本発明は、請求項1に記載の真空廃棄システムを制御する方法に関し、前記真空廃棄システムは、幾つかの廃棄物源と、少なくとも1つの分岐管および少なくとも1つの主管路を含む真空下水配管と、廃棄物源へ連結される入口端および真空下水配管への所与のタイプの連結部を装備した出口端を有する吐出バルブと、真空下水配管へ連結される真空ユニットとを備え、前記方法において、真空は、真空下水配管内で真空ユニットにより生成され、廃棄物を廃棄物源から真空下水配管へ吐出するための吐出シーケンスは、吐出シーケンスの起動手段によって起動され、かつ前記方法において、吐出シーケンスは、既定時間で設定され、前記吐出シーケンスは、廃棄物を廃棄物源から真空下水配管内へ吐出するための吐出バルブの開放および閉鎖を含む。また、本発明は、請求項19の前提部分に記載の真空廃棄システムにも関する。
真空廃棄システムは、周知であって、例えば、廃棄物の主たるタイプに依存して、真空排水システム、真空下水システム、または真空トイレシステムとも呼ばれることがある。このコンテキストにおいて真空廃棄システム内で処理される主たる廃棄物のタイプには、概して、汚水(便器、小便器)、家庭雑排水(シャワー、洗面台)または生ごみ(生ごみステーション、厨房、台所)が含まれる。
真空廃棄システムは、例えば、特許文献1〜5に開示されている。特許文献6は、コンパクト真空トイレユニットを開示し、特許文献7は、建物のための組合せ式重力下水道システムおよび真空下水道システムを開示している。
概して、これらの既知の真空廃棄システムでは、廃棄物源と真空下水配管との間の吐出バルブは、真空廃棄システム全体を通して、ロケーション、すなわち個々の廃棄物源の真空ユニットからの距離、に関わらず、あるいは、吐出バルブと真空下水配管との連結タイプ、上向き連結か下向き連結か、に関わらず、既定かつ一定の経過時間で設定される吐出シーケンスを有する。
さらに、この既定かつ一定の時間は、通常、既定の垂直高さを有する真空下水配管への上向き連結について設定され、このような設定における適切な吐出が保証される。多数の廃棄物源を含む大型の真空廃棄システムでは、真空ユニットから遠く離れたロケーションでの廃棄物源における真空下水配管で利用可能な真空レベルは、概して、真空ユニットにより近いロケーションで利用可能な真空レベルより低い。廃棄物源の数が少ない小型の真空廃棄システムでは、廃棄物源で利用可能な真空レベルは、さほど変わらず、よって、廃棄物源のロケーションはこの点に関して重大事ではない。
吐出される廃棄物のより低い輸送抵抗、すなわち下向き連結、よりも高い、吐出される廃棄物の輸送抵抗、すなわち上向き連結、は、より長い吐出シーケンスを必要とする。相応して、利用可能性が低い真空レベルは、利用可能性がより高い真空レベルより長い吐出シーケンスを必要とし、よって、真空レベルは、ロケーションに、すなわち実際には、下水道源の真空ユニットからの距離、に依存する。
ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。これは、設定される既定時間が、より低い真空レベルおよび輸送抵抗を考慮に入れるに足る長さでなければならないことを意味する。したがって、設定される既定かつ一定の時間も、例えば真空ユニットにより近い廃棄物源の吐出シーケンスと、例えば下向き連結を有する吐出シーケンスとで同じになるが、より短い時間で足りる。
したがって、どちらの状況においても、等しく大量の空気が真空配管内へ吸い込まれる。真空下水配管へ吸い込まれる大気の量は、吐出シーケンスの時間に比例して増加する。真空下水配管へ大気が吸い込まれると、真空レベルが低下する。したがって、真空レベルは、真空下水配管内へ吸い込まれる大気の量に応じて低下する。その結果、真空ユニットの稼動時間は、真空下水配管内に必要な真空レベルを生成しかつ保全するために、廃棄物源の様々なロケーションおよび連結部を考慮して実際に必要なものより長くなる。例えば、下向き連結および真空ユニットにより近いロケーションの場合、廃棄物の真空下水配管内への完全な吐出を実行するには、より短い吐出シーケンスで足りる。
また、これにより、真空レベルがさらに頻繁に真空廃棄システムの適切な動作に必要な所与のより低い真空レベル以下へと低下するという理由で、真空ユニットの起動頻度も増加する。言い換えれば、真空廃棄システム内に必要以上の真空が発生し、システムのエネルギー消費量および運転コストが上昇する。
通常は洗浄水源へ連結される洗浄水バルブを含む真空廃棄システムでは、フラッシングシーケンス、すなわち吐出シーケンスに関連する洗浄水の供給、も、既定かつ一定の時間に設定される。その結果、各吐出シーケンスに関連する各フラッシングシーケンスで消費される洗浄水の量は、同じであるが、廃棄物の量または種類が考慮されれば、より少ない洗浄水で効果的なフラッシングが行われる可能性もある。
欧州特許第0333045号明細書
欧州特許第1172492号明細書
国際公開第2006/079688号
欧州特許第1840282号明細書
国際公開第2008/074915号
ロシア特許第2491392号明細書
特開平6−10403号公報
本発明の目的は、上述の欠点を回避して、真空廃棄システムの効率的で単純かつ費用効果の高い制御を達成することにある。この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
本発明の基本的考案は、吐出シーケンスの既定時間を、前記時間が、所与の廃棄物源において吐出シーケンスを適切な方法で実行するには足りるが、必要以上に長くして不必要な真空消費に繋がらないように設定することである。
これは、廃棄物源の吐出シーケンスの既定時間を、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプに従って、または、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち真空ユニットと吐出バルブとの距離、に従って設定することにおいて実現される。
吐出バルブの真空下水配管への連結タイプは、吐出バルブと真空下水配管との間の管構成のタイプを示すが、これについては後に詳述する。廃棄物の輸送抵抗は、管構成に依存する。
真空下水配管に対する吐出バルブのロケーションは、吐出バルブと真空ユニットとの距離を示す。真空配管内の真空レベルは、吐出バルブの真空ユニットからの距離に依存する。
このソリューションの利点は、吐出シーケンスの既定時間の設定に際して、廃棄物が真空下水道内へ吐出される際のその輸送抵抗、または廃棄物の吐出場所における真空レベルが考慮されることにある。
真空下水配管内の真空レベルは、通常、遠く離れた場所の方が、すなわち真空ユニットからより長い距離において、より近い場所、すなわち真空ユニットからより短い距離におけるレベルより低い。したがって、この方法では、吐出シーケンスの既定時間の設定に際して、真空レベルの差も考慮される。
この方式では、消費される真空が必要量に制限される。その結果、必要な真空レベルを(再)生成しかつ保全するためのエネルギー消費が最適化される。
有利には、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプは、下向き連結、すなわち下向きの管構成、または上向き連結、すなわち上向きの管構成として識別される。これにより、吐出シーケンスに関連する廃棄物の輸送抵抗に鑑みて、吐出シーケンスの既定時間を設定または調整することが可能になる。
下向き連結という用語は、下向きの管構成を有する、よって、下水道源(例えば、便器)または吐出バルブからの出口管が下向きに真空下水配管へ、すなわち分岐管、主管路またはコレクタへ繋がる、吐出バルブと真空下水配管との連結を指す。下向き連結では、廃棄物の下方への流れに起因して、廃棄物の輸送抵抗が低い。より低い輸送抵抗は、より短い既定時間の吐出シーケンスを必要とする。
上向き連結という用語は、上向きの管構成を有する、よって、下水道源(例えば、便器)または吐出バルブからの出口管が上向きに真空下水配管へ、すなわち分岐管、主管またはコレクタへ繋がる、吐出バルブと真空下水配管との連結を指す。上向き連結では、廃棄物の上方への流れ、すなわち廃棄物を真空下水配管へ引き上げるために必要な揚力、に起因して、廃棄物の輸送抵抗が高い。より高い輸送抵抗は、より長い既定時間の吐出シーケンスを必要とする。
上向き連結、すなわち上向きの管構成は、通常、所与の垂直高さを有する。したがって、所与の垂直高さもまた、上向きの管構成における輸送抵抗に影響し、すなわち、高さが低いほど、より短い既定時間の吐出シーケンスを要求するより少ない抵抗が存在し、高さが高いほど、より長い既定時間の吐出シーケンスを要求するより多い抵抗が存在する。
その結果、さらに効果的な様式では、吐出バルブの真空下水配管への所定のタイプの連結が、ライザ管とも呼ばれる上向き連結として識別される場合、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、上向き連結の既定の垂直高さに従って設定される。
代替的または追加的に、真空レベルは、吐出バルブの下流の予め決められた場所で測定され、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定または調整される。
さらなる効果的なアプローチは、吐出シーケンスの既定時間を、さらに、廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量またはタイプに従って設定することである。廃棄物の量は、例えば、吐出される廃棄物のタイプに基づいて、ならびに、吐出されるべき廃棄物のタイプに関連する真空廃棄システムのサイズに基づいて推定されてもよい。
有利には、吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段を装備する。第1の制御手段は、真空廃棄システムのサイズまたはタイプに依存して、手動で、または自動で制御される。
吐出されるべき廃棄物の量およびタイプに依存して、真空廃棄システムは、有利には、洗浄水源へ連結される洗浄水バルブをさらに含む。この場合、本方法は、フラッシングシーケンスをさらに含み、これは、廃棄物の廃棄物源から真空下水配管への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を廃棄物源へ供給するために、洗浄水バルブを開放しかつ閉鎖することを含む。
有利には、本方法がフラッシングシーケンスを含む場合、フラッシングシーケンスもまた、吐出シーケンスの起動手段によって起動される。
有利には、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプに従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。
有利には、吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段を装備する。第2の制御手段は、真空廃棄システムのサイズまたはタイプに依存して、手動で、または自動で制御される。
真空廃棄システムのタイプに依存して、吐出シーケンスの起動手段は、真空下水配管および吐出バルブへ連結される制御機構であることが効果的である。
あるいは、吐出シーケンスの起動手段は、吐出バルブへ連結される電気コントローラである。
真空廃棄システムがさらに洗浄水バルブを含む場合、吐出シーケンスの起動手段は、真空下水配管、吐出バルブおよび洗浄水バルブへ連結される制御機構であることが効果的である。
