JP3527640B2 - 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属 - Google Patents
高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属Info
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Description
耐熱鋼用溶接金属に関し、特に、高温におけるクリープ
強度と靱性に優れた溶接金属に関するものである。
管等に用いられる材料としては、従来からフェライト系
耐熱鋼であるCr−Mo鋼が使用されており、溶接材料
としても同鋼種用のものが適用されてきたが、近年、こ
れらの材料分野における高温・高強度化に対する要求は
一段と高まってきている。これは、省エネルギーの観点
から発電効率の向上を狙いとしており、またCO2 排出
量の削減を考慮した動きとも言える。なお、高い高温強
度を有する材料としてオーステナイト系ステンレス鋼も
挙げられるが、熱膨張率や熱伝導度、応力腐食割れ等の
点で劣っているため、高Crフェライト系耐熱鋼の採用
が不可欠であり、且つ更なる性能向上に対する要求も強
い。
温強度を高めると靱性は低下する傾向がある。そのた
め、高温強度(クリープ強度)と靱性の両立を目的とし
てこれまで多くの溶接材料が提案されている。例えば特
開平5−161993号には、9%Cr低合金鋼用被覆
アーク溶接棒として、溶接材料中に含まれる元素(C,
Mn,Si,Cr,Mo,Ni,N,V,Nbなど)の
種類と量を規制し、高温強度と靱性の向上を図る技術が
開示されている。また特開平7−268562号にも、
9〜12%Cr鋼用被覆アーク溶接棒として、溶接材料
中の成分を規制して高温強度、靱性および耐溶接割れ性
の向上を図る技術を開示している。
フェライト系耐熱鋼用溶接金属に求められている高レベ
ルの靱性と高温強度を十分満足し得るものとは言えな
い。
後の応力緩和処理条件)に大きく依存し、また高温強度
は使用温度と負荷応力に大きく影響を受ける。そのため
実用化に当たっては、安全性を考慮してより高性能の溶
接金属が求められている。
情に着目してなされたものであって、その目的は、高温
におけるクリープ強度と靱性の共に優れた高Crフェラ
イト系耐熱鋼用溶接金属を提供することにある。
のできた本発明に係る高Crフェライト系耐熱鋼用溶接
金属の構成は、アーク溶接法により形成される高Cr系
溶接金属であって、 C:0.04〜0.14% Si:0.05〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Ni:0.3〜1.5% Cr:7.0〜13.0% Mo:0.05〜1.5% V:0.01〜0.40%以下 Nb:0.02〜0.30% N:0.02〜0.10% を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、溶接
後の応力緩和処理後の溶接金属中に析出しているNaC
l型炭窒化物中のVに対するNbの含有比[Nb]/
[V]が0.15以上であるところに要旨が存在する。
の元素として、必要に応じてTi:0.05%以下( 0
%を含まない) 、W:2.5%以下( 0%を含まない)
またはCo:2.0%以下(0%を含まない) を含有さ
せることによって、高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金
属としての性能を一段と高めることができる。
で様々の角度から研究を重ねた結果、SR後の溶接金属
中に析出するNaCl型炭窒化物の組成を適正にコント
ロールしてやれば、優れた靱性と高温強度を兼ね備えた
高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属が得られることを
知り、上記本発明に想到した。
作用効果を詳細に説明する。本発明者等は、まず靱性を
支配する因子について検討したところ、靱性はSR後の
溶接金属の耐力に大きく依存すること、そして耐力は、
SR時に微細に析出するNaCl型炭窒化物の析出量と
形態に大きく依存していることを見出した。
型の構造(形態)を持つ炭窒化物をいう。即ち溶接金属
中には、これ以外にM23C6 や酸化物が存在するが、本
発明者らの研究によると、SR処理後の溶接金属の耐力
に最も影響を及ぼすのはNaCl型炭窒化物であること
