JP3307218B2 - 窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子の製造方法

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JP3307218B2 JP5342996A JP5342996A JP3307218B2 JP 3307218 B2 JP3307218 B2 JP 3307218B2 JP 5342996 A JP5342996 A JP 5342996A JP 5342996 A JP5342996 A JP 5342996A JP 3307218 B2 JP3307218 B2 JP 3307218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物半導体(In
AlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)
よりなるレーザ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外〜青色の領域に発光するレーザ素子
の材料として窒化物半導体が知られており、本出願人
は、最近この材料を用いてパルス電流において、室温で
の410nmのレーザ発振を発表した(例えば、Jpn.J.
Appl.Phys. Vol.35 (1996) pp.L74-76)。発表したレー
ザ素子はいわゆる電極ストライプ型のレーザ素子であ
り、活性層を含む窒化物半導体層のストライプ幅を数十
μmにして、レーザ発振させたものである。
【0003】前記レーザ素子のストライプ導波路である
活性層はエッチングにより形成されており、さらにスト
ライプ側面が大気中に露出している。そのためレーザ素
子の閾値電流は1〜2Aもある。さらに、エッチングに
よりストライプ導波路を形成すると、フォトマスクの位
置合わせも難しく、またストライプ幅を狭くすることが
困難な傾向にある。導波路の幅は閾値電流を下げるため
には狭いほど好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】410nmの短波長レ
ーザのパルス発振が確認された現在では、早急に室温で
の連続発振が望まれている。従って、本発明はこのよう
な事情を鑑みて成されたものであって、その目的とする
ところは、容易にストライプ幅の狭い活性領域が作製で
きる窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供すること
により、レーザ素子の閾値電流を下げて室温での連続発
振を目指すことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ素子の製
造方法は大きく分けて2種類の態様からなり、その第1
の態様は第1導電型を有する第1の窒化物半導体層の上
に、窒化物半導体薄膜が成長しにくい性質を有し、かつ
活性層よりも屈折率が小さい材料よりなるマスクをスト
ライプ状の開口部を有する形状で形成し、その開口部内
に、第2の窒化物半導体よりなる活性層を、活性層の側
面に前記マスクが形成されるように成長させ、前記マス
クの最上層に正電極を形成することを特徴とする。第1
の導電型を有する窒化物半導体にはAlを含むn型の窒
化物半導体を選択し、また活性層はInを含む窒化物半
導体、さらに好ましくはInを含む窒化物半導体層を少
なくとも含む多重量子井戸構造の活性層を成長させる
と、窒化物半導体層間の屈折率差が大きくなり、また出
力も大になる。
【0006】第1の態様において、活性層成長後、その
開口部内に第2導電型を有する第3の窒化物半導体を成
長させ、第3の窒化物半導体層と前記マスクの最上層と
に渡って正電極が形成されるることを特徴とする。第3
の導電型を有する窒化物半導体はAlを含むp型の窒化
物半導体とすると、活性層との屈折率差が大きくなり最
も好ましい。
【0007】また第2の態様は、第1導電型を有する第
1の窒化物半導体層の上に、第2の窒化物半導体よりな
る活性層を成長させ、さらにその活性層の上に、窒化物
半導体薄膜が成長しにくい性質を有し、かつ活性層より
も屈折率が小さい材料よりなるマスクをストライプ状の
開口部を有する形状で形成し、その開口部内に第2導電
型を有する第3の窒化物半導体として、Alを含むp型
窒化物半導体からなるp型キャップ層と、Inを含むp
型窒化物半導体層若しくはp型GaN、又は二元混晶又
