JP3537977B2 - 窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents
窒化物半導体レーザ素子の製造方法Info
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Description
lYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)
よりなるレーザ素子の製造方法に係り、特に少なくとも
一方の共振面がエッチングにより形成されたレーザ素子
の製造方法に関する。
には、活性層の発光を半導体層内部で共振させるための
共振面が必要である。現在実用化されている赤外、赤色
等の長波長発光半導体レーザは、例えばGaAlAs、
GaAlAsP、GaAlInP等の材料よりなり、こ
れらの材料は例えばGaAs基板の上に成長される。G
aAsは材料自体に劈開性があるので、前記長波長半導
体レーザの共振面はこのGaAs基板の劈開性を利用し
た劈開面とされることが多い。
(Al2O3)のような劈開性がほとんどない基板の上
に成長されることが多いため、基板を劈開して、窒化物
半導体の劈開面を共振面とすることは難しい。一方、エ
ッチングにより窒化物半導体の共振面を形成する方法も
あるが、エッチングにより共振面を形成した後、基板を
ダイシング、スクライビング等で分割すると、共振面か
ら突出した基板の平面が出射光を反射、及び透過させる
ため、出射レーザ光のビーム出射方向が、基板水平面に
対して斜めになってしまうという問題がある。つまりレ
ーザ光のファーフィールドパターンが乱されてしまい、
例えば楕円形状のレーザビームが得られない。ファーフ
ィールドパターンが乱れると、レーザ光とレンズとの結
合が難しくなり、光源として使いにくい。
とするところは、劈開の難しいサファイア基板の上に成
長された窒化物半導体に共振面が形成されて、楕円状の
ファーフィールドパターン形状を有するレーザビームが
得られるレーザ素子の製造方法を提供することにある。
ーザ素子の製造方法は、サファイア基板の上に窒化物半
導体層を成長させてn型層、活性層、p型層を積層した
後、エッチングすることにより、n型層の表面を露出さ
せて共振面を作製し、さらに露出した該n型層の表面に
マスクを形成して、共振面側をエッチングして、サファ
イア基板を露出させる第1の工程と、該第1の工程のエ
ッチングにより連続してできた互いに対向する共振面と
共振面との間であって、一方のレーザ素子の共振面と、
もう一方のレーザ素子の共振面との間を分割位置とし、
共振面より突出した基板を含む部分が共振面より出射さ
れるレーザ光を遮らないように、該分割位置を一方の共
振面に接近した位置に設定して、サファイア基板の裏面
側からスクライブしてサファイア基板を分割する第2の
工程とを備えることを特徴とする。
2の工程はサファイア基板の劈開工程であることが好ま
しい。またこの方法では、分割と同時に、エッチングに
よりできた共振面より突出した基板を含む部分が、共振
面より出射されるレーザ光を遮らないようにする。
子の製造方法は、前記第1の工程において露出させるn
型層がn電極を形成するn型コンタクト層であることを
特徴とする。
子の製造方法は、前記第1の工程においてサファイア基
板のC面を主面とし、前記第2の工程においてサファイ
ア基板をA面若しくはM面で分割することを特徴とす
る。
半導体をエッチングして、活性層のエッチング端面に共
振面を形成する。エッチング端面は基板に対してほぼ垂
直となるようにすることが望ましい。エッチング手段と
しては、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反
応性イオンビームエッチング(RIBE)、イオンミリ
ング等のドライエッチング手段を好ましく用いることが
でき、エッチングガスを適宜選択することにより、エッ
チングレートを制御して、エッチング端面が平滑で、互
いにほぼ平行な共振面を作製できる。図1は本発明の第
1の工程による窒化物半導体ウェーハの構造を示す模式
的な断面図であり、1はC面を主面とするサファイア基
板、2はn型窒化物半導体層(以下、n型層とい
う。)、3は活性層、4はp型窒化物半導体層(以下、
p型層という。)を示している。この図はC面を主面と
するサファイア基板1の上に窒化物半導体層を積層した
ウェーハをレーザの共振方向に平行な方向で切断した際
の構造を示す模式図である。
導体をエッチングすることにより活性層の端面に共振面
が形成できる。なお、共振面とは活性層の端面に形成す
るレーザ光を共振させるための面を指す。図1に示すよ
うに、エッチングにより共振面を形成すると、窒化物半