が明らかとなった。またNaCl型と他の型との区別
は、電子線回折法によって確認できる。
炭窒化物の粒成長に大きく依存し、高靱性で且つ高強度
の溶接金属を得るには、炭窒化物の粒成長を抑制すれば
良い、との結論に達した。
制する方法について検討を進めた。その結果、炭窒化物
の粒成長は炭窒化物中のNb量によって著しく変わり、
更には、Ti量にも影響されることを知った。即ち従
来、炭窒化物は通常V主体で構成されているが、炭窒化
物中のNb量が多くなるにつれ炭窒化物の粒成長が大幅
に抑えられ、高温強度が改善されること、そしてこうし
た傾向は、Tiについても同様に現れることをつきとめ
た。
炭窒化物を得る方法について検討したところ、炭窒化物
は溶接後のSR時に析出し、溶接後にマトリックス中に
固溶しているVとNbとの割合によって炭窒化物中のN
b割合が変化すること、そして固溶Vに対する固溶Nb
が多くなるにつれて、SR後に析出する炭窒化物中のN
bの割合が高くなり、炭窒化物中におけるVに対するN
bの含有比[Nb]/[V]が、0.15以上となる
と、炭窒化物の粒成長が抑制され、高温強度が大幅に改
善されることを見出したのである。またTiについて
は、溶接金属中に0.001%程度以上含有させること
により、高温強度が大幅に改善されることをつきとめ
た。
対するNb固溶量を多くして、炭窒化物中の[Nb]/
[V]を高めることは困難であったが、鋭意研究した結
果、Nbをフラックスから供給するのではなく溶接ワイ
ヤの心線に含有させて供給し、しかもフラックスの被覆
率を低めに設定してやれば、溶接金属中の固溶Nb量を
増大することができ、炭窒化物中のNb割合を高め得る
ことが確認された。
にも記載されている様に、従来の心線中に含まれるNb
量は0.001〜0.14%程度であり、溶接金属中の
Nb量を増加するには、フラックスから不足分のNbを
添加するのが一般的であり、また被覆率は、通常25〜
35%の範囲が採用されている。ところが、心線中のN
b量を0.15以上に高め、且つ被覆率を20〜25%
にすれば、溶接金属中の固溶Nb量が確保され、SR後
に析出する炭窒化物中の[Nb]/[V]を0.15以
上とすることができ、高温強度を大幅に改善できるので
ある。以下、本発明における溶接金属中の成分の限定理
由について説明する。
の強度を向上させる他、靱性低下の原因となるδ−フェ
ライトを抑制する作用も有している。こうした作用を有
効に発揮させるには0.04%以上、より好ましくは
0.07%以上含有させなければならないが、0.14
%を超えると耐力の上昇により靱性および耐割れ性が劣
化してくる。従って溶接金属中のC含有量は、0.04
〜0.14%の範囲にしなければならない。C含有量の
好ましい上限は0.10%である。
金属中の酸素量をコントロールするのに有効な元素であ
る。溶接金属中のSi量が0.05%未満ではその効果
が有効に発揮されず、一方、Si量が0.5%を超える
と、強度が高くなり過ぎて靱性低下の原因となる。従っ
て溶接金属中のSi含有量は、0.05%以上、より好
ましくは0.1%以上で、0.4%以下、より好ましく
は0.3%以下とすべきである。
接金属中の酸素量をコントロールするのに有効な元素で
あり、溶接金属の強度を高めると共に、SR時の回復促
進作用によって靱性を著しく高める作用も有している。
こうした作用を有効に発揮させるには0.3%以上、よ
り好ましくは0.7%以上含有させなければならない
が、多すぎると高温強度を劣化させるので1.5%以
下、より好ましくは1.1%以下に抑えるべきである。
きない元素であり、その効果を有効に発揮させるには、
0.3%以上、より好ましくは0.7%以上含有させる
べきであるが、多すぎると高温強度を劣化させるので、
1.5%以下、より好ましくは1.1%以下に抑えるべ
きである。
に、固溶強化によって高温強度を高める作用を有してお
り、その効果を有効に発揮させるには7.0%以上、よ
り好ましくは9.0%以上含有させるべきである。しか
しCr含有量が多すぎると、δ−フェライトの析出によ
り靱性が劣化するので、13.0%以下、より好ましく
は12.0%以下に抑えなければならない。
リープ中に粒界に析出するラーベス相によって高温強度
を維持する作用を発揮する。0.05%未満ではその効
果が発揮されず、1.5%を超えると強度の上昇により
靱性が劣化してくる。従って、溶接金属中のMo含有量
は0.05以上、より好ましくは0.2%以上で、1.
