JP2575781B2 - 2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−トペンタナールおよびその製造方法 - Google Patents

2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−トペンタナールおよびその製造方法

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JP2575781B2 JP4458388A JP4458388A JP2575781B2 JP 2575781 B2 JP2575781 B2 JP 2575781B2 JP 4458388 A JP4458388 A JP 4458388A JP 4458388 A JP4458388 A JP 4458388A JP 2575781 B2 JP2575781 B2 JP 2575781B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、(S)−乳酸アルキルを出発原料とし幾つ
かの中間体化合物を経由して2,3−ジアセトキシ−4−
ヒドロキシ−1−ペンタナールを合成し、この2,3−ジ
アセトキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタナールフェニ
ルヒドラゾンと2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノー
ルとの反応によって、パーキンソン病その他の神経伝達
物質の異常によって起る種々の疾病の有効な治療薬とし
て有用性が期待される(6R)−テトラヒドロビオプテリ
ンの前駆体であるl−ビオプテリンの新規な合成方法に
関する。
本発明はまた、上記した(S)−乳酸アルキルを出発
原料の1つとして用いるl−ビオプテリンの合成方法に
おいて合成中間体である2,3−ジアセトキシ−4−ヒド
ロキシ−1−ペンタナールに関する。
〔従来の技術〕
従来l−ビオプテリンは次の反応式 に従って、2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノール(T
AP)と5−デオキシアラビノースとの反応で製造する
(E.L.Patterson et.al.J.Am.Chem.Soc.,785868(195
6))か、次の反応式 に従ってTAPと5−デオキシアラビノースフェニルヒド
ラゾンとの反応で製造する(松浦ら、Bull,Chem.Soc.Jp
n.,48,3767(1975))か、次の反応式 に従ってTAPとトリアセトキシ−5−デオキシアラビノ
ースフェニルヒドラゾンとの反応で製造する(M.Viscon
tini et.al.Helv.Chim.Acta.,60,211(1977))か、ま
たは次の反応式 に従ってオキシムとα−アミノシアノ酢酸ベンジルエス
テルとを反応させ、得られた3−(1,2−ジヒドロキシ
プロピル)ピラジン−1−オキシドをグアニジンと縮合
させ、続いてN−オキシドの脱酸素化反応によって製造
する(E.C.Taylor et.al.J.Am.Chem.Soc.,96,6781(197
4))か、または次の反応式 に従って、クロトン酸より得られたα−ヒドロキシケト
ンとTAPとの反応によって製造され(M.Viscontini et.a
l.Helv.Chim.Acta.,55,574(1972))ている。
上記した既知方法のうちの前三者はいずれも5−デオ
キシアラビノースを出発原料とする方法であるが、この
5−デオキシアラビノースは工業的に大量に入手するこ
とが困難で高価なL−ラムノースを出発原料とし、これ
を糖化学において既知の減成反応に付して得られるもの
であるから、これらの方法は必ずしも経済的に有利な方
法ではないのみならず、収率も低い欠点がある。
上記した既知方法のうちの後者の方法は、L−ラムノ
ースを出発原料とするものではないが、得られるビオプ
テリンはdl体であるので所望のl−ビオプテリンを取得
するためには光学分割を必要とし、必然的に収率は低く
なる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記したように、本出願前に既知であったl−ビオプ
テリンの製造方法の夫々は、入手が困難で従って高価格
なL−ラムノースを出発原料とし、しかして収率が悪い
反応経路によってl−ビオプテリンとするものである
か、L−ラムノースを出発原料としない方法にあっては
必然的にラセミ分割を行なわなければ所望のl−ビオプ
テリンを得ることができない反応を用いるものであるの
でその収率は好ましくないという固有の欠点があり、従
ってL−ラムノースを出発原料とはせず、しかも反応中
にラセミ化の起らない反応を見出し、もって安価な原料
物質を用いてしかも好収率でl−ビオプテリンを得る方
法の開発が求められたのである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意研
究の結果、(S)−乳酸アルキルを出発原料として幾つ
かの中間体化合物を経由して2,3−ジアセトキシ−4−
ヒドロキシ−1−ペンタナールを合成し、この2,3−ジ
アセトキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタナールと2,5,
6−トリアミノ−4−ピリミジノールとの反応によって
l−ビオプテリンが得られることを見出して本発明を完
成させたのである。
すなわち、(S)−乳酸アルキルを出発原料とし、こ
れに好ましくは酸結合剤の存在下にトリチルクロライド
を反応させて(S)−乳酸アルキルの水酸基をトリチル
