JPH083102A - フッ素含有デヒドロアビエチン酸誘導体 - Google Patents

フッ素含有デヒドロアビエチン酸誘導体

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JPH083102A
JPH083102A JP13988994A JP13988994A JPH083102A JP H083102 A JPH083102 A JP H083102A JP 13988994 A JP13988994 A JP 13988994A JP 13988994 A JP13988994 A JP 13988994A JP H083102 A JPH083102 A JP H083102A
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JP
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compound
acid
fluorodehydroabietic
methyl
formula
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JP13988994A
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Noriaki Hata
憲明 畑
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Harima Chemical Inc
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Harima Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素含有新規デヒドロアビエチン酸誘導体
の提供 【構成】 11,12または14位にフッ素原子の導入
されたフッ素含有デヒドロアビエチン酸誘導体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デヒドロアビエチン酸
のフッ素含有誘導体に関するものであり、さらに詳しく
は、芳香環に一または二個のフッ素原子を有するデヒド
ロアビエチン酸誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】松ヤニ中の不揮発成分であるロジンには
アビエタン骨格を有する各種の化合物が存在しており、
特異な化学構造と優れた物理的性質を有している。また
これらの化合物は比較的安価かつ大量に供給し得る天然
資源として紙、ゴム、塗料、インキ、接着剤などの分野
において使用されている。そのうちの一つであるデヒド
ロアビエチン酸はトールロジン中に15〜25%含まれ
ており、安定な構造を有していることから、そのまま添
加剤として利用されたり、あるいは医薬品または機能性
材料等の出発原料として利用されている。
【0003】一方、これまでにフッ素原子を含有する多
くの医薬品および農薬が知られている。具体例として抗
腫瘍作用を有する5−フルオロウラシルなどのフッ素化
核酸誘導体、抗菌活性を有するフッ素化キノリン誘導
体、麻酔作用を有する低分子フッ素化物、人工血液とし
ての応用が期待されるパーフルオロカーボンなどが挙げ
られる。またフッ素原子の物理学的性質に基づく生理的
役割についても研究が行われ、生理活性物質の適当な位
置にフッ素原子を導入すれば、フッ素原子を含まない場
合と比較して、生理活性が飛躍的に増大したり、副作用
が抑制されたり、あるいは新しい生理活性が得られたり
することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に分子内にフ
ッ素原子を導入することにより、擬似効果、代謝阻害、
極性効果または脂溶性の増大などの効果が得られること
が予想され、新しいタイプの生理活性物質としての期待
が持たれる。またデヒドロアビエチン酸の12位にスル
フォン酸ナトリウムが置換されたものは胃潰瘍の治療薬
として認可されており、このことからデヒドロアビエチ
ン酸の芳香環(C環)上に一または二個のフッ素原子を
導入した化合物の生理作用には非常に興味が持たれる。
【0005】従って、フッ素原子の導入された新規なア
ビエチン酸誘導体を合成することが求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は本発明の課題
を解決するものとして、次の一般式(I)
【0007】
【化2】 (式中、Rは水素または低級アルキル基を意味し、ま
た、X,Y,およびZはそれぞれ水素またはフッ素を意
味するが、すべてが同時に水素となることはない。)で
示されるデヒドロアビエチン酸誘導体を提供するもので
ある。
【0008】これらのデヒドロアビエチン酸誘導体につ
いては、一般的にはたとえば以下の製造方法により製造
することができる。まずデヒドロアビエチン酸を公知の
方法によりエステル化を行い、一般式(II)
【0009】
【化3】 (式中、Rは低級アルキル基を意味する。)で表される
デヒドロアビエチン酸エステルとし、ついで一般式(II
I)
【0010】
【化4】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,およびR5 は水素原
子、メチル基、または塩素原子を意味し、X- はトリフ
ルオロメタンスルフォネート、またはテトラフルオロボ
レートを意味する)で表されるN−フルオロピリジニウ
ム塩を反応させることにより、一般式(IV)
【0011】
【化5】 (式中、Rは低級アルキル基を意味し、X,Y,および
Zはそれぞれ水素またはフッ素を意味するが、すべてが
同時に水素となることはない。)で示されるデヒドロア
ビエチン酸誘導体を得る。
【0012】この時得られる各種デヒドロアビエチン酸
誘導体の生成比は用いたフッ素化剤であるN−フルオロ
ピリジニウム塩の当量数によって変化する。またこの反
応の溶媒にはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン、アセトニトリルなどを用いることがで
きる。
【0013】一方、得られた前記一般式(IV)で表され
る化合物のエステル基を除去し一般式(V)
【0014】
【化6】 (式中、X,Y,およびZはそれぞれ水素またはフッ素
を意味するが、すべてが同時に水素となることはな
い。)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体を得る。
【0015】この反応は特に限定されることなく、酸ま
たはアルカリあるいは塩類を触媒として用いた公知の方
法で行うことができるが、好ましくは極性溶媒、たとえ
ばアセトニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、2,
6−ルチジン、2,4,6−コリジン、ヘキサメチルフ
ォスフォリックトリアミドなどを用いて、塩類、たとえ
ばヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化トリメチルシラン、アルキルチオラート、ア
ルキルセレノラートなどの存在下、氷冷下から使用溶媒
の還流温度の範囲内で行う。
【0016】これらの方法によって得られた本発明の式
(I)の化合物は再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー等の精製法として公知の方法により精製
することができる。
【0017】次に本発明の化合物の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】以下の例において、一般式(I)で表される
化合物について、その製造方法を説明する。本発明にお
いては、原料としてデヒドロアビエチン酸を用いる。
【0019】実施例1 12−フルオロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物
1)、および14−フルオロデヒドロアビエチン酸メチ
ル(化合物2)の合成 まず、デヒドロアビエチン酸10.0g(33.3mm
ol)をトルエン25mlに溶解させ、0℃にて塩化チ
オニル11.9g(100.0mmol)およびピリジ
ン1mlをゆっくり加え、25℃にて4時間攪拌する。
再度0℃に冷却し、メタノール100mlを滴下し、2
5℃にて2時間攪拌する。反応終了後、溶液反応を減圧
下濃縮したのち、酢酸エチル200mlを加え、10%
炭酸カリウム溶液100ml、続いて水100mlで2
回洗浄を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥す
る。乾燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒系;酢
酸エチル:n−ヘキサン=1:40)にて精製し、デヒ
ドロアビエチン酸メチル(中間体1)10.44g(1
00%)を得た。
【0020】次にデヒドロアビエチン酸メチル500m
g(1.59mmol)を1,2−ジクロロエタン50
mlに溶解させ、窒素雰囲気下25℃にてN−フルオロ
−2,6−ジクロロピリジニウムトリフレート603m
g(1.91mmol)を加え、8時間加熱還流を行
う。反応後、室温まで冷却したのち、10%ヨウ化カリ
ウム水20mlを加え、有機層を分取し、続いて水10
mlにて2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸ナトリウム
にて乾燥する。乾燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶媒系;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:100)に
て精製し、12−フルオロデヒドロアビエチン酸メチル
(化合物1)98mg(19%)、および14−フルオ
ロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物2)122mg
(23%)を得た。またこの時、デヒドロアビエチン酸
メチル101mg(20%)を回収した。
【0021】
【化7】 IR(KBr)(cm-1) 2930,2860,2350,1725,1690,
1630,1460,1430,1420,1385,
1340,1260,1190,1125,1105,
1045,1020,840,805,755.1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.19(3H,s,20−CH3 ),1.22(3
H,d,J=6.8Hz,16−CH3 ),1.23
(3H,d,J=6.8Hz,17−CH3 ),1.2
7(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.9(7
H,m),2.19(1H,dd,J=2.0,12.
2Hz),2.3(1H,m),2.8−2.9(2
H,m,7−CH2 ),3.13(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),3.66(3H,s,OC
3 ),6.85(1H,d,J=13.2Hz,11
−CH),6.85(1H,d,J=7.3Hz,14
−CH).13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.5,18.5,21.6,22.6,22.8,
24.9,27.0,29.3,36.6,37.0,
37.9,44.6,47.6,51.9,110.6
(d,J=23.9Hz),127.4(d,J=5.
5Hz),130.1,132.2(d,J=14.7
Hz),148.6(d,J=5.5Hz),159.
1(d,J=242.6Hz),179.0.
【0022】
【化8】 IR(KBr)(cm-1) 2930,2860,2350,1720,1685,
1630,1485,1455,1425,1380,
1330,1245,1215,1185,1120,
1040,995,815,755.1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.21(3H,s,20−CH3 ),1.22(3
H,d,J=6.8Hz,16−CH3 ),1.23
(3H,d,J=6.8Hz,17−CH3 ),1.2
7(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.9(7
H,m),2.19(1H,dd,J=2.0,12.
7Hz),2.3(1H,m),2.6−3.0(2
H,m,7−CH2 ),3.17(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),3.67(3H,s,OC
3 ),6.97(1H,d,J=8.3Hz,11−
CH),7.01(1H,dd,J=7.8,8.3H
z,12−CH).13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.5,18.5,20.7,22.5,22.8,
22.9,(d,J=7.4Hz),25.0,26.
8,36.6,36.9,38.0,44.3,47.
6,119.1(d,J=3.7Hz),122.4
(d,J=18.4Hz),123.9(d,J=5.
