、即ち吐出洗浄水のエネルギ(ジェットエネル
ギ)の推移について説明する。 既述したように、吐出ノズル435を経てゼット吐水口1
06から吐出される洗浄水のゼットエネルギEは、水の密
度をρw、ゼット吐水口106の開口面積をS、ゼット流
速をVとすると、以下の計算式で表される。 E=(1/2)ρw・S・V3 そして、この計算式で表されるゼットエネルギEは、
エアーの混合がない場合のものである。 今、洗浄水に混合率ηの割合でエアーが混合したとす
ると、混合率ηは、エアー流量をQa、洗浄水流量をQwと
した場合、Qa/Qwとなる。また、エアーの密度をρaと
すると、エアーが混合率ηの割合で混合した状態の洗浄
水密度ρ’は、水の密度ρw、エアー流量Qa、洗浄水流
量Qwおよびエアーの密度ρaを用いて以下のように表さ
れる。 ρ’=(ρw・Qw+ρa・Qa)/(Qw+Qa) ≒(ρw・Qw)/(Qw+Qa) =(ρw・Qw)/Qw・(1+η) =ρw/(1+η) よって、上記の混合率でエアーが混入した洗浄水のゼ
ットエネルギE'は、以下のように表される。 E'=(1/2)ρ’・S・V3 上記のρ’を代入し、Vを(Qw+Qa)/Sに置換してこ
の式を変形すると、形すると、ゼットエネルギE'は、以
下のように表される。 E'=(1/2)ρw・S・V3・(1+η) =E(1+η) 従って、この第16実施例の大便器によれば、吐出ノズ
ル435を通過する洗浄水へのエアー混合により、(1+
η)倍だけ洗浄水のゼットエネルギEを増加させるこ
とができる。このため、吐出ノズル435に送られる洗浄
水の給水圧が低い場合であっても、このように高いエネ
ルギを持って、即ち、流量増幅と瞬間流量増大を図った
状態で、ゼット吐水口106から入口121に向けて流量増幅
洗浄水を流し込むことができる。よって、この第16実施
例の大便器によっても、低水圧の高低に拘わらず、高い
洗浄能力と高い節水化を図ることができると共に、確実
に汚物搬送と便器洗浄を行うことができる。 この第16実施例は、次のように変形することができ
る。まず、上記した第15実施例と同様に、吐出ノズル43
5に送られる洗浄水の給水圧を圧力センサで検出する。
そして、その検出圧力が、その圧力のまま吐出ノズルか
ら洗浄水を吐出しても高圧・高速の洗浄水吐水が望めな
い圧力、具体的には上記の圧力P0未満であれば、エアー
混合を行う。この変形例では、洗浄水給水圧が低い場合
に限って加圧ポンプ440を駆動してエアーの混合を図
り、高いエネルギを持って洗浄水吐出を行うことができ
る。このため、加圧ポンプ440間欠的に或いは一時的に
駆動すればよく、省エネルギを図ることができる。 以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上
記の実施例や実施形態になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。 産業上の利用可能性 本発明は、便器のボール部内の汚物を洗浄水を用いて
便器外へ搬送し、便器洗浄を行う大便器の節水化対策と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 清 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 福島 武徳 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 田中 真吾 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 坪井 宏之 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 宮原 秀峰 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−327619(JP,A) 特開 平5−339969(JP,A) 特開 平6−173309(JP,A) 特開 平6−299585(JP,A) 実開 昭63−14679(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 11/02

Claims (45)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器のボール部内の汚物を洗浄水により便
    器外へ搬送する大便器であって、前記汚物の搬送のため
    に洗浄水を吐出する吐出部材と、 前記ボール部に臨んで開口した開口部を有し、汚物の搬
    送のための洗浄水が前記開口から前記ボール部に流れ込
    むように流体を吐出する吐出部材と、 該吐出部材が吐出する吐出流体とは別に前記便器内に貯
    留され前記開口部に導出可能に用意された貯留洗浄水
    を、前記開口部から前記ボール部への洗浄水の流れ込み
    を起こす際には、前記開口部に向かう前記吐出流体の流