基で保護した2−トリチルオキシプロピオン酸アルキル
を生成せしめ、この2−トリチルオキシプロピオン酸ア
ルキルを還元して2−トリチルオキシ−1−プロパノー
ルを生成せしめ、この2−トリチルオキシ−1−プロパ
ノールを酸化して2−トリチルオキシプロパナールと
し、この2−トリチルオキシプロパナールと2−フリル
金属化合物と反応させて(1S,2S)−1−(2−フリ
ル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノールとし、こ
の(1S,2S)−1−(2−フリル)−2−トリチルオキ
シ−1−プロパノールを酸化し、次いで加水分解して2,
3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−エノ
ピラノース−4−ウロースとし、この2,3−ジデオキシ
−6−トリチルオキシヘプト−2−エノピラノース−4
−ウロースを還元して6−トリチルオキシヘプト−2−
エン−1,4,5−トリオールとし、この6−トリチルオキ
シヘプト−2−エン−1,4,5−トリオールをアシル化し
て1,4,5−トリアシルオキシ−6−トリチルオキシヘプ
ト−2−エンとし、この1,4,5−トリアシルオキシ−6
−トリチルオキシヘプト−2−エンを酸化して2,3−ジ
アシルオキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタナールと
し、この2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−1−
ペンタナールとフェニルヒドラジンとを反応させてヒド
ラゾンとし、このヒドラゾンと2,5,6−トリアミノ−4
−ピリミジノールとを反応させ、次いで反応生成物を脱
アシル化することによって所望のl−ビオプテリンを得
ることができることを見出して本発明を完成させたので
ある。
上記した(S)−乳酸アルキルとトリチルクロライド
との反応は(S)−乳酸アルキル1モルに対してトリチ
ルクロライドを0.5モル〜2モル、通常はほぼ等モル量
で用いて行なわれ、その際生成する塩化水素を結合する
ために有機塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、
などを存在させることが好ましい。また反応促進のため
に4−ジメチルアミノピリジンなどを存在させることが
好ましい。ここで用いる(S)−乳酸アルキルは(S)
−乳酸のC1〜C6低級アルキルエステルの総べてを含むも
のであるが、(S)−乳酸エチルをその典型例として例
示することができる。反応は好ましくは不活性溶媒、例
えばDMF中で室温〜溶媒の沸とう温度の範囲の温度で行
なわれる。この反応によって2−トリチルオキシプロピ
オン酸アルキルを得るが、(S)−乳酸エチルを用いた
場合に得られる2−トリチルオキシプロピオン酸エチル
は文献未載の新規化合物である。
次いでこの2−トリチルオキシプロピオン酸アルキル
は還元反応に付されそのカルボキシアルキル基部分をヒ
ドロキシル基に変換せしめられる。この還元反応には還
元剤として水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素
ナトリウム、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化ジ
イソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエ
トキシ)アルミニウムナトリウムなどの既知の還元剤を
使用することができる。この反応は好ましくは不活性溶
媒、例えばテトラヒドロフラン、エーテル、ベンゼン、
トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、ジグライム中
で0℃〜溶媒の沸とう温度の範囲の温度で行なわれる。
この反応によって得られる2−トリチルオキシ−1−プ
ロパノールは文献未載の新規化合物である。
次いでこの2−トリチルオキシ−1−プロパノールは
酸化反応に付されそのメチロール基がアルデヒド基に変
換せしめられる。この酸化反応はスワーン酸化反応の通
常の反応条件下に行なわれる。具体的にはこの酸化反応
は塩化メチレン中−50℃でジメチルスルホキシドと塩化
オキザリルを反応させて得られた溶液にアルコールを加
え、続いてトリエチルアミンで処理することによって行
なわれる。この酸化反応は上記のスワーン酸化以外の任
意のアルデヒド基生成のための酸化反応で行うことがで
きる。かかる酸化反応の例としてはピリジニウムクロロ
クロメート、二酸化マンガン(MnO2)、炭酸銀(I)、
酸化銀(II)、酸素などを酸化剤として用いる反応が挙
げられる。この反応によって得られる2−トリチルオキ
シプロパナールは文献未載の新規化合物である。
次いでこの2−トリチルオキシプロパナールは2−フ
リル金属化合物、例えば2−フリルチタニウムトリイソ
プロポキシド、2−フリルリチウムまたはマグネシウム
ハライドと反応せしめられる。
この反応は例えばテロラヒドロフラン中でフランとブ
チルリチウムとから低温で調製した2−フリルリチウム
にクロルチタニウムトリイソプロポキシドを作用させ、
得られた2−フリルチタニウムトリイソプロポキシド
と、2−トリチルオキシプロパナールとを反応させて行
なわれる。この反応によって得られる(1S,2S)−1−
(2−フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノー
ルと少量副生する(1R,2S)−1−(2−フリル)−2
−トリチルオキシ−1−プロパノールとの混合物から、
