JP3538633B2 - アゾベンゼン誘導体化合物及びそれからなる自己組織化膜 - Google Patents

アゾベンゼン誘導体化合物及びそれからなる自己組織化膜

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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾベンゼン誘導
体化合物及びそれからなる自己組織化膜に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキル基を有するジスルフィドもしく
はチオール誘導体は、金またはその他の貴金属表面上に
金(又はその他の貴金属)−硫黄結合を介して選択的に
吸着され、その表面に密な構造を作り出すことが知られ
ている(R. G. Nuzzo, B. R. Zegarski, L. H. Dubois,
J. Am. Chem. Soc., 109, 733-740 (1987))。また、長
鎖アルキルジスルフィドもしくはチオール誘導体を用い
て作製された薄膜が、金を基板とした結晶構表面に選択
的に吸着され、凝集状態を示すことが知られている(L.S
trong, G. M. Whitesides, Langmuir, 4, 546-558 (198
8))。これらの膜は、いずれも自己組織化膜と呼ばれ
る。これらはチオール類とジスルフィド類を用いて作ら
れるが、どちらも、膜を構成する分子は密に詰まった構
造となっていることが確認されている。
【0003】これらの自己組織化膜は、その膜の厚みが
分子1個分に相当する程度のものであり、超薄膜である
こと知られている。従って、これらジスルフィドもしく
はチオール化合物を用いることにより得られる誘導体
は、極微量用いるだけで貴金属表面の改質剤としての目
的を達成することができる。このような特性を生かすこ
とにより、バイオセンサーの検出表面(特開平1-51140
5)、表面プラズモン測定との組み合わせによるバイオ
センサー(特開平7-24631)、電気化学センサー(特開
平8-233773)への応用等の発明が知られている。又、金
属表面同士の接着を行う金属表面処理剤(特開平9-7175
3)の発明が知られている。ところで、従来から知られ
ている自己組織化膜は非常に密な構造をとっている。従
って、膜に機能を発現させるために、分子構造を変化さ
せようとしても、自由空間が存在しないために、分子構
造を変化させることは難しかった。たとえば、アゾベン
ゼン基を持つ長鎖アルカンチオール類を金結晶上に吸着
させた場合、アゾベンゼンユニットあたりの分子専有面
積は0.24nm2にすぎず、これは分子間が約5Åしか離れ
ていないものであり、非常に密な構造となっていること
が既に観察されている(a:H. Wolf, H. Ringsdrof, E.
Delamarche, T. Takami, B.Michael, Ch. Gerber, M. J
aschke, H.-J. Butt, E. Bamberge, J phys. Chem.,99,
7102-7105 (1995) R. Wang, T.Iyoda, L. Jiang, D.
A. Tryk, K. Hashimoto, A. Fujishima, J. Electroan
a. Chem., 438, 213-219(1997))。一般に、アゾベンゼ
ン基は紫外線を吸収することにより、トランス体からシ
ス体に光異性化することが知られており、これらの物質
はフォトクロミック化合物として知られている。しかし
ながら、上述のとおり自己組織化膜の構造は大変に密に
形成されており、自由空間が存在しないので,紫外線を
照射しても、その異性化率はわずか5%以下であることが
調べられている(R. Wang, T. Iyoda, L. Jiang, D. A.
Tryk, K. Hashimoto, A. Fujishima, J.Electroanal.
