JP3220711B2 - フタロシアニン誘導体新規化合物、その新規化合物を得るための中間体及びそれらを製造する方法 - Google Patents

フタロシアニン誘導体新規化合物、その新規化合物を得るための中間体及びそれらを製造する方法

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金表面上に自己組
織化膜を形成しうるフタロシアニン誘導体新規化合物、
その新規化合物を得るための中間体及びそれらを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニンは、その構造に起因して
各種の機能的な作用が知られている。また、その水素2
原子を金属で置換した無電荷の錯体を作りやすいことな
どから、金属錯体を中心とした研究も進められてきた。
これらのことから、フタロシアニンの構造体に注目し、
それらの一部を置換することにより得られるフタロシア
ニン誘導体に関する研究が積極的に進められている。こ
のようにして得られるフタロシアニン誘導体の作用は、
各種色素を始め、触媒作用、導電性、電荷発生物質など
きわめて多岐にわたっている。近年、注目されている機
能性特性を用いたものとして、自己組織化膜がある。こ
れは、固体表面に化学的に結合している有機体のきわめ
て薄いフイルムからなるものである。この組織化膜は、
電気化学的なセンサー、表面音響波素子、ピエゾ電気素
子、生化学センシング装置用の検出手段として用いられ
るものである。この自己組織化膜の中には、金表面にメ
ルカプタン、ジスルフィド又はチオール・ジスルフィド
を形成させるものがある。しかしながら、従来知られて
いるこれらの物質は、必ずしも満足する結果は得られて
おらず、より優れた物質の創製が望まれていた。最近で
は、フタロシアニン誘導体を用いた自己組織化膜の開発
が行われている(Synthesis 1995, p.1283-1286; Senso
rs and Actuators 1995, B29, p. 353-357; Langmuir 1
997, 13, p. 460-464)。これらのフタロシアニン誘導
体は、フタロシアニン環を形成する芳香族基の部分に1
つのメルカプトアルキル基及び複数のアルキル基を導入
したものである。これらの基を導入することにより、製
膜性及び溶解性を向上させることができるというもので
ある。しかしながら、これらの化合物は一つのイオウ原
子のみで金表面と結合しており、一般に金表面上に結合
したチオラート化合物は溶液中の他のチオール分子と交
換反応を起こすことが知られていることから、溶液中で
のこれらの自己組織化膜は安定性は高いとはいえず、問
題のあるものであると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の課題は、安
定な自己組織化膜を容易に形成することができる新規フ
タロシニン誘導体化合物、その新規化合物を得るための
中間体並びにそれらを製造する方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討したところ、以下の事柄を見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、フタロシアニン
に、ジスルフィド基を導入して得られる新規フタロシア
ニン誘導体を製造し、これを用いて製膜した自己組織化
膜は、多点で金表面に結合することができるので、従来
知られているフタロシアニン誘導体により得られる自己
組織化膜と比較してより安定な膜を形成することを見出
した。
【0005】本発明によれば、以下の発明が提供され
る。 一般式(I)
【化5】
(I) (式中、Aは炭素数2〜18の直鎖アルキレン基を表
す。)で示されことを特徴とするフタロシアニン誘導体
化合物、一般式(II)
【化6】
(II) (式中、Aは炭素数2〜18の直鎖アルキレン基を示
す。) で示されことを特徴とする4,5-(ジチオジアルコ
キシ)フタロニトリル、4,5-ジヒドロキシフタロニトリ
ルと一般式(III)
【化7】
(III) (式中、Rはアルキル基、アリル基、ハロアルキル基、
ハロアリル基、ニトロアリル基等を示す。Aは炭素数2
〜18の直鎖アルキレン基を示す。)で示されるジチオ
ジアルコキシジスルホナートを反応させることを特徴と
する前記4,5-(ジチオジアルコキシ)フタロニトリルを製
造する方法、一般式(II)
【化8】
(II) で示される、4,5-(ジチオジアルコキシ)フタロニトリル
を、塩基及び溶媒の存在下に加熱することを特徴とす
る、前記フタロシアニン誘導体の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のフタロシアニン誘導体新
規化合物は、下記一般式(I)
【化9】
(I) (式中、Aは、炭素数2〜18の直鎖アルキレン基を表
す。)で表される。この新規なフタロシアニン誘導体化