クロマトグラフィー分離により(1S,2S)−1−(2−
フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノールを得
る。この反応操作によって得られた(1S,2S)−1−
(2−フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノー
ルは文献未載の新規化合物である。
次いでこの(1S,2S)−1−(2−フリル)−2−ト
リチルオキシ−1−プロパノールを酸化し、次いで加水
分解して2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプト
−2−エノピラノース−4−ウロースを生成させる。こ
の場合の酸化反応は例えば炭酸ナトリウムの存在下メタ
ノール中で低温で臭素を作用させて行なわれ、また加水
分解反応は例えばテトラヒドロフラン−水混液中室温で
触媒量のp−トルエンスルホン酸を作用させるかまたは
希硫酸中で室温で反応させることによって行われる。こ
のようにして得られる上記した2,3−ジデオキシ−6−
トリチルオキシヘプト−2−エノピラノース−4−ウロ
ースは文献未載の化合物である。
次いでこの2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘ
プト−2−エノピラノース−4−ウロースは還元反応に
付されそのカルボニル基部分をヒドロキシメチレン基に
変換せしめられる。この還元反応には還元剤として水素
化ホウ素ナトリウム、塩化セリウム、水素化ジイソブチ
ルアルミニウムなどの既知の還元剤を使用することがで
きる。この反応は好ましくは不活性溶媒、例えばテトラ
ヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノールなどの中で0℃〜溶媒の沸とう温度、好ましくは
0℃〜室温の温度で行なわれる。この反応によって得ら
れる6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,4,5−ト
リオールは文献未載の化合物である。
次いでこの6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,
4,5−トリオールはアシル化剤と処理され、その3つの
遊離ヒドロキシル基がアシル化される。アシル化剤とし
ては酸ハロゲン化物(例えば塩化アセチル、塩化ベンゾ
イルなど)や酸無水物(例えば無水酢酸、無水プロピオ
ン酸など)など種々のものを挙げることができるが、例
えばピリジン中で無水酢酸を用いるアセチル化が好まし
い。アシル化剤として無水酢酸を用いる場合にはアセチ
ル化物として1,4,5−トリアセトキシ−6−トリチルオ
キシヘプト−2−エンが得られる。
この1,4,5−トリアシルオキシ−6−トリチルオキシ
ヘプト−2−エンは次いで酸化反応に付される。この酸
化反応においては酸化剤として過マンガン酸カリウム、
四酸化オスミウム、過ヨウ素酸、オゾンなどを使用する
ことができるが、例えばオゾンを用いる場合には、塩化
メチレン中で低温でオゾンを作用させ、生じたオゾニド
をジメチルスルホキシドによって分解する反応条件下に
反応せしめられる。そして二重結合を開裂してアルデヒ
ド基に変換せしめることにより2,3−ジアシロキシ−4
−ヒドロキシ−1−ペンタナールを生成せしめるもので
ある。
この反応によって、例えば1,4,5−トリアセトキシ−
6−トリチルオキシヘプタ−2−エンを用いる場合2,3
−ジアセトキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタナールが
得られる。そしてこの化合物も文献未載の新規化合物で
ある。
次いでこの2,3−ジアシロキシ−4−ヒドロキシ−1
−ペンタナールは2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノ
ールと反応せしめられる。この反応は例えば2,3−ジア
シロキシ−4−ヒドロキシペンタナールにフェニルヒド
ラジンをメタノール中で作用させてフェニルヒドラゾン
とした後、酢酸ナトリウムとハイドロサルファイトナト
リウムの存在下に2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノ
ール硫酸塩を水中で約40℃程度の温度で約1日反応さ
せ、引き続いてヨウ素を加えて酸化を行い更にアンモニ
ア水により脱アシル化することによって行なわれ、そし
て所望のl−ビオプテリンを得ることができる。
上記したl−ビオプテリン合成反応を、例えば(S)
−乳酸エチルを出発原料とし、また上記した夫々の反応
段階において下記するような試薬および反応条件を用い
て行う場合を反応図式で示すと次の反応図式Iの通りで
ある。
上記した反応図式で示される反応の具体的な操作は次
のとおりに行なわれる。
すなわち、(S)−乳酸エチル(I)を出発原料に用
い、その水酸基をN,N−ジメチルホルムアミド中等モル
量のトリチルクロライドとピリジンを0.2〜0.3倍モル量
の4−N,N′−ジメチルアミノピリジン存在下60〜70℃
で24〜48時間反応させて2−トリチルオキシプロピオン
酸エチル(II)とし、これをジエチルエーテル中氷冷下
0.5〜1.0倍モル量の水素化リチウムアルミニウムで還元
し2−トリチルオキシ−1−プロパノール(III)を得
た。続いて塩化メチレン中−50℃以下で塩化オキザリル
とジメチルスルホキシド(DMSO)により酸化を行いアル
デヒド(IV)へ変換した。アルデヒドに対して当モル量
のフランとn−ブチルリチウムよりTHF中−20℃で4時
間反応させ生成した2−フリルリチウムに−60℃で当モ