あるいは、真空廃棄システムがさらに洗浄水バルブをさらに含む場合、吐出シーケンスの起動手段は、吐出バルブおよび洗浄水バルブへ連結される電気コントローラである。
有利には、吐出シーケンスの既定時間と、フラッシングシーケンスの既定時間とは、互いに独立して設定される。この方式では、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスの双方について、様々な基準を独立して考慮することができ、これにより、真空廃棄システムの制御の最適化が強化される。
本発明による方法は、有利には、様々な廃棄物源、例えば真空トイレ、小便器、洗面台、シャワーまたは生ごみステーション、に関連して展開される。
本発明に関して、「廃棄物源」という定義は、便器、小便器、シャワー、洗面台、調理室、生ごみステーションを含むものとして、すなわち、例えば建物、様々な種類の船舶および海上構造物等の浮体構造物、列車、他において真空下水配管へ連結される従来の廃棄物源として理解されるべきである。
本発明に関して、吐出シーケンスの起動手段により起動される「吐出シーケンス」の定義は、吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間範囲として理解されるべきである。
本発明に関して、吐出シーケンスの起動手段により起動される「フラッシングシーケンス」の定義は、洗浄水バルブの開放から洗浄水バルブの閉鎖までの時間範囲として理解されるべきである。
本発明の効果的な実施形態は、請求項2〜18に記載されている。
請求項19に記載の本発明による真空廃棄システムの効果的な実施形態は、請求項20〜26に記載されている。
以下、添付の略図を参照して、本発明を、単に例として、より詳細に説明する。
真空廃棄システムの全体的配置を示す。
下水道源、この場合は真空トイレ、の真空下水道への連結の一例を示す。
下水道源、この場合は真空トイレ、の真空下水道への連結の別の例を示す。
真空トイレを有する真空廃棄システムの全体的配置を示す。
生ごみステーションを有する真空廃棄システムの全体的配置を示す。
図1は、真空廃棄システム1の全体的配置を示す。真空廃棄システムは、この実施形態では真空トイレ91、小便器92、洗面台93およびシャワー94等の幾つかの廃棄物源である下水道源9を備える。真空廃棄システムは、さらに、分岐管71と、主管路72と、コレクタ73とを含む真空下水配管7を備える。図1に示すように、廃棄物源、この例では真空トイレ91は、真空下水配管へ、またはこの実施形態では分岐管71へ、吐出バルブ8を介して連結されるように示され、よって、吐出バルブ8は、真空トイレ91と真空下水配管7との間に配置される。真空トイレは、真空下水配管7へ、すなわち分岐管71へ所与のタイプの連結によって連結され、この連結タイプは、通常、上向き連結、すなわち参照数字711で示されるようなトイレから分岐管への上向きの管構成、または下向き連結、すなわち参照数字712で示されるようなトイレから分岐管への下向きの管構成、の形式である。
この実施形態において真空ポンプ110として示されている真空ユニット11は、真空を生成しかつ真空廃棄システム1の真空下水配管7内で廃棄物の流れを圧送するために、コレクタ73へ連結される。
真空ユニット1はさらに、廃棄物の流れを受入れ施設13へ吐出するための吐出管12へ連結される。あるいは、真空ユニットは、例えばエジェクタユニット、個々に真空タンクを有する、または有していない真空ポンプと吐出ポンプとの組み合わせ、他、の形式であることも可能である。真空ユニットのタイプは、適切であることが認められたものとして選択されてもよい。例えば船舶内の真空廃棄システムの場合、受入れ施設は、例えば、周囲の海、溜めタンクまたは処理プラントである可能性もある。
廃棄物源と真空廃棄システムとの連結のより詳細な例を提供するために、図2は、図1に示す真空廃棄システムにおける真空トイレの連結を略示している。
下水道源、この場合は真空トイレ91、は、吐出バルブ8の入口端へ連結される便器出口を装備している。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7の分岐管71への所与のタイプの連結部を装備している。この事例において、所与のタイプの連結は、上向き連結711、すなわち上向きの管構成、として示されている。
真空下水配管7は、真空ユニット11へ連結される。吐出バルブ8の動作は、少なくとも1つの押しボタン21を備える吐出シーケンスの起動手段20、この場合はいわゆる制御機構、により制御される。制御機構は、空気圧制御機構である。吐出バルブ8は、真空作動式吐出バルブである。
吐出シーケンスは、廃棄物を真空トイレ91から真空下水配管7へ吐出するために、吐出バルブ8を開閉することを含む。吐出シーケンス、すなわち吐出バルブの開放は、制御機構によって起動される。実際には、吐出バルブは、予め設定された遅延の後に閉鎖するように設定される。
真空廃棄システムは、さらに、廃棄物の廃棄物源、すなわち真空トイレ91、から真空下水配管7への吐出に関連して真空トイレ91へ洗浄水を供給するために、洗浄水源31へ連結される洗浄水バルブ30を含む。洗浄水の供給は、吐出シーケンスに関連するフラッシングシーケンスで実行される。
フラッシングシーケンスは、廃棄物の真空下水配管7への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を真空トイレ91へ供給するために、洗浄水バルブ30を開放しかつ閉鎖することを含む。フラッシングシーケンス、すなわち洗浄水バルブの開放、は、制御機構によって起動される。実際には、洗浄水バルブは、予め設定された遅延の後に閉鎖するように設定される。
吐出シーケンスの起動手段20、すなわち制御機構、は、真空下水配管へ、この例では上向き連結711、すなわち図2に示すような上向きの管構成、吐出バルブ8および洗浄水バルブ30へ連結され、これらは、制御機構により、真空下水配管内で利用可能な真空を用いて空気圧式に作動される。押しボタン21(白抜きの矢印で示す)を押すと、制御機構によって吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスが起動され、これにより、吐出シーケンスが既定時間に設定され、かつフラッシングシーケンスが既定時間に設定され、廃棄物、洗浄水および大気は、これらの設定時間の間に真空トイレから真空下水配管へ吐出される。
吐出シーケンスの既定時間は、後に図4および図5に関連してより詳しく論じるように、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち、上向き連結、すなわち上向きの管構成、または下向き連結、すなわち下向きの管構成に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
吐出シーケンスの既定時間およびフラッシングシーケンスの既定時間は、有利には、互いに独立して設定される。したがって、これらは、適切であることが認められたものとして変えられてもよい。これは、幾つかの例として、次のように示すことができる。
廃棄物源が真空トイレであれば、洗浄水バルブは、吐出シーケンスの終了後も洗浄水の供給を続けて便器内に次の吐出シーケンス用に少量の水を溜めるために、通常、吐出バルブの閉鎖から幾分遅延して閉鎖される。
小便器の場合は、このような追加的な水の供給が不要であり、よって、洗浄水の流れを早期に終了することができる。これにより、洗浄水が節約され、すなわち、洗浄水の消費量が減少し、ならびに真空廃棄システムによって処理されるべき廃棄物の総量が減少する。
ある対応する方式では、真空トイレに、例えば、吐出されるべき廃棄物のタイプに依存して一方が短時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用でありかつ一方が長時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用である二重押しボタンまたは2つの押しボタンを装備することができる。吐出シーケンスの起動手段は、より高度なタイプのもの、例えばセンサベースのシステム、であってもよい。
必要に応じて、実際の吐出シーケンスより前に廃棄物源を流す必要がある場合には、洗浄水バルブの開放が吐出バルブの開放より前になるように設定することもできる。これは、通常、例えば生ごみステーションに関連して行われ、この場合、生ごみ容器は、実際の吐出シーケンスより前であっても、生ごみの供給より前に、かつ生ごみの供給に関連して洗い流されてもよい。生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
結果的に、本発明による方法は、真空廃棄システムにおける個々の廃棄物源の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス双方の既定時間の設定を可能にする。これにより、真空廃棄システムは、エネルギー消費、洗浄水の消費量および真空廃棄システムにより処理されるべき廃棄物の量の制御に関して最適に制御される。
さらに、これにより、廃棄物のその後の処理にも効果が生じ、例えば、貯蔵容量が減り、汚染問題が減り、ひいてはコストも低減する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
廃棄物源が小便器、洗面台またはシャワーである場合は、通常、廃棄物源または廃棄物源出口と吐出バルブとの間にいわゆるインタフェースユニットが配置される。インタフェースユニットは、所定量の廃棄物を収集し、これにより、インタフェースユニットは、その所与の充填度において、センサユニットにより、吐出シーケンスを起動して廃棄物を真空下水配管内へ吐出させるために起動される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況にとって望ましいように適合化されることが可能である。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
廃棄物源と真空廃棄システムとの連結の別のより詳細な例を提供するために、図3は、図1に示す真空廃棄システムにおける真空トイレの連結を略示している。図3による実施例は、吐出シーケンスの起動手段20が電気制御ユニットを備えていて電気的に制御されるという点が、図2による実施例とは異なる。
下水道源9、この場合は真空トイレ91、は、吐出バルブ8の入口端へ連結される便器出口を装備する。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7の分岐管71への所与のタイプの連結部を装備している。この事例において、所与のタイプの連結は、上向き連結711、すなわち上向きの管構成、として示されている。
真空下水配管7は、真空ユニット11へ連結される。吐出バルブ8の動作は、吐出シーケンスの起動手段20によって、この場合は少なくとも1つの押しボタン21、この場合は例えば膜スイッチである電気押しボタン、を備える電気制御ユニットによって、制御される。
吐出シーケンスは、廃棄物を真空トイレ91から真空下水配管7へ吐出するために、吐出バルブ8を開閉することを含む。吐出シーケンス、すなわち吐出バルブの開放は、電気制御ユニットによって起動される。