    れにより前記開口部に強制的に導出させ、前記ボール部
    内の汚物の搬送に用いられる洗浄水の流量を、前記強制
    的な前記貯留洗浄水の導出に伴って増幅する増幅手段を
    有する。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載の大便器であって、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし前記ボール部の
    汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体として
    両流体を混合噴出するジェットポンプであって、前記給
    水源から供給を受けた水を噴出する駆動ノズルと、該駆
    動ノズルに対応して前記両流体の通過経路を形成すると
    共に前記両流体を前記吐出部材に導くスロートとを有す
    る前記ジェットポンプを備える、大便器。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項記載の大便器であって、 前記駆動ノズルと前記スロートは、前記駆動ノズルのノ
    ズル径dと前記スロートのスロート径Dとの比の値d/D
    が約0.3〜0.7とされている、大便器。
  4. 【請求項4】請求の範囲第2項記載の大便器であって、 前記スロートは、そのスロート長さLが前記スロートの
    スロート径Dの約2〜6倍とされている、大便器。
  5. 【請求項5】請求の範囲第2項記載の大便器であって、 前記汚物の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した
    水を前記用意された洗浄水とする貯留部と、 該貯留部を前記スロートに連通する連通部とを有する、
    大便器。
  6. 【請求項6】請求の範囲第5項記載の大便器であって、 前記貯留部は、便器のリム面よりも下方に配設されてい
    る、大便器。
  7. 【請求項7】請求の範囲第6項記載の大便器であって、 前記貯留部は、前記ボール部と部分的に区画されて形成
    されている、大便器。
  8. 【請求項8】請求の範囲第7項記載の大便器であって、 前記貯留部は、前記ボール部に溜置かれている溜水が流
    入可能とされている、大便器。
  9. 【請求項9】請求の範囲第5項記載の大便器であって、 前記貯留部は、前記便器に着脱自在とされている、大便
    器。
  10. 【請求項10】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する排
    出トラップを有し、 前記ジェットポンプは、前記排水トラップの上昇管の立
    上がり箇所から該上昇管の管路を指向して配設されてい
    る、大便器。
  11. 【請求項11】請求の範囲第10項記載の大便器であっ
    て、 前記スロートと前記上昇管は、前記スロートのスロート
    径Dと前記上昇管の管路径Kとの比の値D/Kが約0.3〜0.
    6とされている、大便器。
  12. 【請求項12】請求の範囲第5項記載の大便器であっ
    て、 前記連通部は、前記貯留部と前記スロートとの連通状態
    を連通・非連通に切り換える切換手段を有する、大便
    器。
  13. 【請求項13】請求の範囲第12項記載の大便器であっ
    て、 前記切換手段は、前記連通状態の連通・非連通を選択し
    て切り換える手段を有する、大便器。
  14. 【請求項14】請求の範囲第12項記載の大便器であっ
    て、 前記切換手段は、前記貯留部内の水がなくなった際に
    は、前記連通状態を非連通に切り換える、大便器。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項記載の大便器であっ
    て、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし空気を被駆動流
    体とし両流体を混合噴出するジェットポンプであって、
    前記給水源から供給を受けた水を噴出する駆動ノズル
    と、該駆動ノズルに対応して前記両流体の通過経路を形
    成すると共に前記両流体を前記吐出部材に導くスロート
    とを有する前記ジェットポンプを備える、大便器。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項記載の大便器であっ
    て、 前記スロートは、前記駆動ノズルに水の供給がされてい
    る間には大気を導入し、水の供給がなされていない間に
    は大気を遮蔽する大気導入遮蔽手段を有する、大便器。
  17. 【請求項17】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、噴出流体が前記ボール部に流れ
    込むように配設されている、大便器。
