JP4321295B2 - 窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなるレーザ素子の製造方法に係り、特に少なくとも一方の共振面がエッチングにより形成されたレーザ素子の製造方法に関する。
一般に化合物半導体よりなるレーザ素子には、活性層の発光を半導体層内部で共振させるための共振面が必要である。現在実用化されている赤外、赤色等の長波長発光半導体レーザは、例えばGaAlAs、GaAlAsP、GaAlInP等の材料よりなり、これらの材料は例えばGaAs基板の上に成長される。GaAsは材料自体に劈開性があるので、前記長波長半導体レーザの共振面はこのGaAs基板の劈開性を利用した劈開面とされることが多い。
一方、窒化物半導体は例えばサファイア(Al23)のような劈開性がほとんどない基板の上に成長されることが多いため、基板を劈開して、窒化物半導体の劈開面を共振面とすることは難しい。一方、エッチングにより窒化物半導体の共振面を形成する方法もあるが、エッチングにより共振面を形成した後、基板をダイシング、スクライビング等で分割すると、共振面から突出した基板の平面が出射光を反射、及び透過させるため、出射レーザ光のビーム出射方向が、基板水平面に対して斜めになってしまうという問題がある。つまりレーザ光のファーフィールドパターンが乱されてしまい、例えば楕円形状のレーザビームが得られない。ファーフィールドパターンが乱れると、レーザ光とレンズとの結合が難しくなり、光源として使いにくい。
従って、本発明の目的とするところは、劈開の難しいサファイア基板の上に成長された窒化物半導体に共振面が形成されて、楕円状のファーフィールドパターン形状を有するレーザビームが得られるレーザ素子の製造方法を提供することにある。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、C面を主面とするサファイア基板の上に窒化物半導体層を成長させてn型層、活性層、p型層を窒化物半導体層の総膜厚6μm以上で積層する第1の工程と、該p型層にリッジを形成する第2の工程と、窒化物半導体層をエッチングすることにより、n型層の表面を露出させて共振面を作製する第3の工程と、露出したn型層の共振面側を表面に所定の形状のマスクを形成してエッチングすることにより、共振面から突出した部分のサファイア基板のC面を露出させる第4の工程と、基板の厚さを100μm以下に研磨した後、前記工程のエッチングにより連続してできた互いに対向する共振面と共振面との間であって、一方のレーザ素子の共振面と、もう一方のレーザ素子の共振面との間を分割位置とし、該分割位置をサファイア基板の裏面側からサファイア基板をA面若しくはM面で一方の共振面に接近した位置にて分割する第5の工程とを備える。共振面と共振面との間で基板を分割する第5の工程はサファイア基板の劈開工程であることが好ましい。またこの方法では、分割と同時に、エッチングによりできた共振面より突出した基板を含む部分が、共振面より出射されるレーザ光を遮らないようにする。
さらに本発明の他の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、第3の工程において露出させるn型層が、n電極を形成するn型コンタクト層である。
さらに本発明の他の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、一方の共振面に接近した位置は、該共振面からの距離が5μmの位置である。
さらにまた本発明の他の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、第5の工程において、サファイア基板を分割する工程がサファイア基板の裏面側からスクライブして分割するものとできる
共振面から突出した部分を有するレーザ素子では、活性層から出射されるレーザ光の一部が、基板が分割された後に残留するエッチング平面で反射、及び透過されて遮られる。共振面側から出射されるレーザ光の一部が、残留する基板、窒化物半導体等により反射されると、出力が低下し、ビームが斜め方向に出射され基板水平方向に対して、上下対称なファーフィールドパターンが得られない。特に、半導体レーザの場合、レーザ光が出射される共振面の前にはレーザ光を集光する目的でレンズが設けられる。出射光側にレーザ光を遮る他の部材があると、例えば集光がうまく行えない可能性がある。しかし、本発明のレーザ素子によるとレーザ光が水平に出射されるために、前記問題を解決でき、レーザ光の集光が容易となる。またサファイア基板のC面上に窒化物半導体を成長させて、M面、A面で分割するので、真っ直ぐに正確な位置で分割することが可能である。
