JP6908539B2 - 9Cr−1Mo鋼溶接用TIGワイヤ - Google Patents
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Description
Cは、溶接金属の焼入れ性とPWHT時の炭化物の析出に影響を及ぼし、溶接金属の強度を向上させるとともに、高温強度を確保するために必須の元素である。Cが0.07%未満では、溶接金属の強度が低くなるとともに、PWHT時に炭化物の析出が不十分となってPWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、Cが0.13%を超えると、高温割れ感受性が高くなり、高温割れが発生しやすくなる。また炭化物の析出が過剰となり、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Cの含有量は0.07〜0.13%とする。なお、Cは溶接金属の過剰な高強度化を防止する観点から0.10%以下が望ましい。
Siは、脱酸元素であり、溶接金属の靭性を向上させる効果を有する。Siが0.15%未満では、その効果が十分に得られず、溶接金属の靭性が低下する。一方、Siが0.50%を超えると、溶接金属中にSiが過剰に残留し、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Siの含有量は0.15〜0.50%とする。
Mnは、Si同様に脱酸元素であり、溶接金属の強度及び靭性を向上させる効果を有する。Mnが0.95%未満では、その効果が十分に得られず、溶接金属の強度及び靭性が低下する。一方、Mnが1.20%を超えると、焼入れ性が増し、靭性が低下する。したがって、Mnの含有量は0.95〜1.20%とする。
Niは、溶接金属組織を微細化して靭性を向上させる効果を有する。Niは0.1%未満では、その効果が十分に得られず、溶接金属の靭性が低下する。一方、Niが0.5%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Niの含有量は0.1〜0.5%とする。
Crは、PWHT時に炭窒化物を形成し、PWHT後の溶接金属の高温強度を高める効果を有する。Crが8%未満では、PWHT時の炭窒化物の析出が不十分となり、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、Crが10%を超えると、高温溶接割れ感受性が高くなり、高温割れが発生しやすくなる。したがって、Crの含有量は8〜10%とする。
Moは、固溶体強化により溶接金属の強度を高める効果を有する。Moが0.7%未満では、その効果が十分に得られず、溶接金属の強度が低下する。一方、Moが1.5%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Moの含有量は0.7〜1.5%とする。
Nbは、PWHT時に炭窒化物を形成し、PWHT後の溶接金属の高温強度を高める効果を有する。Nbが0.03%未満では、PWHT時の炭窒化物の析出が不足し、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、Nbが0.07%を超えると、溶接金属中の炭窒化物の析出が過剰となり、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Nbの含有量は0.03〜0.07%とする。
Vは、Nb同様にPWHT時に炭窒化物を形成し、PWHT後の溶接金属の高温強度を高める効果を有する。Vが0.2%未満では、炭窒化物の析出が不足し、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、Vが0.3%を超えると、溶接金属中の炭窒化物の析出が過剰となり、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Vの含有量は0.2〜0.3%とする。
Nは、Cr、Nb、V等と結合して溶接金属中に窒化物を形成し、PWHT後の溶接金属の高温強度を高める効果を有する。Nが0.04%未満では、溶接金属中の窒化物の形成が不十分となり、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、Nが0.06%を超えると、溶接金属中の窒化物の形成が過剰となり、溶接金属の靭性が低下する。またNが0.06%を超えると、ブローホール発生の要因ともなる。したがって、Nの含有量は0.04〜0.06%とする。
Cuは、溶接金属の靭性を低下させる。特にCuが0.05%を超えると、必要な溶接金属の靭性が得られなくなる。したがって、Cuの含有量は0.05%以下とする。
Oは、溶接時にSi、Mn等と酸化物を形成して溶接金属の靭性を低下させる。特にOが0.02%を超えると、必要な溶接金属の靭性が得られなくなる。したがって、Oの含有量は0.02%以下とする。
Pは、凝固過程で粒界に偏析して低融点化合物を形成し、高温割れ感受性を高くするとともに、溶接金属の靭性を低下させる。特にPが0.008%を超えると、必要な溶接金属の靭性が得られなくなるとともに、高温割れが発生しやすくなる。したがって、Pの含有量は0.008%以下とする。