合物は、フタロシアニン環を形成する芳香族基の部分
に、ジスルフィド結合を有するアルキレンエーテル又は
オキサアルキレンにより環状となる置換基(−O(CH
)n−S−S(CH)nO−)を導入したものであ
る。前記化合物の置換基の一部であるアルキレン基
((CH)n基)のnは、2から18の整数を表すも
のである。この範囲にあるものであれば、環を安定して
形成することができる。この環を形成するnの数は、後
述する製法に用いられるジチオジアルコキシジスルホナ
ートのアルコキシ基に依存する。即ち、nの値を定める
には、それに応じたアルコキシ基を選択することにより
達成される。膜を形成するという点から見ると、一般的
には2から18、好ましくは4〜12の場合である。具
体的に示すと、以下の構造式の化合物である。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【0007】本発明のフタロシアニン誘導体化合物は、
以下のようにして製造される。 第一工程 大環状ジスルフィドを有する4,5-(ジチオジアルコキシ)
フタロニトリルを製造する工程 以下の構造式で示される4,5-ジヒドロキシフタロニトリ
【化16】 及び、以下の一般式(III)で示されるジチオジアルコ
キシジスルホナート
【化17】
(III) (式中、Rはアルキル基、アリル基、ハロアルキル基、
ハロアリル基、ニトロアリル基等を示す。Aは炭素数2
〜18の直鎖アルキレン基を示す。)を、溶媒の存在下
に反応させ、以下の構造式で示される4,5-(ジチオジア
ルコキシ)フタロニトリルを製造する。この製造方法で
得られる物質は、目的物質であるフタロシアニン誘導体
を製造するときの中間体である。反応式で示すと、以下
の通りである。
【化18】
【0008】この反応は、液相で進められ、温度は、4
0〜80℃、好ましくは、50℃〜70℃の範囲で選ば
れる。40℃未満の温度では反応が十分に進行しない結
果となり、80℃を越える温度では、副反応などを生じ
るので好ましくない結果となる。用いられる溶媒は、両
者の反応原料を溶解させることができるものであれば、
適宜選択して使用することができる。通常は、N,N-ジメ
チルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシドなどが用いられる。反応は等モルで行う
ことが好ましい。反応に際しては、溶媒に溶解させた原
料物質からなる混合液を、炭酸カリウムを懸濁させた同
じ溶媒中にゆっくり滴下する。反応生成物の分離は、カ
ラムクロマトグラフィーにより行うことができる。
【0009】第二工程 4,5-(ジチオジアルコキシ)フタロニトリルから目的とす
るフタロシアニン誘導体化合物を製造する工程 前記第一工程で製造された4,5-(ジチオジアルコキシ)フ
タロニトリルを溶媒に溶解させ、塩基の存在下に加熱す
ることにより目的物質を得ることができる。塩基として
は、リチウム 1-ペンチラートが用いられる。溶媒に
は、1-ペンタノールとキシレンの混合物または1-ペンタ
ノールが使用される。反応を促進するために、塩化ベン
ジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモ
ニウムなどの四級アンモニウム塩が用いられる。加熱温
度は、120〜150℃、好ましくは130〜140℃
の範囲である。120℃未満の温度では反応が十分に進
行せず、150℃を越えると副反応が生じ、好ましくな
い結果となる。反応時間は他の条件によって左右される
が通常20分〜2時間程度である。反応時間が短すぎる
と反応が十分に進行せず、長すぎると副反応により収率
が低下する。反応生成物の分離は、溶媒による沈殿及び
カラムクロマトグラフイーによる分離などにより行うこ
とができる。その際に、充填剤としてはシリカゲルなど
を用いることができる。
【0010】本発明のフタロシアニン誘導体化合物を用
いた膜の形成は以下のようにして行う。膜は金基板の表
面に製膜する。用いられる金基板は、雲母もしくはガラ
ス基板上に金を真空蒸着して得られるものを使用する
か、もしくは市販のものを用いる。フタロシアニン誘導
体化合物を溶媒に溶解させて得られる溶液中に金基板を
浸し、薄膜を形成せしめ、引き上げた基板を溶媒ですす
いで十分に洗浄し、室温程度で乾燥させる。 溶媒とし
ては、塩化メチレン、クロロホルム、トルエンなどのフ
タロシアニン誘導体化合物を溶解することができるもの
であれば、使用できる。
【0011】
【実施例】参考例1 (ジチオジアルコキシジスルホナ
ートの合成) 6,6'-ジチオジヘキシル=ビス(4-ブロモベンゼンスルホ
ナート)の合成 6-クロロヘキサノール9.56g及びチオ尿素6.39gを水と
エタノールの1:1混合溶媒70ml中で、24時間加熱還流
した。室温まで冷却後、水酸化ナトリウム5.60gを水20
mlに溶かした溶液を加えて30分間攪拌した。ヨウ素8.88
