JP2001214496A - トイレ装置 - Google Patents

トイレ装置

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JP2001214496A
JP2001214496A JP2000300501A JP2000300501A JP2001214496A JP 2001214496 A JP2001214496 A JP 2001214496A JP 2000300501 A JP2000300501 A JP 2000300501A JP 2000300501 A JP2000300501 A JP 2000300501A JP 2001214496 A JP2001214496 A JP 2001214496A
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fluid
ejection
toilet
pipe
water
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JP2000300501A
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Kazuya Kokubu
和也 國分
Noboru Niihara
登 新原
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、大便器から排出される汚物の排水
横枝管内の確実な排水搬送を行い、通常の大便器の性能
とを兼ね備える大便器を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明によるトイレ装置は、流体噴出手
段と噴出制御手段とを有する詰まり除去手段を備え、前
記流体噴出手段が大便器の排水経路または排水管に下流
側を指向するように備えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大便器のボール部
内の汚物を便器外へ搬送するトイレ装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】通常の大便器では、便器洗
浄のために洗浄水タンク内に洗浄水を貯留しておき、そ
の貯溜水を便器の中に放出することがなされている。そ
して、この洗浄水放出により、便器内の汚物等をその圧
力により直接排水部へ押し流し、或いは、サイホン作用
を併用して汚物などを排出部へ引き込み、汚物を便器外
へ搬送する。この場合、汚物搬送に伴って、ボール部内
の洗浄水も搬送されて便器洗浄もなされる。
【0003】さらに、便器外に排出された汚物は排水横
枝管を排水立て管へと流下する。この時、場合によって
は、汚物は排水横枝管内で停止するが、次の便器洗浄時
に追い水によってさらに下流に流下する。そして、排水
立て管に至るまではこの過程を繰り返す。
【0004】しかし、時には、停止した汚物を起点に配
管詰まりが生じ、最終的には便器内の溜水が溢れてしま
う不具合に繋がることがある。排水横引管内に汚物の詰
まりがあっても、前記不具合が生じるまで、使用者はこ
の状態を察知することは困難である。ここで、図1に示
すような従来のサイホンジェット式大便器の場合、通常
の洗浄モードは図2に示すような洗浄パターンが設定さ
れている。また、この時の便器排水口での排水流量特性
を図3に示す。前記通常の洗浄モードでは、洗浄水量は
限られており、ボール面洗浄、サイホン作用誘起及び封
水供給のために配分されるため、前記汚物詰まりを下流
側に流下させるのに十分な瞬間流量を付与することがで
きない。
【0005】このような不具合が生じた場合の解決方法
としては、吸盤を用いて排水トラップ入口から圧力振動
を加える方法、高圧洗浄水を吹き込む方法、または、配
管に孔を明けて復旧させる方法などが挙げられる。しか
し、前記のいずれの方法も容易ではなく、多大の労力、
時間を要する。したがって、前記のような不具合を防止
するために、排水横枝管に小口径管の使用を避ける、適
切な勾配の設定、または、曲折箇所を少なくする等が配
管設計指針に挙げられている。しかし、前記配管設計指
針によれば、器具レイアウトやパイプシャフトの配置
等、建築上の制約がでてくる。さらに、汚物の量や施工
のバラツキなどによっては、前記不具合を完全に防止で
きるものではない。
【0006】また、一方、排水横枝管内の汚物詰まりを
そのまま放置しておくと、他の器具の使用時に、配管内
の圧力変動がこの便器に伝達されてトラップ封水がきれ
る恐れがある。特に、多階層住宅において、圧力変動が
大きい排水立て管の影響を受け易い。
【0007】本発明は、前記課題を解決し、汚物などの
詰まりを防止または除去する手段をもって安全で確実な
排水を行い、通常の大便器の性能とを兼ね備える大便器
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用、効果】請求項1
に記載のトイレ装置は、前記課題を解決すべく、汚物を
受けるボール部と、該ボール部に洗浄水を供給する洗浄
水供給手段と、外部の配管に汚物を排出する排出口と、
前記ボール部と前記排出口とを連通させ排出口へ汚物を
搬送する搬送経路とを備えた大便器であって、前記搬送
経路内及び前記外部配管内の詰まりを防止または除去す
る詰まり除去手段を備えたことを特徴とする。本発明に
よれば、前記詰まり除去手段は、大便器内の前記搬送経
路内または大便器外の外部配管内の汚物などの詰まりを
除去する作用を有する。さらに、前記詰まり除去手段
は、大便器外に排出された汚物等が排水管内に停滞する
ことなく、下流側へ流下するのを促す作用を有する。し
たがって、本発明のトイレ装置は、通常の大便器の洗浄
機能を保持し、且つ、安全で確実な汚物の搬送を実現す
るものである。
【0009】本発明のトイレ装置においては、前記詰ま
り除去手段は分離可能なように組み立てられていてもよ
い。したがって、本発明のトイレ装置は、従来の大便器
に前記詰まり除去手段が組み付けられて成る構成として