は三元混晶のInGa1−XN(0≦X≦1)からな
るp型光ガイド層と、Alを含むp型窒化物半導体から
なるp型光閉じ込め層とを成長させることを特徴とす
る。この態様においても第1の導電型の窒化物半導体は
Alを含むn型の窒化物半導体を成長させ、活性層はI
nを含む窒化物半導体、さらに好ましくはInを含む窒
化物半導体層を少なくとも含む多重量子井戸構造の活性
層を成長させ、第3の導電型を有する窒化物半導体はA
lを含むp型の窒化物半導体とすると、活性層との屈折
率差が大きくなり、高出力になる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を元にして、本発明の
製造方法とその作用を詳説する。図1〜図4は、本発明
の第1の態様の製造方法において、各工程において得ら
れる窒化物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式的
な断面図である。なお、以下に示す方法は、有機金属気
相成長(MOVPE)法による成長方法を示している
が、本発明の方法はMOVPE法に限らず、例えば分子
線気相成長法(MBE)、ハライド気相成長法(HDV
PE)等、窒化物半導体を成長させるために知られてい
る方法、全てについて適用できることはいうまでもな
い。
【0009】[実施例1](第1の態様) スピネル(MgAl)111面を主面とする基板
1をMOVPE装置の反応容器内に設置した後、原料ガ
スにTMG(トリメチルガリウム)と、アンモニアを用
い、温度500℃で、基板1の表面にGaNよりなるバ
ッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る。基板1にはスピネルの他、A面、R面、C面を主面
とするサファイアも使用でき、またこの他、SiC、M
gO、GaN、Si、ZnO等の単結晶よりなる従来よ
り知られている基板が用いられる。バッファ層は基板の
種類、成長方法等によっては削除できるので、図では特
に示していない。
【0010】続いて温度を1050℃に上げ、原料ガス
にTMG、アンモニア、ドナー不純物としてSiH
(シラン)ガスを用いて、SiドープGaNよりなる
n型コンタクト層2を4μmの膜厚で成長させる。n型
コンタクト層2はInAlGa1−X−YN(0≦
X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、特にGa
N、InGaN、その中でもSiドープGaNで構成す
ることにより、キャリア濃度の高いn型層が得られ、ま
た負電極と好ましいオーミック接触が得られるので、レ
ーザ素子のしきい値電流を低下させることができる。負
電極の材料としてはAl、Ti、W、Cu、Zn、S
n、In等の金属若しくは合金が好ましいオーミックが
得られる。
【0011】次に、温度を750℃にして、原料ガスに
TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニ
ア、不純物ガスにシランガスを用い、SiドープIn0.
1Ga0.9Nよりなるクラック防止層(図示せず)を50
0オングストロームの膜厚で成長させる。クラック防止
層はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInG
aNで成長させることにより、次に成長させるAlを含
む窒化物半導体よりなるn型光閉じ込め層312を厚膜
で成長させることが可能となり、非常に好ましい。LD
の場合は、光閉じ込め層、光ガイド層となる層を、例え
ば0.1μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来
ではGaN、AlGaN層の上に直接厚膜のAlGaN
を成長させると、後から成長させたAlGaNにクラッ
クが入りやすくなるので素子作製が困難であったが、こ
のクラック防止層が、次に成長させる光閉じ込め層にク
ラックが入るのを防止することができる。クラック防止
層は100オングストローム以上、0.5μm以下の膜
厚で成長させることが好ましい。100オングストロー
ムよりも薄いと前記のようにクラック防止として作用し
にくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する
傾向にある。なお、このクラック防止層も成長方法、成
長装置等によっては省略可能であるので特に図示してい
ないが、レーザ素子を作製する上では成長させる方が好
ましい。