gをエタノール80mlに溶かした溶液を攪拌しながら滴下
した。その後、40℃に加熱してさらに1時間攪拌した。
反応溶液を濃縮後、水50mlを加え100mlのジエチルエー
テルで2回抽出した。ジエチルエーテル溶液を併せて、
硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾過して除いた
後、濃縮した。水分を除去するためトルエンを加えて濃
縮物を再度溶かしてからもう一度濃縮した。濃縮物とN,
N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン8.13gを70mlの
乾燥テトラヒドロフランに溶かし、-10〜-15℃に冷却し
た。4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド21.46gを、
数回に分けて加えた後、1時間攪拌した。数mlの水を加
え、冷浴を取り去り2時間攪拌した。ジエチルエーテル
300mlと水200mlを加え、有機層を水層より分離した。ジ
エチルエーテル溶液を1mol/Lの塩酸200mlと飽和炭酸水
素ナトリウム溶液200mlで順に洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。乾燥剤を濾過して除いた後、濃縮した。
濃縮物をアセトニトリル20mlに溶かし、2-プロパノール
をわずかに白濁するまで加え、結晶種を入れて室温で攪
拌を続けながら結晶化をおこなった。結晶を吸引濾過し
て、アセトニトリルと2-プロパノールの1:3混合溶媒
で洗浄した。乾燥して、12.80gの6,6'-ジチオジヘキシ
ル=ビス(4-ブロモベンゼンスルホナート)が52%の収率
で得られた。以下に示す分析結果から構造を確認した。 H-NMR (CDCl) δ1.3-1.8 (16H, m, CH), 2.63 (4
H, t, J=7.1Hz, CHS),1.06 (4H, t, J=6.4Hz, CH
O), 7.71 (4H, d, J=8.4Hz, aromatic), 7.77(4H, d,
aromatic) 元素分析 計算値(C24H32BrOS) C, 40.91;
H, 4.58; S, 18.20%;測定値 C, 40.84; H, 4.51; S,
18.04% 融点 67-71℃
【0012】実施例1( 大環状ジスルフィドを有する
4,5-(ジチオジアルコキシ)フタロニトリルを製造する工
程) 4,5-(6,6'-ジチオビス(ヘキシルオキシ))フタロニトリ
ルの合成 4,5-ジヒドロキシフタロニトリル2.00g及び6,6'-ジチ
オジヘキシル=ビス(4-ブロモベンゼンスルホナート)
(n=6)7.05gを、N,N'-ジメチルアセトアミド50ml
に溶解させて、60℃に保たれた炭酸カリウム5.53gを懸
濁したジメチルアセトアミド中に5時間かけて滴下し
た。滴下後さらに2時間加熱攪拌を続けた。反応混合物
を減圧下で濃縮後、塩化メチレンと水を加えて有機層を
分離した。塩化メチレン溶液をさらに水で2回洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾過して除
去してから、溶液を濃縮した。得られた粗生成物をヘキ
サンと塩化メチレンを溶離剤としてシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより分離した。アセトニトリルで結
晶化することにより精製し、4,5-(6,6'-ジチオビス(ヘ
キシルオキシ))フタロニトリル1.70gを44%の収率で得
た。以下に示す分析結果から構造を確認した。 H-NMR (CDCl) δ1.5-1.6 (8H, m, CHCH), 1,75
(4H, m, CH -CHS),1.87 (4H, m, CH -CHO), 2.7
4 (4H, t, J=7.1Hz, CHS), 4.07 (4H, t, J=5.3Hz, C
HO), 7.10 (2H, s, aromatic)13 C-NMR (CDCl) δ26.19, 27.90, 28.95, 29.14, 6
4.40, 108.49, 115.35,115.91, 152.44 I.R. (KBr) νCN=2228.9cm−1 M.S. m/e=390 元素分析 計算値(C20H26NOS) C, 61.50;
H, 6.71; N, 7.17; S, 16.42%; 測定値 C, 61.27; H,
6.75; N, 7.43; S, 15.91%
【0013】実施例2(4,5-(ジチオジアルコキシ)フタ
ロニトリルから目的とするフタロシアニン誘導体を製造
する工程) 2,3;9,10;16,17;23,24-テトラ(6,6'-ジチオビス(ヘキシ
ルオキシ))フタロシアニンの合成 前記実施例1で製造された4,5-(6,6'-ジチオビス(ヘキ
シルオキシ))フタロニトリル391mgと塩化トリエチルベ
ンジルアンモニウム228mgを、2mol/Lの1-ペンタノール
