JP3526829B2 - ポリアミド酸エステル - Google Patents

ポリアミド酸エステル

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JP3526829B2
JP3526829B2 JP2000594853A JP2000594853A JP3526829B2 JP 3526829 B2 JP3526829 B2 JP 3526829B2 JP 2000594853 A JP2000594853 A JP 2000594853A JP 2000594853 A JP2000594853 A JP 2000594853A JP 3526829 B2 JP3526829 B2 JP 3526829B2
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acid ester
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恵子 上野
洋子 谷崎
嘉夫 松岡
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Asahi Kasei EMD Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
【0001】本発明は、ポリアミド酸エステルに関す
る。さらに詳しくは、本発明は、特定のアミド酸エステ
ルの複数の繰返し単位を包含する構造を有し且つ該構造
中に4価のベンゼン基を含む繰返し単位と4価のジフェ
ニルエーテル基を含む繰返し単位とを特定の量比で含有
するポリアミド酸エステルであって、該ポリアミド酸エ
ステルを熱硬化させて得られる、シリコン基板上に形成
された厚さ10μmのポリイミド被膜について測定した
時33MPa以下の残留応力を示す、上記ポリアミド酸
エステルに関する。本発明のポリアミド酸エステルを用
いると、貯蔵時の粘度変化が少ないなどの保存安定性に
優れた感光性組成物の調製が可能となる。また、このよ
うな感光性組成物を用いると、低い残留応力、高い耐薬
品性、高い耐熱性、並びに高い基材への接着力を併せ持
つポリイミド塗膜を形成することが可能になるだけでな
く、上記の感光性組成物は高い解像度を有し且つ高い精
度でのポリイミドパターンの形成を可能にする。従っ
て、本発明のポリアミド酸エステルは、半導体デバイ
ス、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有利に
用いることができる。また、本発明は、上記のポリアミ
ド酸エステルと同様の優れた効果を有するポリアミド酸
エステル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】ポリイミド樹脂は、その高い熱的及び化学
的安定性、低い誘導率及び優れた平坦化能のために、マ
イクロエレクトロニクス関係の材料として注目されてお
り、半導体の表面保護膜、層間絶縁膜、あるいはマルチ
チップモジュールなどの材料として広く使用されてい
る。ポリイミド樹脂を用いて半導体装置を製造する場合
には、通常、ポリイミド樹脂膜を基板上に形成し、リソ
グラフィー技術を利用して所望のパターンをポリイミド
樹脂膜に形成する。具体的には、ポリイミド樹脂膜の上
に、フォトレジストとフォトマスクを用いてフォトレジ
ストのパターンを形成し、その後にエッチングによるポ
リイミド樹脂のパターン化を行うという間接的なパター
ン形成方法が用いられる。しかしながら、この方法にお
いては、初めに、マスクとなるフォトレジストのパター
ンをポリイミド樹脂膜の上に形成し、次にポリイミド樹
脂のエッチングを行い、最後に不要になったフォトレジ
ストパターンの剥離を行わなければならないため、工程
が複雑であり、更に間接的なパターン形成であるが故に
解像度が低い。又、エッチングにヒドラジンのような有
毒物質を溶剤として用いる必要があるため、安全性の問
題もある。
【0003】上記のような問題点を克服する目的で、近
年、光重合性の感光基をポリイミド前駆体に導入し、ポ
リイミド前駆体膜に直接パターンを形成する方法などが
研究されている。例えば、二重結合を有する化合物をエ
ステル結合、アミド結合、イオン結合などを介してポリ
アミド酸誘導体に結合してなるポリイミド前駆体及び光
開始剤等を含む感光性組成物で膜を形成し、これをパタ
ーンを有するフォトマスクを介して露光することによっ
て上記塗膜の露光された部分のポリイミド前駆体を不溶
化させる手段を用いてパターンを形成し、現像処理に付
し、その後、加熱して感光基成分を除去することによ
り、ポリイミド前駆体を熱安定性を有するポリイミドに
変換する方法などが提案されている(山岡及び表、ポリ
ファイル、第27巻、第2号、第14〜18頁、199
0年)。この技術は、一般的に感光性ポリイミド技術と
呼ばれている。この技術によって、上記の従来の非感光
性ポリイミド前駆体を用いるプロセスに伴う問題は克服
された。そのため、ポリイミドパターンの形成を上記の
感光性ポリイミド技術で行うことが多くなっている。
【0004】しかし、近年、半導体装置等に用いられる
ポリイミド膜のパターンを形成する際の解像度の向上が
求められている。上記の感光性ポリイミド技術が開発さ
れる以前の非感光性ポリイミドを用いたプロセスにおい
ては高い解像度が得られなかったため、それを前提にし
て半導体装置や製造プロセスが設計されており、それに
よって半導体装置の集積率や精度がかぎられていた。一
方、感光性ポリイミドを用いると、パターン形成時に高
い解像度が得られることから、集積率や精度の高い半導
体装置の製造が可能となる。これに関して以下に説明す
る。例えば、メモリー素子等を製造する場合、製品の収
率を上げるために、あらかじめ予備の回路を作っておい
て製品の検査後に不要な回路を切るという操作を行う。
従来の非感光性ポリイミドを用いたプロセスでは、不要
な回路の切断はポリイミドパターンの形成前に行ってい
たのに対し、感光性ポリイミドを用いるプロセスでは、
ポリイミドパターン形成時の解像度が高いため、パター
ンに不要な回路を切るための穴を設けておいて、ポリイ
ミドパターンの形成後に予備回路を切ることができる。
従って、最終製品の完成時点により近い段階で予備回路
を切断することが可能となり、更に高い製品の収率が達
成される。
【0005】ポリイミドパターンに不要な回路を切るた
めの穴を設けておく際には、素子の高集積化のためにこ
の穴をより小さくすることが望まれており、そのために
は、現在よりもさらに高い解像度でパターン形成が可能
な感光性ポリイミド前駆体が求められている。また、高
解像度のパターン形成を可能にする感光性ポリイミド前
駆体を用いると、半導体素子の高集積化や高精度化に必
要な広いプロセスマージンを達成することができる。
「広いプロセスマージン」とは、パターン形成のための
露光や現像時の使用可能条件(例えば時間や温度などの
条件)がより広くなるプロセスを意味する。従って、ポ
リイミドパターン形成時の解像度は高ければ高いほど望
ましい。上記のことは、ポリイミドパターンをその他の
素子(マルチチップモジュール等)に用いる場合にもあ
てはまる。そのため、精度の高いパターンの形成を可能
にする解像度の高い感光性ポリイミド前駆体組成物への
要求は増してきている。
【0006】更にポリイミドの厚膜化、及び配線の高密
度化が要求される傾向にあるため、高精度のポリイミド
パターンの形成を可能にする高解像度の感光性ポリイミ
ド前駆体組成物への要求は大きい。また、ポリイミド膜
の耐熱性が不足しているとパターンが加熱硬化時に劣化
するため、ポリイミド膜の耐熱性も重要である。近年、
半導体製造に用いるシリコンウエハー(基材)を、製造
の効率化のため大径化する傾向が著しい。半導体製造時
の表面保護膜としてポリイミドを用いた場合、加熱硬化
時の温度から室温に戻す際の基材とポリイミド膜との熱
収縮率差によって界面に応力が発生し、この応力は基材
を曲げようとする方向に働く。この基材のまがりは、基
材の径が大きいほど大きく、まがりが大きくなりすぎる
と製造プロセス上の不具合や、ポリイミド膜にクラック
を発生させる原因となるため好ましくない。従って、残
留応力ができるだけ低いポリイミド膜を与えるようなポ
リイミド前駆体が求められている。
【0007】半導体素子の表面保護膜としてポリイミド
を用いる場合には、更に基材とポリイミドとの高い接着
性及びその接着力の耐水性(以下、屡々、両者の性質を
まとめて、「耐水接着性」と称す)が必要である。ま
た、ポリイミド膜には機械物性、特に伸度が良好である
ことが期待されている。半導体素子製造工程には、ポリ
イミド膜が高温(400℃以上)にさらされる工程があ
るため、高温条件下においてもその伸度や機械物性など
の膜物性が変化しないだけの耐熱性がポリイミド膜には
必要である。更にポリイミド膜には耐薬品性も必要であ
る。上記のすべての特性を合わせ持つポリイミドパター
ンを形成するのに用いることができる感光性ポリイミド
前駆体が求められているが、以下に説明するように、従
来、そのような優れた感光性ポリイミド前駆体は得られ
ていない。
【0008】従来、ポリイミドの原料モノマーとして
は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを用いるのが
一般的である。ホモポリマー構造のポリイミドで上記の
特性を全て有するポリイミドは得られていないため、種
々のモノマーの組合せについて数多くの知見がすでに得
られている。例えば、非感光性のポリイミド及びポリイ
ミド前駆体に関しては、日本国特開昭60−14744
1号公報(米国特許第4,590,258号及びEP1
54720B1に対応)において、テトラカルボン酸二
無水物として無水ピロメリット酸(PMDA)と無水オ
キシジフタル酸(ODPA)、またはPMDAとベンゾ
フェノンテトラカルボン酸を用い、オキシジアニリンと
反応させてポリアミド酸を作る技術が記載されている。
更に、上記のポリアミド酸をイミド化して得られたポリ
イミドについての記載もある。しかし、ODPAを原料
として用いたポリイミドの耐熱性には問題があり、上記
公報の表2に記載されている、500℃、1時間での質
量損失率から明らかなように、ODPAとPMDAを共
重合して得られたポリイミドの耐熱性は、ODPAの含
有率が高くなるに従い直線性に近い関係で低下すること
が知られている。
【0009】感光性ポリイミド技術の例としては、日本
国特公昭59−52822号公報(米国特許第4,24
3,743号公報に対応)に記載されている、感光基を
イオン結合を介してポリアミド酸に導入して感光性ポリ
アミド酸を得る方法や、日本国特公平4−62306号
公報(米国特許第4,551,522号及びEP203
372B1に対応)に記載されている、ポリアミド酸を
ポリイソイミドに変換した後、アルコールと反応させて
感光性ポリアミド酸エステルを作る方法などの、ポリア
ミド酸を経由して感光性ポリイミド前駆体を製造する方
法が挙げられる。しかし、上記の非感光性ポリイミドの
場合と同様、ホモポリマー構造の感光性ポリアミド酸や
感光性ポリアミド酸エステルを感光性ポリイミド前駆体
として用いても上記の特性を全て有するポリイミドは得
られない。また、先に記載したODPAとPMDAを共
重合して得られるポリアミド酸の場合と同様に、複数の
異なるテトラカルボン酸二無水物の共重合体に感光性基
を導入したものをポリイミド前駆体として用いた場合に
も、目的とするすべての特性を合わせ持つポリイミドパ
ターンの製造は不可能である。これは、どのようなテト
ラカルボン酸二無水物を用いても何らかの欠点があり、
他の異なるテトラカルボン酸二無水物を用いることによ
ってその欠点を補うことができないからである。具体的
には、ODPAを用いたポリイミドは耐熱性が低いた
め、加熱硬化時のパターン精度の劣化、耐薬品性の不
足、残留応力が高いという問題を有し、またPMDAを
用いたポリイミドは、耐水接着力や伸度の不足といっ
た、ODPA系とは異なる問題を有する。これらの問題
点を全て克服したポリイミドは従来存在しなかった。
【0010】日本国特開平2−135274号公報(米
国特許第4,954,578号及びEP366307B
1に対応)に記載の方法のように、2種の相溶しないポ
リイミドの混合溶液を用い、1μm以下の微細構造(即
ち、ドメイン構造)を有するポリイミド膜を製造する方
法も提案されている。このようなポリイミド膜は、微細
構造によって2種のポリイミドそれぞれの特性の両立を
試みている。しかし、この技術を感光性ポリイミド技術
に応用すると以下のような問題が生じる。2種の異なる
感光性ポリイミド前駆体の混合溶液を用いて感光性ポリ
イミド前駆体の膜を形成すると、得られた膜は光の波長
に近い長さかそれ以上の長さのドメイン構造を有するた
めに、光の散乱が生じ、パターン精度や解像度の悪化が
起こってしまう。
【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】
【0011】このような状況下、本発明者らは、低い残
留応力、高い耐水接着性、高伸度、高耐薬品性、高耐熱
性及び高いパターン精度という優れた特性を併せ持つポ
リイミドパターンを形成するために用いることのできる
感光性ポリイミド前駆体を開発すべく鋭意研究を行っ
た。その結果、驚くべきことに、ポリイミドの原料とし
て用いた際に、耐水接着性と伸度を向上させる効果を有
するが耐熱性を低下させる欠点を有する、分子中に4価
のジフェニルエーテル基を有するテトラカルボン酸二無
水物(ODPA等)に由来する繰り返し単位と、ポリイ
ミドの原料として用いた際に、耐熱性や耐薬品性等を向
上させ、熱膨張係数を低下させる効果を有する耐水接着
力や伸度を低下させる欠点を有する、分子中に4価のベ
ンゼン基を有するテトラカルボン酸二無水物(PMDA
等)に由来する繰り返し単位とを、全繰り返し単位のモ
ル量に対して特定のモル%で含有するポリアミド酸エス
テルであって、該ポリアミド酸エステルを熱硬化させて
得られる、シリコン基板上に形成された厚さ10μmの
ポリイミド被膜について測定した時33MPa以下と低
いの残留応力を示すポリアミド酸エステルは、4価のジ
フェニルエーテル基を有するテトラカルボン酸二無水物
及び4価のベンゼン基を有するテトラカルボン酸二無水
物が有する有利な効果のみを発揮することを知見し、こ
のようなポリアミド酸エステルは優れた感光性ポリイミ
ド前駆体となることを知見した。更に、複数の異なった
ポリアミド酸エステルを混合して得られる組成物であっ
ても、該異なったポリアミド酸エステルが、全体とし
て、上記4価のジフェニルエーテル基を有するテトラカ
ルボン酸二無水物に由来する繰返し単位及び4価のベン
ゼン基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰
返し単位を、該異なったポリアミド酸エステルを構成す
る繰返し単位の全モル量に対して特定のモル%で含有し
ていれば、この組成物を感光性ポリイミド前駆体として
用いて上記の優れた感光性組成物が得ることができるこ
とを見出した。本発明は、これらの新しい知見に基づい
てなされたものである。
【0012】従って、本発明の1つの目的は、低い残留
応力、高い耐水接着性、高伸度、高耐薬品性、高耐熱
性、高いパターン精度という特性を併せ持つポリイミド
パターンの形成を可能にする感光性組成物を得るために
有利に用いることができるポリアミド酸エステルを提供
することにある。本発明の他の1つの目的は、上記のよ
うな優れた感光性組成物に有利に用いることができるポ
リアミド酸エステル組成物を提供することにある。本発