  18. 【請求項18】請求の範囲第17項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記ボール部にその上縁から洗
    浄水を流し落とすリム通水路に流体を噴出するように配
    設されている、大便器。
  19. 【請求項19】請求の範囲第18項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記リム通水路に対して斜め方
    向から流体を噴出するように配設されている、大便器。
  20. 【請求項20】請求の範囲第17項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記ボール部に流体を直接噴出
    するように配設されている、大便器。
  21. 【請求項21】請求の範囲第20項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記ボール部に溜置かれた溜水
    に施回を付与する方向から流体を噴出するように配設さ
    れている、大便器。
  22. 【請求項22】請求の範囲第21項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記溜水液面より上方箇所から
    流体を噴出し前記溜水に旋回を付与するよう配設されて
    いる、大便器。
  23. 【請求項23】請求の範囲第17項記載の大便器であっ
    て、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する排
    水トラップを有し、 前記ジェットポンプは、前記ボール部を介して前記排水
    トラップの入口を指向して配設されている、大便器。
  24. 【請求項24】請求の範囲第23項記載の大便器であっ
    て、 前記ボール部と部分的に区画されて形成され、前記汚物
    の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した水を前記
    用意された洗浄水とする貯留部を有し、 該貯留部は、前記ボール部に溜置かれている溜水が流入
    可能とされている、大便器。
  25. 【請求項25】請求の範囲第23項記載の大便器であっ
    て、 前記ボール部と部分的に区画されて形成され、前記汚物
    の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した水を前記
    用意された洗浄水とする貯留部と、 前記ボール部と前記貯留部とを前記ボール部の溜水の流
    通ができるよう連通する導水路とを備え、 該導水路は、前記ボール部の側で前記排水トラップの入
    口と対向する吐水口を有し、 前記ジェットポンプは、前記導水路を前記スロートとし
    前記駆動ノズルを前記導水路内に配設して有する、大便
    器。
  26. 【請求項26】請求の範囲第24項記載の大便器であっ
    て、 前記貯留部は、前記ボール部における排水トラップの入
    口と対向し流体の通過経路として形成された開口部位を
    有し、 前記ジェットポンプの駆動ノズルは、前記貯留部の開口
    部位を通して前記排水トラップの入口を指向するよう前
    記貯留部に配設されている、大便器。
  27. 【請求項27】請求の範囲第26項記載の大便器であっ
    て、 前記貯留部は、前記ボール部を形成するボール部壁面を
    隔てて、前記ボール部の下方に形成されている、大便
    器。
  28. 【請求項28】請求の範囲第27項記載の大便器であっ
    て、 前記貯留部の内壁面は、前記駆動ノズルに向けて傾斜し
    た傾斜面とされている、大便器。
  29. 【請求項29】請求の範囲第26項記載の大便器であっ
    て、 前記貯留部の開口部位に臨んで配設され、前記駆動ノズ
    ルから噴出された水が流入して通過するように前記駆動
    ノズルと対向する筒状体を有し、 前記筒状体は、前記貯留部内の洗浄水を前記駆動ノズル
    から噴出された水に合流させる開口を有する、大便器。
  30. 【請求項30】請求の範囲第29項記載の大便器であっ
    て、 前記駆動ノズルと前記筒状体とは一体化して、前記貯留
    部に配設・固定されている、大便器。
  31. 【請求項31】請求の範囲第23項記載の大便器であっ
    て、 前記排水トラップの入口には、複数の前記ジェットポン
    プが指向して配設されている、大便器。
  32. 【請求項32】請求の範囲第23項記載の大便器であっ
    て、 前記ジェットポンプは、前記給水源から水を供給する供
    給管と、該供給管から分岐した複数の駆動ノズルと、該
    複数の駆動ノズルにそれぞれ対応するスロートとを有す
    る、大便器。
  33. 【請求項33】請求の範囲第17項記載の大便器であっ