とキシレンの1:1混合溶媒30mlに窒素雰囲気下140℃
で溶解させ、塩基としてリチウム 1-ペンチラートを含
む 1-ペンタノールとキシレンの1:1混合溶媒懸濁液1
0mlを加え140℃の加熱下に1時間攪拌した。室温に冷却
した後、酢酸20mlを加え30分間攪拌した。反応混合物を
エタノール100ml中に注ぎ、一晩放置した。緑色の沈殿
物を濾過または遠心分離により収集した。粗生成物を、
シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより分離を行っ
た。溶離剤としてはトルエン−酢酸エチル等の混合溶媒
を用いた。2,3;9,10;16,17;23,24-テトラ(6,6'-ジチオ
ビス(ヘキシルオキシ))フタロシアニン7.6mgが2%の収
率で得られた。以下に示す分析結果から構造を確認し
た。 H-NMR (CDCl, 1.0×10−4M) δ1.72 (16H, br s,
CH), 1,89 (32H, brs, CH), 2.17 (16H, s, CH -
CHO), 2.87 (16H, t, J=7.0Hz, CHS), 4.65(16H,
s, CHO), 8.77 (8H, s, aromatic) 吸光スペクトル(クロロホルム溶液中) λmax=661.5nm,
logε=4.14; λmax=699.5nm, logε=4.23
【0014】参考例2(膜の形成方法) 雲母基板上に、2.0×10−7torr、基板温度350℃で、金
を1Å/秒の速度で膜厚1000Åになるまで真空蒸着し、
550℃で2時間アニールすることにより、金の(111)面
を表面に持つ雲母基板を作製した。この基板を、上述の
フタロシアニン誘導体を10−6mol/L溶解しているクロ
ロホルム溶液中に浸け、室温で24時間にわたり、保存し
た。引き上げた基板を純粋なクロロホルムで2回すすぐ
ことにより、余分なフタロシアンニン誘導体を洗い流し
た。引き続いて、そのままの状態で室温下に乾燥させる
ことにより、自己組織化膜を得ることができた。吸着膜
が形成されていることは、浸漬前後において基板表面の
水の接触角が変化することより容易に確認することがで
きた。
【0015】
【発明の効果】本発明により得られるフタロシアニン誘
導体化合物を用いることにより、自己組織化膜を得るこ
とができる。この自己組織化膜は、従来のフタロシアニ
ン誘導体より得られる自己組織化膜と比較して、より多
点で基板表面に結合しているために化学的により安定な
ものである。本発明の自己組織化膜は電気的、光学的な
手段で測定しうるセンサー材料として有用であり、セン
サーに用いたときに化学的に安定なものである。また、
本発明では、このような自己組織化膜を得るフタロシニ
アニン誘導体を製造する方法及び製造するための中間体
を得ることができる。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られる2,3;9,10;16,17;23,24-テ
トラ(6,6'-ジチオビス(ヘキシルオキシ))フタロシアニ
ンの紫外吸光スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09B 47/30 C09B 47/30 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 497/22 C07D 327/00 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】
    (I) (式中、Aは炭素数2〜18の直鎖アルキレン基を表
    す。)で示されることを特徴とするフタロシアニン誘導
    体化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】
    (II) (式中、Aは炭素数2〜18の直鎖アルキレン基を示
    す。) で示されることを特徴とする4,5-(ジチオジアル
    コキシ)フタロニトリル。
  3. 【請求項3】4,5-ジヒドロキシフタロニトリルと一般式
    (III) 【化3】
    (III) (式中、Rはアルキル基、アリル基、ハロアルキル基、
    ハロアリル基、ニトロアリル基等を示す。Aは炭素数2
    〜18の直鎖アルキレン基を示す。)で示されるするジ
    チオジアルコキシジスルホナートを反応させることを特
    徴とする請求項2記載の4,5-(ジチオジアルコキシ)フタ
    ロニトリルを製造する方法。
  4. 【請求項4】一般式 【化4】
    (II) で示される、4,5-(ジチオジアルコキシ)フタロニトリル
    を、塩基及び溶媒の存在下に加熱することを特徴とす
    る、請求項1記載のフタロシアニン誘導体の製造方法。
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