導体層のエッチング端面と連続したn型層の表面が露出
され、一方のレーザ素子の共振面と、もう一方のレーザ
素子の共振面とが互いに対向した構造となる。つまり、
エッチングにより、互いに対向する共振面と共振面とが
連続してできる。
連続して形成された対向する共振面と共振面との間にあ
る、サファイア基板をA面若しくはM面で分割する。図
1ではサファイア基板1の分割位置を一点鎖線でもって
示している。図3はサファイア、および窒化物半導体の
結晶構造を示すブロックセル図である。このように、サ
ファイア、及び窒化物半導体結晶は六方晶系で近似でき
る。C面とはこの図で示す(0001)面に相当する面
方位を指し、A面とは
角柱の辺、あるいは頂点に沿ってそれぞれ6種類の面方
位で示すことができるが、いずれも同じ面方位を示して
いるため、(外1)面、(外2)面がそれぞれの面方位
を代表して示しているものとする。
を分割する手段には、例えば基板裏面をスクライビング
して割る手段、同じく基板裏面をダイシングでハーフカ
ットして割る手段、あるいはダイシングでフルカットす
る手段等があるが、何らかの手段で基板表面、裏面にカ
ットラインを設けて基板を割る、即ち、基板を劈開して
分割する手段を選択することが好ましい。なぜなら、サ
ファイアはダイヤモンドと同じくらいに硬い物質である
ので、フルカットすると長時間を要し、さらに切断面に
ある窒化物半導体層に割れ、欠け等の欠陥が生じやすい
傾向にあるからである。さらにサファイアをA面若しく
はM面で割ると、劈開性がないといわれているサファイ
アでも、劈開したのと同様に正確な位置でまっすぐに割
れやすい。このようにサファイアをA面若しくはM面で
分割する際、基板の厚さを100μm以下に調整するこ
とが望ましい。100μmよりも厚いと劈開により正確
な位置で分割するのが難しい傾向にある。好ましくは窒
化物半導体層の総膜厚を6μm以上積層するか、または
基板の上に成長させるn型コンタクト層を6μm以上積
層して、基板の厚さを60μm以下まで薄くすると、レ
ーザ素子では放熱性が良くなり長寿命となり、さらに劈
開でも正確な位置で割りやすくなるという利点がある。
り、具体的にはサファイアC面上に窒化物半導体を積層
して、エッチングにより共振面を形成した後、窒化物半
導体層側から見たウェーハの形状を模式的に示す図であ
る。図4に示すようにサファイアC面を主面とし、A面
若しくはM面をオリフラ(オリエンテーションフラッ
ト)面とした基板では、図4の一点鎖線で示すように、
オリフラ面に対して垂直な位置で基板を分割すれば、基
板のA面若しくはM面でバー状のレーザ素子が得られ
る。そのため、エッチングにより共振面を形成する場合
には、レーザの共振方向がオリフラ面に対して平行とな
るように、予め素子形状を設計する必要があることは言
うまでもない。
共振面より突出した基板を含む部分が、共振面より出射
されるレーザ光を遮らないようにすることを特徴として
いる。エッチングにより共振面を形成した場合、前にも
説明したように、共振面と共振面との間で平面が現れ
る。通常はその平面部で分割するのであるが、平面部で
分割すると共振面よりも外側に突出した部分が残る。図
2は窒化物半導体レーザ素子の構造を示す模式的な断面
図であり、レーザ光の共振方向に平行な方向で素子を切
断した際の図を示している。図1の一点鎖線で示すよう
な位置で素子を分割した場合、図2のB方向に示すよう
に突出部の平面がレーザ光を反射させて、ファーフィー
ルドパターンを乱す。第3の工程では少なくとも一方の
共振面より突出した基板を含む部分がA方向のようにレ
ーザ光を遮らないようにするのである。そのための手段
としては、例えば第1に、図1の一点鎖線で示すよう
に、いずれか一方の分割位置を共振面に接近した位置に
設定しておき、基板の分割と同時に、突出部がレーザ光
を遮らないようにする手段がある。そのためには、基板
を劈開することが最も好ましい。また第2に分割後に基
板より突出した部分をエッチング、若しくは研磨により
除去する手段がある。エッチングにはウエットエッチン
グ、ドライエッチングの両方があるが、いずれを用いて
も良い。ウェットエッチングでは例えばリン酸、硫酸の
混酸によるエッチング、ドライエッチングは上記したよ
うに、RIE等によるエッチングがある。
なくとも一方のレーザ光が、突出部に遮られないように
されていればよく、必ずしも両方ではない。例えば図2
に示すように、一方の共振面側に突出部があっても、そ
の突出部をレーザ光の取出側として用いず、単にフォト
ディテクターの検出側として用いる場合には、ファーフ
ィールドパターン形状は特に問われない。
化物半導体ウェーハの構造を示す模式的な断面図であ
り、図6は図5のウェーハを一点鎖線で分割した際のレ