5%以下、より好ましくは0.5%以下とすべきであ
る。
えで重要な元素であり、0.01%未満ではその効果が
発揮されない。しかし多すぎると、炭窒化物の粒成長を
促進して高温強度を劣化させるので、0.40%以下に
抑えなければならない。V含有量のより好ましい下限は
0.05%、より好ましい上限は0.15%である。
度を維持する効果を有しており、その効果を有効に発揮
させるには0.02%以上含有させなければならない。
しかし、多すぎると靱性に悪影響が現れてくるので、
0.30%以下に抑えなければならない。高温強度と靱
性両立させる上でより好ましいNb量の下限は0.05
%、より好ましい上限は0.15%である。
を有している。0.02%未満ではその効果が有効に発
揮されず、一方0.10%を超えると靱性劣化の原因と
なる。従って、溶接金属中のN含有量は、0.02%以
上、より好ましくは0.04%以上で、且つ0.10%
以下、より好ましくは0.07%以下にすべきである。
は上記の通りであり、残部は実質的に鉄と許容元素ある
いは不可避不純物であるが、次に示す如く、更に他の元
素として適量のTi,WまたはCoを含有させることに
よって更なる性能向上を図ることができる。
共に、Nbと同様に炭窒化物の粒成長を抑制して高温強
度およびクリープ強度を高める作用を有しており、好ま
しくは0.001%以上含有させることによってその効
果を有効に発揮させることができる。しかし多すぎると
靱性劣化の原因になるので、0.05%以下に抑えなけ
ればならない。溶接金属中のより好ましいTi量は0.
01%以上で、0.02%以下である。
ープ中に粒界に析出するラーベス相によって高温強度を
高める作用も有しており、好ましくは0.3%以上、更
に好ましくは1.3%以上含有させることによってその
効果を有効に発揮させることができる。しかし、多すぎ
ると強度の上昇により靱性が劣化してくるので、2.5
%以下、より好ましくは2.0%以下とすべきである。
に、δ−フェライトの生成を抑えて靱性の低下を抑える
作用を有している。ただ、高温強度改善効果は他の元素
に比べ小さいので、δ−フェライトが生成しにくい成分
系であれば、特に添加する必要はない。しかし、2.0
%を超えて過度に含有させると、靱性劣化の原因とな
る。こうした利害得失を考慮してより好ましいCo含有
量の下限は0.5%、より好ましい上限は1.0%であ
る。
類と含有率について詳述したが、前述した本発明の目的
を達成するには、こうした要件に加えて、「SR処理後
の溶接金属中に析出しているNaCl型炭窒化物中のV
に対するNbの含有比[Nb]/[V]を0.15以
上」とすることが極めて重要となる。
維持に極めて有効なNaCl型の炭窒化物がSR処理時
に析出するが、該炭窒化物中のVに対するNbの割合が
0.15以上である場合は、クリープ中の炭窒化物の粒
成長が著しく抑制され、クリープ強度の大幅な改善が可
能となる。従って本発明においては、SR処理(溶接後
の応力緩和処理)後の溶接金属中に析出しているNaC
l型炭窒化物中のVに対するNbの含有比[Nb]/
[V]を0.15以上、よりこのましくは0.3以上と
することが、目的達成のための極めて重要な要件とな
る。
るNaCl型炭窒化物中の前記含有比[Nb]/[V]
を0.15以上とするには、溶接ままの状態におけるマ
トリックス中のNb,N,Vの固溶量、即ち[Nb]、
[N]および[Nb]/[V]を、夫々[Nb]≧0.