5Hz),131.2(d,J=16.5Hz),14
9.2(d,J=3.7Hz),158.3(d,J=
242.7Hz),179.0. 実施例2 11,14−ジフルオロデヒドロアビエチン酸メチル
(化合物3)の合成 デヒドロアビエチン酸メチル352mg(1.12mm
ol)を1,2−ジクロロエタン35mlに溶解させ、
窒素雰囲気下25℃にてN−フルオロ−2,6−ジクロ
ロピリジニウムトリフレート708mg(2.24mm
ol)を加え、10時間加熱還流を行う。反応後、室温
まで冷却したのち、10%ヨウ化カリウム水15mlを
加え、有機層を分取し、続いて水10mlにて2回洗浄
を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥する。乾
燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒系;酢酸エチ
ル:n−ヘキサン=1:100)にて精製し、11,1
4−ジフルオロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物
3)41mg(10%)を得た。この時、12−フルオ
ロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物1)25mg
(7%)、および14−フルオロデヒドロアビエチン酸
メチル(化合物2)79mg(21%)も得られる。
【0023】
【化9】 IR(KBr)(cm-1) 2930,2860,2350,1725,1685,
1620,1495,1455,1430,1380,
1335,1245,1210,1185,1135,
1115,1040,995,880,815,75
5.1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.19(3H,d,J=6.8Hz,16−CH
3 ),1.20(3H,d,J=6.8Hz,17−C
),1.28(3H,s,20−CH3 ),1.
32(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.8(7
H,m),2.19(1H,dd,J=1.5,12.
2Hz),2.6−2.8(2H,m,7−CH2 ),
2.9(1H,m),3.15(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),3.68(3H,s,OC
3 ),6.68(1H,dd,J=6.4,13.7
Hz,12−CH).13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.7,18.4,20.9,21.4,22.3,
22.6,24.7(d,J=5.6Hz),26.
7,36.3,36.4,38.1(d,J=3.7H
z),45.8,48.0,111.5(dd,J=
5.5,27.6Hz),125.2(dd,J=5.
5,20.2Hz),132.9(dd,J=9.2,
18.3Hz),134.2(dd,J=3.7,1
2.9Hz),154.2(d,J=239.0H
z),157.1(d,J=242.6Hz),17
8.9. 実施例3 12−フルオロデヒドロアビエチン酸(化合物4)の合
成 12−フルオロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物
1)105mg(0.32mmol)を2,6−ルチジ
ン10mlに溶解させ、ヨウ化リチウム423mg
(3.16mmol)を加え、窒素雰囲気下加熱還流を
6時間行う。反応後、室温に戻し、酢酸エチル40ml
を加え、10%塩酸20mlで2回、続いて飽和食塩水
20mlで2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥する。乾燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒系;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:20)に
て精製し、12−フルオロデヒドロアビエチン酸(化合
物4)83mg(83%)を得た。
【0024】
【化10】 IR(KBr)(cm-1) 3060,2960,2930,2870,1695,
1630,1470,1420,1385,1340,
1275,1215,1190,1140,995,9
45,860,815,760.1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.20(3H,s,20−CH3 ),1.22(3
H,d,J=6.8Hz,16−CH3 ),1.23
(3H,d,J=6.8Hz,17−CH3 ),1.2
8(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.9(7
H,m),2.20(1H,dd,J=2.0,12.
2Hz),2.3(1H,m),2.8−2.9(2
H,m,7−CH),3.13(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),6.85(1H,d,J=
12.7Hz,11−CH),6.86(1H,d,J
=7.8Hz,14−CH).13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.2,18.4,21.7,22.6,22.7,
24.9,27.0,29.3,36.7,36.9,
37.8,44.4,47.3,110.6(d,J=
22.0Hz),127.4(d,J=5.5Hz),
130.1,132.2(d,J=16.5Hz),1
48.6(d,J=5.5Hz),159.1(d,J
=242.6Hz),184.4. 実施例4 14−フルオロデヒドロアビエチン酸(化合物5)の合
成 14−フルオロデヒドロアビエチン酸メチル(化合物
2)210mg(0.63mmol)を2,6−ルチジ
ン20mlに溶解させ、ヨウ化リチウム845mg
(6.31mmol)を加え、窒素雰囲気下加熱還流を
6時間行う。反応後、室温に戻し、酢酸エチル80ml
を加え、10%塩酸40mlで2回、続いて飽和食塩水
40mlで2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥する。乾燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒系;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:20)に
て精製し、14−フルオロデヒドロアビエチン酸(化合
物5)154mg(77%)を得た。
【0025】
【化11】 IR(KBr)(cm-1) 3070,2960,2930,2870,1695,
1630,1460,1425,1335,1275,
1190,1140,995,955,815,76
0.1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.21(3H,d,J=6.8Hz,16−CH
3 ),1.21(3H,s,20−CH3 ),1.23
(3H,d,J=6.8Hz,17−CH3 ),1.2
8(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.9(7
H,m),2.20(1H,dd,J=2.0,12.