ーザ素子の構造を示す模式的な断面図である。図5、6
は本発明の製造方法に係る他の態様を示しており、図
1、2と同一符号は同一部材を示すものとする。
面の一方の分割位置を活性層が含まれる窒化物半導体層
側としているところにある。このように一方の分割位置
をエッチングにより露出した窒化物半導体層の平面と
し、もう一方の分割位置を活性層が含まれる窒化物半導
体層とすると、互いの共振面でそれぞれ反射率が異な
り、反射率の小さい方の共振面側をレーザ光の取出側と
すると、非常に高出力なレーザ素子が得られる。この場
合、活性層が含まれる窒化物半導体を分割する場合、劈
開で分割する必要がある。劈開により分割すると窒化物
半導体層の活性層の端面には窒化物半導体の劈開による
反射率の低い共振面が作製できる。
明する。図7は本発明の方法によるレーザ素子の構造を
示す模式的な断面図である。
オリフラ面をM面とするサファイア基板1の上に 2) GaNよりなるバッファ層21を200オングス
トローム 3) Siドープn型GaNよりなるコンタクト層22
を6μm 4) Siドープn型In0.1Ga0.9Nよりなる
クラック防止層23を500オングストローム 5) Siドープn型Al0.2Ga0.8Nよりなる
n型クラッド層24を0.5μm 6) SiドープGaNよりなるn型光ガイド層25を
0.2μm(以上、n型層2) 7) SiドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸
層を25オングストロームと、SiドープIn0.01
Ga0.95Nよりなる障壁層を50オングストローム
と3ペア積層して最後に井戸層を積層した活性層3(活
性層総厚、250オングストローム) 8) Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nよりなる
p型キャップ層41を300オングストローム、 9) Mgドープp型GaNよりなるp型光ガイド層4
2を0.2μm 10) Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nよりな
るp型クラッド層43を0.5μm 11) Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト
層44を0.2μm(以上、p型層4) の膜厚で順に積層する。
AlGaN等を900℃以下の温度で成長させ、膜厚1
0オングストローム〜0.5μm以下、さらに好ましく
は20オングストローム〜0.2μm以下の膜厚で成長
できる。
YGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、
さらに好ましくはY値が0.5以下のAlYGa1−Y
Nで構成することが好ましく、その中でもSi若しくは
GeをドープしたGaNで構成することにより、キャリ
ア濃度の高いn型層が得られ、またn電極と好ましいオ
ーミック接触が得られる。この層は6μm以上で成長さ
せ、さらに好ましくは7μm以上の膜厚で成長させるこ
とによりサファイア基板を60μm以下まで研磨でき
て、基板を劈開で割りやすくすると共に、レーザ素子の
放熱性を向上させる作用がある。
型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させる
ことにより、次に成長させるAlを含むn型クラッド層
を厚膜で成長させることが可能となり、非常に好まし
い。LDの場合は、光閉じ込め層となる層を、好ましく
は0.1μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来
ではGaN、AlGaN層の上に直接、厚膜のAlGa
Nを成長させると、後から成長させたAlGaNにクラ
ックが入るので素子作製が困難であったが、このクラッ
ク防止層が、次に成長させるAlを含むn型クラッド層
にクラックが入るのを防止することができる。クラック
防止層は100オングストローム以上、0.5μm以下
の膜厚で成長させることが好ましい。100オングスト
ロームよりも薄いと前記のようにクラック防止として作
用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変
する傾向にある。なお、このクラック防止層は成長方
法、成長装置等の条件によっては省略することもできる
がLDを作製する場合には成長させる方が望ましい。な
お、このクラック防止層はn型コンタクト層内に成長さ
せても良い。
込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む窒
化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させることが