明の更に他の1つの目的は、上記のような優れた感光性
組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】本発明の1つの態様によれば、式(I)で
表される繰返し単位を包含するポリアミド酸エステルで
あって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
の芳香族基であり、各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜
30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオ
レフィン性二重結合を有する1価の基である。)該4価
の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜70モル%の
4価の芳香族基Xが、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)であり、且つ該4
価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モル%
の4価の芳香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
り、但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフ
ェニルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳
香族基Xの全モル量に対して、50モル%以上であり、
該ポリアミド酸エステルは、その溶媒に溶解した溶液を
シリコン基板に塗布して被膜とし、次いで窒素ガス雰囲
気下、350℃で2時間加熱して該溶媒を除去すると共
に該ポリアミド酸エステルを熱硬化すると、ポリイミド
被膜に転換されるものであって、得られるポリイミド被
膜は、上記シリコン基板上に形成された厚さ10μmの
ポリイミド被膜について測定した時33MPa以下の残
留応力を示す、上記ポリアミド酸エステルが提供され
る。
【0014】次に、本発明の理解を容易にするために、
まず、本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙す
る。 1.式(I)で表される繰返し単位からなる数平均分子
量が8,000〜150,000のポリアミド酸エステ
ルであって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
の芳香族基であり、各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜
30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオ
レフィン性二重結合を有する1価の基である。)該4価
の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜70モル%の
4価の芳香族基Xが、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)であり、且つ該4
価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モル%
の4価の芳香族基Xが、次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
り、該4価の芳香族基Xが、ベンゼン基(II)含有テ
トラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル基(II
I)含有テトラカルボン酸ニ無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン
酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ジフルオ
ロ−1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、及び下記式(VI)の構造を有するテトラカルボン
酸二無水物からなる群から選択されるテトラカルボン酸
二無水物に由来するものであって、 (式中、Rは下記式(VII)もしくは(VIII)で
表される芳香族基を表す。) 但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニ
ルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳香族
基Xの全モル量に対して、50モル%以上であり、該2
価の有機基Yが、芳香族ジアミン、又は1〜30モル%
の範囲内の脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンとの混合物
のいずれかのジアミン類に由来するものであって、上記
のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカルボン
酸二無水物を45モル%を超え50モル%以下の範囲内
で用いる場合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジ
アミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、及び9,10−ビス(4−アミノフェニル)
アントラセンからなる群から選ばれる芳香族ジアミンで
あり、上記のジフェニルエーテル基(III)含有テト
ラカルボン酸二無水物を15モル%以上30モル%未満
の範囲内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフ
ォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロ
パンからなる群から選ばれる芳香族ジアミンであり、上
記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカルボ
ン酸二無水物を30〜45モル%の範囲内で用いる場合
の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジアミン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,
2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォ
キシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,
2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパ
ン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、及び1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンからなる群か
ら選ばれる芳香族ジアミンであり、該ポリアミド酸エス
テルを加熱硬化して得られるポリイミド塗膜について熱
機械分析(TMA)測定を行なうと、220℃から28
0℃の領域と320℃から380℃の領域にそれぞれ変
曲点を有し、かつ上記のベンゼン基(II)含有テトラ
カルボン酸二無水物と上記のジフェニルエーテル基(I
II)含有テトラカルボン酸二無水物の反応性の差によ
って、ポリアミド酸エステルが一種のブロック共重合体
になっており、該ポリアミド酸エステルは、その溶媒に
溶解した溶液をシリコン基板に塗布して被膜とし、次い
で窒素ガス雰囲気下、350℃で2時間加熱して該溶媒
を除去すると共に該ポリアミド酸エステルを熱硬化する
と、ポリイミド被膜に転換されるものであって、得られ
るポリイミド被膜は、上記シリコン基板上に形成された
厚さ10μmのポリイミド被膜について測定した時33
MPa以下の残留応力を示す、上記ポリアミド酸エステ
ル。
【0015】2.該4価のジフェニルエーテル基(II
I)の量が、該4価の芳香族基の全モル量に対して、3
0〜45モル%であることを特徴とする前項1に記載の
ポリアミド酸エステル。 3.テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物混合物とジ
アミンとを塩基性化合物の存在下で縮合反応に付し、そ
の際、該塩基性化合物の量が、該縮合反応中に副生する
酸の1当量あたり0.5当量以下である方法によって製
造されることを特徴とする前項1又は2に記載のポリア
ミド酸エステルであって、該テトラカルボン酸ジエステ
ルジ酸塩化物混合物は、それぞれ独立して次式
(I’): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり;
Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基であり;C
lは塩素原子である。)で表される複数の異なるテトラ
カルボン酸ジエステルジ酸塩化物からなり、該複数の異
なるテトラカルボン酸ジエステル酸塩化物は、該複数の
異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物の全モル
量に対し15〜70モル%の量が、該4価の芳香族基X
が次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I’)
のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物であり、且つ
該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
の全モル量に対し15〜50モル%の量が、該4価の芳
香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I’)のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
であって、但し、該4価のベンゼン基(II)を有する
テトラカルボン酸ジエステル酸塩化物と該4価のジフェ
ニルエーテル基(III)を有するテトラカルボン酸ジ
エステルジ酸塩化物との合計量が、該複数の異なるテト
ラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物の全モル量に対し
て、50モル%以上である、上記ポリアミド酸エステ
ル。
【0016】4.テトラカルボン酸ジエステル混合物と
ジアミンとを有機脱水剤の存在下で縮合反応に付す方法
によって製造されることを特徴とする前項1又は2に記
載のポリアミド酸エステルであって、該テトラカルボン
酸ジエステル混合物が、それぞれ独立して次式
(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり;
Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)
で表される複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルか
らなり、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステル
は、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モ
ル量に対して15〜70モル%の量が、該4価の芳香族
基Xが次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
のテトラカルボン酸ジエステルであり、且つ該複数の異
なるテトラカルボン酸ジエステルの全モル量に対して1
5〜50モル%の量が、該4価の芳香族基Xが次式(I
II): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルであって、
但し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカル
ボン酸ジエステルと該4価のジフェニルエーテル基(I
II)を有するテトラカルボン酸ジエステルとの合計量
が、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モ
ル量に対して、50モル%以上である、上記ポリアミド
酸エステル。
【0017】5.該テトラカルボン酸ジエステル混合物
が、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルが有す
る4価の芳香族基Xに対応する4価の芳香族基Xを有す
る異なるテトラカルボン酸二無水物の混合物をアルコー
ルと反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステル混
合物であって、上記反応において、該テトラカルボン酸
二無水物混合物1当量あたり該アルコールを1.01〜
1.10当量用いる、ことを特徴とする前項4に記載の
ポリアミド酸エステル。 6.該テトラカルボン酸ジエステル混合物1当量あたり
該有機脱水剤を0.90〜099当量用いる、ことを特
徴とする前項4に記載のポリアミド酸エステル。
【0018】7.複数の異なるポリアミド酸エステルを
含むポリアミド酸エステル組成物であって、該複数の異
なるポリアミド酸エステルがそれぞれ独立して式(I)
で表される繰返し単位からなる数平均分子量が8,00
0〜150,000のポリアミド酸エステルであって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
の芳香族基であり、各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜
30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオ
レフィン性二重結合を有する1価の基である。)該複数
の異なるポリアミド酸エステルが、全体として、該4価
の芳香族基Xとして、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)を、該4価の芳香
族基Xの全モル量に対して、15〜70モル%含み、且
つ次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)を該
4価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モル
%含み、該4価の芳香族基Xが、ベンゼン基(II)含
有テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル基
(III)含有テトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、
3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカル
ボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ジフ
ルオロ−1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二
無水物、及び下記式(VI)の構造を有するテトラカル
ボン酸二無水物からなる群から選択されるテトラカルボ
ン酸二無水物に由来するものであって、 (式中、Rは下記式(VII)もしくは(VIII)で
表される芳香族基を表す。) 但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニ
ルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳香族
基Xの全モル量に対して、50モル%以上であり、該2
価の有機基Yが、芳香族ジアミン、又は1〜30モル%
の範囲内の脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンとの混合物
のいずれかのジアミン類に由来するものであって、上記
のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカルボン
酸二無水物を45モル%を超え50モル%以下の範囲内
で用いる場合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジ
アミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、3,3’−ジクロロ−4−4’−ジアミノビ
フェニル、及び9,10−ビス(4−アミノフェニル)
アントラセンからなる群から選ばれる芳香族ジアミンで
あり、上記のジフェニルエーテル基(III)含有テト
ラカルボン酸二無水物を15モル%以上30モル%未満
の範囲内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフ
ォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロ
パンからなる群から選ばれる芳香族ジアミンであり、上
記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカルボ
ン酸二無水物を30〜45モル%の範囲内で用いる場合
の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジアミン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,
2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォ
キシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,
2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパ
ン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、及び1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンからなる群か
ら選ばれる芳香族ジアミンであり、該ポリアミド酸エス
テル組成物を加熱硬化して得られるポリイミド組成物塗
膜について熱機械分析(TMA)測定を行なうと、22
0℃から280℃の領域と320℃から380℃の領域
にそれぞれ変曲点を有し、該ポリアミド酸エステル組成
物は、その溶媒に溶解した溶液をシリコン基板に塗布し
て被膜とし、次いで窒素ガス雰囲気下、350℃で2時
間加熱して該溶媒を除去すると共に該ポリアミド酸エス
テル組成物を熱硬化すると、ポリイミド組成物被膜に転
換されるものであって、得られるポリイミド組成物被膜
は、上記シリコン基板上に形成された厚さ10μmのポ
リイミド組成物被膜について測定した時33MPa以下
の残留応力を示す、上記ポリアミド酸エステル組成物。
【0019】8.該4価のジフェニルエーテル基(II
I)の量が、該4価の芳香族基の全モル量に対して、3
0〜45モル%であることを特徴とする前項7に記載の
ポリアミド酸エステル組成物。 9.該複数の異なるポリアミド酸エステルのそれぞれ
が、有機脱水剤の存在下で複数の異なるテトラカルボン
酸ジエステルをそれぞれ単独で又は組み合わせてジアミ
ンとの縮合反応に付すことによって得られる異なるポリ
アミド酸エステルであって、該複数の異なるテトラカル
ボン酸ジエステルが該複数の異なるポリアミド酸エステ
ルが有する4価の芳香族基Xに対応する4価の芳香族基
Xを有しており、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエ
ステルそれぞれ又は組み合わせ1当量あたり該有機脱水
剤を0.90〜0.99当量用い、該複数の異なるテト
ラカルボン酸ジエステルが、それぞれ独立して次式
(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり;
Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)
で表され、且つ該4価の芳香族基Xが次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
のテトラカルボン酸ジエステル、及び該4価の芳香族基
Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルを含み、但
し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカルボ
ン酸ジエステル及び該4価のジフェニルエーテル基(I
II)を有するテトラカルボン酸ジエステルを、該ポリ
アミド酸エステル組成物中の該4価のベンゼン基(I
I)及び該4価のジフェニルエーテル基(III)の量
がそれぞれ、該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、
15〜70モル%及び15〜50モル%になり且つ該4
価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニルエーテル
基(III)との合計量が、該4価の芳香族基Xの全モ
ル量に対して、50モル%以上になるように用いること
を特徴とする前項7又は8に記載のポリアミド酸エステ
ル組成物。
【0020】10.該複数の異なるテトラカルボン酸ジ
エステルのそれぞれが、該複数の異なるテトラカルボン
酸ジエステルが有する4価の芳香族基Xに対応する4価
の芳香族基Xを有する複数の異なるテトラカルボン酸二
無水物をそれぞれアルコールと反応させて得られるテト
ラカルボン酸ジエステルであって、上記反応において、
該複数の異なるテトラカルボン酸二無水物それぞれ1当
量あたり該アルコールを1.01〜1.10当量用い
る、ことを特徴とする前項9に記載のポリアミド酸エス
テル組成物。 11.(A)前項1又は2に記載のポリアミド酸エステ
ル、又は前項7又は8に記載のポリアミド酸エステル組
成物、 (B)光重合開始剤、及び (C)該成分(A)及び該成分(B)に対する溶媒、 を含むことを特徴とする感光性組成物。
【0021】12.(i)(A)前項1又は2に記載の
ポリアミド酸エステル、又は前項7又は8に記載のポリ
アミド酸エステル組成物、 (B)光重合開始剤、及び (C)該成分(A)及び該成分(B)に対する溶媒、 を含む感光性組成物を製造し; (ii)該感光性組成物を基材に塗布し、乾燥すること
により該基材上に形成されたフィルムを得; (iii)該フィルムを、パターンを有するフォトマス
クを介して紫外線に露光し、次いで溶媒で処理すること
により該フィルムの露光されなかった部分を除去して、
これにより該基板上にポリアミド酸エステルのパターン
を形成し; (iv)該ポリアミド酸エステルのパターンを加熱する
ことにより、該パターン中のポリアミド酸エステルをイ
ミド化し、これにより該基材上に形成されたポリイミド
のパターンを得る ことを包含するポリイミドパターンを基材上に形成する
方法。
【0022】以下、本発明について説明する。本発明の
ポリアミド酸エステルは、式(I)で表される繰返し単
位を包含するポリアミド酸エステルであって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
の芳香族基であり、各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜
30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオ
レフィン性二重結合を有する1価の基である。)該4価
の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜70モル%の
4価の芳香族基Xが、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)であり、且つ該4
価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モル%
の4価の芳香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
り、但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフ
ェニルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳
香族基Xの全モル量に対して、50モル%以上である。
【0023】また、該ポリアミド酸エステルは、その溶
媒に溶解した溶液をシリコン基板に塗布して被膜とし、
次いで窒素ガス雰囲気下、350℃で2時間加熱して該
溶媒を除去すると共に該ポリアミド酸エステルを熱硬化
すると、ポリイミド被膜に転換されるものであって、得
られるポリイミド被膜は、上記シリコン基板上に形成さ
れた厚さ10μmのポリイミド被膜について測定した時
33MPa以下の残留応力を示す。本発明のポリアミド
酸エステルは、後述するように複数の異なるテトラカル
ボン酸二無水物の混合物をエステル化して複数の異なる
テトラカルボン酸ジエステルの混合物を得、得られたテ
トラカルボン酸ジエステル混合物をジアミンとの縮合反
応に付すことよって合成することができる。
【0024】本発明のポリアミド酸エステルにおいて、
その繰り返し単位中のX基は、原料として用いるテトラ
カルボン酸二無水物に由来する。本発明で用いることが
できるテトラカルボン酸二無水物の例としては下式
(V)のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。 (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であ
る。)X基として上記4価のベンゼン基(II)を有す
るテトラカルボン酸二無水物の例としてはピロメリット
酸二無水物(PMDA)が挙げられ、X基として上記4
価のジフェニルエーテル基(III)を有するテトラカ
ルボン酸二無水物の例としては4,4’−オキシジフタ
ル酸二無水物(OPDA)が挙げられる。
【0025】本発明においては、別途調製した複数の異
なるテトラカルボン酸ジエステルをジアミンとの縮合反
応に付しポリアミド酸エステルを製造することもできる
が、通常、複数の異なるテトラカルボン酸二無水物のエ
ステル化反応を行って得られたテトラカルボン酸ジエス
テル混合物をそのままジアミンとの縮合反応に付す。後
者の方法で本発明のポリアミド酸エステルを製造する場
合、上記した本発明のポリアミド酸エステルの組成を達
成できるように、用いるテトラカルボン酸二無水物の量
を選択する必要がある。即ち、用いるテトラカルボン酸
二無水物混合物の全モル量に対して、上記のベンゼン基
(II)含有テトラカルボン酸二無水物を15〜70モ
ル%用い、上記のジフェニルエーテル基(III)含有
テトラカルボン酸二無水物を15〜50モル%を用いて
テトラカルボン酸ジエステルを製造する。但し、上記の
ベンゼン基(II)含有テトラカルボン酸二無水物と上
記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカルボ
ン酸二無水物との合計量が、用いるテトラカルボン酸二
無水物混合物の全モル量に対して、50モル%以上であ
る必要がある。また、本発明においては、ジフェニルエ
ーテル基(III)含有テトラカルボン酸二無水物を3
0〜45モル%の範囲内で用いることが好ましい。上記
のベンゼン基(II)含有テトラカルボン酸二無水物又
は上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカ
ルボン酸二無水物のいずれかを15モル%未満しか用い
ないと、他方のものだけを用いた場合の欠点が克服でき
ず、望ましい全ての特性を満足するポリイミドパターン
の形成を可能にする感光性組成物に用いることができる
ポリアミド酸エステルを合成することはできない。ベン
ゼン基(II)含有テトラカルボン酸二無水物の量が7
0モル%を越えると、伸度と耐水接着力が悪くなり好ま
しくない。ジフェニルエーテル基(III)含有テトラ
カルボン酸二無水物の量が50モル%を越えると、耐熱
性の不良によるパターンの劣化、耐薬品性不良、残留応
力の増加などが起りやすく好ましくない。
【0026】上記したベンゼン基(II)含有テトラカ
ルボン酸二無水物又は上記のジフェニルエーテル基(I
II)含有テトラカルボン酸二無水物以外のテトラカル
ボン酸二無水物としては、上記式(V)のXが炭素数6
〜32の4価の芳香族基であるテトラカルボン酸二無水
物であれば特に限定はない。具体的には、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカル
ボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ジフ
ルオロ−1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二
無水物、及び下記式(VI)の構造を有するテトラカル
ボン酸二無水物などの公知のテトラカルボン酸二無水物
を用いることができる。 〔式中、Rは下記式(VII)もしくは(VIII)で
表される芳香族基を表す。
【0027】上記のテトラカルボン酸二無水物のエステ
ル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結
合を有するアルコール類である。具体的には、2−メタ
クリロイルオキシエチルアルコール、2−アクリロイル
オキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−2
−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルア
ルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチ
ロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケト
ン及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げる
ことができる。これらのアルコール類は、1種あるいは
2種以上を混合して用いることができる。
【0028】また、日本国特開平6−80776号公報
(米国特許第5,397,682号に対応)に記載のよ
うに、上記のオレフィン性二重結合を有するアルコール
に、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール及びアリルアル
コールなどを混合して用いることもできる。従来、テト
ラカルボン酸二無水物のエステル化に使用するアルコー
ル類の量は、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あた
り1.0当量であるが、本発明においては、テトラカル
ボン酸二無水物1.0当量あたり、1.01〜1.10
当量になるようにアルコールを用いてテトラカルボン酸