本発明の第1の工程では、窒化物半導体をエッチングして、活性層のエッチング端面に共振面を形成する。エッチング端面は基板に対してほぼ垂直となるようにすることが望ましい。エッチング手段としては、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、イオンミリング等のドライエッチング手段を好ましく用いることができ、エッチングガスを適宜選択することにより、エッチングレートを制御して、エッチング端面が平滑で、互いにほぼ平行な共振面を作製できる。図1は本発明の第1の工程による窒化物半導体ウェーハの構造を示す模式的な断面図であり、1はC面を主面とするサファイア基板、2はn型窒化物半導体層(以下、n型層という。)、3は活性層、4はp型窒化物半導体層(以下、p型層という。)を示している。この図はC面を主面とするサファイア基板1の上に窒化物半導体層を積層したウェーハをレーザの共振方向に平行な方向で切断した際の構造を示す模式図である。
このように第1の工程において、窒化物半導体をエッチングすることにより活性層の端面に共振面が形成できる。なお、共振面とは活性層の端面に形成するレーザ光を共振させるための面を指す。図1に示すように、エッチングにより共振面を形成すると、窒化物半導体層のエッチング端面と連続したn型層の表面が露出され、一方のレーザ素子の共振面と、もう一方のレーザ素子の共振面とが互いに対向した構造となる。つまり、エッチングにより、互いに対向する共振面と共振面とが連続してできる。
次に本発明の第2の工程では、このように連続して形成された対向する共振面と共振面との間にある、サファイア基板をA面若しくはM面で分割する。図1ではサファイア基板1の分割位置を一点鎖線でもって示している。図3はサファイア、および窒化物半導体の結晶構造を示すブロックセル図である。このように、サファイア、及び窒化物半導体結晶は六方晶系で近似できる。C面とはこの図で示す(0001)面に相当する面方位を指し、A面とは
外1
Figure 0004321295
面に相当する面方位を指し、M面とは
外2
Figure 0004321295
面に相当する面方位を指す。
A面、M面ともそれぞれ六角柱の辺、あるいは頂点に沿ってそれぞれ6種類の面方位で示すことができるが、いずれも同じ面方位を示しているため、(外1)面、(外2)面がそれぞれの面方位を代表して示しているものとする。
窒化物半導体が成長されたサファイア基板を分割する手段には、例えば基板裏面をスクライビングして割る手段、同じく基板裏面をダイシングでハーフカットして割る手段、あるいはダイシングでフルカットする手段等があるが、何らかの手段で基板表面、裏面にカットラインを設けて基板を割る、即ち、基板を劈開して分割する手段を選択することが好ましい。なぜなら、サファイアはダイヤモンドと同じくらいに硬い物質であるので、フルカットすると長時間を要し、さらに切断面にある窒化物半導体層に割れ、欠け等の欠陥が生じやすい傾向にあるからである。さらにサファイアをA面若しくはM面で割ると、劈開性がないといわれているサファイアでも、劈開したのと同様に正確な位置でまっすぐに割れやすい。このようにサファイアをA面若しくはM面で分割する際、基板の厚さを100μm以下に調整することが望ましい。100μmよりも厚いと劈開により正確な位置で分割するのが難しい傾向にある。好ましくは窒化物半導体層の総膜厚を6μm以上積層するか、または基板の上に成長させるn型コンタクト層を6μm以上積層して、基板の厚さを60μm以下まで薄くすると、レーザ素子では放熱性が良くなり長寿命となり、さらに劈開でも正確な位置で割りやすくなるという利点がある。
図4は窒化物半導体ウェーハの平面図であり、具体的にはサファイアC面上に窒化物半導体を積層して、エッチングにより共振面を形成した後、窒化物半導体層側から見たウェーハの形状を模式的に示す図である。図4に示すようにサファイアC面を主面とし、A面若しくはM面をオリフラ(オリエンテーションフラット)面とした基板では、図4の一点鎖線で示すように、オリフラ面に対して垂直な位置で基板を分割すれば、基板のA面若しくはM面でバー状のレーザ素子が得られる。そのため、エッチングにより共振面を形成する場合には、レーザの共振方向がオリフラ面に対して平行となるように、予め素子形状を設計する必要があることは言うまでもない。
次に本発明の製造方法の第3の工程では、共振面より突出した基板を含む部分が、共振面より出射されるレーザ光を遮らないようにすることを特徴としている。エッチングにより共振面を形成した場合、前にも説明したように、共振面と共振面との間で平面が現れる。通常はその平面部で分割するのであるが、平面部で分割すると共振面よりも外側に突出した部分が残る。図2は窒化物半導体レーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に平行な方向で素子を切断した際の図を示している。図1の一点鎖線で示すような位置で素子を分割した場合、図2のB方向に示すように突出部の平面がレーザ光を反射させて、ファーフィールドパターンを乱す。第3の工程では少なくとも一方の共振面より突出した基板を含む部分がA方向のようにレーザ光を遮らないようにするのである。そのための手段としては、例えば第1に、図1の一点鎖線で示すように、いずれか一方の分割位置を共振面に接近した位置に設定しておき、基板の分割と同時に、突出部がレーザ光を遮らないようにする手段がある。そのためには、基板を劈開することが最も好ましい。また第2に分割後に基板より突出した部分をエッチング、若しくは研磨により除去する手段がある。エッチングにはウエットエッチング、ドライエッチングの両方があるが、いずれを用いても良い。ウェットエッチングでは例えばリン酸、硫酸の混酸によるエッチング、ドライエッチングは上記したように、RIE等によるエッチングがある。