【0012】次に、原料ガスにTMG、TMA(トリメ
チルアルミニウム)、アンモニア、不純物ガスにシラン
ガスを用いて、Siドープn型Al0.3Ga0.7Nよりな
るn型光閉じ込め層3を0.5μmの膜厚で成長させ
る。n型光閉じ込め層3はAlを含むn型の窒化物半導
体で構成し、好ましくは二元混晶あるいは三元混晶のA
Ga1−YN(0<Y≦1)とすることにより、結
晶性の良いものが得られ、また活性層との屈折率差を大
きくしてレーザ光の縦方向の閉じ込めに有効である。こ
の層は通常0.1μm〜1μmの膜厚で成長させること
が望ましい。0.1μmよりも薄いと光閉じ込め層とし
て作用しにくく、1μmよりも厚いと、たとえ、クラッ
ク防止層の上に成長させたAlGaNでも、結晶中にク
ラックが入りやすくなり、素子作成が困難となる傾向に
ある。図1に、基板1の上に、n型光閉じ込め層3まで
成長させたウェーハの断面図を示す。本実施例では、第
1導電型を有する第1の窒化物半導体層が、このn型光
閉じ込め層3に相当する。
【0013】n型光閉じ込め層3成長後、ウェーハを反
応容器から取り出し、CVD装置に移送して、図2に示
すように、n型光閉じ込め層3の表面にSiOよりな
るマスク100を1μmの膜厚でストライプ状に形成す
る。なお、マスクの間隔は3μmとする。つまり、スト
ライプ状のマスクの間隔を3μmに設定して、n型光閉
じ込め層3が3μmのストライプ幅で露出するようにす
る。マスクに使用したSiOは窒化物半導体薄膜が成
長しにくい性質を有しており、また後に形成する活性層
よりも屈折率が小さいため、活性層の横方向の光閉じ込
めに非常に有効である。このような性質を有するマスク
として他には、例えばSiO以外の酸化ケイ素(Si
)、窒化ケイ素(Si)等を挙げることが
できる。本実施例では、マスク100をn型光閉じ込め
層3の表面に形成したが、n型コンタクト層2の表面に
形成しても良く、また後に述べるn型光ガイド層4の表
面に形成しても良い。
【0014】マスク100形成後、ウェーハを再び反応
容器に移送し、温度を1050℃にして、TMG、アン
モニア、不純物ガスにシランガスを用い、Siドープn
型GaNよりなるn型光ガイド層4を500オングスト
ロームの膜厚で成長させる。n光ガイド層4はストライ
プ状のマスクの開口部に露出されているn型光閉じ込め
層3の上には成長するが、マスク100の上には6角柱
状の結晶ができるのみであり、薄膜はほとんど成長しな
い。このn型光ガイド層4は、Inを含むn型の窒化物
半導体若しくはn型GaN、好ましくは三元混晶若しく
は二元混晶のInGa1−XN(0≦X≦1)とす
る。この層は通常100オングストローム〜1μmの膜
厚で成長させることが望ましく、特にInGaN、Ga
Nとすることにより次の活性層104を量子構造とする
ことが容易に可能になる。
【0015】次に原料ガスにTMG、TMI、アンモニ
アを用いて活性層5を成長させる。活性層5は温度を7
50℃に保持して、まずノンドープIn0.2Ga0.8Nよ
りなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させ
る。次にTMIのモル比を変化させるのみで、同一温度
で、ノンドープIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を5
0オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を1
3回繰り返し、最後に井戸層を成長させ総膜厚0.1μ
mの膜厚の多重量子井戸構造よりなる活性層5を成長さ
せる。
【0016】活性層5はInを含む窒化物半導体で構成
し、好ましくは三元混晶のInGa1−XN(0<X
<1)を含む層とすることが望ましい。三元混晶のIn
GaNは四元混晶のものに比べて結晶性が良い物が得ら
れるので、発光出力が向上する。その中でも特に好まし
くは活性層をInGa1−XNよりなる井戸層と、井
戸層よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体よりな
る障壁層とを積層した多重量子井戸構造(MQW:Mult
i-quantum-well)とする。障壁層も同様に三元混晶のI
X’Ga1−X’N(0≦X'<1、X'<X)が好まし
く、例えば井戸+障壁+井戸+・・・+障壁+井戸層
(逆でも可)となるように積層して多重量子井戸構造を
構成する。このように活性層をInGaNを積層したM
QWとすると、量子準位間発光で約365nm〜660