ル量のクロルチタニウムトリイソプロポキシド(ClTi
(OiPr))のヘキサン溶液を加え調製した2−フリル
チタニウムトリイソプロポキシドとアルデヒド(IV)を
反応させ立体選択性良く目的とするAntiの立体配置を有
する(1S,2S)−1−(2−フリル)−2−トリチルオ
キシ−1−プロパノール(V)を得た。この時6:1の比
率でSynの立体配置を有するジアステレオマーが副生す
るが、両者はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン・酢酸エチル=10・1)で容易に分離精製でき
る。得られたアルコール(V)は5〜10倍モル量の炭酸
ナトリウム存在下メタノール中−50℃にて1.0〜1.2倍モ
ル量の臭素を作用させ、更に室温で0.5〜1.0時間反応さ
せて1−(2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシ−2−フリ
ル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノール(VI)と
した。本化合物(VI)は直ちに10%の水を含むTHF中で
0.1〜0.2倍モル量のp−トルエンスルホン酸を触媒にし
て室温下10〜20時間反応させて2,3−ジデオキシ−6−
トリチルオキシ−ヘプト−2−エノピラノース−4−ウ
ロース(VII)へ変換した後、等モル量の塩化第一セリ
ウム・7水和物の存在下、メタノール中室温で2倍モル
量の水素化ホウ素ナトリウムにより還元を行い、6−ト
リチルオキシ−ヘプト−2−エノ−1,4,5−トリオール
(VIII)とした。得られたトリオール(VIII)は4位の
水酸基に関する2種の異性体混合物となっている。この
トリオール(VIII)は大過剰量の無水酢酸をピリジン中
室温下12〜24時間反応させアセチル化を行い1,4,5−ト
リアセチルオキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−エ
ン(IX)とし水酸基を保護した後塩化メチレン中−50℃
以下でオゾン酸化を行い、10倍モル量のジメチルスルフ
ィドで後処理し同時に脱トリチル化が起き、2,3−ジア
セチルオキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタナール
(X)を与えた。次いで1.2〜2.0倍モル量のフェニルヒ
ドラジンをメタノール中室温下1時間反応させフェニル
ヒドラジンとした後、この黄色溶液に0.14倍モル量のハ
イドロサルファイトナトリウム(Na2S2O4)と2.2倍モル
量の酢酸ナトリウム・3水和物(NaOAc・3H2O)の存在
下1.0〜1.2倍モル量の2,5,6−トリアミノ−4−ピリミ
ジノール硫酸塩を40℃で15〜24時間反応させ、得られた
テトラヒドロビオプテリン誘導体の赤かっ色溶液を4.7
〜5.0倍モル量のヨウ素により酸化した。1時間反応の
後過剰のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて除
去し、アンモニア水を加えて40〜60℃で1時間加熱して
脱アセチル化を行った。得られた粗生成物はイオン交換
樹脂カラムクロマトグラフィー(Dowex 1×8,0.15N HCO
ONH4 aq.)で精製し、更に熱水により再結晶化を行いl
−ビオプテリンを得た。
以上本発明を詳細に説明したが、次に本発明を実施例
によって更に詳細にかつ具体的に説明する。
実施例1 2−トリチルオキシプロピオン酸エチル (S)−乳酸エチル105g(0.890モル)をDMF1に溶
解し、これにピリジン705g(0.891モル)、トリチルク
ロライド250g(0.897モル)、及び4−ジメチルアミノ
ピリジン22.3g(0.183モル)を加え60〜70℃で3日間反
応させた後、反応液を1の氷水中へ注加し、酢酸エチ
ル1で2回抽出した。有機層を500mlの水で洗浄後、
飽和硫酸銅水溶液200mlで洗浄し、更に水、飽和食塩水
各500mlで洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。反
応液を減圧濃縮後、残渣にヘキサン500mlを加えて撹拌
し、析出する未反応トリチルクロライド31.5g(0.113モ
ル)を去した後、液を再度減圧濃縮し黄色油状物と
して226g(0.628モル)の2−トリチルオキシプロピオ
ン酸エチルを得た(収率70.5%)。本品はわずかに未反
応のトリチルクロライドが混入しているため分析用にそ
の一部をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ヘキサ
ン:クロロホルム=10:1)で分離精製し、残りは次の反
応に用いた。
▲n24 D▼ 1.5690,▲〔α〕24 D▼−32.4゜(c=1.44,C
HCl3)、 NMR(60MHz) δ(CDCl3) 0.98(t,3H,J=6Hz)、1.2
2(d,3H,J=6Hz)、3.53(q,2H,J=6Hz)、3.98(q,1H,
J=6Hz)、7.0〜7.5(m,15H): IR(film)2980、1743、1440、1180、1082、698cm-1; 元素分析 C24H24O3: 理論値 C,79.97;H,6.71% 実測値 C,79.93;H,6.66% TLC(Kieselgel 60F254;クロロホルム/ヘキサン =5/1,UV,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.62 実施例2 2−トリチルオキシ−1−プロパノール 前記のトリチル化によつて得られた粗生成物200g(0.