もよい。前記従来大便器としては、主に洗浄水による洗
浄を行う水洗便器が利用される。また、前記水洗便器と
しては、前記搬送経路に排水トラップを有するものやフ
ラップ弁を介在させるもの等が挙げられる。
【0010】請求項2に記載のトイレ装置は、前記詰ま
り除去手段が、前記搬送経路内に流体を噴出する流体噴
出手段を有することを特徴とする。本発明によれば、前
記流体噴出装置が噴出する流体の押圧力によって前記作
用を発現するものである。
【0011】本発明のトイレ装置においては、前記流体
噴出装置の流体噴出は、通常の洗浄モードとは独立して
行われ、通常の洗浄モードとは別に、前記流体噴射装置
による流体の噴出モードを有するものである。前記流体
噴出手段が噴出する流体は、水道圧で与圧されるタンク
の中で加圧保持され、前記噴射タイミングに符合すると
噴出を行うものであってもよい。前記流体噴出手段が噴
出する流体は、流量または圧力が増幅されていてもよ
い。前記の流量または圧力を増幅する手段としては、噴
出する流体中に圧縮気体を混入する方法、または、ポン
プを用いて流体を加圧する方法、または、コンプレッサ
ーで気体を加圧する方法などが挙げられる。また、前記
流体噴出手段が噴射する流体は、水道圧を直接的に付加
されていてもよく、水道から水道水を直接導入する方法
がある。また、前記流体噴出手段が噴出する流体は、液
体又は気体、或いは気液混合体でもよい。前記液体とし
ては、水、油、界面活性剤又はその水溶液などが挙げら
れる。前記気体としては,空気や蒸気などが挙げられ
る。
【0012】また、本発明のトイレ装置においては、前
記流体噴出手段は、大便器の溜水部から排水口に至る任
意の箇所に設置可能であり、あるいは排水口より下流側
に接続する事もできる。これによって、噴出した流体
は、封水を損なうことなく、排水経路の下流側を指向す
る運動エネルギーを付与する事ができる。排水横引管内
に汚物詰まりがある場合に流体が噴出されると、溜水よ
り下流側の圧力は瞬間的に上昇し汚物を加速する。さら
に、噴出した流体は汚物に押圧力を加え、汚物の流下を
加速する。
【0013】また、本発明のトイレ装置においては、前
記流体噴出手段の噴出口は、例えば、ボール底部に設置
してよい。前記の場合、前記噴出口から噴出される流体
は、噴出して間もなく、排水経路の下流側を指向する運
動エネルギを溜水に効率よく付与する事ができる。さら
には、ボール内の溜水も排出することができ、同時に汚
物の洗浄を行っても有効に機能する。この時、封水は自
動的に補給されるように設定される。
【0014】また、本発明のトイレ装置においては、前
記流体噴出手段の噴出口は、例えば、クラウンの最高位
置に設置してよい。この場合、噴出する流体を噴出口に
供給する供給管の長さを短くすることができ、施工性、
メンテナンス性にも優れる。これによって、噴出した流
体は、封水を損なうことなく、排水経路の下流側を指向
する運動エネルギーを付与する事ができる。排水横引管
内に汚物詰まりがある場合に流体が噴出されると、溜水
より下流側の圧力は瞬間的に上昇し汚物を加速する。さ
らに、運動エネルギーを持った噴射した流体は汚物に押
圧力を加え、汚物の流下を加速する。
【0015】また、本発明のトイレ装置においては、前
記流体噴出手段の噴出口は、例えば、前記流体噴出手段
の噴出口は、例えば、排水口の近傍に排水口に相対する
ように設置してよく、この場合、汚物への押圧力を効率
よく加えることができる。これによると、排水横引管内
に汚物詰まりがある場合に流体が噴出されると、噴出し
た流体は汚物に押圧力を加えて汚物の流下を加速する。
【0016】請求項3に記載のトイレ装置は、前記流体
噴出手段が、前記外部配管内に備えられて成ることを特
徴とする。本発明によれば、前記流体噴出装置が噴出す
る流体の押圧力によって前記作用を発現するものであ
る。前記流体噴出手段は、前記外部配管内に流入した排
水に対して流体噴射して排水経路の下流側を指向する運
動エネルギーを付与するので、大便器ボール部内の封水
を損なうことがない。前記流体噴出手段は、例えば、排
水ソケットや脚部エルボに装着されていても良い。
【0017】また、本発明のトイレ装置においては、排
水トラップ内の封水を補給する封水補給手段を有しても
よい。前記封水補給手段は、前記封水量を検出する封水
検出手段と、前記封水検出手段による検出結果に基づい
て前記封水補給を制御する封水制御手段と、封水供給手
段とから成る。これによると、外部配管内の圧力変動な
どによって前記封水が所定の量よりも減少した場合に、
前記封水補給手段が起動し、前記封水の減少分を補うも
のである。したがって、前記詰まり除去手段で対処する
以前に発生した封水損失に対して、速やかに対処するこ
とができる。
【0018】請求項4に記載のトイレ装置は、前記搬送
経路が、排水トラップと横引きトラップとで構成されて
なり、前記横引きトラップが、前記排出口を有し、排水
トラップの下降管と着脱可能な構造であって、前記流体
噴出手段は、前記横引きトラップに備えられてなること
を特徴とする。前記横引きトラップは、例えば、前記下
降管と排出口とをオフセットするように、略水平方向の
横引き部を有するN字形構造であって、前記下降管との
接続部は水密を保持する嵌合構造であってよい。
【0019】前記流体噴出手段は、前記下降管から流入
してきた排水に対して流体噴射して排水経路の下流側を
指向する運動エネルギーを付与するので、大便器ボール
部内の封水を損なうことがない。前記下降管から流入し
てきた排水は、前記横引き部をほぼ満流状態で前記排出
口へと流れる。前記流体噴出手段からの噴射流体は、前
記満流に対して噴射されるので気層によるロスが小さ
く、前記運動エネルギーを効率良く付与することができ
る。前記流体噴出手段が、着脱可能な前記横引きトラッ
プに備えられていることで、本発明のトイレ装置の改修
の際にも、大便器本体のみの取り替え工事で完了する事
ができる。
【0020】請求項5に記載のトイレ装置は、前記下降
管と前記外部配管とを連結する連接ユニットが備えられ
て成り、前記連接ユニットは、前記横引きトラップ及び