なお、本発明の第3の工程では共振面の少なくとも一方のレーザ光が、突出部に遮られないようにされていればよく、必ずしも両方ではない。例えば図2に示すように、一方の共振面側に突出部があっても、その突出部をレーザ光の取出側として用いず、単にフォトディテクターの検出側として用いる場合には、ファーフィールドパターン形状は特に問われない。
また、図5は本発明の第1の工程による窒化物半導体ウェーハの構造を示す模式的な断面図であり、図6は図5のウェーハを一点鎖線で分割した際のレーザ素子の構造を示す模式的な断面図である。図5、6は本発明の製造方法に係る他の態様を示しており、図1、2と同一符号は同一部材を示すものとする。
図5が図1のウェーハと異なる点は、共振面の一方の分割位置を活性層が含まれる窒化物半導体層側としているところにある。このように一方の分割位置をエッチングにより露出した窒化物半導体層の平面とし、もう一方の分割位置を活性層が含まれる窒化物半導体層とすると、互いの共振面でそれぞれ反射率が異なり、反射率の小さい方の共振面側をレーザ光の取出側とすると、非常に高出力なレーザ素子が得られる。この場合、活性層が含まれる窒化物半導体を分割する場合、劈開で分割する必要がある。劈開により分割すると窒化物半導体層の活性層の端面には窒化物半導体の劈開による反射率の低い共振面が作製できる。
以下、図面を元に本発明の実施例について説明する。図7は本発明の方法によるレーザ素子の構造を示す模式的な断面図である。
[実施例1]
1) 厚さ300μm、2インチφのC面を主面とし、オリフラ面をM面とするサファイア基板1の上に
2) GaNよりなるバッファ層21を200オングストローム
3) Siドープn型GaNよりなるコンタクト層22を6μm
4) Siドープn型In0.1Ga0.9Nよりなるクラック防止層23を500オングストローム
5) Siドープn型Al0.2Ga0.8Nよりなるn型クラッド層24を0.5μm
6) SiドープGaNよりなるn型光ガイド層25を0.2μm(以上、n型層2)
7) SiドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オングストロームと、SiドープIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を50オングストロームと3ペア積層して最後に井戸層を積層した活性層3(活性層総厚、250オングストローム)
8) Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nよりなるp型キャップ層41を300オングストローム、
9) Mgドープp型GaNよりなるp型光ガイド層42を0.2μm
10) Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nよりなるp型クラッド層43を0.5μm
11) Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト層44を0.2μm(以上、p型層4)
の膜厚で順に積層する。
2) バッファ層21はAlN、GaN、AlGaN等を900℃以下の温度で成長させ、膜厚10オングストローム〜0.5μm以下、さらに好ましくは20オングストローム〜0.2μm以下の膜厚で成長できる。
3) n型コンタクト層22はInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、さらに好ましくはY値が0.5以下のAlYGa1-YNで構成することが好ましく、その中でもSi若しくはGeをドープしたGaNで構成することにより、キャリア濃度の高いn型層が得られ、またn電極と好ましいオーミック接触が得られる。この層は6μm以上で成長させ、さらに好ましくは7μm以上の膜厚で成長させることによりサファイア基板を60μm以下まで研磨できて、基板を劈開で割りやすくすると共に、レーザ素子の放熱性を向上させる作用がある。
4) クラック防止層23はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させることにより、次に成長させるAlを含むn型クラッド層を厚膜で成長させることが可能となり、非常に好ましい。LDの場合は、光閉じ込め層となる層を、好ましくは0.1μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来ではGaN、AlGaN層の上に直接、厚膜のAlGaNを成長させると、後から成長させたAlGaNにクラックが入るので素子作製が困難であったが、このクラック防止層が、次に成長させるAlを含むn型クラッド層にクラックが入るのを防止することができる。クラック防止層は100オングストローム以上、0.5μm以下の膜厚で成長させることが好ましい。100オングストロームよりも薄いと前記のようにクラック防止として作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層は成長方法、成長装置等の条件によっては省略することもできるがLDを作製する場合には成長させる方が望ましい。なお、このクラック防止層はn型コンタクト層内に成長させても良い。