Chem., 438, 213-219 (1997))。近年、これらの問題を
解決するために混合吸着膜(S. D. Evans, S. R. Johns
on, H. Ringsdorf, L. M. Williams, H. Wolf, Lamgmui
r, 14, 6436 (1998))や非対称ジスルフィド(特願平11
-72906))を用いる方法が提案されているが、前者で
は、分子レベルで混合した膜を得ることは難しいと予想
され、実際に得られる膜の光反応性は不安定であった。
後者ではそれを解決すべくあらかじめ2種の分子をジス
ルフィドで繋ぐという方法がとられており、高い光反応
性を示していた。しかしながら、これらの吸着後の膜は
2成分から構成されていることは明らかであり、膜の加
熱処理や膜形成条件により、相分離を起こしアゾベンゼ
ン同士が凝集する可能性が大きい。事実、後者の膜では
加熱後に光反応性が見られなくなっている( H. akiym
a, K. Tamada, J. Nagasawa, F. Nakanishi, T. Tamak
i, Trans. MRS Jpn., in press )。このようなことか
ら、自己組織化膜に対して、その機能を発現させる際に
必要となる分子構造が変化できるための十分な空間が存
在し、かつ機能性部位の凝集が起こらない安定性に富ん
だ自己組織化膜の出現が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
なアゾベンゼン誘導体化合物及びその化合物を用いて得
られる自己組織化膜を提供することである。この新規化
合物を用いた自己組織化膜では、その機能を発現させる
際に必要となる分子構造が変化できるための十分な空間
が存在し、かつその空間が安定的に保持される構造を有
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意研究した結果、次の事柄を見出して、本発
明を完成するに至った。アゾベンゼン基の側面(N=N結
合にたいしオルトおよびメタ位)に置換基を導入したチ
オール誘導体およびジスルフィドを合成した。このアゾ
ベンゼン基を有する硫黄化合物を製膜すると、アゾベン
ゼン基同士の会合を防ぐことができ、かつアゾベンゼン
の側面に導入した置換基の大きさの分だけ、光異性化を
起こす空間を生じさせることができる。またこの化合物
はアゾベンゼン間の凝集力が弱いので安定性を高めるこ
とができる。
【0006】すなわち、本発明によれば、以下の発明が
提供される。一般式(1)
【化2】
(1) (式中、R1は、炭素数8〜1の直鎖、環状又は分岐鎖を
有するアルキル基、フルオロアルキル基、シアノ基、ニ
トロ基、アミノ基、エステル基、アルコキシル基、フェ
ニル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。nは18≧
n≧2の範囲の整数を表す。R2〜R9のうち少なくと
も1つ以上はアルキル基、又はフェニル基を表し、その
他は水素原子を表す。R10はチオール、もしくはアルキ
ルジスルフィドを表す。)で表されることを特徴とする
アゾベンゼン誘導体化合物。及び前記記載のアゾベンゼ
ン誘導体化合物からなる単分子膜であることを特徴とす
る自己組織化膜。
【0007】 〔発明の詳細な説明〕本発明のアゾベンゼン誘導体化合
物は、一般式(1)
【化3】
(1) (式中、R1は、炭素数8〜1の直鎖、環状又は分岐鎖を
有するアルキル基、フルオロアルキル基、シアノ基、ニ
トロ基、アミノ基、エステル基、アルコキシル基、フェ
ニル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。nは18≧
n≧2の範囲の整数を表す。R2〜R9のうち少なくと
も1つ以上はアルキル基、フェニル基を表し、その他は
水素原子を表す。R10はチオール、もしくはアルキルジ
スルフィドを表す。)で表されることを特徴とするチオ
ール誘導体化合物。このチオール誘導体化合物を用い
て、自己組織化膜を作成した場合には、硫黄部位が金表
面に選択的に吸着するので、作製された自己組織化膜の
表面層にはアゾベンゼン基が出てくることになる。従っ
て、膜の最表面はアゾベンゼン基のパラ位の置換基であ
るRが存在することとなる。したがって、Rの基の
物性により膜の表面物性を決定するようにすることがで
きる。R がアルキル基を表す場合には、炭素数8〜
1の直鎖、環状又は分岐鎖を有するアルキル基である。
炭素数が8を越える場合には、合成に必要な試薬の入手
が困難、かつアゾベンゼン骨格を形成する際の反応溶媒
に対し難溶解性であり、好ましくない。また、炭素数が
1未満のアルキル基は存在しない。R が ハロゲン
原子を表す場合には、塩素、フッ素、臭素及び沃素の何
れかの原子を表す。そして、R1は、これらの基や原子