020,[N]≧0.010,[Nb]/[V]≧0.
15とすることが望ましい。
る最大の理由は、溶接ままの状態でマトリックス中に固
溶していたNbおよびNがSR時に炭窒化物として析出
するためであり、溶接金属中にNb,Nが含有されてい
ても、溶接ままの状態でこれらの元素がマトリックス中
に固溶していなければ、SR後に微細な炭窒化物として
析出せず、高温強度向上効果は発揮されない。従って、
SR処理によって微細な炭窒化物を十分に析出させるに
は、溶接状態でのマトリックス中に固溶しているNb量
を0.020%以上、固溶N量を0.010%以上とす
べきである。また固溶Nbと固溶Vとの比が0.15未
満では、SR時に析出する炭窒化物中のNb割合が不足
することになり、炭窒化物の粒成長が促進される結果、
高温強度が劣化してくる。この様な理由から、溶接まま
の状態でのマトリックス中の固溶Nb量は0.020%
以上、固溶N量は0.010%以上、固溶Nbと固溶V
との比は0.15以上とすることが望ましい。
クス中のNb,N,Vの固溶量については、電解抽出に
より介在物を抽出して残渣中のNb,N,V量を測定
し、抽出せずに測定したトータルの成分量から差し引く
ことによって求めることができる。
鋼用溶接金属を、実施例および比較例を挙げて具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・ 後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。また
下記実施例では、溶接法として被覆アーク溶接およびT
IG溶接を採用した場合を例に挙げて説明するが、本発
明は勿論溶接法に左右されるものではなく、要は溶接金
属が前述した要件を満たすものであれば、本発明の目的
は達せられる。
mml)の外周に、被覆剤を塗布することによって表
2,3に示す被覆アーク溶接棒を作製し、溶接試験を行
なった。なお被覆剤中には、必要に応じて炭酸塩(Ca
CO3,BaCO3),弗化物(CaF2 ,BaF2 ),
SiO2 ,Mgなどのアーク安定及びスラグ生成剤、N
a2 O,K2 O,Li2 Oなどの粘結剤などを添加し
た。溶接はASTM A387−Gr.91鋼板(板厚
20mm,V開先)を使用し、溶接入熱:18〜22k
j/cm(170A−23V−12cm/min狙
い)、姿勢:下向、予熱・パス間温度:200〜250
℃で行った。得られた溶接金属成分を表4,5,6に示
した。
は16時間の熱処理(昇温・冷却速度:50℃/h以
下)した後、シャルピー衝撃試験片(JIS Z 31
14号)、クリープ試験片(JIS Z 2272)を
採取し、各規格に準じて試験を行った。なお両試験とも
試験片を各3本ずつ採取して供試し、平均値を示した。
尚、シャルピー衝撃試験は0℃で、クリープ試験は65
0℃×125N/mm2の条件で行った。また、SR後
に析出するNaCl型炭窒化物のVに対するNbの割合
[Nb]/[V]については、SR後の溶接金属につい
て抽出レプリカで炭窒化物を採取し、透過電子顕微鏡を
用いて倍率10万倍で5視野を観察し、EDXにより夫
々のNaCl型炭窒化物の[Nb]/[V]を求め、そ
れらの平均値を示した。また、靱性を評価するシャルピ
ー衝撃試験については、吸収エネルギーが48J以上の
ものを合格とし、クリープ破断時間は、500時間以上
のものを合格とした。結果を表7,8,9に示す。
ことができる。供試材No.1〜9は本発明の規定要件
を満たす実施例であり、いずれも靱性、クリープ強度が
良好であった。一方供試材No.10〜33は、本発明
で規定する何れかの要件を欠く比較例であり、次の様に
性能不足となっている。
理後の[Nb]/[V]が小さいため、クリープ強度が
劣り、供試材No.12はC量が不足するため、靱性、
クリープ強度が共に悪く、供試材No.13はC量が多
すぎるため靱性が劣っている。供試材No.14はSi
量が不足するため、酸素量が多くなって靱性が劣化して
おり、供試材No.15は、逆にSi量が多すぎるた
め、靱性が悪い。供試材No.16はMn量が不足する
ため靱性が悪く、逆に供試材No.17はMn量が多す
ぎるため靱性が劣り、クリープ強度も劣化している。供