真空廃棄システムは、さらに、廃棄物の廃棄物源、すなわち真空トイレ91、から真空下水配管7への吐出に関連して真空トイレ91へ洗浄水を供給するために、洗浄水源31へ連結される洗浄水バルブ30を含む。洗浄水の供給は、吐出シーケンスに関連するフラッシングシーケンスで実行される。
フラッシングシーケンスは、廃棄物の真空下水配管7への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を真空トイレ91へ供給するために、洗浄水バルブ30を開放しかつ閉鎖することを含む。
吐出シーケンスの起動手段20、すなわち電気制御ユニット、は、パイロットバルブ(例えば、電気ソレノイドバルブ)Aを介して吐出バルブ8へ連結される。吐出バルブ8は、真空作動式吐出バルブである。吐出シーケンスが起動されると、パイロットバルブAが電気制御ユニットから信号を受信し、これにより、真空下水配管からの連結部が吐出バルブに開放され、吐出バルブへ真空が供給されてこれを開放する。
電気制御ユニットは、洗浄水バルブ30、この場合は電気水バルブ(例えば、ソレノイドバルブ)、へ直に連結される。押しボタン21(白抜きの矢印で示す)を押すと、電気制御ユニットによって吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスが起動され、これにより、吐出シーケンスが既定時間に設定され、かつフラッシングシーケンスが既定時間に設定され、廃棄物、洗浄水および大気は、これらの設定時間の間に真空トイレから真空下水配管へ吐出される。
吐出シーケンスの既定時間は、後に図4に関連してより詳しく論じるように、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち、上向き連結、すなわち上向きの管構成、または下向き連結、すなわち下向きの管構成に従って設定または調整される。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定しかつ調整するための第1の制御手段22を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
吐出シーケンスの既定時間およびフラッシングシーケンスの既定時間は、有利には、互いに独立して設定される。したがって、これらは、適切であることが認められたものとして変えられてもよい。これは、幾つかの例として、次のように示すことができる。
廃棄物源が真空トイレであれば、洗浄水バルブは、吐出シーケンスの終了後も洗浄水の供給を続けて便器内に次の吐出シーケンス用に少量の水を溜めるために、通常、吐出バルブの閉鎖から幾分遅延して閉鎖される。
小便器の場合は、このような追加的な水の供給が不要であり、よって、洗浄水の流れを早期に終了することができる。これにより、洗浄水が節約され、すなわち、洗浄水の消費量が減少し、ならびに真空廃棄システムによって処理されるべき廃棄物の総量が減少する。
ある対応する方式では、真空トイレに、例えば、吐出されるべき廃棄物のタイプに依存して一方が短時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用でありかつ一方がより長い吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用である二重押しボタンまたは2つの押しボタンを装備することができる。吐出シーケンスの起動手段は、より高度なタイプ、例えばセンサベースのシステム、であってもよい。
必要に応じて、実際の吐出シーケンスより前に廃棄物源を流す必要がある場合には、洗浄水バルブの開放が吐出バルブの開放より前になるように設定することもできる。これは、通常、例えば生ごみステーションに関連して行われ、この場合、生ごみ容器は、実際の吐出シーケンスより前であっても、生ごみの供給より前に、かつ生ごみの供給に関連して洗い流されてもよい。生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
結果的に、本発明による方法は、真空廃棄システムにおける個々の廃棄物源の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス双方の既定時間の設定を可能にする。これにより、真空廃棄システムは、エネルギー消費、洗浄水の消費量および真空廃棄システムにより処理されるべき廃棄物の量の制御に関して最適に制御される。
さらに、これにより、廃棄物のその後の処理にも効果が生じ、例えば、貯蔵容量が減り、汚染問題が減り、ひいてはコストも低減する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
廃棄物源が小便器、洗面台またはシャワーである場合は、通常、廃棄物源または廃棄物源出口と吐出バルブとの間にいわゆるインタフェースユニットが配置される。インタフェースユニットは、所定量の廃棄物を収集し、これにより、インタフェースユニットは、その所与の充填度において、センサユニットにより、吐出シーケンスを起動して廃棄物を真空下水配管内へ吐出させるために起動される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況にとって望ましいように適合化されることが可能である。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
真空廃棄システム、具体的には上述のような真空トイレシステム、の典型的な輸送機能において、廃棄物は、真空下水配管を介し、大量の空気を媒介として不均質な廃棄物の流れを形成する離散的なスラグにおいて輸送される。
真空トイレの吐出シーケンスが吐出シーケンスの起動手段20、すなわち制御機構または電気コントローラ、によって起動されると、真空トイレ91と真空下水配管7との間の吐出バルブ8が開放され、真空下水配管内の真空により、廃棄物および洗浄水が真空トイレから真空下水配管内へ引き出される。真空下水配管の強力な吸引効果および真空トイレ内(およびその周辺)の大気圧に起因して、通常の重力式トイレシステムに比べれば、必要な洗浄水は、ごく少量である。廃棄物および洗浄水の量は、典型的には、約1.5〜2リットルである。通常の重力式トイレシステムの場合、洗浄水の量は、平均で6〜10リットルである。
結果的に、吐出バルブが開くと、真空トイレ側の廃棄物および洗浄水の大気圧と、真空下水配管側の廃棄物および洗浄水の真空、またはより正確には部分的真空、との間に圧力差が存在する。廃棄物および洗浄水の輸送は、この圧力差によって発生し、これにより、廃棄物および洗浄水は、離散的なスラグを形成し、これに大量の空気が続いて、例えば約1〜2リットルの廃棄物および洗浄水に約60リットルの空気が続く。すなわち、廃棄物および洗浄水と空気との比は、約1:30である。したがって、吐出バルブが吐出シーケンスの設定された既定時間に渡って開いたままになる間に、大量の空気が真空下水配管に吸い込まれ、または強制的に圧入される。基本的に、真空下水配管内の廃棄物の輸送は、空気ポケットを挟んだ一連の離散的スラグとして生じる。
適切に機能するために、真空廃棄システム、またはより正確には真空下水配管、における真空レベルは、所定のレベルでなければならない。通常、必要とされる低い方の真空レベルは、−0.3バールであり、かつ必要とされる高い方の真空レベルは、−0.6バールである。真空レベルは、真空ユニットによって保持され、これは、低い方の真空レベルに達した時点で開始され、必要とされる高い方のレベルまでの真空レベルを(再)生成する。
真空下水配管へ大気が吸い込まれると、真空レベルが低下する。したがって、真空レベルは、真空下水配管内へ吸い込まれる大気の量に応じて低下する。結果として、真空下水配管内で必要な真空レベルを(再)生成しかつ保持するための、真空ユニットの運転時間および先に述べたような起動頻度は、真空下水配管における真空の消費量に依存する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
真空廃棄システムは、概して当業者に既知であり、よって、関連の詳細については論じない。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
次に、図4に関連して、本発明による真空廃棄システムの制御方法を幾つかの例によって説明する。
図4に示す真空トイレシステムの全体的配置の略図において、真空廃棄システムのコンポーネントの参照数字は、図1、図2および図3に関連して使用しているものに対応する。
真空廃棄システム1は、廃棄物源、この実施形態では幾つかの真空トイレ91、を含む。真空トイレ91には、吐出バルブ8の入口端が連結される。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7へ、所与の連結タイプ(図2および図3に、より詳細に示す)によって連結される。実際には、所与の連結タイプは、下向き連結712、すなわち下向きの管構成、または上向き連結711、すなわち上向きの管構成、のいずれかであり、これにより、連結は、真空下水配管7の分岐管71に至る。分岐管は、主管路72へ連結される。真空トイレからの下向き連結または上向き連結は、主管路72へ直結されることも可能である。真空廃棄ネットワーク内の真空は、真空ユニット11によって生成される。
廃棄物を真空トイレ91から吐出するために、吐出シーケンスは、(図2および図3に関連して説明したように)吐出シーケンスの起動手段20によって開始される。吐出シーケンスは、既定時間(吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間)で設定される。
吐出シーケンスの最適な既定時間に可能な限り近づくように、既定時間は、吐出バルブ8と真空下水配管7、すなわちこの場合は主管路72または分岐管71、との間の所与の連結タイプに従って設定される。所与の連結タイプは、例えば、下向き連結712または上向き連結711であることが可能である。
先に述べたように、上向き連結は、下向き連結より長い吐出シーケンスを必要とする。その結果、吐出シーケンスの所望の既定時間に達するために、所与の連結タイプが、まず、下向き連結712または上向き連結711として識別される。さらに、所定の連結タイプが上向き連結711として識別されれば、既定時間は、さらに、上向き連結711の予め決められる垂直高さに従って設定される。図4では、より制限された(より低い)高さの一例を参照符号hで示し、かつより大きい(より高い)高さを参照符号Hで示している。より高い上向き連結における輸送抵抗は、より低い上向き連結における輸送抵抗より大きいことに起因して、より高い(H)上向き連結711は、より低い(h)上向き連結711より長い吐出シーケンスを必要とする。
所与の連結タイプまたは上向き連結の垂直高さが吐出シーケンスの所要時間に与える影響は、以下のように例示することができる。
先に述べたように、ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。上記の表において、これは、基準値として与えられている行3m−2.5秒−0%に例示されている。
上記の上側の表において、既定の吐出シーケンスが下向き連結で設定される場合、吐出時間は、20%短縮され、これにより、エネルギー消費が低減される。上記の下側の表は、様々な設定での対応する値を示す。