望ましく、100オングストローム以上、2μm以下、
さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm
以下で成長させることにより、結晶性の良いキャリア閉
じ込め層が形成できる。
ガイド層として作用し、GaN、InGaNを成長させ
ることが望ましく、通常100オングストローム〜5μ
m、さらに好ましくは200オングストローム〜1μm
の膜厚で成長させることが望ましい。
ム以下のInを含む窒化物半導体よりなる井戸層と、膜
厚150オングストローム以下の井戸層よりもバンドギ
ャップエネルギーが大きい窒化物半導体よりなる障壁層
とを積層した多重量子井戸構造とするとレーザ発振しや
すい。
厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャリアが補償
されたi型としても良く、最も好ましくはp型とする。
p型キャップ層の膜厚は0.1μm以下、さらに好まし
くは500オングストローム以下、最も好ましくは30
0オングストローム以下に調整する。0.1μmより厚
い膜厚で成長させると、p型キャップ層中にクラックが
入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長し
にくいからである。またキャリアがこのエネルギーバリ
アをトンネル効果により通過できなくなる。Alの組成
比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振
しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa
1−YNであれば500オングストローム以下に調整す
ることが望ましい。p型キャップ層18の膜厚の下限は
特に限定しないが、10オングストローム以上の膜厚で
形成することが望ましい。
ド層と同じくGaN、InGaNで成長させることが望
ましい。また、この層はp型クラッド層を成長させる際
のバッファ層としても作用し、100オングストローム
〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜
1μmの膜厚で成長させることにより、好ましい光ガイ
ド層として作用する。
ド層と同じく、キャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層
として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはA
lGaNを成長させることが望ましく、100オングス
トローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オ
ングストローム以上、1μm以下で成長させることによ
り、結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成できる。さ
らに前記のようにこの層をAlを含む窒化物半導体層と
することにより、p型コンタクト層と、p電極との接触
抵抗差ができるので好ましい。
層を有する量子構造の活性層の場合、その活性層に接し
て、膜厚0.1μm以下のAlを含む窒化物半導体より
なるp型キャップ層を設け、そのp型キャップ層よりも
活性層から離れた位置に、p型キャップ層よりもバッド
ギャップエネルギーが小さいp型光ガイド層を設け、そ
のp型光ガイド層よりも活性層から離れた位置に、p型
光ガイド層よりもバンドギャップが大きいAlを含む窒
化物半導体よりなるp型クラッド層を設けることは非常
に好ましい。しかもp型キャップ層の膜厚を0.1μm
以下と薄く設定してあるため、キャリアのバリアとして
作用することはなく、p層から注入された正孔が、トン
ネル効果によりp型キャップ層を通り抜けることができ
て、活性層で効率よく再結合し、LDの出力が向上す
る。つまり、注入されたキャリアは、p型キャップ層の
バンドギャップエネルギーが大きいため、半導体素子の
温度が上昇しても、あるいは注入電流密度が増えても、
キャリアは活性層をオーバーフローせず、p型キャップ
層で阻止されるため、キャリアが活性層に貯まり、効率
よく発光することが可能となる。従って、半導体素子が
温度上昇しても発光効率が低下することが少ないので、
閾値電流の低いLDを実現することができる。
nXAlYGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y
≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープ
したGaNとすれば、p電極50と最も好ましいオーミ
ック接触が得られる。
層2、活性層3、p型層4よりなる窒化物半導体層を積