556モル)をエーテル200mlに溶解して氷冷下、水素化リ
チウムアルミニウム15.0g(0.395モル)をエーテル300m
lに懸濁した中へ1時間で滴下した。冷浴を除去して室
温下40分間撹拌の後、水15ml、10%NOOH水溶液15ml、水
40mlを順次加え、更に無水硫酸マグネシウム約40g加え
て乾燥させた。沈澱物を去し、残渣をエーテル50mlで
2回洗浄後液を減圧濃縮した。得られた無色粘稠油状
物142gをヘキサン・酢酸エチル(800ml/80ml)混液より
再結晶化し112gの無色柱状結晶を得た。一方結晶化母液
は減圧濃縮し65.0gの無色固体を得た。これはTLC上(Ki
eselgel 60F254:クロロホルム/ヘキサン=5:1)で2成
分からなることが認められたためシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー(SiO2:700g,クロロホルム:ヘキサン=
10:1)で分離精製し23.5gの目的物を得た。合計135g
(収率:76.5%) mp.106〜108゜、▲〔α〕24 D▼+22.8゜(c=1.10,CHC
l3)、 NMR(60MHz) δ(CDCl3) 0.94(d,2H,J=6Hz)、1.7
0(bs,1H)、3.02(t,2H,J=4Hz)、3.60(m,2H); IR(KBr)3490、3070、1492、1448、1215、1068、103
0、762、700; 元素分析 C22H22O2: 理論値 C,82.98;H,6.97% 実測値 C,82.69;H,6.98% TLC(Kieselgel 60F254:クロロホルム:ヘキサン=5:1,
UV,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.35 実施例3 2−トリチルオキシプロパナール オキザリルクロライド18.2g(0.143モル)を乾燥塩化
メチレン230mlに溶解し、ドライアイス浴で−60℃まで
冷却した。アルゴン雰囲気下乾燥塩化メチレン60mlに溶
解して乾燥ジメチルスルホキシド21.8g(0.279モル)を
−54〜−57℃の間で20分間で滴下した。続いて2−トリ
チルオキシ−1−プロパノール35.0g(0.110モル)を乾
燥塩化メチレン120mlに溶かして−61〜−62℃で40分間
で滴下した。この後同温度で15分間撹拌し、トリエチル
アミン83.6mlを−60〜−50℃の間で15分間で滴下した。
冷却下5分間撹拌後、冷浴を除去し室温下45分間撹拌
し、反応液を水100ml中へ注加し、有機層を分離後、塩
化メチレン100mlで抽出した。有機層を合わせて飽和食
塩水150mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減
圧濃縮した。得られた黄色固体はシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー(SiO2:120g,クロロホルム:ヘキサン=
10:1)で原点付近の着色成分を除去した後、ヘキサン40
0mlより再結晶し17.5gの柱状結晶を得た。更に母液を再
処理し、12.3gの無色柱状結晶として2−トリチルオキ
シプロパナールを得た。
合計29.7g(収率85.3%)。
mp.102〜103℃、▲〔α〕24 D▼−14.4゜(c=1.14,CHC
l3)、 NMR(60MHz) δ(CDCl3) 1.18(d,3H,J=7Hz)、3.8
8(dq,1H,J=7Hz,J′=4Hz)、6.9〜7.6(m,15H)、8.6
5(d,1H,d,1H,J=4Hz)、 IR(nujole)3060、1730、1490、1080、678cm-1;元素分
析 C22H20O2: 理論値 C,83.51;H,6.37% 実測値 C,83.59;H,6.21% TLC(Kieselgel 60F254;ヘキサン:酢酸エチル=10:2,U
V,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.60 実施例4 (1S,2S)−1−(2−フリル)−2−トリ
チルオキシ−1−プロパノール フラン6.40g(0.094モル)を乾燥THF100mlに溶解し、
ドライアイス浴で−40℃まで冷却した。アルゴン雰囲気
下1.54Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液60.0ml(0.092
モル)を−40〜−35℃の間で10分間で滴下した。浴温を
−40℃から−20℃まで上昇後、同温度で4時間撹拌し、
再度−50℃以下に冷却してから、クロルチタニウムイソ
プロポキシド24.1g(0.093モル)を乾燥ヘキサン120ml
に溶解して−62〜−50℃の間で15分間で滴下した。−65
℃で1時間撹拌後2−トリチルオキシプロパナール28.0
g(0.089モル)を乾燥THF100mlに溶解し−63〜−68℃の
間で15分間滴下した。この後2時間で10℃まで上昇さ
せ、反応液を200mlの約2規定塩酸中へ注加した。有機
層を分離後、酢酸エチル200mlで抽出した。合体した有
機層を水200ml、飽和重曹水200ml、水200ml、飽和食塩
水200mlで順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧濃縮し得られた橙黄色粘稠油状物35.0gの一部
を採り高速液体カラムクロマトグラフイー(カラム:Nuc
leosil50−5,46×150m/m,流速:1.2ml/min,溶媒:ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1,UV(254mm)検出)で分析したと
ころAntiアルコール(目的物)とSynアルコールの生成
比は6:1であつた。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(SiO2:600g,ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で
2回精製し、95%d.e.以上のフラクシヨンを18.6g、85
%d.e.以上を8.80gそしてその他Anti−syn約1対1混合
物を7.60g得た。Antiアルコールの収率は73%であつ
た。分析用として更にシリカゲルカラムクロマトグラフ
イー(SiO2:50倍,ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で分
離精製を行つた。
▲n25 D▼ 1.5946、▲〔α〕24 D▼+40.4゜(c=1.64,
CHCl3)、 NMR(200MHz) δ(CDCl3) 1.03(d,3H,J=6Hz)、2.