結果的に、吐出シーケンスの既定時間の設定は、明らかに、所与の連結タイプに依存し、かつ上向き連結の場合、上向き連結の垂直高さに依存する。これらの要素を考慮すれば、明らかに、真空下水配管における真空消費を低減または制御することができ、よって、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費の制御を最適化することができる。
あるいは、既定時間は、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離(実際には、真空ユニットと吐出バルブとの距離)に従って設定されてもよい。図4に示すL1は、真空ユニット11から遠く離れたロケーション、すなわちより長い距離、の一例であり、かつ図4に示すL2は、真空ユニット11により近いロケーション、すなわちより短い距離、の一例である。真空ユニット11から遠く離れたロケーション(L1)、すなわちより長い距離、における真空レベルは、通常、真空ユニット11により近いロケーション(L2)、すなわちより短い距離、における真空レベルより低い。先に述べたように、より低い真空レベルは、より高い真空レベルより長い吐出シーケンスを必要とする。したがって、吐出シーケンスの既定時間は、これらの基準に従って設定されることが可能である。
ロケーションを考慮する代わりに、またはそれに加えて、吐出バルブ8の下流(ブロック矢印は、廃棄物が流れる方向を示す)の予め決められた場所で真空レベルが測定されてもよく、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定される。測定は、図4に示すような、前記予め決められた場所に配置される圧力センサPによって行われてもよい。
吐出シーケンスの起動手段20が電気制御ユニットである、図3に関連して先に論じた例では、圧力センサPによる圧力測定を、図3に示すように電気制御ユニットへ自動的に繋ぐことができ、よって、吐出シーケンスの既定時間は、現行の真空レベルに基づく自動調整式である。当然ながら、これは、フラッシングシーケンスにも当てはまる。
吐出シーケンスの所要時間に対する、ロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、実際には現行の真空レベル、の影響、または吐出バルブの下流の予め決められた場所において測定される真空レベルの影響は、以下のように例示することができる。
先に述べたように、ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。上記の表において、これは、基準値として与えられている行−0.3バール−2.5秒−0%に例示されている。
上記の表において、吐出バルブと真空ユニットとの最長距離を表す最遠の場所は、最も低い真空レベルである−0.3バールとして記されている。吐出時間を、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、言い換えれば現行の真空レベル、に従って設定することにより、吐出時間の短縮を達成することができ、これにより、エネルギー消費が低減される。上記の表は、様々な設定での対応する値を示す。
したがって、吐出シーケンスの既定時間の設定は、明らかに、現行の真空レベルに依存する。ロケーションまたは測定された真空レベルを考慮すれば、明らかに、真空下水配管における真空消費を低減または制御することができ、よって、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費の制御を最適化することができる。
また、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量またはタイプに従って設定されてもよい。例示として、例えば、小便器からの廃棄物の平均的な量は、概して、真空トイレからの廃棄物の平均量より少ないと言うことができる。対応する方法で、洗面台からの廃棄物の平均量は、概して、シャワーからの廃棄物の平均量より少ない。
同様に、(例えば、ヨットに配備される)より小さい食品廃棄システムからの廃棄物の平均量は、概して、(例えば、クルーズ船に配備される)より大きい食品廃棄システムからの廃棄物の平均量より少ない。食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
所与のタイプの廃棄物源からの廃棄物の平均量は、経験的に定量化されることも可能であり、よって、例えば、所与の平均値を用いて吐出シーケンスの既定時間が設定されてもよい。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22(図2および図3)を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
真空廃棄システムが洗浄水バルブを含む場合、図2および図3に関連して先に詳述したように、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定される真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。また、これにより、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費も低減される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23(図2および図3)を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
特に自動制御の場合、収集されるデータには、真空レベル、吐出シーケンスの時間、水圧、水消費量、吐出シーケンスの数、フラッシングシーケンスの数、他が含まれてもよい。
次に、図5に関連して、本発明による真空廃棄システムの制御方法も一例として説明する。
図5に示す、生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムの全体的配置の略図において、真空廃棄システムのコンポーネントの参照数字は、図1、図2、図3および図4に関連して使用しているものに対応する。
真空廃棄システム1は、廃棄物源9、この実施形態では幾つかの生ごみステーション95、を含む。生ごみステーション95には、吐出バルブ8の入口端が連結される。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7へ、所与の連結タイプ(図2および図3に、より詳細に示す)によって連結される。実際には、所与の連結タイプは、下向き連結712、すなわち下向きの管構成、または上向き連結711、すなわち上向きの管構成、のいずれかであり、これにより、連結は、真空下水配管7の分岐管71に至る。分岐管は、主管路72へ連結される。生ごみステーションからの下向き連結または上向き連結は、主管路72へ直結されることも可能である。真空廃棄ネットワーク内の真空は、真空ユニット11によって生成される。
廃棄物を生ごみステーション95から吐出するために、吐出シーケンスは、(図2および図3に関連して説明したように)吐出シーケンスの起動手段20によって開始される。吐出シーケンスは、既定時間(吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間)で設定される。この点に関して、生ごみステーション95は、真空トイレと同じ機能原理を有する。
吐出シーケンスの最適な既定時間に可能な限り近づくように、既定時間は、吐出バルブ8と真空下水配管7、すなわちこの場合は主管路72または分岐管71、との間の所与の連結タイプに従って設定される。所与の連結タイプは、例えば、下向き連結712または上向き連結711であることが可能である。
先に述べたように、上向き連結は、下向き連結より長い吐出シーケンスを必要とする。その結果、吐出シーケンスの所望の既定時間に達するために、所与の連結タイプが、まず、下向き連結712または上向き連結711として識別される。さらに、図4に関連して論じたように、所定の連結タイプが上向き連結711として識別されれば、既定時間は、さらに、上向き連結711の既定の垂直高さに従って設定される。
別個に図示しかつより詳細に論じないが、これに関しては、図4に関連して先に論じた真空トイレ関連と同じ原理が当てはまる。
あるいは、図4に関連して論じたように、既定時間は、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離(実際には、真空ユニットと吐出バルブとの距離)に従って設定されてもよい。
ロケーションを考慮する代わりに、またはそれに加えて、吐出バルブ8の下流(太線矢印は、廃棄物の方向を示す)の予め決められた場所で真空レベルが測定されてもよく、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定される。測定は、図5に示すような、前記予め決められた場所に配置される圧力センサPによって行われてもよい。
別個に図示しかつより詳細に論じないが、これに関しては、図4に関連して先に論じた真空トイレシステム関連と同じ優位点および原理が当てはまる。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22(図2および図3)を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
真空廃棄システムが洗浄水バルブを含む場合、図2および図3に関連して先に詳述したように、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。また、これにより、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費も低減される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23(図2および図3)を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況および廃棄物源のタイプにとって望ましいように適合化されることが可能である。
生ごみステーションに関連して、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、例えば、処理される生ごみの量およびタイプに依存して何度か反復されてもよい。
さらに、食品廃棄システムにおける吐出シーケンスは、概して、例えば真空トイレシステムの場合より長い。これは、食品廃棄システムでは、1つの段階で、廃棄物が可能な限り真空ユニットの近くへ、または真空ユニットまたは対応するユニットにまでも輸送されることに起因する。しかしながら、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスの設定に際しては、共に同じ原理を適用可能である。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況および廃棄物源のタイプにとって望ましいように適合化されることが可能である。
図面およびそれに関連する説明は、単に、本発明の基本的考案を明確にするためのものである。本発明の詳細は、添付の特許請求の範囲の範囲内で変わってもよい。