脚部エルボとを有して成り、前記流体噴出手段が、前記
連接ユニットに装着されていることを特徴とする。前記
連接ユニットは、前記下降管及び外部配管との接続部に
おいて、水密を保持するような嵌合構造であってよい。
また、前記横引きトラップと脚部エルボとの接続部にお
いては、水密を保持するような嵌合構造であり、且つ、
摺動可能なように構成されるものであってよい。また、
前記連接ユニットは、水道管コネクタや、前記流体噴出
手段に連結する、水道水導入管、連結管、開閉弁、バキ
ュームブレーカーなどや、洗浄水供給管、洗浄水供給管
コネクタを内蔵するものであってもよい。前記洗浄水供
給管コネクタは、カプラー継手などのような確実、簡単
に着脱可能なものであってもよい。
【0021】本発明によれば、前記横引きトラップと脚
部エルボとをユニットとして構成しているので、本発明
のトイレ装置の工事の際、前記連接ユニットは配管工事
のタイミングで所定の一にセットされる。したがって、
大便器本体設置工事は、主に大便器本体側リム導水管を
前記リム導水管コネクタに接続し、前記連接ユニットに
大便器本体を装着するだけで完了するので、水道給排水
工事専門業者に依頼する必要がなく安価である。
【0022】請求項6に記載のトイレ装置は、前記搬送
経路内または前記外部配管内の詰まりを検出する詰まり
検出手段を有することを特徴とする。本発明によれば、
前記詰まり検出手段は、通常、使用者が感知し得ない汚
物などの詰まりを検知し、短時間の内に検知結果を大便
器の所定の受信機で受信することができる。したがっ
て、前記搬送経路内または前記外部配管内に詰まりがあ
る場合は早期に検知し、使用者に警告したり、除去手段
を講ずることが可能である。前記詰まり検出手段として
は、超音波式センサ、光学式センサ、加振式センサ、質
量センサ、測色機、等を用いる方法が挙げられる。前記
詰まり検出手段の設置箇所は、前記搬送経路、前記外部
配管の曲がり部や直管部分、排水ヘッダー等が挙げられ
る。
【0023】本発明のトイレ装置においては、前記詰ま
り検出手段が排水ヘッダーに設けられ、該排水ヘッダー
によって前記流体噴出手段が制御されるように構成され
てもよい。また、該排水ヘッダーは、圧力検出手段と圧
力制御手段とを備え、該排水ヘッダー内及び該排水ヘッ
ダーに連結される前記外部配管内の圧力変動を小さく抑
える作用を有するものであってもよい。この場合、前記
詰まりが生じた際に、排水立て管内の圧力変動によって
大便器の排水トラップの封水切れが生じるのを防止でき
る。
【0024】請求項7に記載の大便器は、前記流体噴出
手段の起動及び停止を行う噴出制御手段を有することを
特徴とする。本発明によれば、前記流体噴出手段は、前
記噴出制御手段によって起動されると、設定された噴出
パターンにしたがって流体を噴出することができる。さ
らに、前記流体噴出手段は、設定された噴出パターンに
したがって流体噴出を停止することができる。
【0025】本発明のトイレ装置においては、前記流体
噴出手段は、使用者が任意で起動させることができても
よい。前記の場合、例えば、前記噴出制御手段は、手動
ボタン式であって使用者が任意のタイミングで作動及び
停止を行ってよい。また、前記の場合、前記流体噴出手
段の流体の噴出のタイミングは、通常の洗浄モードの起
動スイッチと同期されていてもよい。
【0026】また、本発明のトイレ装置においては、前
記噴出制御手段は、予め設定したトイレ装置の使用モー
ドを満足したときに前記流体噴出手段が起動するように
してもよい。前記の場合、大便器の使用モードは、連続
洗浄使用回数で設定されてもよい。
【0027】また、本発明のトイレ装置においては、前
記流体噴出手段の流体の噴出が定期的に行われるように
設定されてよい。前記の場合、例えば、大便器の使用頻
度の高い午前6時から9時までの間、または、午後7時
から10時までの間に集中して行われるように設定され
てもよい。したがって、汚物詰まりの不具合が発生し易
いタイミングでのみ流体を噴射するため、噴射に要する
エネルギーや流体の量を必要最小限で済ませることがで
き経済的でもある。
【0028】請求項8に記載のトイレ装置は、前記噴出
制御手段は、予め定められた噴出モードにしたがって前
記流体噴出手段の制御を行うことを特徴とする。本発明
よれば、前記流体噴出手段の流体の噴出は、通常の洗浄
モードで行われる汚物の排出やボール面洗浄時の洗浄水
の吐出とは独立して行われる。これによって、通常の大
便器としての基本的な機能を保持しつつ、さらに、大便
器外に排出された汚物の下流への搬送を確実にするもの
である。また、本発明によれば、前記噴出パターンは、
連続的または断続的であってもよい。また、噴出する流
体の流量を可変にしてもよい。また、噴出する流体の種
類を可変にしてもよい。またさらに、前記流体噴出手段
の噴射は、通常の洗浄モードと併用して行われてもよ
い。これによって、前記流体噴出手段は、汚物を排除す
るために最良の噴出パターンを設定できる。また、場合
によっては噴出パターンを変化させることも可能で、場
合に応じた最適の噴出パターンで流体を噴出できる。
【0029】また、本発明のトイレ装置においては、前
記噴出パターンは、例えば、便器内の汚物の量に応じ
て、または、排水横枝管内に停留する汚物の状態に応じ
て噴出流量または噴出時間が設定されるものである。こ
の場合、前記噴出パターンは、例えば、大便器溜水中の
汚物の重量が大きいほど前記噴射流量は大きく、また
は、前記噴出時間を長くするように設定できる。また、
前記噴出パターンは、例えば、排水横枝管内に停留する
汚物の水位が高いほど、または、管断面の閉塞率が高い
ほど、または、前記停留位置が上流側にあるほど、前記
噴出流量は大きく、または、前記噴出時間を長くするよ
うに設定できる。
【0030】請求項9に記載のトイレ装置は、前記噴出
制御手段は、噴出流体の流量または圧力を調整する噴出
調整手段を有することを特徴とする。前記流体噴出手段
は、通常の洗浄モードとは異なり、前記噴出調整手段に
よって噴射する流体の流量や圧力を制御し変動させるこ