7Hz),2.3(1H,m),2.6−3.0(2
H,m,7−CH2 ),3.17(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),6.97(1H,d,J=
8.3Hz,11−CH),7.01(1H,dd,J
=7.8,8.3Hz,12−CH).13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.2,18.5,20.7,22.5,22.8,
22.9(d,J=5.5Hz),25.0,26.
8,36.6,36.9,37.9,44.1,47.
3,119.1(d,J=3.6Hz),122.4
(d,J=18.4Hz),123.9(d,J=5.
5Hz),131.2(d,J=14.7Hz),14
9.0(d,J=3.7Hz),158.3(d,J=
244.5Hz),184.1. 実施例5 11,14−ジフルオロデヒドロアビエチン酸(化合物
6)の合成 11,14−ジフルオロデヒドロアビエチン酸メチル
(化合物3)98mg(0.28mmol)を2,6−
ルチジン10mlに溶解させ、ヨウ化リチウム374m
g(2.80mmol)を加え、窒素雰囲気下加熱還流
を6時間行う。反応後、室温に戻し、酢酸エチル40m
lを加え、10%塩酸20mlで2回、続いて飽和食塩
水20mlで2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥する。乾燥剤を濾過後、溶媒を減圧下留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒系;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:20)に
て精製し、11,14−ジフルオロデヒドロアビエチン
酸(化合物6)67mg(71%)を得た。
【0026】
【化12】 IR(KBr)(cm-1) 3060,2960,2930,2870,1695,
1620,1495,1460,1405,1275,
1215,1165,995,885,755. 1H−
NMR(CDCl3 )δ(ppm) 1.19(3H,d,J=6.8Hz,16−CH
3 ),1.20(3H,d,J=6.8Hz,17−C
),1.29(3H,s,20−CH3 ),1.
33(3H,s,19−CH3 ),1.4−1.9(7
H,m),2.20(1H,dd,J=1.5,10.
7Hz),2.6−2.8(2H,m,7−CH2 ),
2.9(1H,m),3.15(1H,sep,J=
6.8Hz,15−CH),6.68(1H,dd,J
=6.3,13.7Hz,12−CH)13 C−NMR(CDCl3 )δ(ppm) 16.4,18.4,21.0,21.4,22.3,
22.5,24.7(d,J=5.5Hz),26.
7,36.4,36.5,38.0,45.5,47.
7,111.5(dd,J=5.5,27.6Hz),
125.2(dd,J=5.5,20.2Hz),13
3.0(dd,J=9.2,18.4Hz),134.
0(dd,J=3.7,12.9Hz),154.2
(d,J=240.8Hz),157.1(d,J=2
39.0Hz),184.1.
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりデヒ
ドロアビエチン酸の芳香環上に、簡便な方法によって一
または二個のフッ素原子を導入することができた。この
ものは新しい物理的性質を有していることにより、新し
いタイプのアビエチン酸誘導体として撥水撥油性、防汚
性、耐熱性等で改善された特性を有する添加剤として
紙、ゴム、塗料、インキ、接着剤などの分野においての
用途が期待される。
【0028】また一般的にフッ素原子を含有する化合物
は興味深い生理活性作用を有することにより、これらの
デヒドロアビエチン酸誘導体についても農薬および医薬
品としての応用が期待できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素または低級アルキル基を意味し、ま
    た、X,Y,およびZはそれぞれ水素またはフッ素を意
    味するが、すべてが同時に水素となることはない。)で
    示されるデヒドロアビエチン酸誘導体。
  2. 【請求項2】 12−フルオロデヒドロアビエチン酸
  3. 【請求項3】 12−フルオロデヒドロアビエチン酸メ
    チル
  4. 【請求項4】 14−フルオロデヒドロアビエチン酸
  5. 【請求項5】 14−フルオロデヒドロアビエチン酸メ
    チル
  6. 【請求項6】 11,14−ジフルオロデヒドロアビエ
    チン酸
  7. 【請求項7】 11,14−ジフルオロデヒドロアビエ
    チン酸メチル
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104151208A (zh) * 2014-08-07 2014-11-19 广西众昌树脂有限公司 磺化脱氢松香酸的制备方法
WO2016114707A1 (en) * 2015-01-12 2016-07-21 Elinder Fredrik Dehydroabietic acid (dhaa) derivatives for use as ion channel openers

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