ジエステルを合成すると、最終的に得られる感光性組成
物の保存安定性が向上するので好ましい。
【0029】本発明のポリアミド酸エステルにおいて、
その繰り返し単位中のY基は、原料として用いるジアミ
ン類に由来する。本発明で用いることができるジアミン
の例としては、下式(VI)で表されるジアミンが挙げ
られる。 H2N−Y−NH2 (VI) (式中、Yは炭素数4〜20の2価の有機基である。)
本発明に用いるジアミン類としては、使用するテトラカ
ルボン酸二無水物の種類と量を考慮し、Y基として炭素
数4〜30の2価の有機基を有し、シリコン基板上に形
成された厚み10μmの上記のポリイミド被膜について
測定した残留応力が33MPa以下となるようなジアミ
ンを選択する必要がある。また、用いるジアミンは芳香
族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであっても良い
が、芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
【0030】上記のジフェニルエーテル基(III)含
有テトラカルボン酸二無水物を45モル%を超え50モ
ル%以下の範囲内で用いる場合のジアミンとしては、パ
ラフェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’
−ジアミノビフェニル、2,2’−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)
アントラセン等の芳香族ジアミンが挙げられる。上記し
たジアミンを用いてポリアミド酸エステルを合成する
と、合成したポリアミド酸エステルを含有する感光性組
成物を用いて形成されたポリイミド膜の残留応力を低下
させるのに特に有効である。
【0031】上記のジフェニルエーテル基(III)含
有テトラカルボン酸二無水物を15モル%以上30モル
%未満の範囲内で用いる場合のジアミンとしては、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシ
ド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン等
の芳香族ジアミンが挙げられる。上記したジアミンを用
いてポリアミド酸エステルを合成すると、合成したポリ
アミド酸エステルを含有する感光性組成物を用いてポリ
イミド膜のパターンを形成する際の解像度の向上に特に
有効である。
【0032】上記のジフェニルエーテル基(III)含
有テトラカルボン酸二無水物を30〜45モル%の範囲
内で用いる場合には、上記したジアミン類のいずれを用
いることもできる。また、この場合、上記したジアミン
類に加えて、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳
香族ジアミンも用いることができる。このように、ジフ
ェニルエーテル基(III)含有テトラカルボン酸二無
水物を30モル〜45モル%の範囲内で用いると、原料
として使用できるジアミン類の範囲が広がり、高度に特
性のバランスが取れたポリアミド酸エステルの合成が容
易になる。好ましいジアミン類は、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニルのような2個のベンゼン環を有する
ものであり、このようなジアミン類を用いるとポリアミ
ド酸エステルの性能のバランスがとりやすい。上記のジ
アミン類はいずれも、単独あるいは2種以上を混合して
用いることができる。
【0033】テトラカルボン酸ジエステルとジアミンの
モル比は、1.0付近であることが好ましいが、目的と
するポリアミド酸エステルの分子量に応じて0.7〜
1.3の範囲で用いることが出来る。また、ポリアミド
酸エステルを含有する感光性組成物の密着性等を向上さ
せるために、耐熱性を低下させない範囲で、更に脂肪族
ジアミンを用いても良い。脂肪族ジアミンとしては、下
記式(IX): (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して二価の炭化水素
基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立して一価の炭化
水素基を表す。tは1以上、好ましくは1〜10の整数
である。)で示されるジアミノポリシロキサン等が挙げ
られる。具体的には、上記式(IX)におけるR1およ
びR2としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基等の炭素数1〜7のアルキレン基、フェニレン基等の
炭素数6〜18のアリーレン基などが挙げられ、R3
びR4としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜7
のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜12のアリー
ル基などが挙げられる。脂肪族ジアミンを用いる場合に
は、用いるジアミンの全モル量に対して、1〜30mo
l%の範囲内で用いることが好ましい。
【0034】本発明のポリアミド酸エステルの具体的な
合成方法に関しては従来の方法を採用することができ
る。例えば、日本国特開昭61−127731号公報に
開示された方法や、日本国特開昭61−72022号公
報(米国特許第4,754,016及びEP17779
3B1に対応)の実施例5に示された、有機の脱水剤の
存在下でテトラカルボン酸ジエステルとジアミンとの縮
合反応を行う方法や、同公報の比較例1に示された、テ
トラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物を経由する方法に
よって合成することができる。ポリアミド酸エステルの
製造方法として、ポリマー・エンジニアリング・アンド
・サイエンス(Polym.Eng.Sci.)第28
巻、第12号、815頁に記載のミネマ等による方法
や、日本国特開昭58−120636号公報(米国特許
第4,416,973号、米国特許第4,454,22
0号、米国特許第4,430,418号及びEP842
69B1に対応)の例IとIIに示されたグリシジル化
合物を用いる方法などが知られているが、いずれも完全
なポリアミド酸エステルを生成することが難しく、ポリ
アミド酸成分の一部が残るため好ましくない。また、日
本国特開平9−325478号公報、特開平9−325
477号公報及び特開平9−329893号公報には、
保存安定性や接着性を改善するためのポリアミド酸エス
テルの合成法が開示されているが、この方法で得られる
ポリアミド酸エステルは、応力が高く且つ耐薬品性が不
良であり、本発明の目的とするすべての特性を兼ね備え
ていない。
【0035】本発明のポリアミド酸エステルの合成方法
の好ましい例としては下記の第1の方法及び第2の方法
が挙げられる。第1の方法は、テトラカルボン酸ジエス
テルジ酸塩化物を経由する方法であり、以下のようにし
てポリアミド酸エステルを合成する。テトラカルボン酸
ジエステル酸塩化物混合物とジアミンとを塩基性化合物
の存在下で縮合反応に付し、その後、該縮合反応中に副
生する酸の1当量あたり該塩基性化合物を0.5当量以
下用いてポリアミド酸エステルを合成する。
【0036】上記テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化
物混合物は、それぞれ独立して次式(I’): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり;
Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基であり;C
lは塩素原子である。)で表される複数の異なるテトラ
カルボン酸ジエステルジ酸塩化物を含み、該複数の異な
るテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物は、該複数の
異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物の全モル
量に対し15〜70モル%の量が、該4価の芳香族基X
が次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I’)
のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物であり、且つ
該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
の全モル量に対し15〜50モル%の量が、該4価の芳
香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I’)のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
であり、但し、該4価のベンゼン基(II)を有するテ
トラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物と該4価のジフェ
ニルエーテル基(III)を有するテトラカルボン酸ジ
エステルジ酸塩化物との合計量が、該複数の異なるテト
ラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物の全モル量に対し
て、50モル%以上である。
【0037】この第1の方法について以下に具体的に説
明する。上記のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
混合物は以下のようにして製造することができる。溶媒
に複数の異なるテトラカルボン酸二無水物の混合物とア
ルコールを溶解後、攪拌しながら塩基性化合物を滴下
し、0〜30℃、好ましくは10〜25℃で更に10〜
30時間攪拌してテトラカルボン酸ジエステル混合物を
得る。この際、従来の方法では、テトラカルボン酸二無
水物混合物1.0当量あたりアルコールを1.0当量用
いるが、テトラカルボン酸二無水混合物1.0当量あた
り、1.01〜1.10当量になるようにアルコールを
用いてテトラカルボン酸ジエステル混合物を合成するこ
とによって得られるポリアミド酸エステルを感応性組成
物に用いた場合、得られる感光性組成物の安定性が向上
するので好ましい。塩基性化合物の添加量は、縮合反応
中に副生する酸1.0当量あたり0.5当量以下である
ことが好ましい。下限については特に限定はないが、
0.4当量以上であることが好ましい。次に、塩化チオ
ニル(SOCl2)やオキザリルクロライド等の酸塩化
物を−20〜10℃で30分〜1時間かけて滴下後、1
0〜20℃で1〜5時間放置し、更に必要に応じて減圧
にすることより過剰の酸塩化物やSO2等の副生物を除
去してテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物混合物を
得る。酸塩化物は、テトラカルボン酸ジエステル混合物
1.0当量あたり1.0当量以上になるように加えるこ
とが望ましい。
【0038】上記のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩
化物混合物にジアミンを加えて上記の縮合反応を行な
う。具体的には、上記のテトラカルボン酸ジエステルジ
酸塩化物混合物を含む反応系に、ジアミンを溶媒に懸濁
または溶解したものを−20〜0℃で、1〜2時間かけ
て加えた後、10〜25℃で15〜30時間攪拌放置
し、アルコールを加えて10〜30℃で更に1〜2時間
攪拌して反応を停止させる。その後、溶媒を加え、公知
のポリマー精製法を用いてポリアミド酸エステルを得
る。精製法は、不純物を除去でき且つポリマーを収率よ
く得られる方法であれば、いかなる方法も用いることが
できるが、塩素を除去するために陰イオン交換樹脂で処
理する工程を含むことが好ましい。
【0039】第1の方法で用いる塩基性化合物として
は、ピリジン、トリエチルアミンなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。塩基性化合物の添加
量は、上記したように縮合反応中に副生する酸1.0当
量あたり0.5当量以下であることが好ましい。塩基性
化合物の量は、上記した日本国特開昭61−72022
号公報(米国特許第4,754,016号、米国特許第
4,645,823号及びEP177793B1に対
応)の比較例1においては、縮合反応中に副生する酸
1.0当量あたり1.06当量の塩基性化合物(ピリジ
ン)を用いているが、このように酸に対して0.5当量
を越えて塩基性化合物を添加すると上記の望ましい特性
のバランスを取ることが困難になり易い。この理由は以
下のことと考えられる。酸に対して0.5当量以下の塩
基性化合物を用いると反応は比較的緩やかな速度で進行
し、上記の複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルは
ブロック共重合体となり、そのため原料のテトラカルボ
ン酸二無水物の有する望ましい効果が発揮されやすくな
ると考えられる。一方、酸に対して0.5当量を越えて
塩基性化合物を添加すると反応速度が上がり、上記の複
数の異なるテトラカルボン酸ジエステルはランダム共重
合体になりやすく、そのため用いたテトラカルボン酸二
無水物の有する望ましい効果が発揮されにくくなると考
えられる。
【0040】上記第2の方法は、テトラカルボン酸ジエ
ステル混合物とジアミンとを有機脱水剤の存在下で縮合
反応に付す方法によってポリアミド酸エステルを製造す
る方法である。上記のテトラカルボン酸ジエステル混合
物は、それぞれ独立して次式(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり;
Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)
で表される複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルを
含み、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルは、
該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モル量
に対して15〜70モル%の量が、該4価の芳香族基X
が次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
のテトラカルボン酸ジエステルであり、且つ該複数の異
なるテトラカルボン酸ジエステルの全モル量に対して1
5〜50モル%の量が、該4価の芳香族基Xが次式(I
II): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルであり、但
し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカルボ
ン酸ジエステルと該4価のジフェニルエーテル基(II
I)を有するテトラカルボン酸ジエステルとの合計量
が、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モ
ル量に対して、50モル%以上である。
【0041】この第2の方法について以下に具体的に説
明する。溶媒に複数の異なるテトラカルボン酸二無水物
とアルコールを溶解し、攪拌しながら塩基性化合物を滴
下して、0〜40℃、好ましくは15〜25℃で更に1
0〜30時間攪拌し、テトラカルボン酸ジエステル混合
物を得る。上述したように、アルコールは、該異なるテ
トラカルボン酸二無水物それぞれ1.0当量あたり1.