とができる。本発明によれば、前記噴出調整手段は、予
め定められた噴出パターンに基づいて前記流体噴出手段
に供給される流体の流量または圧力が調整される。
【0031】請求項10に記載のトイレ装置は、前記流
体噴出手段が、複数の開閉弁を有する多方弁と連結され
て成り、前記多方弁の流体導入側には噴射流体の導入管
が連結されてなり、前記多方弁の流体排出側には、洗浄
水供給手段または洗浄水噴出手段の少なくとも一方に連
通する洗浄水供給管が連結され、且つ、噴射流体供給経
路である連結管が連結されて前記流体噴出手段と連通す
ることを特徴とする。例えば、前記噴出制御手段が、前
記多方弁の駆動を制御するものであってよく、洗浄水供
給や流体噴射のタイミングによって複数の開閉弁を駆動
させるものである。本発明によれば、複数の流体供給手
段の駆動を前記多方弁1機で体汚婦する事が可能であ
り、設置スペース効率、施工性、メンテナンス性を向上
させることができる。
【0032】請求項11に記載のトイレ装置は、前記流
体噴出手段が、気液を混合した噴射流体を噴射するもの
であって、前記噴出制御手段は、噴射流体の噴射タイミ
ングによって前記気液の混合比を所定に制御することを
特徴とする。前記噴出流体は、前記多方弁を介して前記
洗浄水供給手段と流体噴出手段の両方に供給されるもの
であってよい。例えば、噴出流体は、雨水再利用水と空
気の混合体であって、洗浄水供給手段に前記噴射流体が
供給されるタイミングでは、リム給水時には気/液体積
混合比を2:1、サイフォン誘起用の洗浄水噴射時には
気/液体積混合比を1:0に設定し、また、流体噴出手
段に前記噴射流体が供給されるタイミングでは気/液体
積混合比を1:0から0:1に変化させるように制御さ
れるものであってよい。前記例によれば、リム給水は気
泡混入による節水効果と洗浄効果が期待でき、また、サ
イフォン誘起の際には、短時間で大流量を発生させる事
ができる。さらには、流体噴出手段からの流体噴射によ
って、初期に大きい比重量で排水に推進力を付与し、後
期に空気を噴射することで前記外部配管内や搬送経路内
の気圧変動を小さく抑えることができる。
【0033】請求項12に記載のトイレ装置は、前記流
体噴出手段は、流体噴出方向が前記搬送経路及び/また
は前記外部配管の下流側となるように設置されたことを
特徴とする。本発明によれば、前記流体噴出手段から噴
出される流体は、排水経路の下流側を指向する運動エネ
ルギーを付与されることで、汚物などの詰まりに対する
押圧力を最大限に引き出すことができる。
【0034】請求項13に記載のトイレ装置は、前記詰
まり検出手段の検出結果に基づいて前記噴出制御手段を
制御することを特徴とする。本発明によれば、前記噴出
制御手段は、前記詰まり検出手段からの検出信号に基づ
いて前記流体噴出手段を起動させ、予め設定された噴出
パターンで流体が噴出されるように制御することができ
る。これによると、流体の噴出を自動的に行うことがで
きる。また、前記詰まり検出手段が汚物を検出すると、
前記噴出制御手段は前記詰まり検出手段の検出値に基づ
いて適切な噴射パターンを設定することも可能である。
【0035】以上の本発明によるトイレ装置は、バキュ
ームブレーカーを備えた物であってもよい。前記バキュ
ームブレーカーは、前記流体噴出手段と流体の噴出口と
を連通する流体移送管に介在させてよく、汚水の逆流を
防止することができる。あるいは、前記バキュームブレ
ーカーは、大便器の搬送経路にあって、例えば、排水ト
ラップや下降管または排水ソケットの、溜水によって水
没しない箇所に設置されてもよい。前記の場合、前記搬
送経路内が負圧になると大気開放され、外部配管内で満
水詰まりが生じて圧力変動が発生したときにも、前記排
水トラップが封水切れを起こすことなく、安全に使用す
ることができる。
【0036】請求項14に記載のトイレ装置は、請求項
1〜9に記載のトイレ装置であって、前記洗浄水供給手
段に連通した開閉弁と、前記開閉弁の開閉を行う開閉弁
駆動手段と、前記開閉弁に連通し前記洗浄水の圧力調整
を行う圧力調整機構と、洗浄水を噴出する洗浄水噴出手
段と、前記圧力調整機構に連通し前記洗浄水噴出手段に
連通させる通水手段と、前記開閉弁駆動手段を制御して
洗浄水の供給及び停止を行う洗浄制御手段と、所定の洗
浄モードの設定を行う洗浄モード設定手段とを備えたこ
とを特徴とする。本発明によれば、前記洗浄モード及び
前記流体噴出モードの洗浄及び流体噴出を行うことがで
きる。
【0037】本発明のトイレ装置においては、前記流体
噴出モードは、例えば、前記洗浄モードと同期するよう
に設定される。この場合、前記流体噴出モードによる流
体噴出は、前記洗浄モードの洗浄開始または終了に合わ
せて行われてもよい。または、前記洗浄モードにおける
サイホン発生の直前または直後に合わせて行われてもよ
い。または、便器内の溜水が排出された直後に行われて
もよい。
【0038】請求項15に記載のトイレ装置は、請求項
14に記載のトイレ装置であって、前記洗浄水噴出手段
の少なくとも一部は流体噴出手段であることを特徴とす
る。本発明によれば、前記記流体噴出手段は、洗浄のた
めの洗浄水噴出を行うことが可能であり、洗浄モード及
び流体噴出モードの流体噴出パターンが設定される。し
たがって、上記洗浄水噴出手段と上記流体噴出手段とを
一体にできるため、組み立て性が向上し、大便器を意匠
性に優れたシンプルな形状とすることができる。
【0039】請求項16に記載のトイレ装置は、前記ト
イレ装置が、前記流体噴出手段がバキュームブレーカー
と連結されるものであって、前記バキュームブレーカー
は、前記搬送経路内または外部配管内に負圧が生じると
大気を導入するものであって、前記搬送経路内または外
部配管内からの汚水などの逆流を防止する逆止弁を備え
ることを特徴とする。本発明によれば、排出された排水
が前記外部配管内で満流状態で流下していく場合、前記
バキュームブレーカーは前記配管内に大気を導入して圧
力変動を抑え、大便器ボール部の封水を損失するのを防
止することができる。また、本発明によれば、前記大気