本発明は、請求項1に記載の真空廃棄システムを制御する方法に関し、前記真空廃棄システムは、幾つかの廃棄物源と、少なくとも1つの分岐管および少なくとも1つの主管路を含む真空下水配管と、廃棄物源へ連結される入口端および真空下水配管への所与のタイプの連結部を装備した出口端を有する吐出バルブと、真空下水配管へ連結される真空ユニットとを備え、前記方法において、真空は、真空下水配管内で真空ユニットにより生成され、廃棄物を廃棄物源から真空下水配管へ吐出するための吐出シーケンスは、吐出シーケンスの起動手段によって起動され、かつ前記方法において、吐出シーケンスは、既定時間で設定され、前記吐出シーケンスは、廃棄物を廃棄物源から真空下水配管内へ吐出するための吐出バルブの開放および閉鎖を含む。また、本発明は、請求項19の前提部分に記載の真空廃棄システムにも関する。
真空廃棄システムは、周知であって、例えば、廃棄物の主たるタイプに依存して、真空排水システム、真空下水システム、または真空トイレシステムとも呼ばれることがある。このコンテキストにおいて真空廃棄システム内で処理される主たる廃棄物のタイプには、概して、汚水(便器、小便器)、家庭雑排水(シャワー、洗面台)または生ごみ(生ごみステーション、厨房、台所)が含まれる。
真空廃棄システムは、例えば、特許文献1〜5に開示されている。特許文献6は、コンパクト真空トイレユニットを開示している。特許文献7は、建物のための組合せ式重力下水道システムおよび真空下水道システムを開示している。建物における廃棄物源は、重力によって従来の方法で外側の回収タンクへ吐出され、回収タンクから、廃棄物は真空ステーションを介して真空によってさらに輸送される。吐出バルブの動作は、回収タンクにおける計量累積廃棄物、空気および廃棄物流量、利用可能な真空、ならびに、電力消費の複雑な組み合わせによって制御される。さらに、特許文献8は、特に1つまたは少数のトイレ、小便器、流し台等を有する小規模な設備のための真空排水システムを開示している。吐出機能は、トイレを真空ポンプと連結する非常に短い真空ホースにおける真空レベルに基づいて制御される。
概して、これらの既知の真空廃棄システムでは、廃棄物源と真空下水配管との間の吐出バルブは、真空廃棄システム全体を通して、ロケーション、すなわち個々の廃棄物源の真空ユニットからの距離、に関わらず、あるいは、吐出バルブと真空下水配管との連結タイプ、上向き連結か下向き連結か、に関わらず、既定かつ一定の経過時間で設定される吐出シーケンスを有する。
さらに、この既定かつ一定の時間は、通常、既定の垂直高さを有する真空下水配管への上向き連結について設定され、このような設定における適切な吐出が保証される。多数の廃棄物源を含む大型の真空廃棄システムでは、真空ユニットから遠く離れたロケーションでの廃棄物源における真空下水配管で利用可能な真空レベルは、概して、真空ユニットにより近いロケーションで利用可能な真空レベルより低い。廃棄物源の数が少ない小型の真空廃棄システムでは、廃棄物源で利用可能な真空レベルは、さほど変わらず、よって、廃棄物源のロケーションはこの点に関して重大事ではない。
吐出される廃棄物のより低い輸送抵抗、すなわち下向き連結、よりも高い、吐出される廃棄物の輸送抵抗、すなわち上向き連結、は、より長い吐出シーケンスを必要とする。相応して、利用可能性が低い真空レベルは、利用可能性がより高い真空レベルより長い吐出シーケンスを必要とし、よって、真空レベルは、ロケーションに、すなわち実際には、下水道源の真空ユニットからの距離、に依存する。
ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。これは、設定される既定時間が、より低い真空レベルおよび輸送抵抗を考慮に入れるに足る長さでなければならないことを意味する。したがって、設定される既定かつ一定の時間も、例えば真空ユニットにより近い廃棄物源の吐出シーケンスと、例えば下向き連結を有する吐出シーケンスとで同じになるが、より短い時間で足りる。
したがって、どちらの状況においても、等しく大量の空気が真空配管内へ吸い込まれる。真空下水配管へ吸い込まれる大気の量は、吐出シーケンスの時間に比例して増加する。真空下水配管へ大気が吸い込まれると、真空レベルが低下する。したがって、真空レベルは、真空下水配管内へ吸い込まれる大気の量に応じて低下する。その結果、真空ユニットの稼動時間は、真空下水配管内に必要な真空レベルを生成しかつ保全するために、廃棄物源の様々なロケーションおよび連結部を考慮して実際に必要なものより長くなる。例えば、下向き連結および真空ユニットにより近いロケーションの場合、廃棄物の真空下水配管内への完全な吐出を実行するには、より短い吐出シーケンスで足りる。
また、これにより、真空レベルがさらに頻繁に真空廃棄システムの適切な動作に必要な所与のより低い真空レベル以下へと低下するという理由で、真空ユニットの起動頻度も増加する。言い換えれば、真空廃棄システム内に必要以上の真空が発生し、システムのエネルギー消費量および運転コストが上昇する。
通常は洗浄水源へ連結される洗浄水バルブを含む真空廃棄システムでは、フラッシングシーケンス、すなわち吐出シーケンスに関連する洗浄水の供給、も、既定かつ一定の時間に設定される。その結果、各吐出シーケンスに関連する各フラッシングシーケンスで消費される洗浄水の量は、同じであるが、廃棄物の量または種類が考慮されれば、より少ない洗浄水で効果的なフラッシングが行われる可能性もある。
欧州特許第0333045号明細書
欧州特許第1172492号明細書
国際公開第2006/079688号
欧州特許第1840282号明細書
国際公開第2008/074915号
ロシア特許第2491392号明細書
特開平6−10403号公報
国際公開第2017/182698号
本発明の目的は、上述の欠点を回避して、真空廃棄システムの効率的で単純かつ費用効果の高い制御を達成することにある。この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
本発明の基本的考案は、吐出シーケンスの既定時間を、前記時間が、所与の廃棄物源において吐出シーケンスを適切な方法で実行するには足りるが、必要以上に長くして不必要な真空消費に繋がらないように設定することである。
これは、廃棄物源の吐出シーケンスの既定時間を、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプに従って設定することにおいて実現される。
吐出バルブの真空下水配管への連結タイプは、吐出バルブと真空下水配管との間の管構成のタイプを示す。廃棄物の輸送抵抗は、管構成に依存する。
吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプは、下向き連結、すなわち、より短い既定時間を必要とする廃棄物を吐出するためのより低い輸送抵抗をもたらす下向きの管構成、または上向き連結、すなわち、より長い既定時間を必要とする廃棄物を吐出するための高い輸送抵抗をもたらす上向きの管構成として識別される。これにより、吐出シーケンスに関連する廃棄物の輸送抵抗に鑑みて、吐出シーケンスの既定時間を設定または調整することが可能になる。
吐出シーケンスの既定時間はまた、吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離に従って設定されてもよい。真空配管内の真空レベルは、吐出バルブの真空ユニットからの距離に依存する。
このソリューションの利点は、吐出シーケンスの既定時間の設定に際して、廃棄物が真空下水道内へ吐出される際のその輸送抵抗、または廃棄物の吐出場所における真空レベルが考慮されることにある。
真空下水配管内の真空レベルは、通常、遠く離れた場所の方が、すなわち真空ユニットからより長い距離において、より近い場所、すなわち真空ユニットからより短い距離におけるレベルより低い。したがって、この方法では、吐出シーケンスの既定時間の設定に際して、真空レベルの差も考慮される。
この方式では、消費される真空が必要量に制限される。その結果、必要な真空レベルを(再)生成しかつ保全するためのエネルギー消費が最適化される。
下向き連結という用語は、下向きの管構成を有する、よって、下水道源(例えば、便器)または吐出バルブからの出口管が下向きに真空下水配管へ、すなわち分岐管、主管路またはコレクタへ繋がる、吐出バルブと真空下水配管との連結を指す。下向き連結では、廃棄物の下方への流れに起因して、廃棄物の輸送抵抗が低い。より低い輸送抵抗は、より短い既定時間の吐出シーケンスを必要とする。
上向き連結という用語は、上向きの管構成を有する、よって、下水道源(例えば、便器)または吐出バルブからの出口管が上向きに真空下水配管へ、すなわち分岐管、主管またはコレクタへ繋がる、吐出バルブと真空下水配管との連結を指す。上向き連結では、廃棄物の上方への流れ、すなわち廃棄物を真空下水配管へ引き上げるために必要な揚力、に起因して、廃棄物の輸送抵抗が高い。より高い輸送抵抗は、より長い既定時間の吐出シーケンスを必要とする。
上向き連結、すなわち上向きの管構成は、通常、所与の垂直高さを有する。したがって、所与の垂直高さもまた、上向きの管構成における輸送抵抗に影響し、すなわち、高さが低いほど、より短い既定時間の吐出シーケンスを要求するより少ない抵抗が存在し、高さが高いほど、より長い既定時間の吐出シーケンスを要求するより多い抵抗が存在する。
その結果、さらに効果的な様式では、吐出バルブの真空下水配管への所定のタイプの連結が、ライザ管とも呼ばれる上向き連結として識別される場合、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、上向き連結の既定の垂直高さに従って設定される。
代替的または追加的に、真空レベルは、吐出バルブの下流の予め決められた場所で測定され、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定または調整される。
さらなる効果的なアプローチは、吐出シーケンスの既定時間を、さらに、廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量またはタイプに従って設定することである。廃棄物の量は、例えば、吐出される廃棄物のタイプに基づいて、ならびに、吐出されるべき廃棄物のタイプに関連する真空廃棄システムのサイズに基づいて推定されてもよい。
有利には、吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段を装備する。第1の制御手段は、真空廃棄システムのサイズまたはタイプに依存して、手動で、または自動で制御される。
吐出されるべき廃棄物の量およびタイプに依存して、真空廃棄システムは、有利には、洗浄水源へ連結される洗浄水バルブをさらに含む。この場合、本方法は、フラッシングシーケンスをさらに含み、これは、廃棄物の廃棄物源から真空下水配管への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を廃棄物源へ供給するために、洗浄水バルブを開放しかつ閉鎖することを含む。
有利には、本方法がフラッシングシーケンスを含む場合、フラッシングシーケンスもまた、吐出シーケンスの起動手段によって起動される。
有利には、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプに従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。
有利には、吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段を装備する。第2の制御手段は、真空廃棄システムのサイズまたはタイプに依存して、手動で、または自動で制御される。