1〜2.5(b,1H)、3.89(d,1H,J=3Hz)、3.94(dq,1H,J
=6Hz,J′=3Hz)、6.10(d,1H,J=3Hz)、6.25(dd,1
H,J=3Hz,J′=2Hz)、 7.2〜7.6(m,16H); IR(film)3460,3070,1490,1450,1148,1065,705cm-1; 元素分析 C26H24O3: 理論値 C,81.22;H,6.29% 実測値 C,81.16;H,6.17% TLC(Kieselgel 60F254,ヘキサン:酢酸エチル=10:3,U
V,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.40 実施例5 1−(2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシ−2
−フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノール 1−(2−フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロ
パノール20.0g(0.052モル)をメタノール200mlに溶解
し、34.0g(0.321モル)の炭酸ナトリウムを加え、ドラ
イアイス浴で−56℃まで冷却した。9.20g(0.058モル)
の臭素をメタノール92mlに溶解して1時間で滴下した。
同温度で15分間撹拌した後冷浴を除去し、室温下45分間
撹拌した。無機塩を去し、液を減圧濃縮し残渣をヘ
キサン:酢酸エチル(2:1)混液に溶解し、これをアル
ミナカラム(Al2O3 120g,ヘキサン)を通し収率94%で
薄黄色粘稠油状物として21.7gのジメトキシジヒドロフ
ランを得た。本化合物はジヒドロフラン環上の2,4位の
メトキシ基の配向の違いによる4種のジアステレオマー
の混合物である。そしてTLC(Kieselgel 60F254,クロロ
ホルム:酢酸エチル=10:1,UV,リンモリブデン酸呈色)
上でRf=0.59と0.47団子状の2スポツトを与える。
NMR(200MHz) δ(CDCl3) 0.90、1.00、1.05(three
d,J=6Hz)、2.50(b,1H)、2.91、2.97、3.02、3.04
(four s,3H)、3.29、3.37(two s,3H)、3.8〜4.0
(m,1H)、4.0〜4.2(m,1H)、5.18、5.55(two s,1
H)、5.5〜5.8(m,1H)、5.8〜6.0(m,1H) IR(film)3500、2950、1445、1060、1020、705cm-1 実施例6 2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプ
ト−2−エノピラノース−4−ウロース 1−(2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシ−2−フリ
ル)−2−トリチルオキシ−1−プロパノール20.2g
(0.045モル)をTHF200mlに溶解し、水20ml及びp−ト
ルエンスルホン酸1.06g(0.006モル)を加えて室温下15
時間反応させた。反応液をエーテル100mlで抽出し得ら
れた有機層を飽和重曹水80ml、水100ml、飽和食塩水100
mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃
縮した。得られた粗生成物は直ちにシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(SiO2:150g,クロロホルム)で分離精
製を行い収率95%で無色粘稠油状物として16.9gのウロ
ースを得た。本品はエーテルより再結晶化することによ
り無色の結晶を与えた。mp.173〜174℃ NMR(200MHz) δ(CD3OD+CDCl3) δ 1.20、1.25
(two d,3H,J=6Hz)、4.28(m,1H)、4.57(d,1H,J=3
Hz)、4.66(b,1H)、5.62、6.09(two s,1H)、6.06
(d,1H,J=10Hz)、6.98(m,1H)、7.2〜7.5(m,15H) IR(film)3380、2930、1680、1440、1120、1060、700c
m-1 TLC(Kieselgel 60F254,クロロホルム:酢酸エチル=1
0:1,UV,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.48及び0.42に団
子状のスポット。
元素分析 C26H34O4: 理論値 C,77.98;H,6.04% 実測値 C,77.94;H,5.97% 実施例7 6−トリチルオキシ−ヘプト−2−エン−1,
4,5−トリオール 2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−
エノピラノース−4−ウロース15.9g(0.041モル)をメ
タノール300mlに加温溶解し、室温下塩化第1セリウム
・7水和物16.0g(0.043モル)を加え溶解した。生じた
黄色溶液に水冷下水素化ホウ素ナトリウム3.20g(0.085
モル)を20分間で加えた。15分間撹拌後不溶物をセライ
ト過し、液を減圧濃縮した。残渣に水50mlを加えて
酢酸エチル200mlで2回抽出し、得られた有機層を飽和
食塩水100mlで洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
減圧濃縮し、定量的に16.6gのトリオールを薄かつ色油
状物として得た。分析用に一部を採り、残りは精製する
ことなしに次のアセチル化の原料とした。本化合物はTL
C(Kieselgel 60F254;Et2Oのみ;UV,リンモリブデン酸呈
色)上でRf=0.38と0.20に重なり合つて2spotを与え
た。これらは分離して、それぞれNMR、IR分析を行つ
た。
低極性異性体:NMR(200MHz) δ(CDCl3) 1.02(d,3
H,J=6Hz)、2.4〜3.1(b,1H)、2.75(bd,1H)、3.00