を配管内に導入するための大気導入手段を前記流体噴出
手段と兼用する事が可能であり、スペース効率、施工
性、経済性の向上が期待できる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るトイレ装置の
実施の形態を実施例に基づき説明する。図4は、本発明
に係る第一実施例の大便器の概略断面図である。この第
一実施例の大便器1は、図示するように、洗浄水タンク
2を備えるいわゆるロータンク型のサイホンジェット式
大便器である。この大便器1は、便器本体3のやや前方
よりにボール部4を備える。ボール部底部の汚物落とし
込み凹部5の前壁部には、排水トラップ6の入口に臨ま
せて洗浄水噴出手段8が対向して開設されている。そし
て、この洗浄水噴出手段8から洗浄水が噴出されると、
ボール部4の汚物を排水トラップ6から洗浄水と共に搬
送して便器洗浄を図る洗浄モードが実施される。
【0041】排水トラップ6は、入口から立ち上がって
形成された上昇管7と、この上昇管7にクラウン9近傍
の堰部を隔てて繋がり下端の便器排水口10に至る下降
管11とを有する。このため、排水トラップ6に洗浄水
が堰部上部の空気を押し流すことでサイホン作用を起こ
し、汚物落とし込み凹部5の汚物並びに洗浄水は排水ト
ラップ6に引き込まれる。
【0042】また、大便器1は、ボール部4に溜水を図
るための洗浄水供給手段12を有し、この洗浄水供給手
段12は給水弁13とこの給水弁13から洗浄水を通水
リム14に導くリム導入管15とを有する。給水弁13
は、便器洗浄後に給水源からの管路を所定時間だけ開
き、溜水に必要な量の洗浄水を供給する。よって、この
給水弁13により、リム導入管15を経て通水リム14
に洗浄水が導かれると、リム水出孔からボール部表面に
向けて洗浄水が流れ出し、ボール部4への溜水が行われ
る。
【0043】また、大便器1は、大便器外に排出される
汚物等が排水管16内に停滞することなく、下流側へ流
下するのを促すための詰まり除去手段17を有する。こ
の詰まり除去手段17は流体噴出手段24を有し、この
流体噴出手段24は排水口近傍に備えられている。詰ま
り除去手段17は、流体噴出手段24に連通した開閉弁
19と、この開閉弁19の開閉を制御する噴出制御手段
20とを有する。この噴出制御手段20は、噴出流体の
流量を調整する噴出調整手段を備える。流体噴出手段2
4は、水道水を導入する水道水導入管22が開閉弁19
を介して連結され、予め設定した流体噴出パターンに従
って水道水を連結管18に導入して流体噴出手段24か
ら噴出する。
【0044】この第一実施例では、水道の圧力が6.9
×104Pa以上の場合、連結管18に導入される水道
水の流量が3.3×10-43/sになるように調整さ
れる。また、水道の圧力が6.9×104Pa以下の場
合は噴出調整手段は開閉弁19を全開放状態にする。流
体噴出手段24からの流体噴出は、洗浄モードの起動に
合わせて行われ、図5に示す動作タイミングになるよう
に制御されている。まず、使用者が洗浄スイッチ21を
押すと洗浄モードの洗浄が開始される。さらに、洗浄ス
イッチ21が押されてから所定の時間後に所定の時間だ
け流体噴出手段24から流体噴出がなされるように噴出
制御手段20は設定されている。この時の便器排水口1
0での排水流量特性を図6に示す。排水ピークは、従来
の便器より若干高く、汚物が排出された後も排水が保た
れる。この大便器1を供試便器Iとした。
【0045】図7は、本発明に係る第二実施例の大便器
25の概略断面図である。この第二実施例の大便器25
は、サイホンジェット式の大便器であり、第一実施例と
同様の排水経路構造を有する。大便器25は、第一実施
例と同様に、ボール部4に溜水を図るための洗浄水供給
手段26を有し、溜水に必要な量の洗浄水を供給する。
また、大便器25は、汚物搬送のための駆動流体となる
水を噴出する洗浄水噴出手段27を有する。この洗浄水
噴出手段27は、水道水導入管22に連通した開閉弁2
8と、開閉弁28の開閉を行う開閉弁駆動手段と、開閉
弁に連通し洗浄水の圧力調整機構と、洗浄水を噴出する
洗浄水噴出手段27と、圧力調整機構に連通し洗浄水噴
出手段27に連通させる通水手段30と、開閉弁駆動手
段を制御して洗浄水の供給及び停止を行う洗浄制御手段
29と、所定の洗浄モードの設定を行う洗浄モード設定
手段とを備える。
【0046】また、大便器は、詰まり除去手段の流体噴
出手段24がクラウン9に備えられている。詰まり除去
手段は、第一実施例と同様に噴出制御手段29を備え、
水道水を導入する水道水導入管22が開閉弁19を介し
て連結され、予め設定した流体噴出パターンに従って水
道水を連結管31に導入して流体噴出手段24から噴出
する。
【0047】この第二実施例では、水道の圧力が6.9
×104Pa以上の場合、連結管31に導入される水道
水の流量が3.3×10-43/sになるように調整さ
れる。また、水道の圧力が6.9×104Pa以下の場
合は噴出調整手段は開閉弁19を全開放状態にする。流
体噴出手段24からの流体噴出は、洗浄モードの起動に
合わせて行われ、図8に示す動作タイミングになるよう
に制御されている。まず、使用者が洗浄スイッチを押す
と洗浄モードの洗浄が開始され、洗浄制御手段29で設
定される所定の洗浄パターンに従って洗浄が行われる。
さらに、洗浄スイッチが押されてから所定の時間後に所
定の時間だけ流体噴出手段24から流体噴出がなされる
ように噴出制御手段29は設定されている。この時の便
器排水口での排水流量特性を図9に示す。排水ピーク
は、従来の便器より若干高く、汚物が排出された後も排
水が保たれる。この大便器25を供試便器IIとした。
【0048】図10は、本発明に係る第三実施例の大便
器32の概略断面図である。この第三実施例の大便器3
2は、図示するように、第一実施例と同様のロータンク
型のサイホンジェット式大便器であり、大便器32には
詰まり除去手段17が備えられている。大便器32は、
下降11管と排水管16とを連接するための排水ソケッ