01〜1.10当量用いることが好ましい。次に、−2
0〜0℃で攪拌下、あらかじめ溶媒に溶解させた有機の
脱水剤を30分〜1時間かけて滴下する。このときの脱
水剤に関しては、従来の方法においては、通常、テトラ
カルボン酸ジエステル混合物1.0当量あたり1.0当
量以上になるように添加するが、0.90〜0.99当
量になるように添加すると、本発明のポリアミド酸エス
テルを感光性組成物に用いた場合、得られる感光性組成
物の保存安定性が向上するので好ましい。脱水剤は0.
95〜0.99当量用いると得られる感光性組成物の保
存安定性向上の点から更に好ましい。
【0042】次いでジアミンを溶媒に懸濁または溶解し
たものを−20〜0℃で、30分〜1.5時間かけて加
え、更に0〜30℃で1〜10時間攪拌する。アルコー
ルを加えて10〜30℃で1〜2時間攪拌し、反応を終
了させる。溶媒を加えた後、公知のポリマー精製法を用
いてポリアミド酸エステルを得る。精製法は、上記第1
の方法で述べたのと同様の方法を用いることができる。
また、第2の方法においても、第1の方法と同様、テト
ラカルボン酸ジエステル混合物とジアミンとの縮合反応
を塩基性化合物の存在下で行ってもよい。塩基性化合物
の添加量に関しては、縮合反応中に副生する酸1.0当
量あたり0.95〜1.30当量であることが好まし
い。
【0043】第2の方法において用いる有機脱水剤の例
としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボ
ジイミド、エチルシクロヘキシルカルボジイミド、ジフ
ェニルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩、カルボジイミドなどが挙げられる。従来の方
法では、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり
1.0当量以外の脱水剤を用いるのが一般的であるが、
感光性組成物の安定性を向上させるためには、テトラカ
ルボン酸二無水物1.0当量あたり0.90〜0.99
当量の範囲で用いることが好ましく、0.95〜0.9
9当量であることが更に好ましい。
【0044】上記第1及び第2の方法はいずれも、すべ
て常圧で反応を行うことができる。上記第1及び第2の
方法において用いる溶媒としては、各試薬を溶解し、生
成したポリアミド酸エステルの溶解性が高く、福反応の
起こりにくい溶媒である限り特に限定はない。本発明に
用いる溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、γ−ブ
チロラクトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NM
P)、ヘキサメチルホスホリルトリアミド、クロルベン
ゼン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、塩化
メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢
酸エチル、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシドな
どが挙げられる。溶媒は、混和性のあるもの同士であれ
ば複数を用いてもよい。エステル化反応の際に用いる溶
媒の量は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して7
00ミリリットル〜2リットルであることが好ましい。
脱水剤を溶解させるための溶媒の量は、脱水剤1モルに
対して60〜400ミリリットルであることが好まし
い。ジアミンを懸濁または溶解させるための溶媒の量
は、ジアミン1モルに対して500ミリリットル〜1リ
ットルであることが好ましい。縮合反応停止後に加える
溶媒は、テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物1モル
に対して500ミリリットル〜1.5リットルの範囲で
用いることができる。
【0045】第1及び第2の方法で反応を停止させるた
めに用いるアルコールとしては、メタノールやエタノー
ルなどの低級アルコールを用いることができる。アルコ
ールは、テトラカルボン酸ジエステル1モルに対して2
0〜80ミリリットル添加することができる。本発明の
ポリアミド酸エステルの数平均分子量は、8,000〜
150,000であることが好ましく、9,000〜5
0000であることがより好ましい。
【0046】本発明の他の1つの態様においては、複数
の異なるポリアミド酸エステルを含むポリアミド酸エス
テル組成物が提供される。本発明のポリアミド酸エステ
ル組成物に用いる複数の異なるポリアミド酸エステルは
それぞれ独立して上記式(I)の繰返し単位を有する構
造であれば特に限定はなく、それぞれが上記の本発明の
ポリアミド酸エステルの組成を有している必要はない。
例えば本発明のポリアミド酸エステル組成物に用いる複
数の異なるポリアミド酸エステルはそれぞれ独立して4
価のベンゼン基(II)又は4価のジフェニルエーテル
基(III)を有する繰返し単位のみからなるホモポリ
マーであっても良い。但し、該複数の異なるポリアミド
酸エステルが、全体として、上記の4価のベンゼン基
(II)を、該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、
15〜70モル%含み、且つ上記の4価のジフェニルエ
ーテル基(III)を、該4価の芳香族基Xの全モル量
に対して、15〜50モル%含み、但し、該4価のベン
ゼン基(II)と該4価のジフェニルエーテル基(II
I)との合計量が、該4価の芳香族基Xの全モル量に対
して、50モル%以上である必要がある。また、該ポリ
アミド酸エステル組成物は、その溶媒に溶解した溶液を
シリコン基板に塗布して被膜とし、次いで窒素ガス雰囲
気下、350℃で2時間加熱して該溶媒を除去すると共
に該ポリアミド酸エステル組成物を熱硬化すると、ポリ
イミド組成物被膜に転換されるものであって、得られる
ポリイミド組成物被膜は、上記シリコン基板上に形成さ
れた厚さ10μmのポリイミド組成物被膜について測定
した時33MPa以下の残留応力を示す。本発明のポリ
アミド酸エステル組成物に用いるポリアミド酸エステル
の数平均分子量に関しては、8,000〜150,00
0であることが好ましく、9,000〜50,000で
あることがより好ましい。
【0047】本発明のポリアミド酸エステル組成物に用
いる複数の異なるポリアミド酸エステルはそれぞれ独立
して上記したポリアミド酸エステルの製造方法によって
製造することができる。しかし、ポリアミド酸エステル
組成物の保存安定性の観点から、以下の方法で製造する
ことが好ましい。有機脱水剤の存在下で複数の異なるテ
トラカルボン酸ジエステルをそれぞれ単独で又は組み合
わせてジアミンとの縮合反応に付すことによって異なる
ポリアミド酸エステルを得る方法であって、該複数の異
なるテトラカルボン酸ジエステルが該複数の異なるポリ
アミド酸エステルが有する4価の芳香族基Xに対応する
4価の芳香族基Xを有しており、該複数の異なるテトラ
カルボン酸ジエステルそれぞれ又は組み合わせ1当量あ
たり該有機脱水剤を0.90〜0.99当量用い、該異
なるテトラカルボン酸ジエステルがそれぞれ独立して次
式(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族であり;R
はオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)で
表され、且つ該4価の芳香族基Xが次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
のテトラカルボン酸ジエステル、及び該4価の芳香族基
Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルを含み、但
し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカルボ
ン酸ジエステル及び該4価のジフェニルエーテル基(I
II)を有するテトラカルボン酸ジエステルを、該ポリ
アミド酸エステル組成物中の該4価のベンゼン基(I
I)及び該4価のジフェニルエーテル基(III)の量
がそれぞれ、該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、
15〜70モル%及び15〜50モル%になり且つ該4
価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニルエーテル
基(III)との合計量が、該4価の芳香族基Xの全モ
ル量に対して、50モル%以上になるように用いる方
法。
【0048】また、該異なるテトラカルボン酸ジエステ
ルとして、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステル
が有する4価の芳香族基Xに対応する4価の芳香族基X
を有する複数の異なるテトラカルボン酸二無水物をそれ
ぞれアルコールと反応させて得られるテトラカルボン酸
ジエステルであって、上記反応において、該複数の異な
るテトラカルボン酸二無水物それぞれ1当量あたり該ア
ルコールを1.01〜1.10当量用いることによって
得られるテトラカルボン酸ジエステルを用いることが好
ましい。本発明の更に他の1つの態様によれば、(A)
上記のポリアミド酸エステル又はポリアミド酸エステル
組成物、(B)光開始剤、及び(C)上記の成分(A)
及び(B)に対する溶媒を含む感光性組成物が提供され
る。上記したように、本発明のポリアミド酸エステル又
はポリアミド酸エステル組成物をポリイミド前駆体とし
て感光性組成物に用いると、高いパターン精度、低い残
留応力、高い耐水接着性、高伸度、高耐薬品性、高耐熱
性という特性を合わせ持つポリイミドパターンの形成を
可能にする感光性組成物が得られる。
【0049】本発明の感光性組成物の(B)成分として
用いる光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−
ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メ
チルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノ
ン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシア
セトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフ
ェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メ
トキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイ
ンメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6−ジ
(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサ
ノン、2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロ
ヘキサノン等のアジト類、1−フェニル−1,2−ブタ
ンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、
1−フェニルプロパンジオン−2−(o−メトキシカル
ボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプ
ロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,
3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプ
ロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等の
オキシム類、N−フェニルグリシンなどのN−アリール
グリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物
類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類などが挙げ
られるが、光感度の点でオキシム類が好ましい。これら
の光重合開始剤の添加量は、ポリイミド前駆体として用
いるポリアミド酸エステル又はポリアミド酸エステル組
成物100重量部に対し、1〜15重量部が好ましい。
【0050】本発明の感光性組成物の(C)成分として
用いる溶媒としては、成分(A)及び(B)に対する溶
解性の点から極性溶媒を用いることが好ましい。具体的
には、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N’−ジ
メチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−
アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘ
キシル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独
で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。
使用する溶媒の量は、塗布膜厚や粘度に応じて、ポリイ
ミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル又はポリ
アミド酸エステル組成物100重量部に対し、100〜
400重量部の範囲で用いることができる。
【0051】本発明の感光性組成物は、上記した必須成
分(A)〜(C)に加え、光感度向上のために反応性炭
素−炭素二重結合を有する化合物を加えることもでき
る。このような化合物としては、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート(エチレンモノマー単位
のモル数2〜20)、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、メチレンビ
スアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及び
上記のアクリレートまたは相当するメタクリレート、メ
タクリルアミド等が挙げられる。このような化合物は、
ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル又
はポリアミド酸エステル組成物100重量部に対して、
1〜30重量部の範囲で添加するのが好ましい。
【0052】本発明の感光性組成物には、更に光感度を
向上させるために増感剤を添加することもできる。光感
度を向上させるための増感剤としては、例えばミヒラー
ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザ
ル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルア
ミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’
−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサ
ノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)
−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメ
チルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンイン
ダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、
2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベ
ンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノ
フェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビ
ス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3
−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマ
リン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、
3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリ
ン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノ
クマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミ
ノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルア
ミノクマリン、N−フェニル−N′−エチルエタノール
アミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−ト
リルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミ
ン、4−モリホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安
息香酸イソアリル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、2−メチルカプトベンズイミダゾール、1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベン
ゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベ
ンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチ
リル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジ
メチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられ、感度
の点で、メルカプト基を有する化合物とジアルキルアミ
ノフェニル基を有する化合物を組み合わせて用いること
が好ましい。これらは単独でまたは2〜5種類の組み合
わせで用いることができる。光感度を向上させるための