nm間での高出力なLDを実現することができる。さら
に、井戸層の上にInGaNよりなる障壁層を積層する
と、InGaNよりなる障壁層はGaN、AlGaN結
晶に比べて結晶が柔らかい。そのためクラッド層のAl
GaNの厚さを厚くできるのでレーザ発振が実現でき
る。さらに、InGaNとGaNとでは結晶の成長温度
が異なる。例えばMOVPE法ではInGaNは600
℃〜800℃で成長させるのに対して、GaNは800
℃より高い温度で成長させる。従って、InGaNより
なる井戸層を成長させた後、GaNよりなる障壁層を成
長させようとすれば、成長温度を上げてやる必要があ
る。成長温度を上げると、先に成長させたInGaN井
戸層が分解してしまうので結晶性の良い井戸層を得るこ
とは難しい。さらに井戸層の膜厚は数十オングストロー
ムしかなく、薄膜の井戸層が分解するとMQWを作製す
るのが困難となる。それに対し本発明では、障壁層もI
nGaNであるため、井戸層と障壁層が同一温度で成長
できる。従って、先に形成した井戸層が分解することが
ないので、結晶性の良いMQWを形成することができ
る。これはMQWの最も好ましい態様を示したものであ
るが、他に井戸層をInGaN、障壁層をGaN、Al
GaNのように井戸層よりも障壁層のバンドギャップエ
ネルギーを大きくすればどのような組成でも良い。また
活性層5を単一の井戸層のみで構成した単一量子井戸構
造としても良い。この活性層5も同様に、ストライプ幅
3μmのn型光ガイド層4の上には結晶性の良い薄膜が
成長できるが、マスク100の上にはほとんど成長しな
い。
【0017】活性層5成長後、温度を1050℃にして
TMG、TMA、アンモニア、アクセプター不純物源と
してCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)
を用い、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nよりなるp型
キャップ層を100オングストロームの膜厚で成長させ
る。このp型キャップ層は1μm以下、さらに好ましく
は10オングストローム以上、0.1μm以下の膜厚で
成長させることにより、InGaNよりなる活性層が分
解するのを防止するキャップ層としての作用があり、ま
た活性層の上にAlを含むp型窒化物半導体、好ましく
はAlGa1−YN(0<Y<1)よりなるp型キャ
ップ層を成長させることにより、発光出力が格段に向上
する。このp型キャップ層の膜厚は1μmよりも厚い
と、層自体にクラックが入りやすくなり素子作製が困難
となる傾向にある。なお、p型キャップ層も成長方法、
成長装置等によっては省略可能であるため、特に図示し
ていない。
【0018】次に温度を1050℃に保持しながら、T
MG、アンモニア、Cp2Mgを用いMgドープp型G
aNよりなるp型光ガイド層6を500オングストロー
ムの膜厚で成長させる。p型光ガイド層6も、Inを含
むp型の窒化物半導体若しくはp型GaN、好ましくは
二元混晶または三元混晶のInGa1−XN(0≦X
≦1)を成長させる。p型光ガイド層6は、通常100
オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望
ましく、特にInGaN、GaNとすることにより、次
のp型光閉じ込め層7を結晶性良く成長できる。
【0019】続いて、TMG、TMA、アンモニア、C
p2Mgを用いてMgドープAl0.3Ga0.7Nよりなる
p型光閉じ込め層7を0.5μmの膜厚で成長させる。
なお、p型光閉じ込め層7は、Alを含むp型の窒化物
半導体で構成し、好ましくは二元混晶または三元混晶の
AlGa1−aN(0<a≦1)とすることにより結
晶性の良いものが得られる。p型光閉じ込め層7はn型
光閉じ込め層3と同じく、0.1μm〜1μmの膜厚で
成長させることが望ましく、AlGaNのようなAlを
含むp型窒化物半導体とすることにより、活性層との屈
折率差を大きくして、レーザ光の縦方向の光閉じ込め層
として有効に作用する。
【0020】続いて、TMG、アンモニア、Cp2Mg
を用い、Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト
層8を、0.5μmの膜厚で成長させる。p型コンタク
ト層8はp型InAlGa1−X−YN(0≦X、
0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、特にInG