ト33を別体で有し、この排水ソケット33に流体噴出
手段24が備えられている。
【0049】この詰まり除去手段17は、第一実施例と
同様に、流体噴出手段24と噴出制御手段20とを有
し、この噴出制御手段20は噴出流体の流量を調整する
噴出調整手段を備える。流体噴出手段24は、水道水を
導入する水道水導入管22が開閉弁19を介して連結さ
れ、予め設定した流体噴出パターンに従って水道水を連
結管22に導入して流体噴出手段24から噴出するよう
便器排水口10を指向して備えられている。
【0050】この第三実施例では、水道の圧力が6.9
×104Pa以上の場合、連結管22に導入される水道
水の流量が3.3×10-43/sになるように調整さ
れる。また、水道の圧力が6.9×104Pa以下の場
合は調整手段は全開放状態になる。流体噴出手段24か
らの流体噴出は、洗浄モードの起動に合わせて行われ、
図11に示す動作タイミングになるように制御されてい
る。まず、使用者が洗浄スイッチ21を押すと洗浄モー
ドの洗浄が開始される。さらに、洗浄スイッチ21が押
されてから所定の時間後に所定の時間だけ流体噴出手段
24から流体噴出がなされるように噴出制御手段20は
設定されている。この時の便器排水口10での排水流量
特性を図12に示す。排水ピークは、従来の便器より若
干高く、汚物が排出された後も排水が保たれる。この大
便器32を供試便器IIIとした。
【0051】図13は、本発明に係る第四実施例の大便
器34の概略断面図である。この第四実施例の大便器3
4は、図示するように、第一実施例と同様のロータンク
型のサイホンジェット式大便器である。大便器34は、
下降管11と排水管16とを連接するための連接ユニッ
ト35を別体で有し、この連接ユニット35に詰まり除
去手段17が備えられている。連接ユニット35は、建
築躯体のスラブ床置き構造となっている。
【0052】この詰まり除去手段17は、第一実施例と
同様に、流体噴出手段24と噴出制御手段20とを有
し、この噴出制御手段20は噴出流体の流量を調整する
噴出調整手段を備える。流体噴出手段24は、水道水を
導入する水道水導入管22が開閉弁19を介して連結さ
れ、予め設定した流体噴出パターンに従って水道水を水
道水導入管22に導入して流体噴出手段24から噴出す
る。流体噴出手段24は、連接ユニット35の排水経路
37が概鉛直から概水平に曲折する部分に位置し、排水
経路37の出口を指向するように備えられている。連接
ユニット35は、水道水導入管22と水道管36との接
続口、及び、排水管16と排水経路37との接続口が、
床下位置に備えられている。水道水導入管22は、二方
に分岐され、一方は洗浄水タンク2に、もう一方は流体
噴出手段24へと水道水を導入する。
【0053】また、連接ユニット35は、排水経路37
と下降管11及び排水管16とが嵌合されて接続され
る。図13に示す排水経路37の概鉛直部は、管路の長
手方向に対して自在にスライドでき、且つ、水密性を保
持する構造となっている。
【0054】また、連接ユニット35は、排水経路37
に連通するバキュームブレーカー38を有する。バキュ
ームブレーカー38は、排水管16内の圧力が一定以上
低下した場合に大気を排水管16内に導入するように働
く。
【0055】この第四実施例では、水道の圧力が6.9
×104Pa以上の場合、連結管18に導入される水道
水の流量が3.3×10-43/sになるように調整さ
れる。また、水道の圧力が6.9×104Pa以下の場
合は噴出調整手段は開閉弁19を全開放状態にする。流
体噴出手段24からの流体噴出は、洗浄モードの起動に
合わせて行われ、図14に示す動作タイミングになるよ
うに制御されている。まず、使用者が洗浄スイッチ21
を押すと洗浄モードの洗浄が開始される。さらに、洗浄
スイッチ21が押されてから所定の時間後に所定の時間
だけ流体噴出手段24から流体噴出がなされるように噴
出制御手段20は設定されている。この時の便器排水口
10での排水流量特性を図15に示す。排水ピークは、
従来の便器より若干高く、汚物が排出された後も排水が
保たれる。この大便器34を供試便器IVとした。
【0056】図16は、本発明に係る第五実施例の大便
器39の概略断面図である。この第五実施例の大便器3
9は、図示するように、第四実施例と同様のロータンク
型のサイホンジェット式大便器であり、詰まり除去手段
17を備える下降管11と排水管16とを連接するため
の連接ユニット35を別体で有する。
【0057】この詰まり除去手段17は、第一実施例と
同様に、流体噴出手段24と噴出制御手段20とを有す
る。流体噴出手段24は、コンプレッサー40から加圧
空気を導入するエアー導入管41が連結され、予め設定
した流体噴出パターンに従って加圧空気をエアー導入管
41に導入して流体噴出手段24から噴出する。流体噴
出手段24は、連接ユニット35の排水経路37が概鉛
直から概水平に曲折する部分に位置し、排水経路37の
出口を指向するように備えられている。
【0058】この第五実施例では、加圧空気の圧力が5
×104〜5×105Paに設定可能である。流体噴出手
段24からの加圧空気噴出は、洗浄モードの起動に合わ
せて行われ、図17に示す動作タイミングになるように
制御されている。まず、使用者が洗浄スイッチ21を押
すと洗浄モードの洗浄が開始される。さらに、洗浄スイ
ッチ21が押されてから所定の時間後に所定の時間だけ
流体噴出手段24から流体噴出がなされるように噴出制
御手段20は設定されている。この時の便器排水口10
での排水流量特性を図18に示す。排水ピークは、従来
の便器より際立って高い。この大便器39を供試便器V
とした。
【0059】また、大便器29は、排水管内の負圧力を
検出する圧力検出手段を有している。圧力検出手段によ
って排水管16内の負圧が検出されると、噴出制御手段
20が詰まり除去手段17を起動して加圧空気を噴出す
る。大便器39から排出された汚物は、流れが満管状態
になった場合に負圧によって一旦減速するが、流体噴出
によって再び加速する。
【0060】また、第五実施例では、図19に示すよう