    て、 少なくとも二つの前記ジェットポンプが、噴出流体を前
    記ボール部に流れ込ませるように配設されている、大便
    器。
  34. 【請求項34】請求の範囲第33項記載の大便器であっ
    て、 一方の前記ジェットポンプは、前記ボール部にその上縁
    から洗浄水を流し落とすリム通水路に流体を噴出するよ
    うに配設され、 他方の前記ジェットポンプは、前記ボール部に流体を直
    接噴出するように配設されている、大便器。
  35. 【請求項35】請求の範囲第34項記載の大便器であっ
    て、 前記ボール部に溜置かれている溜水を外部に排出する排
    水トラップを有し、 前記他方のジェットポンプは、前記排水トラップの入口
    を指向して配設されている、大便器。
  36. 【請求項36】請求の範囲第35項記載の大便器であっ
    て、 前記給水源からの水の供給先を、前記一方のジェットポ
    ンプから前記他方のジェットポンプに順次切り換える供
    給切換手段を有する、大便器。
  37. 【請求項37】請求の範囲第36項記載の大便器であっ
    て、 前記供給先切換手段は、前記給水源からの水の供給先を
    前記他方のジェットポンプに切り換えてから、前記供給
    先を再度前記一方のジェットポンプに切り換える手段を
    有する、大便器。
  38. 【請求項38】請求の範囲第1項記載の大便器であっ
    て、 前記増幅手段は、洗浄水の流量を多段に増幅する手段を
    有する、大便器。
  39. 【請求項39】請求の範囲第38項記載の大便器であっ
    て、 前記増幅手段は、 給水源から供給される水を駆動流体とし前記ボール部の
    汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体として
    両流体を混合噴出するジェットポンプであって、前記給
    水源から供給を受けた水を噴出する駆動ノズルと、該駆
    動ノズルに対応して前記両流体の通過経路を形成する第
    1のスロートと、該第1のスロートに対向し前記用意さ
    れた洗浄水を前記第1のスロートを通過した流体に巻き
    込んで前記吐出部位に導く第2のスロートとを有する前
    記ジェットポンプを備える、大便器。
  40. 【請求項40】請求の範囲第1項記載の大便器であっ
    て、 前記増幅手段は、 エアー源から供給されるエアーを駆動流体とし前記ボー
    ル部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体
    として両流体を混合噴出するジェットポンプであって、
    前記エアー源から供給を受けたエアーを噴出する駆動ノ
    ズルと、該駆動ノズルに対応して前記両流体の通過経路
    を形成すると共に前記両流体を前記吐出部材に導くスロ
    ートとを有する前記ジェットポンプを備える、大便器。
  41. 【請求項41】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 給水源から供給される水を加圧する加圧手段を有し、 前記ジェットポンプは、前記加圧手段により加圧された
    水を噴出する駆動ノズルを有する、大便器。
  42. 【請求項42】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 給水源から供給される水を低給水圧の時には加圧する加
    圧手段を有し、 前記ジェットポンプは、 前記給水源から供給を受けた水を直接噴出する第1の駆
    動ノズルと、 前記加圧手段により加圧された水を噴出する第2の駆動
    ノズルと、 該第1と第2の駆動ノズルを給水源の給水圧に応じて選
    択する選択手段とを有する、大便器。
  43. 【請求項43】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 給水源から供給される水に加圧エアーを混合する混合手
    段を有し、 前記ジェットポンプは、前記混合手段により加圧エアー
    が混合された水を噴出する駆動ノズルを有する、大便
    器。
  44. 【請求項44】請求の範囲第43項記載の大便器であっ
    て、 前記混合手段は、低給水圧の時には前記加圧エアーを混
    合する手段を有する、大便器。
  45. 【請求項45】請求の範囲第2項記載の大便器であっ
    て、 前記汚物の搬送の開始前に予め水を貯留し、該貯留した
    水を前記用意された洗浄水とする貯留部を備え、 該貯留部と前記ボール部は、前記貯留部の貯留水量TWと
    前記ボール部に溜置かれる溜水水量BWとの比の値TW/BW
    が約0.25〜0.35とされている、大便器。
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