増感剤は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸
エステル又はポリアミド酸エステル組成物100重量部
に対し、0.1〜10重量部を用いるのが好ましい。
【0053】また、本発明の感光性組成物には、基材と
の接着性向上のため接着助剤を添加することもできる。
接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピ
ルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチ
ルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピ
ル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリ
ル)プロピル〕フタルイミド酸、ベンゾフェノン−3,
3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピル
アミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4
−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミ
ド)−2,5−ジカルボン酸等が挙げられる。接着助剤
の添加量は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド
酸エステル又はポリアミド酸エステル組成物100重量
部に対し、0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0054】また、本発明の感光性組成物には、保存時
の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるため
に熱重合禁止剤を添加することができる。熱重合禁止剤
としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジ
ン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−
ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒ
ドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2
−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N
−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、
N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモ
ニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキ
シルアミンアンモニウム塩等が挙げられる。感光性組成
物に添加する熱重合禁止剤の量としては、ポリイミド前
駆体として用いるポリアミド酸エステル又はポリアミド
酸エステル組成物100重量部に対し、0.005〜5
重量部の範囲が好ましい。
【0055】本発明の更に他の1つの態様においては、 (i)上記の感光性組成物を製造し; (ii)該感光性組成物を基材に塗布し、乾燥すること
により該基材上に形成されたフィルムを得; (iii)該フィルムを、パターンを有するフォトマス
クを介して紫外線に露光し、次いで溶媒で処理すること
により該フィルムの露光されなかった部分を除去して、
これにより該基材上にポリアミド酸エステルのパターン
を形成し; (iv)該ポリアミド酸エステルのパターンを加熱する
ことにより、該パターン中のポリアミド酸エステルをイ
ミド化し、これにより該基材上に形成されたポリイミド
のパターンを得ることを包含するポリイミドパターンを
基材上に形成する方法が提供される。
【0056】本発明で使用できる基材としては、シリコ
ンウェハー、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、
窒化ケイ素などが挙げられるが、好ましくはシリコンウ
ェハ−が用いられる。基材の厚みとしては、200μm
〜800μmが好ましいがこれらに限定されない。本発
明において、感光性組成物を基材上に塗布する方法とし
ては、従来から感光性組成物の塗布に用いられていた方
法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレード
コーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗
布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法を用
いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オ
ーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥
等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性組
成物中のポリアミド酸エステルのイミド化が起こらない
ような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾、
あるいは加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分
〜1時間の条件で行うことができる。好ましくは、ホッ
トプレート上で1〜5分行う。真空乾燥を行う場合は、
室温で1分〜1時間の条件で行うことができる。
【0057】こうして得られた塗膜は、コンタクトアラ
イナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光
装置を用いて、紫外線光源等により露光され、次いで現
像される。現像に使用される現像液としては、ポリイミ
ド前駆体に対する良溶媒または良溶媒と貧溶媒の組み合
わせが好ましい。良溶媒としては、N−メチルピロリド
ン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−N′−
ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチ
ロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キ
シレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート及び水等が用いられる。良溶媒と貧溶媒と
を混合して用いる場合には、ポリマーの溶解性によって
良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整する。また、各溶媒
を数種類組み合わせて用いることもできる。現像に用い
る方法としては、従来知られているフォトレジストの現
像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理
を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することが
できる。
【0058】上記のようにして得られた組成物のパター
ンフィルムは加熱して感光成分を希散させ、ポリイミド
に変換する。加熱変換の方法としては、ホットプレート
によるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを
設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を
選ぶことができる。加熱は、280〜450℃で30分
〜5時間の条件で行うことができる。加熱変換させる際
の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アル
ゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
【0059】本発明のポリアミド酸エステルを加熱硬化
して得られるポリイミド塗膜について熱機械分析(TM
A)測定を行うと、220℃から280℃の領域と32
0℃から380℃の領域にそれぞれ変曲点が見られる。
従って、本発明のポリアミド酸エステルを前駆体とする
ポリイミドは、ガラス転移点を複数有するポリイミドで
ある。上記した本発明のポリアミド酸エステルを含有す
るための好ましい方法においては、必須の原料である上
記のベンゼン基(II)含有テトラカルボン酸二無水物
と上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカ
ルボン酸二無水物の反応性の差によって、ポリアミド酸
エステルが一種のブロック共重合体になっているためと
思われる。日本国特許昭60−147441号(米国特
許第4,590,258号及びEP154720B1に
対応)にも「ブロック共重合体」の記載は見られるが、
実施例に記載されたポリイミドのTgは単一の値であ
り、190℃から200℃におけるβ遷移は加熱サイク
ルで消失するものであってポリイミドの一次構造に由来
するものではない。従って、上記公報に開示されたポリ
イミドは本発明のポリアミド酸エステルの硬化後に得ら
れるポリイミドとは異なる構造を有することが明らかで
あり、上記公報のポリイミドはランダム共重合体である
と考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】以下に、実施例及び比較例により本発明を
具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定する
ものではない。実施例、比較例及び参考例においては、
感光性組成物の物性を以下の方法に従って測定および評
価した。 (1)数平均分子量 各ポリアミド酸エステルの数平均分子量(Mw)をゲル
パーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチ
レン換算)で測定した。
【0061】(2)残留応力値 基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコ
ンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上
に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性組成
物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間
加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。この熱硬化
後の塗膜による基板の曲率半径を、薄膜ストレス測定装
置(FLX−2320、米国、KLATencor社
製)を用いて測定した。得られた基板の曲率半径を用い
て、下記の式(1)から薄膜の平均ストレス(σ)を求
め、熱硬化後のポリイミド塗膜の残留応力値とした。 σ=Eh2/{(1−v)6Rt} (1) E/(1−v):基板の二軸弾性係数 h :基板の厚さ t :膜厚 R :基板の曲率半径 σ :薄膜の平均ストレス なお、ポリアミド酸エステル溶液又はポリアミド酸エス
テル組成物溶液をシリコン基板に回転塗布し、上記と同
様の条件にて得た熱硬化したポリイミド塗膜の残留応力
値は、該ポリアミド酸エステル又は該ポリアミド酸エス
テル組成物と光重合開始剤、さらにこれらに対する溶媒
からなる感光性組成物の残留応力値と同値を示す。ポリ
アミド酸エステル溶液又はポリアミド酸エステル組成物
溶液、あるいは感光性組成物は、加熱硬化後の膜厚が1
0μmとなる粘度であれば制限はないが、20〜60ボ
イズになるように調製することが好ましい。ポリアミド
酸エステル溶液又はポリアミド酸エステル組成物溶液を
得る際に用いる溶媒としては、上記した感光性樹脂組成
物に用いる溶媒を用いることができる。
【0062】(3)ポリイミド塗膜の伸度 上記(2)と同様にしてポリイミド塗膜をシリコンウエ
ハー上に作製した。フッ化水素酸を用いてシリコンウエ
ハーからポリイミド塗膜を剥がし、ポリイミドのテープ
とした。ポリイミドテープの伸度をASTM−D−88
2−88に従って測定した。伸度は、30%以上であれ
ば良好である。
【0063】(4)感光性組成物の解像度及びポリイミ
ドパターンの精度 感光性組成物を5インチシリコンウエハー上にスピン塗
布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜
にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーN
SR1755i7B(日本国、ニコン社製)により、3
00mJ/cm2のエネルギーを照射した。次いで、ウ
エハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて
現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリ
ーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコー
ルメチルエーテルアセテートでリンスしてパターンを得
た。パターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キ
ュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ
社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続
いて390℃で1時間熱処理することにより、5μm厚
のポリイミドのパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた各パターンについて、パターン形状やパターン
部の幅を光学顕微鏡下で観察し、解像度を求めた。解像
度に関しては、テストパターン付きレクチルを介して露
光することにより複数の異なる面積の開口部を有するパ
ターンを上記と同様の方法で形成し、得られたパターン
開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1
/2以上であれば解像されたとみなし、解像された開口
部のうち最小面積を有するものに対応するマスクの開口
辺の長さを解像度とした。解像度は、6μm以下であれ
ば良好である。また、以下の基準に基づきパターン精度
を評価した。 「良好」…パターン断面がすそびきしておらず、膨潤や
ブリッジングが起こっていないものであり、且つ解像度
が8μm以下であるもの。更に、加熱硬化時にパターン
形状が変動しないもの。 「不良」…上記条件を1つでも満足しないもの。
【0064】(5)耐薬品性試験 オルトジクロロベンゼン55wt%、フェノール25w
t%とアルキルベンゼンスルフォン酸20wt%からな
る溶液(剥離液710、日本国、東京応化工業株式会社
製)、及びプロピレングリコール55wt%、N−メチ
ルピロリドン(NMP)41wt%、テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド4wt%からなる溶液[A
Z−300T、日本国、クラリアントジャパン株式会社
製]それぞれに、上記(4)と同様にしてシリコンウエ
ハー上に形成したポリイミドパターンを85℃で1時間
浸漬した。水洗及び乾燥の後、膜厚測定と目視観察によ
るポリイミド塗膜の評価を行った。いずれか一方でもポ
リイミド塗膜に±3%以上の膜厚変動、又はクラックが
発生している場合を「不良」、膜厚変動とクラック発生
のいずれも見られないポリイミド塗膜を「良好」と評価
した。
【0065】(6)耐水接着性 上記(2)と同様にしてシリコンウエハー上にポリイミ
ド塗膜を形成した。ポリイミド塗膜を形成したシリコン
ウエハーをプレッシャークッカーに入れて、133℃、
2kg/mm2、100%Rhの条件下に100時間保
持し、次いで50℃のオーブン中で2時間乾燥した。次
に、処理後のポリイミド塗膜とエポキシ樹脂との接着性
を以下の引き剥がし試験によって評価した。エポキシ樹
脂接着剤(アラルダイトスタンダード、日本国、昭和高
分子社製)を用いて直径2mmのピンをポリイミド塗膜
に接合し、サンプルとした。このサンプルについて、引
取試験機(セバスチャン5型、米国、クワッドグループ
社製)を用いて引き剥がし試験を行い、引き剥がし強度
を測定した。以下の基準に基づき、引き剥がし強度から
耐水接着性を評価した。 7kg/mm2以上…接着力良好 7kg/mm2未満、5kg/mm2 以上…使用可 5kg/mm2未満…不良
【0066】(7)感光性組成物粘度 感光性組成物の粘度は、E型粘度計(RE80型粘度
計、日本国、東機産業社製)を用い、23℃において、
粘度校正用標準液(JS2000、日本国、昭和シェル
石油社製)との比較によって決定した。感光性組成物の
保存安定性の指標として、本発明のポリアミド酸エステ
ル又はポリアミド酸エステル組成物(成分(A))と光
開始剤(成分(B))を、光感度向上のための反応性炭
素−炭素二重結合を有する化合物及び増感剤、接着助
剤、及び熱重合禁止剤と共に溶媒(成分(C))に溶解
することにより感光性組成物とし、該感光性組成物は溶
媒量を調節することによって粘度が40ポイズになるよ
うにした。調製した後に二日間室温に放置した感光性組
成物の粘度と、調製後に2週間室温に放置した感光性組
成物の粘度をそれぞれ上記の条件で測定し、粘度変化率
を求めた。ポリアミド酸エステル又はポリアミド酸エス
テル組成物の粘度変化は、ポリアミド酸エステルの重合
体鎖の凝集状態の変化やポリアミド酸エステルと添加剤
との副反応などによって起こる。粘度変化率は、±3%
以内であることが好ましく、小さいほど保存安定性が高
いことを意味する。粘度変化率が大きいと塗布工程上の
不具合が発生し、場合によってはパターン形状の悪化、
解像度低下が起こるので好ましくない。
【0067】[実施例1] テトラカルボン酸二無水物(TCD)として、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)22.5g、4,4’−オ
キシジフタル酸二無水物(ODPA)72.0g、及び
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物(BTDA)58.1gを用いた[式(I)で
示すTCDの繰り返し単位のX基の全モル量に対する、
X基が(II)の構造である比率は20mol%、(I
II)の構造である比率は45mol%となる]。TC
Dを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)136.