層後、窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、
アニーリングを行い、p型層中に含まれる水素の一部を
除去し、p型層をさらに低抵抗化する。
所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエ
ッチング)装置で、図7に示すように、最上層のp型コ
ンタクト層21と、p型クラッド層20とをメサエッチ
ングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状と
する。
にマスクを形成し、ストライプ状のリッジに対して左右
対称にして、n型コンタクト層22の平面を露出させる
と同時に、ストライプ状のリッジに対してほぼ垂直な位
置に共振面を形成する。共振面形成後のウェーハの構造
を示す図が図1である。なお、マスクの形状は図4に示
すように、エッチング後に露出する凸部の窒化物半導体
のストライプ方向がオリフラ面に対して平行となるよう
にする。また、n電極52を形成すべきn型コンタクト
層22をリッジストライプに対して左右対称に露出させ
ると同時に共振面を形成することにより、n層から注入
される電流が活性層に対して均一に係るようになり、閾
値が低下する。
4に、NiとAuよりなるオーミック用のp電極50を
ほぼ全面に形成する。一方、TiとAlよりなるオーミ
ック用のn電極52をストライプ状のn型コンタクト層
のほぼ全面に形成する。なお、ほぼ全面とは80%以上
の面積をいう。このようにn電極も全面に形成し、さら
にリッジに対して左右対称に形成することにより閾値が
低下する。
層、及びp電極50、n電極52全面に渡って、SiO
2よりなる絶縁膜60を形成した後、p電極50、n電
極52が形成された上部に相当する絶縁膜60にエッチ
ングにより開口部を設ける。次いで、図7に示すよう
に、この絶縁膜60を介してp電極50、及びn電極5
2と電気的に接続したpパッド電極51、nパッド電極
53を形成する。pパッド電極51は実質的なp電極5
0の表面積を広げて、p電極側をワイヤーボンディング
できるようにする作用がある。nパッド電極53もn電
極のはがれを少なくして、n電極より注入できる電流を
大きくできる作用がある。
ーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨剤を用い
て、窒化物半導体を形成していない側のサファイア基板
1をラッピングし、基板の厚さを20μmとする。ラッ
ピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリシングして
基板表面を鏡面状とする。
基板側からスクライブした後、ウェーハを押し割りバー
状のレーザチップを作製する。このスクライブ方向はサ
ファイア基板のA面に相当する。
に、プラズマCVD装置を用いて、SiO2とTiO2
よりなる誘電体多層膜を形成して反射鏡を形成する。
一方の突出した基板とn型コンタクト層とを、ラッピン
グして5μmの長さに調整する。
したバー状のレーザチップを、今度はn電極52に平行
な位置で、スクライブにより分割して、矩形のレーザチ
ップを得る。
を、フェースアップ(基板とヒートシンクとが対向した
状態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイ
ヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたとこ
ろ、閾値電流密度1.5kA/cm2、閾値電圧6Vで、
発振波長405nmの連続発振が確認され、研磨した側
の共振面から出射されるレーザ光のファーフィールドパ
ターンは基板水平方向に対して上下対称の楕円形を示
し、レーザ光の反射による干渉が現れていなかった。
ように、エッチングにより形成した共振面に接近した位
置(およそ5μm)の位置で、サファイア基板の裏側を
スクライブした後、ウェーハを押し割りバー状のレーザ
チップを作製する。この工程により実施例1における第
2の工程と第3の工程とが同時に行える。
製したところ、実施例1のレーザ素子と同様に連続発振
を示し、5μmの突出部の共振面側から出るレーザ光の
ファーフィールドパターンは楕円形状を有しており、レ
ーザ光の反射による干渉が現れていなかった。
間にあたるサファイア基板を裏面からダイサーでハーフ
カットする。ハーフカット後、ウェーハを押し割りバー
状のレーザチップを作製する。後は実施例1と同様にし
て、一方の共振面の突出部を研磨して5μmに調整した
後、レーザ素子としたところ、実施例1と同様に、5μ
mの突出部の共振面から出るレーザ光のファーフィール
ドパターンは楕円形状を有していた。