の他に、シアノ基、又はニトロ基を表す。Rに、ニト
ロ基を導入した場合には、その大きな永久双極子モーメ
ントにより、自己組織化膜の表面エネルギーを高める効
果があり、またフルオロアルキル基、アルキル基や、ハ
ロゲン原子を置換基にした場合には、自己組織化膜の表
面エネルギーを引き下げる効果がある。他にアミノ基、
ニトロ基、シアノ基などは静電気的な反発により分子間
の凝集力を弱める効果もある。
【0008】アゾベンゼンに種々の置換基を導入するこ
とにより、後に作製される膜の表面物性を制御すること
ができる。具体的には、自己組織化膜において、アゾベ
ンゼンのパラ位の置換基Rは最表面に露出するので、
特に大きなな静電的相互作用を持つシアノ基、ニトロ
基、アミノ基、エステル基などが存在すると、その表面
は親水的な表面となり、フルオロアルキル基、アルキル
基、水素原子、ハロゲン原子などが存在すると、その表
面は疎水表面となる。さらに、アゾベンゼンのシス−ト
ランス光異性化に伴う構造変化により、分散力、静電気
的相互作用に大きな変化を与えることができるのでアゾ
ベンゼンの光反応を利用して表面エネルギーの大きさを
可逆的に制御出来る。
【0009】硫黄から、アゾベンゼン部位までの間には
O(CH)nで表されるスペーサー基が導入されてい
る。吸着部位であるチオール部位と機能性のユニットで
あるアゾベンゼンを繋ぐためのもので、化合物の安定性
からはnが2以上であることが望ましく、また合成試薬
が入手困難なことから18以下であることが妥当であ
る。
【0010】R10は貴金属基板と特異的な結合を示す
チオールおよびジスルフィドである必要がある。
【0011】アゾベンゼン基側面に導入される置換基
(R〜R)は、隣接するアゾベンゼン基同士が近づ
くことを立体的に許さないために、アゾベンゼン部位に
よる会合性の低下をもたらす。つまり、アゾベンゼン同
士の凝集力が弱まるために、ジスルフィド体においては
相分離構造を取りにくく、また相分離を起こしても、ア
ゾベンゼン同士が密に詰まることはない。またチオール
体ではそもそも1成分であり、相分離しないが、アゾベ
BR>ンゼン基は上述の通り互いに密に詰まることはな
い。従ってアゾベンゼン周りに生じる空間は安定的に保
証される。さらに、アゾベンゼンの置換基Rの種類に
よって光異性化に必要な空間は変化するが、置換基(R
〜R)の立体的な大きさにより、膜中でアゾベンゼ
ン部位間の距離を調整できるため、どのような置換基R
に対しても置換基(R〜R)を変えることにより
最適な空間を生み出すことができる。これらの理由から
の置換基(R 〜R)のうち1つ以上は、直鎖、環状
又は分岐鎖を有するアルキル基、もしくはフェニル基な
どであることが適当であり、その場合には、その他は水
素原子でもよい。
【0012】以上述べたことから、本発明のアゾベンゼ
ン誘導体化合物の具体的な構造式を示すと以下の通りで
ある。
【化 4】
【化 5】
【化 6】
【化 7】
【化 8】
【化 9】
【化 10】
【化 11】
【化 12】
【化 13】
【0013】本発明のアゾベンゼン誘導体化合物の製法
は次の通りである。原料となるブロモアルキルオキシア
ゾベンゼン誘導体の製法は、まず対応するアニリンとフ
ェノール誘導体をジアゾカップリングした後、生成した
ヒドロキシアゾベンゼン誘導体とジブロモアルカンを反
応させて得られる化合物である。このような製法は以下
の文献に記載されており、これらの記載されているとこ
ろ(M.D. Everaars, A. T. M. Marcelis, E. J. R. Sud
holter, Liebigs, An., 1, 21(1997))に従って合成す
ることができる。まず、得られた生成物を60℃のDM
Fに溶解し、チオ硫酸ナトリウムの水溶液をゆっくり加
え数時間攪拌し、アゾベンゼン誘導体のBunte塩とす
る。チオール誘導体の合成では、このBunte塩溶液にD
MFとpH3程度の希塩酸を加え24時間室温、不活性ガ
ス雰囲気下で攪拌する。その後NaOH溶液で中和し、
エーテルで抽出し、カラムクロマト分離を行い目的のチ
オール化合物を単離する。ジスルフィド誘導体合成では
このBunte塩溶液に水を加えアルキルチオレートと混合
して数時間攪拌したのち、エーテルで抽出し、カラムク
ロマト分離を行い目的のジスルフィド化合物を単離す
る。得られた生成物の確認は、種々な方法で構造等を確
認することができる。本発明での場合はNMR、元素分
析によった。
【0014】本発明の硫黄化合物を用いた膜の生成は、
以下のようにして行う。金基板は、真空蒸着装置を用い
て雲母もしくはガラス基板上に金を真空蒸着するか、も
しくは市販のものを用いる。次に合成した硫黄化合物を
溶解し、この溶液に金基板を浸ける。次に基板を純粋な
洗浄用の有機溶媒ですすいで、余分に付着した硫黄化合