aN、GaN、その中でもMgをドープしたp型GaN
とすると、最もキャリア濃度の高いp型層が得られて、
正電極と良好なオーミック接触が得られ、しきい値電流
を低下させることができる。正電極の材料としてはN
i、Pd、Ir、Rh、Pt、Ag、Au等の比較的仕
事関数の高い金属又は合金がオーミックが得られやす
い。マスク100のストライプ状の開口部にp型コンタ
クト層8まで成長させたウェーハの断面図を図3に示
す。この図に示すように、窒化物半導体はマスク100
の開口部に露出している窒化物半導体層の上には成長す
るが、マスク100の上にはほとんど成長せず、六角柱
状の結晶が付着するのみである。
【0021】このように、マスク100の開口部をスト
ライプとすることにより、例えば5μm以下のストライ
プ幅の活性層5を含む窒化物半導体を成長させることが
できる。しかもストライプの両側には活性層よりも屈折
率が小さい材料よりなるマスク100が形成されている
ため、屈折率導波型のレーザ素子が実現できることによ
り閾値電流を下げることができる。しかも、活性層5を
含むストライプをエッチングしないで形成するので、活
性層側面にエッチングによるダメージを与えることがな
い。
【0022】以上のようにして窒化物半導体を積層した
ウェーハを反応容器から取り出した後、ウェットエッチ
ングによりマスク100の表面に付着した窒化物半導体
の結晶(六角柱状の結晶)を除去する。結晶除去後、清
浄にしたマスク100の表面と、p型コンタクト層8と
の表面に、新たな第2のマスクを形成して、SiO2よ
りなるマスク100をウェットエッチングにより一部除
去した後、反応性イオンエッチング(RIE)装置に
て、負電極を形成すべきn型コンタクト層2の平面を露
出させる。次に最上層のp型コンタクト層8とマスク1
00とに渡る最上層のほぼ全面に正電極20を形成し、
露出させたn型コンタクト層2には、活性層の発振領域
に平行、つまりストライプに平行な、ストライプ状の負
電極21を形成する。
【0023】電極形成後、ウェーハを研磨装置に移送
し、基板を80μmの厚さになるまで研磨して薄くした
後、負電極21に垂直な方向でウェーハを劈開して共振
面を作製する。共振面となる劈開面に誘電体多層膜より
なる反射鏡をスパッタリング装置を用いて形成して共振
器を作製する。さらにストライプ状の負電極21に平行
な方向でウェーハをダイシングして、共振器長500μ
mのレーザチップとする。図4はこのレーザチップの構
造を示す断面図である。以上のようにして得られたチッ
プをヒートシンクに設置してレーザ素子としたところ、
しきい値電流が直流0.1Aで、410nmの連続発振
を示した。
【0024】[実施例2](第2の態様) 図5〜図8も本発明の方法において得られる窒化物半導
体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図であり、第
2の態様はこれらの図を用いて説明する。
【0025】図5に示すように、実施例1と同様にして
基板1の上に、バッファ層、n型コンタクト層2、クラ
ック防止層、n型光閉じ込め層3を積層した後、マスク
を形成せず、光閉じ込め層3の上に、続いてn型光ガイ
ド層4、活性層5までを成長させる。
【0026】活性層5成長後、ウェーハを反応容器から
取り出し、活性層5の上に実施例1と同様にして、Si
O2よりなるマスク100を0.5μmの膜厚で、3μ
mのストライプ幅が露出するように形成する。図6にそ
の断面図を示す。なお第2の態様では、マスク100は
活性層6に接して形成することが好ましいが、活性層の
上であれば、後に述べるp型キャップ層、若しくはp型
光ガイド層6の表面に形成してもよい。
【0027】マスク100形成後、再度ウェーハを反応
容器に移送し、前述の3μmのストライブの内部に、実
施例1と同様にしてp型キャップ層、p型光ガイド層
6、p型光閉じ込め層7、およびp型コンタクト層8を
成長させる。図7はこの工程終了後の構造を示してい
る。このように活性層5の上にマスク100を形成した
後選択成長することにより、p型光閉じ込め層7、p型
コンタクト層8とがリッジ型の形状となるため、実質的
に屈折率導波型のレーザ素子ができるので、閾値電流を
低下させることができる。またマスク100が絶縁体で
もあるので、電流狭窄層ともなる。
【0028】以上のようにして窒化物半導体を成長した
ウェーハを実施例1と同様にして、負電極を形成すべき
n型コンタクト層を露出させ、正電極20、負電極21