リフラ面とする2インチφのサファイアを用いる他は同
様にして窒化物半導体を積層する。
うにウェーハの共振面に接近した位置(約5μm)でサ
ファイア基板側からスクライブした後、ウェーハを押し
割りバー状のレーザチップを作製する。このスクライブ
方向はサファイア基板のM面に相当する。その他は実施
例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、同様に
5μmの突出部のある共振面から出るレーザ光のファー
フィールドパターンは楕円形状であった。
方は活性層を有する窒化物半導体層の中心(つまり、レ
ーザの共振器長の半分)、もう一方は共振面に5μmの
距離で接近した位置に相当するサファイア基板の裏面側
をスクライブした後、同様に押し割ってバー状のレーザ
素子を得る。このレーザ素子の構造を示す模式的な断面
図が図6であり、共振面の一方はエッチング、もう一方
は劈開により形成されている。また反射鏡はエッチング
面にのみ形成されてエッチング面側の共振面の反射率
が、劈開面よりも高く調整されている。
製したところ、劈開面側の共振面から出射されるレーザ
光の出力は、実施例1のものに比べて1.5倍あった。
22の表面を露出させる工程と、共振面を形成する工程
とを同時に行った後、露出したn型コンタクト層の22
の表面にマスクを形成して、さらに共振面側のn型コン
タクト層をエッチングしてサファイア基板1の表面を露
出させる。このように共振面側のエッチングをサファイ
ア基板1が露出するまで行うことにより、基板劈開時に
割る箇所がサファイア基板のみとなるため、窒化物半導
体層に分割時の衝撃が伝わりにくくなる。このため窒化
物半導体結晶(n型層)に割れ、欠け等を発生しにくく
できるという利点がある。
の工程とを同時に行い共振面側のサファイア基板がレー
ザ光を遮らないようにする。このレーザ素子も同様に楕
円状のレーザビーム形状を有していた。
素子では、活性層から出射されるレーザ光の一部が、基
板が分割された後に残留するエッチング平面で反射、及
び透過されて遮られる。共振面側から出射されるレーザ
光の一部が、残留する基板、窒化物半導体等により反射
されると、出力が低下し、ビームが斜め方向に出射され
基板水平方向に対して、上下対称なファーフィールドパ
ターンが得られない。特に、半導体レーザの場合、レー
ザ光が出射される共振面の前にはレーザ光を集光する目
的でレンズが設けられる。出射光側にレーザ光を遮る他
の部材があると、例えば集光がうまく行えない可能性が
ある。しかし、本発明のレーザ素子によるとレーザ光が
水平に出射されるために、前記問題を解決でき、レーザ
光の集光が容易となる。またサファイア基板のC面上に
窒化物半導体を成長させて、M面、A面で分割するの
で、真っ直ぐに正確な位置で分割することが可能であ
る。
ーハの構造を示す模式断面図。
ーザ素子の構造を示す模式断面図。
示すブロックセル図。
ーハの構造を示す模式断面図。
ーザ素子の構造を示す模式断面図。
模式断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 サファイア基板の上に窒化物半導体層を
成長させてn型層、活性層、p型層を積層した後、エッ
チングすることにより、n型層の表面を露出させて共振
面を作製し、さらに露出した該n型層の表面にマスクを
形成して、共振面側をエッチングして、サファイア基板
を露出させる第1の工程と、 該第1の工程のエッチングにより連続してできた互いに
対向する共振面と共振面との間であって、一方のレーザ
素子の共振面と、もう一方のレーザ素子の共振面との間
を分割位置とし、共振面より突出した基板を含む部分が
共振面より出射されるレーザ光を遮らないように、該分
割位置を一方の共振面に接近した位置に設定して、サフ
ァイア基板の裏面側からスクライブしてサファイア基板
を分割する第2の工程と、 を備えることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製
造方法。 - 【請求項2】 前記第1の工程において、露出させるn
型層が、n電極を形成するn型コンタクト層であること
を特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子
の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1の工程において、サファイア基
板がC面を主面とし、前記第2の工程において、サファ
イア基板をA面若しくはM面で分割することを特徴とす
る請求項1または2に記載の窒化物半導体レーザ素子の
製造方法。
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