8gとγ−ブチロラクトン400mlも入れて室温下で
攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応
混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷
し、16時間放置した。次に、氷冷下において、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)210.4gをγ
−ブチロラクトン180mlに溶かした溶液を攪拌しな
がら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)96.4g
をγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌
しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌し
た後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌
し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反
応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液
を得た。得られた反応液を3リットルのエチルアルコー
ルに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成
した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リ
ットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポ
リマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈
澱させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉
末状のポリマー(ポリアミド酸エステル)を得た。ポリ
アミド酸エステルの分子量をゲルパーミェーションクロ
マトグラフィ(標準ポリスチレン換算)で測定したとこ
ろ、数平均分子量(Mw)は21,000だった。
【0068】ポリマーの製造に用いたTCDとその量、
HEMAの量、DCCの量、DAとその量、及びポリマ
ーの数平均分子量を表1に示した。得られたポリマーを
用いて以下の方法で感光性組成物を調製し、調製した感
光性組成物の物性の測定及び評価を行った。100gの
ポリマー(感光性組成物の成分(A)であるポリアミド
酸エステル)を、ジフェニルプロパントリオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム(感光性組成物の
成分(B)である光開始剤)4g、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート4g、1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール2g、N−フェニルジエタノールア
ミン4g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピ
ル]フタルアミド酸3g、及び2−ニトロソ−1−ナフ
トール0.02gと共にNMP(感光性組成物の成分
(C)である溶媒)約150.0gに溶解した。得られ
た溶液の粘度を、少量のNMPを加えることによって約
40ポイズに調節し、感光性組成物とした。感光性組成
物の残留応力値、伸度、解像度、パターン精度、耐薬品
性、耐水接着性、解像度、及び粘度変化率を表1に示
す。なお、PMDAとODPAの仕込み比が、ポリマー
が有する、式(II)の構造のX基の式(III)の構
造のX基に対する比率と同じであることを、日本国、高
分子分析研究懇談会、第211回資料1986年(佐久
間)に記載のHBr分解法により確認した。
【0069】[実施例2〜14] TCDの種類と量、HEMAの量、DCCの量、DAの
種類と量を表1に示したように変えた以外は実施例1と
同様に粉末状のポリマーを製造した。ここで得られたポ
リマーを用いる以外は実施例1と同様の方法で感光性組
成物を調製し、その残留応力値、伸度、解像度、パター
ン精度、耐薬品性、耐水接着性、及び粘度変化率の測定
と評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】[実施例15] テトラカルボン酸二無水物(TCD)として、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)56.2g及び4,4’−
オキシジフタル酸二無水物(ODPA)80.0gを用
いた(式(I)で示すTCDの繰り返し単位のX基の全
モル量に対して、X基が(II)の構造である比率は5
0モル%、(III)の構造である比率は50モル%と
なる)。TCDを2リットル容量のセパラブルフラスコ
に入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)134.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入
れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン73.3g
を加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に
室温まで放冷し、16時間放置した。次に、塩化チオニ
ル128.9gを10℃以下で30分かけて反応混合物
に滴下した。15℃で1時間放置した後、氷冷下におい
て、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニ
ル(MTB)99.5gをγ−ブチロラクトン350m
lに溶かした溶液を攪拌しながら30分かけて反応混合
物に加えた。更に室温で16時間攪拌した後、エチルア
ルコール30mlを加えて1時間攪拌し、溶液を得た。
得られた溶液を10リットルの水に加えて粗ポリマーか
らなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し
て乾燥し、テトラヒドロフラン1.0リットルに溶解し
て粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を陰
イオン交換樹脂(日本国、オルガノ株式会社製「アンバ
ーリストTM15」)を用いて精製し、ポリマー溶液を得
た。得られたポリマー溶液を8リットルの水に滴下して
ポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真
空乾燥して粉末状のポリマーを得た。得られたポリマー
を用いる以外は実施例1と同様に感光性組成物を調製
し、その残留応力値、伸度、パターン精度、解像度、耐
薬品性、耐水接着性、及び粘度変化率の測定と評価を行
った。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】[比較例1〜12] TCDの種類と量、HEMAの量、DCCの量、DAの
種類と量を表2に示すように変えた以外は実施例1と同
様に粉末状のポリマーを製造した。製造したポリマーを
用いる以外は実施例1と同様に感光性組成物を調製し、
その残留応力値、伸度、解像度、パターン精度、耐薬品
性、耐水接着性、及び粘度変化率の測定と評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0074】[比較例13] NMP溶媒1.2リットルに、DADPE95.8gを
攪拌溶解後、ODPA159.9gを添加し、40℃で
8時間攪拌してポリアミド酸の重合体を調製した。次い
でエチルアルコールを30ミリリットル加えて1時間攪
拌し、NMP溶媒を400ミリリットル加えた後、沈殿
をろ過により除去して反応液を得た。得られた反応液を
3リットルのエチルアルコールに加え、生成した沈殿を
ジメチルホルムアミド1.5リットルに溶解して28リ
ットルの水に滴下し、得られた粉末をろ別した後、真空
乾燥してポリマー粉末を得た。得られたポリマーを用い
る以外は実施例1と同様に感光性組成物を調製し、その
残留応力値、伸度、解像度、パターン精度、耐薬品性、
耐水接着性、及び粘度変化率の測定と評価を行った。結
果を表2に示す。
【0075】[比較例14〜18] TCDの種類と量、DAの種類と量を表2に示すように
変えた以外は比較例13と同様に粉末状のポリマーを製
造した。製造したポリマーを用いる以外は実施例1と同
様に感光性組成物を調製し、そのポリイミド塗膜の残留
応力値、伸度、解像度、パターン精度、耐薬品性、耐水
接着性、及び粘度変化率の測定と評価を行った。結果を
表2に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】[実施例16〜18] 表3に示すように、比較例で作製したポリマーを混合し
て感光性組成物の原料とした以外は、実施例1と同様に
感光性組成物を調製し、その残留応力値、伸度、解像
度、パターン精度、耐薬品性、耐水接着性、及び粘度変
化率の測定を評価を行った。結果を表3に示す。
【表5】
【0079】[参考例1] 実施例1〜7及び15〜18、及び各比較例で得たポリ
マーを用い、伸度測定時に作製したのと同様の方法でポ
リイミドのテープを作製し、その熱機械物性を測定し
た。具体的には、TMA測定用装置(TMA−50型、
日本国、島津製作所製)を用い、試料長10mm、試料
断面積0.03105mm2、ガス流量50.00ml
/min、昇温10℃/分の条件下、200g/mm2
の荷重をかけて、窒素雰囲気下でポリイミドの変曲点
(ガラス転移点)を測定した。結果を表4に示す。更
に、実施例3のポリマーを用いたポリイミドについて
は、TMA測定の結果(測定を2回繰返した際の再現性
結果)を図1に示す。
【0080】
【表6】
【産業上の利用の可能性】
【0081】本発明のポリアミド酸エステルを用いる
と、保存安定性の優れた感光性組成物の調製が可能とな
る。また、このような感光性組成物を用いると、低い残
留応力、高い伸度、高い耐薬品性、高い耐熱性、並びに
高い基材との接着性及びその接着力の高い耐水性を併せ
持つポリイミド塗膜を形成することが可能になるだけで
なく、上記の感光性組成物は高い解像度を有し且つ高い
精度でのポリイミドパターンの形成を可能にする。従っ
て、本発明のポリアミド酸エステルは、半導体デバイ
ス、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有利に
用いることができる。また、本発明は、上記のポリアミ
ド酸エステルと同様の優れた効果を有するポリアミド酸
エステル組成物に関する。 [図面の簡単な説明]
【0082】
【図1】図面において:図1は、参考例1において行っ
た、実施例3で得られたポリアミド酸エステルを用いて
作製したポリイミドテープの熱機械分析(Therma
l mechanical analysis,TM
A)測定の結果(測定を2回繰返した際の再現性結果)
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 79/00 - 79/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で表される繰返し単位からなる数
    平均分子量が8,000〜150,000のポリアミド
    酸エステルであって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
    の芳香族基であり、 各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜30の2価の有機機
    であり、 各Rはそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する
    1価の基である。) 該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜70モ
    ル%の4価の芳香族基Xが、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)であり、且つ 該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モ
    ル%の4価の芳香族基Xが、次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
    り、 該4価の芳香族基Xが、ベンゼン基(II)含有テトラ
    カルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル基(III)
    含有テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無
    水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビフェニ
    ルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼ
    ンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ジフルオロ−
    1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
    及び下記式(VI)の構造を有するテトラカルボン酸二
    無水物からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無
    水物に由来するものであって、 (式中、Rは下記式(VII)もしくは(VIII)で
    表される芳香族基を表す。) 但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニ
    ルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳香族
    基Xの全モル量に対して、50モル%以上であり、 該2価の有機基Yが、芳香族ジアミン、又は1〜30モ
    ル%の範囲内の脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンとの混
    合物のいずれかのジアミン類に由来するものであって、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を45モル%を超え50モル%以下の範
    囲内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレ
    ンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
    ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
    ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミ
    ノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
    ノビフェニル、及び9,10−ビス(4−アミノフェニ
    ル)アントラセンからなる群から選ばれる芳香族ジアミ
    ンであり、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を15モル%以上30モル%未満の範囲
    内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、4,4’−ジア
    ミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルス
    ルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、
    4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、1,3
    −ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−
    (4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス
    [4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
    ン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
    ル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
    ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ
    ーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
    2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,
    1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
    [4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
    及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
    −ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパンか
    らなる群から選ばれる芳香族ジアミンであり、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を30〜45モル%の範囲内で用いる場
    合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジアミン、
    3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
    2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
    3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
    ル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
    ル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセ
    ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジ
    アミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフ
    ェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
    フォキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
    ンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
    ル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
    フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフ
    ェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフ
    ェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノ
    キシ)フェニル]エーテル、1,1,1,3,3,3−
    ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)
    プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
    2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
    ル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
    ロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)
    プロパン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
    ノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニル
    スルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
    1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、及び
    1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンからな
    る群から選ばれる芳香族ジアミンであり、 該ポリアミド酸エステルを加熱硬化して得られるポリイ
    ミド塗膜について熱機械分析(TMA)測定を行なう
    と、220℃から280℃の領域と320℃から380
    ℃の領域にそれぞれ変曲点を有し、かつ 上記のベンゼン基(II)含有テトラカルボン酸二無水
    物と上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラ
    カルボン酸二無水物の反応性の差によって、ポリアミド
    酸エステルが一種のブロック共重合体になっており、 該ポリアミド酸エステルは、その溶媒に溶解した溶液を
    シリコン基板に塗布して被膜とし、次いで窒素ガス雰囲
    気下、350℃で2時間加熱して該溶媒を除去すると共
    に該ポリアミド酸エステルを熱硬化すると、ポリイミド
    被膜に転換されるものであって、得られるポリイミド被
    膜は、上記シリコン基板上に形成された厚さ10μmの
    ポリイミド被膜について測定した時33MPa以下の残
    留応力を示す、 上記ポリアミド酸エステル。
  2. 【請求項2】該4価のジフェニルエーテル基(III)
    の量が、該4価の芳香族基の全モル量に対して、30〜
    45モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポ
    リアミド酸エステル。
  3. 【請求項3】テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物混
    合物とジアミンとを塩基性化合物の存在下で縮合反応に
    付し、その際、該塩基性化合物の量が、該縮合反応中に
    副生する酸の1当量あたり0.5当量以下である方法に
    よって製造されることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のポリアミド酸エステルであって、 該テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物混合物は、そ
    れぞれ独立して次式(I’): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり; Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基であり; Clは塩素原子である。) で表される複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ
    酸塩化物からなり、 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
    は、 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
    の全モル量に対し15〜70モル%の量が、該4価の芳
    香族基Xが次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I’)
    のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物であり、且つ 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
    の全モル量に対し15〜50モル%の量が、該4価の芳
    香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
    る式(I’)のテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物
    であって、 但し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカル
    ボン酸ジエステルジ酸塩化物と該4価のジフェニルエー
    テル基(III)を有するテトラカルボン酸ジエステル
    ジ酸塩化物との合計量が、該複数の異なるテトラカルボ
    ン酸ジエステルジ酸塩化物の全モル量に対して、50モ
    ル%以上である、 上記ポリアミド酸エステル。
  4. 【請求項4】テトラカルボン酸ジエステル混合物とジア
    ミンとを有機脱水剤の存在下で縮合反応に付す方法によ
    って製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のポリアミド酸エステルであって、 該テトラカルボン酸ジエステル混合物が、それぞれ独立
    して次式(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり; Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基である。) で表される複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルか
    らなり、 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルは、 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モル量
    に対して15〜70モル%の量が、該4価の芳香族基X
    が次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
    のテトラカルボン酸ジエステルであり、且つ 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モル量
    に対して15〜50モル%の量が、該4価の芳香族基X
    が次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
    る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルであって、 但し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカル
    ボン酸ジエステルと該4価のジフェニルエーテル基(I
    II)を有するテトラカルボン酸ジエステルとの合計量
    が、該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルの全モ
    ル量に対して、50モル%以上である、 上記ポリアミド酸エステル。
  5. 【請求項5】該テトラカルボン酸ジエステル混合物が、
    該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルが有する4
    価の芳香族基Xに対応する4価の芳香族基Xを有する異
    なるテトラカルボン酸二無水物の混合物をアルコールと
    反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステル混合物
    であって、上記反応において、該テトラカルボン酸二無
    水物混合物1当量あたり該アルコールを1.01〜1.