を設けたレーザ素子としたところ、実施例1とほぼ同等
の特性を示した。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
ると、ストライプ幅の狭い活性層を容易に形成できる。
またストライプ状の活性層の共振方向の側面には活性層
よりも屈折率が小さいマスクが形成されているため、横
方向の光閉じ込めができるため単一モードのレーザ光が
得られやすい。従ってレーザの閾値電流が低下するので
常温での連続発振が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図2】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図3】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図4】 本発明の方法により得られたレーザ素子の構
造を示す模式断面図。
【図5】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図6】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図7】 本発明の方法の一工程において得られる窒化
物半導体ウェーハの主要部の構造を示す模式断面図。
【図8】 本発明の方法により得られたレーザ素子の構
造を示す模式断面図。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・n型コンタクト層 3・・・n型光閉じ込め層 4・・・n型光ガイド層 5・・・活性層 6・・・p型光ガイド層 7・・・p型光閉じ込め層 8・・・p型コンタクト層 20・・・正電極 21・・・負電極 100・・・マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−18159(JP,A) 特開 平5−21904(JP,A) 特開 平7−283482(JP,A) 特開 平6−275906(JP,A) 特開 平8−316582(JP,A) 特開 平2−219090(JP,A) 特開 平9−55536(JP,A) 特開 平7−30195(JP,A) 特開 平7−263792(JP,A) 特開 平4−111487(JP,A) 特開 平1−292878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01L 33/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型を有する第1の窒化物半導体
    層の上に、窒化物半導体薄膜が成長しにくい性質を有
    し、かつ活性層よりも屈折率が小さい材料よりなるマス
    クをストライプ状の開口部を有する形状で形成し、その
    開口部内に、第2の窒化物半導体よりなる活性層を、活
    性層の側面に前記マスクが形成されるように成長させ、
    前記マスクの最上層に正電極を形成することを特徴とす
    る窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記活性層成長後、その開口部内に第2
    導電型を有する第3の窒化物半導体を成長させ、該第3
    の窒化物半導体層と前記マスクの最上層とに渡って正電
    極が形成されることを特徴とする請求項1に記載の窒化
    物半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1導電型を有する第1の窒化物半導体
    層の上に、第2の窒化物半導体よりなる活性層を成長さ
    せ、さらにその活性層の上に、窒化物半導体薄膜が成長
    しにくい性質を有し、かつ活性層よりも屈折率が小さい
    材料よりなるマスクをストライプ状の開口部を有する形
    状で形成し、その開口部内に第2導電型を有する第3の
    窒化物半導体として、Alを含むp型窒化物半導体から
    なるp型キャップ層と、Inを含むp型窒化物半導体層
    若しくはp型GaN、又は二元混晶又は三元混晶のIn
    Ga1−XN(0≦X≦1)からなるp型光ガイド層
    と、Alを含むp型窒化物半導体からなるp型光閉じ込
    め層とを成長させることを特徴とする窒化物半導体レー
    ザ素子の製造方法。
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