に、大便器39からの排水は排水ヘッダー41において
洗面化粧台42及び台所流し台44及び浴槽43からの
排水と合流するように構成されている。排水ヘッダー4
1の下流側出口に連接する排水管45は排水立て管46
に連結される。排水ヘッダー41は、詰まり検出手段及
び空圧緩衝手段及びディスポーザーを有する。
【0061】詰まり検出手段は、汚物の通過を検知する
通過検出手段を有する。通過検出手段は、大便器の洗浄
操作開始から一定時間t0の間に排水経路内の水位hを
検知し、hが一定値h0を超えたときの積算時間t1を
もとに汚物の通過を判別するようになっている。詰まり
検出手段の判別結果が未通過であれば詰まり除去手段に
信号が発信される。大便器39が詰まり検出手段からの
信号を受信すると、流体噴出手段24から噴出モードで
の流体噴出が行われる。
【0062】空圧緩衝手段は、排水ヘッダー41内の圧
力の変動を緩和する圧力制御手段を有する。圧力制御手
段は、排水ヘッダー41内部が急激な圧力変動が生じる
と大気開放状態にする大気開放弁を有する。
【0063】また、ディスポーザーは、排水ヘッダー4
1内に流入してくる大便器排水の汚物や台所排水の生ゴ
ミを粉砕して排水ヘッダーよりも下流側の流れをスムー
ズにする。
【0064】(排水搬送性能評価)ベターリビング規格
による便器の搬送機能試験方法(BL規格試験)に準じ
て試験装置を設置し、第一〜第五実施例の大便器につい
て排水搬送試験を行った。但し、ここでは小口径管での
搬送性能も合わせてみるため、口径75と50の配管を
使用して試験を行った。試験装置は図20のように床下
から300mmの部分で垂直から水平に曲げ、そこから
1mの部分でさらに水平曲げを入れ、9m直線配管し、
合計10mの管路とした。曲げの部分はそれぞれ大曲エ
ルボを使用した。また、配管の口径が50の装置では、
曲げ部分に75×50異径エルボを装着して管径を縮小
し、口径50の配管を接続した。排水勾配は1/100
に設定している。試験に使用した大便器は、供試便器I
〜Vと、比較便器Iとして洗浄水量8リットルのサイホン
ジェット式便器(TOTO製・CS90B+SH90B
A)と、比較便器IIとして洗浄水量8リットルのウォッ
シュダウン式便器(INAX製・GBC−110ST+
DT−2813)である。尚、試験に使用した代用汚物
は、40gの味噌を径25mm、長さ80mmに成形し
たものを8個と、長さ760mmのトイレットペーパー
を径50〜70mm程度に丸めたもの7個とした。本試
験は、最初の洗浄操作として代用汚物を洗浄し、次の継
続洗浄操作で水のみの洗浄を行った。これを、同一条件
で10回行った。
【0065】表1に示す試験結果は、大便器から排出さ
れる汚物の搬送距離によって◎,○,△,×で表してい
る。表中◎は、10回の試験とも、最初の洗浄操作で配
管から完全に代用汚物が排出された場合である。表中○
は、10回の試験とも、最初の洗浄操作か、または、継
続洗浄操作で代用汚物が配管から排出された場合であ
る。表中△は、10回の試験で一度も最初の洗浄操作で
完全に代用汚物が排出される事はないが、次の継続洗浄
操作ですべて排出される場合である。表中×は、10回
中1回でも、継続洗浄操作の後に代用汚物が排出されず
に配管途中で停止した場合である。本試験条件において
は、供試便器I〜Vのいずれも問題無く代用汚物を配管の
系外に排出する事ができ、詰まり除去手段の流体噴射の
効果が認められた。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明における大便器は、詰まり除去手
段の流体噴射によって、大便器内の搬送経路内または大
便器外の外部配管内の汚物などの詰まりを除去する作用
を有する。さらに、大便器外に排出された汚物等が排水
管内に停滞することなく、下流側へ流下するのを促す作
用を有する。したがって、本発明の大便器は、通常の大
便器の洗浄機能を保持し、且つ、安全で確実な汚物の搬
送を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の大便器の概略断面図である。
【図2】従来の大便器の洗浄パターンである。
【図3】従来の大便器の排水口での排水特性である。
【図4】第一実施例の大便器の概略断面図である。
【図5】第一実施例の大便器の洗浄パターンである。
【図6】第一実施例の大便器の排水口での排水特性であ
る。
【図7】第二実施例の大便器の概略断面図である。
【図8】第二実施例の大便器の洗浄パターンである。
【図9】第二実施例の大便器の排水口での排水特性であ
る。
【図10】第三実施例の大便器の概略断面図である。
【図11】第三実施例の大便器の洗浄パターンである。
【図12】第三実施例の大便器の排水口での排水特性で
ある。
【図13】第四実施例の大便器の概略断面図である。
【図14】第四実施例の大便器の洗浄パターンである。
【図15】第四実施例の大便器の排水口での排水特性で
ある。
【図16】第五実施例の大便器の概略断面図である。
【図17】第五実施例の大便器の洗浄パターンである。
【図18】第五実施例の大便器の排水口での排水特性で
ある。
【図19】第五実施例の配管構造の概略図である。
【図20】BL規格試験に用いられている排水システム
を示す図である。
【符号の説明】
1 第一実施例の大便器 2 洗浄水タンク 3 便器本体 4 ボール部 5 汚物落とし込み凹部 6 排水トラップ 7 上昇管 8 洗浄水噴出手段 9 クラウン 10 便器排水口 11 下降管 12 洗浄水供給手段 13 給水弁 14 通水リム 15 リム導入管 16 排水管 17 詰まり除去手段 18 連結管 19 開閉弁 20 噴出制御手段 21 洗浄スイッチ 22 水道水導入管 24 流体噴出手段 25 第二実施例の大便器 26 洗浄水供給手段 27 洗浄水噴出手段 28 開閉弁 29 洗浄制御手段 30 通水手段 31 連結管 32 第三実施例の大便器 33 排水ソケット 34 第四実施例の大便器 35 連接ユニット 36 水道管 37 排水経路 38 バキュームブレーカー 39 第五実施例の大便器 40 コンプレッサー 41 エアー導入管 42 洗面化粧台 43 浴槽 44 台所流し台 45 排水管 46 排水立て管 47 横引きトラップ 48 脚部エルボ 49 洗浄水供給管 50 水道管コネクタ 51 水道水供給管コネクタ 52 多方弁 53 排水立て管 100 床仕上げ面 101 スラブ床面