5) n型クラッド層24はキャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させることが望ましく、100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させることにより、結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成できる。
6) n型光ガイド層25は、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、InGaNを成長させることが望ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。
7) 活性層3は膜厚70オングストローム以下のInを含む窒化物半導体よりなる井戸層と、膜厚150オングストローム以下の井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きい窒化物半導体よりなる障壁層とを積層した多重量子井戸構造とするとレーザ発振しやすい。
8) キャップ層41はp型としたが、膜厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャリアが補償されたi型としても良く、最も好ましくはp型とする。p型キャップ層の膜厚は0.1μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以下、最も好ましくは300オングストローム以下に調整する。0.1μmより厚い膜厚で成長させると、p型キャップ層中にクラックが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長しにくいからである。またキャリアがこのエネルギーバリアをトンネル効果により通過できなくなる。Alの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa1-YNであれば500オングストローム以下に調整することが望ましい。p型キャップ層18の膜厚の下限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜厚で形成することが望ましい。
9) p型光ガイド層42は、n型光ガイド層と同じくGaN、InGaNで成長させることが望ましい。また、この層はp型クラッド層を成長させる際のバッファ層としても作用し、100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることにより、好ましい光ガイド層として作用する。
10) p型クラッド層43はn型クラッド層と同じく、キャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させることが望ましく、100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させることにより、結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成できる。さらに前記のようにこの層をAlを含む窒化物半導体層とすることにより、p型コンタクト層と、p電極との接触抵抗差ができるので好ましい。
本実施例のようにInGaNよりなる井戸層を有する量子構造の活性層の場合、その活性層に接して、膜厚0.1μm以下のAlを含む窒化物半導体よりなるp型キャップ層を設け、そのp型キャップ層よりも活性層から離れた位置に、p型キャップ層よりもバッドギャップエネルギーが小さいp型光ガイド層を設け、そのp型光ガイド層よりも活性層から離れた位置に、p型光ガイド層よりもバンドギャップが大きいAlを含む窒化物半導体よりなるp型クラッド層を設けることは非常に好ましい。しかもp型キャップ層の膜厚を0.1μm以下と薄く設定してあるため、キャリアのバリアとして作用することはなく、p層から注入された正孔が、トンネル効果によりp型キャップ層を通り抜けることができて、活性層で効率よく再結合し、LDの出力が向上する。つまり、注入されたキャリアは、p型キャップ層のバンドギャップエネルギーが大きいため、半導体素子の温度が上昇しても、あるいは注入電流密度が増えても、キャリアは活性層をオーバーフローせず、p型キャップ層で阻止されるため、キャリアが活性層に貯まり、効率よく発光することが可能となる。従って、半導体素子が温度上昇しても発光効率が低下することが少ないので、閾値電流の低いLDを実現することができる。
11) p型コンタクト層44はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極50と最も好ましいオーミック接触が得られる。