真空廃棄システムのタイプに依存して、吐出シーケンスの起動手段は、真空下水配管および吐出バルブへ連結される制御機構であることが効果的である。
あるいは、吐出シーケンスの起動手段は、吐出バルブへ連結される電気コントローラである。
真空廃棄システムがさらに洗浄水バルブを含む場合、吐出シーケンスの起動手段は、真空下水配管、吐出バルブおよび洗浄水バルブへ連結される制御機構であることが効果的である。
あるいは、真空廃棄システムがさらに洗浄水バルブをさらに含む場合、吐出シーケンスの起動手段は、吐出バルブおよび洗浄水バルブへ連結される電気コントローラである。
有利には、吐出シーケンスの既定時間と、フラッシングシーケンスの既定時間とは、互いに独立して設定される。この方式では、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスの双方について、様々な基準を独立して考慮することができ、これにより、真空廃棄システムの制御の最適化が強化される。
本発明による方法は、有利には、様々な廃棄物源、例えば真空トイレ、小便器、洗面台、シャワーまたは生ごみステーション、に関連して展開される。
本発明に関して、「廃棄物源」という定義は、便器、小便器、シャワー、洗面台、調理室、生ごみステーションを含むものとして、すなわち、例えば建物、様々な種類の船舶および海上構造物等の浮体構造物、列車、他において真空下水配管へ連結される従来の廃棄物源として理解されるべきである。
本発明に関して、吐出シーケンスの起動手段により起動される「吐出シーケンス」の定義は、吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間範囲として理解されるべきである。
本発明に関して、吐出シーケンスの起動手段により起動される「フラッシングシーケンス」の定義は、洗浄水バルブの開放から洗浄水バルブの閉鎖までの時間範囲として理解されるべきである。
本発明の効果的な実施形態は、請求項2〜18に記載されている。
請求項19に記載の本発明による真空廃棄システムの効果的な実施形態は、請求項20〜26に記載されている。
以下、添付の略図を参照して、本発明を、単に例として、より詳細に説明する。
真空廃棄システムの全体的配置を示す。
下水道源、この場合は真空トイレ、の真空下水道への連結の一例を示す。
下水道源、この場合は真空トイレ、の真空下水道への連結の別の例を示す。
真空トイレを有する真空廃棄システムの全体的配置を示す。
生ごみステーションを有する真空廃棄システムの全体的配置を示す。
図1は、真空廃棄システム1の全体的配置を示す。真空廃棄システムは、この実施形態では真空トイレ91、小便器92、洗面台93およびシャワー94等の幾つかの廃棄物源である下水道源9を備える。真空廃棄システムは、さらに、分岐管71と、主管路72と、コレクタ73とを含む真空下水配管7を備える。図1に示すように、廃棄物源、この例では真空トイレ91は、真空下水配管へ、またはこの実施形態では分岐管71へ、吐出バルブ8を介して連結されるように示され、よって、吐出バルブ8は、真空トイレ91と真空下水配管7との間に配置される。真空トイレは、真空下水配管7へ、すなわち分岐管71へ所与のタイプの連結によって連結され、この連結タイプは、通常、上向き連結、すなわち参照数字711で示されるようなトイレから分岐管への上向きの管構成、または下向き連結、すなわち参照数字712で示されるようなトイレから分岐管への下向きの管構成、の形式である。
この実施形態において真空ポンプ110として示されている真空ユニット11は、真空を生成しかつ真空廃棄システム1の真空下水配管7内で廃棄物の流れを圧送するために、コレクタ73へ連結される。
真空ユニット1はさらに、廃棄物の流れを受入れ施設13へ吐出するための吐出管12へ連結される。あるいは、真空ユニットは、例えばエジェクタユニット、個々に真空タンクを有する、または有していない真空ポンプと吐出ポンプとの組み合わせ、他、の形式であることも可能である。真空ユニットのタイプは、適切であることが認められたものとして選択されてもよい。例えば船舶内の真空廃棄システムの場合、受入れ施設は、例えば、周囲の海、溜めタンクまたは処理プラントである可能性もある。
廃棄物源と真空廃棄システムとの連結のより詳細な例を提供するために、図2は、図1に示す真空廃棄システムにおける真空トイレの連結を略示している。
下水道源、この場合は真空トイレ91、は、吐出バルブ8の入口端へ連結される便器出口を装備している。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7の分岐管71への所与のタイプの連結部を装備している。この事例において、所与のタイプの連結は、上向き連結711、すなわち上向きの管構成、として示されている。
真空下水配管7は、真空ユニット11へ連結される。吐出バルブ8の動作は、少なくとも1つの押しボタン21を備える吐出シーケンスの起動手段20、この場合はいわゆる制御機構、により制御される。制御機構は、空気圧制御機構である。吐出バルブ8は、真空作動式吐出バルブである。
吐出シーケンスは、廃棄物を真空トイレ91から真空下水配管7へ吐出するために、吐出バルブ8を開閉することを含む。吐出シーケンス、すなわち吐出バルブの開放は、制御機構によって起動される。実際には、吐出バルブは、予め設定された遅延の後に閉鎖するように設定される。
真空廃棄システムは、さらに、廃棄物の廃棄物源、すなわち真空トイレ91、から真空下水配管7への吐出に関連して真空トイレ91へ洗浄水を供給するために、洗浄水源31へ連結される洗浄水バルブ30を含む。洗浄水の供給は、吐出シーケンスに関連するフラッシングシーケンスで実行される。
フラッシングシーケンスは、廃棄物の真空下水配管7への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を真空トイレ91へ供給するために、洗浄水バルブ30を開放しかつ閉鎖することを含む。フラッシングシーケンス、すなわち洗浄水バルブの開放、は、制御機構によって起動される。実際には、洗浄水バルブは、予め設定された遅延の後に閉鎖するように設定される。
吐出シーケンスの起動手段20、すなわち制御機構、は、真空下水配管へ、この例では上向き連結711、すなわち図2に示すような上向きの管構成、吐出バルブ8および洗浄水バルブ30へ連結され、これらは、制御機構により、真空下水配管内で利用可能な真空を用いて空気圧式に作動される。押しボタン21(白抜きの矢印で示す)を押すと、制御機構によって吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスが起動され、これにより、吐出シーケンスが既定時間に設定され、かつフラッシングシーケンスが既定時間に設定され、廃棄物、洗浄水および大気は、これらの設定時間の間に真空トイレから真空下水配管へ吐出される。
吐出シーケンスの既定時間は、後に図4および図5に関連してより詳しく論じるように、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち、上向き連結、すなわち上向きの管構成、または下向き連結、すなわち下向きの管構成に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
吐出シーケンスの既定時間およびフラッシングシーケンスの既定時間は、有利には、互いに独立して設定される。したがって、これらは、適切であることが認められたものとして変えられてもよい。これは、幾つかの例として、次のように示すことができる。
廃棄物源が真空トイレであれば、洗浄水バルブは、吐出シーケンスの終了後も洗浄水の供給を続けて便器内に次の吐出シーケンス用に少量の水を溜めるために、通常、吐出バルブの閉鎖から幾分遅延して閉鎖される。
小便器の場合は、このような追加的な水の供給が不要であり、よって、洗浄水の流れを早期に終了することができる。これにより、洗浄水が節約され、すなわち、洗浄水の消費量が減少し、ならびに真空廃棄システムによって処理されるべき廃棄物の総量が減少する。
ある対応する方式では、真空トイレに、例えば、吐出されるべき廃棄物のタイプに依存して一方が短時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用でありかつ一方が長時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用である二重押しボタンまたは2つの押しボタンを装備することができる。吐出シーケンスの起動手段は、より高度なタイプのもの、例えばセンサベースのシステム、であってもよい。
必要に応じて、実際の吐出シーケンスより前に廃棄物源を流す必要がある場合には、洗浄水バルブの開放が吐出バルブの開放より前になるように設定することもできる。これは、通常、例えば生ごみステーションに関連して行われ、この場合、生ごみ容器は、実際の吐出シーケンスより前であっても、生ごみの供給より前に、かつ生ごみの供給に関連して洗い流されてもよい。生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
結果的に、本発明による方法は、真空廃棄システムにおける個々の廃棄物源の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス双方の既定時間の設定を可能にする。これにより、真空廃棄システムは、エネルギー消費、洗浄水の消費量および真空廃棄システムにより処理されるべき廃棄物の量の制御に関して最適に制御される。
さらに、これにより、廃棄物のその後の処理にも効果が生じ、例えば、貯蔵容量が減り、汚染問題が減り、ひいてはコストも低減する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
廃棄物源が小便器、洗面台またはシャワーである場合は、通常、廃棄物源または廃棄物源出口と吐出バルブとの間にいわゆるインタフェースユニットが配置される。インタフェースユニットは、所定量の廃棄物を収集し、これにより、インタフェースユニットは、その所与の充填度において、センサユニットにより、吐出シーケンスを起動して廃棄物を真空下水配管内へ吐出させるために起動される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況にとって望ましいように適合化されることが可能である。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
廃棄物源と真空廃棄システムとの連結の別のより詳細な例を提供するために、図3は、図1に示す真空廃棄システムにおける真空トイレの連結を略示している。図3による実施例は、吐出シーケンスの起動手段20が電気制御ユニットを備えていて電気的に制御されるという点が、図2による実施例とは異なる。
下水道源9、この場合は真空トイレ91、は、吐出バルブ8の入口端へ連結される便器出口を装備する。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7の分岐管71への所与のタイプの連結部を装備している。この事例において、所与のタイプの連結は、上向き連結711、すなわち上向きの管構成、として示されている。
真空下水配管7は、真空ユニット11へ連結される。吐出バルブ8の動作は、吐出シーケンスの起動手段20によって、この場合は少なくとも1つの押しボタン21、この場合は例えば膜スイッチである電気押しボタン、を備える電気制御ユニットによって、制御される。