試材No.18,19はNi量が不足し、或いは多すぎ
る例であり、両者とも靱性が悪い。供試材No.20は
Cr量が不足するためクリープ強度が劣り、供試材N
o.21はCr量が多すぎるため靱性が劣化している。
供試材No.22はMo量が不足するためクリープ強度
が劣化しており、供試材No.23はMo量が多すぎる
ため靱性が悪い。供試材No.24はV量が不足し、ま
た供試材No.25はV量が多すぎるため、いずれもク
リープ強度が劣化している。供試材No.26はNb量
が不足するためクリープ強度が劣化しており、供試材N
o.27はNb量が多すぎるため靱性が劣っている。供
試材No.28はN量が不足するためクリープ強度が劣
化しており、供試材No.29はN量が多すぎるため靱
性が劣化している。供試材No.30はTi量が多すぎ
るため靱性が劣り、供試材No.31はW量が不足する
ためクリープ強度が悪い。供試材No.32はW量が多
すぎるため靱性が悪く、供試材No.33はCo量が多
すぎるため靱性が劣化している。
Z 3316に準拠して、溶接入熱:15〜18kJ/
cm(250A−11V−10cm/min狙い)、姿
勢:下向、予熱・パス間温度:200〜250℃で自動
溶接法によって溶接を行い、表10に示す溶接金属を得
た。得られた溶接金属を740℃で2時間または4時間
の熱処理を行った後、実施例1と同様にして靱性、クリ
ープ強度を評価した。結果を表11に示す。
4,35は本発明の規定要件を満たす実施例であり、靱
性およびクリープ強度共に良好である。これらに対し、
供試材No.36,37は、SR処理後の溶接金属のマ
トリックス中の[Nb]/[V]が小さいため、クリー
プ強度が不十分である。
接金属の成分組成を規定すると共に、特にSR処理後の
溶接金属中に析出しているNaCl型炭窒化物中のVに
対するNbの含有比[Nb]/[V]を0.15以上に
制御することにより、高靱性で高温強度に優れた高Cr
フェライト系耐熱鋼用溶接金属を得ることができ、各種
発電ボイラーや化学圧力容器等の安全性と耐久性を高
め、更にはそれらの一層の性能向上を図ることができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 アーク溶接法により形成される高Cr系
溶接金属であって C:0.04〜0.14質量%(以下、単に%と記す) Si:0.05〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Ni:0.3〜1.5% Cr:7.0〜13.0% Mo:0.05〜1.5% V:0.01〜0.40%以下 Nb:0.02〜0.30% N:0.02〜0.10% を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、溶接
後の応力緩和処理後の溶接金属中に析出しているNaC
l型炭窒化物中のVに対するNbの含有比[Nb]/
[V]が0.15以上であることを特徴とする高Crフ
ェライト系耐熱鋼用溶接金属。 - 【請求項2】 更に他の元素として、Ti:0.05%
以下( 0%を含まない) を含有する請求項1に記載の高
Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属。 - 【請求項3】 更に他の元素として、W:2.5%以下
( 0%を含まない)を含有する請求項1または2に記載
の高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属。 - 【請求項4】 更に他の元素として、Co:2.0%以
下(0%を含まない) を含有する請求項1〜3のいずれ
かに記載の高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属。
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JP19202998A JP3527640B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接金属 |
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