    10当量用いる、ことを特徴とする請求項4に記載のポ
    リアミド酸エステル。
  6. 【請求項6】該テトラカルボン酸ジエステル混合物1当
    量あたり該有機脱水剤を0.90〜099当量用いる、
    ことを特徴とする請求項4に記載のポリアミド酸エステ
    ル。
  7. 【請求項7】複数の異なるポリアミド酸エステルを含む
    ポリアミド酸エステル組成物であって、該複数の異なる
    ポリアミド酸エステルがそれぞれ独立して式(I)で表
    される繰返し単位からなる数平均分子量が8,000〜
    150,000のポリアミド酸エステルであって、 (式中、各Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価
    の芳香族基であり、 各Yはそれぞれ独立して炭素数4〜30の2価の有機基
    であり、 各Rはそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する
    1価の基である。) 該複数の異なるポリアミド酸エステルが、全体として、
    該4価の芳香族基Xとして、次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)を、該4価の芳香
    族基Xの全モル量に対して、15〜70モル%含み、且
    つ次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)を該
    4価の芳香族基Xの全モル量に対して、15〜50モル
    %含み、 該4価の芳香族基Xが、ベンゼン基(II)含有テトラ
    カルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル基(III)
    含有テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無
    水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビフェニ
    ルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼ
    ンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ジフルオロ−
    1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
    及び下記式(VI)の構造を有するテトラカルボン酸二
    無水物からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無
    水物に由来するものであって、 (式中、Rは下記式(VII)もしくは(VIII)で
    表される芳香族基を表す。) 但し、該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニ
    ルエーテル基(III)との合計量が、該4価の芳香族
    基Xの全モル量に対して、50モル%以上であり、 該2価の有機基Yが、芳香族ジアミン、又は1〜30モ
    ル%の範囲内の脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンとの混
    合物のいずれかのジアミン類に由来するものであって、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を45モル%を超え50モル%以下の範
    囲内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレ
    ンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
    ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
    ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミ
    ノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
    ノビフェニル、及び9,10−ビス(4−アミノフェニ
    ル)アントラセンからなる群から選ばれる芳香族ジアミ
    ンであり、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を15モル%以上30モル%未満の範囲
    内で用いる場合の該芳香族ジアミンが、4,4’−ジア
    ミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルス
    ルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、
    4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、1,3
    −ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−
    (4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス
    [4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
    ン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
    ル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
    ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ
    ーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
    2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,
    1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
    [4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
    及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
    −ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパンか
    らなる群から選ばれる芳香族ジアミンであり、 上記のジフェニルエーテル基(III)含有テトラカル
    ボン酸二無水物を30〜45モル%の範囲内で用いる場
    合の該芳香族ジアミンが、パラフェニレンジアミン、
    3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
    2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
    3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
    ル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
    ル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセ
    ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジ
    アミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフ
    ェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
    フォキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
    ンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
    ル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
    フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフ
    ェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフ
    ェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノ
    キシ)フェニル]エーテル、1,1,1,3,3,3−
    ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)
    プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
    2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
    ル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
    ロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)
    プロパン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
    ノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニル
    スルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
    1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、及び
    1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンからな
    る群から選ばれる芳香族ジアミンであり、 該ポリアミド酸エステル組成物を加熱硬化して得られる
    ポリイミド組成物塗膜について熱機械分析(TMA)測
    定を行なうと、220℃から280℃の領域と320℃
    から380℃の領域にそれぞれ変曲点を有し、 該ポリアミド酸エステル組成物は、その溶媒に溶解した
    溶液をシリコン基板に塗布して被膜とし、次いで窒素ガ
    ス雰囲気下、350℃で2時間加熱して該溶媒を除去す
    ると共に該ポリアミド酸エステル組成物を熱硬化する
    と、ポリイミド組成物被膜に転換されるものであって、
    得られるポリイミド組成物被膜は、上記シリコン基板上
    に形成された厚さ10μmのポリイミド組成物被膜につ
    いて測定した時33MPa以下の残留応力を示す、 上記ポリアミド酸エステル組成物。
  8. 【請求項8】該4価のジフェニルエーテル基(III)
    の量が、該4価の芳香族基の全モル量に対して、30〜
    45モル%であることを特徴とする請求項7に記載のポ
    リアミド酸エステル組成物。
  9. 【請求項9】該複数の異なるポリアミド酸エステルのそ
    れぞれが、有機脱水剤の存在下で複数の異なるテトラカ
    ルボン酸ジエステルをそれぞれ単独で又は組み合わせて
    ジアミンとの縮合反応に付すことによって得られる異な
    るポリアミド酸エステルであって、該複数の異なるテト
    ラカルボン酸ジエステルが該複数の異なるポリアミド酸
    エステルが有する4価の芳香族基Xに対応する4価の芳
    香族基Xを有しており、該複数の異なるテトラカルボン
    酸ジエステルそれぞれ又は組み合わせ1当量あたり該有
    機脱水剤を0.90〜0.99当量用い、 該複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルが、それぞ
    れ独立して次式(I”): (式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基であり; Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基である。) で表され、且つ 該4価の芳香族基Xが次式(II): で表される4価のベンゼン基(II)である式(I”)
    のテトラカルボン酸ジエステル、及び 該4価の芳香族基Xが次式(III): で表される4価のジフェニルエーテル基(III)であ
    る式(I”)のテトラカルボン酸ジエステルを含み、 但し、該4価のベンゼン基(II)を有するテトラカル
    ボン酸ジエステル及び該4価のジフェニルエーテル基
    (III)を有するテトラカルボン酸ジエステルを、該
    ポリアミド酸エステル組成物中の該4価のベンゼン基
    (II)及び該4価のジフェニルエーテル基(III)
    の量がそれぞれ、該4価の芳香族基Xの全モル量に対し
    て、15〜70モル%及び15〜50モル%になり且つ
    該4価のベンゼン基(II)と該4価のジフェニルエー
    テル基(III)との合計量が、該4価の芳香族基Xの
    全モル量に対して、50モル%以上になるように用いる
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のポリアミド酸
    エステル組成物。
  10. 【請求項10】該複数の異なるテトラカルボン酸ジエス
    テルのそれぞれが、該複数の異なるテトラカルボン酸ジ
    エステルが有する4価の芳香族基Xに対応する4価の芳
    香族基Xを有する複数の異なるテトラカルボン酸二無水
    物をそれぞれアルコールと反応させて得られるテトラカ
    ルボン酸ジエステルであって、上記反応において、該複
    数の異なるテトラカルボン酸二無水物それぞれ1当量あ
    たり該アルコールを1.01〜1.10当量用いる、こ
    とを特徴とする請求項9に記載のポリアミド酸エステル
    組成物。
  11. 【請求項11】(A)請求項1又は2に記載のポリアミ
    ド酸エステル、又は請求項7又は8に記載のポリアミド
    酸エステル組成物、 (B)光重合開始剤、及び (C)該成分(A)及び該成分(B)に対する溶媒、 を含むことを特徴とする感光性組成物。
  12. 【請求項12】(i)(A)請求項1又は2に記載のポ
    リアミド酸エステル、又は請求項7又は8に記載のポリ
    アミド酸エステル組成物、 (B)光重合開始剤、及び (C)該成分(A)及び該成分(B)に対する溶媒、 を含む感光性組成物を製造し; (ii)該感光性組成物を基材に塗布し、乾燥すること
    により該基材上に形成されたフィルムを得; (iii)該フィルムを、パターンを有するフォトマス
    クを介して紫外線に露光し、次いで溶媒で処理すること
    により該フィルムの露光されなかった部分を除去して、
    これにより該基材上にポリアミド酸エステルのパターン
    を形成し; (iv)該ポリアミド酸エステルのパターンを加熱する
    ことにより、該パターン中のポリアミド酸エステルをイ
    ミド化し、これにより該基材上に形成されたポリイミド
    のパターンを得る ことを包含するポリイミドパターンを基材上に形成する
    方法。
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