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚物を受けるボール部と、該ボール部に
    洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、外部の配管に汚物
    を排出する排出口と、前記ボール部と前記排出口とを連
    通させ排出口へ汚物を搬送する搬送経路とを備えた大便
    器であって、前記搬送経路内及び前記外部配管内の詰ま
    りを防止または除去する詰まり除去手段を備えたことを
    特徴とするトイレ装置。
  2. 【請求項2】 前記詰まり除去手段は、前記搬送経路内
    に流体を噴出する流体噴出手段を有することを特徴とす
    る請求項1に記載のトイレ装置。
  3. 【請求項3】 前記流体噴出手段は、前記外部配管内に
    備えられて成ることを特徴とする請求項1または2に記
    載のトイレ装置。
  4. 【請求項4】 前記搬送経路は、排水トラップと横引き
    トラップとで構成されてなり、前記横引きトラップが、
    前記排出口を有し、排水トラップの下降管と着脱可能な
    構造であって、前記流体噴出手段は、前記横引きトラッ
    プに備えられてなることを特徴とする請求項2または3
    に記載のトイレ装置。
  5. 【請求項5】 前記下降管と前記外部配管とを連結する
    連接ユニットが備えられて成り、前記連接ユニットは、
    前記横引きトラップ及び脚部エルボとを有して成り、前
    記流体噴出手段が、前記連接ユニットに装着されている
    ことを特徴とする請求項2乃至4に記載のトイレ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載のトイレ装置であ
    って、前記詰まりを検出する詰まり検出手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至5に記載のトイレ装置。
  7. 【請求項7】 前記流体噴出手段の起動及び停止を行う
    噴出制御手段を有することを特徴とする請求項2乃至6
    に記載のトイレ装置。
  8. 【請求項8】 前記噴出制御手段は、予め定められた噴
    出パターンにしたがって前記流体噴出手段の制御を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載のトイレ装置。
  9. 【請求項9】 前記噴出制御手段は、噴出流体の流量ま
    たは圧力を調整する噴出調整手段を有することを特徴と
    する請求項7または8に記載のトイレ装置。
  10. 【請求項10】 前記流体噴出手段は、複数の開閉弁を
    有する多方弁と連結されて成り、前記多方弁の流体導入
    側には噴射流体の導入管が連結されてなり、前記多方弁
    の流体排出側には、洗浄水供給手段または洗浄水噴出手
    段の少なくとも一方に連通する洗浄水供給管が連結さ
    れ、且つ、噴射流体供給経路である連結管が連結されて
    前記流体噴出手段と連通することを特徴とする請求項8
    または9に記載のトイレ装置。
  11. 【請求項11】 前記流体噴出手段は、気液を混合した
    噴射流体を噴射するものであって、前記噴出制御手段
    は、噴射流体の噴射タイミングによって前記気液の混合
    比を所定に制御することを特徴とする請求項8乃至10
    に記載のトイレ装置。
  12. 【請求項12】 前記流体噴出手段は、流体噴出方向が
    上記搬送経路または前記外部配管の下流側となるように
    設置されたことを特徴とする請求項2乃至11に記載の
    トイレ装置。
  13. 【請求項13】 前記詰まり検出手段の検出結果に基づ
    いて前記噴出制御手段を制御することを特徴とする請求
    項4乃至12に記載のトイレ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13に記載のトイレ装置
    であって、前記洗浄水供給手段に連通した開閉弁と、前
    記開閉弁の開閉を行う開閉弁駆動手段と、前記開閉弁に
    連通し前記洗浄水の圧力調整を行う圧力調整機構と、洗
    浄水を噴出する洗浄水噴出手段と、前記圧力調整機構に
    連通し前記洗浄水噴出手段に連通させる通水手段と、前
    記開閉弁駆動手段を制御して洗浄水の供給及び停止を行
    う洗浄制御手段と、所定の洗浄モードの設定を行う洗浄
    モード設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃
    至13に記載のトイレ装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のトイレ装置であっ
    て、前記洗浄水噴出手段の少なくとも一部は前記流体噴
    出手段であることを特徴とする請求項14に記載のトイ
    レ装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15に記載のトイレ装置
    は、前記流体噴出手段がバキュームブレーカーと連結さ
    れるものであって、前記バキュームブレーカーは、前記
    搬送経路内または外部配管内に負圧が生じると大気を導
    入するものであって、前記搬送経路内または外部配管内
    からの汚水などの逆流を防止する逆止弁を備えることを
    特徴とする請求項1乃至15に記載のトイレ装置。
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