以上の構成でサファイア基板1の上にn型層2、活性層3、p型層4よりなる窒化物半導体層を積層後、窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、アニーリングを行い、p型層中に含まれる水素の一部を除去し、p型層をさらに低抵抗化する。
次に、最上層のp型コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置で、図7に示すように、最上層のp型コンタクト層21と、p型クラッド層20とをメサエッチングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状とする。
リッジ形成後、露出しているp型層の平面にマスクを形成し、ストライプ状のリッジに対して左右対称にして、n型コンタクト層22の平面を露出させると同時に、ストライプ状のリッジに対してほぼ垂直な位置に共振面を形成する。共振面形成後のウェーハの構造を示す図が図1である。なお、マスクの形状は図4に示すように、エッチング後に露出する凸部の窒化物半導体のストライプ方向がオリフラ面に対して平行となるようにする。また、n電極52を形成すべきn型コンタクト層22をリッジストライプに対して左右対称に露出させると同時に共振面を形成することにより、n層から注入される電流が活性層に対して均一に係るようになり、閾値が低下する。
次に、リッジ最上部のp型コンタクト層44に、NiとAuよりなるオーミック用のp電極50をほぼ全面に形成する。一方、TiとAlよりなるオーミック用のn電極52をストライプ状のn型コンタクト層のほぼ全面に形成する。なお、ほぼ全面とは80%以上の面積をいう。このようにn電極も全面に形成し、さらにリッジに対して左右対称に形成することにより閾値が低下する。
次に、電極形成後、電極側の窒化物半導体層、及びp電極50、n電極52全面に渡って、SiO2よりなる絶縁膜60を形成した後、p電極50、n電極52が形成された上部に相当する絶縁膜60にエッチングにより開口部を設ける。次いで、図7に示すように、この絶縁膜60を介してp電極50、及びn電極52と電気的に接続したpパッド電極51、nパッド電極53を形成する。pパッド電極51は実質的なp電極50の表面積を広げて、p電極側をワイヤーボンディングできるようにする作用がある。nパッド電極53もn電極のはがれを少なくして、n電極より注入できる電流を大きくできる作用がある。
以上のようにして、両電極を形成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファイア基板1をラッピングし、基板の厚さを20μmとする。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリシングして基板表面を鏡面状とする。
(第2の工程)
次に、ウェーハの共振面と共振面との中間をサファイア基板側からスクライブした後、ウェーハを押し割りバー状のレーザチップを作製する。このスクライブ方向はサファイア基板のA面に相当する。
さらに、バー状のレーザチップの両共振面に、プラズマCVD装置を用いて、SiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形成して反射鏡を形成する。
(第3の工程)
反射鏡形成後、バー状のレーザチップの共振面側にある一方の突出した基板とn型コンタクト層とを、ラッピングして5μmの長さに調整する。
以上のようにして、研磨して突出部を除去したバー状のレーザチップを、今度はn電極52に平行な位置で、スクライブにより分割して、矩形のレーザチップを得る。
以上のようにして得られたレーザチップを、フェースアップ(基板とヒートシンクとが対向した状態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、閾値電流密度1.5kA/cm2、閾値電圧6Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、研磨した側の共振面から出射されるレーザ光のファーフィールドパターンは基板水平方向に対して上下対称の楕円形を示し、レーザ光の反射による干渉が現れていなかった。
[実施例2]
実施例1の第2の工程において、図1の一点鎖線に示すように、エッチングにより形成した共振面に接近した位置(およそ5μm)の位置で、サファイア基板の裏側をスクライブした後、ウェーハを押し割りバー状のレーザチップを作製する。この工程により実施例1における第2の工程と第3の工程とが同時に行える。
後は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、実施例1のレーザ素子と同様に連続発振を示し、5μmの突出部の共振面側から出るレーザ光のファーフィールドパターンは楕円形状を有しており、レーザ光の反射による干渉が現れていなかった。
[実施例3]
実施例1の第2の工程において、共振面と共振面との中間にあたるサファイア基板を裏面からダイサーでハーフカットする。ハーフカット後、ウェーハを押し割りバー状のレーザチップを作製する。後は実施例1と同様にして、一方の共振面の突出部を研磨して5μmに調整した後、レーザ素子としたところ、実施例1と同様に、5μmの突出部の共振面から出るレーザ光のファーフィールドパターンは楕円形状を有していた。