吐出シーケンスは、廃棄物を真空トイレ91から真空下水配管7へ吐出するために、吐出バルブ8を開閉することを含む。吐出シーケンス、すなわち吐出バルブの開放は、電気制御ユニットによって起動される。
真空廃棄システムは、さらに、廃棄物の廃棄物源、すなわち真空トイレ91、から真空下水配管7への吐出に関連して真空トイレ91へ洗浄水を供給するために、洗浄水源31へ連結される洗浄水バルブ30を含む。洗浄水の供給は、吐出シーケンスに関連するフラッシングシーケンスで実行される。
フラッシングシーケンスは、廃棄物の真空下水配管7への吐出に関連して予め決められた量の洗浄水を真空トイレ91へ供給するために、洗浄水バルブ30を開放しかつ閉鎖することを含む。
吐出シーケンスの起動手段20、すなわち電気制御ユニット、は、パイロットバルブ(例えば、電気ソレノイドバルブ)Aを介して吐出バルブ8へ連結される。吐出バルブ8は、真空作動式吐出バルブである。吐出シーケンスが起動されると、パイロットバルブAが電気制御ユニットから信号を受信し、これにより、真空下水配管からの連結部が吐出バルブに開放され、吐出バルブへ真空が供給されてこれを開放する。
電気制御ユニットは、洗浄水バルブ30、この場合は電気水バルブ(例えば、ソレノイドバルブ)、へ直に連結される。押しボタン21(白抜きの矢印で示す)を押すと、電気制御ユニットによって吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスが起動され、これにより、吐出シーケンスが既定時間に設定され、かつフラッシングシーケンスが既定時間に設定され、廃棄物、洗浄水および大気は、これらの設定時間の間に真空トイレから真空下水配管へ吐出される。
吐出シーケンスの既定時間は、後に図4に関連してより詳しく論じるように、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち、上向き連結、すなわち上向きの管構成、または下向き連結、すなわち下向きの管構成に従って設定または調整される。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定しかつ調整するための第1の制御手段22を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
吐出シーケンスの既定時間およびフラッシングシーケンスの既定時間は、有利には、互いに独立して設定される。したがって、これらは、適切であることが認められたものとして変えられてもよい。これは、幾つかの例として、次のように示すことができる。
廃棄物源が真空トイレであれば、洗浄水バルブは、吐出シーケンスの終了後も洗浄水の供給を続けて便器内に次の吐出シーケンス用に少量の水を溜めるために、通常、吐出バルブの閉鎖から幾分遅延して閉鎖される。
小便器の場合は、このような追加的な水の供給が不要であり、よって、洗浄水の流れを早期に終了することができる。これにより、洗浄水が節約され、すなわち、洗浄水の消費量が減少し、ならびに真空廃棄システムによって処理されるべき廃棄物の総量が減少する。
ある対応する方式では、真空トイレに、例えば、吐出されるべき廃棄物のタイプに依存して一方が短時間の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用でありかつ一方がより長い吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス用である二重押しボタンまたは2つの押しボタンを装備することができる。吐出シーケンスの起動手段は、より高度なタイプ、例えばセンサベースのシステム、であってもよい。
必要に応じて、実際の吐出シーケンスより前に廃棄物源を流す必要がある場合には、洗浄水バルブの開放が吐出バルブの開放より前になるように設定することもできる。これは、通常、例えば生ごみステーションに関連して行われ、この場合、生ごみ容器は、実際の吐出シーケンスより前であっても、生ごみの供給より前に、かつ生ごみの供給に関連して洗い流されてもよい。生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
結果的に、本発明による方法は、真空廃棄システムにおける個々の廃棄物源の吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンス双方の既定時間の設定を可能にする。これにより、真空廃棄システムは、エネルギー消費、洗浄水の消費量および真空廃棄システムにより処理されるべき廃棄物の量の制御に関して最適に制御される。
さらに、これにより、廃棄物のその後の処理にも効果が生じ、例えば、貯蔵容量が減り、汚染問題が減り、ひいてはコストも低減する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
廃棄物源が小便器、洗面台またはシャワーである場合は、通常、廃棄物源または廃棄物源出口と吐出バルブとの間にいわゆるインタフェースユニットが配置される。インタフェースユニットは、所定量の廃棄物を収集し、これにより、インタフェースユニットは、その所与の充填度において、センサユニットにより、吐出シーケンスを起動して廃棄物を真空下水配管内へ吐出させるために起動される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況にとって望ましいように適合化されることが可能である。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
真空廃棄システム、具体的には上述のような真空トイレシステム、の典型的な輸送機能において、廃棄物は、真空下水配管を介し、大量の空気を媒介として不均質な廃棄物の流れを形成する離散的なスラグにおいて輸送される。
真空トイレの吐出シーケンスが吐出シーケンスの起動手段20、すなわち制御機構または電気コントローラ、によって起動されると、真空トイレ91と真空下水配管7との間の吐出バルブ8が開放され、真空下水配管内の真空により、廃棄物および洗浄水が真空トイレから真空下水配管内へ引き出される。真空下水配管の強力な吸引効果および真空トイレ内(およびその周辺)の大気圧に起因して、通常の重力式トイレシステムに比べれば、必要な洗浄水は、ごく少量である。廃棄物および洗浄水の量は、典型的には、約1.5〜2リットルである。通常の重力式トイレシステムの場合、洗浄水の量は、平均で6〜10リットルである。
結果的に、吐出バルブが開くと、真空トイレ側の廃棄物および洗浄水の大気圧と、真空下水配管側の廃棄物および洗浄水の真空、またはより正確には部分的真空、との間に圧力差が存在する。廃棄物および洗浄水の輸送は、この圧力差によって発生し、これにより、廃棄物および洗浄水は、離散的なスラグを形成し、これに大量の空気が続いて、例えば約1〜2リットルの廃棄物および洗浄水に約60リットルの空気が続く。すなわち、廃棄物および洗浄水と空気との比は、約1:30である。したがって、吐出バルブが吐出シーケンスの設定された既定時間に渡って開いたままになる間に、大量の空気が真空下水配管に吸い込まれ、または強制的に圧入される。基本的に、真空下水配管内の廃棄物の輸送は、空気ポケットを挟んだ一連の離散的スラグとして生じる。
適切に機能するために、真空廃棄システム、またはより正確には真空下水配管、における真空レベルは、所定のレベルでなければならない。通常、必要とされる低い方の真空レベルは、−0.3バールであり、かつ必要とされる高い方の真空レベルは、−0.6バールである。真空レベルは、真空ユニットによって保持され、これは、低い方の真空レベルに達した時点で開始され、必要とされる高い方のレベルまでの真空レベルを(再)生成する。
真空下水配管へ大気が吸い込まれると、真空レベルが低下する。したがって、真空レベルは、真空下水配管内へ吸い込まれる大気の量に応じて低下する。結果として、真空下水配管内で必要な真空レベルを(再)生成しかつ保持するための、真空ユニットの運転時間および先に述べたような起動頻度は、真空下水配管における真空の消費量に依存する。
吐出シーケンスの間の真空下水配管への吸気は、ノイズも引き起こすが、これは、吐出シーケンスの長さに関係する。ノイズは、吐出シーケンスが短い方が、より長い吐出シーケンスより少ない。
真空廃棄システムは、概して当業者に既知であり、よって、関連の詳細については論じない。
廃棄物が流れる方向は、ブロック矢印で示されている。
次に、図4に関連して、本発明による真空廃棄システムの制御方法を幾つかの例によって説明する。
図4に示す真空トイレシステムの全体的配置の略図において、真空廃棄システムのコンポーネントの参照数字は、図1、図2および図3に関連して使用しているものに対応する。
真空廃棄システム1は、廃棄物源、この実施形態では幾つかの真空トイレ91、を含む。真空トイレ91には、吐出バルブ8の入口端が連結される。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7へ、所与の連結タイプ(図2および図3に、より詳細に示す)によって連結される。実際には、所与の連結タイプは、下向き連結712、すなわち下向きの管構成、または上向き連結711、すなわち上向きの管構成、のいずれかであり、これにより、連結は、真空下水配管7の分岐管71に至る。分岐管は、主管路72へ連結される。真空トイレからの下向き連結または上向き連結は、主管路72へ直結されることも可能である。真空廃棄ネットワーク内の真空は、真空ユニット11によって生成される。
廃棄物を真空トイレ91から吐出するために、吐出シーケンスは、(図2および図3に関連して説明したように)吐出シーケンスの起動手段20によって開始される。吐出シーケンスは、既定時間(吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間)で設定される。
吐出シーケンスの最適な既定時間に可能な限り近づくように、既定時間は、吐出バルブ8と真空下水配管7、すなわちこの場合は主管路72または分岐管71、との間の所与の連結タイプに従って設定される。所与の連結タイプは、例えば、下向き連結712または上向き連結711であることが可能である。
先に述べたように、上向き連結は、下向き連結より長い吐出シーケンスを必要とする。その結果、吐出シーケンスの所望の既定時間に達するために、所与の連結タイプが、まず、下向き連結712または上向き連結711として識別される。さらに、所定の連結タイプが上向き連結711として識別されれば、既定時間は、さらに、上向き連結711の予め決められる垂直高さに従って設定される。図4では、より制限された(より低い)高さの一例を参照符号hで示し、かつより大きい(より高い)高さを参照符号Hで示している。より高い上向き連結における輸送抵抗は、より低い上向き連結における輸送抵抗より大きいことに起因して、より高い(H)上向き連結711は、より低い(h)上向き連結711より長い吐出シーケンスを必要とする。
所与の連結タイプまたは上向き連結の垂直高さが吐出シーケンスの所要時間に与える影響は、以下のように例示することができる。
先に述べたように、ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。上記の表において、これは、基準値として与えられている行3m−2.5秒−0%に例示されている。
上記の上側の表において、既定の吐出シーケンスが下向き連結で設定される場合、吐出時間は、20%短縮され、これにより、エネルギー消費が低減される。上記の下側の表は、様々な設定での対応する値を示す。