物を洗い流し自己組織化膜を作製する。
【0015】
【実施例】実施例1 12-[4-(4-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]dodecanet
hiolの製法
【化 14】 1-bromo-12-[4-(4-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]d
odecane 1.0gを60℃のDMF80mlとジオキサン18mlの混合
溶媒に溶かし、これにNa2S2O3・5H2O 0.52gの5ml水溶液
をゆっくりと加え、そのまま60℃に保ち4時間撹拌し
た。この溶液にN2雰囲気下でDMFと12N塩酸3.5gを300
gの水で薄めたものを加え24時間室温で攪拌した。そ
の後N2雰囲気下でNaOH水溶液に加え中和した。この溶液
をエチルエーテルで希釈し水洗いした。有機層の溶け残
りを濾過して取り除いたものを、濃縮した後、得られた
粗精製物をヘキサンと酢酸エチル(9:1)の混合溶媒
を展開溶媒にして、カラムクロマト分離を行った。さら
に四塩化炭素を展開溶媒にしてカラムクロマト分離を行
った。以下の分析結果から標記の構造式の化合物からな
ることを確認した。この化合物は黄白色のアモルファス
固体であり、収量は260mgであった。 Yield:28% 1H-NMR (CDCl3); d =0.89 (3H, t, CH2-CH3), 1.25-1.4
2 (22H, m, CH2-CH2 -CH2), 1.50 (2H, t, t, Ar-CH2-CH
2), 1.61(2H, t, t, S-CH2-CH2) , 1.84 (2H, t,t, Ar-
O-CH2-CH2), 2.23 (3H, s, Ar-CH3), 2.52 (2H, d, t,
S-CH2), 2.70(2H, t, Ar-CH2), 4.05 (2H, t, Ar-O-CH
2), 6.91 (2H, d, Ar-H) , 7.30 (2H, d,Ar-H), 7.76
(2H, d, Ar-H), 7.79 (2H, d, Ar-H). E.A.:C:H:N:S cal. 74.95 : 9.74 : 5.65 : 6.45 fo
und 74.84 : 9.86 : 5.58 : 6.54
【0016】実施例2 12-[4-(4-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]dodecyl d
odecyl disulfideの製法
【化 15】 アゾベンゼンのブロモ体0.7gを出発として、上述と同様
な方法で合成したBunte塩溶液に水100mlを加え、N2雰囲
気下でこの溶液をドデカンチオール0.29gと水酸化ナト
リウム0.059gのメタノール2ml溶液に加え、約1時間攪
拌した。この溶液をエーテルで薄め水洗いし、濃縮後、
粗精製物をヘキサンと酢酸エチル(19:1)の混合溶媒
を展開溶媒にして、カラムクロマト分離を行った。以下
の分析の結果から標記の化合物であることを確認した。
生成物は黄橙色の結晶であり、収量は1.01gであった。 Yield:81% mp:31.5-33.0℃ 1H-NMR (CDCl3); d =0.86 (3H, t, CH2-CH3), 0.90 (3
H, t, CH2-CH3), 1.25-1.42 (40H, m, CH2-CH2 -CH2),
1.50 (2H, t, t, Ar-CH2-CH2), 1.66 (4H, t, t, S-CH2
-CH2), 1.84 (2H, t, t, Ar-O-CH2-CH2), 2.30 (3H, s,
Ar-CH3), 2.65 (4H, t, S-CH2), 2.70(2H, t, Ar-CH
2), 4.05 (2H, t, Ar-O-CH2), 6.91 (2H, d, Ar-H) ,
7.30 (2H, d, Ar-H), 7.76 (2H, d, Ar-H), 7.79 (2H,
d, Ar-H). E.A.:C:H:N:S cal. 75.85 : 11.02 : 3.40 : 7.79 f
ound 76.02 : 11.30 : 3.42 : 7.84
【0017】実施例3 金基板を前記実施例1及び2で得られたアゾベンゼン化
合物のヘキサン0.25mmol/L溶液に接触させ、室温下で1
2時間保った。その後、基板を純粋なヘキサンで流し、
余分に付着した硫黄化合物を洗い流した。 光照射は、
キセノンランプを光源としてこれに色ガラスフィルター
を装着しておこなった。これにより紫外光(中心波長36
5nm)および可視光(>400nm)を膜表面に照射した。膜
の効果の確認は、以下のようにして行った。表面プラズ
モン共鳴分光法により光照射による自己組織化膜の反射