[実施例4]
実施例1において、基板1にC面を主面とし、A面をオリフラ面とする2インチφのサファイアを用いる他は同様にして窒化物半導体を積層する。
さらに第2の工程において、図1に示すようにウェーハの共振面に接近した位置(約5μm)でサファイア基板側からスクライブした後、ウェーハを押し割りバー状のレーザチップを作製する。このスクライブ方向はサファイア基板のM面に相当する。その他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、同様に5μmの突出部のある共振面から出るレーザ光のファーフィールドパターンは楕円形状であった。
[実施例5]
実施例1の第2の工程において、図5に示すように、一方は活性層を有する窒化物半導体層の中心(つまり、レーザの共振器長の半分)、もう一方は共振面に5μmの距離で接近した位置に相当するサファイア基板の裏面側をスクライブした後、同様に押し割ってバー状のレーザ素子を得る。このレーザ素子の構造を示す模式的な断面図が図6であり、共振面の一方はエッチング、もう一方は劈開により形成されている。また反射鏡はエッチング面にのみ形成されてエッチング面側の共振面の反射率が、劈開面よりも高く調整されている。
後は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、劈開面側の共振面から出射されるレーザ光の出力は、実施例1のものに比べて1.5倍あった。
[実施例6]
実施例1において、エッチングによりn型コンタクト層22の表面を露出させる工程と、共振面を形成する工程とを同時に行った後、露出したn型コンタクト層の22の表面にマスクを形成して、さらに共振面側のn型コンタクト層をエッチングしてサファイア基板1の表面を露出させる。このように共振面側のエッチングをサファイア基板1が露出するまで行うことにより、基板劈開時に割る箇所がサファイア基板のみとなるため、窒化物半導体層に分割時の衝撃が伝わりにくくなる。このため窒化物半導体結晶(n型層)に割れ、欠け等を発生しにくくできるという利点がある。
後は実施例2と同様に、第2の工程と第3の工程とを同時に行い共振面側のサファイア基板がレーザ光を遮らないようにする。このレーザ素子も同様に楕円状のレーザビーム形状を有していた。
本発明の第1の工程による窒化物半導体ウェーハの構造を示す模式断面図。 図1の一点鎖線でウェーハを分割した際のレーザ素子の構造を示す模式断面図。 サファイア、及び窒化物半導体の結晶構造を示すブロックセル図。 窒化物半導体ウェーハの平面図。 本発明の第1の工程による窒化物半導体ウェーハの構造を示す模式断面図。 図5の一点鎖線でウェーハを分割した際のレーザ素子の構造を示す模式断面図。 本発明の方法によるレーザ素子の構造を示す模式断面図。
1・・・サファイア基板
2・・・n型層
3・・・活性層
4・・・p型層
21・・・バッファ層
22・・・n型コンタクト層
23・・・クラック防止層
24・・・n型クラッド層
25・・・n型光ガイド層
41・・・キャップ層
42・・・p型光ガイド層
43・・・p型クラッド層
44・・・p型コンタクト層
50・・・p電極
51・・・pパッド電極
52・・・n電極
53・・・nパッド電極
60・・・絶縁膜

Claims (4)

  1. C面を主面とするサファイア基板の上に窒化物半導体層を成長させてn型層、活性層、p型層を窒化物半導体層の総膜厚6μm以上で積層する第1の工程と、該p型層にリッジを形成する第2の工程と、前記窒化物半導体層をエッチングすることにより、前記n型層の表面を露出させて共振面を作製する第3の工程と、前記露出したn型層の共振面側を表面に所定の形状のマスクを形成してエッチングすることにより、共振面から突出した部分のサファイア基板のC面を露出させる第4の工程と、
    基板の厚さを100μm以下に研磨した後、前記工程のエッチングにより連続してできた互いに対向する共振面と共振面との間であって、一方のレーザ素子の共振面と、もう一方のレーザ素子の共振面との間を分割位置とし、該分割位置をサファイア基板の裏面側からサファイア基板をA面若しくはM面で一方の共振面に接近した位置にて分割する第5の工程と、
    を備えることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、露出させるn型層が、n電極を形成するn型コンタクト層であることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記一方の共振面に接近した位置は、該共振面からの距離が5μmの位置であることを特徴とする請求項記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記第5の工程において、サファイア基板を分割する工程がサファイア基板の裏面側からスクライブして分割するものであることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
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