(bs,2H)、3.63(b,1H)、3.90(m,2H)、4.15(t,1H,
J=6Hz)、5.24(t,1H,J=8Hz)、5.67(dt,1H,J=8Hz,
J′=4Hz)、7.1〜7.6(m,15H) IR(film)3420、3060、1490、1445、1060、1010、91
0、700cm-1 TLC(Kieselgel 60F254;Et2O;UV,リンモリブデン酸)Rf
=0.38 高極性異性体:NMR(200MHz)δ(CDCl3)0.98(d,3H,J
=6Hz)、2.4〜2.9(b,3H)、3.62(b,1H)、3.8〜4.3
(b,3H)、5.10(t,1H,J=8Hz)、5.65(dt,1H,J=8Hz,
J′=4Hz)、7.2〜7.6(m,15H) IR(film)3400、2940、1490、1445、1070、1020、705c
m-1 TLC(Kieselgel 60F254;Et2O;UV,リンモリブデン酸)Rf
=0.20 実施例8 1,4,5−トリアセトキシ−6−トリチルオキ
シヘプト−2−エン 粗6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,4,5−ト
リオール15.4g(0.038モル)をピリジン200mlに溶解
し、これに無水酢酸60mlを加えて室温下20時間反応させ
た後、反応液にトルエン60mlを加え減圧濃縮した。残渣
に水50mlを加え酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機
層を水、約2規定の塩酸水、水、飽和重曹水、水、飽和
食塩水各80mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイー(SiO2:300g,ヘキサン:酢酸エチ
ル=10:2)で分離精製し収率80%で16.1gのトリアセチ
ル体を無色粘稠油状物として得た。本品はTLC(Kieselg
el 60F254,ヘキサン:酢酸エチル=10:3、2回展開:UV,
リンモリブデン酸呈色)上でRf=0.44と0.39に団子状の
2スポツトを与えた。これは分離精製してそれぞれNM
R、IR分析を行つた。
低極性異性体:mp.87℃、NMR(200MHz)δ(CDCl3) 0.8
8(d,3H,J=6Hz)、1.88、1.96、2.06(three s,9H)、
3.68(dq,1H,J=4Hz,J′=6Hz)、4.64(ddq,1H,J=7H
z,J′=4Hz,J″=1.5Hz)、4.99(dd,1H,J=7Hz,J′=4
Hz)、5.34(dd,1H,J=11Hz,J′=1.5Hz)、5.67(dd,1
H,J=11Hz,J′=4Hz)、5.56(dd,1H,J=7Hz,J′=11H
z)、7.2〜7.6(m,15H) IR(film)3040、1740、1445、1370、1220、1025、705c
m-1 TLC(Kieselgel 60F254;ヘキサン:酢酸エチル=10:3;2
回展開,UV,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.44 低極性異性体:NMR(200MHz)δ(CDCl3)0.98(d,3H,J
=6Hz)、2.4〜2.9(b,3H)、3,62(b,1H)、3.8〜4.3
(b,3H)、5.10(t,1H,J=8Hz)、5.65(dt,1H,J=8Hz,
J′=4Hz)、7.2〜7.6(m,15H) IR(film)3400、2940、1490、1445、1070、1020、705c
m-1 TLC(Kieselgel 60F254;ヘキサン:酢酸エチル=10:3;2
回展開,UV,リンモリブデン酸呈色)Rf=0.39) 実施例9 2,3−ジアセトキシ−4−ヒドロキシペンタ
ナール 1,4,5−トリアセトキシ−6−トリチルオキシヘプタ
−2−エン 13.0g(0.025モル)を塩化メチレン260ml
に溶解し、ドライアイス浴で−60℃まで冷却した後、オ
ゾンを1時間吹き込んだ。反応液が深青色を呈したとこ
ろでTLC(Kieselgel 60F254:ヘキサン:酢酸エチル=1
0:3、リンモリブデン酸呈色)で反応終了を確認した。
窒素ガスを吹き込み過剰のオゾンを除去し続いて−60℃
で18mlのジメチルスルフイドを加え、冷浴をのぞいて室
温下14時間反応した。反応液を減圧濃縮し、黄色の粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(SiO2:150
g,クロロホルム→クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で
分離精製し微黄色粘稠油状物として5.16gの2,3−ジアセ
トキシ−4−ヒドロキシペンタナールを収率97%で得
た。
NMR(60MHz)δ(CDCl3)1.30、1.38(two d,3H,J=6H
z)、2.04、2.09、2.16(three s,6H)、3.2〜3.8(b,1
H)、3.9〜4.4(b,1H)、4.9〜5.4(m,2H)、9.65(s,1
H) IR(film)3450、2980、1740、1370、1230、1050cm-1 TLC(Kieselgel 60F254;クロロホルム:酢酸エチル=1
0:2;リンモリブデン酸呈色)Rf=0.25 実施例10 l=ビオプテリン 2,3−トリアセチル−4−ヒドロキシプロパナール4.2
2g(0.019モル)をメタノール42mlに溶解しフエニルヒ
ドラジン2.30ml(0.021モル)を加え室温下1時間反応
後、メタノール360mlを加えて希釈後、ハイドロサルフ
アイトナトリウム0.46g(0.0026モル)と酢酸ナトリウ
ム3水和物5.76g(0.042モル)を水140mlに懸濁させて
加え続いて2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノール・
サルフエート5.30g(0.022モル)を水260mlに懸濁させ
て加えた。アルゴン置換後35〜40℃で24時間反応させ
た。得られた赤かつ色溶液にヨウ素11.5g(0.091モル)