率変化をモニターした。表面プラズモン共鳴法は超薄膜
の膜物性(屈折率・膜厚)変化をリアルタイムで追跡出
来る測定法である(図1)。この測定では、高屈折ガラ
ス(1)上に蒸着した金の薄膜(2)上に上述のように
自己組織化膜(3)を作製し、清浄なヘキサンと接触し
た状態で、反射率を測定することにより、その光反応性
を調べた。測定結果は、図3に示すとおりである。9
は、実施例1で得られる化合物 (12-[4-(4-hexylphen
ylazo)-2-methylphenoxy]dodecanethiol)を用いた結果
である。10は、実施例2で得られた化合物(12-[4-(4
-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]dodecyl dodecyl d
isulfide)を用いた結果である。図3に示すように、紫
外光照射(UV)では反射率が減少し、可視光照射(V
is)では反射率は増加した。今回の測定条件では、反
射率が増加すると言うことは、膜厚(もしくは屈折率)
が増加する変化に対応している結果となる。実際の測定
では、紫外線照射により反射率は低下しているから、紫
外線照射により膜厚が減少し、その結果反射率は低下し
た結果となったものと理解できる。これはアゾベンゼン
が紫外線照射によりシス体になり、折れ曲がり構造をと
る結果を反映していると考えられる。逆に、可視光照射
では反射率は増加しており、これはアゾベンゼンが直線
上のトランス体になるため、結果として膜厚が増加した
ことによると考えれらる。さらに図3に示されるよう
に、可視光と紫外光の照射を繰り返し行ったが、反射率
の増加と減少が繰り返す結果が測定された。これは、可
視光と紫外光の照射を繰り返すことによっても同じ現象
を繰り返し行うことができ、再現性が高いことを意味し
ていると言うことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、新規化合物であるアゾ
ベンゼン誘導体化合物を得ることができる。この化合物
から光に反応することができる構造を有する自己組織化
膜を得ることができる。 また、自己組織化膜によれ
ば、アゾベンゼンが立体的な斥力のために相互に近づく
ことが無いため、この光反応性を保持し続けることがで
きる。従って、安定的に表面物性を光で制御することが
出来る超薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面プラズモン共鳴分光装置概略図。
【図2】表面プラズモン共鳴分光における自己組織化膜
の反射率変化。
【図3】本発明の自己組織化膜に紫外光及び可視光をそ
れぞれ照射したときの反射率の測定結 果である。 符号の説明 1 ガラス板 2 金薄膜 3 試料(自己組織化膜) 4 プリズム 5 照射光 6 反射光 7 ヘキサン 8 ヘキサン 9 12-[4-(4-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]dode
canethiol の測定結果 10 12-[4-(4-hexylphenylazo)-2-methylphenoxy]dod
ecyl dodecyl disulfideの測定結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉置 敬 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院 物質工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開2000−264874(JP,A) 特開 平10−267824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】
    (1) (式中、R1は、炭素数8〜1の直鎖、環状又は分岐鎖を
    有するアルキル基、フルオロアルキル基、シアノ基、ニ
    トロ基、アミノ基、エステル基、アルコキシル基、フェ
    ニル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。nは18≧
    n≧2の範囲の整数を表す。R2〜R9のうち少なくと
    も1つ以上はアルキル基、又はフェニル基を表し、その
    他は水素原子を表す。R10はチオール、もしくはアルキ
    ルジスルフィドを表す。)で表されることを特徴とする
    アゾベンゼン誘導体化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のアゾベンゼン誘導体化合物
    の集合体からなることを特徴とする自己組織化膜。
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