Sは、Pと同様に粒界に偏析して低融点化合物を形成し、高温割れ感受性を高くするとともに、溶接金属の靭性を低下させる。特にPが0.008%を超えると、必要な溶接金属の靭性が得られなくなるとともに、高温割れが発生しやすくなる。したがって、Sの含有量は0.008%以下とする。
Mn及びNiはともにオーステナイト生成元素であり、PWHT時の溶接金属中のδ−フェライトの残在を抑制し、PWHT後の溶接金属の高温強度を特に高める効果を有する。MnとNiの合計が1.15%未満では、その効果が十分に得られず、溶接金属の強度及び靭性が低くなるとともに、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。一方、MnとNiの合計が1.50%を超えると、溶接金属中のAC1変態点が低くなるため、PWHT後の溶接金属の高温強度が低下する。したがって、MnとNiの合計は1.15〜1.50%とする。
Sbは、凝固過程において粒界に偏析し、溶接金属の高温割れ感受性を高めるので、高温割れの要因となる。したがって、Sbの含有量は0.005%以下とする。
Snは、凝固過程において粒界に偏析し、溶接金属の高温割れ感受性を高めるので、高温割れの要因となる。したがって、Snの含有量は0.005%以下とする。
Asは、凝固過程において粒界に偏析し、溶接金属の高温割れ感受性を高めるので、高温割れの要因となる。したがって、Asの含有量は0.005%以下とする。
Alは、脱酸元素として作用して溶接金属の靭性を改善する効果を有するが、多量に含まれると溶接時にOと結合して酸化物を形成し、溶接金属の靭性を低下させる。特にAlが0.01%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Alの含有量は0.01%以下とする。
Tiは、脱酸元素として作用して溶接金属の靭性を改善する効果を有するが、多量に含まれると溶接時にOと結合して酸化物を形成し、溶接金属の靭性を低下させる。特にTiが0.01%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Tiの含有量は0.01%以下とする。
Bは、凝固過程において粒界に偏析し、溶接金属の高温割れ感受性を高めるので高温割れの要因となるとともに、硼化物を形成して溶接金属の靭性を低下させる。特にBが0.005%を超えると、高温割れが発生しやすくなるとともに、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Bの含有量は0.005%以下とする。
Zrは、凝固過程において粒界に偏析し、溶接金属の高温割れ感受性を高めるので、高温割れの要因となる。したがって、Zrの含有量は0.005%以下とする。
Claims (1)
- ワイヤ全質量に対する質量%で、
C:0.07〜0.13%、
Si:0.15〜0.50%、
Mn:0.95〜1.20%、
Ni:0.1〜0.5%、
Cr:8〜10%、
Mo:0.7〜1.5%、
Nb:0.03〜0.07%、
V:0.2〜0.3%、
N:0.04〜0.06%を含有し、
Cu:0.05%以下、
O:0.02%以下、
P:0.008%以下、
S:0.008%以下、
Sb:0.005%以下、
Sn:0.005%以下、
As:0.005%以下、
Al:0.01%以下、
Ti:0.01%以下、
B:0.005%以下、
Zr:0.005%以下であり、
前記Mnと前記Niの合計:1.15〜1.50%であり、
残部がFe及び不可避不純物であることを特徴とする9Cr−1Mo鋼溶接用TIGワ
イヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018024178A JP6908539B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 9Cr−1Mo鋼溶接用TIGワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018024178A JP6908539B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 9Cr−1Mo鋼溶接用TIGワイヤ |
Publications (2)
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JP6908539B2 true JP6908539B2 (ja) | 2021-07-28 |
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Family Applications (1)
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JP2018024178A Active JP6908539B2 (ja) | 2018-02-14 | 2018-02-14 | 9Cr−1Mo鋼溶接用TIGワイヤ |
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2018
- 2018-02-14 JP JP2018024178A patent/JP6908539B2/ja active Active
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