をメタノール140mlに溶解して40分間で滴下した。1時
間撹拌後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて過剰のヨ
ウ素を除き反応液を50mlまで濃縮した。これにメタノー
ル70mlを加えアンモニア水100mlを加えて50℃で1時間
反応させた。不溶物を去後、液を30mlまで減圧濃縮
し、析出した固体を別した。これをイオン交換カラム
クロマトグラフイー(Dowex 1×8,20×4cm,0.15Nギ酸ア
ンモニウム(pH9.0))で分離精製した。l−ビオプテ
リンのフラクシヨンを100mlまで濃縮し、析出物を冷水2
00ml、エタノール50mlで洗浄した。得られた黄色固体を
希酢酸水溶液(水:酢酸=10:2)約400mlに加熱溶解後
冷蔵庫で一晩静置した。析出した粉末状固体を過し、
冷水50ml、エタノール50mlで洗浄後減圧下に60℃で4時
間乾燥し薄黄色粉末状固体として収率32%で1.46gのl
−ビオプテリンを得た。
mp.>300℃、▲〔α〕19 D▼−64.6゜(c=0.2,0.1N HC
l) NMR(200MHz)δ(3NDCl)1.18(d,3H,J=6Hz)、4.23
(q,1H,J=5Hz)、4.93(d,1H,J=5Hz)、8.96(s,1H) IR(KBr)3250、2790、1685、1535、1480、1365、128
5、1125、1055、880、820cm-1

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−
    1−ペンタナール。
  2. 【請求項2】6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,
    4,5−トリオールをアシル化して1,4,5−トリアシルオキ
    シ−6−トリチルオキシヘプト−2−エンとし、これを
    酸化して2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−1−
    ペンタナールを製造する方法。
  3. 【請求項3】2,3−デオキシ−6−トリチルオキシヘプ
    ト−2−エノピラノース−4−ウロースを還元して6−
    トリチルオキシヘプト−2−エン−1,4,5−トリオール
    とし、これをアシル化して1,4,5−トリアシルオキシ−
    6−トリチルオキシヘプト−2−エンとし、これを酸化
    して2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−1−ペン
    タナールを製造する方法。
  4. 【請求項4】(1S,2S)−1−(2−フリル)−2−ト
    リチルオキシ−1−プロパノールを酸化し、次いで加水
    分解して2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプト
    −2−エノピラノース−4−ウロースとし、これを還元
    して6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,4,5−ト
    リオールとし、これをアシル化して1,4,5−トリアシル
    オキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−エンとし、こ
    れを酸化して2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−
    1−ペンタナールを製造する方法。
  5. 【請求項5】(S)−2−トリチルオキシプロパノール
    とし、これを酸化して(S)−2−トリチルオキシプロ
    パナールを2−フリル金属化合物と処理して(1S,2S)
    −1−(2−フリル)−2−トリチルオキシ−1−プロ
    パノールとし、これを酸化し、次いで加水分解して2,3
    −ジデオキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−エノピ
    ラノース−4−ウロースとし、これを還元して6−トリ
    チルオキシヘプト−2−エン−1,4,5−トリオールと
    し、これをアシル化して1,4,5−トリアシルオキシ−6
    −トリチルオキシヘプト−2−エンとし、これを酸化し
    て2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−1−ペンタ
    ナールを製造する方法。
  6. 【請求項6】(S)−乳酸アルキルの水酸基をトリチル
    基で保護し、得られた2−トリチルオキシプロピオン酸
    アルキルを還元して(S)−2−トリチルオキシプロパ
    ノールとし、これを酸化して(S)−2−トリチルオキ
    シプロパナールとし、これを2−フリル金属化合物と処
    理して(1S,2S)−1−(2−フリル)−2−トリチル
    オキシ−1−プロパノールとし、これを酸化し、次いで
    加水分解して2,3−ジデオキシ−6−トリチルオキシヘ
    プト−2−エノピラノース−4−ウロースとし、これを
    還元して6−トリチルオキシヘプト−2−エン−1,4,5
    −トリオールとし、これをアシル化して1,4,5−トリア
    シルオキシ−6−トリチルオキシヘプト−2−エンと
    し、これを酸化して2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロ
    キシ−1−ペンタナールを製造する方法。
  7. 【請求項7】2,3−ジアシルオキシ−4−ヒドロキシ−
    1−ペンタナールにフェニルヒドラジンで処理してヒド
    ラゾンとし、これを2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジ
    ノールと縮合させ、酸化し次いで脱アシル化することか
    らなるl−ビオプリテリンを製造する方法。
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