結果的に、吐出シーケンスの既定時間の設定は、明らかに、所与の連結タイプに依存し、かつ上向き連結の場合、上向き連結の垂直高さに依存する。これらの要素を考慮すれば、明らかに、真空下水配管における真空消費を低減または制御することができ、よって、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費の制御を最適化することができる。
あるいは、既定時間は、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離(実際には、真空ユニットと吐出バルブとの距離)に従って設定されてもよい。図4に示すL1は、真空ユニット11から遠く離れたロケーション、すなわちより長い距離、の一例であり、かつ図4に示すL2は、真空ユニット11により近いロケーション、すなわちより短い距離、の一例である。真空ユニット11から遠く離れたロケーション(L1)、すなわちより長い距離、における真空レベルは、通常、真空ユニット11により近いロケーション(L2)、すなわちより短い距離、における真空レベルより低い。先に述べたように、より低い真空レベルは、より高い真空レベルより長い吐出シーケンスを必要とする。したがって、吐出シーケンスの既定時間は、これらの基準に従って設定されることが可能である。
ロケーションを考慮する代わりに、またはそれに加えて、吐出バルブ8の下流(ブロック矢印は、廃棄物が流れる方向を示す)の予め決められた場所で真空レベルが測定されてもよく、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定される。測定は、図4に示すような、前記予め決められた場所に配置される圧力センサPによって行われてもよい。
吐出シーケンスの起動手段20が電気制御ユニットである、図3に関連して先に論じた例では、圧力センサPによる圧力測定を、図3に示すように電気制御ユニットへ自動的に繋ぐことができ、よって、吐出シーケンスの既定時間は、現行の真空レベルに基づく自動調整式である。当然ながら、これは、フラッシングシーケンスにも当てはまる。
吐出シーケンスの所要時間に対する、ロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、実際には現行の真空レベル、の影響、または吐出バルブの下流の予め決められた場所において測定される真空レベルの影響は、以下のように例示することができる。
先に述べたように、ある従来の真空廃棄システムでは、吐出シーケンスの既定かつ一定の時間は、真空ユニットから最も遠い場所において、かつ真空下水配管への上向き連結で廃棄物の完全な吐出を保証するように設定される。上記の表において、これは、基準値として与えられている行−0.3バール−2.5秒−0%に例示されている。
上記の表において、吐出バルブと真空ユニットとの最長距離を表す最遠の場所は、最も低い真空レベルである−0.3バールとして記されている。吐出時間を、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離、言い換えれば現行の真空レベル、に従って設定することにより、吐出時間の短縮を達成することができ、これにより、エネルギー消費が低減される。上記の表は、様々な設定での対応する値を示す。
したがって、吐出シーケンスの既定時間の設定は、明らかに、現行の真空レベルに依存する。ロケーションまたは測定された真空レベルを考慮すれば、明らかに、真空下水配管における真空消費を低減または制御することができ、よって、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費の制御を最適化することができる。
また、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量またはタイプに従って設定されてもよい。例示として、例えば、小便器からの廃棄物の平均的な量は、概して、真空トイレからの廃棄物の平均量より少ないと言うことができる。対応する方法で、洗面台からの廃棄物の平均量は、概して、シャワーからの廃棄物の平均量より少ない。
同様に、(例えば、ヨットに配備される)より小さい食品廃棄システムからの廃棄物の平均量は、概して、(例えば、クルーズ船に配備される)より大きい食品廃棄システムからの廃棄物の平均量より少ない。食品廃棄システムについては、図5に関連して一例を後述する。
所与のタイプの廃棄物源からの廃棄物の平均量は、経験的に定量化されることも可能であり、よって、例えば、所与の平均値を用いて吐出シーケンスの既定時間が設定されてもよい。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22(図2および図3)を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
真空廃棄システムが洗浄水バルブを含む場合、図2および図3に関連して先に詳述したように、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定される真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。また、これにより、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費も低減される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23(図2および図3)を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
特に自動制御の場合、収集されるデータには、真空レベル、吐出シーケンスの時間、水圧、水消費量、吐出シーケンスの数、フラッシングシーケンスの数、他が含まれてもよい。
次に、図5に関連して、本発明による真空廃棄システムの制御方法も一例として説明する。
図5に示す、生ごみステーションを有する真空食品廃棄システムの全体的配置の略図において、真空廃棄システムのコンポーネントの参照数字は、図1、図2、図3および図4に関連して使用しているものに対応する。
真空廃棄システム1は、廃棄物源9、この実施形態では幾つかの生ごみステーション95、を含む。生ごみステーション95には、吐出バルブ8の入口端が連結される。吐出バルブ8の出口端は、真空下水配管7へ、所与の連結タイプ(図2および図3に、より詳細に示す)によって連結される。実際には、所与の連結タイプは、下向き連結712、すなわち下向きの管構成、または上向き連結711、すなわち上向きの管構成、のいずれかであり、これにより、連結は、真空下水配管7の分岐管71に至る。分岐管は、主管路72へ連結される。生ごみステーションからの下向き連結または上向き連結は、主管路72へ直結されることも可能である。真空廃棄ネットワーク内の真空は、真空ユニット11によって生成される。
廃棄物を生ごみステーション95から吐出するために、吐出シーケンスは、(図2および図3に関連して説明したように)吐出シーケンスの起動手段20によって開始される。吐出シーケンスは、既定時間(吐出バルブの開放から吐出バルブの閉鎖までの時間)で設定される。この点に関して、生ごみステーション95は、真空トイレと同じ機能原理を有する。
吐出シーケンスの最適な既定時間に可能な限り近づくように、既定時間は、吐出バルブ8と真空下水配管7、すなわちこの場合は主管路72または分岐管71、との間の所与の連結タイプに従って設定される。所与の連結タイプは、例えば、下向き連結712または上向き連結711であることが可能である。
先に述べたように、上向き連結は、下向き連結より長い吐出シーケンスを必要とする。その結果、吐出シーケンスの所望の既定時間に達するために、所与の連結タイプが、まず、下向き連結712または上向き連結711として識別される。さらに、図4に関連して論じたように、所定の連結タイプが上向き連結711として識別されれば、既定時間は、さらに、上向き連結711の既定の垂直高さに従って設定される。
別個に図示しかつより詳細に論じないが、これに関しては、図4に関連して先に論じた真空トイレ関連と同じ原理が当てはまる。
あるいは、図4に関連して論じたように、既定時間は、真空下水配管に対する吐出バルブのロケーション、すなわち吐出バルブと真空ユニットとの距離(実際には、真空ユニットと吐出バルブとの距離)に従って設定されてもよい。
ロケーションを考慮する代わりに、またはそれに加えて、吐出バルブ8の下流(太線矢印は、廃棄物の方向を示す)の予め決められた場所で真空レベルが測定されてもよく、これにより、吐出シーケンスの既定時間は、さらに、測定された真空レベルに従って設定される。測定は、図5に示すような、前記予め決められた場所に配置される圧力センサPによって行われてもよい。
別個に図示しかつより詳細に論じないが、これに関しては、図4に関連して先に論じた真空トイレシステム関連と同じ優位点および原理が当てはまる。
吐出シーケンスの起動手段は、吐出シーケンスの既定時間を設定するための第1の制御手段22(図2および図3)を装備する。第1の制御手段は、手動または自動制御される。
真空廃棄システムが洗浄水バルブを含む場合、図2および図3に関連して先に詳述したように、フラッシングシーケンスの既定時間は、吐出バルブの真空下水配管に対するロケーション、上向き連結の既定の垂直高さ、測定された真空レベル、または廃棄物源から吐出されるべき廃棄物の推定される量もしくはタイプに従って、吐出バルブの真空下水配管への所与の連結タイプ、すなわち上向き連結または下向き連結に従って設定される。
これは、さらに、洗浄水の使用の制御を含むことにおいて真空廃棄システムの制御を強化し、これが、実際には、第1に、洗浄水の節約、すなわち水の消費量の低減に繋がり、第2に、真空廃棄システムが処理する廃棄物の総量の低減に繋がる。また、これにより、真空廃棄システムにおけるエネルギー消費も低減される。
吐出シーケンスの起動手段は、フラッシングシーケンスの既定時間を設定するための第2の制御手段23(図2および図3)を装備する。第2の制御手段は、手動または自動制御される。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況および廃棄物源のタイプにとって望ましいように適合化されることが可能である。
生ごみステーションに関連して、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、例えば、処理される生ごみの量およびタイプに依存して何度か反復されてもよい。
さらに、食品廃棄システムにおける吐出シーケンスは、概して、例えば真空トイレシステムの場合より長い。これは、食品廃棄システムでは、1つの段階で、廃棄物が可能な限り真空ユニットの近くへ、または真空ユニットまたは対応するユニットにまでも輸送されることに起因する。しかしながら、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスの設定に際しては、共に同じ原理を適用可能である。
したがって、吐出シーケンスおよびフラッシングシーケンスは、現行の状況および廃棄物源のタイプにとって望ましいように適合化されることが可能である。
図面およびそれに関連する説明は、単に、本発明の基本的考案を明確にするためのものである。本発明の詳細は、添付の特許請求の範囲の範囲内で変わってもよい。